JP2014041896A - 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ - Google Patents

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勝之 瀬野
Toshiyuki Kiryu
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Abstract

【課題】高い火花電圧を有し、電導度と火花電圧の耐熱性に優れた電解コンデンサを製造することのできる電解コンデンサ用電解液及びそれを用いて作製した電解コンデンサを提供する。
【解決手段】電解質塩と有機溶媒を少なくとも含有する電解コンデンサ用電解液において、電解質塩中の陽イオンが、トリメチルアミンカチオン、N−メチルピロリジンカチオン等の特定のアンモニウム塩であり、陰イオンがモノカルボン酸化合物アニオンである。
【選択図】なし

Description

本発明は、高い電導度と火花電圧を有し、耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液とそれを用いた電解コンデンサに関する。
従来、電解コンデンサ用電解液としては、有機溶媒に有機酸や無機酸又はそれらの塩を電解液として溶解させたものが用いられている。
電解液の中でも、電導度は電解コンデンサの損失、インピーダンス特性等に直接関わることから、高い火花電圧と、電導度と火花電圧の耐熱性に優れる電解コンデンサ用電解液の開発が盛んに行われている。
特許文献1に開示されているように、通常、電解コンデンサ用電解液に用いる電解質塩のアニオンは、ジカルボン酸化合物アニオンやモノカルボン酸化合物アニオン等が用いられている。
特許文献2に開示されているように、カルボン酸化合物を有する電解質と、ニトロ化合物を有する化合物を含む駆動用電解液が開示されているが、該カルボン酸化合物及びニトロ化合物を用いても、十分な火花電電圧と、電導度と火花電圧の耐熱性が得られない問題があった。
以上のように高い火花電圧を有し、電導度と火花電圧の耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサが求められている。
特開平05−006839号公報 特開2005−39246号公報
本発明の目的は、高い火花電圧を有し、電導度と火花電圧の耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサを提供することである。
本発明は、電解質塩と有機溶媒を少なくとも含有する電解コンデンサ用電解液において、電解質塩が、一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物であることを特徴とする電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサである。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
第一の発明は、電解質塩と有機溶媒を少なくとも含有する電解コンデンサ用電解液において、
電解質塩が、下記一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物であることを特徴とする電解コンデンサ用電解液である。
Figure 2014041896
(式(1)〜(7)中、R〜R30は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、水酸基であり、隣接R同士は連結し、炭素数2〜6のアルキレン基を形成しても良い。Xは、下記一般式(I)で表されるモノカルボン酸化合物アニオンである。)
Figure 2014041896
(式(I)中、R31、R32は、それぞれ直鎖又は分岐していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、R33、R34は、それぞれ直鎖の炭素数1〜4のアルキル基である。)
第二の発明は、Xが、下記化合物(A)で表されるモノカルボン酸化合物アニオンであることを特徴とする第一の発明に記載の電解コンデンサ用電解液である。
Figure 2014041896
第三の発明は、第一又は第二の発明に記載の電解コンデンサ用電解液を用いてなることを特徴とする電解コンデンサである。
本発明によれば、高い火花電圧を有し、電導度と火花電圧の耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサを得ることができる。
本発明の電解コンデンサ用電解液について説明する。
本発明者らは鋭意検討した結果、電解質塩と有機溶媒を少なくとも含有する電解コンデンサ用電解液において、電解質塩が、一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物であることを特徴とする電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサが上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
<電解質塩>
本発明は、電解質塩として下記一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物を用いる。
Figure 2014041896
一般式(1)〜(7)で表される化合物中、R〜R30は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、水酸基であり、隣接するR同士は連結し、炭素数2〜6のアルキレン基を形成しても良い。Xは、下記一般式(I)で表されるモノカルボン酸化合物アニオンである。)
Figure 2014041896
(式(I)中、R31、R32は、それぞれ直鎖又は分岐していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、R33、R34は、それぞれ直鎖の炭素数1〜4のアルキル基である。)
一般式(1)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、アンモニウムカチオン、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトライソプロピルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、トリメチルエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、ジメチルジエチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルメトキシエチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルエトキシエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオン、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、アンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(2)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、トリプロピルアミンカチオン、トリイソプロピルアミンカチオン、トリブチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメトキシアミンカチオン、ジメチルメトキシアミンカチオン、ジメチルエトキシアミンカチオン、ジエチルエトキシアミンカチオン、メチルエチルメトキシアミンカチオン、N−メチルピロリジンカチオン、N−エチルピロリジンカチオン、N−プロピルピロリジンカチオン、N−イソプロピルピロリジンカチオン、N−ブチルピロリジンカチオン、N−メチルピペリジンカチオン、N−エチルピペリジンカチオン、N−プロピルピペリジンカチオン、N−イソプロピルピペリジンカチオン、N−ブチルピペリジンカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、N−メチルピロリジンカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(3)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、ジメチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン、ジイソプロピルアミンカチオン、ジプロピルアミンカチオン、ジブチルアミンカチオン、メチルエチルアミンカチオン、メチルプロピルアミンカチオン、メチルイソプロピルアミンカチオン、メチルブチルアミンカチオン、エチルイソプロピルアミンカチオン、エチルプロピルアミンカチオン、エチルブチルアミンカチオン、イソプロピルブチルアミンカチオン、ピロリジンカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、ジメチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン、メチルエチルアミンカチオン、ピロリジンカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(4)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジブチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(5)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(6)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジプロピルピラゾリウムカチオン、1,2−ジブチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−プロピルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ブチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ヘキシルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−オクチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ドデシルピラゾリウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−3−メトキシ−2,5−ジメチルピラゾリウムカチオン、3−フェニル−1,2,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、3−メトキシ−5−フェニル−1−エチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3,5−ジメチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3−フェニル−5−メチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3−メトキシ−5−メチルピラゾリウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(7)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−プロピルピリジニウムカチオン、N−イソプロピルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−ヘキシルピリジニウムカチオン、N−オクチルピリジニウムカチオン、N−ドデシルピリジニウムカチオン、N−メチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−プロピル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−4−エチルピリジニウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−メチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(I)で表されるモノカルボン酸化合物アニオンとしては、下記化合物(A)〜(M)を挙げることができる。
Figure 2014041896
Figure 2014041896
これらの中でも化合物(A)で表されるモノカルボン酸化合物アニオンが、電導度と火花電圧の耐熱性に優れる点より、特に好ましく挙げられる。
また、電解質塩に用いるアニオンとして他のカルボン酸化合物アニオンを用いても良い。他のカルボン酸化合物アニオンの具体的としては、芳香族カルボン酸:(例えばフタル酸、サリチル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、安息香酸、レゾルシン酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、マンデル酸)、脂肪族カルボン酸:([飽和カルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、3−tert−ブチルアジピン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ペンチルマロン酸、ヘキシルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルプロピルマロン酸、メチルブチルマロン酸、エチルプロピルマロン酸、ジプロピルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3−メチル−3−エチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデカン酸、ボロジグリコール酸、ボロジシュウ酸、ボロジサリチル酸、イタコン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸]、[不飽和カルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸])等が挙げられる。
電解コンデンサ用電解液における一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、1.0〜40質量%がより好ましく、2〜30質量%が特に好ましく挙げられる。
0.1質量%未満の場合、十分な電気特性が得られない欠点があり、50質量%超の場合、比抵抗が上昇する欠点がある。
<有機溶媒>
電解コンデンサ用電解液に用いる有機溶媒は、プロトン性極性溶媒又は非プロトン性極性溶媒を用いることができ、単独で用いても2種類以上混合して用いてもよい。
プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)等が挙げられる。
非プロトン性の極性溶媒としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、スルホラン系(スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)、鎖状スルホン系(ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン)、環状アミド系(N−メチル−2−ピロリドン等)、カーボネイト類(エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕等が挙げられる。
低中圧用の電解コンデンサに用いる場合には、γ−ブチロラクトンを主溶媒とする溶媒が好ましく用いられる。また、電解コンデンサ用電解液に含有する水分量は少ないほど好ましく挙げられる。
高圧用電解コンデンサに用いる場合には、エチレングリコールが好ましく挙げられる。また、電解コンデンサ用電解液に含有する水分量は、特に限定されないが、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく挙げられる。該水分量にすることで、良好な電導度を得ることができる。
<添加剤>
本発明の電解コンデンサ用電解液には、添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、コロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、ホウ酸、マンニット、ホウ酸とマンニット、ソルビット等の錯化合物やホウ酸とエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールとの錯化合物等のホウ素化合物、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等のニトロ化合物が挙げられる。
添加量は0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましく挙げられる。0.1質量%未満の場合、十分な火花電圧が得られない欠点があり、10質量%超の場合、電導度が低下する欠点がある。
<電解コンデンサ>
本発明の電解コンデンサは、上述した電解コンデンサ用電解液を用いてなることを特徴とする電解コンデンサである。
アルミ電解コンデンサを例にとり説明する。アルミ電解コンデンサは、アルミ箔の表面に陽極酸化処理によって酸化皮膜を誘電体として形成させた化成箔を陽極側電極に用い、当該陽極側電極に対向させて陰極側電極を配置し、両極間にセパレータを介在させ、そこに電解液を保持させて電解コンデンサを形成させたものである。
中低圧用の電解コンデンサに求められる性能としては、電導度は6mS/cm以上が好ましく、8mS/cm以上がより好ましく、10mS/cm以上が特に好ましく挙げられる。火花電圧は、160V以上が好ましく、180Vがより好ましく、200V以上が特に好ましく挙げられる。
高圧用の電解コンデンサに求められている性能としては、電導度は1mS/cm以上が好ましく、1.2mS/cm以上がより好ましく、1.5mS/cm以上が特に好ましく挙げられる。火花電圧は400V以上が好ましく、450V以上がより好ましく、500V以上が特に好ましく挙げられる。
以下、発明を実施例に基づき説明する。なお、本発明は、実施例により、なんら限定されるものではない。実施例中の「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
(実施例1)
3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール1モルと、酸化亜鉛0.05モルと、水酸化カリウムを加えて250℃で2時間撹拌して反応させた。反応後、反応液を200℃まで冷却した後、水酸化ナトリウム0.55モルを加え、280℃で1時間撹拌して反応させた。反応後、トルエンと水を加え、固形物を溶解させた後、希硫酸をメチルオレンジ変色点まで加え、水洗浄後、減圧蒸留して、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチルオクタン酸を得た。
次に、炭酸アンモニウム78モルとエチレングリコール245部と、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチルオクタン酸39モルと、を混合して40℃で撹拌し、その後、50torrで1時間減圧し、炭酸及びアンモニアを除去して、アンモニウム−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチルオクタン(カチオン:アンモニウムカチオン、アニオン:化合物(A))を得た。
アンモニウム−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチルオクタン8部と、エチレングリコール92部とを混合させて電解コンデンサ用電解液を得た。
(実施例2〜4、比較例1〜4)
実施例1に記載したアンモニウム−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチルオクタンの代わりに、表1に対応する電解質塩を用いた以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサ用電解液を得た。なお、表1に記載の化合物(A)〜(D)は、モノカルボン酸アニオンの具体例で示した化合物(A)〜(D)のことである。
以下に、電解コンデンサ用電解液の電導度及び火花電圧とそれらの耐熱性の評価方法をまとめた。
(電導度の評価方法)
電導度の評価方法は、電解コンデンサ用電解液(実施例1〜4、比較例1〜4)の30℃における電導度(mS/cm)を、横河電機株式会社製SCメーター SC72を用いて測定した。耐熱性は、温度105℃の条件下で、2000時間後の電導度を測定した。
(火花電圧の評価方法)
火花電圧の評価方法は、電解コンデンサ用電解液(実施例1〜4、比較例1〜4)に、25℃で5mA/cmの定電流を印加し、電圧−時間カーブを調べることで行い、電圧の上昇カーブを始めにスパーク又はシンチレーションが観測された電圧を火花電圧(V)とした。耐熱性は、温度105℃の条件下で、2000時間後の火花電圧を測定した。
電解コンデンサ用電解液の電導度(mS/cm)及び火花電圧(V)、及びそれらの耐熱性試験の測定結果を表1に示す。
Figure 2014041896
表中の略語は以下の通りである。
<電解質塩のアニオン>
化合物(a):1,6−デカンジカルボン酸アニオン
化合物(b):2−ヘキシルデカン酸アニオン
化合物(c):アゼライン酸アニオン
化合物(d):ホウ酸アニオン
表1より、比較例1〜4より実施例1〜4の方が、火花電圧が高く、かつ、電導度と火花電圧の耐熱性に優れていることがわかった。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、高い火花電圧を有し、かつ、電導度と火花電圧の耐熱性に優れているため、広範な産業分野において用いることができる。

Claims (3)

  1. 電解質塩と有機溶媒を少なくとも含有する電解コンデンサ用電解液において、
    電解質塩が、下記一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物であることを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
    Figure 2014041896
    (式(1)〜(7)中、R〜R30は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、水酸基であり、隣接R同士は連結し、炭素数2〜6のアルキレン基を形成しても良い。Xは、下記一般式(I)で表されるモノカルボン酸化合物アニオンである。)
    Figure 2014041896
    (式(I)中、R31、R32は、それぞれ直鎖又は分岐していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、R33、R34は、それぞれ直鎖の炭素数1〜4のアルキル基である。)
  2. が、下記化合物(A)で表されるモノカルボン酸化合物アニオンであることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ用電解液。
    Figure 2014041896
  3. 請求項1又は2に記載の電解コンデンサ用電解液を用いてなることを特徴とする電解コンデンサ。
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