JP2008538861A - ダイヤモンド状炭素熱電変換装置ならびにその使用方法および製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド状炭素熱電変換装置ならびにその使用方法および製造方法 Download PDF

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Abstract

ダイヤモンド状炭素ベースの熱電変換装置およびその作製方法と使用方法であって、該熱電変換装置は、改善された変換効率と、増大された信頼性とを有する。該熱電変換装置は、カソード(25)を備えることができ、該カソード(25)は、これ全体に被覆されたアモルファスダイヤモンドなどのダイヤモンド状炭素材料(5)の層を備えたベース部材(60)を有する。誘電中間体部材(55)は、ダイヤモンド状炭素材料(5)と、アノード(30)との間で電気的に接続することができる。多数のカソード層および/または多数の中間層など、種々の追加層および構成によって向上した性能を得ることができる。熱電変換装置は、発電機および/または冷却装置として構成することができ、都合良く形成することができる。

Description

本発明は、概ね、ダイヤモンド状炭素材料から電子を生成する装置および方法ならびにダイヤモンド状炭素材料によって生成された電子を利用する装置および方法に関する。従って、本出願は、物理、化学、電気および材料科学の分野を含む。
熱電子放出装置および電界放出装置は周知であり、種々の用途に用いられている。陰極線管などの電界放出装置および電界放出表示装置は、そのような装置の一般的な例である。一般に、熱電子放出装置は、ポテンシャル障壁を超えて高温の電子を射出させることによって作動し、一方、電界放出装置は、電子が障壁を通り抜けることによって作動する。具体的な装置の例は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15および特許文献16に開示されており、それぞれは参照により本明細書に組み入れられる。
熱電子装置の電子放出特性は、電界放出装置における場合よりも、温度により大きく依存する。温度の上昇は、熱電子装置の表面から放出される電子の数に劇的に影響を与える。
熱電子装置は、多くの用途において基本的には成功しているが、一般に電界放出装置がより高い電流出力を達成するので、熱電子装置は電界放出装置ほどは成功を収めていない。ほとんどの電界放出装置は、この重要な利点があるにもかかわらず、特に材料の制約、用途の多さに対する制限、費用効果の制限、寿命の限界、効率の限界を含む、装置の潜在的用法を制限するようなその他様々な欠陥による損害を受けている。
米国特許第6,229,083号明細書 米国特許第6,204,595号明細書 米国特許第6,103,298号明細書 米国特許第6,064,137号明細書 米国特許第6,055,815号明細書 米国特許第6,039,471号明細書 米国特許第5,994,638号明細書 米国特許第5,984,752号明細書 米国特許第5,981,071号明細書 米国特許第5,874,039号明細書 米国特許第5,777,427号明細書 米国特許第5,722,242号明細書 米国特許第5,713,775号明細書 米国特許第5,712,488号明細書 米国特許第5,675,972号明細書 米国特許第5,562,781号明細書
電界放出装置において、上記した欠陥を排除し、より低いエネルギー入力を用いてより高い電流出力を達成するために、種々異なる材料が使用されている。近年、その物理的性質により、著しく関心を集めるようになった材料がダイヤモンドである。具体的には、純粋なダイヤモンドは低い正電子親和性を有し、これは真空に近い。同様に、セシウムなどの低イオン化ポテンシャル元素でドープしたダイヤモンドは、電子軌道内保持されている電子を、最小のエネルギー入力でそこから振り落とすことを可能にする負電子親和性(NEA)を有する。しかしながら、ダイヤモンドはまた、ダイヤモンドを絶縁体とし、電子がそこを通って移動あるいはそこから出るのを妨げる高いバンドギャップを有する。種々のドーパントでダイヤモンドをドープし、ある幾何形状に形成するなどの、バンドギャップを変更または低下するための多数の試みがなされている。そのような試みにより適度な成功が得られているが、性能、効率、費用に対する多くの制限がいまだ存在している。従って、電界放出装置の可能な用途は、依然として小規模で低電力出力の用途に限定されている。
そのため、比較的少量のエネルギーをエネルギー源から吸収することによって高い電流出力を得ることが可能な、実用的な用途に用いるのに適した材料が、継続中の研究ならびに開発努力により求め続けられている。
従って、本発明は、熱電変換装置を用いたエネルギーの変換のための材料、装置、ならびに方法を提供するものである。一実施態様において、本発明は、改善された変換効率と増大された信頼性とを有するダイヤモンド状炭素熱電変換装置を提供する。該変換装置は、少なくともその一部が被覆されたダイヤモンド状炭素材料の層を備えたベース部材を有するカソードを含むことができる。誘電中間体部材を、該ダイヤモンド状炭素材料に電気的に接続することができる。アノードもまた、ダイヤモンド状炭素材料とは反対側で中間体部材に電気的に接続することができる。
代替的な実施態様において、カソードのベース部材は、ダイヤモンド状炭素材料からの電子放出効率を向上させるように構成された複数の層を備えることができる。通常、ベース部材の第2の層は、第1の誘電カソード層よりも小さい仕事関数を有する。
さらに詳細な態様において、誘電中間体材料は、ポリマー、ガラス、セラミックまたはそれらの混合物あるいは組成物であってよい。容量性材料として有用なほとんどの材料を用いることができるが、圧電性である誘電材料を特に有用であり得る。適切な誘電材料の非限定的な例は、BaTiO、PZT、Ta、PET、PbZrO、PbTiO、NaCl、LiF、MgO、TiO、Al、BaO、KCl、MgSO、石英ガラス、ソーダ石灰、高鉛ガラス、およびそれらの混合物または組み合わせを包含し得る。中間体部材として適切な材料はまた、グラファイトと、グラファイトとその他の材料、例えばセラミックスやその他の誘電材料との組み合わせを包含し得る。
さらに別の詳細な態様において、カソードとアノードとは、熱電変換装置を可撓性が要求される外形面上に配置できるか、可撓性が要求される用途で使用できるよう、可撓性であってよい。
本発明の熱電変換装置は、発電機または冷却装置あるいはその両方として構成することができる。一実施態様において、エネルギーコレクターは、ダイヤモンド状炭素熱電変換装置を発電機として構成するよう、ダイヤモンド状炭素材料の反対側でカソードに接続することができる。この実施態様は、熱および/または光エネルギーを電気エネルギーに変換を受けて作動可能である。あるいはまた、もしくは、発電機に加えて、ダイヤモンド状炭素熱電変換装置を冷却装置として構成するよう、電圧源を作動可能にアノードとカソードの間に接続することができる。このように、本発明の装置は、装置にわたる熱流を、隣接する構造体または空間を冷却するよう選択的に制御することができる。
本発明の熱電変換装置は、蒸着法などの様々な技術を用いて、都合良く形成することができる。さらに、本発明の装置は、真空空間の形成を必要としないため、全体にわたって典型的に完全に密である。その結果、本発明の装置は、低減されたコストでの大量生産が可能であり、かつ、長期間にわたり高度な堅牢性かつ信頼性を有する。
代替的な態様において、本発明の装置は、境界面を強化して材料の欠陥を低減するよう熱処理に供される。
本発明の最も重要な特徴を、以下の詳細な説明をより適当に理解できるよう、かつ、当分野における本発明の貢献がより理解されるよう、概略というよりは要点を述べた。本発明のその他の特徴は、関連図面ならびに特許請求の範囲とともに以下の本発明の詳細な説明から、あるいは本発明を実施することにより明らかになるであろう。
また、図面を以下の詳細な説明と関連させてさらに説明する。これらの図面は、図ごとに寸法形状および幾何学形状を変化させられるよう、必ずしも縮尺したものではなく単に例示目的のものである。
本発明を開示し説明する前に、本発明が特定の構造、処理手段、あるいはここに開示の材料に限定されるものではなく、当業者等が認識するそれらの同等物にまで拡張されるものであることは理解すべきである。ここで用いられる用語が、特定の実施態様を説明する目的でのみ使用され、限定目的ではないこともまた理解すべきである。
本明細書ならびに添付の特許請求の範囲において使用される際、別途明確に記述しない限り、単数形は複数を含むことに留意しなければならない。すなわち、例えば”層”の示す内容は、1つまたはより多くのそのような層を含み、”炭素源”の示す内容は1つまたはより多くのそのような炭素源を意味することを含み、また、”カソードアーク技術”の示す内容は、1つまたはより多くのそのような技術を意味することを含む。
(定義)
本発明の説明ならびに特許請求の範囲の記載において、以下の専門用語は、以下に記載の定義に従って用いられるものとする。
ここで用いる場合、”真空”は、10−2トル未満の圧力状態を意味する。
ここで用いる場合、”ダイヤモンド”は、別の炭素原子に結合してsp結合として知られる格子状の四面体配位にある炭素原子の結晶構造体を意味する。具体的には、各炭素が、正四面体のそれぞれの頂点に位置する4つの他の炭素原子に囲まれてそれらに結合している。さらに、いずれか2つの炭素原子間の結合長は周囲温度条件で1.54Åであり、いずれか2つの結合間の角度は109度28分16秒であるが、実験結果では若干異なる場合がある。ダイヤモンドを形成するよう正常、すなわち正四面体形状に結合した炭素原子の代表例を図6に示す。物理的および電気的特性を含むダイヤモンドの構造と性質は当分野で周知である。
ここで用いる場合、”歪んだ四面体配位”は、不規則な、すなわち、上述のダイヤモンドの規則的な四面体形態から逸脱した形態を有する、炭素原子の四面体結合した形態を意味する。そのような歪みは、概して、ある結合の長さを延ばして他を短くし、さらには結合間の結合角を変化させる結果をもたらす。さらには、四面体の歪みにより、炭素の特性と特徴がsp形態(すなわちダイヤモンド)に結合された炭素の特性とsp形態(すなわちグラファイト)に結合された炭素の特性との間に実際に存在することがわかる。歪んだ四面体結合に結合された炭素原子を有する材料の一例がアモルファスダイヤモンドである。歪んだ四面体配位に結合された炭素原子の代表例を図7に示す。図7は、単に歪んだ四面体形態の可能な代表例の1つを示しているにすぎず、広範囲にわたる歪んだ形態が一般的にアモルファスダイヤモンドに存在することを理解すべきである。
ここで用いる場合、”ダイヤモンド状炭素”は、主要な元素として炭素原子を有する、歪んだ四面体配位に結合した十分量のそのような炭素原子を備える炭素質材料を意味する。ダイヤモンド状炭素(DLC)は、通常、PVD法で作製することができるが、CVD法やその他の方法も、蒸着法として用いることができる。特に、広範にわたるその他の元素を、不純物、すなわちドーパントとしてDLC材料に包含させることができ、それらに限定されないが、水素、硫黄、亜リン酸、ホウ素、窒素、ケイ素、タングステンなどが含まれる。
ここで用いられる場合、”アモルファスダイヤモンド”は、主要な元素として炭素原子を有する、歪んだ四面体配位に結合した十分量のそのような炭素原子を備えるダイヤモンド状炭素の一型を意味する。一見地において、アモルファスダイヤモンド中の炭素量は、少なくとも約90%であってよく、その炭素の少なくとも約20%は歪んだ四面体配位に結合されている。アモルファスダイヤモンドはまた、ダイヤモンド(176個/cm)よりも高い原子密度を有する。また、アモルファスダイヤモンドとダイヤモンド材料は溶融すると収縮する。
ここで用いられる場合、”蒸着法”は、蒸気相によって材料を基体上に堆積させる方法を意味する。蒸着法は、それらに限定されるものではないが、化学蒸着法(CVD)および物理蒸着法(PVD)などの方法のいずれも包含され得る。当業者によれば、広範囲にわたる各蒸着法の変形したものを実行することができる。蒸着法の例には、ホットフィラメントCVD法、rf−CVD法、レーザーCVD法(LCVD)、有機金属気体堆積法CVD(MOCVD)、スパッタ法、熱的蒸発PVD法、イオン化金属PVD法(IMPVD)、電子ビームPVD法(EBPVD)、反応性PVD法、原子層堆積法(ALD)などが包含される。
ここで用いられる場合、”隆起”は、表面解剖学(surface anatomy)の種々の特性によって評価されたときの表面の粗さを意味する。表面の隆起の指標として、表面上のピークや突起の高さ、ならびに表面中に陥没した谷部や凹部の深さなどの様々な測定値を用いることができる。さらに、隆起の測定値には、表面の所与の領域内のピークや谷部の数(すなわちピークや谷部の密度)、そのようなピークまたは谷部間の距離が包含される。
ここで用いる場合、”金属の(性)”は、金属、あるいは2種またはより多くの金属の合金を意味する。広範囲にわたる金属性材料が当業者等に知られており、例えば、アルミニウム、銅、クロム、鉄、鋼鉄、ステンレス鋼、チタン、タングステン、亜鉛、ジルコニウム、モリブデンなどと、それらの合金ならびに化合物が含まれる。
ここで用いる場合、”電子親和性”は、原子がその電子軌道の1つの内に自由電子を引きつけるか結合させる傾向を意味する。さらに、”負の電子親和性”(NEA)は、小さいエネルギー入力でその軌道から自由電子を追い出すか、あるいは電子の放出を可能にする原子の傾向を意味する。NEAは、概して、伝導帯内における真空と最も低いエネルギー状態との間のエネルギー差である。当業者等であれば、負の電子親和性が、材料の組成的性質、あるいは結晶の不規則性、例えば欠陥、内包物、粒界、双晶面、あるいはそれらの組み合わせなどによって与えられ得ることは認識するであろう。
ここで用いる場合、”誘電体”は、電気抵抗性を有する材料のいずれかであることを意味する。誘電材料は、それらに限定されるものではないが、ガラス、ポリマー、セラミック、グラファイト、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩およびそれらの組み合わせまたは複合体などの多くの種類の材料を包含し得る。
ここで用いる場合、”仕事関数”は、通常、材料の最も高いエネルギー状態における電子を材料から真空空間中へ放出させるのに必要な、eVで表されるエネルギー量を意味する。すなわち、4.5eVの仕事関数を有する銅などの材料は、表面から、0eVにおいて理論的に完全な真空中へ電子を放出するためのエネルギーである4.5eVを必要とする。
ここで用いる場合、”電気的に接続された”とは、それらの間で少なくとも部分的に電流を流すことが可能な構造体間における関係を意味する。この定義は、構造体が物理的な接触状態にあるという局面ならびに構造体が物理的な接触状態にない局面とを含むことを意図するものである。通常、電気的に接続された2種の材料は、それらの間で電気的ポテンシャルまたは実電流を有し得る。例えば、抵抗器で相互に物理的に接続された2つの面は物理的に接触しており、そのため、それらの間で電流を流すことができる。逆に、誘電材料によって分離された2つの面は物理的に接触していないが、交流電源に接続されると容量性手段によってそれらの間に電流を流すことが可能となる。さらには、誘電材料の絶縁性に依存して、十分なエネルギーが適用されたときに、電子が誘電材料を通り抜けるか、それを超えてジャンプすることができるようになる。
ここで用いる場合、”熱電エネルギー変換”は、熱エネルギーの電気エネルギーへの変換、あるいは電気エネルギーの熱エネルギーへの変換、あるいはまた、熱エネルギーの流れに関する。さらに、本発明の背景においては、ダイヤモンド状炭素は通常、熱電子放出の下で作動する。本明細書のいずれかで議論したように、熱電子放出は、温度の高い材料から増大した電子放出が得られるという特性のものである。アモルファスダイヤモンドなどのダイヤモンド状材料は、多くの材料よりもずっと低い温度で熱電子放出を呈する。例えば、多くの材料は、約1100℃を超える温度で、実質的な熱電子放出、または放出特性における温度関連性効果を呈する傾向がある。それとは対照的に、アモルファスダイヤモンドは、室温から1000℃までの温度変化における放出の増加を呈する。そのため、アモルファスダイヤモンドなどの熱電子材料は、室温を下回る温度から約300℃までの温度で使用可能である。
ここで用いる場合、”発電機”は、電気を生成するのに用いられかつ電気を生成する方法で構成される熱電変換装置を示す。
ここで用いられる場合、”冷却装置”は、印加された電圧によって装置にわたる電熱を制御するよう構成された熱電変換装置を示す。
ここで用いる場合、材料の量や総量あるいはそれらの特定の特徴に言及するのに用いられる際の”実質的に”とは、材料や特徴が提供を意図した効果を与えるのに十分な量を意味する。許容可能な偏差の正確な程度は、いくつかの場合において具体的な状況に依存し得る。同様に、”実質的にない”などは、組成物中で同定された要素または剤の欠如を意味する。特に、”実質的に存在しない”と確認された要素は、組成物から完全に欠けているか、あるいはその組成物に測定できない効果を有する程度に少ない量でのみ包含されている。
ここで用いる場合、複数の項目、元素、組成物の要素および/または材料が、利便性のために共通のリストに存在する場合がある。しかしながら、これらのリストは、リストの各成分が、個別かつ固有の成分として個別に確認されると解釈されるべきである。そのため、そのようなリストに独特の成分がないことは、反対指示のない共通のグループ内にそれらが存在することにもっぱら基づいて、同リストの他の成分のいずれかの事実上の同等物であると解釈されるべきである。
濃度、総量、およびその他の数データは、本明細書においては範囲形式で表現あるいは存在し得る。そのような範囲形式が単に利便性と簡略化を目的として用いられるため、範囲の上下限として明確に説明される数値だけでなく、あたかも各数値と部分範囲が明確に列挙されているよう、範囲内に包含されるすべての個々の数値または部分範囲を含むものと柔軟に解釈すべきであることは理解すべきである。例示として、数値範囲の”約1μmから約5μm”は、明確に記載された約1μmから約5μmの数値のみでなく、示された範囲内の個々の数値ならびに部分範囲も包含されるものと解釈すべきである。すなわち、この数値範囲に含まれるのは、2、3、4の個々の数値ならびに1−3、2−4、3−5などの部分範囲である。
この同じ原理は、1つの数値のみを挙げる範囲にも適用する。さらに、そのような解釈は、開示の範囲や特徴に広さに関係なく適用される。
(本発明)
本発明は、十分量のエネルギーを入力した際に電子を生成するのに使用可能なアモルファスダイヤモンド材料に関する。背景技術の章で挙げたように、ダイヤモンド材料と装置を含む多数の材料の利用がこの目的で試みられており、WO01/39235号公報、米国特許出願第11/112,724号明細書、第11/045,016号明細書、および米国特許第6,806,629号明細書に開示されている。これら公報、明細書のそれぞれは参照により本明細書に組み入れられる。その高いバンドギャップ特性に起因して、該バンドギャップを低減または変更するよう改質しない限り、ダイヤモンドは電子放出体としての使用に適していない。これまで、種々のドーパントによるダイヤモンドのドーピングなどのダイヤモンドのバンドギャップを変更するための、およびダイヤモンドをある種の幾何学的見地で構成するための技術により、使用に疑いのある電子放出体(装置)が生産されている。
様々なダイヤモンド状炭素材料が、エネルギー源が適用されたときに容易に電子を放出できることが見いだされた。そのような材料は、ダイヤモンドのNEA特性を保持しているが、純粋なダイヤモンドのバンドギャップ問題の不利益は被らない。すなわち、ダイヤモンドに要求される場合よりも相当低いエネルギー入力を用いて、適用されたエネルギーによって励起した電子を、ダイヤモンド状炭素材料を通って容易に移動させることができ、かつ、放出させることができる。さらに、本発明のダイヤモンド状炭素材料が高エネルギー吸収範囲を有することが発見され、それにより電子に変換されるエネルギーの範囲をより広くすることができるため、変換効率を増大させることが可能である。
種々異なる所望の品質を提供する特定のダイヤモンド状炭素材料が本発明に包含される。具体的な一実施態様において、ダイヤモンド状炭素材料はアモルファスダイヤモンド材料であってよい。電子放出を促進するアモルファスダイヤモンド材料の一態様は、ほとんどの炭素原子が結合した歪み四面体配位である。四面体配位により、炭素原子はNEAに必要な表面状態を容易にし得るsp結合特性を維持することができ、また、歪んだ四面体形態において炭素原子結合の結合長が異なることに起因して複数の有効バンドギャップを与える。このように、純粋なダイヤモンドのバンドギャップ問題が克服され、アモルファスダイヤモンド材料は、電子を放出するのに有効なものとなる。本発明の一態様において、アモルファスダイヤモンド材料は、少なくともその約20%の炭素原子が歪んだ四面体配位に結合した少なくとも約90%の炭素原子を含むことができる。他の態様において、アモルファスダイヤモンド材料は、少なくともその約30%の炭素原子が歪んだ四面体に結合した少なくとも約95%の炭素原子を含み得る。さらに別の態様において、アモルファスダイヤモンド材料は、少なくともその約20%、より好ましくは少なくともその約30%の炭素原子が歪んだ四面体配位に結合した少なくとも約80%の炭素原子を含むことができる。また別の態様において、アモルファスダイヤモンド材料は、歪んだ四面体配位内で結合した少なくとも約50%の炭素原子を含むことができる。
電子の放出を容易にする本発明のアモルファスダイヤモンド材料の別の態様は、ある幾何形状の存在である。図1を参照すると、本発明によって作製されたアモルファスダイヤモンド材料5の構成の一実施態様の側面図が示されている。具体的には、アモルファスダイヤモンド材料は、例えば熱エネルギーなどのエネルギーを受容するエネルギー入力面10と、そこから電子を放出する放出面15とを有する。一態様において、電子の放出をさらに促進するために、放出面は、電子流を集束して電流出力を増加させる、粗さすなわち隆起を有する放出面で形成することができ、本明細書ではそのような隆起は複数のピークまたは突起部20で示される。図1は均一なピークを例示しているが、それは便宜的目的のみであり、本発明のアモルファスダイヤモンドは通常非均一であって、ピーク間の距離とピーク高さとは図3と図4に示すように可変であることは留意すべきである。
多数の先行技術の装置が、例えば、複数の四角錐または円錐を放出面にもうけることによりそのように電子を集束するよう試みているが、現在までに、費用効率の良い方法で実行可能なエネルギー出力を用いて、多くの用途に対して実行可能であることに必要な高い電流出力が得られるものがなかった。しばしば、この欠点は、四角錐、円錐などが大きすぎて、流れを増強するのに必要な電子を集束する稠密化が不十分となることに起因する。そのような寸法は、高さにおいて数μmより大きい場合が多々あり、そのため1平方センチメートル当たり百万に満たない突起密度しか得られない。炭素ナノチューブは、その他の既知の放出体よりも高い出力を達成しているが、炭素ナノチューブは、もろく、寿命が短く、さらには得られる電子のレベルと流れとにおいて調和していないことが示されている。
本発明の一態様において、放出面の隆起は約10から約10,000nmの高さを有し得る。他の態様においては、放出面の隆起は約10から約1,000nmの高さを有し得る。さらに別の態様では、隆起の高さは約800nmであり得る。また別の態様では、隆起高さは約100nmとすることができる。さらに、隆起は、放出面1平方cm当たり少なくとも約100万個であるピーク密度を有することができる。他の態様において、ピーク密度は放出面1平方cm当たり少なくとも約1億個とすることができる。さらに別の態様では、ピーク密度は放出面1平方cm当たり少なくとも約10億個とすることができる。所望の電子出力を生成するのに特定の放出面の隆起を得るためにいずれの数値の高さと密度の組み合わせも使用可能である。しかしながら、一態様において、隆起は約800nmの高さと、放出面1平方cm当たり少なくとも約100万個以上のピーク密度とを有することができる。他の態様において、隆起は約1,000nmの高さと、放出面1平方cm当たり少なくとも10億個以上のピーク密度とを有することができる。
本発明のアモルファスダイヤモンド材料は、電子を生成するのに種々異なるエネルギー出力タイプを利用することができる。適当なエネルギーのタイプの例には、それらに限定されることなく、熱または熱的エネルギー、光または光的エネルギーおよび電気と電界エネルギーが包含される。すなわち、適当なエネルギー源は、可視光や特定の周波数範囲に限定されないため、すべての可視、赤外および紫外の周波数範囲を包含可能である。当業者であれば、アモルファスダイヤモンド材料中の電子を十分に振動させ、それらを、材料を通って移動させてそこから放出させることが可能なその他のエネルギーのタイプを認識するであろう。さらに、特に所望される結果を得るため、あるいはアモルファスダイヤモンドが導入される特定のデバイスの機能に適応させるために、エネルギーのタイプの様々な組み合わせも用いることができる。
本発明の一態様において、利用するエネルギーのタイプは熱エネルギーとすることができる。その結果、エネルギー吸収体と収集層とを、材料中に熱を吸収して移動させるのに役立つ本発明のダイヤモンド状炭素材料と組み合わせ、あるいは結合させて用いることができる。当業者であれば認識するように、そのような吸収体は、熱エネルギーを吸収させるために予め配置される、カーボンブラックなどの種々の材料から構成することができる。本発明によれば、ダイヤモンド状炭素材料に吸収される熱エネルギーは、約500℃未満の温度を有することができる。さらには、光または熱エネルギーは、カソードを約100℃から約1,800℃の温度に維持するのに十分であり得る。典型的には、約200℃から約300℃のエネルギー入力が普通である場合がある。またさらには、吸収体収集層は、カーボンブラック、溶射グラファイト粒子、あるいはその他の暗色または黒色体など、光および/または熱を吸収するように設計することができる。一代替例において、吸収体収集層は、吸収された光および/または熱の量を増大するよう、増大された表面粗さを有することができる。テクスチャード加工された表面を設ける方法は、当業者等において周知である。
本発明の他の態様において、電子流を促進するのに用いられるエネルギーは電界エネルギー(すなわち、正バイアス)であってよい。すなわち、本発明のいくつかの実施態様において、正バイアスは熱および/または光などのその他のエネルギー源と組み合わせて適用することができる。そのような正バイアスは、アモルファスダイヤモンド材料および/または以下で説明する中間体部材、あるいは、当業者等に既知のその他の様々な機構で適用することができる。具体的には、電池またはその他の電流源の陰端子は、電極および/またはアモルファスダイヤモンドと、アモルファスダイヤモンドの電子放出面とアノードとの間に配置された中間体部材料やゲート部材に接続された正端子に接続することができる。
本発明のダイヤモンド状炭素材料は、様々なデバイスを作製するために、多数の異なる元素にさらに結合させて、あるいはそれらに関連させることができる。図2を参照すると、本発明に従って、発電機として構成されたダイヤモンド状炭素熱電変換装置の一実施態様が示されている。特に、カソード25は、その上に被覆されたダイヤモンド状炭素材料5の層を有する。カソードに接触するダイヤモンド状炭素材料の面は入力面10である。さらに、上述したように、任意のエネルギー収集層40をダイヤモンド状炭素層の反対側でカソードに接続することができる。熱または光エネルギーのダイヤモンド状炭素材料への収集と伝達を強化するために、エネルギー収集体を必要に応じて備えることができる。中間体部材55は、ダイヤモンド状炭素材料5の電子放出面15に電気的に接続される。アノード30は、ダイヤモンド状炭素材料の反対側で中間体部材に接続される。
代替的な実施態様において、ダイヤモンド状炭素材料5は、カソード25ではなく、アノード30上に被覆することができる。いくつかの構成において、装置の性能は、ダイヤモンド状炭素でアノードを被覆することによって向上させることができる。あるいはまた、アノードとカソードのそれぞれが、それらの上に被覆されたダイヤモンド状炭素を有することができる。アノード側におけるダイヤモンド状炭素の使用により、カソードの放出面上のダイヤモンド状炭素の存在にかかわらず、所望の電子放出が得られることが発見されている。アノード上におけるダイヤモンド状炭素層の存在により、カソード側上におけるダイヤモンド状炭素層の場合と比較して、電子放出に対するより顕著な影響を有することが示される。すなわち、いくつかの実施態様において、カソードは、アノードがその上に形成されたダイヤモンド状炭素の層を備えた状態で、中間層と、例えばダイヤモンド状炭素層を設けることなく、直接接触させることができる。通常、隆起を中間体層に向かって方向付けることができる。この場合、ダイヤモンド状炭素層は、カソードに関して上で述べたように、アノード上に堆積させることができる。あるいはまた、ダイヤモンド状炭素層を、隆起がアノードに向かって方向付けられるように、中間体層上に形成することができる。従ってこの実施態様では、前述のプロセスのような適当な方法のいずれかによってアノードをダイヤモンド状炭素層上に形成することができる。
本発明の一態様において、ダイヤモンド状炭素熱電変換装置全体は、各層が、隣接する層および/または部材と連続して密接に接触した、密なアセンブリである。ほとんどの場合、アノードとカソードとは実質的に平行であって、それらの間の距離が装置全体にわたって実質的に同じである。
当業者等であれば、図2のアセンブリに対して、特定の目的または特定の装置を作製するために追加可能であるあるいは追加すべきその他の構成要素は容易に確認できるであろう。限定することなく、例として、接続線50がカソードとアノードとの間に配置されて完全な回路を形成し、1つまたはより多くの電気を要する装置(図示せず)を作動させるかまたはその他の仕事を実行させるのに使用可能な電気を通過させることができる。さらに、入力ラインと出力ライン、ならびに電源(図示せず)を、電界、すなわち正バイアスを誘導するのに必要な電流を提供するよう、中間体部材55に接続することができ、また、特定の装置を得るのに必要なその他の構成要素は当業者等に容易に確認されるであろう。
上述した構成要素は、様々な構成であってよく、種々の材料から作製することができる。以下に説明する層のそれぞれは、それらに限定されるものではないが、蒸着法、薄膜堆積法、予成形固体、粉末層、スクリーン印刷などの、既知の技術をいずれかの数組み合わせて用いて作製することができる。一態様において、各層はPVD、CVDまたはその他既知の薄膜堆積法などの堆積技術を用いて形成される。一態様において、PVD法は、スパッタリングまたはカソードアークである。さらに、カソード25とアノード30のための適当な導電性材料および構成は、当業者等には容易に確認されるであろう。そのような材料と構成は、一つにはアセンブリを組み込む装置の性能に応じて決定することができる。さらに、層は、以下に説明するように熱および電気特性に干渉しない方法を用いて、ろう付け、にかわ付けあるいはその他の方法で他の層と相互に付着させることができる。様々な幾何形状および層厚を用いることができるが、アモルファスダイヤモンドの放出面について、厚さは通常約10nmから約3μmであり、その他の層について、厚さは通常約1μmから約1mmである。
カソード25は、少なくともその一部にアモルファスダイヤモンド5が被覆されたベース部材60を有するよう形成することができる。ベース部材は、金属などの、いずれかの伝導性電極材料で作製できる。適切な金属には、それらに限定されることはないが、銅、アルミニウム、ニッケル、それらの合金が包含される。ベース部材を形成するのに用いられる現時点で好ましい材料は銅である。他の好ましい実施態様において、ベース部材を形成するのに用いられる材料は、アルミニウム−マグネシウム合金であってよい。さらに別の態様において、導電性電極は、導電性シルバーグリースで作製することができる。種々のシルバーグリースは、多数の販売業者から市販品を入手可能であるか、あるいは周知の方法によって製造することができる。シルバーグリースは、従来のスクリーン印刷法を用いて容易に印刷することができる。同様に、アノード30は、ベース部材と同じ材料、あるいは異なる導電性材料で作製することができる。現在、好ましいカソード材料は銅である。総合ガイドによれば、アノードおよび/またはカソードのベース部材は、約3.5eVから約6.0eV、第2の実施態様では約3.5eVから約5.0eVの仕事関数を有するものであってよい。様々な厚さのものがカソードおよび/またはアノードに対して機能的であるが、通常、厚さ範囲は約0.1mmから約10mmである。
カソード25のベース部材60は、単一または多数の層であってよい。一実施態様において、ベース部材は単一の材料層である。他の実施態様において、第2の層が第1の層とアモルファスダイヤモンド層のエネルギー入力面との間で結合されるよう、ベース部材は第1の層と第2の層(図示せず)を備える。第2の層は、ダイヤモンド層の放出面への電子の伝導を向上するよう作用する。概して、第2の層がベース部材の一部として使用されるとき、該第2の層は第1の層の仕事関数より小さい仕事関数を有する材料からなることが好ましい。通常、第2の層は、約2.0eVから約4.0eVの低仕事関数を有する材料からなるが、約2.0eVから約3.0eVの仕事関数もまた適している。より好ましくは、第2の層は、約1.5eVから約3.5eVの仕事関数を有する材料からなる。第2の層に用いるのに適切な材料には、それらに限定されず、Cs、Sm、Al−Mg、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、B、Ce、Al、La、Euおよびそれらの混合物または合金が包含される。具体的な一態様において、第2の層は、Cs、Sm、Al−Mgおよびそれらの合金からなるものであってよい。さらに詳細な態様において、第2の層は、Be、Mg、CsまたはSmからなり、もっとも好ましいのはCsからなるものである。
ダイヤモンド状炭素層への熱伝達を向上させるために、第2の層は、約100W/mKより大きい熱伝導率を有する材料から構成することができる。他の層または部材に関して様々な厚さを用いることができるが、第2の層は約1μmから約1mmであることが多々ある。典型的に低仕事関数の材料がまた容易に酸化することは当業者等であれば認識するであろう。そのため、少なくとも第2の層、ならびに多くの場合熱電変換装置全体を、真空下または他の不活性環境下で形成することが望ましいであろう。
特定の理論のいずれかに縛られるものと仮定することなく、本発明の電気生成能は、材料間のバンドギャップ、各層の仕事関数および熱伝導率に関連したステッピング過程として見なすことができる。具体的に、カソードの第2の層は、真空エネルギーまたは伝導帯に近い電子をステップさせるよう作用する材料から作製することができる(すなわち、第1の層と真空エネルギーとの間のバンドギャップを減少させる)。さらに、第2の層は、電子放出面に向かう電子流を改善するために高熱伝導率を有することができる。従って、第2の層中の電子を、アモルファスダイヤモンドの歪んだ四面体配位が種々異なる仕事関数値とバンドギャップ値とをアモルファスダイヤモンド層内で生成するダイヤモンド状炭素(すなわち、占領されていない伝導帯)に伝達することができるため、いくつかの電子状態は真空エネルギーに到達してこれを超える。
次に、中間体部材に用いられる材料は、電子をアノード材料に伝達、すなわち”ステップ”後退させることにより、熱損失を最小限にするように選択することができる。これにより、システム内における損失するエネルギー量が低減される。例えば、アモルファスダイヤモンドから高仕事関数の材料へ大きくステップ後退させることは、本発明において利用可能であるが、電気エネルギーのいく分かは熱として損失する。そのため、1つ以上の中間体部材および/またはベース部材層を、各層におけるエネルギーバンドギャップ間の”ステップアップ”と”ステップダウン”の程度を変化させるよう、装置中に組み込むことができる。従って、中間体部材は、それぞれが異なる電気特性と熱特性とを有する複数の層で形成することができる。
さらに、カソードからアノードへの熱勾配が維持されるよう、中間体部材の熱伝導率を最小限にすることが望ましい場合が多い。また、作動温度は、用途ならびにエネルギー源に応じて大きく変化させることができる。カソード温度は、約100℃から約1,800℃であってよく、約300℃以上であることが多い。あるいはまた、カソード温度は、約0℃から約100℃など、約100℃より低くてもよい。これらの範囲から外れた温度も使用可能であるが、これらの範囲は本発明の装置にわたって存在し得る温度勾配の例示するものである。
図2に示すように、中間体部材55は、電子放出面15に結合させることができる。本発明によれば、中間体部材は誘電材料であってよい。誘電材料は、当業者に周知の誘電材料のいずれであってもよく、ポリマー、ガラス、セラミック、無機化合物、有機化合物またはそれらの混合物が包含される。それらの例には、限定することなく、BaTiO、PZT、Ta、PET、PbZrO、PbTiO、NaCl、LiF、MgO、TiO、Al、BaO、KCl、MgSO、石英ガラス、ソーダ石灰シリカガラス、高鉛ガラス、およびそれらの混合物または複合体が包含される。一態様において、誘電材料はBaTiOである。他の態様において、誘電材料はPZTである。さらに別の態様では、誘電材料はPbZrOである。また他の態様においては、誘電材料はPbTiOである。さらに、誘電材料は黒鉛材料であってよい。多数の黒鉛材料は、0.1Vの電圧を維持するのに十分高い電気抵抗を有する。さらに、比較的低い電気および熱伝導率を有する六方窒化ホウ素(約40W/mK)、アルミニウム、ジルコニウム、他のセラミック、または上記であげた誘電体などの材料は、比較的高い熱伝導性グラファイト(約200W/mKを超える)と混合することができる。例えば、現在好ましい実施態様の一つにおいて、中間体部材はグラファイトと六方窒化ホウ素との混合物から構成することができる。これらの材料は、層状化した組み合わせまたは圧縮した粉末混合物として設けることができる。中間体部材に用いるのに適した追加の材料は、それらに限定されることはないが、金属基複合体、逆金属基複合体、BiSb、Bi23、PbTe、SiGe、BiTe、ZnSb、LaTe、およびそれらに混合物、複合体、あるいは組み合わせを包含することができる。金属基複合体(MMC)材料は、そのような材料が中間体部材にわたって電圧を維持するのに用いるのに十分な電気伝導率を有する点で有用であり得る。さらに、熱伝導率および抵抗は、複合体内の二次材料の濃度を変化させることおよび/または二次材料複合体を変えることによって調整することができる。通常有用なMMC材料は、その中に分散された二次材料を有する金属基材料を含む。二次材料の最も高い濃度は約5%から約25%であるが、この範囲から外れた濃度もまた使用できる。例えば、酸化アルミニウムを含浸させたアルミニウムは、MMCとして高度に有用である。同様に、それらに限定されることはないが、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド、鋼材、グラファイト、炭素などの材料の繊維、ウィスカーまたは粒子も、金属基中に分散させることができる。また、逆MMC材料は有用である。そのような逆MMC材料は、金属がその中に分散された非金属基を有する。逆MMCの特に適切な例の一つが、金属含浸PYREX(登録商標)ガラスである。
キャパシタの構成に有用な材料のほとんどが有用であろう。しかしながら、一態様において、誘電材料はまた圧電材料であってよい。カソード上におけるダイヤモンド状炭素層の存在により、中間体部材に対してその他の種類の材料のほとんどが使用できなくなる。
誘電材料は、ダイヤモンド状炭素層とアノードとの間における分離を維持する方法で構成することができる。あるいはまた、ダイヤモンド状炭素層は、両電極に電気的に接続することができる。いくつかの代替的な態様において、中間体部材は単一の層または多数の層であってよい。この場合、誘電材料は、変換効率を改善し、かつ隣接する材料のバンドギャップにより整合させるように適応させることができる。有利なことに、誘電層のこの形態は、中間体部材にわたる電荷のより均一な分布により、電子流の好ましい経路の発生率を低減することができる。さらに、そのような多層化形態においては、中間体部材は1またはより多くのダイヤモンド状炭素の追加層を備えることができる。
誘電層の厚さは、本発明の様々な態様において、熱エネルギーの電気エネルギーへの変換、あるいはその逆を可能にする厚さであればいずれであってもよい。具体的には、中間体部材の厚さと組成は、抵抗を制御するよう調整することができる。さらに、中間体部材の厚さを調整することは、電圧と電流の間における、例えば効率の平衡である。例えば、中間体層をより薄くすることにより電流が増大するが、その一方で電圧が減少する。ダイヤモンド材料は、通常約5eVのバンドギャップを有し、いくつかの場合ではアモルファスダイヤモンド材料におけるsp/sp結合の比に応じて5eVより大きい。従来の太陽電池は、約0.5Vの出力を有する傾向があり(わずか1.1eVのバンドギャップを有するケイ素ベースの装置の場合、約0.6Vが得られる)、一方、本発明のダイヤモンド太陽電池は、5.5Vまでの出力を有することができる。さらに、アモルファスダイヤモンドは、ドーパントを必要としないよう広範囲にわたるバンドギャップを呈する。従って、励起した電子を、概して、すぐに基底状態に落ちることなく高エネルギー状態に維持することができる。アモルファスダイヤモンドのエネルギー状態は、しかしながら、重複する金属材料の場合とは異なって不連続である。その結果、電子は不連続エネルギー位を、はしごのステップ(段)を上がるように”ステップ”アップすることができる。従って、中間体層の厚さは、特定の用途用の熱電変換装置を設計するのに使用することができる。いくつかの用途において、より低い電圧とより高い電流を有することが望ましい場合があるが、別の用途においてはより高い電圧とより低い電流が要求される場合がある。通常、中間体部材は、十分な厚さであり、かつ、約0.1Vより大きい電圧、例えば約0.1Vから約6V、好ましくは約1Vから約5.5Vの電圧を維持することができる種類の材料の固体材料であってよい。上述したように、中間体部材の材料と厚さは抵抗、次いで中間体部材にわたって支持可能な電圧に影響を与え得る。
特定材料の厚さは、実験および本明細書に記載のガイドラインに基づいて最良に決定されるが、中間体部材は約0.1μΩ−cmから約100μΩ−cm、好ましくは約20μΩ−cmから約80μΩ−cmの抵抗を達成するのに十分な厚さを有することができる。これは、材料によって変わる厚さに応じる場合が多々あるが、たいてい、約0.05μmから約500μmの範囲の厚さであってよい。他の態様においては、誘電材料は約0.2μmから約100μmの厚さであってよい。さらに別の態様において、誘電材料の層は、約0.5μmから約10μmの厚さである。例えば、PZTで作製された約1μmの厚さの中間体部材により良好な結果が得られる。
さらに、アモルファスダイヤモンドは、経時による老化や劣化に抵抗するような高い放射硬度を有する。対照的に、通常の半導体材料はUV劣化性であり、経時とともに信頼性をなくす傾向がある。上記したように、アモルファスダイヤモンド中の電子は、光電効果ではなく熱電効果により励起される。このように、アモルファスダイヤモンド材料は、温度変化に伴う電子放出特性における変化を呈する。例えば、アモルファスダイヤモンドは、温度に関連させることなく、実質的な熱部分を電気に変換するのに用いることができる。そのため、温度が上昇するにつれて、電子放出における実質的な増大が得られる。本発明の原理によって構成された太陽電池において、30%を超える変換効率、さらには、多くの場合において50%を超える変換効率が得られる。抵抗および電圧が増大するにつれて、変換効率は増加する傾向がある。従って、意図する用途に応じて、変換効率を中間体部材にわたる電流に合わせることが望ましい。
一態様において、中間体部材は、約200W/mKより小さい、さらには多くの場合、約100W/mK未満の熱伝導率を有する材料から作製することができる。さらに、中間体部材は、20℃において約80μΩ−cm未満の抵抗を有することができる。中間体層に用いるための適切な材料を選択する際、少なくとも2つの因子が考慮される。最初に、材料は層にわたる熱伝導を最小限にするよう作用しなければならない。すなわち、比較的低い熱伝導率を有する材料が望ましい。一態様において、中間体部材は、例えば約80W/mKを下回る約200W/mK未満の熱伝導率を有する材料から構成される。約40W/mKを下回る熱伝導率を有する材料もまた有利に用いることができる。次に、中間体部材は比較的導電性であるべきである。一態様において、中間体部材は、20℃において約80μΩ−cm未満、より好ましくは20℃において約10μΩ−cmを下回る抵抗率を有するものでもある。具体的には、参照される図8には、様々な元素についての熱伝導率に対する抵抗率のプロットが示されている。様々な合金ならびに化合物もまた、中間体部材として望ましい特徴を呈し、それらが本発明の範囲内にあるものと認められることは当業者等により理解される。図8を参照すると、元素には熱伝導率の減少とともに抵抗率を増大させる(減少された導電率)傾向が見られる。しかしながら、点線で囲まれた範囲内の元素は、低熱伝導率と高電気伝導率の両方を呈する。この範囲由来の例示的材料には、Pb、V、Cs、Hf、Ti、Nb、Zr、Gaおよびそれらの混合物または合金が包含される。本発明の一態様においては、中間体部材は、Csを含んでなる。種々の層の適当な電気特性の役立つ尺度の一つが仕事関数である。中間体部材は、約1.5eVから約4.0eV、別の態様においては約2.0eVから約4.0eVの仕事関数を有する材料から構成することができる。その他の適した材料もまた、上記のガイドラインに基づいて選択可能である。本発明の一実施態様において、中間体部材は、約0.1mmから約1mmの厚さを有することができる。
代替的な実施態様においては、中間体部材は、熱伝導率および電気伝導率に関して上記ガイドラインの要求を満たすように構成することができると同時に、使用可能な材料の種類を拡張することができる。具体的に、中間体部材は、主として、全体にわたって延在する複数のアパーチャを有する断熱材料で作製することができる(図示せず)。当然のことながら電気伝導性材料が好ましいものであるが、断熱材料のいずれかを使用することもできる。適当な断熱材料は当業者等によって選択可能である。適当な断熱材料の非限定例には、セラミックおよび酸化物が包含される。現在好ましいいくつかの酸化物は、ZrO、SiO、およびAlを包含する。ダイヤモンド層の電子放出面からアノードまでアパーチャが延在する。アパーチャを形成するのに都合の良い方法の一つとは、レーザー穿孔によるものである。その他の方法には、アルミニウムなどの金属のアノード処理が包含される。そのような方法では、アルミニウム面に小さい刻み目を形成することができるため、アノード処理すると電子は、刻み目をつけられた領域を優先的に流れてアルミニウムを溶解し、真っ直ぐで平行なアパーチャが形成される。取り囲むアルミニウムが酸化されてAlが形成される。
アパーチャがいったん形成された後、より高導電性の金属をアパーチャ内に配置することができる。アパーチャは、電着、物理的な流れまたはその他の方法で満たすことができる。ほとんどの導電性材料を使用することができるが、一態様において、導電性材料は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄およびそれらの混合物または合金であってよい。このようにして、熱伝導性に対する制限なしに、高導電性の導電性材料を選択することができる。アパーチャで覆われた表面積の、断熱材料の表面積に対する比は、上記ガイドライン内の全熱伝導率と電気導電率を達成するよう調節することができる。さらに、パターン、アパーチャ径ならびにアパーチャ深さは、最適な結果が得られるように調整することができる。一態様において、アパーチャの表面積は、中間体層表面の約10%から約40%を構成し、アモルファスダイヤモンド層の電子放出面に接触する。
本発明のダイヤモンド状炭素材料を用いて容易に電子を生成できることから、印加した電界を用いて電子流を誘導することにより、電子入力面における熱の吸収を促進することができるため、本発明の電子放出器を冷却装置として用いることが可能となることがわかった。従って、本発明は、誘導された電界下で電子を放出させることにより熱の吸収が可能な冷却装置を包含する。そのような装置は、様々な形態をとることができ、上記発電機においてあげた構成要素などの多数の支援構成要素を利用することができる。一態様において、冷却装置は隣接する領域を100℃を下回る温度まで冷却することができる。あるいはまた、本発明は、低熱領域または容積からより熱量の高い領域へ熱を伝達するヒートポンプとして用いることができる。
本発明のこれらの実施態様において、電流を印加することによって、カソードからアノードへの強制的な熱流を得ることができる。このように、熱電変換装置はまた、冷却装置としても機能可能である。そのような冷却装置は、高エネルギー電子からの熱を浪費するULSI、レーザーダイオード、CPUなどと組み合わせて、あるいは冷蔵装置における冷却装置として使用することができる。
本発明で使用されるアモルファスダイヤモンド材料は、当業者等に既知の様々な方法を用いて作製することができる。しかしながら、一態様において、材料を、カソードアーク法を用いて作製することができる。米国特許第4,448,799号明細書、第4,511,593号明細書、第4,556,471号明細書、第4,620,913号明細書、第4,622,452号明細書、第5,294,322号明細書、第5,458,754号明細書、および第6,139,964明細書に開示されているような種々のカソードアーク法が当業者等に周知であり、これらは参照として本明細書に組み入れられる。一般的に、カソードアーク法は、炭素原子のターゲット、すなわち基体に対する物理蒸着法(PVD)を包含する。アークは大量の電流をカソードとして機能するグラファイト電極に通じさせ、その電流で炭素原子を気化させることによって発生する。気化した原子は、イオン化して正電荷を担持するようになる。次いで、強度が変化する負のバイアスは、炭素原子を導電性ターゲットに向かって動かすのに用いられる。炭素原子が十分量のエネルギー(すなわち、約100eV)を有する場合、炭素原子はターゲット上に衝突してその表面に付着してアモルファスダイヤモンドなどの炭素質材料を形成する。アモルファスダイヤモンドは、通常、接触抵抗なしに、あるいは実質的に低減された接触抵抗でほとんどの金属性基体上に被覆させることができる。
概して、衝突する炭素原子の運動エネルギーは、基体における負のバイアスを変化させることによって調整することができ、堆積速度は、アーク電流によって制御することができる。これらのパラメータならびにその他の制御もまた、炭素原子四面体配位と幾何学形状、すなわちアモルファスダイヤモンド材料の幾何学形状の歪みの程度を調整することができる(すなわち、例えば、高い負のバイアスは炭素原子を加速してsp結合を増加させることができる)。材料のラマン・スペクトルを測定することにより、sp/sp比を確認することができる。しかしながら、アモルファスダイヤモンド層の歪んだ四面体部分はspでもspでもないが、中間特性を有する結合範囲であることは留意すべきである。さらに、アーク電流を増大することにより、高流束の炭素イオンによるターゲットボンバードメントの速度を増大させることができる。その結果、温度が上昇するため、堆積した炭素がより安定なグラファイトに変換する。従って、アモルファスダイヤモンド材料の最終的な形態ならびに組成(すなわち、バンドギャップ、NEAおよび放出面の隆起)は、材料が形成されるカソードアークの条件を操作することによって制御することができる。さらに、様々な蒸着法、例えば、PVD、CVDなどのその他の方法を、DLCを形成するのに用いることができる。また、大きい表面積にわたるダイヤモンド状炭素薄膜を得るのにレーザー侵食法は利用可能である。レーザー侵食法は、Oak Ridge National Labsならびにダイヤモンドを形成するための炭素源のレーザー侵食に関連するその他の研究機関および企業によって比較的最近開発されたものであり、採用する特定の方法に関係なく、本発明の装置のダイヤモンド状炭素材料およびその他の層は、電子放出層とアノードとの間の真空空間を必要とすることなく作製することができるため、製造コストを大幅に低減し、作製した装置の信頼性を増大させる。
ここに記載した本発明の装置ならびに方法の様々な用途は、当業者等であれば考えつくであろう。一態様において、本発明の熱電変換装置は、廃熱を生成する装置内に組み込むことができる。本発明のカソード側またはエネルギー入力面は、ボイラー、再充電可能な電池などの電池、CPU、抵抗器、その他の電気的要素や、その動作の副産物として他には利用されない廃熱を生成するその他の装置などの熱源に接続することができる。例えば、本発明の発電機は、ラップトップ型電池に接続することができる。そのように、発電機は電力供給を補助することができるため、電池寿命を延ばすことができる。1またはより多くの発電機を、プラントを製造するボイラーやその他の熱生成装置の外表面に取り付けて製造工程に必要な同様の電力補助を得ることができる。従って、明らかなように、有用な量の電気を生成するために熱、光、または他のエネルギー源を用いる広範囲にわたる種々の用途を考案することができる。
さらには、ダイヤモンド状炭素は、通常の電極上に被覆して電子の流れを促進することができる。そのような電極は、電池ならびに電気めっきなどの金属の電着において用いることができる。一態様において、電極は水溶液中で用いることができる。例えば、水質や、ジュース、ビール、ソーダなどのその他の食料品を、水の抵抗率を測定することによって監視するのに電極を用いることができる。その耐腐食性のため、アモルファスダイヤモンドの電極は従来の電極を超える顕著な利点をもたらす。
アモルファスダイヤモンド電極が非常に有利である特定の用途の一つは、電着用途におけるものである。具体的には、ほとんどの電着装置が受ける問題の一つが種々のガスを吸収することによる電極の分極である。しかしながら、アモルファスダイヤモンドの強力な不活性特性により、該ダイヤモンドに被覆されたカソードとアノードは事実上分極不可能である。さらには、この不活性特性により、水溶液中に、金属電極または炭素電極を用いて得られる電位よりもずっと高い電位が形成される。通常の環境下において、そのような電圧は水を解離させる。しかしながら、アモルファスダイヤモンドの高い電位のために、溶液に含まれる溶質は、水が解離されることができる前に外に出される。この態様は、高い酸化電位で、LiおよびNaなどの、これまでは不可能ではないにしてもきわめて困難であった元素の電着を可能にするため、非常に有用である。
同様の態様において、溶液中のアモルファスダイヤモンド電極によって得られる高電位のために、極少量存在する溶質は溶液から追い出されるため、これを検出することができる。従って、本発明の材料はまた、溶液中の種々の元素、例えば、1ppbほどの少量の鉛などの存在を測定できる高感応性診断ツールまたは装置の一部としても有用である。そのような用途には、電荷に追い出されるか引きつけられ得る、血液およびその他の尿などの体液などの生物材料を含む、ほぼどのような元素の検出も包含される。
本発明の代替的な実施態様において、カソードとアノードのうちの少なくとも1つは、光を伝達するよう構成することができる。光を伝達するよう構成される電極の一例は、インジウム酸化スズ(導電性ガラス)で被覆した透明材料からなるものであってよい。透明または半透明材料は、ガラス、またはプラスチックやアクリルなどのポリマーなどの既知の透明材料のいずれでもあり得る。そのような実施態様において、審美的または実用的な理由から透明であることが望ましいであろう。DLCまたはアモルファスダイヤモンドならびにそれらの形態を実現する、具体的な光放出装置ならびに形態のより詳細な説明は、本発明者の係属中の2005年1月26日出願の米国特許出願第11/045,016号明細書に含まれており、その内容は参照として本明細書に組み入れられる。
カソードとアノードは、本発明の様々な可能な実施態様において使用可能な形状あるいは形態のものであってよい。一態様において、カソードとアノードは平坦であってよい。他の態様では、カソードおよび/またはアノードは剛性であってよい。しかしながら、多くの市販されている態様において、可撓性材料を提供することが望ましい場合がある。すなわち、可撓性のカソードおよび/またはアノードを設けることにより、可撓な太陽電池の構成が可能となる。
本発明の別の態様は、熱電変換装置の信頼性の向上を意図するものである。一態様において、信頼性は、電極を互いに結合させる有機接着剤を排除することによって向上させることができる。多くの有機材料は特に高温において安定ではない。有機接着剤の使用を排除するための方法の一つは、誘電材料の層とカソードおよび/またはアノード材料のいずれかを電極に直接堆積させることである。当業者であれば、これを達成する低温プラズマ溶射の使用を含む様々な方法を認識するであろうが、それらに限定されるものではない。他の態様において、有機接着剤は、種々の層を低温焼結で相互に結合させることによって排除可能である。その場合、アモルファスダイヤモンド層の劣化を避けるために、焼結は、約500℃以下で達成されるべきである。さらに他の態様において、それらに限定されることなく、シリコーン接着剤などの熱的に安定な接着剤を用いることができる。
上記でふれたように、本発明はここで開示のダイヤモンド状熱電変換装置の作製方法ならびにそれらの使用方法を包含する。上記で挙げた発電機と冷却装置に加えて、電子放出の原理に基づいて作動する多数の装置が本発明のアモルファスダイヤモンド材料を有益な態様で利用可能である。限定されるものではないが、トランジスタ、超速スイッチ、リングレーザージャイロ、電流増幅器、マイクロ波エミッター、発光源、およびその他の電子ビーム装置を含む多数のそのような装置は当業者等には認識されるであろう。
一態様において、十分な量のエネルギーを吸収することによって電子放出が可能なアモルファスダイヤモンド材料を作製する方法は、炭素源を設けるステップと、カソードアーク法を用いて該炭素源からアモルファスダイヤモンド材料を作製するステップとを含む。電子流を生じさせる、あるいは電流を生成する方法は、ここに挙げたアモルファスダイヤモンド材料を作製するステップと、電子流を生じさせるのに十分な量のエネルギーを材料中に入力するステップとを含む。カソードのベース部材の第2の層と中間体部材は、CVD、PVD、スパッタリングまたはその他既知の方法を用いて形成することができる。一態様において、該層は、スパッタリングを用いて作製される。さらに、CVD、PVD、スパッタリング、ろう付け、のり付け(例えば、銀のりでの)あるいはその他当業者等に既知の方法を用いてアノードを中間体部材に接続することができる。アノードは、通常スパッタリングかアーク堆積によって作製されるが、ろう付けで中間体部材に接続することができる。
任意のステップにおいて、ダイヤモンド状炭素熱電変換装置は、真空炉内で熱処理することができる。熱処理により、異なる材料間における境界を横断する熱的かつ電気的特性を向上させることができる。ダイヤモンド状炭素熱電変換装置は、界面を強化して材料の欠陥を低減するために熱処理に供してよい。典型的な熱処理温度は、選択された特定の材料に応じて約200℃から約800℃、より好ましくは約350℃から約500℃の範囲であってよい。
以下の例は本発明による電子放出器を作製する様々な方法を例示している。しかしながら、以下の例は、本発明の原理の用途を例示または説明するものにすぎないことは理解すべきである。本発明の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、当業者等により、構成要素、方法、システムに対する多数の修正および変更が可能である。添付の特許請求の範囲は、そのような修正および変更を含むことを意図するものである。従って、本発明を特定して上記で説明してきたが、以下の実施例は、本発明のいくつかの特定の実施態様に関連してさらに詳述するものである。
実施例1
銅箔をポリアミド支持層にのり付けする。1μmのアモルファスダイヤモンド層を、カソードアーク法を用いて露出した銅箔電極上に堆積する。アモルファスダイヤモンドは、50nmの隆起を有する。PZTの中間体層を、スクリーン印刷法によって30μmの厚さまで該アモルファスダイヤモンド上に堆積する。シルバーグリースの層を、スクリーン印刷法でPZT中間体部材上に被覆し、アノードを形成する。その後、アセンブリをオーブン内で硬化し、スクリーン印刷で用いたバインダーを排出する。銅電極の配線の取り付けにより、この熱電変換装置を熱吸収による発電機または電流の印加による冷却装置のいずれかとして機能させることが可能となる。
実施例2
PZT層をグラファイト粉末と六方窒化ホウ素粉末との混合物で置き換えた以外は、実施例1と同じ工程に従う。
実施例3
PZT層をグラファイト粉末と酸化アルミニウム粉末との混合物で置き換えた以外は、実施例1と同じ工程に従う。
実施例4
PZT層をグラファイト粉末と酸化ジルコニウム粉末との混合物で置き換えた以外は、実施例1と同じ工程に従う。
実施例5
抵抗率が、2つの電極間の0.1Vの電圧を支持してそれに耐えるのに十分であるよう、PZT層を銀含浸エポキシで置き換えた以外は、実施例1と同じ工程に従う。
実施例6
ガラスプレートを、カーボンブラックで被覆し、次いで、シルバーグリースをカソード層として該カーボンブラックにわたって被覆する。その後、アモルファスダイヤモンドをカソードアークでシルバーグリース上に形成する。次いで、BaTiOの中間体層を、該アモルファスダイヤモンド上に堆積する。シルバーグリースの第2のコーティングを該中間体層上に形成し、その後エポキシの薄層を形成する。実質的に空気や水分が各層間に閉じこめられないような方法で連続層を被覆する。空気は電子流を低減し、水分は被覆層を劣化させて信頼性を減少させる。
透明ガラスの外側層は、温室効果同様に太陽からの熱を取り込むことができる。カーボンブラックは、太陽光を吸収して温度を上昇させる(例えば、200℃まで)。熱電子アモルファスダイヤモンドは、電子を中間体層中に放出することによって熱を電気に変換することになる。BaTiO中間体層は、抵抗率を制御するのに用いられるため、電圧が生じる。シルバーグリースは、可撓性電極として用いられるが、その他の可撓性導電性材料も使用可能である。エポキシは、機械的な保護ならびに絶縁目的の都合のよい梱包材料として機能可能である。
上述の設計はオートメーションで製造するのに簡単かつ容易である。各層の厚さおよび均一性は重要である。剛性ガラスを、可撓性PETやその他の透明あるいは半透明材料で置き換えると、太陽パネルは曲げられるようになり、そのため曲面を有する自動車の屋根などの様々な基体上に設けられることが可能となる。
実施例7
図10を参照すると、ガラスプレート70をカーボンブラック72で被覆し、次いで、カソード層74としてアルミニウム−マグネシウム合金を該カーボンブラックの全面にスパッタする。薄いセシウムコーティング76を、ベースのカソード層の全面にスパッタする。その後、アモルファスダイヤモンド層78をカソードアークで該セシウム層上に形成する。PZTの中間体層80を次いで該アモルファスダイヤモンド層上に堆積する。その後、銅アノード82を中間体層上に形成して、続いてガラス絶縁層84を取り付ける。電池またはその他の電気機器86を、各電極に作動可能に接続して電気を貯蔵したり有用な仕事を実行したりすることができる。
実施例8
アモルファスダイヤモンド材料を、図3に示すようにカソードアーク堆積法を用いて作製した。特に、放出面の隆起は、約200nmの高さと1平方cm当たり約10億個のピーク密度とを有する。そのような材料の作製において、まず、(200)配向を有するN型ウエハであるケイ素基体を、Arイオンで約20分間エッチングした。次に、エッチングしたウエハを、米国ニュージャージー州のMulti−Arc,Rockaway社製造のTetrabond(登録商標)コーティング装置を用いてアモルファスダイヤモンドで被覆した。コーティング装置のグラファイト電極を、気化して80アンペアの電流で電気アークを形成し、該アークを20Vの負のバイアスでケイ素基体に向かって送り、その上に堆積した。得られたアモルファスダイヤモンド材料をコーティング装置から除去して、図3および図4に示すように原子間力顕微鏡下で観察した。
その後、アモルファスダイヤモンド材料を電極に接続してカソードを作製し、本発明による発電機を作製した。外部の電気バイアスを適用し、アモルファスダイヤモンド材料によって生じた合成電流を図5に示すようにいくつかの温度で測定して記録した。
実施例9
10μmの銅層を、スパッタリングを用いて基体上に堆積することができる。銅の上には、真空下で銅表面上へのスパッタリングにより2μmのサマリウムを堆積させた。当然のことながら、ベリリウムを酸化雰囲気にさらさないよう注意すべきである(例えば、全工程を真空下で実行することができる)。次いで、アモルファスダイヤモンド材料の層を、実施例4のようにカソードアーク法を用いて堆積し、約0.5μmの厚さを得ることができる。アモルファスダイヤモンドの成長面上に、スパッタリングを用いてマグネシウムの層を堆積し、約10μmの厚さを得ることができる。最終的に、スパッタリングによりアノードを形成するために10μm厚の銅層を堆積した。
実施例10
10μmの銅の層を、スパッタリングを用いて基体上に堆積することができる。該銅の上には、銅の表面上へのスパッタリングにより真空下で2μmのセシウムを堆積させた。当然のことながら、セシウムを酸化雰囲気にさらさないよう注意すべきである(例えば、全工程を真空下で実行することができる)。次いで、アモルファスダイヤモンド材料の層を、実施例4のようにカソードアーク法を用いて堆積させ、約65nmの厚さを得ることができる。アモルファスダイヤモンドの成長面上に、スパッタリングを用いてモリブデンの層を堆積し、約16nmの厚さを得ることができる。さらに、20nm厚のIn−酸化Snの層をスパッタリングにより堆積し、アノードを形成した。最終的に、スパッタリングによりIn−Sn層上に10μmの銅層を堆積した。堆積後の組み立てた層の断面構成を図9Aにより部分的に示す。次いで、組み立てた層を真空炉内で400℃まで加熱した。最終的なアモルファスダイヤモンド発電機の断面構成図を図9Bに部分的に示す。層間の界面は、常に異なる境界を呈するわけではなく、1つの層から次の層への組成の勾配によって特徴付けられるものであることがわかる。この熱処理により、アノードと中間体材料との間およびアモルファスダイヤモンドと中間体材料との間の境界を横断する電子の移動が向上する。25℃における電流密度に対する印加された電界の強さを測定することによって、図5に示す400℃における応答とほぼ同じ応答が得られた。25℃を超える温度での測定値は、低い印加電圧において電流密度が増加する、図5に例示したような温度の関数としての傾向と同様のものを示すと予測される。
実施例11
インジウム酸化スズ(ITO)ガラス被覆電極の第1のセットを、カソードアークによりアモルファスダイヤモンド層で第1のITO電極を被覆し、スクリーン印刷により第2のITO電極を銅ドープ硫化亜鉛で被覆することによって構成する。次いで、ITO電極の被覆した面同士を対向させて、エポキシを用いてそれらを相互にのり付けする。ITO電極の被覆面間における全エポキシ充填ギャップはおおよそ60μmである。
ITOガラス被覆電極の第2のセットを、第1のITO電極がアモルファスダイヤモンド層を有さないこと以外は第1と同様に構成する。次いで、ITO電極の銅ドープ硫化亜鉛被覆面を第1の電極に対向させて、エポキシを用いてそれらを相互にのり付けする。第1のITO電極と、第2のITO電極の被覆面との間の全エポキシ充填ギャップはおおよそ60μmである。
実施例12
実施例7の第1と第2のセットの電極に直流電流を印加する。第1のセットの電極に直流電流を印加するとき、銅ドープ硫化亜鉛層からルミネセンスを発生させるのに40V必要である。第2のセットの電極に直流電流を印加するとき、銅ドープ硫化亜鉛層からルミネセンスを発生させるのに80V必要である。
実施例13
実施例7の第1の電極のとおりに、ダイヤモンド状炭素層を有する電極のセットを構成する。電極のセットに交流電流を印加する。銅ドープ硫化亜鉛材料から所与のレベルのルミネセンスを発生させるのに60Hz、40Vを要する。60Hzで発生させたルミネセンスのレベルよりも大きいレベルのルミネセンスを発生させるのに100Hz、3Vを要する。100Hzで発生させたルミネセンスのレベルよりも大きいレベルのルミネセンスを発生させるのに1,000Hz、3Vを要する。1,000Hzで発生させたルミネセンスのレベルよりも大きいレベルのルミネセンスを3,500Hz、3Vで発生させることができる。
実施例14
カソードアークによりアモルファスダイヤモンド層でITO電極の両方を被覆することによりITO電極のセットを構成する。アモルファスダイヤモンドを両方のITO電極に堆積したため、アモルファス炭素層の劣化を避けるために、さらなる工程で用いられる熱は500℃未満であるべきである。銅ドープ硫化亜鉛粉末をバインダーと混合して基体上にスピンコーティングで被覆し、薄層を形成する。次いで、硫化亜鉛内にドーパントを拡散させるために、銅ドープ硫化亜鉛の層を誘電材料の2つの層の間で挟み、乾燥、焙焼し、さらに熱処理する。
実施例15
カソードとアノードとの間にスペーサを接続し、該スペーサと電極とのそれぞれの界面をアモルファスダイヤモンドで被覆する。電極の露出した面をさらに、熱を吸収させるようカーボンブラックで被覆する。スペーサは、その組成と厚さを変えることにより、電気伝導率と熱抵抗を最小限にするために用いられる。装置全体が可撓性となるよう、2つの電極を、シルバーグリースをPETプラスチック上にスクリーン印刷することによって作製する。スペーサは、チタン酸バリウム、PZT、BiTe、グラファイトと六方窒化ホウ素との混合物、または酸化アルミニウム含浸アルミニウムであってよい。
カソードの一方の面を約100℃まで加熱するとき、これら2つの電極間に電気が生じる。その電気の電圧は、スペーサの抵抗率とともに増大し、電流は導電率によって変化する。電気変換効率への熱もまた、スペーサの熱抵抗率とともに増大する。上述の設計において、アモルファスダイヤモンドコーティングが少なくとも1つの電極に適用されなければ、電気は生じない。
本発明の原理の例示のとおり、同装置は電池に接続することができる。この場合、カソードから電子を強制的に出させる力が適用されるため、カソードはアノードよりも低温になる。この電気的な冷却効果は、高温面から熱を除去するための高温スプレッダーや冷却箱内のチルリング装置として用いることができる。
当然のことながら、上述の配置は本発明の原理の用途を単に例示するものであることは理解すべきである。本発明の趣旨ならびに範囲から逸脱することなく、当業者等により、多数の該配置の修正および変更がなし得るものであり、付属の特許請求の範囲は、そのような修正と配置を包含することを意図するものである。従って、本発明を現在最も実用的かつ好ましいと考えられる本発明の実施態様に関して特徴ならびに詳細を説明したが、それらに限定されるものではないが、本明細書に記載した原理ならびに概念から逸脱することなく、寸法、材料、形状、形態、機能および作動、組み立て、ならびに使用の方法における変更を含む多数の修正が可能であることは明らかであろう。
図1は、本発明によるアモルファスダイヤモンド材料の一実施態様の側面図を示している。 図2は、本発明の一実施態様による、太陽電池として構成された熱電変換装置の側面図を示している。 図3は、本発明の一見地による、カソードアーク法を用いて作製されたアモルファスダイヤモンド材料の一実施態様の透視図を示している。 図4は、図3のアモルファスダイヤモンド材料の拡大図を示している。 図5は、本発明のアモルファスダイヤモンド発電機の一実施態様による様々な温度で適用された電界下で生じた電流のグラフ表示を示している。 図6は、正四面体、すなわち規則的な四面体の炭素結合を有するダイヤモンド四面体の透視図を示している。 図7は、不規則な四面体、すなわち変則的な四面体の炭素結合を有する炭素四面体の透視図を示している。 図8は、元素のほとんどについての、熱伝導率に対する比抵抗のグラフを示している。 図9Aは、熱処理前の本発明の実施態様に関する、深さに対する原子濃度のグラフを示している。 図9Bは、図9Aにおける実施態様の熱処理後の深さに対する原子濃度のグラフを示している。 図10は、実施例3による、太陽電池として構成された熱電変換装置の側面図を示している。

Claims (20)

  1. a)少なくともその一部分の上にダイヤモンド状炭素材料の層が被覆されているベース部材を有する第1の電極と、
    b)該ダイヤモンド状炭素材料に電気的に接続されている中間体部材であって、該中間体部材は、該中間体部材をわたる約0.1Vから約6Vの電圧を保持する固体誘電材料を含む、中間体部材と、
    c)該ダイヤモンド状炭素材料の反対側で該中間体部材に電気的に接続されている第2の電極と
    を備えている、ダイヤモンド状炭素熱電変換装置。
  2. 前記第1の電極はカソードであり、前記ベース部材は少なくとも2つの層を備えている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記ベース材料は第1の導電性カソード層と第2の層とを含んでおり、該第2の層は、該第1の導電性カソード層の仕事関数よりも小さい仕事関数を有する、請求項2に記載の装置。
  4. 前記第2の層は、Cs、Sm、Al−Mg、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、B、Ce、Al、La、Euおよびそれらの混合物または合金からなる群から選択されるメンバーを含む、請求項3に記載の装置。
  5. 前記第1の電極はアノードである、請求項1に記載の装置。
  6. 前記中間体部材は、約200W/mK未満の熱伝導率を有する、請求項1に記載の装置。
  7. 前記誘電材料は、ポリマー、ガラス、セラミック、グラファイトまたはそれらの混合物若しくは複合体である、請求項1に記載の装置。
  8. 前記誘電材料は、BaTiO、PZT、Ta、PET,PbZrO、PbTiO、NaCl、LiF、MgO、TiO、Al、BaO、KCl、MgSO、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、高鉛ガラス、グラファイト、六方窒化ホウ素、金属マトリックス複合体、逆金属マトリックス複合体、BiSb、Bi23、PbTe、SiGe、BiTe、ZnSb、LaTeおよびそれらの混合物、組成物または組み合わせからなる群から選択されるメンバーである、請求項1に記載の装置。
  9. 前記第1の電極と前記第2の電極は可撓性である、請求項1に記載の装置。
  10. 前記ダイヤモンド状炭素材料は、約10nmから約3μmの厚さを有する、請求項1に記載の装置。
  11. 前記ダイヤモンド状炭素材料は、少なくとも約80%が炭素原子であり、該炭素原子の約20%は歪んだ四面体配位で結合されている、請求項1に記載の装置。
  12. 前記ダイヤモンド状炭素熱電変換装置が発電機として構成されるように、前記ダイヤモンド状炭素材料とは反対側の前記第1の電極に接続されているエネルギーコレクターをさらに含む、請求項1に記載の装置。
  13. 前記ダイヤモンド状炭素熱電変換装置が冷却器として構成されるように、前記第2の電極と前記第1の電極との間に作動可能なように接続されている電圧源をさらに含む、請求項1に記載の変換装置。
  14. a)蒸着技術を用いて前記第1の電極上に前記ダイヤモンド状炭素材料の層を形成することであって、該ダイヤモンド状炭素材料が該第1の電極とは反対側に電子放出面を有する、ことと、
    b)該電子放出面上に前記中間体部材を形成することと、
    c)該第1の電極の反対側で前記第2の電極を該中間体部材に接続することと
    を含む、請求項1に記載のダイヤモンド状炭素熱電変換装置の作製方法。
  15. 前記ダイヤモンド状炭素材料の層を形成することが、物理蒸着法を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記中間体部材を形成することが、蒸着法、薄膜蒸着法、予成形固体、粉体層またはスクリーン印刷を含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記ダイヤモンド状炭素材料とは反対側の前記第1の電極上に、エネルギーコレクター層を形成することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  18. 前記ダイヤモンド状炭素熱電変換装置を、境界面を強化し、材料の欠陥を減少させるために加熱処理を受けさせることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  19. 請求項1の前記ダイヤモンド状炭素熱電変換装置のエネルギー入力面へ、電流を生成するのに十分な量の光または熱のエネルギーを入力することを含み、該エネルギー入力面は、該ダイヤモンド状炭素材料の反対側の前記第1の電極上にある、電流を生成する方法。
  20. 前記光または熱のエネルギーが、前記第1の電極を約100℃から約1800℃の温度に維持するのに十分である、請求項19に記載の方法。
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