JP5058633B2 - コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、ニオブ電解コンデンサなどのコンデンサに関する。
近年、電子機器のデジタル化に伴い、電子機器に用いられるコンデンサは高周波領域におけるインピーダンス(等価直列抵抗)を低下させることが要求されている。従来から、この要求に対応すべく、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁金属の酸化皮膜を誘電体とした、所謂、機能性コンデンサ(以下、コンデンサと略す。)が使用されている。
このコンデンサの構造は、特許文献1に示されるように、弁金属の多孔質体からなる陽極と、陽極の表面を酸化して形成した誘電体層と、導電性の固体電解質層と、カーボン層、銀層などが積層された陰極とを有するものが一般的である。固体電解質層としては、π共役系導電性高分子を含有する導電性膜を用いることがある。
π共役系導電性高分子を含有する導電性膜の形成法としては、弁金属の多孔質体表面にマンガン酸化物からなる導電層をあらかじめ形成した後にこれを電極として通電して重合する電解重合法(特許文献2参照)や、酸化剤を用いてπ共役系導電性高分子を構成する前駆体モノマーを重合する化学酸化重合法が広く知られている(特許文献3参照)。
電解重合法及び化学酸化重合法以外の導電性膜の形成法としては、例えば、特許文献4では、スルホン酸基、カルボン酸基等を持つポリアニオンを共存させながらアニリンを化学酸化重合して水溶性のポリアニリンを調製し、そのポリアニリン水溶液を塗布、乾燥して塗膜を形成する方法が提案されている。この方法では、簡便に高い導電性の導電性膜を形成できるとされている。
特開2003−37024号公報 特開昭63−158829号公報 特開昭63−173313号公報 特開平7−105718号公報
しかし、コンデンサの固体電解質層を形成する際に、特許文献2〜4に記載された導電性膜の形成方法を適用した場合には、コンデンサの耐電圧が低くなるという問題が生じた。耐電圧を高めるためには誘電体層を厚くすればよいが、誘電体層を厚くすると、等価直列抵抗(以下、等価直列抵抗のことをESRという。)が高くなる上に、コンデンサの小型化が困難になる。特に、特許文献3に記載の化学酸化重合法では、電解重合に比べて固体電解質層の導電性が低く、ESRが高くなりやすい。
また、コンデンサにおいては、小型で静電容量がより高いものが求められているが、従来のものでは高静電容量化すると、小型化が困難になった。
また、従来、π共役系導電性高分子を固体電解質層に使用したコンデンサでは、誘電体層形成時における化成電圧の30〜40%の最大耐電圧しか得られなかった。また、電解質を電解質溶液とした固有静電容量の60%の静電容量しか得られなかった。高い耐電圧を得るためには、化成電圧を高くして、誘電体層を厚くする方法又は誘電体層表面に絶縁樹脂を被覆させる方法等を適用することが考えられる。しかし、これらの方法を適用した場合には、静電容量が極端に小さくなってしまい、固有静電容量の10〜20%の静電容量しか得られないことが多かった。つまり、従来、π共役系導電性高分子を固体電解質層に使用したコンデンサでは、静電容量と耐電圧とを両立させることが困難であった。
本発明は、小型化を容易に実現できる上に、高耐電圧及び高静電容量が高く、ESRが低いコンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を包含する。
[1]弁金属の多孔質体からなる陽極と、陽極表面が化成処理により酸化されて形成された誘電体層と、誘電体層表面側に形成された固体電解質層とを具備するコンデンサにおいて、
下記式(I)で表される静電容量出現率が70〜100%であり、かつ、耐電圧(V)/化成電圧(V)が0.5〜1.0であり、
式(I) 静電容量出現率(%)=(静電容量(F)/固有静電容量(F))×100
固体電解質層は、π共役系導電性高分子とスルホン酸基を有する高分子化合物と該スルホン酸基を有する高分子化合物以外の水溶性化合物または水分散性化合物と窒素含有芳香族性環式化合物以外のアルカリ性化合物とを含有する導電性高分子溶液が塗布されて形成された層であり
水溶性化合物は、水溶性単分子化合物または水溶性高分子化合物であり、水溶性単分子化合物は、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物、2個以上のカルボキシル基を有する化合物、1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物、シランカップリング剤、アクリル化合物、水溶性有機溶媒のいずれかであり、水溶性高分子化合物は、ポリオキシアルキレン、水溶性ポリウレタン、水溶性ポリアミド、水溶性ポリイミド、水溶性ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸のいずれかであり、
水分散性化合物は、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂から選ばれるポリマーのエマルジョンであることを特徴とするコンデンサ。
[2] 水溶性化合物が前記水溶性高分子化合物である[1]に記載のコンデンサ。
[3] アルカリ性化合物が、無機アルカリ化合物、脂肪族アミン化合物、金属アルコキシドのいずれかであることを特徴とする[1]または[2]に記載のコンデンサ。
本発明のコンデンサは、小型化を容易に実現できる上に、耐電圧及び静電容量が高く、ESRが低い。
「コンデンサ」
本発明のコンデンサの一実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例のコンデンサの構成を示す。本実施形態のコンデンサ10は、弁金属の多孔質体からなる陽極11と、陽極11の表面が化成処理により酸化されて形成された誘電体層12と、誘電体層12の表面に形成された固体電解質層13と、陰極14とを有して概略構成されている。
該コンデンサは、下記式(I)で表される静電容量出現率が70〜100%であり、好ましくは80〜100%であり、かつ、耐電圧(V)/化成電圧(V)が0.7〜1.0である。
式(I) 静電容量出現率(%)=(静電容量(F)/固有静電容量(F))×100
ここで、固有静電容量は、固体電解質層13の代わりに液状の電解質を用いて測定した際の静電容量である。耐電圧は、25℃にて直流電圧を印加した際に絶縁破壊が生じない最大電圧である。化成電圧は、化成処理にて陽極11に印加した電圧である。
コンデンサ10では、静電容量出現率が70%未満であると、小型化と高静電容量化との両立が困難になる。また、コンデンサ10の耐電圧(V)/化成電圧(V)が0.5未満であると、化成処理の効率が低く、高い耐電圧を得るためには化成電圧を高くしなければならない。なお、耐電圧が化成電圧を超えることはないから、耐電圧(V)/化成電圧(V)が1.0を超えることはない。
静電容量出現率及び耐電圧(V)/化成電圧(V)を上記範囲にするためには、後述するように、固体電解質層13に、π共役系導電性高分子とスルホン酸基を有する化合物と該スルホン酸基を有する化合物以外の水溶性化合物または水分散性化合物とを含有させればよい。
<陽極>
陽極11をなす弁金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモンなどが挙げられる。これらのうち、アルミニウム、タンタル、ニオブが好適である。
陽極11の具体例としては、アルミニウム箔をエッチングして表面積を増加させた後、その表面を酸化処理したものや、タンタル粒子やニオブ粒子の焼結体表面を酸化処理してペレットにしたものが挙げられる。このように酸化処理された陽極11は表面に凹凸が形成されている。
<誘電体層>
誘電体層12は、例えば、アジピン酸ジアンモニウム水溶液などの電解液中にて、陽極11の表面を陽極酸化することで形成することにより得られる。そのため、図1に示すように、誘電体層12は、陽極11の凹凸の表面に沿っている。
誘電体層12を形成する際の化成処理は、陽極11を電解液中で電圧を印加して、陽極11の表面を電解酸化する処理のことである。その際の、印加電圧は、弁金属の種類、多孔質体の表面積、多孔質体の大きさ、電解液の種類、所望の性能等に応じて適宜決められる。
<固体電解質層>
固体電解質層13は、π共役系導電性高分子とスルホン酸基を有する化合物と該スルホン酸基を有する化合物以外の水溶性化合物または水分散性化合物とを必須成分として含有するものである。固体電解質層13が、π共役系導電性高分子とスルホン酸基を有する化合物と水溶性化合物または水分散性化合物とを必須成分として含有することにより、静電容量出現率(%)及び耐電圧(V)/化成電圧(V)を上記範囲にすることができる。
(π共役系導電性高分子)
π共役系導電性高分子は、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用できる。例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性を得ることができるが、導電性をより高めるためには、アルキル基、カルボン酸基、スルホン酸基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
このようなπ共役系導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
中でも、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる1種又は2種からなる(共)重合体が抵抗値、反応性の点から好適に用いられる。さらには、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)は、導電性がより高くなる上に耐熱性が向上する点から、より好ましい。
(スルホン酸基を有する化合物)
スルホン酸基を有する化合物は、π共役系導電性高分子のドーパントになるものである。
スルホン酸基を有する化合物は、スルホン酸基を有する単分子であってもよいし、スルホン酸基を有する高分子であってもよい。
スルホン酸基を有する単分子としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸等の有機スルホン酸化合物などが挙げられる。
スルホン酸基を有する高分子は、置換又は未置換のポリアルキレン、置換又は未置換のポリアルケニレン、置換又は未置換のポリイミド、置換又は未置換のポリアミド、置換又は未置換のポリエステルから選ばれた単独重合体又は共重合体であって、スルホン酸基を有する構成単位を有するものである。
なお、スルホン酸基を有する高分子は、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させるだけでなく、π共役系導電性高分子のドーパントとしても機能する。
ここで、ポリアルキレンとは、主鎖がメチレンの繰り返しで構成されているポリマーである。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピレン)、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。
ポリアルケニレンとは、主鎖に不飽和結合(ビニル基)が1個以上含まれる構成単位からなるポリマーである。これらの中でも、不飽和結合とπ共役系導電性高分子との相互作用があること、置換又は未置換のブタジエンを出発物質として合成しやすいことから、置換又は未置換のブテニレンが好ましい。
ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる一種以上の構成単位を含む重合体が挙げられる。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、2,2’−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の無水物とオキシジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドが挙げられる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等が挙げられる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
スルホン酸基を有する高分子が他の置換基を有する場合、その置換基としては、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、アルコキシル基、カルボニル基、オキシカルボニル基等が挙げられる。溶媒への溶解性、耐熱性及び樹脂への相溶性等を考慮すると、アルキル基、ヒドロキシル基、フェノール基、オキシカルボニル基が好ましい。
アルキル基は、極性溶媒又は非極性溶媒への溶解性及び分散性、樹脂への相溶性及び分散性等を高くすることができ、ヒドロキシル基は、他の水素原子等との水素結合を形成しやすくでき、有機溶剤への溶解性、樹脂への相溶性、分散性、接着性を高くすることができる。また、シアノ基及びヒドロキシフェニル基は、極性樹脂への相溶性、溶解性を高くすることができ、しかも、耐熱性も高くすることができる。
上記置換基の中では、アルキル基、ヒドロキシル基、オキシカルボニル基、シアノ基が好ましい。
前記アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等の鎖状アルキル基、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。有機溶剤への溶解性、樹脂への分散性、立体障害等を考慮すると、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましい。
前記ヒドロキシル基としては、スルホン酸基を有する高分子の主鎖に直接結合したヒドロキシル基又は他の官能基を介在して結合したヒドロキシル基が挙げられる。他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。ヒドロキシル基はこれらの官能基の末端又は中に置換されている。これらの中では樹脂への相溶及び有機溶剤への溶解性から、主鎖に結合した炭素数1〜6のアルキル基の末端に結合したヒドロキシル基がより好ましい。
前記オキシカルボニル基としては、スルホン酸基を有する高分子の主鎖に直接結合したアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、他の官能基を介在してなるアルキルオキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
前記シアノ基としては、スルホン酸基を有する高分子の主鎖に直接結合したシアノ基、スルホン酸基を有する高分子の主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端に結合したシアノ基、スルホン酸基を有する高分子の主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端に結合したシアノ基等を挙げることができる。
スルホン酸基を有する高分子の重合度は、モノマー単位が10〜100,000個の範囲であることが好ましく、導電性の点からは、50〜10,000個の範囲がより好ましい。
スルホン酸基を有する高分子の具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらのうち、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリマーは、π共役系導電性高分子の熱分解を緩和することができる。
スルホン酸基を有する高分子の重合度は、モノマー単位が10〜100,000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10,000個の範囲がより好ましい。
固体電解質層13中の上記π共役系導電性高分子とスルホン酸基を有する化合物との割合は、スルホン酸基を有する化合物100質量部に対してπ共役系導電性高分子1〜1,000質量部であることが好ましい。π共役系導電性高分子が1質量部未満であると、導電性が不足する傾向にあり、1,000質量部を超えると溶媒溶解性が不足する傾向にある。
(水溶性化合物)
水溶性化合物は、常温、常圧で液体または固体で、100gの水に対して0.5g以上溶解する化合物であって、段落番号0016に記載されたスルホン酸基を有する化合物以外の化合物である。水溶性化合物としては、例えば、水と強く相互作用する酸素、窒素、硫黄等の原子を含む親水基を有する化合物が挙げられる。親水基としては、たとえば、−CO−、−COOM、−CONR−、−OH、−NR、−O−、−SOM及びこれらの基を含む塩等が挙げられる(Rは水素原子または有機基である。Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、4級アミン等である。)。ただし、水溶性化合物として使用される−SOMを有する化合物は、π共役系導電性高分子のドーパントとして添加したものとは異なるものである。
水溶性化合物は、水溶性単分子化合物、水溶性高分子化合物のいずれであってもよい。
[水溶性単分子化合物]
水溶性単分子化合物としては、例えば、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物、2個以上のカルボキシル基を有する化合物、1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物、シランカップリング剤、アクリル化合物、水溶性有機溶媒などが挙げられる。
・窒素含有芳香族性環式化合物
窒素含有芳香族性環式化合物とは、少なくとも1個以上の窒素原子を含む芳香族性環を有し、芳香族性環中の窒素原子が芳香性環中の他の原子と共役関係を持つものである。共役関係となるためには、窒素原子と他の原子とが不飽和結合を形成している。あるいは、窒素原子が直接的に他の原子と不飽和結合を形成していなくても、不飽和結合を形成している他の原子に隣接していればよい。窒素原子上に存在している非共有電子対が、他の原子同士で形成されている不飽和結合と擬似的な共役関係を構成できるからである。
窒素含有芳香族性環式化合物においては、他の原子と共役関係を有する窒素原子と、不飽和結合を形成している他の原子に隣接している窒素原子を共に有することが好ましい。
このような窒素含有芳香族性環式化合物としては、例えば、一つの窒素原子を含有するピリジン類及びその誘導体、二つの窒素原子を含有するイミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体、ピラジン類及びその誘導体、三つの窒素原子を含有するトリアジン類及びその誘導体等が挙げられる。溶媒溶解性等の観点からは、ピリジン類及びその誘導体、イミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体が好ましい。
また、窒素含有芳香族性環式化合物は、アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、オキシカルボニル基、アルコキシル基、カルボニル基等の置換基が環に導入されたものでもよいし、導入されていないものでもよい。また、環は多環であってもよい。
ピリジン類及びその誘導体の具体的な例としては、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−エチルピリジン、N−ビニルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3−シアノ−5−メチルピリジン、2−ピリジンカルボン酸、6−メチル−2−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボキシアルデヒド、4−アミノピリジン、2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、4−ヒドロキシピリジン、4−ピリジンメタノール、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ピリジンジメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸メチル、2−ヒドロキシ−5−ピリジンメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸エチル、4−ピリジンメタノール、4−ピリジンエタノール、2−フェニルピリジン、3−メチルキノリン、3−エチルキノリン、キノリノール、2,3−シクロペンテノピリジン、2,3−シクロヘキサノピリジン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)プロパン、2−ピリジンカルボキシアルデヒド、2−ピリジンカルボン酸、2−ピリジンカルボニトリル、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3−ピリジンスルホン酸等が挙げられる。
イミダゾール類及びその誘導体の具体的な例としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ウンデジルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール、N−アリルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール(N−ヒドロキシエチルイミダゾール)、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチル、ベンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール−2−スルホン酸、2−アミノ−1−メチルべンズイミダゾール、2−ヒドロキシべンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)べンズイミダゾール等が挙げられる。
ピリミジン類及びその誘導体の具体的な例としては、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−アミノ−6−クロロ−4−メトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメトキシピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノ−4−メチルピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジメトキシピリミジン、2,4,5−トリヒドロキシピリミジン、2,4−ピリミジンジオール等が挙げられる。
ピラジン類及びその誘導体の具体的な例としては、ピラジン、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、ピラジンカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5−メチルピラジンカルボン酸、ピラジンアミド、5−メチルピラジンアミド、2−シアノピラジン、アミノピラジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、2−エチル−3−メチルピラジン、2−エチル−3−メチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,3−ジエチルピラジン等が挙げられる。
トリアジン類及びその誘導体の具体的な例としては、1,3,5−トリアジン、2−アミノ−1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリ−2−ピリジン−1,3,5−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ビス(4−フェニルスルホン酸)−1,2,4―トリアジン二ナトリウム、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4―トリアジン−ρ,ρ’−ジスルホン酸二ナトリウム、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
窒素含有芳香族性環式化合物における窒素原子には非共有電子対が存在しているため、窒素原子上には置換基又はプロトンが配位又は結合されやすい。窒素原子上に置換基又はプロトンが配位又は結合された場合には、窒素原子上にカチオン電荷を帯びる傾向がある。ここで、窒素原子と他の原子とは共役関係を有しているため、窒素原子上に置換基又はプロトンが配位又は結合されたことによって生じたカチオン電荷は窒素含有芳香族性環中に拡散されて、安定した形で存在するようになる。
このようなことから、窒素含有芳香族性環式化合物は、窒素原子に置換基が導入されて窒素含有芳香族性環式化合物カチオンを形成していてもよい。さらに、そのカチオンとアニオンとが組み合わされて塩が形成されていてもよい。塩であっても、カチオンでない窒素含有芳香族性環式化合物と同様の効果を発揮する。
窒素含有芳香族性環式化合物の窒素原子に導入される置換基としては、水素原子、アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、オキシカルボニル基、アルコキシル基、カルボニル基等が挙げられる。置換基の種類は前記に示される置換基を導入することができる。
窒素含有芳香族性環式化合物の含有量は、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して0.1〜100モルの範囲であることが好ましく、0.5〜30モルの範囲であることがより好ましく、固体電解質層13の物性及び導電性の観点からは、1〜10モルの範囲が特に好ましい。窒素含有芳香族性環式化合物の含有率が0.1モルより少なくなると、窒素含有芳香族性環式化合物とポリアニオン及び共役系導電性高分子との相互作用が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがある。また、窒素含有芳香族性環式化合物が100モルを超えて含まれると共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくく、固体電解質層13の物性が変化することがある。
・2個以上のヒドロキシル基を有する化合物
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジエタノール、グルコース、酒石酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類;
ポリビニルアルコール、セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール;
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガーリック酸エチル(没食子酸エチル)等の芳香族化合物、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物の含有量は、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して0.05〜50モルの範囲であることが好ましく、0.3〜10モルの範囲であることがより好ましい。2個以上のヒドロキシル基を有する化合物の含有量が、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して0.05モルより少なくなると、導電性及び耐熱性が不足することがある。また、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物の含有量が、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して50モルより多くなると、固体電解質層13中のπ共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくく、固体電解質層13の物性が変化することがある。
導電性向上剤として2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を含む場合には、以下の理由から、固体電解質層13の導電性をより高くすることができる。
固体電解質層13中のπ共役系導電性高分子は高度な酸化状態にあり、熱等によりその一部が酸化劣化しやすくなっている。そのため、ラジカルが発生し、ラジカル連鎖によって劣化が進行すると考えられる。ところが、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物は、ヒドロキシル基のラジカル捕捉によって、ラジカル連鎖を遮断して、劣化の進行を抑制でき、その結果、導電性がより高くなるものと推測される。
・2個以上のカルボキシル基を有する化合物
2個以上のカルボキシル基を有する化合物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マロン酸、1,4−ブタンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸、クエン酸等の脂肪族カルボン酸類化合物;
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4,4’−オキシジフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の、芳香族性環に少なくとも一つ以上のカルボキシル基が結合している芳香族カルボン酸類化合物;ジグリコール酸、オキシ二酪酸、チオ二酢酸(チオジ酢酸)、チオ二酪酸、イミノ二酢酸、イミノ酪酸等が挙げられる。
2個以上のカルボキシル基を有する化合物は、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して0.1〜30モルの範囲であることが好ましく、0.3〜10モルの範囲であることがより好ましい。2個以上のカルボキシル基を有する化合物の含有量が、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して0.1モルより少なくなると、導電性及び耐熱性が不足することがある。また2個以上のカルボキシル基を有する化合物の含有量が、ポリアニオンのアニオン基単位1モルに対して30モルより多くなると、固体電解質層13中のπ共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくく、固体電解質層13の物性が変化することがある。
・1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物
1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物としては、酒石酸、グリセリン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等が挙げられる。
1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物の含有量は、ポリアニオンとπ共役系導電性高分子の合計100質量部に対して1〜5,000質量部であることが好ましく、50〜500質量部であることがより好ましい。1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物の含有量が1質量部より少なくなると、導電性及び耐熱性が不足することがある。また、1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物の含有量が5,000質量部より多くなると、固体電解質層13中のπ共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得ることが難しい。
・アミド化合物
アミド基を有する化合物は、−CO−NH−(COの部分は二重結合)で表されるアミド結合を分子中に有する単分子化合物である。すなわち、アミド化合物としては、例えば、上記結合の両末端に官能基を有する化合物、上記結合の一方の末端に環状化合物が結合された化合物、上記両末端の官能基が水素である尿素及び尿素誘導体などが挙げられる。
アミド化合物の具体例としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、ナフトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2−フルアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、プロピオンアミド、プロピオルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、メタクリルアミド、パルミトアミド、ステアリルアミド、オレアミド、オキサミド、グルタルアミド、アジプアミド、シンナムアミド、グルコールアミド、ラクトアミド、グリセルアミド、タルタルアミド、シトルアミド、グリオキシルアミド、プルブアミド、アセトアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアミド、アントラニルアミド、エチレンジアミンテトラアセトアミド、ジアセトアミド、トリアセトアミド、ジベンズアミド、トリベンズアミド、ローダニン、尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、ビウレット、ブチル尿素、ジブチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素及びこれらの誘導体等が挙げられる。
また、アミド化合物として、アクリルアミドを使用することもできる。アクリルアミドとしては、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられる。
アミド化合物の分子量は46〜10,000であることが好ましく、46〜5,000であることがより好ましく、46〜1,000であることが特に好ましい。
アミド化合物の含有量は、ポリアニオンとπ共役系導電性高分子の合計100質量部に対して1〜5,000質量部であることが好ましく、50〜500質量部であることがより好ましい。アミド化合物の含有量が1質量部より少なくなると、導電性及び耐熱性が不足することがある。また、アミド化合物の含有量が5,000質量部より多くなると、固体電解質層13中のπ共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得ることが難しい。
・イミド化合物
アミド化合物としては、導電性がより高くなることから、イミド結合を有する単分子化合物(以下、イミド化合物という。)が好ましい。イミド化合物としては、その骨格より、フタルイミド及びフタルイミド誘導体、スクシンイミド及びスクシンイミド誘導体、ベンズイミド及びベンズイミド誘導体、マレイミド及びマレイミド誘導体、ナフタルイミド及びナフタルイミド誘導体などが挙げられる。
また、イミド化合物は両末端の官能基の種類によって、脂肪族イミド、芳香族イミド等に分類されるが、溶解性の観点からは、脂肪族イミドが好ましい。
さらに、脂肪族イミド化合物は、分子内の炭素間に不飽和結合を有する飽和脂肪族イミド化合物と、分子内の炭素間に不飽和結合を有する不飽和脂肪族イミド化合物とに分類される。
飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの両方が飽和炭化水素である化合物である。具体的には、シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、アラントイン、ヒダントイン、バルビツル酸、アロキサン、グルタルイミド、スクシンイミド、5−ブチルヒダントイン酸、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,5,5−トリメチルヒダントイン、5−ヒダントイン酢酸、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、グルタルイミド、セミカルバジド、α,α−ジメチル−6−メチルスクシンイミド、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、シクロヘキシルイミドなどが挙げられる。
不飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの一方又は両方が1つ以上の不飽和結合である化合物である。具体例は、1,3−ジプロピレン尿素、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,8−ビスマレイミドオクタン、N−カルボキシヘプチルマレイミドなどが挙げられる。
イミド化合物の分子量は60〜5,000であることが好ましく、70〜1,000であることがより好ましく、80〜500であることが特に好ましい。
イミド化合物の含有量は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量部に対して10〜10,000質量部であることが好ましく、50〜5,000質量部であることがより好ましい。アミド化合物及びイミド化合物の添加量が前記下限値未満であると、アミド化合物及びイミド化合物添加による効果が低くなるため好ましくない。また、前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下が起こるため好ましくない。
・ラクタム化合物
ラクタム化合物とは、アミノカルボン酸の分子内環状アミドであり、環の一部が−CO−NR−(Rは水素又は任意の置換基)である化合物である。ただし、環の一個以上の炭素原子が不飽和やヘテロ原子に置き換わっていてもよい。
ラクタム化合物としては、例えば、ペンタノ−4−ラクタム、4−ペンタンラクタム−5−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリジノン、ヘキサノ−6−ラクタム、6−ヘキサンラクタム等が挙げられる。
ラクタム化合物の含有量は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量部に対して10〜10000質量部であることが好ましく、50〜5000質量部であることがより好ましい。ラクタム化合物の添加量が前記下限値未満であると、ラクタム化合物添加による効果が低くなるため好ましくない。また、前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下が起こるため好ましくない。
・グリシジル基を有する化合物
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル等のグリシジル化合物などが挙げられる。
グリシジル基を有する化合物の含有量は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量部に対して10〜10000質量部であることが好ましく、50〜5000質量部であることがより好ましい。グリシジル基を有する化合物の添加量が前記下限値未満であると、グリシジル基を有する化合物添加による効果が低くなるため好ましくない。また、前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下が起こるため好ましくない。
・シランカップリング剤
シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメエチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、必要に応じて任意量を添加することができ、特に限定しない。π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量部に対して10〜10000質量部であることが好ましい。
・アクリル化合物
アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブトキシエチルメタクリレート、n−ブトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、n−ブトキシエチルアクリレート、n−ブトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート等の単官能(メタ)アクリレート化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリシジルエーテル、トリプロピレングリシジルエーテル、ポリプロピレングリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、グリシジルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどが挙げられる。
アクリル化合物の含有量は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量部に対して10〜100000質量部であることが好ましく、50〜10000質量部であることがより好ましい。アクリル化合物の添加量が前記下限値未満であると、アクリル化合物添加による効果が低くなるため好ましくない。また、前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下が起こるため好ましくない。
・水溶性有機溶媒
水溶性有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等の極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、ジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよい。
[水溶性高分子化合物]
水溶性高分子化合物は、高分子の主鎖又は側鎖に上記親水基が導入されてなり、水溶性を示すものである。水溶性高分子化合物の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレン、水溶性ポリウレタン、水溶性ポリエステル、水溶性ポリアミド、水溶性ポリイミド、水溶性ポリアクリル、水溶性ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等が挙げられる。
水溶性高分子化合物の中でも、コンデンサ10の耐電圧がより高くなることから、ポリオキシアルキレンが好ましい。ポリオキシアルキレンの末端は各種置換基で置換されていてもよい。
ポリオキシアルキレンの具体例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、オリゴポリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノクロルヒドリン、ジエチレングリコールモノクロルヒドリン、オリゴエチレングリコールモノクロルヒドリン、トリエチレングリコールモノブロムヒドリン、ジエチレングリコールモノブロムヒドリン、オリゴエチレングリコールモノブロムヒドリン、ポリエチレングリコール、グリシジルエーテル類、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル類、ポリエチレンオキシド、トリエチレングリコール・ジメチルエーテル、テトラエチレングリコール・ジメチルエーテル、ジエチレングリコール・ジメチルエーテル、ジエチレングリコール・ジエチルエーテル・ジエチレングリコール・ジブチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンジオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどが挙げられる。
水溶性ポリウレタン、水溶性ポリエステル、水溶性ポリアミド、水溶性ポリイミドとしては、各々、置換又は未置換のポリウレタン、置換又は未置換のポリエステル、置換又は未置換のポリアミド、置換又は未置換のポリイミドに、スルホン酸基が導入された高分子が挙げられる。
水溶性ポリアクリルとしては、上述したアクリル化合物が(共)重合したものが挙げられる。
水溶性高分子化合物は、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。
水溶性高分子化合物の質量平均分子量は100〜5,000,000の範囲であることが好ましく、400〜1,000,000の範囲であることがより好ましい。水溶性高分子化合物の質量平均分子量が5,000,000を超えると、導電性高分子溶液中での混合性が低下すると共に、誘電体層12の孔内への浸透性が低下するため、耐電圧向上効果が発揮されにくくなる。質量平均分子量が100より小さいと、固体電解質層13内で動き易くなるため、やはり耐電圧が小さくなる傾向にある。
水溶性化合物の中でも、耐電圧がより高くなることから、水溶性高分子化合物が好ましい。
上述した水溶性化合物は、π共役系導電性高分子と相互作用してπ共役系導電性高分子の電気伝導度を向上させることができるため、固体電解質層13の導電性を向上させる効果も発揮する。すなわち、水溶性化合物は高導電化剤としても機能する。
[水分散性化合物]
水分散性化合物は、親水性の低い化合物の一部が親水性の高い官能基で置換されたもの、あるいは、親水性の低い化合物の周囲に親水性の高い官能基を有する化合物が吸着したもの(例えばエマルジョン等)であって、水中で沈殿せずに分散するものが挙げられる。
具体例としては、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらポリマーのエマルジョン等が挙げられる。
エマルジョンの粒子径は、誘電体層12内部への浸透性の観点から、誘電体層12の孔径より小さいことが好ましく、誘電体層12の孔径の1/2以下であることがより好ましい。
水溶性化合物及び水分散性化合物は1種類だけでもよいし、2種類以上を併用してもよい。水溶性化合物及び水分散性化合物を2種類以上併用する場合には、水溶性化合物の2種類以上、水分散性化合物の2種以上であってもよいし、1種類以上の水溶性化合物と1種類以上の水分散性化合物の併用であってもよい。
水溶性化合物及び水分散性化合物の量は、π共役系導電性高分子とスルホン酸基を有する化合物との合計100質量部に対して1〜10,000質量部であることが好ましく、50〜5,000質量部であることがより好ましい。水溶性化合物及び水分散性化合物の含有量が1質量部未満であると、コンデンサ10の耐電圧が高くならないことがあり、10,000質量部を超えると、固体電解質層13の導電性が低くなり、コンデンサ10のESRが高くなる傾向にある。
(アルカリ性化合物)
固体電解質層13には、アルカリ性化合物が含まれていることが好ましい。固体電解質層13にアルカリ性化合物が含まれていると、スルホン酸基を有する化合物のπ共役系導電性子分子からの脱ドープをより防止でき、導電性をより高くできる。
アルカリ性化合物としては、公知の無機アルカリ化合物や有機アルカリ化合物を使用できる。無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等が挙げられる。
有機アルカリ化合物として、窒素含有芳香族性環式化合物(芳香族アミン)、脂肪族アミン、金属アルコキシド等を好適に用いることができる。
窒素含有芳香族性環式化合物としては、上述したものが挙げられる。
脂肪族アミン化合物としては、例えば、エチルアミン、n−オクチルアミン、ジエチルアミン、ジイソブチルアミン、メチルエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、アリルアミン、2−エチルアミノエタノール、2,2’−イミノジエタノール、N−エチルエチレンジアミン等が挙げられる。
金属アルコキシドとしては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、カルシウムアルコキシド等が挙げられる。
アルカリ性化合物の中でも、窒素含有芳香族性環式化合物が好ましい。アルカリ性化合物が窒素含有芳香族性環式化合物であれば、スルホン酸基を有する化合物のπ共役系導電性子分子からの脱ドープを特に防止できる上に、固体電解質層13の導電性を特に向上させることができる。
アルカリ性化合物の含有量は、導電性高分子溶液の25℃におけるpHが3〜13の範囲で調整することができれば、任意量を添加することができ、特に限定しない。
<陰極>
陰極14は、例えば、カーボン、銀、アルミニウム等の層から構成されたものである。
陰極14が、カーボン、銀等で構成される場合には、カーボン、銀等の導電体を含む導電性ペーストから形成することができる。また、陰極14がアルミニウムで構成される場合には、アルミニウム箔からなる。
「コンデンサの製造方法」
上述したコンデンサ10は、例えば、下記の第1の製造方法または第2の製造方法により製造することができる。
(第1の製造方法)
コンデンサ10の第1の製造方法は、弁金属の多孔質体からなる陽極11の表面を化成処理により酸化して形成した誘電体層12表面に、導電性高分子原料溶液を付着させる工程(以下、工程Aという。)と、誘電体層12表面に付着させた導電性高分子原料溶液中のπ共役系導電性高分子の前駆体モノマーを重合させ、固体電解質層13を形成する工程(以下、工程Bという。)と、固体電解質層13上に導電性ペーストを塗布して陰極14を形成する工程(以下、工程Cという。)とを有する方法である。
[工程A]
工程Aにて使用される導電性高分子原料溶液は、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーとスルホン酸基を有する化合物と水溶性化合物または水分散性化合物と溶媒とを含有するものである。
π共役系導電性高分子の前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、N−メチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
導電性高分子原料溶液におけるスルホン酸基を有する化合物、水溶性化合物または水分散性化合物は、固体電解質層13を構成するものと同様である。
溶媒としては、水及び/又は有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等の極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、ジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよい。
有機溶媒の含有量は、π共役系導電性高分子とスルホン酸基を有する化合物の合計100質量部に対して1〜50,000質量部であることが好ましく、50〜10,000質量部であることがより好ましい。
導電性高分子原料溶液には、必要に応じて、導電性高分子原料溶液の塗布性、安定性、固体電解質層13の性質等を改良するために添加剤を添加してもよい。添加剤としてはπ共役系導電性高分子及びスルホン酸基を有する化合物と混合しうるものであれば特に制限されず、例えば、界面活性剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤などを使用できる。
界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;アミン塩、4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤;カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンレジン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類、ビタミン類等が挙げられる。
導電性高分子原料溶液は25℃におけるpHが3〜13であることが好ましく、5〜11であることがより好ましい。導電性高分子原料溶液のpHが3以上であれば、導電性高分子原料溶液による誘電体層12の腐食を防止できる。ただし、pH13を超えるとπ共役系導電性高分子の導電性が低下する傾向にあるため、好ましくない。
導電性高分子原料溶液のpHを3〜13にするためには、上述したアルカリ性化合物を添加すればよい。
工程Bにおける導電性高分子原料溶液を誘電体層12の表面に付着させる方法としては、例えば、コーティング、浸漬、スプレーなどの公知の手法が適用できる。導電性高分子原料溶液を付着させる際には、減圧してもよいし、加圧してもよいし、遠心をかけてもよい。
[工程B]
工程Bにて、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーを重合する際には、通常、酸化触媒を使用する。酸化触媒としては、例えば、ぺルオキソ二硫酸アンモニウム(過硫酸アンモニウム)、ぺルオキソ二硫酸ナトリウム(過硫酸ナトリウム)、ぺルオキソ二硫酸カリウム(過硫酸カリウム)等のぺルオキソ二硫酸塩、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物、三フッ化ホウ素などの金属ハロゲン化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、過酸化水素、オゾン等の過酸化物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酸素等が挙げられる。
酸化触媒は、あらかじめ導電性高分子原料溶液に添加しておくことが好ましい。
また、重合の際には、ヒータ等により加熱することが好ましく、具体的には、加熱温度が50〜150℃であることが好ましい。
加熱により、有機溶媒を揮発させることができる。しかし、この加熱により、導電性高分子原料溶液中の有機溶媒の全部が必ず除去されるとは限らず、有機溶媒によっては一部が固体電解質層13中に残留することがある。
重合後、イオン交換水によって洗浄して不純イオンを除去してもよい。
[工程C]
工程Cで使用される導電性ペーストとしては、例えば、カーボンペースト、銀ペーストなどが挙げられる。
(第2の製造方法)
コンデンサ10の第2の製造方法は、弁金属の多孔質体からなる陽極11の表面を化成処理により酸化して形成した誘電体層12表面に、導電性高分子溶液を付着させる工程(以下、工程Dという。)と、誘電体層12表面に付着させた導電性高分子溶液を乾燥させて、固体電解質層13を形成する工程(以下、工程Eという。)と、上記工程Cとを有する方法である。
[工程D]
工程Dにて使用される導電性高分子溶液は、π共役系導電性高分子とスルホン酸基を有する高分子と水溶性化合物または水分散性化合物と溶媒とを含有するものである。π共役系導電性高分子、スルホン酸基を有する高分子、水溶性化合物または水分散性化合物、溶媒としては、上述したものが使用される。また、導電性高分子溶液には、第1の製造方法と同様の添加剤を含有させてもよい。
該導電性高分子溶液を調製する方法としては、例えば、まず、溶媒中、スルホン酸基を有する高分子の存在下、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを化学酸化重合して、π共役系導電性高分子とスルホン酸基を有する高分子とが複合した複合体を含む溶液を調製する方法が挙げられる。
導電性高分子溶液は25℃におけるpHが3〜13であることが好ましく、5〜11であることが好ましい。導電性高分子溶液のpHが3以上であれば、導電性高分子溶液による誘電体層12の腐食を防止できる。ただし、pH13を超えるとπ共役系導電性高分子の導電性が低下する傾向にあるため、好ましくない。
導電性高分子溶液のpHを3〜13にするためには、上述したアルカリ性化合物を添加すればよい。
工程Dにおける導電性高分子溶液を誘電体層12の表面に付着させる方法としては、例えば、コーティング、浸漬、スプレーなどの公知の手法が挙げられる。
[工程E]
工程Eにおける導電性高分子溶液の乾燥方法としては、室温乾燥、熱風乾燥、遠赤外線乾燥など公知の手法が挙げられる。なお、この乾燥の際、導電性高分子溶液中の有機溶媒の全部が必ず除去されるとは限らず、有機溶媒によっては一部が固体電解質層13中に残留することがある。
従来、π共役系導電性高分子を固体電解質層に使用したコンデンサでは、化成電圧の30〜40%の最大耐電圧しか得られず、また、固有静電容量の60%の静電容量しか得られず、しかも高静電容量と高耐電圧とを両立させることが困難であった。
これに対し、静電容量出現率(%)及び耐電圧(V)/化成電圧(V)が前記特定範囲内にある本発明のコンデンサは、固体電解質層13を厚くしなくても、静電容量及び耐電圧を高くできる。したがって、小型化を容易に実現できる上に、耐電圧が高く、ESRが低く、しかも静電容量が高い。
なお、本発明のコンデンサは上述した実施形態例に限定されない。例えば、本発明のコンデンサは、誘電体層と陰極との間に、必要に応じて、セパレータを設けることができる。誘電体層と陰極との間にセパレータが設けられたコンデンサとしては、巻回型コンデンサが挙げられる。
セパレータとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデンなどからなるシート(不織布を含む)、ガラス繊維の不織布などが挙げられる。
セパレータの密度は、0.1〜1g/cmの範囲であることが好ましく、0.2〜0.8g/cmの範囲であることがより好ましい。
セパレータを設ける場合には、セパレータにカーボンペーストあるいは銀ペーストを含浸させて陰極を形成する方法を適用することもできる。
また、本発明のコンデンサにおいて、必要に応じて電解液を用いることができる。電解液としては電気伝導度が高ければ特に限定されず、周知の電解液用溶媒中に周知の電解質を溶解させたものが挙げられる。
電解液用溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等のアルコール系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水等が挙げられる。
電解質としては、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、蟻酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸等のデカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸等のオクタンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有機酸、あるいは、硼酸、硼酸と多価アルコールより得られる硼酸の多価アルコール錯化合物、りん酸、炭酸、けい酸等の無機酸などをアニオン成分とし、一級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等)、テトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)などをカチオン成分とした電解質が挙げられる。
また、上述した実施形態は、陰極が設けられているが、固体電解質層を陰極として利用した場合には、必ずしも陰極を別途設けなくてもよい。その場合、本発明により陽極の損傷を防ぐことができ、耐電圧を高めることができる。
以下に、例を示して本発明をさらに詳しく説明する。なお、以下の例におけるpHは25℃で測定した値である。
(製造例1)
エッチドアルミニウム箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸ジアンモニウム10質量%水溶液中で100V(化成電圧)の電圧を印加し、化成処理(酸化処理)して、アルミニウム箔表面に誘電体層を形成してコンデンサ中間体を得た。
次に、コンデンサ中間体の陽極箔に、陰極リード端子を溶接させた対向アルミニウム陰極箔を、セルロース製のセパレータを介して積層し、これを巻き取った後、アジピン酸ジアンモニウム10質量%水溶液中で100Vの電圧を印加し、再化成処理(酸化処理)して、コンデンサ素子とした。
次いで、コンデンサ素子を電解質溶液中に入れ、減圧含浸させた後、電解質溶液からコンデンサ素子を引き上げ、これをアルミニウム製のケースに収容し、封口ゴムで封止して、コンデンサを作製した。ここで、使用した電解質溶液は、γ−ブチロラクトン80gにアジピン酸ジアンモニウム20gを添加し、120℃に加熱して溶解させたものである。
作製したコンデンサについて、LCZメータ2345(エヌエフ回路設計ブロック社製)を用いて、120Hzでの静電容量、100kHzでの等価直列抵抗(ESR)の初期値を測定した。なお、この例で測定された静電容量は固有静電容量である。
また、コンデンサの耐電圧を次のようにして測定した。25℃の環境下で、両電極に直流電圧を印加し、0.2V/秒の速度で昇圧させて、電流値が0.4Aになったときの電圧を測定し、その電圧を耐電圧とした。
これらの測定結果を表6に示す。
(製造例2)
(1)導電性高分子溶液の調製
14.2g(0.1mol)の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、2,000mlのイオン交換水に27.5g(0.15mol)のポリスチレンスルホン酸(分子量;約150,000)を溶かした溶液とを20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64g(0.13mol)の過硫酸アンモニウムと8.0g(0.02mol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液を透析して、未反応モノマー、酸化剤、酸化触媒を除去して約1.5質量%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を含む溶液(以下、複合体溶液という。)を得た。
そして、この複合体溶液100gに、攪拌しながら、0.36gの25質量%アンモニア水を添加した後、水溶性化合物である9.0gのポリエチレングリコール400(数平均分子量;400)を添加して、pH8.5の導電性高分子溶液を得た。
(2)コンデンサの製造
製造例1と同様にして得たコンデンサ素子を(1)で調製した導電性高分子溶液に減圧下で浸漬した後、120℃の熱風乾燥機で10分間乾燥する工程を3回繰り返してコンデンサ中間体の誘電体層側表面に固体電解質層を形成させた。その固体電解質層を形成させたコンデンサ素子を用いたこと以外は製造例1と同様にしてコンデンサを作製した。
そして、製造例1と同様にして、静電容量、ESRの初期値、耐電圧を測定した。測定結果を表6に示す。また、その測定結果より、静電容量出現率(すなわち、測定した静電容量/製造例1の静電容量)及び耐電圧(V)/化成電圧(V)を算出した。それらの結果も表6に示す。
(製造例3〜81)
水溶性化合物であるポリエチレングリコール400の代わりに表1〜5に示したものを用いたこと以外は製造例2と同様にして、コンデンサを作製した。そして、製造例1と同様にして、静電容量、ESRの初期値、耐電圧を測定し、静電容量出現率及び耐電圧(V)/化成電圧(V)を求めた。それらの結果を表6〜10に示す。
Figure 0005058633
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(製造例82)
複合体溶液にポリエチレングリコール400及びアンモニア水を添加せず、そのまま導電性高分子溶液として使用したこと以外は製造例2と同様にして、コンデンサを作製した。そして、製造例1と同様にして、静電容量、ESRの初期値、耐電圧を測定し、静電容量出現率及び耐電圧(V)/化成電圧(V)を求めた。それらの結果を表11に示す。
(製造例83)
複合体溶液100に、0.36gの25質量%アンモニア水を添加し、ポリエチレングリコール400を添加しなかったこと以外は製造例2と同様にして、コンデンサを作製した。そして、製造例1と同様にして、静電容量、ESRの初期値、耐電圧を測定し、静電容量出現率及び耐電圧(V)/化成電圧(V)を求めた。それらの結果を表11に示す。
(製造例84)
複合体溶液100に、0.75gの25質量%ビニルイミダゾールを添加し、攪拌しながら、25質量%のポリウレタンのメチルエチルケトン/イソプロパノール混合溶媒溶液(荒川化学工業社製)3gを添加した後、3時間攪拌して導電性高分子溶液を調製しようとした。しかし、水溶性高分子化合物でもなく水分散性高分子でもないポリアミドイミドが析出し、導電性高分子溶液が得られなかったため、コンデンサ素子への含浸ができなかった。
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(製造例85)
所定の容器に、3,4−エチレンジオキシチオフェンと45質量%のp−トルエンスルホン酸鉄(III)ブタノール溶液をモル比で2:1になるように調整した後、3,4−エチレンジオキシチオフェンに対し4倍量のポリエチレングリコール400を添加して、導電性高分子原料溶液を調製した。次いで、コンデンサ素子の誘電体層に該導電性高分子原料溶液を60秒間含浸させた後、これを120℃の乾燥機中にて1時間加熱して化学酸化重合すると共に乾燥した。次いで、イオン交換水で洗浄した後、120℃の乾燥機中にて乾燥して、固体電解質層を作製した。
次いで、製造例2と同様にして、コンデンサを作製した。そして、製造例1と同様にして、静電容量、ESRの初期値、耐電圧を測定し、静電容量出現率及び耐電圧(V)/化成電圧(V)を求めた。それらの結果を表12に示す。
Figure 0005058633
(製造例86)
ポリエチレングリコール400の代わりにチオジエタノールを添加したこと以外は製造例85と同様にしてコンデンサを作製した。そして、製造例2と同様にして、静電容量、ESRの初期値、耐電圧を測定し、静電容量出現率及び耐電圧(V)/化成電圧(V)を求めた。それらの結果を表12に示す。
(製造例87)
ポリエチレングリコール400の代わりにヒドロキシエチルアセトアミドを添加したこと以外は製造例85と同様にしてコンデンサを作製した。そして、製造例2と同様にして、静電容量、ESRの初期値、耐電圧を測定し、静電容量出現率及び耐電圧(V)/化成電圧(V)を求めた。それらの結果を表12に示す。
(製造例88)
ポリエチレングリコール400の代わりにヒドロキシエチルアクリレートを添加したこと以外は製造例85と同様にしてコンデンサを作製した。そして、製造例2と同様にして、静電容量、ESRの初期値、耐電圧を測定し、静電容量出現率及び耐電圧(V)/化成電圧(V)を求めた。それらの結果を表12に示す。
(製造例89)
ポリエチレングリコール400を添加しなかったこと以外は製造例85と同様にしてコンデンサを作製した。そして、製造例2と同様にして、静電容量、ESRの初期値、耐電圧を測定し、静電容量出現率及び耐電圧(V)/化成電圧(V)を求めた。それらの結果を表12に示す。
静電容量出現率が70〜100%及び耐電圧(V)/化成電圧(V)が0.5〜1.0の製造例2〜81及び製造例85〜88のコンデンサは、小型化を容易に実現できる上に、耐電圧及び静電容量が高く、ESRが低い。
静電容量出現率が70%未満または耐電圧(V)/化成電圧(V)が0.5未満の製造例82,83,89のコンデンサは、耐電圧が低いか、ESRが高かった。
本発明のコンデンサの一実施形態例を示す断面模式図である。
符号の説明
10 コンデンサ
11 陽極
12 誘電体層
13 固体電解質層
14 陰極

Claims (3)

  1. 弁金属の多孔質体からなる陽極と、陽極表面が化成処理により酸化されて形成された誘電体層と、誘電体層表面側に形成された固体電解質層とを具備するコンデンサにおいて、
    下記式(I)で表される静電容量出現率が70〜100%であり、かつ、耐電圧(V)/化成電圧(V)が0.5〜1.0であり、
    式(I) 静電容量出現率(%)=(静電容量(F)/固有静電容量(F))×100
    固体電解質層は、π共役系導電性高分子とスルホン酸基を有する高分子化合物と該スルホン酸基を有する高分子化合物以外の水溶性化合物または水分散性化合物と窒素含有芳香族性環式化合物以外のアルカリ性化合物とを含有する導電性高分子溶液が塗布されて形成された層であり
    水溶性化合物は、水溶性単分子化合物または水溶性高分子化合物であり、水溶性単分子化合物は、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物、2個以上のカルボキシル基を有する化合物、1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物、シランカップリング剤、アクリル化合物、水溶性有機溶媒のいずれかであり、水溶性高分子化合物は、ポリオキシアルキレン、水溶性ポリウレタン、水溶性ポリアミド、水溶性ポリイミド、水溶性ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸のいずれかであり、
    水分散性化合物は、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂から選ばれるポリマーのエマルジョンであることを特徴とするコンデンサ。
  2. 水溶性化合物が前記水溶性高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
  3. アルカリ性化合物が、無機アルカリ化合物、脂肪族アミン化合物、金属アルコキシドのいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサ。
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