JP2016192425A - 導電性高分子分散液及びその用途 - Google Patents

導電性高分子分散液及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた静電容量とESRを有する固体電解コンデンサを製造することのできる導電性高分子分散液及びそれを用いて作製した固体電解コンデンサの提供。【解決手段】導電性高分子、窒素含有カチオンの塩、ならびに、分散媒、を含有する導電性高分子分散液。この導電性高分子分散液は固体電解コンデンサの固体電解質層の形成に有用である。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性高分子分散液及びそれを用いて作製した固体電解コンデンサに関する。
ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子は、優れた安定性及び導電性を有することから、各種帯電防止剤、固体電解コンデンサ用電解質、防食塗料、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、メッキプライマー等への応用が期待されている。これらの導電性高分子物質は、一般に溶媒に不溶あるいは難溶であり、かつ、不融であるため成形、加工が困難であるという問題があった。このため、導電性高分子を微粒子あるいはフィラー状に粉砕して水や有機溶剤等の分散媒に分散させることにより、成形性や加工性を向上させる技術が知られている。
固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子を含有する固体電解質層を形成した構成を有するものが一般的である。導電性高分子を含有する固体電解質層を形成するために、置換又は非置換のチオフェン、ピロール、アニリン等のπ共役二重結合を有するモノマーから誘導された導電性高分子が広く用いられている。
固体電解質層の形成のための導電性高分子は水に不溶又は難溶性のものが多く、このような導電性高分子を含む固体電解質層を形成する方法としては、水に上記導電性高分子の粒子を分散させ、得られた分散液を陽極の酸化皮膜に含浸させ、乾燥する方法が知られている。該方法は、化学重合や電解重合により固体電解質層を形成する方法に比較して、簡便かつ迅速に固体電解質層を形成させることが可能である。
特許文献1には、分散媒として水と、3,4−エチレンジオキシチオフェン等のπ共役結合を有するモノマーから誘導された水不溶性又は水難溶性の導電性高分子の微粒子と、を含む固体電解コンデンサ用分散液が開示されている。該分散液は酸性であると、陽極酸化皮膜或いはコンデンサの周囲の電極部材等を腐食させる場合があり、中和剤を添加することにより分散液のpHを4〜10の範囲に調節するのが好ましいとの記載がある。
しかしながら、導電性高分子分散液を中性にすることで腐食を防ぐことはできるが、中和剤等の塩基性化合物を含有させることで、導電性高分子を、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属に均一に付着させることができないため、得られる固体電解コンデンサは静電容量及び等価直列抵抗(以下、「ESR」と略記する。)に劣る問題があった。
特開2013−55308号公報
本発明の目的は、優れた静電容量とESRを有する固体電解コンデンサを製造することのできる導電性高分子分散液及びそれを用いて作製した固体電解コンデンサ提供することである。
本発明者らが鋭意検討した結果、以下の内容の本発明を完成した。
本発明によれば、導電性高分子分散液は(I)導電性高分子、(II)窒素含有カチオンの塩、ならびに、(III)分散媒、を含有する。
上記(II)窒素含有カチオンの塩におけるアニオンは、好ましくはカルボン酸アニオンである。カルボン酸アニオンとして好ましくは下記一般式(a)
Figure 2016192425
で表されるアニオンが挙げられる。但し、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基のいずれかを示し、Rは、単結合、炭素数1〜6の2価の有機基又は−NH−を示す。
導電性高分子分散液には、上記(II)窒素含有カチオンの塩が好ましくは0.01〜50質量%含まれる。
上記(II)窒素含有カチオンの塩は、好ましくは、アンモニウム塩又はアミジン塩である。ここで、アンモニウムイオン及びアミジンイオンにおける1つ以上の水素原子は有機基で置換されていてもよい。
好適には、導電性高分子分散液には(IV)コロイダルシリカをさらに含有させてもよい。コロイダルシリカを含有させることで、得られる固体電解コンデンサの電気特性をさらに向上させることが可能である。
本発明によれば、固体電解コンデンサの製造方法は、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を上述の導電性高分子分散液に浸漬し引き上げた後、又は、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属に請求項1から5のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液と塗布した後、乾燥して、上記弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成させる工程を有する。また、本発明によれば、固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属と、前記弁作用金属上に形成された導電性高分子を含有する固体電解質層とを有し、前記固体電解質層が少なくとも(I)導電性高分子ならびに(II)窒素含有カチオンの塩を含有する。
本発明によれば、優れた静電容量とESRを有する固体電解コンデンサを製造することのできる導電性高分子分散液及びそれを用いて作製した固体電解コンデンサを提供することができる。
本発明の導電性高分子分散液は(I)導電性高分子、(II)窒素含有カチオンの塩、ならびに、(III)分散媒、を含有する。まず、(II)窒素含有カチオンの塩について説明する。
窒素含有カチオンの塩は、化学構造中に窒素元素を含むカチオンであり、例えば、アンモニウムイオン(NH )、前記アンモニウムイオンにおける1つ以上の水素原子が有機基に置換されたイオン、アミジンイオン(H−C(=NH)−NH )、前記アミジンイオンにおける1つ以上の水素原子が有機基で置換されたイオンなどが挙げられる。これらのイオンにおいて、水素原子から置換される有機基は2つ以上が連結して環構造を形成していてもよい。
窒素含有カチオンの塩はにおけるアニオンは特に限定は無く、好ましくは、カルボン酸アニオン(RCOO)、ホウ酸イオン、りん酸イオンであり、特に好ましくは、カルボン酸アニオンである。
カルボン酸アニオンにおけるカルボン酸は、芳香族カルボン酸であっても、脂肪族カルボン酸であってもよく、具体的には、例えば、芳香族カルボン酸:(例えばフタル酸、サリチル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、安息香酸、レゾルシン酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、マンデル酸)、脂肪族カルボン酸:([飽和カルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、3−tert−ブチルアジピン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ペンチルマロン酸、ヘキシルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルプロピルマロン酸、メチルブチルマロン酸、エチルプロピルマロン酸、ジプロピルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3−メチル−3−エチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、2,3−ジヒドロキシプロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、2,3−ジヒドロキシ酪酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデカン酸、イタコン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸]、[不飽和カルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸])等が挙げられる。
特に好ましくは、(II)窒素含有カチオンの塩におけるアニオンは、上記一般式(a)で表されるアニオンである。
上記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば炭素数1〜6のアルキル基、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基が挙げられる。炭素数1〜6の2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、t−ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基等のアルキレン基、ビニレン基、アリレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基等のアルケニレン基等が挙げられる。
上記カルボン酸として、特に好ましくは、下記化合物(A)〜(L)が挙げられる。
Figure 2016192425
上記化合物(A)〜(L)の中でも、得られる固体電解コンデンサのESRに優れる点より、化合物(A)〜(D)がより好ましく挙げられ、化合物(A)又は(B)が特に好ましく挙げられる。
窒素含有カチオンの塩としては、下記一般式(1)〜(5)で表されるものが好ましく挙げられる。
Figure 2016192425
上記一般式(1)は有機基で置換されたアンモニウム塩であり、一般式(2)及び(3)は有機基で置換されたアミジン塩の例である。
一般式(1)〜(5)中、基R〜R25は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基又は水酸基であり、R〜R25のうち隣接する基同士は連結して炭素数2〜6のアルキレン基を形成しても良い。Xは対アニオンである。
一般式(1)で表される化合物のカチオンの具体例としては、アンモニウムカチオン;テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトライソプロピルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、トリメチルエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、ジメチルジエチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルメトキシエチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルエトキシエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオン、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムカチオン等の4級アンモニウムカチオン;トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、トリプロピルアミンカチオン、トリイソプロピルアミンカチオン、トリブチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメトキシアミンカチオン、ジメチルメトキシアミンカチオン、ジメチルエトキシアミンカチオン、ジエチルエトキシアミンカチオン、メチルエチルメトキシアミンカチオン、N−メチルピロリジンカチオン、N−エチルピロリジンカチオン、N−プロピルピロリジンカチオン、N−イソプロピルピロリジンカチオン、N−ブチルピロリジンカチオン、N−メチルピペリジンカチオン、N−エチルピペリジンカチオン、N−プロピルピペリジンカチオン、N−イソプロピルピペリジンカチオン、N−ブチルピペリジンカチオン等の3級アンモニウムカチオン;ジメチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン、ジイソプロピルアミンカチオン、ジプロピルアミンカチオン、ジブチルアミンカチオン、メチルエチルアミンカチオン、メチルプロピルアミンカチオン、メチルイソプロピルアミンカチオン、メチルブチルアミンカチオン、エチルイソプロピルアミンカチオン、エチルプロピルアミンカチオン、エチルブチルアミンカチオン、イソプロピルブチルアミンカチオン、ピロリジンカチオン等の2級アンモニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、電導度の向上効果や耐熱性向上効果に優れることから、アンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオン、N−メチルピロリジンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン等が好適に用いられる。
一般式(2)で表される化合物のカチオンの具体例としては、テトラメチルイミダゾリウムカチオン、テトラエチルイミダゾリウムカチオン、テトラプロピルイミダゾリウムカチオン、テトライソプロピルイミダゾリウムカチオン、テトラブチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジブチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリプロピルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリイソプロピルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリブチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、高い電導度を示し、耐熱性向上効果に優れるため、テトラメチルイミダゾリウムカチオン、テトラエチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等が好ましく用いられる。
一般式(3)で表される化合物のカチオンの具体例としては、テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、テトラエチルイミダゾリニウムカチオン、テトラプロピルイミダゾリニウムカチオン、テトライソプロピルイミダゾリニウムカチオン、テトラブチルイミダゾリニウムカチオン、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリプロピルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリイソプロピルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリブチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、高い電導度を示し、耐熱性向上効果に優れることからテトラメチルイミダゾリニウムカチオン、テトラエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムカチオンが好ましく用いられる。
一般式(4)で表される化合物のカチオンの具体例としては、テトラメチルピラゾリウムカチオン、テトラエチルピラゾリウムカチオン、テトラプロピルピラゾリウムカチオン、テトライソプロピルピラゾリウムカチオン、テトラブチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジプロピルピラゾリウムカチオン、1,2−ジブチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−プロピルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ブチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ヘキシルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−オクチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ドデシルピラゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルピラゾリウムカチオン、1,2,3−トリエチルピラゾリウムカチオン、1,2,3−トリプロピルピラゾリウムカチオン、1,2,3−トリイソプロピルピラゾリウムカチオン、1,2,3−トリブチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−3−メトキシ−2,5−ジメチルピラゾリウムカチオン、3−フェニル−1,2,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、3−メトキシ−5−フェニル−1−エチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3,5−ジメチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3−フェニル−5−メチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3−メトキシ−5−メチルピラゾリウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、高い電導度を示し、耐熱性向上効果に優れることから、テトラメチルピラゾリウムカチオン、テトラエチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン等が好ましく用いられる。
一般式(5)で表される化合物のカチオンの具体例としては、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−プロピルピリジニウムカチオン、N−イソプロピルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−ヘキシルピリジニウムカチオン、N−オクチルピリジニウムカチオン、N−ドデシルピリジニウムカチオン、N−メチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−プロピル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−4−エチルピリジニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、高い電導度を示し、耐熱性向上効果に優れることから、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン等が好ましく用いられる。
アミジン塩は、アミジンカチオン(H−C(=NH)−NH )とアニオンとの塩である。アニオンは特に限定は無く、カルボン酸化合物アニオンが好ましく挙げられる。アミジンカチオンの1以上の水素原子は有機基に置換されていてもよく、そのように置換されていてもよいアミジンカチオンの具体例として、ホルムアミジンカチオン、ジメチルホルムアミジンカチオン、ピリジルアミジンカチオン、ブチルアセトアミジンカチオン、ジメチルバレロアミジンカチオン等が挙げられる。
得られる固体電解コンデンサのESR低減の点より、上記一般式(1)〜(5)の中で、一般式(1)〜(3)が好ましく、一般式(1)が特に好ましく挙げられる。
導電性高分子分散液には窒素含有カチオンの塩が、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜30質量%、特に好ましくは10〜20質量%含まれる。
次に(I)導電性高分子について説明する。
本発明に用いる導電性高分子は、典型的には、ドーパント成分をドープした導電性高分子である。導電性高分子のためのモノマーは、特に限定は無く、例えば、ピロール類、チオフェン類、アニリン類等を用いることができ、導電性及び分散安定性に優れる導電性高分子を得ることができ、またこの分散体により形成される導電性皮膜の透明性に優れることから、好ましいモノマーとして下記一般式(M)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016192425
上記一般式(1)中、Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。Yはそれぞれ同一であっても異なっていても良い酸素原子又は硫黄原子を示す。Rは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。
上記一般式(M)で表される化合物として、具体的には、3,4−エチレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、プロピル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、プロピル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシフラン、メチル−3,4−エチレンジオキシフラン、エチル−3,4−エチレンジオキシフラン、プロピル−3,4−エチレンジオキシフラン、3,4−プロピレンジオキシフラン、メチル−3,4−プロピレンジオキシフラン、エチル−3,4−プロピレンジオキシフラン、プロピル−3,4−プロピレンジオキシフラン、3,4−エチレンジチアチオフェン、メチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、エチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、プロピル−3,4−エチレンジチアチオフェン、3,4−プロピレンジチアチオフェン、メチル−3,4−プロピレンジチアチオフェン、エチル−3,4−プロピレンジチアチオフェン、プロピル−3,4−プロピレンジチアチオフェン等が挙げられる。
これらの中でも、より分散性に優れる導電性高分子分散液を得ることができ、該導電性高分子分散液を用いて作製した電解コンデンサが電気特性に優れる点より、3,4−エチレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−エチレンジオキシチオフェンが特に好ましく挙げられる。
本発明に用いる導電性高分子は、好ましくは、上記一般式(M)で表される化合物を、ドーパント成分の存在下で化学酸化重合又は電解酸化重合することによって得ることができる。
ドーパント成分としては、高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基を有する化合物が典型的に挙げられ、そのような官能基としては、硫酸エステル基、リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシル基、スルホ基等が好ましく挙げられる。これらの中でも、ドープ効果の点より、硫酸エステル基、カルボキシル基、スルホ基がより好ましく挙げられ、スルホ基が特に好ましく挙げられる。
ドーパント成分として、具体的には、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、又はこれらの金属塩等が挙げられる。これらは単独の重合体であっても、2種類以上の共重合体であってもよい。
これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましく挙げられる。
導電性高分子として、特に好ましくは、ポリスチレンスルホン酸ドープのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホン酸ドープのポリ(メチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホン酸ドープのポリ(エチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン)が挙げられる。
次に、(III)分散媒について説明する。分散媒は、水系溶媒であってもよいし、有機溶媒であってもよい。
有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、セロソルブ類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等を用いることができる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−アミルアルコール、s−アミルアルコール、t−アミルアルコール、アリルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−オクタノール、n−オクタノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、ベンジルアルコール、メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−プロピルケトン等が挙げられる。
エステル類としては、アセト酢酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、蟻酸イソブチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸メチル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸メチル、サリチル酸メチル、シュウ酸ジエチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル、フタル酸エチル、フタル酸メチル、フタル酸ブチル、γ−ブチロラクトン、マロン酸エチル、マロン酸メチル等が挙げられる。
セロソルブ類としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。脂肪族炭化水素類としては、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。分散媒の中でも特に、水が好ましく挙げられる。
本発明の導電性高分子分散液には、高沸点有機溶媒を含有させてもよい。高沸点有機溶媒の中でも、特に沸点が150〜250℃である高沸点有機溶媒が好ましく挙げられる。該高沸点有機溶媒の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン(沸点202℃)、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)、スルホラン(沸点285℃)、ジメチルスルホン(沸点233℃)、エチレングリコール(沸点198℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)、ポリエチレングリコール(沸点250℃)等が挙げられる。これらの中でも特にエチレングリコール又はγ−ブチロラクトンが、表面が均一な導電性高分子を含有する固体電解質層を形成できる点より好ましく挙げられる。
導電性高分子分散液における有機溶媒の含有量は、1〜30質量%が好ましく挙げられ、1〜20質量%が特に好ましく挙げられる。1質量%未満の場合、表面が均一な導電性高分子を含有する固体電解質層を形成する効果に若干劣る問題があり、30質量%超の場合、乾燥工程に時間を要する問題がある。
次に、本発明の導電性高分子分散液に好ましく含有される(IV)コロイダルシリカについて説明する。
コロイダルシリカとは、SiO又はその水和物のコロイドで、粒径が1〜300nmである不定形構造物である。コロイダルシリカは、典型的には、ケイ酸塩に希塩酸を作用させた後に、透析で得ることができる。コロイダルシリカの粒径は、10〜200nmが好ましく挙げられ、より好ましくは10〜100nmが挙げられる。該粒径のコロイダルシリカは、導電性高分子分散液中で長期間安定して存在することができる。
導電性高分子分散液におけるコロイダルシリカの含有量が0.01〜20質量%であることが好ましく、0.01〜15質量%であることがより好ましく、0.01〜10質量%であることが特に好ましく挙げられる。該範囲にすることで特に優れた耐電圧を有する固体電解コンデンサを製造することができる。
また、導電性高分子分散液には、成膜性、膜強度を調整するために、バインダ樹脂、界面活性剤を含有させてもよい。
バインダ樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が好ましく挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等が挙げられ、陽イオン界面活性剤としては、第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリウムベタイン等が挙げられ、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等が挙げられる。
なお、本発明の導電性高分子分散液は、導電性高分子が分散媒に分散しているものであり、導電性高分子の一部が分散媒に溶解していてもよい。
本発明の導電性高分子分散液のpHは1〜4である。通常、導電性高分子分散液は弁作用金属を腐食させないため中性付近に調整するものである。本発明の導電性高分子分散液は酸性であるが、弁作用金属を腐食させずに導電性高分子を塗布させることができる。
<固体電解コンデンサの製造方法>
固体電解コンデンサの製造方法を以下に詳細に説明する。
上述した導電性高分子分散液を、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属に接触させた後、乾燥させることで、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成させることができる、接触させる方法は、任意の方法でよいが、好ましくは、浸漬させる方法又は塗布する方法が挙げられる。
詳細には、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を上述した導電性高分子分散液に浸漬し引き上げた後、又は、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属に上述した導電性高分子分散液と塗布した後、乾燥して、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成させる工程を有することが好ましい。
本発明に用いる弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ又はチタンからなる群より選ばれる1種が挙げられ、焼結体又は箔の形状で用いられる。用いる弁作用金属の種類、形状により、チップ型又は巻回型のいずれとすることができる。
誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を、上記導電性高分子分散液に浸漬し、引き上げた後、乾燥する工程を複数回繰り返してもよい。好ましい回数としては、1〜20回が好ましく挙げられ、1〜10回が特に好ましく挙げられる。
また、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を、上記導電性高分子分散液に塗布する後、乾燥する工程を複数回繰り返してもよい。好ましい回数としては、1〜20回が好ましく挙げられ、1〜10回が特に好ましく挙げられる。
乾燥は室温での自然乾燥から加熱乾燥までのいずれでもよいが、導電性高分子分散液に高沸点有機溶媒を含有させている場合には、150℃以上に加熱して乾燥させるのが好ましく挙げられる。
<固体電解コンデンサ>
本発明の固体電解コンデンサは、上記に記載した方法で作製してもよいし、該方法以外の方法で作製してもよい。
本発明の固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子を含有する固体電解質層を有する固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子を含有する固体電解質層が、導電性高分子と、窒素含有カチオンの塩と、を少なくとも含有する。
弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ又はチタンからなる群より選ばれる1種が挙げられ、焼結体又は箔の形状で用いられる。用いる弁作用金属の種類、形状により、チップ型又は巻回型のいずれとすることができる。
本発明の電解コンデンサは、導電性高分子を含有する固体電解質層に含窒素カチオンの塩を含有させることで、導電性高分子及び弁作用金属との相互作用し、優れたESRと静電容量を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明は本実施例によりなんら限定されない。実施例中の「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
また、特に指定した場合を除き、静電容量(C)及び誘電損失(tanδ)は周波数120Hzで、等価直列抵抗(ESR)は周波数100kHzで測定した。
(実施例1)
(導電性高分子分散液の製造)
10.2部の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、40.8部のポリスチレンスルホン酸(質量平均分子量:10,000)を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合して混合溶液を得た。
得られた混合溶液を20℃に保ち、撹拌しながら、200mlのイオン交換水に溶かした35.0部の過硫酸アンモニウムと7.0部の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、3時間撹拌して反応させた。
反応後、強酸性陽イオン交換樹脂を添加し、アンモニウム塩を除去した後、イオン交換樹脂を取り除いた。次に、強塩基性陰イオン交換樹脂を添加して硫酸塩を除去した後、イオン交換樹脂を取り除いて、1.0%ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水分散液を得た。
1.0%ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水分散液100部、フタル酸アンモニウム20部、エチレングリコール15部を混合して、導電性高分子分散液を得た。該導電性高分子分散液のpHは2.1であった。
(電解コンデンサの製造)
陽極に用いる弁作用金属として、表面をエッチングし、粗面化処理を施したエッチドアルミニウム箔(縦2.0mm×横5.0mm)を用い、該アルミニウム箔に、アジピン酸アンモニウム水溶液中、電圧90Vで化成処理を行って誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して対向させることにより、コンデンサ素子を作製した。
得られたコンデンサ素子の15%アジピン酸二アンモニウム水溶液中での静電容量は25μFであった。
次に、上記で得られた導電性高分子分散液に、上記コンデンサ素子を5分浸漬し、150℃で5分乾燥させる工程を5回繰り返して、導電性高分子を含有する固体電解質層を有するコンデンサ素子を作製した。
ついで、上記コンデンサ素子に、カーボンペースト及び銀ペーストを塗布した後、乾燥させ、陰極引き出し層を形成した。次に、陰極を銀ペースト等による接着、陽極を溶接によって接合し、コンデンサ素子をリードフレーム上に固定し、エポキシ樹脂でトランスファーモールドを行い、固体電解コンデンサを製造した。
(実施例2)
上述のフタル酸アンモニウムをプロピオン酸アンモニウムに代えた以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
(実施例3)
上述のフタル酸アンモニウムをプロピオン酸ジメチルイミダゾリウムに代えた以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
(実施例4)
上述のフタル酸アンモニウムをプロピオン酸N−ブチルピロリジニウムに代えた以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
(実施例5)
上述のフタル酸アンモニウムをブタン酸アンモニウムに代えた以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
(比較例1)
上述の導電性高分子分散液の製造において、フタル酸アンモニウムを加えなかった以外は、実施例1と同様にして導電性高分子分散液(pHは2.1)を作製した。該導電性高分子分散液を用いて固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
比較例1で製造した導電性高分子分散液にトリエチルアミンを加えてpHを3.5にした以外は、比較例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例3)
比較例1で製造した導電性高分子分散液にトリエチルアミンを加えてpHを7.0にした以外は、比較例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
得られたコンデンサのC、Tanδ、ESRを測定した。測定結果は以下のとおりである。
静電容量(C)は好ましくは18.0μF以上であり、誘電損失(tanδ)は好ましくは1.6%以下であり、等価直列抵抗(ESR)は好ましくは19.0mΩ以下、より好ましくは18.0mΩ以下、特に好ましくは17.0mΩ以下である。
表1より、比較例1〜3よりも実施例1〜5の方が、固体電解コンデンサにおける静電容量が大きく、ESRが小さいことがわかる。中でも実施例2〜5のESRが小さく、特に実施例2、5のESRが小さいことがわかる。

C(μF) Tanδ(%) ESR(mΩ)
実施例1 18.0 1.6 18.9
実施例2 18.0 1.6 16.8
実施例3 18.0 1.6 17.2
実施例4 18.0 1.6 17.4
実施例5 18.0 1.6 16.8
比較例1 16.5 2.1 35.3
比較例2 17.0 1.6 30.0
比較例3 17.7 2.0 24.1
本発明の導電性高分子分散液を用いて作製した固体電解コンデンサは、静電容量が大きく、ESRが低い特徴を有しているため、各種用途に用いることができる。

Claims (9)

  1. (I)導電性高分子、
    (II)窒素含有カチオンの塩、ならびに、
    (III)分散媒、
    を含有する導電性高分子分散液。
  2. 上記(II)窒素含有カチオンの塩におけるアニオンがカルボン酸アニオンである請求項1記載の導電性高分子分散液。
  3. 上記カルボン酸アニオンが下記一般式(a)
    Figure 2016192425
    (但し、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基のいずれかを示し、Rは、単結合、炭素数1〜6の2価の有機基又は−NH−を示す。)で表されるアニオンである請求項2記載の導電性高分子分散液。
  4. 上記(II)窒素含有カチオンの塩における窒素含有カチオンが、1つ以上の水素原子が有機基で置換されていてもよいアンモニウムイオン又は1つ以上の水素原子が有機基で置換されていてもよいアミジンイオンである請求項1〜3のいずれか1項記載の導電性高分子分散液。
  5. 上記(II)窒素含有カチオンの塩を0.01〜50質量%含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の導電性高分子分散液。
  6. さらに、(IV)コロイダルシリカを含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の導電性高分子分散液。
  7. pHが1〜4である請求項1〜6のいずれか1項記載の導電性高分子分散液。
  8. 誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を請求項1〜7のいずれ1項記載の導電性高分子分散液に浸漬し引き上げた後、又は、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属に請求項1から5のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液と塗布した後、乾燥して、上記弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成させる工程を有する固体電解コンデンサの製造方法。
  9. 誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属と、前記弁作用金属上に形成された導電性高分子を含有する固体電解質層とを有し、前記固体電解質層が少なくとも(I)導電性高分子ならびに(II)窒素含有カチオンの塩を含有する、固体電解コンデンサ。
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