JP2011110998A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】走路上の石等の突起物を踏んだ際のサイドカット故障の発生を抑制するとともに、トレッドゴムの発熱量を抑制した重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤの幅方向断面内で、直線bの直線cに対する傾斜角度αを、0°<α≦30°とし、タイヤ最大幅位置9とトレッド接地端とを結ぶ直線の、直線dに対する傾斜角度βを、0°≦β<30°とし、タイヤ径方向距離hを、タイヤ断面高さSHに対して0.20SH≦h≦0.40SHとし、領域G内の、境界線BLのタイヤ径方向最外側位置Aから、境界線BLのトレッド側面との交点に引いた直線eの仮想直線fに対するタイヤ径方向内側への傾斜角度γを、0°≦γ≦20°とし、且つ、ベースゴム7aの反発弾性率を、キャップゴム7bの反発弾性率の1.42〜2.0倍とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りラジアルタイヤ、特には建設車両に用いて好適なる重荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、走路上の石等の突起物を踏んだ際のサイドカット故障の発生を抑制するとともに、トレッドゴムの発熱量を抑制した重荷重用空気入りラジアルタイヤに関するものである。
地下鉱山等の岩盤路を走行する建設車両用に用いられる重荷重用空気入りタイヤは、図4に、タイヤの負荷転動時の幅方向断面をその半部について模式的に示すように、サイドウォール部22で、タイヤ幅方向外側に大きく膨出変形する。このため、タイヤの転動中に接触する石等の突起物によって、サイドウォール部22にサイドカットが生じるおそれが高く、このサイドカットがタイヤのカーカスにまで達すると、パンク等の故障を引き起こすおそれがあった。
そこで従来は、このような問題に対し、複数枚のコード交錯層からなるカーカスプライを配置したバイアスタイヤが広く一般に使用されていた。これはすなわち、コード交錯層の厚みが厚いバイアスタイヤでは、サイドカット傷がタイヤの内面まで貫通し難く、耐サイドカット性に優れる利点があることによる。
一方、ラジアルタイヤは、製造工数、コスト面で有利であるとともに、耐摩耗性、トラクション性能、重量等の面でも優れているものの、この種の重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、サイドウォール部に、例えばスチールコードからなるカーカスプライを一枚だけ配設する場合が多く、これに伴ってサイドウォール部のゴム厚みも薄くなることから、サイドカットがカーカスを容易に貫通して故障に到るおそれが高かった。
このようなサイドカット故障を抑えるために、ラジアルタイヤでは、サイドウォール部のゴム厚みを厚くしたり、特許文献1に記載されているように、タイヤのサイドゴムに耐カット性に優れたゴムを配設することで、耐サイドカット性を向上させる技術が提案されているが、これによって尚、バイアスタイヤと同等レベルまで耐サイドカット性を向上させるには到っていなかった。
また、サイドカットそのものを受け難くするべく、例えば特許文献2に記載されているように、適用リムに装着され、内圧を充填した無負荷常態のタイヤの幅方向断面内で、タイヤ外表面幅を、カーカス層の最大幅位置からトレッド端までの半径方向距離の0.3〜0.7倍だけ離れた範囲の位置までの間で漸増させ、かつ、前記範囲の位置からトレッド端までの間で、漸減させることで、重荷重によってサイドウォール部がタイヤ幅方向外側に大きく膨出変形したときでも、サイドウォール部を路面に対してほぼ垂直とすることで、サイドカットの発生を防止する技術が提案されている。
しかるに、この特許文献2に記載されたタイヤでは、トレッド接地端のタイヤ幅方向外側領域のバットレスのゴムの厚みが厚くなってゴム体積が増加し、トレッドゴムの発熱量が増大することによってトレッドゴムの耐久性が低下するおそれがあった。
特開平06−328912号公報 特開2001−213114号公報
そこで本発明は、走行時の石等の突起物に対する耐サイドカット性を低下させることなしに、トレッドゴムの発熱量を低減させて、トレッドゴムの耐久性の低下を抑制することが可能な重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
発明者らは、上記の耐サイドカット性と低発熱性とを高次元で両立させた重荷重用空気入りラジアルタイヤを開発する方途につき鋭意検討していたところ、タイヤトレッド部に用いる低発熱性のベースゴムの配置を適正化してタイヤを設計することが効果的であることを知見し、本発明を完成するに到った。従って、上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部と、各ビード部内のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に、ベースゴムおよびキャップゴムを内周側から順次に配置してなるトレッドゴムとを具える空気入りラジアルタイヤにおいて、
適用リムに組み付けて、規定の内圧を充填した無負荷状態のタイヤの幅方向断面内で、
カーカスの最大幅位置を通るリム径ラインと平行な仮想直線とタイヤ外表面との交点と、この交点よりタイヤ径方向外側に位置するタイヤ最大幅位置とを結ぶ直線の、タイヤの赤道面に平行な直線に対する傾斜角度αが、0°<α≦30°であり、
前記タイヤ最大幅位置とトレッド接地端とを結ぶ直線の、タイヤ赤道面に平行な直線に対する傾斜角度βが、0°≦β<30°であり、
トレッドセンターからタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向距離hがタイヤ断面高さSHに対して0.20SH≦h≦0.40SHであり、
トレッド接地幅を4等分した最外側の領域内の、前記ベースゴムと前記キャップゴムとの境界線のタイヤ径方向最外側位置から、該境界線のトレッド側面との交点に引いた直線の、リム径ラインと平行な仮想直線に対する傾斜角度γが、0°≦γ≦20°であり、且つ
前記ベースゴムの反発弾性率が、前記キャップゴムの反発弾性率の1.42〜2.0倍であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
ここで、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.) YEAR BOOK等に規定されたリムをいうものとする。
また、「規定内圧」とは、JATMA等で規定された最高空気圧をいうものとする。
「タイヤ最大幅位置」とは、JATMA等に規定された適用リムに、タイヤを組み付けて、JATMA等の規格にタイヤサイズに応じて規定された、最高空気圧を充填した状態での、タイヤ幅方向断面内の最大幅位置をいうものとする。
「カーカスの最大幅位置」とは、JATMA等に規定された適用リムにタイヤを組み付けて、JATMA等の規格にタイヤサイズに応じて規定された、最高空気圧を充填した状態での、トロイド状に延在する少なくとも一枚のカーカスプライの、タイヤ幅方向断面内の最大幅位置をいい、複数枚のカーカスプライの場合には、最外側のカーカスプライの最大幅位置をいうものとする。
「タイヤ断面高さSH」とは、タイヤの外径とリム径の差の1/2を言うものとする。
「トレッド接地幅」とは、タイヤを適用リムに装着して規定内圧を充填し、平板に対して垂直に置いて、JATMA規格に定める最大負荷能力に対応する荷重を負荷した際の平板との接触面におけるタイヤ軸方向最大距離を言うものとする。
「反発弾性率(%)」とは、JIS K6255に規定される反発弾性試験の試験方法に従って測定した数値を言う。
(2)前記傾斜角度αが、5°≦α≦10°である、上記(1)に記載の空気入りラジアルタイヤ。
(3)前記傾斜角度βが、5°≦β≦10°である、上記(1)または(2)に記載の空気入りラジアルタイヤ。
(4)前記距離hが、0.28SH≦h≦0.36SHである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
(5)前記ベースゴムの反発弾性率が、前記キャップゴムの反発弾性率の1.56倍である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
図1に、規定の質量に対応する負荷を加えた状態の本発明の空気入りラジアルタイヤを示す。この空気入りラジアルタイヤは、無負荷状態のタイヤ幅方向断面内では、前記バットレス8が、タイヤ幅方向外側に迫り出してタイヤ最大幅位置に到る形状を有し、その最大幅位置からタイヤ径方向内側ではタイヤ幅が漸減する形状を有する。これがため、荷重の作用によってサイドウォール部2のタイヤ径方向内方部分がタイヤ幅方向外側に膨出したときには、図1に示すように、バットレスからサイドウォール部2の下部にかけて、路面に対してほぼ垂直となる姿勢をとることになって、サイドカットそのものを受け難い。
また、本発明の空気入りラジアルタイヤは、上記傾斜角度αを30°以下としており、これによって、上記のサイドカットの抑制の効果を発揮しつつ、タイヤのバットレスのゴム厚みが厚くなってゴム体積が増加してしまうのを防いでいる。即ち、バットレスのゴム体積の増大によるトレッドゴムの発熱量の増加を抑えることが可能である。
さらに、前記傾斜角度βを30°以下とし、前記タイヤ径方向距離hを0.40SH以下とすることにより、タイヤのバットレスのゴム厚みが薄くなりすぎるのを防ぐとともに、タイヤのトレッド接地幅の減少による耐摩耗性の低下を防止している。
一方、このタイヤは、前記タイヤ径方向距離hを0.20以上としているため、タイヤのバットレスのゴム体積が増加しすぎてトレッドゴムの発熱量が増加してしまうことがない。
また、耐サイドカット性とバットレスのゴム体積とのバランスを鑑みるにあたり、前記傾斜角度αを5°≦α≦10°の範囲とすることが好ましい。これにより、耐サイドカット性を向上しつつトレッドゴムの発熱量の増加をより効果的に抑制することが可能である。
さらに、耐摩耗性等のタイヤ諸性能との両立を図る上で、前記傾斜角度βを5°≦β≦10°とすることが好ましく、βを5°以上とすることにより、バットレスのゴム体積を減少させてトレッドゴムの発熱量をより効果的に抑制し、また、βを10°以下とすることにより、タイヤのトレッド接地面の減少をより効果的に防ぐことができ、例えば耐摩耗性等のタイヤ諸性能への影響を防ぐことができる。
本発明の空気入りタイヤは、さらに、前記タイヤ径方向距離hを0.36SH以下とすることにより、耐サイドカット性の向上効果とトレッドゴムの発熱量の低減効果とをさらに効果的に得ることが可能である。
以上のようなタイヤは、前記ベースゴムの反発弾性率を前記キャップゴムの反発弾性率の1.56倍とした場合に、耐摩耗性等の諸性能と耐サイドカット性能とを最もバランス良く両立させることが可能である。
本発明の空気入りラジアルタイヤを適用リムに組み付け、規定の空気圧を充填し、規定の質量に対応する負荷を加えて転動させた場合を模式的に示す、タイヤの半部についての幅方向断面図である。 本発明の空気入りラジアルタイヤを適用リムに組み付け、規定の空気圧を充填し、無負荷状態とした状態を示す、タイヤの半部についての幅方向断面図である。 図2の空気入りラジアルタイヤのトレッド部付近を中心とした要部拡大断面図である。 従来タイヤを適用リムに組み付け、規定の空気圧を充填し、規定の質量に対応する負荷を加えて転動させた場合をタイヤの半部について示す幅方向断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の重荷重用ラジアルタイヤを詳細に説明する。
図2に示すところにおいて、1はトレッド部を、2はトレッド部1のそれぞれの側部に連続して半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部を、そして3は各サイドウォール部2の半径方向内方に連続するビード部をそれぞれ示す。
図示の空気入りラジアルタイヤは、各ビード部3内のビードコア4間にトロイド状に延在する少なくとも一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカス5と、カーカス5のクラウン域の外周側に配設した少なくとも2層のスチールベルト層からなるベルト6とを具え、さらに、このベルト6の外周側に順次に配置したベースゴム7aおよびキャップゴム7bからなるトレッドゴム7を具える。
ここで、図示の空気入りタイヤでは、適用リムRに組み付けて、規定の内圧を充填した無負荷状態のタイヤの幅方向断面内で、カーカス5の最大幅位置を通るリム径ラインと平行な仮想直線aとタイヤ外表面との交点pと、この交点よりタイヤ径方向外側に位置するタイヤ最大幅位置9とを結ぶ直線bの、タイヤの赤道面CLに平行な直線cに対する傾斜角度αを、0°<α≦30°とする。
またここでは、前記タイヤ最大幅位置9とトレッド接地端10とを結ぶ直線の、タイヤ赤道面CLに平行な直線dに対するタイヤ幅方向内側への傾斜角度βを、0°≦β<30°とし、トレッドセンターからタイヤ最大幅位置9までのタイヤ径方向距離hを、タイヤ断面高さSHに対して0.20SH≦h≦0.40SHとし、トレッド接地幅TWを4等分した最外側の領域G内の、前記ベースゴム7aと前記キャップゴム7bとの境界線BLのタイヤ径方向最外側位置Aから、該境界線BLのトレッド側面との交点に引いた直線eの、リム径ラインと平行な仮想直線fに対するタイヤ径方向内側への傾斜角度γを、0°≦γ≦20°とし、且つ、前記ベースゴム7aの反発弾性率を、前記キャップゴム7bの反発弾性率の1.42〜2.0倍とすることが肝要である。
尚、図示例では、空気入りタイヤの上記ラジアルカーカス5は、各ビード部3に埋設された六角形断面のビードコア4間に、本体部分5aをトロイド状に延在させるとともに、側部部分5bを、ビードコア4の周りで、タイヤ幅方向内側から外側に向けて折り返して配設してなるが、側部部分5bは、ビードコア4の周りでタイヤ幅方向外側から内側に向けて折り返すことも可能である。
ここで、カーカスプライは、例えば、タイヤ周方向と直交する方向に延びるスチールコード、有機繊維コード等にて形成することができる。また、カーカスの側部部分5bは、リム径ラインから測って、タイヤ断面高さSHの0.30〜0.46%の範囲まで延在させることができる。
前記ベルト6は、図では四層のコード交錯ベルト層により形成され、また、前記トレッドゴム7の表面には、図では省略されているが、トレッド幅方向に延びる複数本の横溝等を形成する。
以下に、本発明を特徴付ける構成についてより詳細に述べる。
従来、建設車両用のタイヤが地下鉱山等の岩盤路を走行する場合、図4に示す例のように、膨出変形したサイドウォール部22にサイドカットを生じることが多かった。
これに対し、タイヤのバットレスのゴム体積の増加を抑制しつつサイドカットを防ぐためには、まず上記傾斜角度αを0°超とする必要がある。即ち、上記傾斜角度が0°以下である場合は、タイヤが荷重を受けてサイドウォール部2が膨出した際に、バットレス8によって走路上の石等の突起物からサイドウォール部2を保護できなくなるためである。
一方、上記傾斜角度αを増加させるに伴って、タイヤのバットレスのゴム体積が多くなり、トレッドゴム7の発熱量が増加してしまう傾向にあるため、上記傾斜角度αは、30°以下である必要がある。
上記傾斜角度αが30°以下であれば、トレッドゴム7の発熱量がそれほど大きくなることはない。
また、本発明において、上記傾斜角度βが大きすぎる場合、バットレス8のゴム厚みが薄くなり過ぎてしまい、十分な耐サイドカット性を確保することができず、また、タイヤのトレッド接地幅が減少することによって摩耗性に影響する可能性がある。
そのため、上記傾斜角度βは30°より小さい必要がある。従って、上記傾斜角度は、0°≦β<30°である必要がある。
ところで、タイヤがサイドカットを受けるのは、通常、タイヤの接地面中央域からタイヤ径方向内側に0.40SH以上離れた領域であるため、上記距離hは、0.40SH以下である必要がある。一方、hを0.20SH未満にすると、バットレスのゴム体積が多くなりすぎてトレッドゴム7の発熱量が増加してしまう。
従って、上記距離hは、タイヤ断面高さSHに対して0.20SH≦h≦0.40SHである必要がある。
本発明では、また、トレッド接地幅TWを4等分した最外側の領域G内での、ベースゴム7aとキャップゴム7bとの境界線BLのタイヤ径方向最外側位置から、該境界線BLのトレッド側面との交点に引いた直線eの、リム径ラインと平行な仮想直線fに対する傾斜角度γを、0°≦γ≦20°とすることにより、さらに、タイヤの耐摩耗性を確保することができる。
通常、タイヤのトレッドゴム7において、ベースゴム7aには、発熱量の少ない材料を用い、また、キャップゴム7bには、耐摩耗性に優れた材料を用いることが一般的である。そのため、図2および3に示すように、各ゴムの境界をなす直線eの、リム径ラインと平行な仮想直線fに対する傾斜角度γを、0°未満とした場合は、耐摩耗性を担保し得ないベースゴム7aが摩耗の早期にトレッド接地面に露出して、タイヤの耐摩耗性を損ねることになる。一方で、上記傾斜角度γを20°超とした場合は、従来品と対比した際の発熱量低減の効果を十分に得ることができない。
従って、上記傾斜角度γは、0°≦γ≦20°とすることが必要である。
本発明に係るタイヤでは、また、前記ベースゴム7aの反発弾性率を、前記キャップゴム7bの反発弾性率の1.42〜2.0倍とする。
ベースゴム7aの反発弾性率がキャップゴム7bの反発弾性率に対して1.42倍未満である場合は、トレッドゴム7の発熱量を、有効な程度にまで低減させることができない。ところで、反発弾性率が高いゴムは一般的に耐摩耗性等の他性能に劣るため、ベースゴム7aの反発弾性率がキャップゴム7bの反発弾性率の2.0倍を超えるような場合は、実際の使用には適さない。そのため、ベースゴム7aの反発弾性率は、キャップゴム7bの反発弾性率に対して、1.42〜2.0倍である必要がある。
また、以上のような構成を有するタイヤにおいて、前記傾斜角度αは、5°≦α≦10°とすることがより好ましい。
前記傾斜角度αを上記範囲内とすれば、よりバットレスの発熱量の抑制とタイヤの耐サイドカット性とのバランスを一層高めることができる。
さらに、このタイヤでは、前記傾斜角度βを、5°≦β≦10°とすることが好ましい。
上述の場合と同様に、前記傾斜角度βを上記範囲とすることにより、バットレスの発熱量の抑制とタイヤの耐サイドカット性とをよりバランス良く両立させることができる。
そしてまた、このタイヤでは、前記距離hを、0.28SH≦h≦0.36SHとすることが好ましい。
これによれば、バットレスそれ自体へのカットの発生を有効に抑制するとともに、前記距離を0.28以上とすることによって、トレッドゴム7の発熱量の増加を、より効果的に抑制することができる。
以上のようなタイヤにおいて、前記ベースゴム7aの反発弾性率は、前記キャップゴム7bの反発弾性率の1.56倍とすることが好適である。
前記ベースゴム7aの反発弾性率を前記キャップゴム7bの反発弾性率に対して1.56倍とした場合、タイヤの耐摩耗性との低発熱性とを最もバランス良く両立させることができる。
次に、図2および図3に示すような構造を有する、サイズが26.5R25VSMSのタイヤを試作し、表1に示すように、それぞれの諸元を変化させた実施例タイヤ、比較例タイヤとのそれぞれにつき、耐サイドカット性およびトレッドゴムの発熱温度を測定した。
(耐サイドカット性)
実施例タイヤ、比較例タイヤのそれぞれを市場へ各50本投入し、一年後の各タイヤをサンプリングし、それぞれのカット故障本数/供試タイヤ本数を調査した。この評価結果を表1に示す。
(発熱温度)
実施例タイヤ、比較例タイヤのそれぞれを、22.00/3.0のリムに組み付けて、内圧を650kPa、負荷重量18500kgとし、試験速度5km/hにてドラム試験機で、24時間走行させて、図3に示す点P上での温度を測定して評価した。この評価結果を表1に示す。尚、点Pは、タイヤの幅方向断面上において、トレッド端からラジアルカーカス5の厚み中心線に引いた垂線と、該カーカスの表面との交点から1.5mm離れた該垂線上の点である。
Figure 2011110998
表1より、比較例タイヤのトレッドゴムの発熱温度が116℃と高温であるのに対し、本発明の実施例タイヤ1〜3では、この発熱温度がいずれも111℃以下と低温であることがわかる。ここで、トレッドゴムの発熱温度が112℃以下であればこの発熱による不具合を生じることがなく、市場において問題の無い水準であると言える。
また、実施例タイヤ1〜3は、耐サイドカット性について比較例タイヤ1よりも優れている。従って、上記結果より、実施例タイヤ1〜3は、比較例タイヤ1及び2に対し、トレッドゴムの発熱温度を増加させることなく、耐サイドカット性を向上していると言える。
CL 赤道面
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 ラジアルカーカス
5a 本体部分
5b 折返し部分
6 ベルト
7 トレッドゴム
7a ベースゴム
7b キャップゴム
8 バットレス
TW トレッド接地幅
SH タイヤ断面高さ
BL ベースゴムとキャップゴムとの境界線
R 適用リム

Claims (5)

  1. トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部と、各ビード部内のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に、ベースゴムおよびキャップゴムを内周側から順次に配置してなるトレッドゴムとを具える空気入りラジアルタイヤにおいて、
    適用リムに組み付けて、規定の内圧を充填した無負荷状態のタイヤの幅方向断面内で、
    カーカスの最大幅位置を通るリム径ラインと平行な仮想直線とタイヤ外表面との交点と、この交点よりタイヤ径方向外側に位置するタイヤ最大幅位置とを結ぶ直線の、タイヤの赤道面に平行な直線に対する傾斜角度αが、0°<α≦30°であり、
    前記タイヤ最大幅位置とトレッド接地端とを結ぶ直線の、タイヤ赤道面に平行な直線に対する傾斜角度βが、0°≦β<30°であり、
    トレッドセンターからタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向距離hがタイヤ断面高さSHに対して0.20SH≦h≦0.40SHであり、
    トレッド接地幅を4等分した最外側の領域内の、前記ベースゴムと前記キャップゴムとの境界線のタイヤ径方向最外側位置から、該境界線のトレッド側面との交点に引いた直線の、リム径ラインと平行な仮想直線に対する傾斜角度γが、0°≦γ≦20°であり、且つ
    前記ベースゴムの反発弾性率が、前記キャップゴムの反発弾性率の1.42〜2.0倍であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記傾斜角度αが、5°≦α≦10°である、請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記傾斜角度βが、5°≦β≦10°である、請求項1または2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記距離hが、0.28SH≦h≦0.36SHである、請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記ベースゴムの反発弾性率が、前記キャップゴムの反発弾性率の1.56倍である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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