JP2017174915A - 導電性高分子分散液及びそれを用いた固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

導電性高分子分散液及びそれを用いた固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたESR特性及びESR特性における優れた耐湿性を有する固体電解コンデンサを製造することのできる導電性高分子分散液及びそれを用いて作製した固体電解コンデンサを提供する。【解決手段】導電性高分子と、分散媒と、を少なくとも含有する固体電解コンデンサ製造用導電性高分子分散液において、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とを有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを含有することを特徴とする導電性高分子分散液及びそれを用いて作製した固体電解コンデンサ。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性高分子分散液及びそれを用いた固体電解コンデンサの製造方法に関する。
ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子は、優れた安定性及び導電性を有することから、各種帯電防止剤、固体電解コンデンサ用電解質、防食塗料、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、メッキプライマー等への応用が期待されている。
これらの導電性高分子物質は、一般に溶媒に不溶あるいは難溶であり、かつ、不融であるため成形、加工が困難であるという問題があった。
このため、導電性高分子を微粒子あるいはフィラー状に部粉砕して水や有機溶剤等の分散媒に分散させることにより、成形性や加工性を向上させる技術が知られている。
固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子を含有する固体電解質層を形成した構成を有するものが一般的である。
導電性高分子を含有する固体電解質層の製造方法としては、化学酸化重合法や電解重合法があるが、該方法以外の導電性高分子を含有する固体電解質層の形成方法としては、特許文献1に開示されているように、スルホ基、カルボキシル基等を持つドーパントを共存させながら、アニリンを化学酸化重合してポリアニリンを調整し、そのポリアニリン水溶液を塗布、乾燥して塗膜を形成する方法がある。該方法では、簡便に高い導電性を有する導電性高分子を含有する固体電解質層を形成することができる。
特許文献2には、固体電解質層にπ共役系導電性高分子とポリアニオンとイオン伝導性化合物とを含有するコンデンサが記載されており、固体電解質層に、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物、2個以上のカルボキシル基を有する化合物、1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物からなる群より選ばれる1種以上の導電性向上剤を含有させてもよいことが記載されている。
しかしながら、実際に実施例に記載されている化合物を導電性高分子溶液に含有させた溶液を用いて作製した固体電解コンデンサは、ESR特性及びESR特性における耐湿性に劣る問題があった。
以上より、優れたESR特性及びESR特性における優れた耐湿性を有する固体電解コンデンサを製造することのできる導電性高分子分散液及びそれを用いて作製した固体電解コンデンサが求められていた。
特開平07−106718号公報 特開2008−109065号公報
本発明の目的は、優れたESR特性及びESR特性における優れた耐湿性を有する固体電解コンデンサを製造することのできる導電性高分子分散液及びそれを用いて作製した固体電解コンデンサを提供することである。
本発明者らは、導電性高分子と、分散媒と、を少なくとも含有する導電性高分子分散液において、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とを有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを含有することを特徴とする導電性高分子分散液及びそれを用いて作製した固体電解コンデンサが上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
第一の発明は、導電性高分子と、分散媒と、を少なくとも含有する導電性高分子分散液において、
ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とを有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを含有することを特徴とする導電性高分子分散液である。
第二の発明は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーが、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする第一の発明に記載の導電性高分子分散液である。
Figure 2017174915
(式(1)中、m、n、lはそれぞれ独立して1〜700の整数を示す。)
第三の発明は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの平均分子量が、800〜20,000であることを特徴とする第一又は第二の発明に記載の導電性高分子分散液である。
第四の発明は、固体電解コンデンサ製造用導電性高分子分散液におけるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの含有量が、0.01〜30質量%であることを特徴とする第一から第三の発明のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液である。
第五の発明は、導電性高分子が、下記一般式(2)で表されるチオフェン化合物の重合体とドーパントとを有する導電性高分子であることを特徴とする第一から第四の発明のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液である。
Figure 2017174915
(式(2)中、Raは水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基を示し、Xはそれぞれ同一でも異なっていても良い炭素原子又は硫黄原子を示す。)
第六の発明は、ドーパントが、ポリアリルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする第五の発明に記載の導電性高分子分散液である。
第七の発明は、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を第一から第六の発明のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液に浸漬し引き上げた後、乾燥して、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成させる工程を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
本発明によれば、優れたESR特性及び耐湿性を有する固体電解コンデンサを製造することのできる導電性高分子分散液及びそれを用いて作製した固体電解コンデンサを提供することができる。
本発明の導電性高分子分散液について説明する。
本発明の導電性高分子分散液は、導電性高分子と、分散媒と、を少なくとも含有する導電性高分子分散液において、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とを有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを含有することを特徴とする導電性高分子分散液である。
<ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー>
親水基であるポリオキシエチレン基と、疎水基であるポリオキシプロピレン基と、を有するブロックポリマーであるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを用いる。
親水基と疎水基があることで、親水基がアルミニウム表面との密着性を向上させることにより、得られる固体電解コンデンサのESR特性を向上させ、疎水基が湿度に対する信頼性を向上させるといった理由で、固体電解コンデンサのESR特性及び耐湿性を向上させることが可能である。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーが、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましく挙げられる。
Figure 2017174915
一般式(1)中、m、n、lはそれぞれ独立して1〜700の整数を示す。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの重合度(上記式(1)のn)、及びポリエチレンオキシドの付加量(上記式(1)のm+l)は特に限定されず、使用条件・目的等に応じて適宜選択できる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、BASFジャパン(株)製のプルロニック(登録商標)シリーズ、三洋化成工業(株)製のニューポール(登録商標)PEシリーズ、旭電化工業(株)製のアデカプルロニック(登録商標)L又はFシリーズ、第一工業製薬(株)製エパン(登録商標)シリーズ、日油(株)製のプロノン(登録商標)シリーズ又はユニルーブ(登録商標)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの数平均分子量は、500〜80,000が好ましく、800〜20,000が特に好ましく挙げられる。該範囲外、すなわち数平均分子量が500未満だと信頼性に乏しく、あるいは80,000を超えると、導電性高分子分散液中で十分に分散させることができない可能性があるので好ましくない。
導電性高分子分散液におけるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの含有量は、0.01〜30質量%が好ましく挙げられ、0.1〜20質量%がより好ましく挙げられ、1.0〜10質量%が特に好ましく挙げられる。該含有量である場合、特に固体電解コンデンサのESR特性に優れ、かつ、ESRにおける耐湿性に優れる点で好ましく挙げられる。
<導電性高分子>
本発明に用いる導電性高分子は、ドーパントをドープした重合体である。重合体に用いるモノマー化合物としては、特に制限されるものではなく、例えば、ピロール類、チオフェン類、アニリン類等を用いることができるが、導電性及び分散安定性に優れる導電性高分子を得ることができ、またこの分散体により形成される導電性皮膜の透明性に優れることから、下記一般式(2)で表されるチオフェン化合物であることが好ましく挙げられる。
Figure 2017174915
上記一般式(2)中、Raは水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基を示し、Xはそれぞれ同一でも異なっていても良い炭素原子又は硫黄原子を示す。
上記一般式(2)で表されるチオフェン化合物として、具体的には、3,4−エチレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、プロピル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、プロピル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジチアチオフェン、メチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、エチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、プロピル−3,4−エチレンジチアチオフェン、3,4−プロピレンジチアチオフェン、メチル−3,4−プロピレンジチアチオフェン、エチル−3,4−プロピレンジチアチオフェン、プロピル−3,4−プロピレンジチアチオフェン等が挙げられる。
これらの中でも、より分散性に優れる導電性高分子分散液を得ることができ、該導電性高分子分散液を用いて作製した固体電解コンデンサが電気特性に優れる点より、3,4−エチレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−エチレンジオキシチオフェンが特に好ましく挙げられる。
本発明に用いる導電性高分子は、上記一般式(2)で表されるチオフェン化合物等のモノマー化合物を、上記ドーパントの存在下で化学酸化重合又は電解酸化重合することによって得ることができる。
該ドーパントとしては、高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基を有していればよく、硫酸エステル基、リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシル基、スルホ基等が好ましく挙げられる。これらの中でも、ドープ効果の点より、硫酸エステル基、カルボキシル基、スルホ基がより好ましく挙げられ、スルホ基が特に好ましく挙げられる。
ドーパントとして、具体的には、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、又はこれらの金属塩等が挙げられる。これらは単独の重合体であっても、2種類以上の共重合体であってもよい。これらの中でも、ドーパントが、ポリアリルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸から選ばれる少なくとも一種がより好ましく、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましく挙げられる。
導電性高分子として、特に好ましくは、ポリスチレンスルホン酸ドープのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホン酸ドープのポリ(メチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホン酸ドープのポリ(エチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン)が挙げられる。
上記分散媒としては、水又は有機溶媒を用いることができる。
有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、セロソルブ類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等を用いることができる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−アミルアルコール、s−アミルアルコール、t−アミルアルコール、アリルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−オクタノール、n−オクタノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、ベンジルアルコール、メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−プロピルケトン等が挙げられる。
エステル類としては、アセト酢酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、蟻酸イソブチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸メチル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸メチル、サリチル酸メチル、シュウ酸ジエチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル、フタル酸エチル、フタル酸メチル、フタル酸ブチル、γ−ブチロラクトン、マロン酸エチル、マロン酸メチル等が挙げられる。
セロソルブ類としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素類としては、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
分散媒の中でも特に、水が好ましく挙げられる。
本発明の導電性高分子分散液には、高沸点有機溶媒を含有させてもよい。高沸点有機溶媒の中でも、特に沸点が150〜250℃である高沸点有機溶媒が好ましく挙げられる。該高沸点有機溶媒の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン(沸点202℃)、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)、スルホラン(沸点285℃)、ジメチルスルホン(沸点233℃)、エチレングリコール(沸点198℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)等が挙げられる。これらの中でも特にエチレングリコール又はγ−ブチロラクトンが、表面が均一な導電性高分子を含有する固体電解質層を形成できる点より好ましく挙げられる。
導電性高分子分散液における有機溶媒の含有量は、1〜20質量%が好ましく挙げられ、5〜15質量%が特に好ましく挙げられる。1質量%未満の場合、表面が均一な導電性高分子を含有する固体電解質層を形成する効果に若干劣る問題があり、20質量%超の場合、乾燥工程に時間を要する問題がある。
また、固体電解コンデンサの耐電圧を向上させる目的で導電性高分子分散液に添加剤を含有させて用いてもよい。
添加剤としては、リン酸化合物、コロイダルシリカ等が挙げられる。これらの中でも特に耐電圧を向上させる効果に優れている点より、コロイダルシリカが好ましく挙げられる。
導電性高分子分散液における添加剤の含有量が0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜15質量%であることがより好ましく、0.1〜10質量%であることが特に好ましく挙げられる。該範囲にすることで特に優れた耐電圧を有する固体電解コンデンサを製造することができる。
また、導電性高分子分散液には、成膜性、膜強度を調整するために、バインダ樹脂、界面活性剤、アルカリ化合物を含有させてもよい。
バインダ樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が好ましく挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等が挙げられ、陽イオン界面活性剤としては、第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリウムベタイン等が挙げられ、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等が挙げられる。
pH調整するためにアルカリ化合物を含有させてもよい。導電性高分子分散液のpHは5〜8であることが好ましく挙げられる。該pHの範囲にすることで、弁作用金属の腐食を防止することができる。
なお、本発明の導電性高分子分散液は、導電性高分子が分散媒に分散しているものであり、導電性高分子の一部が分散媒に溶解していてもよい。
<固体電解コンデンサの製造方法>
固体電解コンデンサの製造方法を以下に詳細に説明する。
上述した導電性高分子分散液を、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属に接触させた後、乾燥させることで、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成させることができる、接触させる方法は、任意の方法でよいが、好ましくは、浸漬させる方法が挙げられる。
詳細には、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を上述した導電性高分子分散液に浸漬し引き上げた後乾燥して、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成させる工程を有することが好ましい。
本発明に用いる弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ又はチタンからなる群より選ばれる1種が挙げられ、焼結体又は箔の形状で用いられる。
用いる弁作用金属の種類、形状により、チップ型又は巻回型のいずれとすることができる。
誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を、上記導電性高分子分散液に浸漬し、引き上げた後、乾燥する工程を複数回繰り返してもよい。好ましい回数としては、1〜6回が好ましく挙げられ、1〜3回がより好ましく挙げられ、1回が特に好ましく挙げられる。
乾燥は室温での自然乾燥から加熱乾燥までのいずれでもよいが、導電性高分子分散液に高沸点有機溶媒を含有させている場合には、150℃以上に加熱して乾燥させるのが好ましく挙げられる。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法により得られる固体電解コンデンサは、導電性高分子を含有する固体電解質層にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを含有しているので、親水基がアルミニウム表面との密着性を向上させることによりESR特性を向上させ、疎水基が湿度に対する信頼性を向上させることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明は本実施例によりなんら限定されない。実施例中の「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
(実施例1)
(導電性高分子分散液の製造)
14.2部の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、42.6部のポリスチレンスルホン酸(質量平均分子量:75,000)を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合して混合溶液を得た。
得られた混合溶液を20℃に保ち、撹拌しながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.6部の過硫酸アンモニウムと8.0部の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、3時間撹拌して反応させた。
反応後、強酸性陽イオン交換樹脂(三菱樹脂社製、PK−216)を添加し、アンモニウム塩を除去した後、イオン交換樹脂を取り除いた。次に、強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱樹脂社製、PA−418)を添加して硫酸塩を除去した後、イオン交換樹脂を取り除いて、1.5%ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水分散液を得た。
1.5%ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水分散液100部に、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー 10部(エパン(登録商標)410、第一工業製薬)、エチレングリコール10部を含有させて、導電性高分子分散液を得た。
(固体電解コンデンサの製造)
陽極に用いる弁作用金属として、表面をエッチングし、粗面化処理を施したエッチドアルミニウム箔(縦2.0mm×横300mm)を用い、該アルミニウム箔に、アジピン酸アンモニウム水溶液中、電圧90Vで化成処理を行って誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して対向させることにより、コンデンサ素子を作製した。
次に、上記で得られた導電性高分子溶液に、上記コンデンサ素子を5分浸漬し、150℃5分乾燥させて、導電性高分子を含有する固体電解質層を有するコンデンサ素子を作製した。
ついで、上記コンデンサ素子に、カーボンペースト及び銀ペーストを塗布した後、乾燥させ、陰極引き出し層を形成した。次に、陰極を銀ペースト等による接着、陽極を溶接によって接合し、コンデンサ素子をリードフレーム上に固定し、エポキシ樹脂でトランスファーモールドを行い、固体電解コンデンサを製造した。
(実施例2〜4)
導電性高分子溶液におけるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの含有量を表1に対応するように代えた以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
(実施例5)
エパン(登録商標)410(第一工業製薬(株)製)を表1に対応するユニルーブ(登録商標)70DP-950B(日油(株)製)代えた以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
実施例1に記載のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを用いなかった以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
<固体電解コンデンサのESRの評価>
実施例1〜5及び比較例1より得られた固体電解コンデンサについて、ESR特性を評価した。測定結果を表1に示す。
<固体電解コンデンサの耐湿試験>
実施例1〜5及び比較例1より得られた固体電解コンデンサについて、温度80℃、湿度85%環境下での耐湿試験を実施し、200時間後とのESRの変化率を比較した。測定結果を表1に示す。
Figure 2017174915
表1中の略語は以下の通りである。
化合物A:(商品名)エパン(登録商標)410(第一工業製薬社製、ポリオキシエチレンの分子量130、ポリオキシプロピレンの分子量1200のトリブロック体)
化合物B:(商品名)ユニルーブ(登録商標)70DP−950B(日油社製、ポリオキシエチレンの数200、ポリオキシプロピレンの数70である平均分子量18,000のトリブロック体)
表1より、比較例1よりも実施例1〜5の方が、固体電解コンデンサにおけるESR特性及び耐湿性に優れていることがわかる。
本発明の導電性高分子分散液を用いて作製した固体電解コンデンサはESR特性及び耐湿性に優れるため、高周波数のデジタル機器等に適用できる。
Figure 2017174915
(式(2)中、Raは水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基を示し、Xはそれぞれ同一でも異なっていても良い酸素原子又は硫黄原子を示す。)
上記一般式(2)中、Raは水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基を示し、Xはそれぞれ同一でも異なっていても良い酸素原子又は硫黄原子を示す。

Claims (7)

  1. 導電性高分子と、分散媒と、を少なくとも含有する導電性高分子分散液において、
    ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とを有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを含有することを特徴とする導電性高分子分散液。
  2. ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーが、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子分散液。
    Figure 2017174915
    (式(1)中、m、n、lはそれぞれ独立して1〜700の整数を示す。)
  3. ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの平均分子量が、800〜20,000であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性高分子分散液。
  4. 固体電解コンデンサ製造用導電性高分子分散液におけるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの含有量が、0.01〜30質量%であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液。
  5. 導電性高分子が、下記一般式(2)で表されるチオフェン化合物の重合体とドーパントとを有する導電性高分子であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液。
    Figure 2017174915
    (式(2)中、Raは水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基を示し、Xはそれぞれ同一でも異なっていても良い炭素原子又は硫黄原子を示す。)
  6. ドーパントが、ポリアリルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項5に記載の導電性高分子分散液。
  7. 誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を請求項1から6のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液に浸漬し引き上げた後、乾燥して、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成させる工程を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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