JP2011108675A - 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】高い電導度と高い火花電圧を有し、長期安定性に優れた電解コンデンサ用電解液とそれを用いた電解コンデンサの提供。
【解決手段】カルボン酸成分(A)とテトラエチルアンモニウム,スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム等からなる群(1),N−メチルピロリジン,N−エチルピロリジン等からなる群(2),ジエチルアミン等からなる群(3),1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等からなる群(4),1,2,3,5−テトラメチルピラゾリウム等からなる群(5),N−ブチル−3−メチルピリジニウム等からなる群(6)のいずれかの群から選択した塩基成分(B)からなる電解質において、カルボン酸成分(A)と塩基成分(B)のモル比が、カルボン酸成分(A)を過剰にした電解コンデンサ用電解液とそれを用いた電解コンデンサ。電解コンデンサ用電解液とそれを用いた電解コンデンサは、高い電導度と火花電圧を有し、長期安定性に優れる。
【選択図】なし

Description

本発明は、高い電導度と火花電圧を有し、長期安定性に優れた電解コンデンサ用電解液とそれを用いた電解コンデンサに関する。
従来における電解コンデンサ用電解液としては、低温での粘性が低いγ−ブチロラクトン等の溶媒に有機酸や無機酸又はそれらの塩を電解質として溶解させたものが用いられている。例えば、テトラメチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムと、マレイン酸、フタル酸等のジカルボン酸との塩からなる電解質を、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール等の溶媒に溶解させたものが知られている。
電解液の中でも、電導度は電解コンデンサの損失、インピーダンス特性などに直接関わることから、近年高い電導度を有する電解コンデンサ用電解液の開発が盛んに行われている。この中でもカルボン酸をアニオンとした第四級アンモニウム塩を溶解質塩としたものが高い電導度を得られるということで注目されている(特許文献1)。
このような高電導度の電解液は、一般に電解液自体の火花電圧が低く、定格電圧が50V以下の領域で用いられてきた。定格電圧が50Vを超える領域での使用には、高圧領域で用いられるホウ酸−エチレングリコール系電解液などと混合した複合系の電解液とすることで火花電圧の向上が図れるが、この場合高圧用の電解液は電導度が低い欠点がある(特許文献2、特許文献3)。
火花電圧を向上させるために、コロイダルシリカを添加した電解コンデンサ用電解液もあるが、十分な火花電圧と電導度が得られない欠点があった(特許文献4)。
以上のように電導度と火花電圧に優れた電解コンデンサが求められている。
特開平3−6646号公報 特開平5−144674号公報 特開平2−168258号公報 特開2001−102270号公報
本発明の目的は、高い電導度と火花電圧を有し、長期安定性に優れた電解コンデンサ用電解液とそれを用いた電解コンデンサを提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、カルボン酸成分(A)と一般式(1)〜(6)のいずれかで表される塩基成分(B)からなる電解質において、カルボン酸成分(A)と一般式(1)〜(6)のいずれかで表される塩基成分(B)のモル比がカルボン酸成分(A)を過剰にした電解コンデンサ用電解液とそれを用いた電解コンデンサが上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
第一の発明は、カルボン酸成分(A)と下記一般式(1)〜(6)より表される塩基成分(B)からなる電解質塩をγ−ブチロラクトンを主成分とする有機溶媒に溶解させ、コロイダルシリカを含有させた電解液からなる電解コンデンサ用電解液において、
電解コンデンサ用電解液に含有されるカルボン酸成分(A)と塩基成分(B)とのモル比が、カルボン酸成分(A)が過剰であることを特徴とする電解コンデンサ用電解液である。
Figure 2011108675
(式(1)〜(6)中、R〜R25は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、水酸基であり、RとR、RとR、RとRは連結し、炭素数2〜6のアルキレン基を形成しても良い。)
第二の発明は、カルボン酸成分(A)がフタル酸、マレイン酸、安息香酸からなる群より選ばれる一種であることを特徴とする第一の発明に記載の電解コンデンサ用電解液である。
第三の発明は、塩基成分(B)が、テトラエチルアンモニウム、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジンの群より選ばれる1種以上である第一又は第二の発明に記載の電解コンデンサ用電解液である。
第四の発明は、コロイダルシリカの添加量が、0.1〜20質量%であることを特徴とする第一から第三の発明のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液である。
第五の発明は、コロイダルシリカの粒径が、4〜50nmであることを特徴とする第一から第四の発明のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液である。
第六の発明は、電解コンデンサ用電解液に含有されるカルボン酸成分(A)と塩基成分(B)のモル比が、(A):(B)=1.005〜1.50:1であることを特徴とする第一から第五の発明のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液である。
第七の発明は、第一から第六の発明のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液を用いてなることを特徴とする電解コンデンサである。
本発明によれば、高い電導度と高い火花電圧を共に有し、長期安定性に優れた電解コンデンサ用電解液とそれを用いた電解コンデンサを得ることができる。
本発明の電解コンデンサ用電解液について説明する。
本発明の電解コンデンサ用電解液に用いる電解質塩は、カルボン酸成分(A)と一般式(1)〜(6)のいずれかより表される塩基成分(B)からなる塩である。
カルボン酸成分(A)は、カルボン酸が置換している有機化合物であり、芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸等の有機カルボン酸である。具体的には、例えば、芳香族カルボン酸:(例えばフタル酸、サリチル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、安息香酸、レゾルシン酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸)、脂肪族カルボン酸:([飽和カルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ペンチルマロン酸、ヘキシルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルプロピルマロン酸、メチルブチルマロン酸、エチルプロピルマロン酸、ジプロピルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3−メチル−3−エチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデカン酸、ボロジグリコール酸、ボロジシュウ酸、ボロジサリチル酸]、[不飽和カルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸])等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。
これらの中でも、電導度が高く熱的にも安定な点から、フタル酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、ボロジグリコール酸、ボロジシュウ酸、ボロジサリチル酸が好ましく、マレイン酸が特に好ましく挙げられる。
塩基成分(B)は、下記一般式(1)〜(6)より表される化合物が挙げられる。
Figure 2011108675
一般式(1)〜(6)中、R〜R25は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、水酸基であり、RとR、RとR、RとRは連結し、炭素数2〜6のアルキレン基を形成しても良い。
一般式(1)の具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトライソプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、ジメチルエチルメトキシエチルアンモニウム、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウム、ジメチルエチルエトキシエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、ジメチルエチルプロピルアンモニウム、トリエチルプロピルアンモニウム、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウム、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウム等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、テトラエチルアンモニウム、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムが特に好ましく挙げられる。
一般式(2)の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメトキシアミン、ジメチルメトキシアミン、ジメチルエトキシアミン、ジエチルエトキシアミン、メチルエチルメトキシアミン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−プロピルピロリジン、N−イソプロピルピロリジン、N−ブチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、N−イソプロピルピペリジン、N−ブチルピペリジン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジンが特に好ましく挙げられる。
一般式(3)の具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルイソプロピルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イソプロピルブチルアミン等が挙げられる。
一般式(4)の具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,3−ジプロピルイミダゾリウム、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、1,3−ジブチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム等が挙げられる。
一般式(5)の具体例としては、1,2−ジメチルピラゾリウム、1−メチル−2−エチルピラゾリウム、1,2−ジエチルピラゾリウム、1,2−ジプロピルピラゾリウム、1,2−ジブチルピラゾリウム、1−メチル−2−プロピルピラゾリウム、1−メチル−2−ブチルピラゾリウム、1−メチル−2−ヘキシルピラゾリウム、1−メチル−2−オクチルピラゾリウム、1−メチル−2−ドデシルピラゾリウム、1,2,3,5−テトラメチルピラゾリウム、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム、1−エチル−3−メトキシ−2,5−ジメチルピラゾリウム、3−フェニル−1,2,5−トリメチルピラゾリウム、3−メトキシ−5−フェニル−1−エチル−2−エチルピラゾリウム、1,2−テトラメチレン−3,5−ジメチルピラゾリウム、1,2−テトラメチレン−3−フェニル−5−メチルピラゾリウム、1,2−テトラメチレン−3−メトキシ−5−メチルピラゾリウム等が挙げられる。
一般式(6)の具体例としては、N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、N−プロピルピリジニウム、N−イソプロピルピリジニウム、N−ブチルピリジニウム、N−ヘキシルピリジニウム、N−オクチルピリジニウム、N−ドデシルピリジニウム、N−メチル−3−メチルピリジニウム、N−エチル−3−メチルピリジニウム、N−プロピル−3−メチルピリジニウム、N−ブチル−3−メチルピリジニウム、N−ブチル−4−メチルピリジニウム、N−ブチル−4−エチルピリジニウム等が挙げられる。
本発明は、カルボン酸成分(A)と一般式(1)〜(6)のいずれかより表される塩基成分(B)とからなる電解質塩を有機溶媒に溶解させた電解液からなる電解コンデンサ用電解液において、
電解コンデンサ用電解液に含有されるカルボン酸成分(A)と一般式(1)〜(6)のいずれかより表される塩基成分(B)とのモル比において、カルボン酸成分(A)が過剰であることを特徴とする電解コンデンサ用電解液である。
電解コンデンサ用電解液に含有されるカルボン酸成分(A)と一般式(1)〜(6)のいずれかで表される塩基成分(B)とのモル比が、(A):(B)=1.005〜1.50:1が好ましく、(A):(B)=1.01〜1.40:1がより好ましく、(A):(B)=1.02〜1.30:1が特に好ましく挙げられる。
電解コンデンサ用電解液に含有されるカルボン酸成分(A)と一般式(1)〜(6)のいずれかで表される塩基成分(B)とのモル比を、(A):(B)=1.005〜1.50:1の範囲にすることで火花電圧を特異的に向上させることができるため、150V以上の火花電圧と10mS/cm以上の電導度を得ることができる。
電解質塩の添加量は、1.0〜60質量%が好ましく、5.0〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%が特に好ましく挙げられる。
1.0質量%未満の場合、十分な火花電圧が得られない欠点があり、60質量%超の場合、比抵抗が上昇する欠点がある。
本発明の電解コンデンサ用電解液にコロイダルシリカを添加することで、火花電圧を向上させている。
コロイダルシリカとは、SiO又はその水和物のコロイドで、粒径が4〜300nmで一定の構造をもたないものである。ケイ酸塩に希塩酸を作用させた後に、透析で得ることができる。
コロイダルシリカは、溶媒にほとんど溶解せず、一般に適当な分散溶媒中に分散させたコロイド溶液として電解液に添加する。
電解コンデンサ用電解液はコロイダルシリカを0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜10質量%添加することを特徴とした電解液である。0.1質量%未満の場合、火花電圧向上効果がなく、20質量%超では、電導度が低下する欠点を有する。
本発明で用いるコロイダルシリカは、粒径がいずれのものでもよく、好ましくは4〜50nmであり、より好ましくは6〜30nmである。
本発明の電解コンデンサ用電解液はさらに添加剤を含有しても良い。
前記添加剤としては、ジブチルリン酸又は亜リン酸のリン酸化合物、ホウ酸、ホウ酸とマンニット、ソルビット等の錯化合物やホウ酸とエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールとの錯化合物等のホウ素化合物、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等のニトロ化合物が挙げられる。
電解液の火花電圧を向上させる点からジブチルリン酸又は亜リン酸のリン酸化合物が特に好ましく挙げられる。
添加量は0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく挙げられる。
0.1質量%未満の場合、十分な火花電圧が得られない欠点があり、30質量%超の場合、電導度が低下する欠点がある。
電解コンデンサ用電解液に用いる有機溶媒は、非プロトン溶媒であるγ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒が挙げられる。γ−ブチロラクトン単独で用いても良いし、副成分を含有させた複合溶媒を用いても良い。
前記副成分としては、プロトン性極性溶媒又は非プロトン性溶媒を用いることができる。プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性の極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、スルホラン系(スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)、鎖状スルホン系(ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン)、環状アミド系(N−メチル−2−ピロリドン等)、カーボネイト類(エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチルー2−イミダゾリジノン等)〕等が挙げられる。
これらの中でも、副成分としては、エチレングリコール又はスルホランが好ましく挙げられる。
本発明の電解液に含有する水分量は、特に限定されないが、0.001〜30質量%が好ましく、0.005〜20質量%がより好ましく、0.01〜10質量%が特に好ましく挙げられる。
0.001質量%未満の場合及び30質量%超の場合は、十分な電導度と火花電圧が得られない欠点がある。
本発明の電解コンデンサ用電解液において、カルボン酸成分を過剰とすることによって、高い電導度と高い火花電圧を共に有し、長期安定性に優れた電解コンデンサ用電解液とそれを用いた電解コンデンサを得ることができる。
電解液中のカルボン酸成分を過剰にしているため、電解質塩基成分の電気化学的な変質により塩基性物質が生成された場合にも、過剰なカルボン酸やカルボンアニオンが速やかに塩基性物質と中和反応することになるため、電解液中のpHの上昇を抑制できるものである。このような作用により電解質塩基成分の電気化学的な変質により塩基性物質が生成された場合にも、電導度、火花電圧の低下が起こらないため、安定した電導度と火花電圧を得ることができる。
本発明のコンデンサの仕様は、300Vで化成した陽極箔を、セパレータ、陰極箔と共に巻回し、巻回端面からリード線を導出させたコンデンサ素子に電解液を含浸(80℃、減圧化)した後、この素子を金属ケースに収納し、開口部を封口ゴムで閉じ、外装ケースの端部を巻き締めて電解コンデンサとする。
電解コンデンサの求められている性能としては、電導度は6mS/cm以上が好ましく、8mS/cm以上がより好ましく、10mS/cm以上が特に好ましく挙げられる。火花電圧は50V以上が好ましく、100V以上がより好ましく、150V以上が特に好ましく挙げられる。
以下、発明を実施例に基づき説明する。なお、本発明は、実施例により、なんら限定されるものではない。実施例中の「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
(実施例1)
マレイン酸116.2部(1.001mol)を含む20%マレイン酸水溶液と、35%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液420.8部(1.00mol)を混合して、テトラエチルアンモニウムマレイン酸水溶液を得た後、日産化学株式会社製20%コロイダルシリカ(スノーテックスN、シリカ粒径10〜20nm)水溶液283.0部と、γ−ブチロラクトン1585部を混合、80℃で濃縮して、電解液を得た。
(実施例2〜17)
マレイン酸を、表1に示したモル数になるように使用して、実施例1と同様の方法にて、電解液を得た。
(実施例18)
実施例1のテトラエチルアンモニウムをスピロ−(1,1‘)−ビピロリジニウムに代え、表1に示したモル数になるようにした以外は、実施例1と同様の方法で電解コンデンサ用電解液を得た。
(実施例19)
実施例1のテトラエチルアンモニウムをN−メチルピロリジンに代え、表1に示したモル数になるようにした以外は、実施例1と同様の方法で電解コンデンサ用電解液を得た。
(実施例20)
実施例1のテトラエチルアンモニウムをN−エチルピロリジンに代え、表1に示したモル数になるようにした以外は、実施例1と同様の方法で電解コンデンサ用電解液を得た。
(実施例21)
実施例1のテトラエチルアンモニウムをジエチルアンモニウムに代え、表1に示したモル数になるようにした以外は、実施例1と同様の方法で電解コンデンサ用電解液を得た。
(実施例22)
実施例1のテトラエチルアンモニウムを1−エチル−3−メチルイミダゾリウムに代え、表1に示したモル数になるようにした以外は、実施例1と同様の方法で電解コンデンサ用電解液を得た。
(実施例23)
実施例1のテトラエチルアンモニウムを1,2,3,5−テトラメチルピラゾリウムに代え、表1に示したモル数になるようにした以外は、実施例1と同様の方法で電解コンデンサ用電解液を得た。
(実施例24)
実施例1のテトラエチルアンモニウムをN−ブチル−3−メチルピリジニウムに代え、表1に示したモル数になるようにした以外は、実施例1と同様の方法で電解コンデンサ用電解液を得た。
(比較例1、2)
マレイン酸を、表1に示したモル数になるように使用して、実施例1と同様の方法にて、電解液を得た。
実施例1〜24、比較例1、2より得られた電解液を用いて以下の方法により、電解コンデンサを製造した。
300Vで化成した陽極箔を、セパレータ、陰極箔と共に巻回し、巻回端面からリード線を導出させたコンデンサ素子に、得られた電解液を減圧下、80℃で含浸し、この素子を金属ケースに収納し、開口部を封口ゴムで閉じ、外装ケースの端部を巻き締めて電解コンデンサとした。この電解コンデンサは、定格電圧160WV、静電容量22μF、外形寸法は10φ×200である。
以下に、電解液の電導度の評価方法と電解コンデンサの火花電圧の評価方法、耐熱性の評価方法をまとめた。
(電導度の評価方法)
電導度の評価方法は、電解コンデンサ用電解液の30℃における電導度(mS/cm)を、横河電機株式会社製SCメーターSC72を用いて測定した。
(火花電圧の評価方法)
火花電圧の評価方法は、各電解液を用いた電解コンデンサを作製し、25℃で、5mAの定電流を印加し、電圧−時間カーブを調べることで行い、電圧の上昇カーブで始めにスパーク又はシンチレーションが観測された電圧(V)を火花電圧とした。
(耐熱性の評価)
耐熱性は、温度105℃の条件下で、2000時間後の電導度、火花電圧を測定した。
電解コンデンサの電導度、火花電圧、耐熱性の測定結果を表1に示す。
Figure 2011108675
表中の略号は下記の通りである。
TEA:テトラエチルアンモニウム
SBP:スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム
MP:N−メチルピロリジン
EP:N−エチルピロリジン
DEA:ジエチルアミン
EMI:1−エチル−3−メチルイミダゾリウム
TM−PZL:1,2,3,5−テトラメチルピラゾリウム
BMP:N−ブチル−3−メチルピリジニウム
MA:マレイン酸
表1より、比較例と比較すると実施例では電導度が高く、かつ、火花電圧に優れていることがわかった。また、耐熱性試験においても優れているため、長期安定性を有することがわかった。
特に実施例7〜13が優れた電導度、火花電圧、耐熱性であった。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、電導度や火花電圧に優れているため、広範な産業分野において用いることができる。

Claims (7)

  1. カルボン酸成分(A)と下記一般式(1)〜(6)より表される塩基成分(B)からなる電解質塩をγ−ブチロラクトンを主成分とする有機溶媒に溶解させ、コロイダルシリカを含有させた電解液からなる電解コンデンサ用電解液において、
    電解コンデンサ用電解液に含有されるカルボン酸成分(A)と塩基成分(B)とのモル比が、カルボン酸成分(A)が過剰であることを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
    Figure 2011108675
    (式(1)〜(6)中、R〜R25は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、水酸基であり、RとR、RとR、RとRは連結し、炭素数2〜6のアルキレン基を形成しても良い。)
  2. カルボン酸成分(A)がフタル酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、ボロジグリコール酸、ボロジシュウ酸、ボロジサリチル酸からなる群より選ばれる一種であることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ用電解液。
  3. 塩基成分(B)が、テトラエチルアンモニウム、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジンの群より選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載の電解コンデンサ用電解液。
  4. コロイダルシリカの添加量が、0.1〜20質量%であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液。
  5. コロイダルシリカの粒径が、4〜50nmであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液。
  6. 電解コンデンサ用電解液に含有されるカルボン酸成分(A)と塩基成分(B)のモル比が、(A):(B)=1.005〜1.50:1であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液を用いてなることを特徴とする電解コンデンサ。
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