JP6590642B2 - 導電性高分子分散液、キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
導電性高分子を含む固体電解質層としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を含む導電性高分子分散液から形成したものを使用することがある(例えば、特許文献1)。
そこで、本発明は、キャパシタの固体電解質層を形成するために使用され、等価直列抵抗が充分に小さいキャパシタを容易に作製できる導電性高分子分散液を提供することを目的とする。また、本発明は、等価直列抵抗が充分に小さいキャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
[2]前記脂環式炭化水素基がシクロヘキシル基である、[1]に記載の導電性高分子分散液。
[3]前記アミン化合物が、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミンより選ばれる少なくとも1種である、[2]に記載の導電性高分子分散液。
[4]前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、[1]から[3]のいずれかに記載の導電性高分子分散液。
[5]前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[1]から[4]のいずれかに記載の導電性高分子分散液。
[6]25℃におけるpHが2.00以上10.00以下である、[1]から[5]のいずれかに記載の導電性高分子分散液。
[7]弁金属の多孔質体からなる陽極と、前記弁金属の酸化物からなる誘電体層と、該誘電体層の、前記陽極と反対側に設けられた導電物質製の陰極と、前記誘電体層及び前記陰極の間に形成された固体電解質層とを具備し、前記固体電解質層が、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、脂環式炭化水素基を有するアミン化合物とを含有する、キャパシタ。
[8]前記脂環式炭化水素基がシクロヘキシル基である、[7]に記載のキャパシタ。
[9]前記アミン化合物が、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミンより選ばれる少なくとも1種である、[8]に記載のキャパシタ。
[10]前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、[7]から[9]のいずれかに記載のキャパシタ。
[11]前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[7]から[10]のいずれかに記載のキャパシタ。
[12]弁金属の多孔質体からなる陽極の表面を酸化して誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層に対向する位置に陰極を形成する工程と、前記誘電体層の表面に[1]から[6]のいずれかに記載の導電性高分子分散液を塗布し、乾燥させて固体電解質層を形成する工程とを有する、キャパシタの製造方法。
本発明のキャパシタは、等価直列抵抗が充分に小さいものである。
本発明のキャパシタの製造方法によれば、等価直列抵抗が充分に小さいキャパシタを容易に製造できる。
本発明の一態様の導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、アミン化合物と、分散媒とを含有する。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)が挙げられる。
上記π共役系導電性高分子の中でも、導電性、透明性、耐熱性がより高いことから、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
前記π共役系導電性高分子は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、またはカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を有する高分子が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホン酸基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万以上100万以下であることが好ましく、10万以上50万以下であることがより好ましい。
本明細書における質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定し、標準物質をポリスチレンとして求めた値である。
ただし、本態様におけるポリアニオンにおいては、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープすることはなく、ドープに寄与しない余剰のアニオン基を有するようになっている。余剰のアニオン基は高い親水性を有するため、導電性複合体の水分散性を高める役割を果たす。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、これらは1種でもよいし、2種以上でもよい。
脂環式炭化水素基を有するアミン化合物のなかでも、キャパシタの等価直列抵抗をより小さくできることから、シクロヘキシル基を有するアミン化合物が好ましい。
シクロヘキシル基を有するアミン化合物としては、安価に入手容易であることに加え、キャパシタの等価直列抵抗をより小さくできることから、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミンより選ばれる少なくとも1種が好ましい。
上記pHにするためには、アミン化合物の含有量は、導電性複合体100質量部に対して10質量部以上500質量部以下とすることが好ましく、30質量部以上100質量部以下とすることがより好ましい。
有機溶剤としては、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテルなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族系溶媒;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、アリルアルコールなどのアルコール系溶媒;N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、が挙げられるが、上記に限定されるものではない。これら有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
添加剤としては、本発明の効果を有する限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。ただし、添加剤は、前記ポリアニオン、前記アミン化合物及び前記分散媒以外の化合物からなる。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類、ビタミン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明のキャパシタの一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のキャパシタ10は、弁金属の多孔質体からなる陽極11と、弁金属の酸化物からなる誘電体層12と、誘電体層12の表面に形成された固体電解質層13と、最も表側に設けられた陰極14とを具備する。
陽極11の具体例としては、アルミニウム箔をエッチングして表面積を増加させた後、その表面を酸化処理したものや、タンタル粒子やニオブ粒子の焼結体表面を酸化処理してペレットにしたものが挙げられる。このように処理されたものは表面に凹凸が形成された多孔質体となる。
固体電解質層13の厚さは一定である必要はなく、例えば、1μm以上100μm以下の範囲内にあればよい。
固体電解質層13におけるアミン化合物の含有量は、導電性複合体100質量部に対して10質量部以500質量部以下であることが好ましく、30質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。アミン化合物の含有量が前記範囲内であれば、等価直列抵抗を充分に小さくすることができる。しかし、アミン化合物の含有量が前記下限値未満であると、アミン化合物の量が充分ではなく、等価直列抵抗を充分に小さくできないことがあり、前記上限値を超えると、ポリアニオンの脱ドープが生じて等価直列抵抗を充分に小さくできないことがある。
電解液用溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等のアルコール系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水等が挙げられる。
電解質としては、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、蟻酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸等のデカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸等のオクタンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有機酸、あるいは、硼酸、硼酸と多価アルコールより得られる硼酸の多価アルコール錯化合物、りん酸、炭酸、けい酸等の無機酸などをアニオン成分とし、一級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等)、テトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)などをカチオン成分とした電解質が挙げられる。
誘電体層12を形成する方法としては、例えば、アジピン酸アンモニウム水溶液、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液などの化成処理用電解液中にて、陽極11の表面を陽極酸化する方法が挙げられる。
陰極14を形成する方法としては、例えば、カーボンペースト、銀ペースト等の導電性ペーストを用いて陰極14を形成する方法、アルミニウム箔等の金属箔を誘電体層12に対向配置させる方法などが挙げられる。
導電性高分子分散液の塗布方法としては、例えば、浸漬(すなわち、ディップコーティング)、コンマコーティング、リバースコーティング、リップコーティング、マイクログラビアコーティング等を適用することができる。これらの中でも、誘電体層12と陰極14との間に容易に固体電解質層13を形成できる点では、浸漬が好ましい。
乾燥方法としては、室温乾燥、熱風乾燥、遠赤外線乾燥など公知の手法が挙げられる。
また、脂環式炭化水素基を有するアミン化合物の含有によって等価直列抵抗が小さくなっても、キャパシタ10の静電容量が小さくなることはない。
例えば、本発明のキャパシタは、誘電体層と陰極との間に、必要に応じて、セパレータを設けてもよい。誘電体層と陰極との間にセパレータが設けられたキャパシタとしては、巻回型キャパシタが挙げられる。
セパレータとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデンなどからなるシート(不織布を含む)、ガラス繊維の不織布などが挙げられる。
セパレータの密度は、0.1g/cm3以上1.0g/cm3以下の範囲であることが好ましく、0.2g/cm3以上0.8g/cm3以下の範囲であることがより好ましい。
セパレータを設ける場合には、セパレータにカーボンペーストあるいは銀ペーストを含浸させて陰極を形成する方法を適用することもできる。
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法によりポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
3,4−エチレンジオキシチオフェン14.2gと、製造例1で得たポリスチレンスルホン酸36.7gとを2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合させた。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.40質量%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水分散液(PEDOT−PSS水分散液)を得た。
エッチドアルミニウム箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸アンモニウム10質量%水溶液中で130Vの電圧を印加し、化成(酸化処理)して、アルミニウム箔の両面に誘電体層を形成して陽極箔を得た。
次に、陽極箔の両面に、陰極リード端子を溶接させた対向アルミニウム陰極箔を、セルロース製のセパレータを介して積層し、これを円筒状に巻き取ってキャパシタ用素子を得た。
製造例2で得た1.40質量%のPEDOT−PSS水分散液100gに、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.423g(導電性複合体100質量部に対して30.2質量部)を加え、室温で撹拌した後、高圧分散機を用い、100MPaの圧力で分散処理を施し、導電性高分子分散液を得た。導電性高分子分散液の25℃におけるpHを、pH計D−54((株)堀場製作所製)により測定したところ、2.33であった。
製造例3で得たキャパシタ用素子を導電性高分子分散液に減圧下で浸漬した後、125℃の熱風乾燥機により30分間乾燥する工程を2回繰り返して、誘電体層表面上に導電性複合体を含む固体電解質層を形成させた。
次いで、アルミニウム製のケースに、固体電解質層を形成させたキャパシタ用素子を装填し、封口ゴムで封止して、キャパシタを得た。
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.423gをN,N−ジエチルシクロヘキシルアミン0.520g(導電性複合体100質量部に対して37.1質量部)に変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.423gをN−メチルジシクロヘキシルアミン0.652g(導電性複合体100質量部に対して46.6質量部)に変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.423gをN−メチルジシクロヘキシルアミン0.844g(導電性複合体100質量部に対して60.3質量部)に変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.423gをN−メチルジシクロヘキシルアミン0.906g(導電性複合体100質量部に対して64.7質量部)に変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.423gをN−メチルジシクロヘキシルアミン1.020g(導電性複合体100質量部に対して72.9質量部)に変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.423gをイミダゾール0.220g(導電性複合体100質量部に対して15.7質量部)に変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
脂環式炭化水素基を有するアミン化合物及びそれ以外のアミン化合物を添加しなかった以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.423gをN,N−ジメチルアミノエタノール0.292g(導電性複合体100質量部に対して20.8質量部)に変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.423gを28質量%アンモニア水0.211g(導電性複合体100質量部に対して15.1質量部)に変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
得られた各例のキャパシタについて、LCRメータZM2376((株)エヌエフ回路設計ブロック製)を用いて、120Hzでの静電容量、及び100kHzでの等価直列抵抗(ESR)を測定した。120Hzでの静電容量、及び100kHzでのESRの測定結果を表1に示す。
脂環式炭化水素基を有さないアミン化合物を含有する導電性高分子分散液を用いて固体電解質層を形成した比較例1,3のキャパシタは、ESRが大きかった。
アミン化合物を一切含まない導電性高分子分散液を用いて固体電解質層を形成した比較例2のキャパシタは、ESRが大きかった。
アンモニア水を含有する導電性高分子分散液を用いて固体電解質層を形成した比較例4のキャパシタは、ESRが大きかった。
11 陽極
12 誘電体層
13 固体電解質層
14 陰極
Claims (8)
- π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、脂環式炭化水素基を有するアミン化合物と、分散媒とを含有し、
前記アミン化合物が、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミンより選ばれる少なくとも1種である、導電性高分子分散液。 - 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、請求項1に記載の導電性高分子分散液。
- 前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項1又は2に記載の導電性高分子分散液。
- 25℃におけるpHが2.00以上10.00以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液。
- 弁金属の多孔質体からなる陽極と、前記弁金属の酸化物からなる誘電体層と、該誘電体層の、前記陽極と反対側に設けられた導電物質製の陰極と、前記誘電体層及び前記陰極の間に形成された固体電解質層とを具備し、
前記固体電解質層が、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、脂環式炭化水素基を有するアミン化合物とを含有し、
前記アミン化合物が、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミンより選ばれる少なくとも1種である、キャパシタ。 - 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、請求項5に記載のキャパシタ。
- 前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項5又は6に記載のキャパシタ。
- 弁金属の多孔質体からなる陽極の表面を酸化して誘電体層を形成する工程と、
前記誘電体層に対向する位置に陰極を形成する工程と、
前記誘電体層の表面に請求項1から4のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液を塗布し、乾燥させて固体電解質層を形成する工程とを有する、キャパシタの製造方法。
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