JP2011110915A - 軸体 - Google Patents

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【課題】 口金の緩みが防止されると共に、リフイールのシール機能が向上するものの、長期に渡って、常時、弾性シールには強固な圧縮作用が働いているため、その弾性シールは経時的に塑性変形してしまう危険性が非常に高い。その塑性変形の結果、口金が緩んでしまうばかりでなく、1度でも口金を先軸から離脱させてしまうと、弾性シールの弾性作用が得られないため、口金の緩み防止効果が得られなくなってしまう。
【解決手段】 軸筒に軟質部材が取り付けられると共に、その軟質部材を軸筒に取り付ける栓体によって圧縮せしめた軸体であって、その栓体に軟質部材が部分的に入り込む切欠部を形成した軸体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軸筒に軟質部材が取り付けられると共に、その軟質部材を軸筒に取り付ける栓体によって圧縮せしめた軸体に関する
1例として、先端開口からリフイールの先端を突出せしめた合成樹脂製の先軸に、リフイールの先端を内装しうる空腔を有する金属製の口金が係止され、かつこの口金の空腔後底面と、前記先軸の先端面との間には弾性シール体が一定の与圧状態で挾圧支持され、リフイール周面に弾接させられている筆記具がある。
即ち、口金により弾性シール体を圧縮させることによって、前記口金と先軸との緩みが防止されると共に、リフイールのシール機能も向上させるというものである。
実開昭57−129684号。
しかし、口金の緩みが防止されると共に、リフイールのシール機能が向上するものの、長期に渡って、常時、弾性シールには強固な圧縮作用が働いているため、その弾性シールは経時的に塑性変形してしまう危険性が非常に高い。その塑性変形の結果、口金が緩んでしまうばかりでなく、1度でも口金を先軸から離脱させてしまうと、弾性シールの弾性作用が得られないため、口金の緩み防止効果が得られなくなってしまう。
そこで、本発明は、軸筒に軟質部材が取り付けられると共に、その軟質部材を軸筒に取り付ける栓体によって圧縮せしめた軸体であって、その栓体に軟質部材が部分的に入り込む切欠部を形成したことを要旨とする。
本発明は、軸筒に軟質部材が取り付けられると共に、その軟質部材を軸筒に取り付ける栓体によって圧縮せしめた軸体であって、その栓体に軟質部材が部分的に入り込む切欠部を形成したので、経時的な劣化によって、万が一、軟質部材の圧縮させられた部分が塑性変形してしまっても、部分的に切欠部に嵌り込んだ軟質部材は塑性変形が阻止されているため、その切欠部に嵌り込んだ軟質部材によって、栓体の軸筒に対する緩みが長期に渡って維持される。
作用について説明する。軟質部材に圧縮される部分と、圧縮されない非圧縮部が形成される。
第1例を図1〜図13に示し説明する。軸体内にボールペン体を配置すると共に、そのボールペン体を出没可能に配置した、所謂、出没式の筆記具である。比較的硬質な樹脂材質から形成された軸筒1の表面には、比較的軟質な樹脂材質(軟質部材2)が被覆されている。前記軸筒1を形成する比較的硬質な樹脂材質の1例としては、本例においてはポリカーボネートを使用しているが、ポリエチレンテレフタレートやアクリル、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS)、ポリプロピレンなどが挙げられる。また、軟質部材2を形成する比較的軟質な樹脂材質としては、本例においては軟質アクリルを使用しているが、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
前記軸筒1の後端開口部には、尾栓3が螺合の手段によって着脱自在に取り付けられているが、圧入構造を利用した固定手段であっても良い。それら軸筒1と軟質部材2、並びに、尾栓3によって軸体4が構成されているが、前記軸筒1の先端近傍は、先端に向かって先細り形状をなしている。また、軸体4の内部には、ボールペン体5がコイルスプリングなどの弾撥部材6によって、後方に付勢された状態で配置されているが、軸体4の長手方向に対して前後動が可能に配置されていると共に、そのボールペン体5の先端部(ボールペンチップ7)が軸体4の先端開口部から出没が可能なものとなっている。
一方、前記尾栓3の内部には、回転子8が前後動可能に配置されており、その回転子8の後方には摺動子9も前後動可能に配置されているが、その摺動子9の後端近傍は前記尾栓3の後端開口部から露出しており、その露出部が押圧操作部10となっている。即ち、摺動子9の押圧操作部10を指などで前後に押圧操作することによって、軸体4内のボールペン体6が前後動し、これによってボールペンチップ7が軸体4の先端開口部から出没するのである。
符号11は、前記尾栓3に一体成形されたクリップであるが、別部材で構成し、接着や圧入などの手段によって尾栓3に固定しても良い。
前記軟質部材2は、軸筒1のほぼ全域を覆うものとなっているが、それら軸筒1と軟質部材2は、2色成形の手段によって一体的に成形されている。そして、それら軸筒1と軟質部材2とは互いに融着し合っており、相対的なずれや剥離が防止されている。また、軟質部材2の前方部の表面には、微細な高さを有する波形状のグリップ部12が形成されているが、なし地状であっても良く、或いは、ドットを多数形成するなどしても良い。そして、そのグリップ部12の下方に、前記軸筒1を成形するためのゲート跡が形成されている。ゲート跡を波形状のグリップ部12の内側に位置させることによって、そのゲート跡を表面(外観)からは見えにくくしているのである。
一方、軟質部材2の後端部は、前記軸筒1の後端部から僅かに突出した状態で形成されており、その部分が延出部13となっている。そして、その延出部13の外径は、その他の軟質部材2の外径よりも小径なものとなっている。即ち、その延出部13が前記尾栓3によって圧縮された際、延出部13が外径方向、或いは、内径方向に膨れる(膨出部14)が、外径方向に膨れた膨出部14が軟質部材2の表面から突出しないようにしているのである。
また、前記軸筒1の後端近傍の外径は、後方に向けて徐々に拡径した円錐状(円錐状部15)をなしている。軸筒1の後端近傍を後方に向けて拡径した円錐状部15にすることによって、軸筒1の後部の肉厚を多く取ることができ、これによって、尾栓3の脱着操作における応力が分散され、軸筒1の後端部の白化やひび、割れが防止される。ちなみに、軸筒1の後部内面には、前記尾栓3が螺合する雌ねじ16が形成されている。尚、前記円錐状部15に伴って軟質部材2の後部は、薄肉部となっている。軟質部材2の後端近傍を薄肉部にすることによって、軟質部材2が弾性変形しやすくなり、経時による塑性変形も極力防止される。
前記尾栓3は、クリップ11の基部が連結される大径筒状部17とその大径筒状部17の前方に形成された小径筒状部18から構成されているが、その小径筒状部18には前記軸筒1雌ねじ16に螺合する雄ねじ19と案内筒部20が形成されている。そして、その案内筒部20の下端面には、一方の面が直角に切り落とされた台形状の位置決め突起21が形成されており、軸筒1の内面に形成された縦突起1bに係止している。いる。また、尾栓3の前記大径筒状部17の下端周縁部における外径は、前記軟質部材2の延出部13が形成される直前の外径とほぼ同径となっている。さらに、尾栓3の大径筒状部17の下端周縁部であって、前記クリップ11が形成されている方向と反対側には、切欠部(面取り部22)が形成されている。そして、その面取り部22は、尾栓3を軸体4に取り付けた際、軟質部材2の延出部13が接触しない位置まで大きく切り欠かれている。即ち、尾栓3を軸体4に取り付けた際、軟質部材2の延出部13のほとんどが押し潰され、圧縮されることになるが、面取り部22を形成した部分の延出部13には、尾栓3の取り付け作用による圧縮作用が働かないようになっている。また、切欠部22のほぼ中央部には、ゲート跡が形成されている。この切欠部22に尾栓3を成形する際のゲート口を位置させることによって、そのゲート口によって残留してしまう前記ゲート跡を位置させることができ、そのゲート跡の前記軟質部材2への接触を防止している。
ここで、前記クリップ11の前方部には、玉部11aが形成されており、その玉部11aは前記軟質部材2の表面に接触している。これに加えて、クリップ11の前方に位置する軟質部材2の表面は膨出(膨出部2a)している。即ち、軟質部材2をクリップ11の玉部11aの位置まで形成することによって、また、クリップ11の前方部を膨出させることによって、そのクリップ11(玉部11a)にノートなどを挟み込んだ際、前記軟質部材2の抵抗、並びに膨出部2aによって抜け落ちにくくしているのである。
さらに、玉部11aの両側には、円弧部11bが施されている。ボールペン体5を交換する際、尾栓3を軸体4から離脱させるが、この時、尾栓3と軸体4とを相対的に回転させるため、軟質部材2の表面には玉部11aによる摺動傷が付いてしまう危険性が高い。その摺動傷を防止するために、玉部11aの両側に円弧部11bを形成しているのである。
ここで、前記軸筒1の前方部には、模様や商品名などの突状の刻印23が施されている。そして、軟質部材2は半透明な材質で成形されている。つまり、軸筒1の刻印23が半透明な軟質部材2を介して、うっすらと奥深い位置に視認することができる。この奥行き感により、樹脂成形品ではあるものの、高級感のある軸体となる。また、刻印23は、前記グリップ部12とは離れた位置に形成されている。即ち、波形状のグリップ部12と離隔させることによって、波形による影響を避け、視認性を高めているのである。尚、前記刻印23の高さは、軸筒1の表面から0.5mmになっているものの、軟質部材2の表面から0.75mmの内部に位置している。
また、軟質部材2は、軸筒1のほぼ全域を覆っているが、軸筒1の中央部が軟質部材2から露出している。具体的には、クリップ部12が位置する側面のほぼ中央部が露出(露出部1a)している。そして、その露出部1aと前記軟質部材2の膨出部2aとの連接部は、膨出部2aの方が若干盛り上がった状態で連接されている。軟質部材である膨出部2aの端部近傍の厚さを厚くすることによって、軸筒1との境界が明瞭になると共に、膨出部2aが成形される際のひけ(凹部)を防止することもできる。
前記尾栓3の内面には、押圧操作部10の脱落を防止するための内面突起24が形成されているが、その内面突起24の後方には、傾斜した縦リブ24aが形成されている。その傾斜した縦リブ24aを形成することによって、前記押圧操作部10の尾栓3への挿着性を容易なものとすると共に、内面突起24近傍の成形に起因するひけ(凹部)の発生を極力防止することができる。
一方、押圧操作部10の前方部には、縦スリット25が形成されており、その縦スリット25を形成することによって形成された係止片26には、係止突起26aが形成されている。即ち、この係止突起26aが前記内面突起24を乗り越える際、傾斜した縦リブ24aによって係止片26が内径方向に案内され変形し、乗り越えた後には、自らの復元力によって弾性復帰し内面突起24に係止する。これによって、押圧操作部10の尾栓3からの脱落が防止される。尚、前記縦スリット25の幅は、係止片26が内径方向に十分に変形できる幅を有している。つまり、係止片26が変形した際、係止片26の側面が接触しないようになっている。
また、押圧操作部10の頂部の内面には、「−」状の位置決め突起10aが形成されている。この位置決め突起10aは、この押圧操作部10と尾栓3とを組み付け・位置決めする際の、組み付け治具への取り付け部となっている。
さらに、前記尾栓3の内面の下方には、回転子8の脱落を防止する内面リブ27が形成されている。その内面リブ27の後方の傾斜角度は、前方の傾斜角度よりもなだらかになっている。尾栓3を射出成型などの手段によって成形した際における、コアピンの離型性を良好なものとしている。
前記回転子8の下端面には、内面が円錐状をなした筒部28が形成されている。その筒部28に前記ボールペン体5の後端部を当接させることによって、そのボールペン体5の後端部における振れや偏心を防止している。
前記軸筒1の前方部における内面には、縦方向に6個のリブ29が放射状の等間隔な位置に形成されている。そして、そのリブ29の後部は、後方に向けて徐々に拡形する傾斜面29aになっている。そのリブ29によって、前記弾撥部材6の横振れを防止すると共に、センタリング性を向上させている。また、隣り合うリブ29間には、ボールペン体5のクリンプ(突起)5aが位置している。ボールペン体5のクリンプ5aを隣り合うリブ29間に位置させることによって、ボールペン体5の軸体4に対する回転が防止されると共に、ボールペン体5のインキ収容部5bを太くすることができ、インキの収容量の増大化が図れる。
尚、前記リブ29の長さは、本例においては、弾撥部材6の長さよりも長く形成されているが、弾撥部材6の長さとほぼ同等な長さであっても良い。
第2例を図14に示し説明する。軸筒30とキャップ31との連結部分にゴム状弾性体からなるOリング32を介在させた例である。キャップ31の下端部には、Oリング32の直径よりも若干大きな高さを有する三角形状の切欠部33が形成されている。尚、前記軸筒30の後部には、雄ねじ部30aが形成されており、一方、キャップ31の内面には雄ねじ部30aと螺合する雌ねじ部31aが形成されている。
ここで、軸筒20にキャップ31を螺合させ、締め付けると、Oリング32が押し潰されるように圧縮させられるが、前記切欠部33に位置するOリング32は圧縮されない。その結果、圧縮されない部分は、塑性変形が発生せず、もって、長期に渡って緩み防止が維持される。
第3例を図15〜図18に示し説明する。軸体34は、前軸35と後軸36とから構成されている。前軸35の中間部には、縮径部37が形成されており、その縮径部37にはグリップ部材38が挿着されている。そのグリップ部材38の挿着部である縮径部37の後部には、前記後軸36を着脱自在に取り付ける雄ねじ部39が形成されている。そして、前軸35と後軸36を螺着させた際には、グリップ部材38が圧縮されるようになっている。つまり、軸体34のグリップ部材38を装着する部分の長さは、グリップ部材38の長さよりも短くなっている。符号40は、前記後軸の前方内面に形成され、前軸35の雄ねじ部39と螺合する雌ねじ部である。
また、後軸36の前端面には、台形状の切欠部41が形成されている。そして、前記前軸35と後軸36によってグリップ部材38を挟着・圧縮させた際、そのグリップ部材38は圧縮させられるが、前記切欠部41に位置するグリップ部材38は圧縮されない。具体的に説明すると、前軸35と後軸36の螺着によって、グリップ部材38の両端部に形成された面取り部38aの半分程度が略全周に渡って圧縮されるが、後軸36の切り機基部41に位置する面取り部は圧縮されない。その結果、そのグリップ部材38の圧縮されない部分は、塑性変形が発生せず、もって、長期に渡って緩み防止が維持されることになる。
第1例の正面外観図。 図1の側面図。 図1の縦断面図。 第1例の縦断面斜視図。 図1の横断面図。 軸筒と尾栓の組み立て過程を示す要部縦断面図。 軸筒と尾栓の組み立て過程を示す要部縦断面図。 軸筒の後方要部外観斜視図。 尾栓の側面外観図。 尾栓の外観斜視図。 尾栓の外観斜視図。 押圧操作部の外観斜視図。 図12の底面図。 第2例を示す要部外観斜視図。 第3例を示す側面図。 図15の縦断面図。 図15の要部拡大図。 後軸の要部外観斜視図。
1 軸筒
2 樹脂材質
3 尾栓
4 軸体
5 ボールペン体
6 弾撥部材
7 ボールペンチップ
8 回転子
9 摺動子
10 押圧操作部
11 クリップ
12 グリップ部
13 延出部
14 膨出部
15 円錐状部
16 雌ねじ
17 大径筒状部
18 小径筒状部
19 雄ねじ
20 案内筒部
21 位置決め突起
22 面取り部
23 刻印
24 内面突起
25 縦スリット
26 係止片
27 内面リブ
28 筒部
29 リブ
30 軸筒
31 キャップ
32 Oリング
33 切欠部
34 軸体
35 前軸
36 後軸
37 細径部
38 グリップ部材
39 雄ねじ部
40 雌ねじ部
41 切欠部

Claims (6)

  1. 軸筒に軟質部材が取り付けられると共に、その軟質部材を軸筒に取り付ける栓体によって圧縮せしめた軸体であって、その栓体に軟質部材が部分的に入り込む切欠部を形成した軸体。
  2. 前記軟質部材を軸筒に2色成形、或いは、異材質成形の手段によって一体的に形成した請求項1記載の軸体。
  3. 前記軟質部材の長さを軸筒の長さよりも長く形成した請求項1、或いは、請求項2に記載の軸体。
  4. 前記軸筒よりも長く形成した軟質部材の延出部の外径を非延出部の外径よりも小さくした請求項3の何れかに記載の軸体。
  5. 前記軸筒と栓体との取り付け部近傍にいける軸筒の外径を開口部に向かって拡径した請求項3、或いは、請求項4に記載の軸体。
  6. 前記栓体を軸筒に対して螺合せしめると共に、着脱自在に取り付けた請求項1〜請求項5の何れかに記載の軸体。
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