JP2011124412A - 熱電子発電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】コレクターの温度を下げずにコレクターのバックエミッションを抑制することにより、発電効率を向上させることができる熱電子発電素子を提供する。
【解決手段】エミッター1とコレクター2とを対向配置させた熱電子発電素子において、半導体材料を用いてエミッター1およびコレクター2をそれぞれ構成する。そして、エミッター1のドーパント濃度をコレクター2のドーパント濃度よりも濃くする。これにより、コレクター2からエミッター1へ到達する熱電子の数を少なくすることができる。このため、エミッター1とコレクター2を同じ温度で加熱しても、発電効率を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電子発電素子に関する。
従来より、高温の電極表面から熱電子が放出される現象を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電子発電素子が、例えば特許文献1で提案されている。この熱電子発電素子では、高効率な発電を実現するために、電極間の距離をナノメートルオーダー程度に短くし、トンネル現象を利用して熱電子放出効率を向上することが検討されている。また、高い起電力を実現するために、熱電子発電素子を直列に接続することが検討されている。
しかしながら、このような微小な間隔で電極間を保持するのは困難であり、機械加工による方法では加工精度上の限界の寸法である。また、直列に接続する素子間の配線を介してエミッタ電極(以下、エミッターと呼ぶ)からコレクタ電極(以下、コレクターと呼ぶ)へ熱が伝達されて、発電効率が低下してしまう問題がある。
さらに、コレクターの温度が上昇するとコレクターからも熱電子が放出されるバックエミッションが発生し、コレクターのバックエミッションがエミッターから放出される熱電子電流を相殺してしまうため発電効率が低下してしまう。このため、エミッターの温度はコレクターの温度よりも高くなければいけない。言い換えれば、温度が高い電極がエミッターとなり、温度が低い電極がコレクターとなる。通常、コレクターに冷却機構等の冷却手段を設けてコレクターを冷却し、エミッターとコレクターとの温度差を維持している。
一方、熱電子発電素子のエミッターとコレクターにダイヤモンド半導体を用いると、負性電子親和力(Negative Electron Affinity;NEA)の効果により各電極表面から極めて高効率な熱電子放出が可能となるため、金属に比べて低温で高効率な発電が可能となることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2004−349398号公報
F.A.M.Koeck, Y.j.Tang, R,j. Nemanich、Organizing Committee NDNC2007、NDNC 2007 New Diamond and Nano Carbons 2007、2007年5月28日、p97, "Direct thermionic energy conversion from nitrogen doped diamond films"、North Carolina State University, Raleigh, NC, USA, Arizona State University, Tempe, AZ, USA
しかしながら、熱電子発電素子のエミッターとコレクターとにダイヤモンド半導体を用いたとしても、各電極にダイヤモンド半導体を用いない場合と同様に、コレクターの温度が高くなるとコレクターから熱電子が放出される、つまりコレクターにバックエミッションが発生するので、熱電子発電素子の発電効率が低下してしまうという問題がある。
本発明は上記点に鑑み、コレクターの温度を下げずにコレクターのバックエミッションを抑制することにより、発電効率を向上させることができる熱電子発電素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、熱源からの熱が加わることによって熱電子を放出するエミッター(1)を半導体不純物が添加された半導体材料により構成し、エミッター(1)から放出された熱電子を移動させるコレクター(2)をエミッター(1)に対して一定間隔離間して対向配置すると共に半導体不純物が添加された半導体材料により構成している。そして、コレクター(2)を構成する半導体材料に添加された半導体不純物のドーパント濃度が、エミッター(1)を構成する半導体材料に添加された半導体不純物のドーパント濃度よりも薄いことを特徴とする。
これによると、コレクター(2)のドーパント濃度がエミッター(1)のドーパント濃度よりも薄いので、コレクター(2)から放出される熱電子の数をエミッター(1)から放出される熱電子の数よりも少なくすることができる。すなわち、コレクター(2)のドーパント濃度をエミッター(1)のドーパント濃度よりも薄くすることにより、エミッター(1)の温度に対してコレクター(2)の温度を下げることと同等の効果を得ることができる。したがって、コレクター(2)の温度をエミッター(1)の温度よりも低くしなくても、コレクター(2)のバックエミッションを抑制することができ、ひいては熱電子発電素子の発電効率を向上させることができる。
請求項2に記載の発明のように、エミッター(1)を構成する半導体材料および前記コレクター(2)を構成する半導体材料を、それぞれダイヤモンドとすることができる。
ダイヤモンドは負性電子親和力を持った材料であり、金属に比べて低温での発電効率を高めることができる。
例えば、エミッター(1)およびコレクター(2)にそれぞれN(窒素)を添加すると共に、コレクター(2)のドーパント濃度をエミッター(1)の10分の1とすると、エミッター(1)およびコレクター(2)の温度を600℃とすることで発電が可能である。また、エミッター(1)にP(燐)を添加し、コレクター(2)にN(窒素)を添加すると共に、コレクター(2)のドーパント濃度をエミッター(1)の10分の1とすると、エミッター(1)およびコレクター(2)の温度を650℃とすることで発電が可能である。
これら600℃や650℃という温度は、エミッター(1)およびコレクター(2)を金属材料で構成した場合にこれらを約1500℃で加熱しないと発電しない素子に比べて非常に低温である。
さらに、エミッター(1)にSb(アンチモン)を添加し、コレクター(2)にN(窒素)を添加すると、エミッター(1)およびコレクター(2)の温度を400℃とすることで発電が可能である。この400℃という温度は、上記の1500℃という温度に対して非常に低い温度であることがわかる。このように、熱電子発電素子を構成する半導体材料としてダイヤモンドを用いることにより、金属よりも低温で発電することができる。
請求項3に記載の発明のように、エミッター(1)を構成する半導体材料および前記コレクター(2)を構成する半導体材料を、それぞれ窒化ホウ素とすることができる。
窒化ホウ素は負性電子親和力を持った材料であり、ダイヤモンドよりもバンドギャップが狭いがダイヤモンドの材料の特性と似ているため扱いやすい。また、ダイヤモンドよりも半導体不純物のドーピング技術が楽であるという利点もある。
請求項4に記載の発明では、エミッター(1)を構成する半導体材料および前記コレクター(2)を構成する半導体材料を、それぞれ炭素原子を主にした非晶質構造を有した炭素膜とすることができる。
この炭素膜は、負性電子親和力を持った材料であるため、バンドギャップすなわちフェルミ準位を調整することができる。このため、熱電子発電素子の起電力等の発電特性を調整することができる。この場合、非晶質構造の状態を制御することによっても発電特性を調整することができる。
請求項5に記載の発明では、エミッター(1)のうちコレクター(2)に対向した表面(1c)およびコレクター(2)のうちエミッター(1)に対向した表面(2c)が、それぞれ水素終端されていることを特徴とする。
このように、エミッター(1)の表面(1c)およびコレクター(2)の表面(2c)を水素終端すると、極めて安定な負性電子親和力を得ることができ、高効率な熱電子放出を長時間において実現することができる。
請求項6に記載の発明では、エミッター(1)と当該エミッター(1)に対向配置されたコレクター(2)とにより構成された電極部(5)が、複数直列に接続されていることを特徴とする。
これにより、電極部(5)が1つの場合よりもさらに発電効率を向上させることができる。また、各電極部(5)のコレクター(2)の温度を下げる必要がなく、エミッター(1)からコレクター(2)への熱移動に対する対策も必要ないので、複数直列に接続された電極部(5)全体を加熱することができる。したがって、各電極部(5)の直列接続の構造を簡素化することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る熱電子発電素子の模式図である。 ダイヤモンド半導体薄膜の表面を水素終端した場合と酸素終端した場合それぞれのエネルギーバンド図である。 φ<φにおいて、エミッターとコレクターとのドーパント濃度が等しい場合のエネルギーバンド図である。 φ<φにおいて、エミッターとコレクターとのドーパント濃度が等しい場合の熱電子発電素子の出力電圧(Vo)と出力電流(Jo)との関係を示した図である。 φ<φにおいて、エミッターのドーパント濃度がコレクターよりも濃い場合のエネルギーバンド図である。 φ<φにおいて、エミッターのドーパント濃度がコレクターよりも濃い場合の熱電子発電素子の出力電圧(Vo)と出力電流(Jo)との関係を示した図である。 φ>φにおいて、エミッターとコレクターとのドーパント濃度が等しい場合のエネルギーバンド図である。 φ>φにおいて、エミッターとコレクターとのドーパント濃度が等しい場合の熱電子発電素子の出力電圧(Vo)と出力電流(Jo)との関係を示した図である。 φ>φにおいて、エミッターのドーパント濃度がコレクターよりも濃い場合のエネルギーバンド図である。 φ>φにおいて、エミッターのドーパント濃度がコレクターよりも濃い場合の熱電子発電素子の出力電圧(Vo)と出力電流(Jo)との関係を示した図である。 φ>φにおける発電領域を示した図である。 エミッターおよびコレクターからの熱電子放出特性(理想状態)を示した図である。 熱電子発電素子の熱電子放出特性(理想状態)を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る熱電子発電素子の模式図である。 他の実施形態に係る熱電子発電素子の模式図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。以下で示される熱電子発電素子は、互いに対向配置された一対の電極間を移動する熱電子を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。
図1は、本実施形態に係る熱電子発電素子の模式図である。この図に示されるように、熱電子発電素子は、互いに対向配置されたエミッター1およびコレクター2からなる一対の電極によって構成され、エミッター1とコレクター2との間を移動する熱電子を利用して、これらの間に接続された負荷3に対して電力を供給する。なお、図1ではエミッター1およびコレクター2の断面図を示してある。
エミッター1およびコレクター2は、基板1a、2a上にダイヤモンド半導体薄膜1b、2bを形成することによって構成された電極である。例えば、基板1a、2aとしては、ダイヤモンド基板、Si(シリコン)基板やMo(モリブデン)基板等の導電性・耐熱性を持った基板を用いることができる。ダイヤモンド基板を用いる場合には、例えば3mm□のものが用いられ、Mo基板を用いる場合には、例えば1インチ□のものが用いられる。
また、基板1a、2aへのダイヤモンド半導体薄膜1b、2bの形成は、例えばCVD法やスパッタ法にて行われ、マイクロ波プラズマCVD、RFプラズマCVD、DCプラズマCVD、RFプラズマスパッタ、DCプラズマスパッタなどにより行われる。ダイヤモンド半導体薄膜1b、2bを構成するダイヤモンドは、単結晶と多結晶のいずれであっても構わない。例えば、高圧合成によって生成したダイヤモンド基板を用いる場合、その上にダイヤモンド半導体薄膜1b、2bを例えばCVD法にて形成すると単結晶となる。ダイヤモンド半導体薄膜1b、2bの厚さに関しては、熱電変換に対する膜厚依存性が確認されなかったことから特に制限はないが、基板1a、2aの表面全面に偏り無く同じ厚みで形成されていると好ましい。
さらに、ダイヤモンド半導体薄膜1b、2bの各表面1c、2cは水素終端されている。この水素終端の効果について、ダイヤモンド半導体薄膜1bの表面1cを水素終端した場合と酸素終端した場合とを比較して説明する。
図2(a)はダイヤモンド半導体薄膜1bの表面1cを水素終端した場合、図2(b)はダイヤモンド半導体薄膜1bの表面1cを酸素終端した場合のエネルギーバンド図である。
まず、ダイヤモンド半導体薄膜1bの表面1cを水素終端した場合、図2(a)に示されるように、負性電子親和力(NEA)により、真空準位が伝導帯よりも低くなる(ΔE<0)。このため、伝導帯にある電子は、エネルギー=0で真空に放出させられる。さらにこのために真空準位とフェルミ準位との差として表される仕事関数が小さくなる。これに対して、図2(b)に示されるように、ダイヤモンド半導体薄膜1bの表面1cを酸素終端した場合、正の電子親和力により真空準位が伝導帯よりも高くなる(ΔE>0)。このため、伝導帯にある電子を真空に放出するにはエネルギーが必要となる。このため仕事関数も大きくなる。
このように、ダイヤモンド半導体薄膜1bの表面1cの終端構造によって、電子親和力の極性を変えることができる。そして、ダイヤモンド半導体薄膜1bの表面1cを水素終端すると、極めて安定な負性電子親和力を得ることができ、高効率な熱電子放出を長時間において実現することが可能となる。これは、ダイヤモンド半導体薄膜2bの表面2cを水素終端した場合についても同様である。
そして、上記のように構成されたエミッター1およびコレクター2は、互いのダイヤモンド半導体薄膜1b、2b同士が向かい合うように一定間隔離間して対向配置されている。ダイヤモンド半導体薄膜1b、2b同士の間の間隔は、熱電変換に適した間隔とされており、例えば20〜30μmとされている。この間隔は、エミッター1とコレクター2とを空間を空けて離間配置することによって保たれるようにしても良いが、スペーサーとして例えばこの間隔と対応する膜厚の図示しない絶縁膜をダイヤモンド半導体薄膜1b、2bで挟み込み、ダイヤモンド半導体薄膜1b、2bと絶縁膜を接触させた状態で固定することで、より確実に間隔が保たれるようにすることができる。絶縁膜として、例えば雲母が用いられる。
このように対向配置されたエミッター1およびコレクター2は、図1に示されるように、内部が真空とされた真空室4に配置されている。これにより、エミッター1のダイヤモンド半導体薄膜1bとコレクター2のダイヤモンド半導体薄膜2bとの間が真空に保たれる。
さらに、本実施形態では、ダイヤモンド半導体薄膜1b、2bそれぞれに、半導体不純物が添加されている。ダイヤモンド半導体薄膜1b、2bに添加される半導体不純物に応じて、エミッター1のダイヤモンド半導体薄膜1bとコレクター2のダイヤモンド半導体薄膜2bとがN型とN型、N型とP型(P型とN型)、P型とP型の導電型の各組み合わせが可能となる。なお、N型とP型(P型とN型)やP型とP型の各組み合わせの場合、エミッター1およびコレクター2を高温で加熱する必要があるので、N型とN型の組み合わせが好ましい。
そして、エミッター1を構成するダイヤモンド半導体薄膜1bに添加された半導体不純物のドーパント濃度が、コレクター2を構成するダイヤモンド半導体薄膜2bに添加された半導体不純物のドーパント濃度よりも濃くなっている。
具体的に、エミッター1のドーパント濃度は例えば1×1020(atoms/cm)であり、コレクター2のドーパント濃度は例えば1×1019(atoms/cm)である。このように、エミッター1のドーパント濃度がコレクター2のドーパント濃度の10倍になっている。
上記のようにドーパント濃度を規定する場合、エミッター1のドーパント濃度は1×1019(atoms/cm)以上が望ましい。エミッター1のドーパント濃度が1×1019(atoms/cm)以下では、励起される熱電子が少なく発電効率が低いためである。
さらに、コレクター2におけるドーパント濃度はエミッター1におけるドーパント濃度の10分の1以下が望ましい。このように、コレクター2におけるドーパント濃度を、エミッター1におけるドーパント濃度よりも薄くすることで、コレクター2で励起される熱電子の数をエミッター1で励起される熱電子の数よりも少なくすることが可能となる。
ダイヤモンド半導体薄膜1b、2bに添加する半導体不純物としては、例えば、N(窒素)、P(燐)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、S(硫黄)等が用いられる。それぞれのドナー準位は、N(窒素)が1.7eV、P(燐)が0.57eV、As(ヒ素)が0.4eV、Sb(アンチモン)が0.2eV、S(硫黄)が0.4eVである。
次に、上記構成の熱電子発電素子の作動について説明する。上述のように、熱電子発電素子は、電極表面から熱電子が放出される現象を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。具体的には、外部の熱源から熱がエミッター1に加わると、熱電子がエミッター1であるダイヤモンド半導体のフェルミ準位から伝導帯に励起される。ダイヤモンド半導体の伝導帯は負性親和力であるため真空準位より高く、伝導帯に励起された熱電子は障壁なく真空中へ飛び出す。
また、エミッター1とコレクター2との間は真空であり、距離が短く形成されているので、熱電子はエミッター1の表面(つまりダイヤモンド半導体薄膜1bの表面)からコレクター2の表面(つまりダイヤモンド半導体薄膜2bの表面)まで移動することができる。コレクター2に移動した熱電子は、負荷3を介してエミッター1に戻ることができる。これにより、熱電子発電素子は負荷3に対して電力を供給することができる。
このようにして発電を行う場合、コレクター2のドーパント濃度をエミッター1のドーパント濃度よりも薄くすることによりコレクター2から放出された電子がエミッター1へ到達する数が少なくなり発電効率が向上する。以下、このことについて図3〜図13を参照して説明する。
まず、エミッター1から放出される熱電子の流れ、すなわち最大エミッター電流Jは数1で表される。
Figure 2011124412
一方、コレクター2から放出される熱電子の流れ、すなわち最大コレクター電流Jは数2で表される。コレクター2から放出される熱電子の流れは、エミッター1から放出される熱電子の流れを相殺するバックエミッションとなる。
Figure 2011124412
数1および数2において、Aはリチャードソン定数、nはエミッター1のドーパント濃度、nはコレクター2のドーパント濃度、Tはエミッター1およびコレクター2の温度、eは基本電荷、kはボルツマン係数である。また、φはエミッター1を構成する半導体材料(つまりダイヤモンド半導体薄膜1b)の仕事関数、φはコレクター2を構成する半導体材料(つまりダイヤモンド半導体薄膜2b)の仕事関数である。
これら数1および数2に示されるように、エミッター1の最大エミッター電流Jはエミッター1のドーパント濃度nに比例し、コレクター2の最大コレクター電流Jはコレクター2のドーパント濃度nに比例している。したがって、各最大電流J、Jの大きさは、ドーパント濃度n、nの大きさに比例して変化する。
なお、エミッター1やコレクター2の各最大電流J、Jがドーパント濃度n、nにそれぞれ比例することについては、例えば、Mariko Suzuki, Tomio Ono, Naoshi Sakuma, Tadashi Sakai, Diamond & Related Materials 18 (2009) 1274-1277の記載(特に、Fig.6に関する記載)を参照することができる。
続いて、エミッター1とコレクター2とでドーパント濃度が等しい場合と異なる場合の発電について、エミッター1のダイヤモンド半導体薄膜1bにP(燐)を添加し、コレクター2のダイヤモンド半導体薄膜2bにN(窒素)を添加した熱電子発電素子を例に説明する。
はじめに、エミッター1とコレクター2とで温度およびドーパント濃度が等しい場合(T=T、n=n)について、図3および図4を参照して説明する。
図3はエミッター1とコレクター2とのドーパント濃度が等しい場合のエネルギーバンド図である。また、図4はエミッター1とコレクター2とのドーパント濃度が等しい場合の熱電子発電素子の出力電圧Voと出力電流Joとの関係を示した図である。図4のグラフの横軸は熱電子発電素子の出力電圧Voであり、縦軸は熱電子発電素子の出力電流Joである。
図3に示されるように、負性電子親和力(NEA)を持ったエミッター1およびコレクター2の仕事関数φ、φは、伝導帯の底よりも低いレベルに位置する。これは、負性電子親和力の作用によるものであり、負性電子親和力を持たない材料の場合は真空準位が伝導帯よりも高いエネルギー準位に存在する。そして、半導体不純物に応じてエミッター1のフェルミ準位とコレクター2のフェルミ準位とがそれぞれ決まり、このフェルミ準位の差が起電力となる。
なお、図3の「金属」は、エミッター1やコレクター2を構成する基板1a、2aや配線等の金属部材に相当する。また、エミッター1の仕事関数φとコレクター2の仕事関数φとを結ぶ破線は空間電荷の障壁であり、真空に飛び出た熱電子は少なくともこの障壁を飛び越えて移動する。図4では、各最大電流J、Jについて空間電荷の影響を除いてある。後述の図5および図6についても同様である。
そして、図4(a)に示されるように、エミッター1の電子放出については、出力電圧Voがφ−φよりも小さい領域では、一定値の最大エミッター電流Jが流れる。また、出力電圧Voがφ−φよりも大きい領域では、図中のJoの式で表されるように、最大エミッター電流Jが指数関数的に減衰していく。
一方、コレクター2の電子放出については、出力電圧Voがφ−φよりも大きい領域では、一定値の最大コレクター電流Jが流れる。また、出力電圧Voがφ−φよりも小さい領域では、最大コレクター電流Jが指数関数的に減衰していく。このコレクター2の電子放出は、上述のバックエミッションである。
そして、図4(a)に示されるグラフにおいて、エミッター1の電子放出Joの切片はVo=0として演算すると、Jo=Anexp(−(eφ/kT))となる。ドーパント濃度はn=nであり、エミッター1およびコレクター2の温度はT=Tであるから、Vo=0におけるエミッター1の電子放出Joの切片(=Anexp(−(eφ/kT)))とコレクター2の電子放出J(=Anexp(−(eφ/kT)))の切片とは等しい値となる。
したがって、図4(a)に示されるエミッター1の電子放出からコレクター2の電子放出を相殺すると、図4(b)に示されるように、発電を示す曲線はVo=0のときJo=0を通る曲線となる。Vo>0で発電が行われたことになるので、エミッター1とコレクター2のドーパント濃度が等しく温度も等しいときには、発電は行われないことがわかる。
なお、図4(b)に示される「R」の直線は負荷3の抵抗を示しており、負荷3に印加される電圧および負荷3に流れる電流を示す直線であるが、発電を示す曲線がVo=0のときJo=0を通るため、負荷3には電圧は印加されず電流も流れない。
これを図3に示されるエネルギーバンド図で表すと、エミッター1のフェルミ準位に位置する電子の数とコレクター2のフェルミ準位に位置する電子の数とが同じであるので、エミッター1からコレクター2に放出される熱電子の数とコレクター2からエミッター1に放出される熱電子の数とが同じである。したがって、エミッター1から熱電子は放出されているものの、この熱電子の放出はコレクター2から放出される熱電子(バックエミッション)により相殺されるので、トータルで出力電流Joは0ということになる。
このように、エミッター1とコレクター2との温度が同じ場合、仕事関数が小さいほうが励起される熱電子が多くなる。しかしながら、仕事関数が小さな電極から仕事関数が大きな電極に熱電子が到達するためには仕事関数差のエネルギーを超える必要がある。このため、励起された電子はエミッター1からコレクター2への数とコレクター2からエミッター1への数が同じとなり発電はしない。
これに対し、エミッター1とコレクター2とで温度が等しく(T=T)、エミッター1のドーパント濃度nがコレクター2のドーパント濃度nよりも濃い場合について、図5および図6を参照して説明する。図5はエミッター1のドーパント濃度nがコレクター2のドーパント濃度nよりも濃い場合のエネルギーバンド図である。また、図6はエミッター1のドーパント濃度nがコレクター2のドーパント濃度nよりも濃い場合の熱電子発電素子の出力電圧Voと出力電流Joとの関係を示した図である。
まず、コレクター2におけるN(窒素)のドーパント濃度nはエミッター1におけるP(燐)のドーパント濃度nよりも薄いので、コレクター2のフェルミ準位に存在する電子の数はエミッター1のフェルミ準位に存在する電子の数よりも少ない。
そして、図6(a)に示されるように、エミッター1の電子放出については図4(a)と同じである。一方、コレクター2の電子放出については、ドーパント濃度nがエミッター1のドーパント濃度nよりも薄いので、Vo=0におけるコレクター2の電子放出J(=Anexp(−(eφ/kT)))は、エミッター1の電子放出Joの切片(=Anexp(−(eφ/kT)))よりも小さい値となる。
すなわち、n>nとなったことで、図4(a)のVo=0における最大コレクター電流Jが図6(a)のVo=0における最大コレクター電流Jまで下がったことになる。このため、Vo>0の領域において、エミッター1の電子放出Joがコレクター2の電子放出Jよりも大きくなる発電領域が形成される。
したがって、図6(a)に示されるエミッター1の電子放出Joからコレクター2の電子放出Jを相殺すると、エミッター1の電子放出Joのうちコレクター2のバックエミッションに相殺されない分が残るので、図6(b)に示されるように、発電を示す曲線はVo=0およびJo=0を通らない曲線となる。このように、エミッター1のドーパント濃度nをコレクター2のドーパント濃度nよりも濃くした熱電子発電素子では、エミッター1とコレクター2との温度が等しい状態でも発電が行われる。これにより、負荷3には当該負荷3の抵抗に応じて出力電圧Voおよび出力電流Joが供給されることとなる。
これを図5に示されるエネルギーバンド図で表すと、エミッター1のフェルミ準位に位置する電子の数がコレクター2のフェルミ準位に位置する電子の数よりも多いので、エミッター1からコレクター2に放出される熱電子の数がコレクター2からエミッター1に放出される熱電子の数(バックエミッション)よりも多くなる。このため、エミッター1から放出される熱電子のすべてがコレクター2から放出される熱電子で相殺されないため、トータルでエミッター1からコレクター2に放出される熱電子が発電に寄与する。したがって、エミッター1とコレクター2とを同じ温度で加熱したとしても、エミッター1のドーパント濃度nをコレクター2のドーパント濃度nよりも濃くすることで発電が可能となる。
以上のように、「エミッター1のドーパント濃度nをコレクター2のドーパント濃度nよりも濃くする」、すなわち、「コレクター2のドーパント濃度nをエミッター1のドーパント濃度nよりも薄くする」ことにより、エミッター1とコレクター2とを同じ温度で加熱しても発電が可能となる。
上記では、エミッター1の仕事関数φがコレクター2の仕事関数φよりも小さい場合(φ<φ)について説明したが、エミッター1の仕事関数φがコレクター2の仕事関数φよりも大きい場合(φ>φ)についても同様に発電が可能である。これについて、図7〜図11を参照して説明する。
図7および図8は、上記の図3および図4に対応した図である。図8(a)に示されるように、φ>φにおいてエミッター1とコレクター2とで温度およびドーパント濃度が等しい場合(T=T、n=n)、φ<φの場合と同様にVo=0におけるエミッター1の電子放出の切片はコレクター2の電子放出の切片と等しい値になる。
したがって、エミッター1の電子放出からコレクター2の電子放出を相殺すると、図8(b)に示されるように発電を示す曲線はVo=0のときJo=0を通る曲線となり、発電は行われない。すなわち、図7に示されるように、エミッター1からコレクター2に放出される熱電子の数(つまりエミッター1で励起された熱電子の数)とコレクター2からエミッター1に放出される熱電子の数(つまりコレクター2で励起された熱電子の数)とが同じである。したがって、トータルで出力電流Joは0となる。
また、図9および図10は、上記の図5および図6に対応した図である。図10(a)に示されるように、φ>φにおいて、エミッター1とコレクター2とで温度が等しく(T=T)、エミッター1のドーパント濃度nがコレクター2のドーパント濃度nよりも濃い場合(n>n)、φ<φの場合と同様にVo=0においてコレクター2の電子放出はエミッター1の電子放出よりも小さい値となる。
したがって、エミッター1の電子放出からコレクター2の電子放出を相殺すると、エミッター1の電子放出のうちコレクター2のバックエミッションに相殺されない分が残るので、図10(b)に示されるように、発電を示す曲線はVo=0およびJo=0を通らない曲線となる。したがって、エミッター1の仕事関数φがコレクター2の仕事関数φよりも大きく(φ>φ)、エミッター1とコレクター2との温度が等しくても(T=T)、エミッター1のドーパント濃度nをコレクター2のドーパント濃度nよりも濃くすると発電が行われる。
すなわち、図9に示されるように、エミッター1からコレクター2に放出される熱電子の数がコレクター2からエミッター1に放出される熱電子の数(バックエミッション)よりも多いので、エミッター1から放出される熱電子のすべてがコレクター2から放出される熱電子で相殺されない。このため、発電が可能となる。
図11は、φ>φにおける発電領域を示した図である。図11の下段に示されるように、φ>φにおいても、エミッター1の電子放出はVo<φ−φの領域で一定値(J)となり、Vo>φ−φの領域で指数関数的に減少する。同様に、コレクター2の電子放出は、Vo>φ−φの領域で一定値(J)となり、Vo<φ−φの領域で指数関数的に減少する。このような電子放出の分布から、図11の上段に示されるように、コレクター2のドーパント濃度nがエミッター1のドーパント濃度nよりも薄くされたことにより、エミッター1の電子放出がコレクター2の電子放出に相殺されない領域が形成される。この領域が発電領域となる。
以上のように、エミッター1とコレクター2のどちらの仕事関数が大きくとも発電は可能である。すなわち、ドーパント濃度が同じであると共にエミッター1とコレクター2の温度が同じ場合は発電しないが、エミッター1のドーパント濃度nをコレクター2のドーパント濃度nよりも高くすることによりエミッター1とコレクター2の温度を同じにしても発電ができることがわかる。
このように、エミッター1とコレクター2とが同じ温度でありながら発電が可能であるということは、コレクター2のドーパント濃度nをエミッター1のドーパント濃度nよりも薄くするということが、コレクター2の温度をエミッター1の温度よりも低くすることと同等の効果があるということである。このことについて、図12および図13を参照して説明する。
図12は、エミッター1の温度およびコレクター2の温度と、エミッター1とコレクター2とのドーパント濃度の比率とをそれぞれ変化させたときのエミッター1・コレクター2の熱電子放出特性(理想状態)のシミュレーション結果である。図12は上記の図4(a)や図6(a)に対応する図であり、横軸は熱電子発電素子の出力電圧Vo、縦軸は熱電子発電素子の出力電流Joである。
なお、エミッター1の仕事関数をφ=1.4eVとし、コレクター2の仕事関数をφ=1.0eVとした。また、エミッター1の温度を900Kとした。後述の図13についても同様である。
図12に示されるように、ドーパント濃度が等しい場合(n/n=1)についてみてみると、コレクター2を700Kで加熱したときの最大コレクター電流J(700K:▲)に対して、600Kで加熱したときの最大コレクター電流J(600K:■)が低い値となる。エミッター1のドーパント濃度nをコレクター2のドーパント濃度nの100倍とした場合(n/n=100)のJ(900K:●)とJ(800K:*)との関係やJ(800K:*)とJ(700K:×)との関係についても同様である。
さらに、コレクター2を700Kで加熱した場合、ドーパント濃度が等しい場合(n/n=1)の最大コレクター電流J(700K:▲)に対して、エミッター1のドーパント濃度nをコレクター2のドーパント濃度nの100倍とした場合(n/n=100)の最大コレクター電流J(700K:×)が低くなっている。このように、コレクター2のドーパント濃度nをエミッター1のドーパント濃度nよりも薄くすることにより、コレクター2の温度をエミッター1の温度よりも低くした効果が得られることがわかる。
また、図13は、熱電子発電素子の熱電子放出特性(理想状態)のシミュレーション結果を示した図であり、上記の図4(b)や図6(b)に対応する図である。コレクター2の温度を変化させ、エミッター1とコレクター2との温度差をΔTとした。
図13に示されるように、ドーパント濃度が等しい場合(n/n=1)、温度差ΔT:100Kの出力電流Jo(800K:▲)に対して温度差を大きくしていくと、温度差ΔT:200Kの出力電流Jo(700K:■)、温度差ΔT:300Kの出力電流Jo(600K:◆)の順に出力電圧Voが大きくなる。エミッター1のドーパント濃度nをコレクター2のドーパント濃度nの100倍とした場合(n/n=100)についても同様に、温度差ΔT:0Kの出力電流Jo(900K:+)、温度差ΔT:100Kの出力電流Jo(800K:●)温度差ΔT:200Kの出力電流Jo(700K:*)温度差ΔT:300Kの出力電流Jo(600K:×)の順に出力電流Joが大きくなる。
さらに、コレクター2を700Kで加熱した場合、すなわち温度差ΔT:200Kの場合、ドーパント濃度が等しいとき(n/n=1)の出力(700K:■)に対して、エミッター1のドーパント濃度nをコレクター2のドーパント濃度nの100倍としたとき(n/n=100)の出力(700K:*)が高くなっている。
すなわち、ドーパント濃度が等しく温度差ΔT:200Kの場合の出力(700K:■)と、ドーパント濃度が100倍異なり温度差ΔT:0Kの場合の出力(900K:+)とがほぼ同じ曲線を描いていることから、コレクター2のドーパント濃度nをエミッター1のドーパント濃度nに対して1/100に薄くすることにより、コレクター2の温度をエミッター1の温度に対して200℃低くした効果が得られる。
言い換えると、コレクター2のドーパント濃度nをエミッター1のドーパント濃度nに対して1/10に薄くすることによりコレクター2の温度をエミッター1の温度よりも100℃低くした効果が得られる。したがって、エミッター1とコレクター2との温度差を100℃以上にすれば熱電子発電素子として機能を発揮するので、コレクター2のドーパント濃度nをエミッター1のドーパント濃度nの1/10以下にすることが望ましい。
上記のように、エミッター1において半導体不純物としてP(燐)を添加したN型のダイヤモンド半導体薄膜1bとし、コレクター2において半導体不純物としてN(窒素)を添加したダイヤモンド半導体薄膜2bとすることができる。ダイヤモンドに燐原子を添加すると、そのドナー準位は伝導帯から約0.6eVに存在する。エミッター1の燐濃度を2×1020(atoms/cm)、コレクター2の窒素濃度を1×1019(atoms/cm)とし、コレクター2のドーパント濃度nをエミッターの20分の1とすることができる。これによると、エミッター1を650℃で加熱し、コレクター2を強制冷却せず自然冷却したとしても発電が可能であった。
以上により、コレクター2のドーパント濃度nをエミッター1のドーパント濃度nよりも薄くすることにより、コレクター2から放出された電子がエミッター1へ到達する数が少なくなるので発電効率が向上する。
その他、半導体不純物の例とその組み合わせについて説明する。エミッター1およびコレクター2において半導体不純物としてN(窒素)を添加したN型のダイヤモンド半導体薄膜1b、2bとする。ダイヤモンドに窒素原子を添加すると、そのドナー準位は伝導帯から約1.7eVに存在する。エミッター1およびコレクター2において半導体不純物を同じ材料にすることによりドナー準位も同じになるが、コレクター2におけるN(窒素)のドーパント濃度nをエミッター1におけるN(窒素)のドーパント濃度よりも薄くすることにより、コレクター2からの熱電子放出確率がエミッター1からの熱電子放出確率よりも低くなる。
このような場合、エミッター1およびコレクター2においてドナー準位は同じでも、コレクター2のドーパント濃度nがエミッター1のドーパント濃度nよりも薄いため、コレクター2の実効的なフェルミ準位はエミッター1よりも深くなり、熱励起される確率が低くなる。
さらに、ドナー準位は同じでもコレクター2のドーパント濃度nが薄いため実効的なフェルミ準位は深くなり熱励起される確率が低くなる。エミッター1の窒素濃度を1×1020(atoms/cm)とし、コレクター2の窒素濃度を1×1019(atoms/cm)として、コレクター2のドーパント濃度nをエミッター1の10分の1とした。これによると、エミッター1およびコレクター2の温度を同じ600℃としても発電が可能であった。
また、エミッター1において半導体不純物としてSb(アンチモン)を添加したN型のダイヤモンド半導体薄膜1bとし、コレクター2において半導体不純物としてS(硫黄)を添加したN型のダイヤモンド半導体薄膜2bとすることができる。ダイヤモンドにSb原子を添加すると、そのドナー準位は伝導帯から約0.2eVに存在し、またダイヤモンドに硫黄原子を添加すると、そのドナー準位は伝導帯から約0.4eVに存在することが知られている。
この場合、エミッター1およびコレクター2を400℃に加熱することで発電が可能である。この温度は、エミッター1およびコレクター2を金属材料で構成した場合に加熱する温度(約1500℃)に対して非常に低い温度である。したがって、従来の加熱温度に対して約1000℃以上も低い加熱温度で発電することができる。
以上説明したように、本実施形態では、エミッター1のドーパント濃度nをコレクター2のドーパント濃度nよりも濃くすることによりコレクター2から放出された電子がエミッター1へ到達する数が少なくなりこれまでに比べて発電効率を向上させることができる。すなわち、コレクター2からエミッター1への熱電子放出が抑制されるので、発電効率を向上させることができる。
さらに、従来では熱電子発電素子ではコレクター2の温度をエミッター1の温度よりも低くしないと発電せず、コレクター2とエミッター1との温度差が小さくなると発電効率が低くなるという欠点があった。しかしながら、本実施形態ではエミッター1として高濃度ドープダイヤモンド半導体薄膜1b、コレクター2として低濃度ドープダイヤモンド半導体薄膜2bを用いているので、エミッター1とコレクター2との温度差がなくとも発電が可能となり、コレクター2を冷却する必要がない。
このように、負性電子親和力(NEA)を持った半導体材料(本実施形態ではダイヤモンド半導体)に対して、エミッター1のドーパント濃度nをコレクター2のドーパント濃度nよりも濃くしたことにより、以下の特性を得ることができる。
第1に、エミッター1を構成する半導体材料の仕事関数φが、コレクター2を構成する半導体材料の仕事関数φ以下となる。すなわち、エミッター1とコレクター2の温度が同じ場合、仕事関数が小さいエミッター1で励起される熱電子がコレクター2よりも多くなる。
第2に、エミッター1における半導体不純物のドーピング深さが、コレクター2における半導体不純物のドーピング深さ以下となる。ここで、「ドーピング深さ」とは、伝導帯の底からフェルミ準位までのエネルギー深さである。
第3に、熱源からの熱が加わったコレクター2の温度は、熱源からの熱が加わったエミッター1の温度以下となる。すなわち、ドーパント濃度が薄くなることは温度が下がることと同等だからである。
以上により、コレクター2の温度を下げずにコレクター2のバックエミッションを抑制でき、ひいては発電効率を向上させることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。図14は、本実施形態に係る熱電子発電素子の模式図である。この図に示されるように、図1で示された熱電子発電素子が複数個直列に接続されている。
具体的には、エミッター1と当該エミッター1に対向配置されたコレクター2とを1つの電極部5とすると、この電極部5が複数直列に接続されている。つまり、電極部5が最小単位の熱電子発電素子であり、この最小単位の熱電子発電素子が複数直列接続されたもので1つの熱電子発電素子が構成されている。
本実施形態では、一方の電極部5のコレクター2を構成する基板2aと他方の電極部5のエミッター1を構成する基板1aとが配線6で接続されている。そして、3つの電極部5が配線6を介して直列接続されている。また、直列接続された3つの電極部5が真空室4に配置されている。
以上のように、最小単位の熱電子発電素子(つまり電極部5)を複数直列接続することにより、電極部5が1つの場合よりもさらに発電効率を向上させることができる。
また、上述のように、各電極部5のコレクター2の温度を下げる必要がなく、配線6を介してエミッター1からコレクター2に移動する熱に対する対策も必要ない。すなわち、エミッター1およびコレクター2の温度がそれぞれ同じであっても発電するため、エミッター1とコレクター2との間の配線6による熱伝導の影響を考慮する必要がなく、コレクター2に冷却機構が必要ないので、単純な構造で直列化が可能であり、高い出力電圧を得ることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、基板1a、2aの上にダイヤモンド半導体薄膜1b、2bを形成したものを、エミッター1やコレクター2としていたが、ダイヤモンド半導体薄膜1b、2bそのものをエミッター1やコレクター2としても良い。すなわち、エミッター1やコレクター2は半導体不純物が添加された半導体材料で構成されたものでも良い。
上記各実施形態では、半導体材料としてダイヤモンド半導体薄膜1b、2bを用いていたが、他の半導体材料を用いても良い。例えば、エミッター1やコレクター2を構成する半導体材料をBN(窒化ホウ素)としても良い。また、半導体材料として炭素原子を主にした非晶質構造を有した炭素膜を用いることもできる。これらBNや炭素膜は負性電子親和力を持った半導体材料であるので、上記のダイヤモンドと同様に熱電子発電素子に用いることができる。
上記第2実施形態では、配線6を用いて複数の電極部5を直列接続していたが、配線6を用いずに各電極部5を電気的に接続することも可能である。例えば、図15(a)に示されるように、一方の電極部5のコレクター2と他方の電極部5のエミッター1とを接続する場合、コレクター2を構成する基板2aのうちダイヤモンド半導体薄膜2bが形成された面とは反対側の面とエミッター1を構成する基板1aのうちダイヤモンド半導体薄膜1bが形成された面とは反対側の面とを貼り合わせるかもしくは接合する。これにより、配線6を用いずに一方の電極部5と他方の電極部5とを直列接続することができる。
また、図15(b)に示されるように、負荷3に接続されたエミッター1とコレクター2との間に位置するエミッター1およびコレクター2については、エミッター1とコレクター2とを共通の基板7で構成することもできる。この場合、基板7の両面にダイヤモンド半導体薄膜をそれぞれ形成し、一方の薄膜に添加する半導体不純物のドーパント濃度を他方の薄膜に添加する半導体不純物のドーパント濃度よりも薄くすることで、1つの基板7にエミッター1とコレクター2とを形成することができる。これにより、1つの基板7に形成された一方のダイヤモンド半導体薄膜2bは一方の電極部5を構成し、他方のダイヤモンド半導体薄膜1bは他方の電極部5を構成することとなる。
上述のように、エミッター1およびコレクター2を同じ温度で加熱しても発電できるので、図14や図15(a)および図15(b)に示されるように、複数のエミッター1およびコレクター2をどのように配置することも可能である。すなわち、コレクター2の温度を下げるための配置の工夫や部材、冷却機構等は一切不要である。したがって、上記の熱電子発電素子を用いることで、複数の電極部5を直列接続する際の自由度を高めることができる。
1 エミッター
1c エミッターの表面
2 コレクター
2c コレクターの表面
5 電極部

Claims (6)

  1. 互いに対向配置された一対の電極間を移動する熱電子を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電子発電素子であって、
    半導体不純物が添加された半導体材料により構成され、熱源からの熱が加わることによって熱電子を放出するエミッター(1)と、
    前記エミッター(1)に対して一定間隔離間して対向配置されていると共に半導体不純物が添加された半導体材料により構成され、前記エミッター(1)から放出された前記熱電子を移動させるコレクター(2)と、を備え、
    前記コレクター(2)を構成する半導体材料に添加された半導体不純物のドーパント濃度が、前記エミッター(1)を構成する半導体材料に添加された半導体不純物のドーパント濃度よりも薄いことを特徴とする熱電子発電素子。
  2. 前記エミッター(1)を構成する半導体材料および前記コレクター(2)を構成する半導体材料は、それぞれダイヤモンドであることを特徴とする請求項1に記載の熱電子発電素子。
  3. 前記エミッター(1)を構成する半導体材料および前記コレクター(2)を構成する半導体材料は、それぞれ窒化ホウ素であることを特徴とする請求項1に記載の熱電子発電素子。
  4. 前記エミッター(1)を構成する半導体材料および前記コレクター(2)を構成する半導体材料は、それぞれ炭素原子を主にした非晶質構造を有した炭素膜であることを特徴とする請求項1に記載の熱電子発電素子。
  5. 前記エミッター(1)のうち前記コレクター(2)に対向した表面(1c)および前記コレクター(2)のうち前記エミッター(1)に対向した表面(2c)が、それぞれ水素終端されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の熱電子発電素子。
  6. 前記エミッター(1)と当該エミッター(1)に対向配置された前記コレクター(2)とにより構成された電極部(5)が、複数直列に接続されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱電子発電素子。
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