JP2011111006A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】走路上の石等の突起物を踏んだ際のサイドカット故障の発生を抑制するとともに、トレッドゴムの放熱を促進して発熱量を抑制した重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】本発明の空気入りタイヤは、幅方向断面内で、直線lの直線lに対する傾斜角度αが、0°<α≦30°であり、直線lの直線lに対する傾斜角度βが、0°≦β<30°であり、タイヤ径方向距離hがタイヤ断面高さSHに対して0.20SH≦h≦0.40SHであり、タイヤ径方向距離h′が前記距離hよりも小さく、前記幅方向溝は、溝底に引いた第1の接線tが直線lと平行になる領域Aを有するとともに、該領域Aよりもタイヤ幅方向外側に、同溝底に引いた第2の接線tが前記直線lと平行になる領域Bを有し、且つ、長さD′は長さDの1.5倍以上であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りラジアルタイヤ、特には建設車両に用いて好適なる重荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、走路上の石等の突起物を踏んだ際のサイドカット故障の発生を抑制するとともに、トレッドゴムの放熱を促進することによりトレッドゴムの温度上昇を抑制した重荷重用空気入りラジアルタイヤに関するものである。
地下鉱山等の岩盤路を走行する建設車両用に用いられる重荷重用空気入りタイヤでは、図4に、タイヤの負荷転動時の幅方向断面をその半部について模式的に示すように、サイドウォール部22が、タイヤ幅方向外側に大きく膨出変形する。このため、タイヤの転動中に接触する石等の突起物によって、サイドウォール部22にサイドカットが生じるおそれが高く、このサイドカットがタイヤのカーカスにまで達すると、パンク等の故障を引き起こすおそれがあった。
そこで従来は、このような問題に対し、複数枚のコード交錯層からなるカーカスプライを配置したバイアスタイヤを広く一般に使用していた。これはすなわち、コード交錯層の厚みが厚いバイアスタイヤでは、サイドカット傷がタイヤの内面まで貫通し難く、耐サイドカット性に優れる利点があることによる。
一方、ラジアルタイヤは、製造工数、コスト面で有利であるとともに、耐摩耗性、トラクション性能、重量等の面でも優れているものの、この種の重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、サイドウォール部に、例えばスチールコードからなるカーカスプライを一枚だけ配設する場合が多く、これに伴ってサイドウォール部のゴム厚みも薄くなることから、サイドカットがカーカスを容易に貫通してパンクに至るおそれが高かった。
このようなサイドカット故障を抑えるために、ラジアルタイヤでは、サイドウォール部のゴム厚みを厚くしたり、特許文献1に記載されているように、タイヤのサイドゴムに耐カット性に優れたゴムを配設することで、耐サイドカット性を向上させる技術が提案されているが、これによって尚、バイアスタイヤと同等レベルまで耐サイドカット性を向上させるには至っていなかった。
また、サイドカットそのものを受け難くするべく、例えば特許文献2に記載されているように、適用リムに装着され、内圧を充填した無負荷常態のタイヤの幅方向断面内で、タイヤ外表面幅を、カーカス層の最大幅位置から測って、カーカス層の最大幅位置からトレッド端までの半径方向距離の0.3〜0.7倍だけ離れた位置までの間で、漸増させ、かつ、前記位置からトレッド端までの間で、漸減させることで、重荷重によってサイドウォール部がタイヤ幅方向外側に大きく膨出変形したときでも、サイドウォール部を路面に対してほぼ垂直とすることで、サイドカットの発生を防止する技術が提案されている。
しかるに、この特許文献2に記載されたタイヤでは、トレッド接地端のタイヤ幅方向外側領域に位置するバットレスのゴムの厚みが厚くなってゴム体積が増加し、トレッドゴムの発熱量が増大し、トレッドゴム温度が上昇することによってタイヤの耐久性が低下するおそれがあった。
特開平06−328912号公報 特開2001−213114号公報
そこで、本発明は、走行時の石等の突起物に対する耐サイドカット性を低下させることなしに、トレッドゴムの発熱、ひいては温度上昇を抑制することが可能な重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
発明者らは、上記の耐サイドカット性の向上と、トレッドゴムの温度上昇の抑制とを高い次元で両立させた重荷重用空気入りラジアルタイヤを開発する方途につき鋭意検討していたところ、タイヤのトラクションの向上を目的として、トレッド部の、例えばタイヤ幅方向両端に配される幅方向溝につき、それの形成形態を適正化して、トレッドゴムの発熱熱量を該幅方向溝から放散させることが効果的であることを知見し、本発明を完成するに到った。従って、上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部と、各ビード部内のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配置したトレッドゴムとを具え、少なくともトレッドショルダ域にトレッド幅方向に延びる幅方向溝をトレッド周方向に間隔をおいて複数本設けてなる空気入りラジアルタイヤにおいて、
適用リムに組み付けて、規定の内圧を充填した無負荷状態のタイヤの幅方向断面内で、
カーカスの最大幅位置を通るリム径ラインと平行な仮想直線lとタイヤ外表面との交点pと、その交点pよりタイヤ径方向外側に位置するタイヤ最大幅位置とを結ぶ直線lの、タイヤの赤道面に平行な直線lに対する傾斜角度αが、0°<α≦30°であり、
前記タイヤ最大幅位置とトレッド接地端Tとを結ぶ直線lの、タイヤ赤道面に平行な直線lに対する傾斜角度βが、0°≦β<30°であり、
トレッドセンターからタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向距離hがタイヤ断面高さSHに対して0.20SH≦h≦0.40SHであり、
トレッドセンターから、前記幅方向溝の溝底の、タイヤの側面との交点Fまでのタイヤ径方向距離h′が、前記距離hよりも小さく、
前記幅方向溝は、その溝底に引いた第1の接線tが、同幅方向溝の溝底のトレッド接地面との交点F′とトレッド接地端Tとを結ぶ直線lと平行になる領域Aを有するとともに、該領域Aよりもタイヤ幅方向外側に、同溝底に引いた第2の接線tが、前記直線lと平行になる領域Bを有し、且つ、
前記交点Fから前記直線lに下ろした垂線の長さD′が、前記領域Aから前記直線lに下ろした垂線の長さDの1.5倍以上であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
ここで、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.) YEAR BOOK等に規定されたリムをいうものとする。
また、「規定の内圧」とは、JATMA等で規定された最高空気圧を言うものとする。
「タイヤ最大幅位置」とは、JATMA等に規定された適用リムに、タイヤを組み付けて、JATMA等の規格にタイヤサイズに応じて規定された最高空気圧を充填した状態での、タイヤ幅方向断面内の最大幅位置を言うものとする。
「カーカスの最大幅位置」とは、JATMA等に規定された適用リムにタイヤを組み付けて、JATMA等の規格にタイヤサイズに応じて規定された最高空気圧を充填した状態での、最外側のカーカスプライの最大幅位置を言うものとする。
「タイヤ断面高さSH」とは、タイヤの外径とリム径の差の1/2を言うものとする。
「トレッド接地端T」とは、JATMA等に規定された適用リムにタイヤを組み付けて、JATMA等の規格にタイヤサイズに応じて規定された最高空気圧を充填した状態の前記タイヤ幅方向断面内において、トレッド接地面の延長線とタイヤ側面の延長線とが交わる位置を言うものとする。
(2)前記距離h′が、前記距離hの0.2倍以上である、上記(1)に記載の空気入りラジアルタイヤ。
(3)前記距離h′が、前記距離hに対して、さらに、0.5h<h′<0.9hである、上記(1)または(2)に記載の空気入りラジアルタイヤ。
(4)前記領域Bから前記直線lに下ろした垂線の長さdが、前記長さDに対して、0.03D<d<0.4Dである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
(5)前記傾斜角度αが、5°≦α≦10°である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
(6)前記傾斜角度βが、5°≦β≦10°である、上記(1)〜(5)に記載の空気入りラジアルタイヤ。
(7)前記距離hが、0.28SH≦h≦0.36SHである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
図1に、規定の質量に対応する負荷を加えた状態の本発明の空気入りラジアルタイヤを示す。
この空気入りラジアルタイヤは、無負荷状態のタイヤ幅方向断面内では、バットレス8が、タイヤ幅方向外側に迫り出してタイヤ最大幅位置に到る形状を有し、その最大幅位置からタイヤ径方向内側ではタイヤ幅が漸減する形状を有する。これがため、荷重の作用によってサイドウォール部2のタイヤ径方向内方部分がタイヤ幅方向外側に膨出したときには、図1に示すように、バットレスからサイドウォール部2の下部にかけて、路面に対してほぼ垂直となる姿勢をとることになるので、サイドカットそのものを受け難い。
また、本発明の空気入りラジアルタイヤは、上記傾斜角度αを30°以下とすることで、サイドカットの発生抑制効果を発揮させつつ、タイヤのバットレスのゴム厚みが厚くなりすぎてゴム体積が増加しすぎるのを防いでいる。即ち、バットレスのゴム体積の増大に起因するトレッドゴムの発熱量の増加を有効に抑制している。
さらに、前記傾斜角度βを30°未満とし、トレッドセンターからタイヤ最大幅位置までの距離hを0.40SH以下とすることにより、タイヤのバットレスのゴム厚みが薄くなりすぎるのを防ぐとともに、タイヤのトレッド接地幅の減少による耐摩耗性の低下を防止している。
一方、このタイヤは、前記距離hを0.20以上としているため、タイヤのバットレスのゴム体積が増加しすぎてトレッドゴムの発熱量が増加してしまうことがない。
また、従来の重荷重用空気入りタイヤのトレッド部に配される幅方向溝としては、トレッド接地面からの深さがほぼ一定のまま、溝底がタイヤショルダ部に抜けるような形状のものが一般的であったが、本発明の重荷重用空気入りタイヤは、トレッド接地面から溝底までの距離(溝の深さ)が、タイヤ幅方向外側で増大する段差形態を有し、段差の前後の溝深さの比が1.5倍以上であるような幅方向溝を、トレッドショルダ域に配することを特徴とする。
トレッド部に配する幅方向溝の形態を上記のような段差状とすることにより、該幅方向溝から、トレッドゴムの熱量の放熱効果を、大幅に向上させることができる。これによって、トレッドゴムの温度上昇を有効に抑制することができる。
一方、幅方向溝の溝底ラインの、タイヤ側面側の終端がサイドカットを受けやすい領域にある場合、幅方向溝の溝底がサイドカットの核となってしまうおそれがあることから、前記幅方溝の溝底のタイヤの側面との交点Fは、タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に位置する必要がある。
従って、トレッドセンターから、幅方向溝の溝底のタイヤの側面との交点Fまでの距離h′は、h′<hの関係を満たすこととなり、これにより、タイヤの耐カット性を損ねることなく優れた放熱効果を得ることができる。
また、前記距離h′は0.2h以上であることが好ましく、さらに好ましくは、0.5h<h′<0.9hとする。
前記距離h′を上記範囲内とすることにより、トレッドゴムの発熱抑制効果とタイヤの耐サイドカット性とをさらにバランス良く両立させることができる。
さらに、幅方向溝の放熱効果をより多く得る観点からは、前記長さdを0.03Dより大きくすることが好ましい。
一方、前記長さdが大きすぎる場合、溝底のクラックやカットの発生要因となるおそれがあるため、0.4Dより小さいことが好ましい。
即ち、前記長さdを上記範囲内とすることにより、トレッドゴムの低発熱性とタイヤの耐サイドカット性とをよりバランス良く両立できる。
また、耐サイドカット性とバットレスのゴム体積とのバランスを鑑みるに、前記傾斜角度αは5°≦α≦10°の範囲とすることが好ましい。これにより、耐サイドカット性を確保しつつトレッドゴムの発熱量の増加をより効果的に抑制することが可能である。
さらに、耐摩耗性等のタイヤ諸性能との両立を図る上で、前記傾斜角度βは5°≦β≦10°とすることが好ましい。
βを5°以上とすることにより、バットレスのゴム体積を減少させてトレッドゴムの発熱量をより効果的に抑制し、また、βを10°以下とすることにより、タイヤのトレッド接地面の減少をより効果的に防ぐことができ、例えば耐摩耗性等のタイヤ諸性能への影響を防ぐことができる。
以上のようなタイヤにおいて、前記タイヤ径方向距離hを0.28SH≦h≦0.36SHとしたときは、耐サイドカット性の向上効果とトレッドゴムの発熱の抑制効果とをさらに効果的に得ることが可能である。
本発明の空気入りラジアルタイヤを適用リムに組み付け、規定の空気圧を充填し、規定の質量に対応する負荷を加えて転動させた場合を模式的に示す、タイヤの半部についての幅方向断面図である。 本発明の空気入りラジアルタイヤを適用リムに組み付け、規定の空気圧を充填し、無負荷状態とした状態で示す、タイヤの半部についての幅方向断面図である。 図2の空気入りラジアルタイヤのトレッド部付近を中心とした要部拡大断面図である。 従来タイヤを適用リムに組み付け、規定の空気圧を充填し、規定の質量に対応する負荷を加えて転動させた場合をタイヤの半部について示す幅方向断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の重荷重用ラジアルタイヤを詳細に説明する。
図2に示すところにおいて、1はトレッド部を、2はトレッド部1のそれぞれの側部に連続して半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部を、そして3は各サイドウォール部2の半径方向内方に連続するビード部をそれぞれ示す。
図示の空気入りラジアルタイヤは、各ビード部3内のビードコア4間にトロイド状に延在する少なくとも一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカス5と、カーカス5のクラウン域の外周側に配設した少なくとも2層のスチールベルト層からなるベルト6と、このベルト6の外周側にトレッドゴム7を具え、さらに、前記トレッド部1の少なくともショルダ域、例えば、トレッド接地端Tからトレッド幅TWの1/4の範囲にトレッド幅方向に延びる幅方向溝10をトレッド周方向に間隔をおいて複数本具える。
ここで、図示の空気入りタイヤでは、適用リムRに組み付けて、規定の内圧を充填した無負荷状態のタイヤの幅方向断面内で、カーカス5の最大幅位置を通るリム径ラインと平行な仮想直線lとタイヤ外表面との交点pと、この交点pよりタイヤ径方向外側に位置するタイヤ最大幅位置9とを結ぶ直線lの、タイヤの赤道面CLに平行な直線lに対する鋭角側の傾斜角度αを、0°<α≦30°とする。
またここでは、前記タイヤ最大幅位置9とトレッド接地端Tとを結ぶ直線lの、タイヤ赤道面CLに平行な直線lに対するタイヤ幅方向内側への鋭角側の傾斜角度βを、0°≦β<30°とし、トレッドセンターからタイヤ最大幅位置9までのタイヤ径方向距離hを、タイヤ断面高さSHに対して0.20SH≦h≦0.40SHとし、そして、トレッドセンターから前記幅方向溝10の溝底11のタイヤ側面との交点Fまでのタイヤ径方向距離h′を前記距離hよりも小さいものとする。
さらに、前記幅方向溝10は、その溝底11に引いた第一の接線tが、同溝底11のトレッド接地面との交点F′とトレッド接地端Tとを結ぶ直線lと平行になる領域Aを有するとともに、この領域Aよりもタイヤ幅方向外側に、同溝底11に引いた第2の接線tが直線lと平行になる領域Bを有する。また、交点Fから直線lに下ろした垂線の長さD′を、前記領域Aから直線lに下ろした垂線の長さDの1.5倍以上とする。
尚、図示例では、空気入りタイヤの上記ラジアルカーカス5は、各ビード部3に埋設された六角形断面のビードコア4間に、本体部分5aをトロイド状に延在させるとともに、側部部分5bを、ビードコア4の周りで、タイヤ幅方向内側から外側に向けて折り返して配設してなるが、側部部分5bは、ビードコア4の周りでタイヤ幅方向外側から内側に向けて折り返すことも可能である。
ここで、カーカスプライは、例えば、タイヤ周方向と直交する方向に延びるスチールコード、有機繊維コード等にて形成することができる。また、カーカスの側部部分5bは、リム径ラインから測って、例えば、タイヤ断面高さSHの0.30〜0.46%の範囲内まで延在させることができる。
前記ベルト6は、図では四層のコード交錯ベルト層により形成されているが、ベルト層の層数は、所要に応じて適宜に増減することができる。また、トレッドゴム7の表面には、図示の幅方向溝10に加え、トレッド周方向等に延びる適宜の溝を形成することができる。
以下に、本発明を特徴付ける構成についてより詳細に述べる。
従来、建設車両用のタイヤが地下鉱山等の岩盤路を走行する場合、図4に例示するように、膨出変形したサイドウォール部22が、路面上の岩石等の突起物によってサイドカットを生じることが多かった。
これに対し、サイドウォールのゲージ厚を厚くして、サイドカットを防ぐ方法があったが、この方法では、タイヤのショルダ部のゴム体積の増加によって走行による発熱量が増加してしまうことが課題であった。
そこで、タイヤのサイドカットを防ぐためには、まず上記傾斜角度αを0°超とする必要がある。
即ち、上記傾斜角度が0°以下では、タイヤが荷重を受けてサイドウォール部2が膨出した際に、バットレス部8によって、サイドウォール部2を、走路上の石等の突起物から保護することができないためである。
一方、上記傾斜角度αを増加させるに伴って、タイヤのショルダ部のゴム体積が多くなり、トレッドゴム7の発熱量が増加してしまう傾向にあるため、上記傾斜角度αは、30°以下である必要がある。上記傾斜角度αが30°以下であれば、トレッドゴム7の発熱量がそれほど多くなることはない。
また、本発明において、上記傾斜角度βが大きすぎる場合、バットレス部8のゲージが薄くなり過ぎてしまい、十分な耐サイドカット性を確保することができず、また、タイヤの接地幅が減少することによって耐摩耗性に影響するおそれがある。そのため、上記傾斜角度βは30°より小さい必要がある。従って、上記傾斜角度は、0°≦β<30°である必要がある。
また、通常、タイヤがサイドカットを受けるのは、タイヤの接地面中央域からタイヤ径方向内側に0.40SH以上離れた領域であるため、上記距離hは、0.40SH以下である必要がある。
一方、hを小さくし過ぎると、ショルダ部のゴム体積が多くなり、トレッドゴム7の発熱量が増加してしまう。従って、上記距離hは、タイヤ断面高さSHに対して0.20SH≦h≦0.40SHである必要がある。
また、本発明のタイヤは、トレッド部1のショルダ域に図示例のように、溝の深さがタイヤ幅方向にかけてステップ状に拡大する段差を有するタイヤ幅方向溝10をトレッド周方向に複数本具え、該幅方向溝10をもって、トレッド部1のトレッドゴム7の熱量の放熱を促進し、温度上昇を抑制することを特徴とする。
その際、トレッドセンターから交点Fまでのタイヤ径方向距離h′は、前記距離hに対して、h′<hの関係を満たす必要があり、好ましくは0.2h≦h′であり、さらに好ましくは、0.5h<h′<0.9hである。
また、その際、前記領域Bから直線lに下ろした垂線の長さdは、0.03D<d<0.4Dとすることが好ましい。
距離h′および長さdが上記範囲となるよう幅方向溝10の形状を設計することにより、トレッドゴム7の発熱抑制効果とタイヤの耐サイドカット性とをよりバランス良く両立させることができる。
尚、幅方向溝10の形状に関して、幅方向溝10の溝底11のトレッド接地面との交点F′からトレッド接地端Tまでのタイヤ幅方向距離GWは、特に限定されるものではなく、1/8TW〜3/8TWの範囲内であることが好ましい。また、前記長さDは、50〜110mmの範囲内であることが好ましい。
また、以上のような構成を有するタイヤにおいて、前記傾斜角度αは、5°≦α≦10°とすることがより好ましい。
前記傾斜角度αを上記範囲内とすれば、バットレスの発熱の抑制とタイヤの耐サイドカット性とのバランスを一層高めることができる。
さらに、このタイヤでは、前記傾斜角度βを、5°≦β≦10°とすることが好ましい。
上述の場合と同様に、前記傾斜角度βを上記範囲とすることにより、バットレスの発熱の抑制とタイヤの耐サイドカット性とをよりバランス良く両立させることができる。
そしてまた、このタイヤでは、前記距離hを、0.28SH≦h≦0.36SHとすることが好ましい。
これによれば、バットレスそれ自体へのカットの発生を有効に抑制するとともに、前記距離を0.28以上とすることによって、トレッドゴム7の発熱量の増加を、より効果的に抑制することができる。
次に、図2および図3に示すような構造を有する、サイズが26.5R25のスムースタイヤを試作し、表1に示すように、それぞれの諸元を変化させた実施例タイヤ、比較例タイヤとのそれぞれにつき、耐サイドカット性およびトレッドゴムの発熱温度を測定した。
(耐サイドカット性)
実施例タイヤ、比較例タイヤのそれぞれを市場へ各50本投入し、一年後の各タイヤをサンプリングし、それぞれのカット故障本数/供試タイヤ本数を調査した。この結果を表1に示す。
(発熱温度)
実施例タイヤ、比較例タイヤのそれぞれを、22.00/3.0のリムに組み付けて、内圧を650kPa、負荷重量18500kgとし、試験速度5km/hにてドラム試験機で、24時間走行させて、図3に示す点P〜P上での各温度を測定して評価した。表1に、比較例タイヤ1の測定温度を0℃とした各タイヤの差分値を示す。
尚、点Pは、タイヤの幅方向断面上において、タイヤ最大幅位置9からラジアルカーカス5の厚み中心線に引いた垂線と、該カーカスの表面との交点から1.5mm離れた該垂線上の点であり、点Pは、タイヤの幅方向断面上において、タイヤ最大幅位置9とトレッド接地端Tとの中点からラジアルカーカス5の厚み中心線に引いた垂線と、該カーカスの表面との交点から1.5mm離れた該垂線上の点であり、点Pは、タイヤの幅方向断面上において、トレッド接地端Tからラジアルカーカス5の厚み中心線に引いた垂線と、該カーカスの表面との交点から1.5mm離れた該垂線上の点である。
Figure 2011111006
表1より、本発明の実施例タイヤは、比較例タイヤに対して、タイヤ各点での温度上昇を効果的に抑制しており、またその一方で、比較例タイヤと同等の耐サイドカット性を示していることがわかる。
上記結果から、本発明の空気入りタイヤは、耐サイドカット性及びトレッドゴムの発熱量を高い次元で実現したものであると言える。
CL 赤道面
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 ラジアルカーカス
5a 本体部分
5b 折返し部分
6 ベルト
7 トレッドゴム
8 バットレス部
9 タイヤ最大幅位置
10 幅方向溝
11 溝底
第1の接線
第2の接線
TW トレッド接地幅
GW 幅方向溝の長さ
SH タイヤ断面高さ
R 適用リム

Claims (7)

  1. トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部と、各ビード部内のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配置したトレッドゴムとを具え、少なくともトレッドショルダ域にトレッド幅方向に延びる幅方向溝をトレッド周方向に間隔をおいて複数本設けてなる空気入りラジアルタイヤにおいて、
    適用リムに組み付けて、規定の内圧を充填した無負荷状態のタイヤの幅方向断面内で、
    カーカスの最大幅位置を通るリム径ラインと平行な仮想直線lとタイヤ外表面との交点pと、その交点pよりタイヤ径方向外側に位置するタイヤ最大幅位置とを結ぶ直線lの、タイヤの赤道面に平行な直線lに対する傾斜角度αが、0°<α≦30°であり、
    前記タイヤ最大幅位置とトレッド接地端Tとを結ぶ直線lの、タイヤ赤道面に平行な直線lに対する傾斜角度βが、0°≦β<30°であり、
    トレッドセンターからタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向距離hがタイヤ断面高さSHに対して0.20SH≦h≦0.40SHであり、
    トレッドセンターから、前記幅方向溝の溝底の、タイヤの側面との交点Fまでのタイヤ径方向距離h′が、前記距離hよりも小さく、
    前記幅方向溝は、その溝底に引いた第1の接線tが、同幅方向溝の溝底のトレッド接地面との交点F′とトレッド接地端Tとを結ぶ直線lと平行になる領域Aを有するとともに、該領域Aよりもタイヤ幅方向外側に、同溝底に引いた第2の接線tが、前記直線lと平行になる領域Bを有し、且つ、
    前記交点Fから前記直線lに下ろした垂線の長さD′が、前記領域Aから前記直線lに下ろした垂線の長さDの1.5倍以上であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記距離h′が、前記距離hの0.2倍以上である、請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記距離h′が、前記距離hに対して、さらに、0.5h<h′<0.9hである、請求項1または2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記領域Bから前記直線lに下ろした垂線の長さdが、前記長さDに対して、0.03D<d<0.4Dである、請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記傾斜角度αが、5°≦α≦10°である、請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記傾斜角度βが、5°≦β≦10°である、請求項1〜5に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  7. 前記距離hが、0.28SH≦h≦0.36SHである、請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011111003A (ja) * 2009-11-25 2011-06-09 Bridgestone Corp 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP2015209130A (ja) * 2014-04-25 2015-11-24 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ

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