JP2007191043A - 建設車両用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性を維持し、耐摩耗性を維持し、タイヤ負荷時におけるベルト上の温度やトレッド部、特にセンター部の発熱を効果的に抑制・放熱することによってヒートセパレーションを防止した建設車両用タイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部にその両側端部からタイヤ赤道面に向かって延びる多数本のラグ溝を配設した建設車両用タイヤにおいて、前記ベルト層外径方向外側にベルト層に隣接させ、少なくとも両端部がトレッドサイド部に露出するようにトレッドゴムよりも熱拡散係数αが大きいゴム層23を配置し、かつトレッドサイド部22の径方向外側端から径方向内側に向けて前記ラグ溝の最大深さの100%〜200%の距離d内に、幅Wが2mm≦W≦トレッド幅/100mm、高さhが2mm≦h≦トレッド幅/100mmの突起を配置した建設用タイヤ。
【選択図】図2

Description

本発明は、建設車両用タイヤに関し、さらに詳しくは、耐摩耗性を維持し、タイヤ負荷時におけるベルト上の温度やトレッド部、特にセンター部の発熱を効果的に抑制・放熱することによってヒートセパレーションを防止した建設車両用タイヤに関する。
従来より、建設車両用タイヤはトレッドショルダー部に多数のラグ溝を所定の間隔に配置したいわゆるラグパターンを有し、その耐摩耗性を向上させるためには、耐摩耗性のよいトレッドゴムを使用し、トレッドボリュームの増加によりトレッドゲージを増加(深溝化)させ、ネガティブ率の減少、陸部剛性を高める手段を用いるのが一般的である。
しかし、上記手段を用いて耐摩耗性を向上させた場合には、とりわけタイヤ負荷転動時におけるとレッド部の発熱が高くなる可能性があり、この発熱性の悪化は、トレッド部のヒートセパレーション等の故障を引き起こす原因となることがあった。
したがって耐摩耗性を維持しながら低発熱性の優れたトレッドゴム・ベースゴムが必要とされるが、発熱と耐摩耗性は背反しており、高度にユーザーに応えるにはおのずから限界がある。
特に、ラグ溝の終端位置をそれぞれ実質上タイヤ周方向に結ぶことによって形成される2本タイヤ円周間の陸部は、放熱面積が少ないため発熱温度が高くなる傾向にある。
さらに、近年特に建設車両の大型化に伴うタイヤサイズの大型化、扁平化及び重荷重化が進んできたことにより、トレッド部の発熱の悪化はますます顕著になる傾向にあり、トレッドセンター部の発熱は依然として問題である。
一方、ゴム組成物の従来からの耐摩耗性を向上させる手段としては、カーボンブラックの充填量の増加等が知られている。また、ゴムの低発熱化、例えばタイヤ等の低転がり抵抗を図る場合、カーボンブラックの充填量減量、あるいは大粒径のカーボンブラックの使用が考えられるが、いずれの場合も、補強性、耐摩耗性等が低下するのを免れないことが知られている。
さらに、ゴム組成物の低発熱性と耐摩耗性とを両立させる充填剤として、含水ケイ酸(湿式シリカ)が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。このような低発熱性を追求しても、耐摩耗性を十分に維持させながらゴムの発熱、即ちタイヤの発熱を下げることには限界があり、達成することが容易にできない。
そこで、耐摩耗性を向上させて、更にゴム温度の低減を図る方法として別な方法が考えられている。それは、ゴム温度がその入力による発熱と放熱とのバランスによって決定付けられることから、ゴムの熱伝導性を向上させることにより、ゴム温度を速やかに低減させることである。このような観点から、ゴム温度の低減にゴムの熱伝導性を向上させる手段が考えられており、例えば、ラバー ケミカル テクノロジ(Rubber Chemical Technology 2001年、74巻 236−248頁)に記載されるように、金属粉をゴム成分に配合して混練することが試みられている。このような熱伝導性の向上は、タイヤの大型化に伴う長時間加硫を回避することができ、その加硫工程の改善を図ることができる。
ゴムの熱伝導性を向上させるには金属粉の充填は効を奏するものの、金属粉は非補強性であるがゆえに、TEAR性、耐摩耗性の大幅な低下が見られ、タイヤ等の用途には不向きと言わざるを得ない。
上記金属粉のようにゴム組成物の熱伝導性を高める材料として、特定の構造をした炭素繊維を配合することが試みられている(例えば、特許文献4および5参照)。
炭素繊維の場合は、上記目標をある程度達成することはできるが、近年の建設車両用タイヤの問題点を解決するためには炭素繊維の配合のみでは未だ充分とはいえない。
特開平6−248116号公報 特開特開平8−245838号公報、 特開平8−337687号公報 特開2004−203350 特開2004−143187
本発明は、このような状況下で、耐摩耗性を維持し、タイヤ負荷時におけるベルト上の温度やトレッド部、特にセンター部の発熱を効果的に抑制・放熱することによってヒートセパレーションを防止した建設車両用タイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ベルト層外径方向外側に該ベルト層に隣接させ、少なくとも両端部がトレッドサイド部に露出するようにトレッドゴムよりも熱拡散係数αが大きいゴム層を配置し、かつサイドトレッド部の特定の位置に適切な形状の凹凸を設けることにより、その目的を達し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) 一対のビードコア間をトロイド状に延びる少なくとも1枚のカーカス層と、前記カーカス層のクラウン部径方向外側に複数枚のベルト層と、前記ベルト層の径方向外側にトレッド部を備え、前記トレッド部にその両側端部からタイヤ赤道面に向かって延びる多数本のラグ溝を配設した建設車両用タイヤにおいて、前記ベルト層外径方向外側にベルト層に隣接させ、少なくとも両端部がトレッドサイド部に露出するようにトレッドゴムよりも熱拡散係数αが大きいゴム層(A)を配置し、かつトレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて前記ラグ溝の最大深さの100%〜200%の距離d内に、幅Wが2mm≦W≦トレッド幅/100mm、高さhが2mm≦h≦トレッド幅/100mmの突起(B)を配置したことを特徴とする建設用タイヤ、
(2) 前記トレッド部が径方向外側のキャップゴム層と径方向内側のベースゴム層とから構成され、前記ゴム層(A)の熱拡散係数αが前記ベースゴム層の熱拡散係数αより1.3倍以上大きい上記(1)の建設車両用タイヤ、
(3) ゴム層(A)が、前記トレッドサイド部を覆っている上記(2)の建設車両用タイヤ、
(4) 前記トレッド部が径方向外側のキャップゴム層と径方向内側のベースゴム層とから構成され、前記ゴム層(A)がベースゴム層からなり、該ベースゴム層の熱拡散係数αがキャップゴム層の熱拡散係数αより1.3倍以上大きく、かつ該ゴム層(A)が、前記トレッドサイド部を覆っている上記(1)の建設車両用タイヤ、
(5) (A)層が、炭素繊維を含有するゴム組成物から構成されている上記(1)〜(4)の建設車両用タイヤ、
(6) 炭素繊維が、気相成長炭素繊維である上記(5)の建設車両用タイヤ、
(7) 炭素繊維の含有量が、ゴム成分100質量部当り、2〜50質量部である上記(4)又は(5)の建設車両用タイヤ、
(8) 炭素繊維が、平均径0.5〜500nm、かつ平均長0.5〜50μmである上記(5)〜(7)の建設車両用タイヤ、
(9) 炭素繊維のアスペクト比が、10以上である上記(5)〜(8)の建設車両用タイヤ、
(10) 炭素繊維以外の補強性充填剤が、カーボンブラック及び無機充填剤から選ばれた少なくとも1種である上記(1)〜(9)の建設車両用タイヤ、及び
(11) 無機充填剤がシリカである上記(10)に記載の建設車両用タイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、耐摩耗性を維持し、タイヤ負荷時におけるベルト上の温度やトレッド部、特にセンター部の発熱を効果的に抑制・放熱することによってヒートセパレーションを防止した建設車両用タイヤを提供することができる。
先ず、本発明の建設車両用タイヤは、一対のビードコア間をトロイド状に延びる少なくとも1枚のカーカス層と、前記カーカス層のクラウン部径方向外側に複数枚のベルト層と、前記ベルト層の径方向外側にトレッド部を備え、前記トレッド部にその両側端部からタイヤ赤道面に向かって延びる多数本のラグ溝を配設した建設車両用タイヤにおいて、前記ベルト層外径方向外側にベルト層に隣接させ、少なくとも両端部がトレッドサイド部に露出するようにトレッドゴムよりも熱拡散係数αが大きいゴム層(A)を配置し、かつトレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて前記ラグ溝の最大深さの100%〜200%の距離d内に、幅Wが2mm≦W≦トレッド幅/100mm、高さhが2mm≦h≦トレッド幅/100mmの突起(B)を配置することが必要である。
通常、複数本のラグ溝を所定の間隔をおいて配設した、所謂ラグパターンを有する建設車両用に使用されるタイヤは転動時、トレッドセンター部のベルト最外層付近の発熱温度が最も高くなる傾向にある。従って、本発明の建設車両用タイヤは、ベルト層外径方向外側にベルト層に隣接させ、少なくとも両端部がトレッドサイド部に露出するようにトレッドゴムよりも熱拡散係数αが大きいゴム層(A)を配置することによって、その熱を効率よくトレッドサイド部へ伝導させ、従来のタイヤ対比トレッドサイド部の温度を高くすることが可能となる。これだけでもトレッドサイド部からの放熱が増加しタイヤトレッドセンター部の温度は低下するが、さらにトレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて前記ラグ溝の最大深さの100%〜200%の距離d内に、幅Wが2mm≦W≦トレッド幅/100mm、高さhが2mm≦h≦トレッド幅/100mmの突起(B)を配置することによって表面積が増加し放熱量が増えタイヤトレッドセンター部の温度の低下する度合いがさらに増えることになる。
本発明に係るゴム層(A)はトレッドゴムよりも熱拡散係数αが大きいことが必要であり、炭素繊維を含有するゴム組成物から構成されていることが好ましい。
ここで、熱拡散係数αとは、下記式(I)
α=λ/(Cp×ρ)・・・・・・・(I)
(式中、λは熱伝導率、Cpは比熱、ρは密度を示す。)で計算される。
また、ゴム層(A)の熱拡散係数αはトレッドゴムの熱拡散係数αの1.3倍以上であることが好ましい。熱拡散係数αの上限についてはゴム層(A)として適用される部材の機械的特性及びコスト面での制約を満足する炭素繊維の配合量の範囲内であれば、特に制限されないが、通常、1.7倍程度である。
また、本発明に係るゴム層(A)としては専用のゴム層(A)を設けてもよいが、通常、建設車両用タイヤに用いられているゴム部材に炭素繊維を配合し、隣接部材より熱拡散係数αを大きくすることでゴム層(A)として使用することができる。好ましい部材としては、ベルト層に隣接しているトレッドアンダークッションゴム層やベースゴム層などを適用することができる。
トレッドアンダークッションゴム層をゴム層(A)として適用した場合、ゴム層(A)の熱拡散係数αはベースゴム層の熱拡散係数より1.3倍以上高いことが好ましく、該ゴム層(A)が、トレッドサイド部を覆っていることがさらに好ましい。
トレッドアンダークッションゴム層をゴム層(A)として適用した場合ゴム層(A)の厚さは特に制限はなく、タイヤサイズなどによって適宜決定されるが、通常、2〜5mmの範囲である。
また、ベースゴム層をゴム層(A)として適用した場合、ゴム層(A)の熱拡散係数αはキャップゴム層の熱拡散係数αより1.3倍以上高いことが好ましく、該ゴム層(A)が、トレッドサイド部を覆っていることがさらに好ましい。
また、前記トレッドサイド部を覆っているゴム層(A)はサイドゴムとしての特性が必要なため、炭素繊維を配合した同程度の熱拡散係数αを有するサイドカバーゴムであってもよい。
さらに、両者とも、ゴム層(A)とサイドカバーゴムとはお互いに連結していることが好ましい。
本発明においては、さらに、放熱量を効率的に増やすために、トレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて前記ラグ溝の最大深さの100%〜200%の距離d内に、幅Wが2mm≦W≦トレッド幅/100mm、高さhが2mm≦h≦トレッド幅/100mmの突起(B)を配置することが必要である。
ここで放熱量Qは下記式(II)
Q=q×S・・・・・(II)
(式中、Qは放熱量、qは熱流速、Sは放熱面積を示す。)及び下記式(III)
q=λ×ΔT・・・・(III)
(式中、qは熱流速、λは熱伝導率、ΔTは外気と放熱面との温度差を示す.)より計算される。
突起(B)は、突起頂上に向けて実質先端先細り状の三角形状をし、さらに突起の幅(W)及び高さ(h)を上記範囲にすることによって体積増加を最小に抑え表面積(放熱面積)を効果的に増加することができ、それにともなってタイヤからの放熱量は増加する。
また、上記熱拡散係数αが大きい前記ゴム層(A)によって、熱を効率よくトレッドサイド部へ伝導させ、従来のタイヤ対比トレッドサイド部の発熱温度が上昇する上記距離dの範囲内に突起(B)を配置して、放熱面積Sを増大させるとともに、外気と放熱面との温度差ΔTを拡大することによって熱流速qを大きくし両者の相乗的な効果によって効率的に放熱し、かつ転動時の表面歪の大きなサイド付近でのクラックを抑制することができる。
本発明の建設車両用タイヤは、上述のように発熱の大きいベルト最外層付近の温度上昇を効果的に抑制し、耐摩耗性を低下させることなく、ヒートセパレーション故障の防止を図ることができる。
本発明において、高い熱拡散係数αを得るためにゴム層(A)は、炭素繊維を含有するゴム組成物から構成されていることが好ましい。炭素繊維の含有量は、ゴム成分100質量部当たり、2〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは、5〜30質量部である。
前記炭素繊維が上記範囲ゴム組成物に配合されていると、そのゴム組成物は熱伝導性が十分に高められ、また耐摩耗性が向上する。
ゴム層(A)の熱拡散係数αは隣接するトレッドゴム(キャップゴム)やベースゴム対比1.3倍以上であることが好ましい。ゴム層(A)の熱拡散係数αの値は炭素繊維の含有量を変えることによって容易に変えることができる。
前記炭素繊維はファイバー状或いはチューブ状(中空状)であっても良く、またその炭素繊維平均径は、0.5nm〜500nmであることが好ましく、さらに好ましくは、1nm〜400nmであることが望ましい。
前記炭素繊維の平均径が0.5nm以下であれば、炭素繊維を前記ゴム成分と共に混練することにより、その加硫ゴムの耐摩耗性を向上させると共に、金属粉とほぼ同等、或いはそれ以上の熱伝導性を保持してゴム温度を速やかに下げる。
また、前記炭素繊維の平均径が、0.5nm〜500nmの場合、特に1nm〜400nmの範囲に収まる場合には、混練りの際にゴム成分中への分散も適度に達成でき、加硫ゴムの熱伝導性を十分高めると共に、耐摩耗性が低下することもない。
従って、本発明にあっては、ナノファイバー或いはナノチューブからなる炭素繊維であることが望ましい。
さらに、前記炭素繊維長さは、0.5μm〜50μmであることが好ましく、より好ましくは1μm〜40μmであることが望ましい。また前記炭素繊維のアスペクト比は10以上であることが好ましい。
配合する炭素繊維の長さが0.5μm〜50μm、特に1μm〜40μmであれば、混練り時の炭素繊維のゴム成分中への分散性も良く、またアスペクト比も10以上とすることができるので、ゴム組成物に十分な耐摩耗性と熱伝導性とを付与することができる。
前記条件を満たす炭素繊維は、その製造方法は特に制限されないが、特に気相成長法によって製造される気相成長法炭素繊維であることが望ましい。このような炭素繊維としては例えば、昭和電工(株)製のVGCFなどを挙げることができる。
本発明に係るゴム組成物に用いられるゴム成分は、例えば、天然ゴム、合成ジエン系ゴムが使用されるが、合成ジエン系ゴムとしては、例えばポリイソプレン合成ゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。中でも天然ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
本発明に係るゴム組成物において、炭素繊維のみを単独で使用することもできるが、ゴムに耐摩耗性を維持、或いはさらに向上させ、かつゴム温度の低減をさらに行うために、またタイヤ性能を更に向上させるために、上述した前記炭素繊維以外に、カーボンブラック、シリカ、及びその他の無機充填剤等の補強性及び/又は機能性充填剤を配合することが好ましい。
本発明においては、前記補強性及び/又は機能性充填剤として前記炭素繊維と共に、カーボンブラックのみを用いても良く、またシリカのみを用いても良く、また無機充填剤のみを用いても良く、或いは、カーボンブラックと、シリカと、無機充填剤とを併用してもよい。
前記カーボンブラックとしては、製造方法によりチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック及びサーマルブラックなどがあるが、いずれのものも使用することができるが、特にファーネスブラックが好ましい。例えばSRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等を挙げることができるが、ゴム組成物の用途に併せ適宜選択することが好ましい。トレッド用のゴム組成物に用いる場合は、窒素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g以上、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ml/100g以上のカーボンブラックが好ましい。特にHAF級以上のカーボンブラックが好ましい。
また、シリカとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。例えば湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも沈降法による合成シリカが好ましく使用される。具体的には、東ソー・シリカ(株)製の「Nipsil AQ」(商標)、Degussa杜製の「Ultrasil VN3」(商標)、PPG社製の「Hisil 233」(商標)などが挙げられる。耐摩耗性を考慮した場合窒素吸着比表面積(N2SA)が180m2/g以上であることが好ましい。
前記その他の無機充填剤としては、一般式(1)がmM1・xSiOy・zH2O(但し、M1は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウムからなる群から選ばれる金属、これらの酸化物若しくは水酸化物であり、又はこれらの水和物であり、mは1乃至5、xは0乃至10、yは2乃至5、及びzは0乃至10の自然数である)で表される無機物であり、これらはその性質上、カリウム、ナトリウム、鉄、マグネシウム等の金属、フッ素等の元素、及びアンモニウム基等が不純物として含有していてもよい。
具体的な無機充填剤としては、アルミナ一水和物(Al23・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(A12SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸かレシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、各種ゼオライト、長石、マイカ、モンモリロナイト等が例示でき、Mがアルミニウムであることが好ましく、アルミナ類、クレー類であることが特に好ましい。
アルミナ類とは前記一般式(1)で表される物のうち、一般式(2)Al23・nH2O(但し、nは0乃至3の自然数)で表わされるものである。
クレー類では、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、モンモリロナイト等が挙げられる。
本発明に係るゴム組成物において、前記カーボンブラック及び/又はシリカの配合量は、ゴム成分100質量部当たり、25〜120質量部であることが好ましく、より好ましくは、30〜100質量部であることが好ましい。
前記範囲内でカーボンブラック及び/又はシリカを前記ゴム成分と配合した場合、該ゴム組成物に耐摩耗性、及び発熱性に優れる。
本発明に係るゴム組成物において、前記のその他の無機充填剤の配合量は、ゴム成分100質量部当たり、1〜40質量部であることが好ましく、より好ましくは、3〜30質量部であることが好ましい。
前記範囲内で無機充填剤を配合した場合、該ゴム組成物を適用したタイヤにおいて、耐摩耗性、低発熱性が得られ、ゴム組成物に要求される他の物性を良好に維持することができる。
本発明に係るゴム組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で所望により、前記配合剤以外に通常ゴム工業界で用いられる各種薬品を配合することができる。
例えば、硫黄、不溶性硫黄等の加硫剤、ジフェニルグアニジンに代表されるグアニジン系、テトラメチルチウラムジスルフィドに代表されるチウラム系、ジチオカルバミン酸亜鉛に代表されるジチオカルバミン酸塩系、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドに代表されるスルファンアミド系、及び無水フタル酸等に代表されるスコーチリターダ等の加硫促進剤類、酸化亜鉛(亜鉛華)等に代表される加硫促進助剤、老化防止剤、及び軟化剤を配合することができる。
本発明に係るゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練することによって得られ、成形加工後、加硫を行い、熱拡散係数αの高いゴム層(A)としてトレッドアンダークッション層、ベースゴム層、サイドカバーゴム層等が好適に使用される。
本発明の建設車両用タイヤは、上述のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、前記のように各種配合剤を含有させたゴム組成物が未加硫の段階でトレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。このようにして得られた本発明の建設車両用タイヤは、温度上昇を効果的に抑制し、耐摩耗性を低下させることなく、ヒートセパレーション故障の防止を図ることができる。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を挙げて実施の形態を詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
[第一実施形態]
先ず、第一実施形態について説明する。図1に示すように本実施形態にかかわる建設車両用タイヤ10は両端がそれぞれビードコア11で折り返されたカーカス12を備えており、カーカス12は一層又は複数層で構成される。
カーカス12のクラウン部12Cのタイヤ径方向外側には、複数枚のベルトプライが重ねられたベルト層14が埋設されている。ベルト層14の径方向外側には、溝を配設したトレッド部18が形成されている。
図2は、ベルト部を含むトレッド部を中心とした斜視模式図である。21は単層のトレッドゴム、22はトレッドサイド部を示す。ベルト層24に隣接してトレッドゴムより熱拡散係数αの大幅に高いゴム層(A)23が配設されている。このゴム層(A)はトレッドアンダークッションゴムに炭素繊維を配合したものであり、トレッドサイド部24に23’として示しているように、露出している。
タイヤが転動することによって、最も発熱によって温度が高くなるベルト上部に隣接し、トレッドゴムより大幅に熱拡散係数の高い本発明に係わるゴム層(A)23を配設することによって、発生した熱はゴム層(A)に沿って伝導することによって露出面23’に到達し露出面の温度が高まり外気温との温度差ΔTが大きくなることによって上記式(III)に示す熱流速qが大きくなり外気に放熱されやすくなる。さらに、トレッドサイド部24の径方向外側端から径方向内側向けて図5に示す突起(B)を所定の幅にわたって配置することによって(図示せず。)表面積Sを大きくして放熱することによって、ベルト上部の温度を効率的に低下させることができる。
図2の第一実施形態では単層のトレッドについてのみの説明であるが、キャップトレッド層およびベーストレッド層の二層構造からなるキャップベース構造の場合も本発明の実施形態に含まれる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。本実施形態に係る建設車両用タイヤでは、図3に示すように、トレッドゴム層はキャップゴム層31、ベースゴム層32から構成されている。33はベースゴム層32より熱拡散係数αの高いゴム層(A)、及びトレッドサイド部34には、ゴム層(A)33同様に熱拡散係数αが高いサイドカバーゴム層34’が配設されている。35はベルト層を示す。
尚、ゴム層(A)は第一実施形態同様トレッドアンダークッションゴムに炭素繊維を配合したものを用いている。
また、第一実施形態同様、ベースゴム層32より大幅に熱拡散係数αの高い本発明に係わるゴム層(A)33によって、発生した熱はゴム層(A)33に沿って伝導し、ゴム層(A)33に連結した熱拡散係数αの高いサイドカバーゴム層34’に到達し、該サイドゴムカバーゴム層の温度が高まり外気温との温度差ΔTが大きくなることによって上記式(III)に示す熱流速qが大きくなり外気に放熱されやすくなる。
ゴム層(A)33及びサイドカバーゴム層34’の熱拡散係数αは、放熱効果を高めるために、ベースゴム層32より1.3倍以上高いことが好ましい。また、ゴム層(A)33とサイドカバーゴム層34’の熱拡散係数αはほぼ同じ程度か、サイドカバーゴム層34’の熱拡散係数αが高いほうが好ましい。
さらに、トレッドサイド部34の径方向外側端から径方向内側向けて図5に示す突起(B)を所定の幅にわたって配置することによって(図示せず。)表面積Sを大きくし放熱することによって、ベルト上部の温度を効率的に低下させることができる。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。本実施形態に係る建設車両用タイヤでは、図4に示すように、熱拡散係数αの高いゴム層(A)として炭素繊維を配合したベースゴム層42が用いられている。
41はキャップゴム層、42は前記ゴム層(A)として用いられるベースゴム層、43はトレッドサイド部、43’はサイドカバーゴム、44はベルト部を示す。ベースゴム層42及びサイドカバーゴム層43’の熱拡散係数αは、放熱効果を高めるために、キャップゴム層41より1.3倍以上高いことが好ましい。また、ベースゴム層42とサイドカバーゴム層43’の熱拡散係数αはほぼ同じ程度か、サイドカバーゴム層43’の熱拡散係数αが高いほうが好ましい。
また、第一及び第二実施形態同様、図5に示す突起(B)がトレッドサイド部43に配設されている。
放熱面積を大きくするために、幅Wが2mm≦W≦トレッド幅/100mm、高さhが2mm≦h≦トレッド幅/100mmの突起(B)を複数個、発熱温度が上昇するトレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて平行に又は直角に距離dが、ラグ溝の最大深さ×2>d>ラグ溝の最大深さ×1の範囲内になるように配置することが必要である。突起(B)は前述のように、先端先細り構造を採用することによって、体積増加を最小に押さえ表面積(放熱面積S)を効果的の増大することができる。
尚、突起(B)を構成するゴム組成物は、熱拡散係数αの高いゴム層(A)やサイドカバーゴム層と同じものであることが好ましい。
本発明に係わる突起(B)の実施形態を図5〜図8に示す。
図5〜図7は、突起(B)をトレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて平行配置したものであり、図8はトレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて直角に配置したものである。
[第四実施形態]
前記第一から第三実施形態に係る建設車両用タイヤでは、タイヤ転動時発熱の大きいベルト層に隣接させて熱拡散係数αの大きいゴム層(A)を配置させ、かつトレッドサイド部に露出させることによってトレッドサイド部の温度を上昇させ外気温との温度差ΔTを大きくすることで熱流速(q)を大きくし、さらに発熱温度が上昇するトレッドサイド部に表面積を大きくするために前記突起(B)を配置し、放熱面積Sを増大させることによって放熱量を増やす前記式(II)で表される相乗効果によって効率的に発熱温度を下げることについて述べたが、本発明の実施形態に係わる建設車両用タイヤでは、特にセンター部の発熱を効果的に抑制・放熱するトレッドパターンと組み合わせることによってさらに、効率的に発熱温度を下げることができる。
次に本実施形態係る建設車両用タイヤのトレッドパターンに関する1例を第四実施形態として説明する。第四実施形態は、図10に示すように、ラグ溝51の終端位置をタイヤ周方向に結んだ2本の直線に沿ってそれぞれのタイヤ周方向に延びる幅4〜20mm、深さがラグ溝51の10〜25%の非赤上道細溝53が、配置されている。非赤道上細溝53の溝深さはラグ溝51の溝深さの10〜25%であり、幅方向細溝54の両端は非赤道上細溝52につながっている。また、赤道上には幅30〜50mm、深さラグ溝51の10〜25%の浅溝52が設けられている。
このように赤道上浅溝52が配置されていることにより、タイヤセンター部に作用する圧縮応力を緩和させることができ、放熱面積を増大させることができる。このような効果は深さ70mm以上のラグ溝51が形成されている場合であっても顕著に認められる。
また、ラグ溝51の終端位置をタイヤ周方向に結んだ2本の直線に沿ってそれぞれタイヤ周方向に延びる非赤道上細溝53がさらに配置されていることによって、横すべり性を確保し、かつ細溝により幅方向の剛性を落とさずに幅方向すべりによる摩耗を低減したタイヤにおいて、タイヤセンター部の温度を低減するのに役立つ。
前記非赤道上細溝53の溝の深さは前記ラグ溝深さの10〜25%であることが好ましく、また前記非赤道上細溝の溝幅が4〜20mmであることが好ましい。溝深さ及び溝幅を上記範囲に設定することでトレッドセンター部の剛性および放熱性を維持することができる。
尚、前記第一から第三実施形態に係る建設車両用タイヤは、第四実施形態で示したトレッドパターンと組み合わせることが好ましく、その結果としてベルト部上部のタイヤセンター部の温度をさらに効果的に下げることができる。
<試験例>
次に、本発明の効果を確かめるために、第一から第三実施形態の建設車両用タイヤの3例(以下実施例タイヤという)、及び、従来例の建設車両用タイヤの1例(以下比較例タイヤという)を作製し、性能評価を行なった。比較例タイヤは、熱拡散係数αの高いゴム層(A)や突起(B)を配置していないことを除いて実施例のタイヤと同じ構成である。また、実施例タイヤ及び比較例タイヤともに第四実施形態に示すトレッドパターンを適用した。タイヤサイズはいずれも40.00R57である。
なお、各種の評価は、下記の方法に基づいて行なった。
<ゴム組成物の評価>
1.熱拡散係数αの測定
京都電子(株)製迅速熱伝導計QTM−500を用いて伝導率λを測定した。次に、密度ρ、比熱を常法により求め、下記式(I)により計算で求めた。
α=λ/(Cp×ρ)・・・・・・・(I)
ゴム組成物A1の値を100として指数表示した。数値が大きいほど、良好である。
2.発熱性(反発弾性評価)
ブリティッシュ・スタンダード903:Part A8:1963に準じて行った反発弾性試験から、下記式により算出した。
反発弾性指数={供試試験片の反発弾性率/コントロール(ゴム組成物A1)の試験片の反発弾性率}×100(反発弾性指数が大きいほど、反発弾性或いは低発熱性の面で優れていること、すなわち発熱量が小さいことを示す。)
3.耐摩耗性(耐摩耗性ランボーン評価)
耐摩耗性ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率25%の摩耗量を測定し、摩耗量の逆数を評価値とし、ゴム組成物A1の値を100として指数表示した。数値が大きいほど、良好である。
<タイヤ評価>
1.タイヤ温度の測定
各実施例、比較例のタイヤをTRA正規リムに組、正規荷重、正規内圧で24時間走行後、ブロック中央部にあらかじめ設けておいた細穴から熱電対を挿入し最外層上5mmの温度を測定し、6箇所の温度の平均値を算出した。比較例1のタイヤの温度を基準とし、その差を数値で示した。
2.タイヤ摩耗試験
各実施例、比較例のタイヤをTRA正規リムに組、正規荷重、正規内圧にて190トンダンプの前輪に装着し速度10km/hのほぼ等速で1000時間走行した後、トレッドを幅方向8分割した各位置での残溝測定により走行に要したゲージの平均値を摩耗量として算出した。摩耗量を走行時間で割った値を耐摩耗値として比較例1の値を100として指数で評価した。数値の大きいほうが耐摩耗性が良いことを示す。
ここで、「正規リム」とは、例えばJATMAが発行する2004年版のYEAR BOOKに定められた適用サイズにおける標準リムを示し、「正規荷重」及び「正規内圧」とは同じく2004年版のYEAR BOOKに定められた適用サイズ・プライレーティングにおける最大荷重及び該最大荷重に対する空気圧を示す。
<ゴム組成物の調製>
第1表示す配合内容に基づいて通常の方法にて炭素繊維を含有していないゴム組成物A1と炭素繊維を含有したゴム組成物B1、B2及びB3を調製した。常法に基づいて加硫を行い製作された試料を元に、熱拡散係数αの測定、発熱性(反発弾性)の評価、ランボーン試験機による耐摩耗性の評価をおこなった。それぞれの測定結果を第1表に示す。
Figure 2007191043
注」
*1.BR:ポリブタジエンゴム、商品名「BR01」JSR社製
*2.カーボンブラック:N2SA 120(m2/g)、DBP 114(ml/100g) N220 旭カーボン社製
*3.カーボンブラック:N2SA 96(m2/g)、DBP 120(ml/100g) N339 東海カーボン社製
*4.炭素繊維:商品名「VGCF」昭和電工社製
*5.老化防止剤6C:N-(1,3ジメチル-ブチル)N’-フェニル-p-フェニレンジアミン
*6.加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル1-2ベンゾチアジルスルフェンアミド
実施例1〜3及び比較例1
第2表に示す内容に基づいて、常法にて建設車両用タイヤを作成した。タイヤサイズはいずれも37.00R57である。
なお、第2表に記載されている、突起(B)の形状については図5参照。
トレッド部及びとレッドサイド部に用いるゴム組成物は、第1表に示される配合組成によって調製されたものであり、第2表の記載に基づいて各ゴム組成物をトレッド部及びとレッドサイド部に配置した。それぞれのタイヤについて、タイヤ温度の測定及びタイヤ摩耗試験を行った。評価結果を第2表に示す。
Figure 2007191043
第2表からは次のようなことがわかる。
本発明による実施例(1〜3)は、耐摩耗性を従来タイヤ対比ほとんど変えることなく、ベルト上の温度を効果的に下げることが可能である。特に表面積を増やしたトレッドサイド部に熱拡散係数αの高いゴム層を配置することで相乗効果が大きく出ることがわかる。
本発明は、耐摩耗性を維持し、タイヤ負荷時におけるトレッド部、特にセンター部の発熱を効果的に抑制・放熱することによってヒートセパレーションを防止した建設車両用タイヤを提供することができる。
第一実施形態に係る建設車両用タイヤのタイヤ径方向断面図である。 第一実施形態に係る建設車両用タイヤのトレッド部を示す斜視模式図である。 第二実施形態に係る建設車両用タイヤのベルトを含むトレッド部を示す断面図である。 第三実施形態に係る建設車両用タイヤのベルトを含むトレッド部を示す断面図である。 5図(イ)および(ロ)はそれぞれ本発明に係る突起(B)の1例を示す断面図および該突起(B)を複数個トレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて平行配置した様子を示す斜視模式図である。 6図(イ)および(ロ)はそれぞれ本発明に係る突起(B)の他の1例を示す断面図および該突起(B)を複数個トレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて平行配置した様子を示す斜視模式図である。 7図(イ)および(ロ)はそれぞれ本発明に係る突起(B)の他の1例を示す断面図および該突起(B)を複数個トレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて平行配置した様子を示す斜視模式図である。 8図(イ)および(ロ)はそれぞれ本発明に係る突起(B)の他の1例を示す断面図および該突起(B)を複数個トレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて直角に配置した様子を示す斜視模式図である。 第四実施形態に係る建設車両用タイヤのトレッド部を示す平面図である。
符号の説明
10 建設車両用タイヤ
21 トレッドゴム層
22 トレッドサイド部
23 ゴム層(A)(トレッドアンダークッション層)
23’ ゴム層(A)露出部
24 ベルト部
31 キャップゴム層
32 ベースゴム層
33 ゴム層(A)(トレッドアンダークッション層)
34 トレッドサイド部
34’サイドカバーゴム層
35 ベルト部
41 キャップゴム層
42 ゴム層(A)(ベースゴム層)
43 トレッドサイド部
43’ サイドカバーゴム層
44 ベルト部
51 ラグ溝
52 赤道上浅溝
53 非赤道上細溝
54 幅方向細溝
CL タイヤ赤道

Claims (11)

  1. 一対のビードコア間をトロイド状に延びる少なくとも1枚のカーカス層と、前記カーカス層のクラウン部径方向外側に複数枚のベルト層と、前記ベルト層の径方向外側にトレッド部を備え、前記トレッド部にその両側端部からタイヤ赤道面に向かって延びる多数本のラグ溝を配設した建設車両用タイヤにおいて、前記ベルト層外径方向外側にベルト層に隣接させ、少なくとも両端部がトレッドサイド部に露出するようにトレッドゴムよりも熱拡散係数αが大きいゴム層(A)を配置し、かつトレッドサイド部の径方向外側端から径方向内側に向けて前記ラグ溝の最大深さの100%〜200%の距離d内に、幅Wが2mm≦W≦トレッド幅/100mm、高さhが2mm≦h≦トレッド幅/100mmの突起(B)を配置したことを特徴とする建設用タイヤ。
  2. 前記トレッド部が径方向外側のキャップゴム層と径方向内側のベースゴム層とから構成され、前記ゴム層(A)の熱拡散係数αが前記ベースゴム層の熱拡散係数αより1.3倍以上大きい請求項1記載の建設車両用タイヤ。
  3. ゴム層(A)が、前記トレッドサイド部を覆っている請求項2記載の建設車両用タイヤ。
  4. 前記トレッド部が径方向外側のキャップゴム層と径方向内側のベースゴム層とから構成され、前記ゴム層(A)がベースゴム層からなり、該ベースゴム層の熱拡散係数αがキャップゴム層の熱拡散係数αより1.3倍以上大きく、かつ該ゴム層(A)が、前記トレッドサイド部を覆っている請求項1記載の建設車両用タイヤ。
  5. ゴム層(A)が、炭素繊維を含有するゴム組成物から構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の建設車両用タイヤ。
  6. 炭素繊維が、気相成長炭素繊維である請求項5記載の建設車両用タイヤ。
  7. 炭素繊維の含有量が、ゴム成分100質量部当り、2〜50質量部である請求項4又は5に記載の建設車両用タイヤ。
  8. 炭素繊維が、平均径0.5〜500nm、かつ平均長0.5〜50μmである請求項5〜7のいずれかに記載の建設車両用タイヤ。
  9. 炭素繊維のアスペクト比が、10以上である請求項5〜8記載の建設車両用タイヤ。
  10. 炭素繊維以外の補強性充填剤が、カーボンブラック及び無機充填剤から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜9のいずれかに記載の建設車両用タイヤ。
  11. 無機充填剤がシリカである請求項10に記載の建設車両用タイヤ。
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