JP2014168976A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性を確保しつつ、耐偏摩耗性能を向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】少なくとも4層の傾斜ベルト層からなるベルトを有し、且つ、トレッド部踏面に、タイヤ赤道を挟んで位置する少なくとも1対の周方向溝を配設した空気入りタイヤであって、ベルトのタイヤ径方向最内側に位置する第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向外端は、タイヤ幅方向最外側に位置する最外周方向溝のタイヤ幅方向位置よりもタイヤ幅方向内側に位置し、第1の傾斜ベルト層のコードと、第1の傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接して位置する第2の傾斜ベルト層のコードとが、タイヤ周方向に対して同じ方向に傾斜して配列され、第1の傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が、第2の傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする空気入りタイヤである。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも4層の傾斜ベルト層からなるベルトを有し、且つ、トレッド部踏面に、タイヤ赤道を挟んで位置する少なくとも1対の周方向溝を配設した空気入りタイヤであって、ベルトのタイヤ径方向最内側に位置する第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向外端は、タイヤ幅方向最外側に位置する最外周方向溝のタイヤ幅方向位置よりもタイヤ幅方向内側に位置し、第1の傾斜ベルト層のコードと、第1の傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接して位置する第2の傾斜ベルト層のコードとが、タイヤ周方向に対して同じ方向に傾斜して配列され、第1の傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が、第2の傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする空気入りタイヤである。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤに関し、特に、耐偏摩耗性能を向上した空気入りタイヤに関する。
従来、重荷重車両、特に悪路走行の機会の多い重荷重車両に好適に用いられる重荷重用ラジアルタイヤとして、一対のビード部間にトロイド状に延在するカーカスのクラウン部外周側に複数のベルト層からなるベルトを配設したタイヤが提案されている。
具体的には、悪路走行に適した重荷重用ラジアルタイヤとして、カーカスのクラウン部外周側に4層以上のベルト層からなるベルトを配設し、且つ、タイヤ径方向に隣接するベルト層のコードをタイヤ赤道面に対して互いに異なる方向に傾斜させた(即ち、交錯させた)空気入りタイヤが提案されている。
そして、4層以上のベルト層を有する上記従来の空気入りタイヤでは、タイヤ赤道面に対して同じ方向に傾斜するコードを有するベルト層間で、タイヤ周方向に対するコードの配列角度の差が3度以上10度以下となるようにすることにより、ベルト層間に生じるせん断歪を一定にしてベルト層間のセパレーション発生を抑制すると共に、極端に剛性が低下する方向がベルトに生じるのを避けて耐カット性を向上させている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記従来の空気入りタイヤでは、セパレーションの発生を抑制してベルト耐久性の低下を抑制すると共に、耐カット性を向上させることはできるものの、走行に伴いタイヤに不均一な摩耗(偏摩耗)が発生することがあった。即ち、上記従来の空気入りタイヤには、耐偏摩耗性能を改善する余地があった。
そこで、本発明は、耐久性を確保しつつ、耐偏摩耗性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者は、上記従来の空気入りタイヤでは、タイヤ径方向最内側に位置する最内ベルト層のタイヤ幅方向の寸法が大きいため、タイヤの剛性が異方性を持ち(即ち、トレッド部においてタイヤ径方向に剛性差が生じ)、偏摩耗が発生することを見出して本発明を完成させた。より具体的には、本発明者は、従来の空気入りタイヤでは、タイヤの剛性の異方性に起因して走行中にトレッド部踏面とベルトとの間で変位の差が発生し、ベルト端が斜行するため、所定の横力入力に対する摩耗エネルギー(接地圧と滑り量との積)が大きくなり、偏摩耗が発生することを見出して本発明を完成させた。
なお、「ベルトの斜行」とは、タイヤ踏面内において、タイヤ赤道面に対して傾斜するコードを有するベルト(傾斜ベルト)のコード角度が変化することにより、踏み込みから蹴り出しまでの間にベルトがタイヤ幅方向に変異することを指す。そして、ベルトが斜行するタイヤでは、このベルトのタイヤ幅方向の変異(ベルトの斜行)により、直進時にも路面と踏面との間に滑りが発生するため、摩耗エネルギーが大きくなり、偏摩耗が発生する。
なお、「ベルトの斜行」とは、タイヤ踏面内において、タイヤ赤道面に対して傾斜するコードを有するベルト(傾斜ベルト)のコード角度が変化することにより、踏み込みから蹴り出しまでの間にベルトがタイヤ幅方向に変異することを指す。そして、ベルトが斜行するタイヤでは、このベルトのタイヤ幅方向の変異(ベルトの斜行)により、直進時にも路面と踏面との間に滑りが発生するため、摩耗エネルギーが大きくなり、偏摩耗が発生する。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部に埋設され、タイヤ周方向に対し傾斜して配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも4層の傾斜ベルト層からなるベルトを有し、且つ、トレッド部踏面に、タイヤ赤道を挟んで位置し、タイヤ周方向に延びる少なくとも1対の周方向溝を配設した空気入りタイヤであって、前記ベルトのタイヤ径方向最内側に位置する第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向外端は、タイヤ幅方向最外側に位置する最外周方向溝のタイヤ幅方向位置よりもタイヤ幅方向内側に位置し、前記第1の傾斜ベルト層のコードと、第1の傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接して位置する第2の傾斜ベルト層のコードとが、タイヤ周方向に対して同じ方向に傾斜して配列され、前記第1の傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が、前記第2の傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする。このように、タイヤ径方向最内側に位置する第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向外端の位置を、最外周方向溝のタイヤ幅方向位置よりもタイヤ幅方向内側とすれば、タイヤの剛性の異方性を小さくしてベルト端の斜行を抑制することができるので、偏摩耗の発生を抑制することができる。また、タイヤ周方向に対するコードの傾斜方向を第1の傾斜ベルト層と第2の傾斜ベルト層とで同じ方向とし、且つ、第1の傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度を、第2の傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度よりも大きくすれば、タイヤの耐久性を確保することができる。
なお、本発明において、「最外周方向溝のタイヤ幅方向位置」とは、トレッド部踏面に開口する最外周方向溝のタイヤ幅方向内側の開口縁のタイヤ幅方向位置を指す。また、「コードの傾斜角度」とは、タイヤ周方向とコードの延在方向とがなす角度のうち鋭角側の角度を指す。
なお、本発明において、「最外周方向溝のタイヤ幅方向位置」とは、トレッド部踏面に開口する最外周方向溝のタイヤ幅方向内側の開口縁のタイヤ幅方向位置を指す。また、「コードの傾斜角度」とは、タイヤ周方向とコードの延在方向とがなす角度のうち鋭角側の角度を指す。
ここで、本発明の空気入りタイヤは、前記第2の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の寸法が、他の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の寸法よりも大きいことが好ましい。第2の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の寸法を最も大きくすれば、タイヤの剛性の異方性を更に小さくしてベルト端の斜行を十分に抑制することができるので、偏摩耗の発生を更に抑制することができるからである。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記第2の傾斜ベルト層のコードと、第2の傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接して位置する第3の傾斜ベルト層のコードとが、タイヤ周方向に対して互いに異なる方向に傾斜して配列されていることが好ましい。第2の傾斜ベルト層のコードと、第3の傾斜ベルト層のコードとをタイヤ周方向に対して互いに異なる方向に傾斜させ、第2の傾斜ベルト層と第3の傾斜ベルト層とで交錯ベルトを形成すれば、ベルトの横剛性や面内曲げ剛性を確保し、タイヤの耐久性を十分に確保することができるからである。
更に、本発明の空気入りタイヤは、前記周方向溝を2対以上有し、前記最外周方向溝とトレッド端との間に位置するショルダー陸部のタイヤ幅方向寸法が、トレッド半幅の30〜40%の範囲内であり、前記最外周方向溝と、当該最外周方向溝のタイヤ幅方向内側に隣接して位置する内側周方向溝との間に位置する中央側陸部のタイヤ幅方向寸法が、トレッド半幅の25〜35%の範囲内にあることが好ましい。ショルダー陸部および中央側陸部のタイヤ幅方向寸法を上記範囲内とすることで、ショルダー部と中央部との剛性の差を小さくし、トレッド部踏面の接地圧分布を小さくして、偏摩耗の発生を抑制することができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向外端は、前記内側周方向溝のタイヤ幅方向位置よりもタイヤ幅方向外側に位置することが好ましい。第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向外端の位置を、内側周方向溝のタイヤ幅方向位置よりもタイヤ幅方向外側とすれば、耐久性を十分に確保することができるからである。
なお、本発明において、「内側周方向溝のタイヤ幅方向位置」とは、トレッド部踏面に開口する内側周方向溝のタイヤ幅方向外側の開口縁のタイヤ幅方向位置を指す。
なお、本発明において、「内側周方向溝のタイヤ幅方向位置」とは、トレッド部踏面に開口する内側周方向溝のタイヤ幅方向外側の開口縁のタイヤ幅方向位置を指す。
そして、本発明の空気入りタイヤは、前記第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の寸法が、前記ベルトのタイヤ幅方向の寸法の0.30〜0.70倍であることが好ましい。第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の寸法を、ベルトのタイヤ幅方向の寸法の0.30倍以上とすれば、耐久性を十分に確保することができ、0.70倍以下とすれば、タイヤの剛性の異方性を十分に小さくして偏摩耗の発生を十分に抑制することができるからである。
なお、本発明において、「ベルトのタイヤ幅方向の寸法」とは、ベルトを構成する傾斜ベルト層のうち、タイヤ幅方向の寸法が最も大きい傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の寸法を指す。
なお、本発明において、「ベルトのタイヤ幅方向の寸法」とは、ベルトを構成する傾斜ベルト層のうち、タイヤ幅方向の寸法が最も大きい傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の寸法を指す。
本発明の空気入りタイヤによれば、耐久性を確保しつつ、耐偏摩耗性能を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に従う空気入りタイヤの一例について、適用リムRに装着して所定内圧を適用した無負荷状態のタイヤ幅方向断面をタイヤ半部について示す図である。なお、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.) YEAR BOOK等に規定されたリムを指す。また、「タイヤを適用リムに装着し、所定内圧を適用した無負荷状態」とは、タイヤを適用リムに装着し、適用サイズのタイヤにおけるJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力に対応する内圧(最高空気圧)とした無負荷(荷重を加えない)状態を指す。
ここで、図1に示す空気入りタイヤ10は、重荷重車両用に適した空気入りタイヤである。そして、この空気入りタイヤ10は、トレッド部1と、トレッド部1の側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイドウォール部2(片側のみ図示)と、各サイドウォール部2のタイヤ径方向内方に連なるビード部3(片側のみ図示)とを備えている。
また、空気入りタイヤ10は、一対のビード部3間に延在する1プライからなるラジアルカーカス5を備えている。ここで、ラジアルカーカス5は、トレッド部1から一対のサイドウォール部2を介して一対のビード部3にわたってトロイド状に延び、ビード部3内に埋設された断面略六角形のビードコア4の周りに折り返されてなる。なお、図1ではカーカスプライのプライ数を1プライとした場合を示しているが、本発明の空気入りタイヤでは、プライ数は必要に応じて2プライ以上とすることができる。また、本発明の空気入りタイヤでは、カーカスはバイアスカーカスであっても良い。
更に、トレッド部1のラジアルカーカス5のタイヤ径方向外側(クラウン部外周側)には、タイヤ周方向に対して傾斜して配列されたコードをゴム被覆してなる傾斜ベルト層を少なくとも4層(図1では4層)配設してなるベルト6が埋設されている。具体的には、トレッド部1のラジアルカーカス5のクラウン部外周側には、第1の傾斜ベルト層(最内傾斜ベルト層)61と、第2の傾斜ベルト層62と、第3の傾斜ベルト層63と、第4の傾斜ベルト層(最外傾斜ベルト層)64とをタイヤ径方向内側から外側に向かって順次配設してなるベルト6が埋設されている。なお、図1では、ベルト6が、合計4層の傾斜ベルト層61,62,63,64からなる場合を示しているが、本発明の空気入りタイヤでは、傾斜ベルト層の数は4層以上であれば任意の層数とすることができる。また、傾斜ベルト層のコードとしてはスチールコードや有機繊維製コード等の既知のコードを用いることができる。
また、ベルト6のタイヤ径方向外側には、トレッドゴムが配設されており、該トレッドゴムの表面(即ち、トレッド部踏面)には、タイヤ周方向に延びる複数本の周方向溝81,82が形成されている。具体的には、トレッド部踏面には、少なくとも1対(図1では2対、片側のみ図示)の周方向溝81,82がタイヤ赤道を挟んで配設されている。そして、トレッド端と周方向溝81との間、および、周方向溝81,82間には、合計5列の陸部(ショルダー陸部91、中央側陸部92およびセンター陸部93、図1では片側の3列のみ図示)が形成されている。なお、図1では、周方向溝が合計2対(即ち、4本)配設されている場合を示しているが、本発明の空気入りタイヤでは、周方向溝の本数は1対(即ち、2本)以上であれば任意の本数とすることができる。
更に、ビード部3のビードコア4のタイヤ径方向外側には、ラジアルカーカス5に沿ってタイヤ径方向外方に向けて厚みが漸減する断面略三角形のビードフィラー7が配設されている。
そして、この一例の空気入りタイヤ10では、図1に示すように、ベルト6のタイヤ径方向最内側に位置する第1の傾斜ベルト層61(最内傾斜ベルト層)のタイヤ幅方向外端が、タイヤ幅方向最外側に位置する最外周方向溝81のタイヤ幅方向内側の開口縁81aのタイヤ幅方向の位置よりもタイヤ幅方向内側に位置している。即ち、タイヤ赤道面Cから第1の傾斜ベルト層61のタイヤ幅方向外端までのタイヤ幅方向の距離W1は、タイヤ赤道面Cから最外周方向溝81のタイヤ幅方向内側の開口縁81aまでのタイヤ幅方向の距離よりも短い。
従って、空気入りタイヤ10では、第1の傾斜ベルト層61のタイヤ幅方向寸法が短いので、第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向寸法が長い場合と比較してタイヤの剛性の異方性が小さくなる。そして、タイヤの剛性の異方性が小さくなる結果、走行中のトレッド部踏面とベルトとの間の変位の差が小さくなり、ベルト端の斜行を抑制することができるので、偏摩耗の発生を抑制することができる。
また、空気入りタイヤ10では、第1の傾斜ベルト層61のタイヤ幅方向外端が、最外周方向溝81のタイヤ幅方向内側に隣接して位置する内側周方向溝82のタイヤ幅方向外側の開口縁82aのタイヤ幅方向の位置よりもタイヤ幅方向外側に位置している。即ち、タイヤ赤道面Cから第1の傾斜ベルト層61のタイヤ幅方向外端までのタイヤ幅方向の距離W1は、タイヤ赤道面Cから内側周方向溝82のタイヤ幅方向外側の開口縁82aまでのタイヤ幅方向の距離よりも長い。従って、空気入りタイヤ10では、第1の傾斜ベルト層61のタイヤ幅方向の寸法が短くなり過ぎることが無く、タイヤの耐久性を十分に確保することができる。
ここで、タイヤの剛性の異方性を十分に小さくして偏摩耗の発生を十分に抑制する観点からは、第1の傾斜ベルト層61のタイヤ幅方向の寸法(W1×2)は、ベルト6のタイヤ幅方向の寸法(図1では、ベルト6中で最も広幅の第2の傾斜ベルト層62のタイヤ幅方向の寸法:W2×2)の0.70倍以下であることが好ましい。また、第1の傾斜ベルト層61のタイヤ幅方向の寸法を確保してタイヤの耐久性を十分に確保する観点からは、第1の傾斜ベルト層61のタイヤ幅方向の寸法(W1×2)は、ベルト6のタイヤ幅方向の寸法の0.30倍以上であることが好ましい。
また、空気入りタイヤ10では、図1に示すように、第1の傾斜ベルト層61のタイヤ径方向外側に隣接して位置する第2の傾斜ベルト層62が、ベルト6を構成する傾斜ベルト層61,62,63,64中で最も広幅である。即ち、第2の傾斜ベルト層62のタイヤ幅方向の寸法が、他の傾斜ベルト層61,63,64のタイヤ幅方向の寸法よりも大きい。そして、第2の傾斜ベルト層62のタイヤ幅方向外端は、最外周方向溝81のタイヤ幅方向外側の開口縁のタイヤ幅方向の位置よりもタイヤ幅方向外側に位置しており、タイヤ赤道面Cから第2の傾斜ベルト層62のタイヤ幅方向外端までのタイヤ幅方向の距離W2は、タイヤ赤道面Cから最外周方向溝81のタイヤ幅方向外側の開口縁までのタイヤ幅方向の距離よりも長い。
従って、空気入りタイヤ10では、ベルト6を構成する傾斜ベルト層61,62,63,64中で第2の傾斜ベルト層62が最も広幅なので、タイヤの剛性の異方性を更に小さくしてベルト端の斜行を十分に抑制することができるので、偏摩耗の発生を更に抑制することができる。
ここで、第2の傾斜ベルト層62のタイヤ幅方向外端の位置は、第2の傾斜ベルト層62のタイヤ幅方向外端からショルダー部の表面に下ろした垂線の長さPが5〜10mmとなる位置であることが好ましい。Pが5mm以上となる位置にすれば、亀裂が発生および伸展しても、第2の傾斜ベルト層62がタイヤ外表面に露出し難いからである。また、Pが10mm以下となる位置にすれば、発熱によるタイヤの耐久性低下を抑制することができるからである。
更に、空気入りタイヤ10では、第2の傾斜ベルト層62のタイヤ径方向外側に隣接して位置する第3の傾斜ベルト層63のタイヤ幅方向外端は、最外周方向溝81のタイヤ幅方向外側の開口縁のタイヤ幅方向の位置よりもタイヤ幅方向外側に位置している。また、タイヤ赤道面Cから第3の傾斜ベルト層63のタイヤ幅方向外端までのタイヤ幅方向の距離W3は、距離W1よりも長く、距離W2よりも短い。
また、空気入りタイヤ10では、第3の傾斜ベルト層63のタイヤ径方向外側に隣接して位置する第4の傾斜ベルト層64(最外傾斜ベルト層)のタイヤ幅方向外端は、最外周方向溝81のタイヤ幅方向内側の開口縁81aのタイヤ幅方向の位置よりもタイヤ幅方向内側、且つ、内側周方向溝82のタイヤ幅方向外側の開口縁82aのタイヤ幅方向の位置よりもタイヤ幅方向外側に位置している。また、タイヤ赤道面Cから第4の傾斜ベルト層64のタイヤ幅方向外端までのタイヤ幅方向の距離W4は、距離W1よりも短い。
更に、空気入りタイヤ10では、最外周方向溝81とトレッド端との間に位置するショルダー陸部91のタイヤ幅方向寸法が、トレッド半幅TWhの30〜40%の範囲内にあることが好ましい。また、空気入りタイヤ10では、最外周方向溝81と内側周方向溝82との間に位置する中央側陸部92のタイヤ幅方向寸法が、トレッド半幅TWhの25〜35%の範囲内に位置することが好ましい。ショルダー陸部91および中央側陸部92のタイヤ幅方向寸法を上記範囲内とすることで、ショルダー部と中央部との剛性の差を小さくし、トレッド部踏面の接地圧分布を小さくして、偏摩耗の発生を抑制することができる。なお、トレッド半幅TWhは、適用リムRに装着し、所定内圧を適用したタイヤの無負荷状態におけるトレッド模様部分のタイヤ幅方向の長さであるトレッド幅の半分の長さである。
また、空気入りタイヤ10では、図2に、トレッド部1の一部を破断除去してトレッド部1の内部構造を示すように、各傾斜ベルト層61,62,63,64に埋設されたコード61A,62A,63A,64Aは、タイヤ周方向に対して所定角度で傾斜して配列されている。
具体的には、第1の傾斜ベルト層61のコード61Aおよび第2の傾斜ベルト層62のコード62Aは、ベルト6をトレッド部踏面側から透視した際にタイヤ周方向に対して右方向に傾斜している。即ち、コード61Aおよびコード62Aは、図2では右上がりとなるように延在している。また、第3の傾斜ベルト層63のコード63Aおよび第4の傾斜ベルト層64のコード64Aは、ベルト6をトレッド部踏面側から透視した際にタイヤ周方向に対して左方向に傾斜している。即ち、コード63Aおよびコード64Aは、図2では左上がりとなるように延在している。
従って、空気入りタイヤ10では、第2の傾斜ベルト層62のコード62Aと、第3の傾斜ベルト層63のコード63Aとがタイヤ周方向に対して互いに異なる方向に傾斜しており、第2の傾斜ベルト層62と第3の傾斜ベルト層63とで交錯ベルトを形成しているので、ベルト6の横剛性や面内曲げ剛性を確保し、タイヤの耐久性を十分に確保することができる。
更に、空気入りタイヤ10では、第1の傾斜ベルト層61のコード61Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1が、第2の傾斜ベルト層62のコード62Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2よりも大きい。
従って、空気入りタイヤ10では、タイヤ周方向に対するコードの傾斜方向が、第1の傾斜ベルト層61と第2の傾斜ベルト層62とで同じ方向(右方向)であり、且つ、第1の傾斜ベルト層61のコード61Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1が、第2の傾斜ベルト層62のコード62Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2よりも大きいので、タイヤの耐久性を確保することができる。
なお、空気入りタイヤ10では、コード61Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1は、45〜55°の範囲であることが好ましく、コード62Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2は、25〜35°の範囲であることが好ましい。更に、第3の傾斜ベルト層63のコード63Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ3は、25〜35°の範囲であることが好ましく、第4の傾斜ベルト層64のコード64Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ4は、25〜35°の範囲であることが好ましい。
そして、この空気入りタイヤ10では、上述した通り、タイヤの耐久性を確保しつつ、タイヤの剛性の異方性を小さくしてベルト端の斜行を抑制することができる。即ち、タイヤの耐久性を確保しつつ偏摩耗の発生を抑制することができる。なお、空気入りタイヤ10では、従来の空気入りタイヤよりも第1の傾斜ベルト層61のタイヤ幅方向の寸法を短くしているが、空気入りタイヤ10には傾斜ベルト層が合計4層配設されており、また、第1の傾斜ベルト層の幅を短くした部分(即ち、タイヤ幅方向両外側部分)のトレッドゴムゲージは十分に厚いので、空気入りタイヤ10ではトレッド部1の耐酸素劣化性を確保することもできる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の空気入りタイヤは上述した一例に限定されることは無く、本発明の空気入りタイヤには適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示す諸元で、図1に示すような構成を有する、サイズが295/75R22.5の空気入りタイヤを試作し、下記の方法で性能評価を行った。結果を表1および図3に示す。
表1に示す諸元で、図1に示すような構成を有する、サイズが295/75R22.5の空気入りタイヤを試作し、下記の方法で性能評価を行った。結果を表1および図3に示す。
(従来例1)
諸元を表1に示すように変更し、第1傾斜ベルト層を最外周方向溝よりもタイヤ幅方向外側まで延在させた以外は、実施例1と同様にして空気入りタイヤを作製し、実施例1と同様の方法で性能評価を行った。結果を表1および図3に示す。
諸元を表1に示すように変更し、第1傾斜ベルト層を最外周方向溝よりもタイヤ幅方向外側まで延在させた以外は、実施例1と同様にして空気入りタイヤを作製し、実施例1と同様の方法で性能評価を行った。結果を表1および図3に示す。
<耐偏摩耗性能>
作製したタイヤを、サイズ8.25×22.5のリムに装着し、空気圧677kPa、荷重2750kgの条件でドラム走行試験を行い、所定の走行距離ごとにトレッド部の摩耗量を測定した。そして、各走行距離について、最外周方向溝のタイヤ幅方向外側部分の摩耗量と、トレッド端部の摩耗量との差を算出し、走行距離と摩耗量の差との関係をプロットして図3に示すグラフを作成した。摩耗量の差が小さいほど、耐偏摩耗性能が優れていることを示す。
<耐久性>
作製したタイヤを、サイズ8.25×22.5のリムに装着し、空気圧677kPa、荷重2750kgの条件でドラム走行試験を行い、故障が発生するまでの走行距離を測定し、耐久性を評価した。具体的には、従来例1のタイヤの走行距離を100として指数評価した。表中、指数が大きいほど耐久性が高いことを示す。
作製したタイヤを、サイズ8.25×22.5のリムに装着し、空気圧677kPa、荷重2750kgの条件でドラム走行試験を行い、所定の走行距離ごとにトレッド部の摩耗量を測定した。そして、各走行距離について、最外周方向溝のタイヤ幅方向外側部分の摩耗量と、トレッド端部の摩耗量との差を算出し、走行距離と摩耗量の差との関係をプロットして図3に示すグラフを作成した。摩耗量の差が小さいほど、耐偏摩耗性能が優れていることを示す。
<耐久性>
作製したタイヤを、サイズ8.25×22.5のリムに装着し、空気圧677kPa、荷重2750kgの条件でドラム走行試験を行い、故障が発生するまでの走行距離を測定し、耐久性を評価した。具体的には、従来例1のタイヤの走行距離を100として指数評価した。表中、指数が大きいほど耐久性が高いことを示す。
図3より、実施例1の空気入りタイヤは、従来例1の空気入りタイヤよりも耐偏摩耗性能が大幅に向上していることが分かる。具体的には、従来例1の空気入りタイヤでは走行距離4.5万kmで摩耗量の差が3.0mmに達してしまうのに対し、実施例1の空気入りタイヤでは、走行距離が6.0万kmを超えても摩耗量の差が0.5mmであるので、実施例1のタイヤは耐偏摩耗性能に優れていることが分かる。また、表1より、実施例1の空気入りタイヤは、従来例1の空気入りタイヤと同程度の耐久性を有していることも分かる。
本発明によれば、耐久性を確保しつつ、耐偏摩耗性能を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 ラジアルカーカス
6 ベルト
7 ビードフィラー
10 空気入りタイヤ
61 第1の傾斜ベルト層
62 第2の傾斜ベルト層
63 第3の傾斜ベルト層
64 第4の傾斜ベルト層
61A,62A,63A,64A コード
81 最外周方向溝
81a 開口縁
82 内側周方向溝
82a 開口縁
91 ショルダー陸部
92 中央側陸部
93 センター陸部
R 適用リム
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 ラジアルカーカス
6 ベルト
7 ビードフィラー
10 空気入りタイヤ
61 第1の傾斜ベルト層
62 第2の傾斜ベルト層
63 第3の傾斜ベルト層
64 第4の傾斜ベルト層
61A,62A,63A,64A コード
81 最外周方向溝
81a 開口縁
82 内側周方向溝
82a 開口縁
91 ショルダー陸部
92 中央側陸部
93 センター陸部
R 適用リム
Claims (6)
- トレッド部に埋設され、タイヤ周方向に対し傾斜して配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも4層の傾斜ベルト層からなるベルトを有し、且つ、トレッド部踏面に、タイヤ赤道を挟んで位置し、タイヤ周方向に延びる少なくとも1対の周方向溝を配設した空気入りタイヤであって、
前記ベルトのタイヤ径方向最内側に位置する第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向外端は、タイヤ幅方向最外側に位置する最外周方向溝のタイヤ幅方向位置よりもタイヤ幅方向内側に位置し、
前記第1の傾斜ベルト層のコードと、第1の傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接して位置する第2の傾斜ベルト層のコードとが、タイヤ周方向に対して同じ方向に傾斜して配列され、
前記第1の傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が、前記第2の傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度よりも大きい、
ことを特徴とする、空気入りタイヤ。 - 前記第2の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の寸法が、他の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の寸法よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第2の傾斜ベルト層のコードと、第2の傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接して位置する第3の傾斜ベルト層のコードとが、タイヤ周方向に対して互いに異なる方向に傾斜して配列されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記周方向溝を2対以上有し、
前記最外周方向溝とトレッド端との間に位置するショルダー陸部のタイヤ幅方向寸法が、トレッド半幅の30〜40%の範囲内であり、
前記最外周方向溝と、当該最外周方向溝のタイヤ幅方向内側に隣接して位置する内側周方向溝との間に位置する中央側陸部のタイヤ幅方向寸法が、トレッド半幅の25〜35%の範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。 - 前記第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向外端は、前記内側周方向溝のタイヤ幅方向位置よりもタイヤ幅方向外側に位置することを特徴とする、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第1の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の寸法が、前記ベルトのタイヤ幅方向の寸法の0.30〜0.70倍であることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
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CN106394130A (zh) * | 2015-07-29 | 2017-02-15 | 东洋橡胶工业株式会社 | 充气轮胎 |
JP2021041763A (ja) * | 2019-09-09 | 2021-03-18 | Toyo Tire株式会社 | 空気入りタイヤ |
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2013
- 2013-03-01 JP JP2013040558A patent/JP2014168976A/ja active Pending
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CN106394130A (zh) * | 2015-07-29 | 2017-02-15 | 东洋橡胶工业株式会社 | 充气轮胎 |
JP2021041763A (ja) * | 2019-09-09 | 2021-03-18 | Toyo Tire株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP7283014B2 (ja) | 2019-09-09 | 2023-05-30 | Toyo Tire株式会社 | 空気入りタイヤ |
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