JP2013219298A - 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】高い電導度と火花電圧を有し、耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサを提供する。
【解決手段】一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物と、コロイダルシリカと、有機溶媒と、を含有する電解コンデンサ用電解液において、スルホン酸基を有する重合体を含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ。
【選択図】なし
【解決手段】一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物と、コロイダルシリカと、有機溶媒と、を含有する電解コンデンサ用電解液において、スルホン酸基を有する重合体を含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ。
【選択図】なし
Description
本発明は、高い電導度と火花電圧を有し、耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液とそれを用いた電解コンデンサに関する。
従来、電解コンデンサ用電解液としては、有機溶媒に有機酸や無機酸又はそれらの塩を電解液として溶解させたものが用いられている。
電解液の中でも、電導度は電解コンデンサの損失、インピーダンス特性等に直接関わることから、高い電導度及び火花電圧を有する電解コンデンサ用電解液の開発が盛んに行われている。
特許文献1に開示されているように、火花電圧を向上させるための添加剤としては、スルファミン酸、スベリン酸、リン酸ドデシル、多孔性ポリイミド等が知られている。いずれも初期の火花電圧は優れているが、使用しているとすぐに劣化してしまい、耐熱性に劣る問題があった。
特許文献2には高い電導度を維持させたまま、火花電圧を向上させるために、無機酸化コロイド粒子であるコロイダルシリカを用いて火花電圧を向上させる技術が開示されている。しかしながら、コロイダルシリカを含有した電解液は、初期の火花電圧は高いものの、使用時にゲル化するためショートしてしまい、耐熱性に劣る問題点があった。
以上のように高い電導度と火花電圧を有し、耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサが求められている。
本発明の目的は、高い電導度と火花電圧を有し、耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサを提供することである。
本発明は、一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物と、コロイダルシリカと、有機溶媒と、を含有する電解コンデンサ用電解液において、スルホン酸基を有する重合体を含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサである。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
第一の発明は、下記一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物と、コロイダルシリカと、有機溶媒と、を含有する電解コンデンサ用電解液において、スルホン酸基を有する重合体を含有していることを特徴とする電解コンデンサ用電解液である。
第二の発明は、スルホン酸基を有する重合体が、イソプレンスルホン酸、メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種を用いて重合させた重合体であることを特徴とする第一の発明に記載の電解コンデンサ用電解液である。
第三の発明は、電解コンデンサ用電解液中におけるスルホン酸基を有する重合体の含有量が、0.001〜2.0質量%であることを特徴とする第一又は第二の発明に記載の電解コンデンサ用電解液である。
第四の発明は、コロイダルシリカが、酸性コロイダルシリカ又はアンモニア安定型コロイダルシリカであることを特徴とする第一から第三の発明のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液である。
第五の発明は、電解コンデンサ用電解液中におけるコロイダルシリカの含有量が、0.1〜20質量%であることを特徴とする第一から第四の発明のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液である。
第六の発明は、第一から第五の発明のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液を用いてなることを特徴とする電解コンデンサである。
本発明によれば、高い電導度と火花電圧を有し、耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサを得ることができる。
本発明の電解コンデンサ用電解液について説明する。
本発明者らは鋭意検討した結果、一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物と、コロイダルシリカと、有機溶媒と、を含有する電解コンデンサ用電解液において、スルホン酸基を有する重合体を含有させた電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサが上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
一般式(1)〜(7)で表される化合物中、R1〜R30は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、水酸基であり、隣接するR同士は連結し、炭素数2〜6のアルキレン基を形成しても良い。X−は、カルボン酸化合物アニオン又はホウ素化合物アニオンである。
一般式(1)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、アンモニウムカチオン、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトライソプロピルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、トリメチルエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、ジメチルジエチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルメトキシエチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルエトキシエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオン、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、アンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、アンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(2)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、トリプロピルアミンカチオン、トリイソプロピルアミンカチオン、トリブチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメトキシアミンカチオン、ジメチルメトキシアミンカチオン、ジメチルエトキシアミンカチオン、ジエチルエトキシアミンカチオン、メチルエチルメトキシアミンカチオン、N−メチルピロリジンカチオン、N−エチルピロリジンカチオン、N−プロピルピロリジンカチオン、N−イソプロピルピロリジンカチオン、N−ブチルピロリジンカチオン、N−メチルピペリジンカチオン、N−エチルピペリジンカチオン、N−プロピルピペリジンカチオン、N−イソプロピルピペリジンカチオン、N−ブチルピペリジンカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、N−メチルピロリジンカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、N−メチルピロリジンカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(3)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、ジメチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン、ジイソプロピルアミンカチオン、ジプロピルアミンカチオン、ジブチルアミンカチオン、メチルエチルアミンカチオン、メチルプロピルアミンカチオン、メチルイソプロピルアミンカチオン、メチルブチルアミンカチオン、エチルイソプロピルアミンカチオン、エチルプロピルアミンカチオン、エチルブチルアミンカチオン、イソプロピルブチルアミンカチオン、ピロリジンカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、ジメチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン、メチルエチルアミンカチオン、ピロリジンカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、ジメチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン、メチルエチルアミンカチオン、ピロリジンカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(4)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジブチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(5)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(6)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジプロピルピラゾリウムカチオン、1,2−ジブチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−プロピルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ブチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ヘキシルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−オクチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ドデシルピラゾリウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−3−メトキシ−2,5−ジメチルピラゾリウムカチオン、3−フェニル−1,2,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、3−メトキシ−5−フェニル−1−エチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3,5−ジメチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3−フェニル−5−メチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3−メトキシ−5−メチルピラゾリウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(7)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−プロピルピリジニウムカチオン、N−イソプロピルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−ヘキシルピリジニウムカチオン、N−オクチルピリジニウムカチオン、N−ドデシルピリジニウムカチオン、N−メチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−プロピル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−4−エチルピリジニウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−メチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、高い電導度を有し、さらに火花電圧が向上する点より、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−メチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
カルボン酸化合物アニオンとしては、カルボン酸が置換している有機化合物であり、芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸等の有機カルボン酸である。具体的には、例えば、芳香族カルボン酸:(例えばフタル酸、サリチル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、安息香酸、レゾルシン酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、マンデル酸)、脂肪族カルボン酸:([飽和カルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、3−tert−ブチルアジピン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ペンチルマロン酸、ヘキシルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルプロピルマロン酸、メチルブチルマロン酸、エチルプロピルマロン酸、ジプロピルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3−メチル−3−エチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデカン酸、ボロジグリコール酸、ボロジシュウ酸、ボロジサリチル酸、イタコン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸]、[不飽和カルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸])等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。
これらの中でも、電導度が高く熱的にも安定な点から、フタル酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸が好ましく挙げられる。
これらの中でも、電導度が高く熱的にも安定な点から、フタル酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸が好ましく挙げられる。
ホウ素化合物アニオンとしては、ホウ酸アニオン、ボロジアゼライン酸アニオン、ボロジサリチル酸アニオン、ボロジグリコール酸アニオン、ボロジ乳酸アニオン等が挙げられる。これらの中でも、火花電圧に優れる点より、ボロジアゼライン酸アニオン、ボロジサリチル酸アニオン、ボロジグリコール酸アニオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(1)〜(7)で表される化合物の中でも、特に一般式(1)〜(3)で表される化合物が、長期にわたり安定しているため高い電導度と火花電圧を得ることができるため特に好ましく挙げられる。
電解コンデンサ用電解液における一般式(1)〜(7)で表されるいずれかの化合物の含有量は、1.0〜60質量%が好ましく、5.0〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%が特に好ましく挙げられる。
1.0質量%未満の場合、十分な電気特性が得られない欠点があり、60質量%超の場合、比抵抗が上昇する欠点がある。
1.0質量%未満の場合、十分な電気特性が得られない欠点があり、60質量%超の場合、比抵抗が上昇する欠点がある。
<コロイダルシリカ>
コロイダルシリカとは、SiO2又はその水和物のコロイドで、粒径が1〜300nmで一定の構造をもたないものである。ケイ酸塩に希塩酸を作用させた後に、透析で得ることができる。粒径が小さくなるほどゲル化は進行しやすくなるが、粒径が大きくなるほどゲル化しにくくなる。本発明に用いるコロイダルシリカの粒径は、10〜30nmが好ましく挙げられ、より好ましくは20〜30nmが好ましく挙げられる。該粒径のコロイダルシリカを用いることで、ゲル状になりにくく、電解コンデンサ使用時にも安定に分散した状態で維持することができる。
コロイダルシリカとは、SiO2又はその水和物のコロイドで、粒径が1〜300nmで一定の構造をもたないものである。ケイ酸塩に希塩酸を作用させた後に、透析で得ることができる。粒径が小さくなるほどゲル化は進行しやすくなるが、粒径が大きくなるほどゲル化しにくくなる。本発明に用いるコロイダルシリカの粒径は、10〜30nmが好ましく挙げられ、より好ましくは20〜30nmが好ましく挙げられる。該粒径のコロイダルシリカを用いることで、ゲル状になりにくく、電解コンデンサ使用時にも安定に分散した状態で維持することができる。
コロイダルシリカは、水又は有機溶媒にほとんど溶解せず、一般に適当な分散溶媒中に分散させたコロイド溶液として電解液に添加して、電解コンデンサの使用時にも分散させた状態で用いることができる。
本発明に用いるコロイダルシリカは、ナトリウム安定型コロイダルシリカでも、酸性コロイダルシリカでも、アンモニア安定型コロイダルシリカでもよい。
ナトリウム安定型コロイダルシリカは、コロイダルシリカの表面がONa基となっている。酸性コロイダルシリカは、コロイダルシリカの表面が、Naを除去したOH基となっているコロイダルシリカであり、アンモニア安定型コロイダルシリカは、Naを除去してOH基にした後、アンモニア処理して表面をアンモニアイオンで安定化したコロイダルシリカである。
これらの中でも、ナトリウムイオンの含有量が少ない酸性コロイダルシリカ又はアンモニア安定型コロイダルシリカが好ましく挙げられる。
ナトリウム安定型コロイダルシリカは、コロイダルシリカの表面がONa基となっている。酸性コロイダルシリカは、コロイダルシリカの表面が、Naを除去したOH基となっているコロイダルシリカであり、アンモニア安定型コロイダルシリカは、Naを除去してOH基にした後、アンモニア処理して表面をアンモニアイオンで安定化したコロイダルシリカである。
これらの中でも、ナトリウムイオンの含有量が少ない酸性コロイダルシリカ又はアンモニア安定型コロイダルシリカが好ましく挙げられる。
電解コンデンサ用電解液中におけるコロイダルシリカの含有量は、0.1〜20質量%、より好ましくは0.2〜15質量%が挙げられ、特に好ましくは0.3〜10質量%が挙げられる。0.1質量%未満の場合、電解コンデンサの電気特性向上効果が小さく、20質量%超では、粘度が大きいため扱い辛い欠点がある。
コロイダルシリカの平均粒径は、いずれのものでもよく、好ましくは1〜50nmであり、より好ましくは1〜30nmであり、特に好ましくは20〜30nmである。前記平均粒径にすることで、溶媒における分散性に優れた電解コンデンサ用電解液を得ることができる。
コロイダルシリカの形状は、球状タイプ、鎖状タイプ、コロイダルシリカが環状に凝集して溶媒に分散した環状タイプのいずれであってもよい。
<有機溶媒>
電解コンデンサ用電解液に用いる有機溶媒は、プロトン性極性溶媒又は非プロトン性極性溶媒を用いることができ、単独で用いても2種類以上混合して用いてもよい。
電解コンデンサ用電解液に用いる有機溶媒は、プロトン性極性溶媒又は非プロトン性極性溶媒を用いることができ、単独で用いても2種類以上混合して用いてもよい。
プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)等が挙げられる。
非プロトン性の極性溶媒としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、スルホラン系(スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)、鎖状スルホン系(ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン)、環状アミド系(N−メチル−2−ピロリドン等)、カーボネイト類(エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕等が挙げられる。
低中圧用の電解コンデンサに用いる場合には、γ−ブチロラクトンを主溶媒とする溶媒が好ましく用いられる。また、電解コンデンサ用電解液に含有する水分量は少ないほど好ましく挙げられる。
高圧用電解コンデンサに用いる場合には、エチレングリコールが好ましく挙げられる。また、電解コンデンサ用電解液に含有する水分量は、特に限定されないが、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく挙げられる。該水分量にすることで、良好な電導度を得ることができる。
高圧用電解コンデンサに用いる場合には、エチレングリコールが好ましく挙げられる。また、電解コンデンサ用電解液に含有する水分量は、特に限定されないが、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく挙げられる。該水分量にすることで、良好な電導度を得ることができる。
<スルホ基を有する重合体>
本発明に用いるスルホン酸基を有する重合体について説明する。
本発明に用いるスルホン酸基を有する重合体について説明する。
本発明に用いるスルホン酸基を有する重合体は、少なくとも1種のスルホン酸基を有する単量体を重合させることで製造することができる。
スルホン酸基を有する単量体としては、イソプロピルスルホン酸、メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソミレンスルホン酸等が挙げられる。
スルホン酸基を有する重合体は、スルホン酸基を有する単量体由来の構成単位成分の単独重合でも、他の構成単位成分との共重合体でもよい。他の単位成分としては、カルボン酸基を有する単量体由来の構成成分が好ましく挙げられる。具体的には、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等が好ましく挙げられる。
スルホン酸基を有する重合体としては、例えば、ポリスチレンをスルホン化してなる重合体、スチレンスルホン酸の単独重合体又はその塩、スチレンスルホン酸と、このスチレンスルホン酸と共重合可能な単量体との共重合体又はその塩、スチレンスルホン酸塩やスチレンスルホン酸エチル等のスチレンスルホン酸誘導体の単独重合体、スチレンスルホン酸誘導体と、このスチレンスルホン酸誘導体と共重合可能な単量体との共重合体、ポリスチレンをスルホン化してベンゼン環にスルホン酸基又はその塩若しくは誘導体を導入した重合体等が挙げられる。スチレンスルホン酸塩の単独重合体、スチレンスルホン酸の単独重合体又はその塩、スチレンスルホン酸塩と、このスチレンスルホン酸塩と共重合可能な単量体との共重合体又はその塩、スチレンスルホン酸と、このスチレンスルホン酸と共重合可能な単量体との共重合体又はその塩が好ましく、スチレンスルホン酸塩の単独重合体、スチレンスルホン酸塩と、このスチレンスルホン酸塩と共重合可能な単量体との共重合体がより好ましく挙げられる。
スルホン酸基を有する重合体の具体例としては、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸カリウム、ポリメチルプロパンスルホン酸ナトリウム、ポリメチルプロパンスルホン酸カリウム、ポリイソプレンスルホン酸ナトリウム、ポリイソプレンスルホン酸カリウム、ポリメタリルスルホン酸ナトリウム、ポリメタリルスルホン酸カリウム、ポリビニルスルホン酸ナトリウム、ポリビニルスルホン酸カリウム等が挙げられる。
また、該共重合体としては、スルホン酸基を有する単量体と(メタ)アクリル酸との共重合体が好ましく挙げられる。(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタアクリル酸を表す。
共重合体の具体例としては、メタアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、メタアクリルアミド−スチレンスルホン酸共重合体、メタアクリルアミド−イソプレンスルホン酸共重合体、メタアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリルアミド−スチレンスルホン酸共重合体、アクリルアミド−イソプレンスルホン酸共重合体、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体又はそれらのナトリウム塩等が挙げられる。
これらの中でも、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムが好ましく挙げられる。
共重合体の具体例としては、メタアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、メタアクリルアミド−スチレンスルホン酸共重合体、メタアクリルアミド−イソプレンスルホン酸共重合体、メタアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリルアミド−スチレンスルホン酸共重合体、アクリルアミド−イソプレンスルホン酸共重合体、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体又はそれらのナトリウム塩等が挙げられる。
これらの中でも、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムが好ましく挙げられる。
スルホン酸基を有する重合体を構成する全構成単位中に占めるスルホン酸基含有単量体の構成単位の含有量としては、コロイダルシリカの凝集を防止する観点から、15モル%以上が好ましく、40モル%がより好ましく、50モル%が特に好ましく挙げられる。
スルホン酸基を有する重合体の平均分子量は、500〜7000が好ましく、700〜6000がより好ましく、1000〜5000が特に好ましく挙げられる。
スルホン酸基を有する重合体は、対イオンとの塩となっていてもよい。対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等の金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン等が挙げられる。
電解コンデンサ用電解液におけるコロイダルシリカと、スルホン酸基を有する重合体と、の質量比は、1:0.1〜1:0.001が好ましく挙げられる。該含有量にすることで、電導度及び火花電圧に悪影響を与えることなく、コロイダルシリカに起因するゲル化を防ぐことができる。
電解コンデンサ用電解液におけるスルホン基を有する重合体の含有量は、0.001〜2.0質量%が好ましく挙げられ、0.001〜1.0質量%がより好ましく挙げられ、0.01〜1.0質量%が特に好ましく挙げられる。0.001質量%未満であると、コロイダルシリカの凝集防止効果が十分に得られず、2.0質量%超であると、電解液における電導度が若干低下する恐れがある。
スルホン基を有する重合体を電解コンデンサ用電解液に含有させることで、加熱時、保存時、使用時におけるコロイダルシリカに起因するゲル化を防ぐことができ、長期に渡り、優れた電導度と火花電圧を維持することができる。
<添加剤>
本発明の電解コンデンサ用電解液には、添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、ポリビニルアルコール、ジブチルリン酸又は亜リン酸のリン酸化合物、ホウ酸、マンニット、ホウ酸とマンニット、ソルビット等の錯化合物やホウ酸とエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールとの錯化合物等のホウ素化合物、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等のニトロ化合物が挙げられる。
本発明の電解コンデンサ用電解液には、添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、ポリビニルアルコール、ジブチルリン酸又は亜リン酸のリン酸化合物、ホウ酸、マンニット、ホウ酸とマンニット、ソルビット等の錯化合物やホウ酸とエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールとの錯化合物等のホウ素化合物、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等のニトロ化合物が挙げられる。
添加量は0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましく挙げられる。0.1質量%未満の場合、十分な火花電圧が得られない欠点があり、10質量%超の場合、電導度が低下する欠点がある。
<電解コンデンサ>
本発明の電解コンデンサは、上述した電解コンデンサ用電解液を用いてなることを特徴とする電解コンデンサである。
アルミ電解コンデンサを例にとり説明する。アルミ電解コンデンサは、アルミ箔の表面に陽極酸化処理によって酸化皮膜を誘電体として形成させた化成箔を陽極側電極に用い、当該陽極側電極に対向させて陰極側電極を配置し、両極間にセパレータを介在させ、そこに電解液を保持させて電解コンデンサを形成させたものである。
本発明の電解コンデンサは、上述した電解コンデンサ用電解液を用いてなることを特徴とする電解コンデンサである。
アルミ電解コンデンサを例にとり説明する。アルミ電解コンデンサは、アルミ箔の表面に陽極酸化処理によって酸化皮膜を誘電体として形成させた化成箔を陽極側電極に用い、当該陽極側電極に対向させて陰極側電極を配置し、両極間にセパレータを介在させ、そこに電解液を保持させて電解コンデンサを形成させたものである。
中低圧用の電解コンデンサに求められる性能としては、電導度は6mS/cm以上が好ましく、8mS/cm以上がより好ましく、10mS/cm以上が特に好ましく挙げられる。火花電圧は、160V以上が好ましく、180Vがより好ましく、200V以上が特に好ましく挙げられる。
高圧用の電解コンデンサに求められている性能としては、電導度は1mS/cm以上が好ましく、2mS/cm以上がより好ましく、3mS/cm以上が特に好ましく挙げられる。火花電圧は400V以上が好ましく、450V以上がより好ましく、500V以上が特に好ましく挙げられる。
通常、コロイダルシリカ及び電解質塩を含有させた電解液を用いた電解コンデンサは、初期の火花電圧に優れているが、性能が低下してしまう欠点があった。火花電圧が低下する原因は使用時に、電解質塩を含有させることでコロイダルシリカの電荷バランスが崩れ、コロイダルシリカが凝集又は/及び重合してしまうためである。その結果、電解液がゲル化し、耐熱性に劣る問題があった。
本発明に用いるスルホン酸基を有する重合体を含有させることで、コロイダルシリカの電荷バランスが崩れるのを防ぐことが可能であり、凝集を起こりにくくなることで、ゲル化を防ぐことができる。その結果、優れた耐熱性を有する電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサを製造することができる。
以下、発明を実施例に基づき説明する。なお、本発明は、実施例により、なんら限定されるものではない。実施例中の「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
(実施例1)
フタル酸166部と、溶媒としてγ−ブチロラクトン548部とを混合させて撹拌しながら、N,N−ジメチルエチルアミン73.1部を滴下してフタル酸ジメチルエチルアミン溶液を得た後、コロイダルシリカA(日産化学工業社製、スノーテックスN−40、水分散液、固形分40%、平均粒径20〜30nm、pH9.0〜10)20.0部、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.5部と、を加えて混合し、80℃で濃縮して電解コンデンサ用電解液を得た。
フタル酸166部と、溶媒としてγ−ブチロラクトン548部とを混合させて撹拌しながら、N,N−ジメチルエチルアミン73.1部を滴下してフタル酸ジメチルエチルアミン溶液を得た後、コロイダルシリカA(日産化学工業社製、スノーテックスN−40、水分散液、固形分40%、平均粒径20〜30nm、pH9.0〜10)20.0部、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.5部と、を加えて混合し、80℃で濃縮して電解コンデンサ用電解液を得た。
(実施例2〜4、比較例1〜4)
表1に対応するように添加剤、コロイダルシリカ、電解質塩を用いた以外は実施例1と同様にして電解コンデンサ用電解液を得た。
表1に対応するように添加剤、コロイダルシリカ、電解質塩を用いた以外は実施例1と同様にして電解コンデンサ用電解液を得た。
(実施例5)
水1000部中に、ホウ酸61.8部、サリチル酸276部及びN−メチルピロリジン85.2部を入れ40℃1時間反応させた後、該溶液を減圧濃縮してボロジサリチル酸−N−メチルピロリジンの粗結晶を得た。該粗結晶を、メチルエチルケトンを用いて精製した。
得られたボロジサリチル酸−N−メチルピロリジンと、コロイダルシリカA(日産化学工業社製、スノーテックスN−40、水分散液、固形分40%、平均粒径20〜30nm、pH9.0〜10)と、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムと、をエチレングリコールとγ−ブチロラクトンの混合溶媒(質量比8:2)に加え、80℃で濃縮して、電解質塩の含有量25%、水分量1%とした電解コンデンサ用電解液を得た。
水1000部中に、ホウ酸61.8部、サリチル酸276部及びN−メチルピロリジン85.2部を入れ40℃1時間反応させた後、該溶液を減圧濃縮してボロジサリチル酸−N−メチルピロリジンの粗結晶を得た。該粗結晶を、メチルエチルケトンを用いて精製した。
得られたボロジサリチル酸−N−メチルピロリジンと、コロイダルシリカA(日産化学工業社製、スノーテックスN−40、水分散液、固形分40%、平均粒径20〜30nm、pH9.0〜10)と、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムと、をエチレングリコールとγ−ブチロラクトンの混合溶媒(質量比8:2)に加え、80℃で濃縮して、電解質塩の含有量25%、水分量1%とした電解コンデンサ用電解液を得た。
(実施例6〜8、比較例5〜8)
表2に対応するように添加剤、コロイダルシリカ、電解質塩を用いた以外は実施例5と同様にして電解コンデンサ用電解液を得た。
表2に対応するように添加剤、コロイダルシリカ、電解質塩を用いた以外は実施例5と同様にして電解コンデンサ用電解液を得た。
以下に、電解コンデンサ用電解液の電導度及び火花電圧と耐熱性の評価方法をまとめた。
(電導度の評価方法)
電導度の評価方法は、電解コンデンサ用電解液(実施例1〜8、比較例1〜8)の30℃における電導度(mS/cm)を、横河電機株式会社製SCメーターSC72を用いて測定した。耐熱性は、温度105℃の条件下で、2000時間後の電導度を測定した。
電導度の評価方法は、電解コンデンサ用電解液(実施例1〜8、比較例1〜8)の30℃における電導度(mS/cm)を、横河電機株式会社製SCメーターSC72を用いて測定した。耐熱性は、温度105℃の条件下で、2000時間後の電導度を測定した。
(火花電圧の評価方法)
火花電圧の評価方法は、電解コンデンサ用電解液(実施例1〜8、比較例1〜8)に、25℃で5mA/cm2の定電流を印加し、電圧−時間カーブを調べることで行い、電圧の上昇カーブを始めにスパーク又はシンチレーションが観測された電圧を火花電圧(V)とした。耐熱性は、温度105℃の条件下で、2000時間後の火花電圧を測定した。
火花電圧の評価方法は、電解コンデンサ用電解液(実施例1〜8、比較例1〜8)に、25℃で5mA/cm2の定電流を印加し、電圧−時間カーブを調べることで行い、電圧の上昇カーブを始めにスパーク又はシンチレーションが観測された電圧を火花電圧(V)とした。耐熱性は、温度105℃の条件下で、2000時間後の火花電圧を測定した。
電解コンデンサ用電解液の電導度(mS/cm)及び火花電圧(V)、及びそれらの耐熱性試験の測定結果を表1、2に示す。
表中の略語は以下の通りである。
<添加剤>
(1):ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
(2):ポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム
(3):ポリエチレングリコール(非イオン性界面活性剤)
<コロイダルシリカ>
コロイダルシリカA:アンモニア安定型コロイダルシリカ(日産化学工業(株)社、スノーテックスN−40、固形分40%、pH9.0〜10、平均粒径20〜30nm、形状:粒状)
コロイダルシリカB:酸性コロイダルシリカ(日産化学工業(株)社、スノーテックスO−40、固形分40%、pH2.0〜4.0、平均粒径20〜30nm、形状:球状)
<電解質塩>
(I):フタル酸N,N−ジメチルエチルアミン
(II):ボロジサリチル酸N−メチルピロリジン
<添加剤>
(1):ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
(2):ポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム
(3):ポリエチレングリコール(非イオン性界面活性剤)
<コロイダルシリカ>
コロイダルシリカA:アンモニア安定型コロイダルシリカ(日産化学工業(株)社、スノーテックスN−40、固形分40%、pH9.0〜10、平均粒径20〜30nm、形状:粒状)
コロイダルシリカB:酸性コロイダルシリカ(日産化学工業(株)社、スノーテックスO−40、固形分40%、pH2.0〜4.0、平均粒径20〜30nm、形状:球状)
<電解質塩>
(I):フタル酸N,N−ジメチルエチルアミン
(II):ボロジサリチル酸N−メチルピロリジン
表1、2より、比較例1〜8より実施例1〜8の方が、電導度と火花電圧が高く、かつ、耐熱性に優れていることがわかった。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、高い電導度及び火花電圧を有し、かつ、耐久性に優れているため、広範な産業分野において用いることができる。
Claims (6)
- スルホン酸基を有する重合体が、イソプレンスルホン酸、メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種を用いて重合させた重合体であることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ用電解液。
- 電解コンデンサ用電解液中におけるスルホン酸基を有する重合体の含有量が、0.001〜2.0質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解コンデンサ用電解液。
- コロイダルシリカが、酸性コロイダルシリカ又はアンモニア安定型コロイダルシリカであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液。
- 電解コンデンサ用電解液中におけるコロイダルシリカの含有量が、0.1〜20質量%であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液。
- 請求項1から5のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液を用いてなることを特徴とする電解コンデンサ。
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JP2015090934A (ja) * | 2013-11-06 | 2015-05-11 | カーリットホールディングス株式会社 | 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ |
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