JP4094365B2 - ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム組成物及びそれを用いたタイヤに関する。さらに詳しくは、トレッド部が表層トレッドと内部のベースゴム部分からなり、トレッド部とケース部との間に補強用のベルト補強層を有するタイヤにおいて、ベースゴムやベルトゴムを高弾性率・低ロス化し、タイヤの操縦安定性や発熱特性を大幅に向上させるのに適したゴム組成物、及び該ゴム組成物をベースゴムやベルトゴムに適用してなるタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の高馬力化、高速化に伴い、タイヤ性能についても、従来よりも高い操縦安定性が求められるようになってきた。そして、この操縦安定性を改良するための手段として、ベースゴムやベルトゴムの高弾性率・低ロス化が一般的となっている。
カーボンブラックを高充填することで、高弾性率化が達成されるが、発熱も上昇しタイヤ性能や耐久性が損なわれるという問題が生じる。そこで、高弾性率・低ロス化を達成するために、ビスマレイミド誘導体を配合することが試みられている。しかしながら、該ビスマレイミド誘導体を配合したゴム組成物は、従来の配合組成のゴム組成物に比べて、加硫速度が遅くなることが知られている。
【0003】
このようなビスマレイミド誘導体を配合したゴム組成物をベースゴムやベルトゴムなどに使用した場合、通常、ビスマレイミド誘導体の配合による特有の加硫速度の遅さと、該組成物が適用される部材が、タイヤ内で熱が最も伝わりにくい内部部分であることから、ビスマレイミド誘導体の硬化が不十分となって所望の弾性率が得られないことがある。また、内部部材の加硫度が十分な値になるまで加硫を進めると、トレッド部の表面近傍など、加硫が早く進む部位の加硫度が適正値を超え、熱老化性などに悪影響を与えると共に、加硫生産性も低下するなどの問題が生じる。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、トレッド部が表層トレッドと内部のベースゴム部分からなり、トレッド部とケース部との間に補強用のベルト補強層を有するタイヤにおいて、ベースゴムやベルトゴムを高弾性率・低ロス化し、タイヤの操縦安定性や発熱特性を大幅に向上させるのに適したゴム組成物、及び該ゴム組成物をベースゴムやベルトゴムに適用してなるタイヤを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ビスマレイミド誘導体を配合したゴム組成物に、さらに微細炭素繊維を配合することにより、得られるゴム組成物は熱伝導性がよくなるため、該ゴム組成物をベースゴム、ベルトゴム、ビードフィラーゴムなどに適用した場合、タイヤ内の熱が最も伝わりにくい内部部材においても、タイヤの最も熱の伝わりやすいタイヤ表面と遜色のない、ほぼ同等の熱履歴を与えることができ、所望の高弾性率を有する加硫ゴムが得られること、そして、タイヤ表面のゴムの加硫度を無理に上昇させる必要がないので、生産性や製造コストを犠牲にすることもないことを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)ゴム成分100質量部に対し、(B)一般式(I)
【化2】
Figure 0004094365
(式中、Aは炭素数6〜30の二価の芳香族残基、x及びyは、それぞれ0〜3の整数を示す。)
で表されるビスマレイミド誘導体0.1〜30質量部及び(C)微細炭素繊維2〜50質量部を配合してなるゴム組成物、
(2)さらに(D)微細炭素繊維以外の補強性充填材10〜120質量部を配合してなる上記(1)のゴム組成物、
(3)(A)ゴム成分が、天然ゴム及びジエン系合成ゴムの中から選ばれる少なくとも一種である上記(1)、(2)のゴム組成物、
(4)(B)一般式(I)で表されるビスマレイミド誘導体が、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドである上記(1)〜(3)のゴム組成物、
(5)(C)微細炭素繊維が平均径0.5〜500nm、平均長0.5〜50μm及びアスペクト比10以上のものである上記(1)〜(4)のゴム組成物、
(6)(D)微細炭素繊維以外の補強性充填材が、カーボンブラック及び白色無機充填材の中から選ばれる少なくとも一種である上記(2)〜(5)のゴム組成物、及び
(7)上記(1)〜(6)のゴム組成物を、ベースゴム及び/又はベルトゴムに適用したことを特徴とするタイヤ、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物は、ベースゴム、ベルトゴム、ビードフィラーゴムなどに適用されるものであって、(A)成分であるゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系合成ゴムが好適に挙げられ、これらを単独またはブレンドして使用することができる。ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジエン−スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴムなどが挙げられる。また、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化スズのような変性剤を用いることにより分岐構造を有しているものでもよい。
本発明のゴム組成物において、(B)成分として用いられるビスマレイミド誘導体は、一般式(I)
【化3】
Figure 0004094365
で表される構造を有するものである。
上記一般式(I)において、Aは炭素数6〜30の二価の芳香族残基を示す。該芳香族残基の具体例としては、
【化4】
Figure 0004094365
などの基を挙げることができる。なお、これらの二価の芳香族残基においては、各芳香環上に、炭素数1〜5程度の低級アルキル基などの置換基が1個以上導入されていてもよい。x及びyは、それぞれ独立に0〜3の整数を示す。
【0006】
前記一般式(I)で表されるビスマレイミド誘導体の例としては、N,N’−1,2−フェニレンビスマレイミド、N,N’−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルエーテル)ビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンなどが挙げられる。これらのビスマレイミド誘導体は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、特にN,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドが好適である。
本発明のゴム組成物においては、この(B)成分のビスマレイミド誘導体は、前記(A)成分のゴム成分100質量部に対し、0.1〜30質量部の割合で配合される。この配合量が0.1質量部未満ではビスマレイミド誘導体の配合効果が十分に発揮されず、一方30質量部を超えると破壊特性などが低下する原因となる。該ビスマレイミド誘導体の好ましい配合量は、0.1〜10質量部の範囲であり、特に0.5〜5質量部の範囲が好適である。
【0007】
本発明のゴム組成物においては、(C)成分として、微細炭素繊維が用いられる。この微細炭素繊維を配合することにより、得られるゴム組成物は熱伝導性が良好となる。その結果、該ゴム組成物をベースゴム、ベルトゴム、ビードフィラーゴムなどに適用した場合、タイヤ内の熱が最も伝わりにくい内部部材においても、タイヤの最も熱の伝わりやすいタイヤ表面と遜色のない、ほぼ同等の熱履歴を与えることができ、所望の高弾性率を有する加硫ゴムが得られる。
この微細炭素繊維としては、平均径0.5〜500nm、平均長0.5〜50μm及びアスペクト比10以上のものが好ましく用いられる。このような形状の微細炭素繊維を用いることにより、所望の良好な熱伝導性が得られると共に、補強効果も期待できる。該微細炭素繊維のより好ましい形状は、平均径1〜400nm、平均長1〜40μm及びアスペクト比15以上である。
このような形状を有する微細炭素繊維は、例えば昭和電工(株)製の「VGCF−G」(商標)、MTR社製の「多層カーボンナノチューブ」(商標)などとして入手することができる。
【0008】
本発明のゴム組成物においては、この(C)成分の微細炭素繊維は、前記(A)成分のゴム成分100質量部に対し、2〜50質量部の割合で配合される。この配合量が2質量部未満では熱伝導性の向上効果が発揮されず、本発明の目的が達せられない。一方50質量部を超えると加工性や低発熱性などの他の物性が損なわれる原因となる。該微細炭素繊維の好ましい配合量は5〜20質量部の範囲である。
本発明のゴム組成物においては、破壊特性や耐摩耗性などを向上させる目的で、所望により(D)成分として、前記の微細炭素繊維以外の補強性充填材を、前記(A)成分のゴム成分100質量部に対し、10〜120質量部の割合で配合することができる。この配合量が10質量部以上であると破壊特性や耐摩耗性などの向上効果が十分に発揮され、また120質量部以下であると加工性などの他の物性が損なわれることがない。上記観点から、該(D)成分の好ましい配合量は20〜100質量部の範囲である。
前記の微細炭素繊維以外の補強性充填材としては、カーボンブラック及び白色無機充填材の中から選ばれる少なくとも一種が用いられる。
【0009】
ここで、カーボンブラックとしては、製造方法によりチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック及びサーマルブラックなどがあるが、いずれのものも使用することができ、例えばSRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等を挙げることができるが、ヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ml/100g以上のカーボンブラックが好ましい。
一方、白色無機充填材としては、シリカ、及び下記一般式(I)で表されるものが好ましい。
mM1 ・xSiOy・zH2 O ・・・(II)
[式(II)中、M1 は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物から選ばれる少なくとも一種であり、m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]
さらに、カリウム、ナトリウム、鉄、マグネシウムなどの金属や、フッ素などの元素、及びNH4−などの基を含有していてもよい。
具体的には、アルミナ一水和物(Al23・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3 ]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2 ]、酸化マグネシウム(MgO)、タルク(3MgO・4SiO2 ・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2 ・9H2 O)、チタン白(TiO2 )、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2 ]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23 )、クレー(Al23 ・2SiO2 )、カオリン(Al23 ・2SiO2 ・2H2 O)、パイロフィライト(Al23 ・4SiO2 ・H2 O)、ベントナイト(Al23 ・4SiO2 ・2H2 O)、ケイ酸アルミニウム(Al2 SiO5 、Al4 ・3SiO4 ・5H2 O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2 SiO4、MgSiO3 等)、ケイ酸カルシウム(Ca2 ・SiO4 等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23 ・CaO・2SiO2 等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4 )、各種ゼオライト、長石、マイカ、モンモリロナイト等が例示でき、M1がアルミニウムであることが好ましく、アルミナ類、クレー類であることが特に好ましい。
アルミナ類とは上記一般式(II)で表されるもののうち、下記一般式(III)で表されるものである。
Al23・nH2 O (但し、式中nは0〜3である。) ・・・(III)
クレー類では、クレー(Al23 ・2SiO2 )、カオリン(Al23 ・2SiO2 ・2H2 O)、パイロフィライト(Al23 ・4SiO2 ・H2 O)、ベントナイト(Al23 ・4SiO2 ・2H2 O)、モンモリロナイト等が挙げられる。
これらの白色無機充填材の中で、シリカ及び水酸化アルミニウムが好ましく、特にシリカが好ましい。ここで、シリカとしては、従来ゴム補強用として慣用されているもの、例えば湿式法シリカ(含水ケイ酸)、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、各種ケイ酸塩などの中から適宜選択して用いることができるが、中でも沈降法による合成シリカ(湿式法シリカ)が好適である。
【0010】
本発明のゴム組成物においては、前記(D)成分の補強性充填材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、特にカーボンブラック又はシリカ単独あるいはそれらを組み合わせて用いることが好ましい。
本発明のゴム組成物においては、該(D)成分の補強性充填材として、シリカなどの白色無機充填材を用いる場合には、所望により、カップリング剤を配合することができる。このカップリング剤としては特に制限はなく、従来公知の様々なカップリング剤の中から任意のものを選択して用いることができるが、これらの中で特にシラン系カップリング剤が好ましい。このシラン系カップリング剤の例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N、N−ジメチルカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィドなどが挙げられる。
【0011】
本発明においては、この所望により用いられるカップリング剤は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、配合効果及び経済性などを考慮すると、前記白色無機充填材に対して、1〜20質量%の範囲で選ぶことが好ましい。また上記観点から、このカップリング剤のさらに好ましい配合量は5〜20質量%の範囲、特に7〜15質量%の範囲である。
本発明のゴム組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、通常ゴム工業界で用いられる前記以外の各種配合剤、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫促進剤、加硫剤などを適宣配合することができ、該ゴム組成物はバンバリーミキサー、インターミキサー等の密閉式混練機やロール等の混練機を用いて混練りすることにより得られる。
本発明のタイヤは、前記ゴム組成物をベースゴム及び/又はベルトゴムに適用して、常法により成形加工後加硫を行い製造することができる。なお、タイヤ内に充填する気体としては、通常のあるいは酸素分圧を変えた空気、又は窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性なガスを用いることができる。
このようにして得られたタイヤは、ベースゴムやベルトゴムを高弾性率・低ロス化することにより、操縦安定性や発熱特性が大幅に向上したものとなる。
【0012】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、諸特性は、以下に示す要領に従って測定した。
(1)熱伝達係数
ゴム組成物のブローポイント測定で、熱伝達係数αを測定し、比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほど熱伝達係数が高く良好であることを示す。
なお、ブローポイントとは、ゴム材料を加圧下で加硫する場合において、加硫を終了するために非加圧状態にした時点で、ゴム材料の内部に、加硫過程で発生する泡が存在しなくなるのに必要な最低限の加硫度、つまり限界加硫度を意味する。
(2)動的粘弾性測定
タイヤからベースゴムを切り出し、このものについて、東洋精機(株)製、スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を用い、周波数52Hz、測定温度30℃、歪1%でE’(動的貯蔵弾性率)及びtanδ(損失係数)を測定し、それぞれ比較例1を100とし、指数表示した。E’は、数値が大きいほど高弾性率で良好であり、tanδは、数値が小さいほど低ロス(低発熱性)で良好である。
(3)タイヤ性能評価
テストコースにて、乾燥アスファルト路面での実車走行を行い、テストドライバーによる、1LAP目と10LAP目のフィーリングテストを実施した。比較例1の1LAP目をコントロールとして、コントロールとの差を±の数値で示した。「+」が大きいほど、性能が優れていることを示し、「−」が大きいほど、性能が劣っていることを示す。
【0013】
実施例1〜3及び比較例1〜3
第1表に示す配合組成の各ゴム組成物を調製し、熱伝達係数αを測定した。
次に、各ゴム組成物をベースゴムに適用し、ベースゴム2mmゲージでサイズ195/60R15のタイヤを作製し、動的粘弾性測定及びタイヤ性能評価を行った。これらの結果を第1表に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0004094365
【0015】
[注]
1)BR:ジェイエスアール(株)製「BR01」
2)カーボンブラック:東海カーボン(株)製「N330シースト3」
3)微細炭素繊維:昭和電工(株)製「VGCF−G」、平均繊維径200nm、平均長15μm、アスペクト比50−100
4)老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
5)加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製「ノクセラ−CZ−G」
6)ビスマレイミド:N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、三井化学(株)製「BMI−S」
【0016】
第1表から分かるように、比較例2は、微細炭素繊維を使用せず、ビスマレイミドを配合したもので、E’の向上効果が小さい。比較例3は、カーボンブラックの配合量が多く、E’は向上するが、ビスマレイミドを配合していないので、tanδ(発熱性)も上昇しており、10LAP目の性能低下が大きい。
一方、実施例1,2及び比較例1は、補強性充填材をゴム成分100質量部に対して50質量部配合した例であるが、実施例1,2は比較例1に対してtanδの上昇を抑制しつつ、E’を大幅に向上し得ることがわかる。
また実施例3及び比較例3は補強性充填材をゴム成分100質量部に対して60質量部配合した例であるが、実施例3は比較例3に対してtanδは低く、しかも、E’を著しく増大していることが認められる。
【0017】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物は、ビスマレイミド誘導体を配合した系のゴム組成物に、微細炭素繊維を配合することにより、ゴム組成物の熱伝導性を向上させることができ、その結果、該ゴム組成物をベースゴム、ベルトゴム、ビードフィラーゴムなどに適用した場合、タイヤ内の熱が最も伝わりにくい内部部材においても、タイヤの最も熱の伝わりやすいタイヤ表面と遜色のない、ほぼ同等の熱履歴を与えることができ、所望の高弾性率を有する加硫ゴムが得られる。
したがって、本発明のゴム組成物は、トレッド部が表層トレッドと内部のベースゴム部分からなり、トレッド部とケース部との間に補強用のベルト補強層を有するタイヤにおいて、ベースゴムやベルトゴムを高弾性率・低ロス化し、タイヤの操縦安定性や発熱特性を大幅に向上させるのに適している。

Claims (4)

  1. (A)天然ゴム及びジエン系合成ゴムの中から選ばれる少なくとも一種であるゴム成分100質量部に対し、(B)一般式(I)
    Figure 0004094365
    (式中、Aは炭素数6〜30の二価の芳香族残基、x及びyは、それぞれ0〜3の整数を示す。)
    で表されるビスマレイミド誘導体0.1〜30質量部及び(C)平均径0.5〜500nm、平均長0.5〜50μm及びアスペクト比10以上のものである微細炭素繊維2〜50質量部を配合してなるゴム組成物。
  2. さらに(D)微細炭素繊維以外の補強性充填材としてカーボンブラック及び白色無機充填材の中から選ばれる少なくとも一種を10〜120質量部配合してなる請求項1記載のゴム組成物。
  3. (B)一般式(I)で表されるビスマレイミド誘導体が、N,N'−(4,4'−ジフェニルメタン)ビスマレイミドである請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載のゴム組成物を、ベースゴム及び/又はベルトゴムに適用したことを特徴とするタイヤ。
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