JP2016009770A - 電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐電圧を有する電解コンデンサを製造することのできる導電性高分子分散液及びそれを用いて作製した電解コンデンサを提供する。
【解決手段】誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成したコンデンサ素子に、電解液を含浸している電解コンデンサにおいて、導電性高分子を含有する固体電解質層が、導電性高分子と、コロイダルシリカと、を少なくとも含有することを特徴とする電解コンデンサ。
【選択図】なし
【解決手段】誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成したコンデンサ素子に、電解液を含浸している電解コンデンサにおいて、導電性高分子を含有する固体電解質層が、導電性高分子と、コロイダルシリカと、を少なくとも含有することを特徴とする電解コンデンサ。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐電圧に優れた電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
電解コンデンサは、アルミニウム、タンタル等の酸化皮膜が形成されている金属表面を陽極酸化処理等によって絶縁性の酸化皮膜を誘電体として形成したものを陽極側電極として用いる。この陽極側電極に対向させて陰極側電極を配置し、陽極側電極と陰極側電極の間にセパレータを介在させ、このセパレータに電解液を保持させることで電解コンデンサを得ることができる。電解コンデンサに要求される性能としては、漏れ電流や耐電圧が求められる。
近年、漏れ電流を向上させ、優れ耐電圧を得る方法として、コンデンサ素子に導電性固体層を形成させた電解コンデンサが開示されている(特許文献1)。しかしながら、該電解コンデンサは、漏れ電流の小さく、従来よりも耐電圧に優れているが、まだ、十分な耐電圧が得られていない問題があった。
以上より、優れた耐電圧を有する電解コンデンサ及びその製造方法が求められていた。
本発明の目的は、優れた耐電圧を有する電解コンデンサ及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子を含有する固体電解質層を有するコンデンサ素子を電解液に含浸している電解コンデンサにおいて、導電性高分子を含有する固体電解質層が、導電性高分子と、コロイダルシリカと、を少なくとも含有することを特徴とする電解コンデンサが上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
第一の発明は、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成したコンデンサ素子に、電解液を含浸している電解コンデンサにおいて、
導電性高分子を含有する固体電解質層が、導電性高分子と、コロイダルシリカと、を少なくとも含有することを特徴とする電解コンデンサである。
導電性高分子を含有する固体電解質層が、導電性高分子と、コロイダルシリカと、を少なくとも含有することを特徴とする電解コンデンサである。
第二の発明は、コロイダルシリカの平均粒子径が、1〜200nmであることを特徴とする第一の発明に記載の電解コンデンサである。
第三の発明は、導電性高分子が、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする第一又は第二の発明に記載の電解コンデンサである。
第四の発明は、電解液が、有機溶媒と電解質塩とを少なくとも含有することを特徴とする第一から第三の発明のいずれか一項に記載の電解コンデンサである。
第五の発明は、有機溶媒が、スルホラン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレングリコール、グリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする第四の発明に記載の電解コンデンサである。
第六の発明は、電解質塩のカチオン部が、アミンカチオンであることを特徴とする第四の発明に記載の電解コンデンサである。
第七の発明は、電解質塩のアニオン部が、フタル酸、マレイン酸、サリチル酸、グリコール酸、安息香酸、ホウ酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする第四の発明に記載の電解コンデンサである。
第八の発明は、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を導電性高分子分散液に接触させ、乾燥させた後、電解液を含浸させる工程を有する電解コンデンサの製造方法において、
導電性高分子分散液が、コロイダルシリカを含有していることを特徴とする電解コンデンサの製造方法である。
導電性高分子分散液が、コロイダルシリカを含有していることを特徴とする電解コンデンサの製造方法である。
第九の発明は、導電性高分子分散液におけるコロイダルシリカの含有量が1〜30質量%であることを特徴とする第八の発明に記載の電解コンデンサの製造方法である。
第十の発明は、コロイダルシリカの粒子径が、1〜200nmであることを特徴とする第八の発明に記載の電解コンデンサの製造方法である。
第十一の発明は、導電性高分子が、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする第八から第十の発明のいずれか一項に記載の電解コンデンサの製造方法である。
第十二の発明は、電解液が、有機溶媒と電解質塩とを少なくとも含有することを特徴とする第八から第十一の発明のいずれか一項に記載の電解コンデンサの製造方法である。
第十三の発明は、有機溶媒が、スルホラン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレングリコール、グリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする第十二の発明に記載の電解コンデンサの製造方法である。
第十四の発明は、電解質塩のカチオン部が、アミンカチオンであることを特徴とする第十二の発明に記載の電解コンデンサの製造方法である。
第十五の発明は、電解質塩のアニオン部が、フタル酸、マレイン酸、サリチル酸、グリコール酸、安息香酸、ホウ酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする第十二の発明に記載の電解コンデンサの製造方法である。
本発明によれば、優れた耐電圧を有する電解コンデンサ及びその製造方法を提供することができる。
本願発明は、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子を含有する固体電解質層を形成したコンデンサ素子を電解液に含浸している電解コンデンサにおいて、導電性高分子を含有する固体電解質層が、導電性高分子と、コロイダルシリカと、を少なくとも含有することを特徴とする電解コンデンサ及びその製造方法である。
上述した構成の電解コンデンサであれば、いかなる製造方法で製造してもよいが、一例として該電解コンデンサの製造方法を説明する。
<電解コンデンサの製造方法>
電解コンデンサの製造方法を以下に詳細に説明する。
電解コンデンサの製造方法を以下に詳細に説明する。
導電性高分子分散液を、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属に接触させた後、乾燥させることで、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子を含有する固体電解質層を形成させることができる。次に、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に固体電解質を形成させたコンデンサ素子に、電解液を含浸させることで電解コンデンサを作製することができる。
該接触させる方法は、任意の方法でよいが、好ましくは、浸漬させる方法、塗布する方法、注入させる方法等が挙げられる。
該接触させる方法は、任意の方法でよいが、好ましくは、浸漬させる方法、塗布する方法、注入させる方法等が挙げられる。
(導電性高分子分散液)
上述した導電性高分子分散液は、コロイダルシリカと、導電性高分子と、分散媒と、を少なくとも含有することを特徴とする導電性高分子分散液である。
上述した導電性高分子分散液は、コロイダルシリカと、導電性高分子と、分散媒と、を少なくとも含有することを特徴とする導電性高分子分散液である。
上記コロイダルシリカとは、SiO2又はその水和物のコロイドで、平均粒径が1〜300nmで一定の構造をもたないものである。ケイ酸塩に希塩酸を作用させた後に、透析で得ることができる。本発明に用いるコロイダルシリカの平均粒子粒径は、1〜200nmが好ましく挙げられ、より好ましくは5〜100nmが好ましく挙げられる。該粒径のコロイダルシリカを用いることで、得られる電解コンデンサの耐電圧を特に向上させることができる。
コロイダルシリカは、水又は有機溶媒にほとんど溶解せず、一般に適当な分散媒中に分散させた状態で用いることができる。
コロイダルシリカの形状は、球状タイプ、鎖状タイプ、コロイダルシリカが環状に凝集して溶媒に分散したパールネックレスタイプのいずれであってもよい。
導電性高分子分散液におけるコロイダルシリカの含有量が、1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、1〜15質量%であることが特に好ましく挙げられる。該範囲にすることで、酸化皮膜を有する弁作用金属上に適切な量のコロイダルシリカを付着させることができる。その結果、優れた耐電圧を有する電解コンデンサを製造することができる。
本発明に用いる導電性高分子は、ドーパント成分をドープした導電性高分子である。導電性高分子に用いるモノマー化合物としては、特に制限されるものではなく、例えば、ピロール類、チオフェン類、アニリン類等を用いることができるが、導電性及び分散安定性に優れる導電性高分子を得ることができ、またこの分散体により形成される導電性皮膜の透明性に優れることから、下記一般式(I)で表される化合物の導電性高分子であることが好ましく挙げられる。
上記一般式(I)中、Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。Yはそれぞれ同一であっても異なっていても良い酸素原子又は硫黄原子を示す。Raは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。
上記一般式(I)で表される化合物として、具体的には、3,4−エチレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、プロピル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、プロピル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシフラン、メチル−3,4−エチレンジオキシフラン、エチル−3,4−エチレンジオキシフラン、プロピル−3,4−エチレンジオキシフラン、3,4−プロピレンジオキシフラン、メチル−3,4−プロピレンジオキシフラン、エチル−3,4−プロピレンジオキシフラン、プロピル−3,4−プロピレンジオキシフラン、3,4−エチレンジチアチオフェン、メチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、エチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、プロピル−3,4−エチレンジチアチオフェン、3,4−プロピレンジチアチオフェン、メチル−3,4−プロピレンジチアチオフェン、エチル−3,4−プロピレンジチアチオフェン、プロピル−3,4−プロピレンジチアチオフェン等が挙げられる。
これらの中でも、より分散性に優れる導電性高分子分散液を得ることができ、該導電性高分子分散液を用いて作製した電解コンデンサが電気特性に優れる点より、3,4−エチレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−エチレンジオキシチオフェンが特に好ましく挙げられる。
本発明に用いる導電性高分子は、上記一般式(I)で表される化合物を、上記ドーパント成分の存在下で化学酸化重合又は電解酸化重合することによって得ることができる。
該ドーパント成分としては、高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基を有していればよく、硫酸エステル基、リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシル基、スルホ基等が好ましく挙げられる。これらの中でも、ドープ効果の点より、硫酸エステル基、カルボキシル基、スルホ基がより好ましく挙げられ、スルホ基が特に好ましく挙げられる。
ドーパント成分として、具体的には、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、又はこれらの金属塩等が挙げられる。これらは単独の重合体であっても、2種類以上の共重合体であってもよい。
これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましく挙げられる。
導電性高分子として、特に好ましくは、ポリスチレンスルホン酸ドープのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホン酸ドープのポリ(メチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホン酸ドープのポリ(エチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン)が挙げられる。
上記分散媒としては、水又は有機溶媒を用いることができる。
有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、セロソルブ類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等を用いることができる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−アミルアルコール、s−アミルアルコール、t−アミルアルコール、アリルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−オクタノール、n−オクタノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、ベンジルアルコール、メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−プロピルケトン等が挙げられる。
エステル類としては、アセト酢酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、蟻酸イソブチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸メチル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸メチル、サリチル酸メチル、シュウ酸ジエチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル、フタル酸エチル、フタル酸メチル、フタル酸ブチル、γ−ブチロラクトン、マロン酸エチル、マロン酸メチル等が挙げられる。
セロソルブ類としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素類としては、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
分散媒の中でも特に、水が好ましく挙げられる。
本発明の導電性高分子分散液には、高沸点有機溶媒を含有させてもよい。高沸点有機溶媒の中でも、特に沸点が150〜250℃である高沸点有機溶媒が好ましく挙げられる。該高沸点有機溶媒の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン(沸点202℃)、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)、スルホラン(沸点285℃)、ジメチルスルホン(沸点233℃)、エチレングリコール(沸点198℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)等が挙げられる。これらの中でも特にエチレングリコール又はγ−ブチロラクトンが、表面が均一な導電性高分子を含有する固体電解質層を形成できる点より好ましく挙げられる。
導電性高分子分散液における有機溶媒の含有量は、1〜20質量%が好ましく挙げられ、5〜15質量%が特に好ましく挙げられる。1質量%未満の場合、表面が均一な導電性高分子を含有する固体電解質層を形成する効果に若干劣る問題があり、20質量%超の場合、乾燥工程に時間を要する問題がある。
また、導電性高分子分散液には、成膜性、膜強度を調整するために、バインダ樹脂、界面活性剤、アルカリ化合物を含有させてもよい。
バインダ樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が好ましく挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
バインダ樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が好ましく挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等が挙げられ、陽イオン界面活性剤としては、第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリウムベタイン等が挙げられ、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等が挙げられる。
なお、導電性高分子分散液は、導電性高分子が分散媒に分散しているものであり、導電性高分子の一部が分散媒に溶解していてもよい。
本発明に用いる弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ又はチタンからなる群より選ばれる1種が挙げられ、焼結体又は箔の形状で用いられる。
用いる弁作用金属の種類や形状により、チップ型又は巻回型とすることができる。
誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を、上記導電性高分子分散液に接触させ、乾燥する工程を複数回繰り返してもよい。好ましい回数としては、1〜6回が好ましく挙げられ、2〜5回が特に好ましく挙げられる。
乾燥は室温での自然乾燥から加熱乾燥までのいずれでもよいが、導電性高分子分散液に高沸点有機溶媒を含有させている場合には、150℃以上に加熱して乾燥させるのが好ましく挙げられる。
(電解液)
本発明に用いる電解液について説明する。本発明に用いる電解液は、有機溶媒のみでもよいし、有機溶媒と電解質塩とを含有してもよい。
本発明に用いる電解液について説明する。本発明に用いる電解液は、有機溶媒のみでもよいし、有機溶媒と電解質塩とを含有してもよい。
電解液に用いる有機溶媒は、プロトン性極性溶媒又は非プロトン性極性溶媒を用いることができ、単独で用いても2種類以上混合して用いてもよい。
プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。
非プロトン性の極性溶媒としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、スルホラン系(スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)、鎖状スルホン系(ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン)、環状アミド系(N−メチル−2−ピロリドン等)、カーボネイト類(エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕等が挙げられる。
これらの中でも特に、スルホラン、γ-ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレングリコール、グリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましく挙げられる。
電解質塩として、カチオン部がアミンカチオンであるオニウム塩化合物を用いることができる。オニウム塩化合物としては、下記一般式(1)〜(7)で表されるカチオン部がアミンカチオンであるいずれかの化合物を用いることが好ましく挙げられる。
一般式(1)〜(7)で表される化合物中、R1〜R30は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、水酸基であり、隣接するR同士は連結し、炭素数2〜6のアルキレン基を形成しても良い。X−は、カルボン酸化合物アニオン又はホウ素化合物アニオンである。
一般式(1)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、アンモニウムカチオン、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトライソプロピルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、トリメチルエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、ジメチルジエチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルメトキシエチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルエトキシエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオン、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、アンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、アンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(2)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、トリプロピルアミンカチオン、トリイソプロピルアミンカチオン、トリブチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメトキシアミンカチオン、ジメチルメトキシアミンカチオン、ジメチルエトキシアミンカチオン、ジエチルエトキシアミンカチオン、メチルエチルメトキシアミンカチオン、N−メチルピロリジンカチオン、N−エチルピロリジンカチオン、N−プロピルピロリジンカチオン、N−イソプロピルピロリジンカチオン、N−ブチルピロリジンカチオン、N−メチルピペリジンカチオン、N−エチルピペリジンカチオン、N−プロピルピペリジンカチオン、N−イソプロピルピペリジンカチオン、N−ブチルピペリジンカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、N−メチルピロリジンカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、N−メチルピロリジンカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(3)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、ジメチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン、ジイソプロピルアミンカチオン、ジプロピルアミンカチオン、ジブチルアミンカチオン、メチルエチルアミンカチオン、メチルプロピルアミンカチオン、メチルイソプロピルアミンカチオン、メチルブチルアミンカチオン、エチルイソプロピルアミンカチオン、エチルプロピルアミンカチオン、エチルブチルアミンカチオン、イソプロピルブチルアミンカチオン、ピロリジンカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、ジメチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン、メチルエチルアミンカチオン、ピロリジンカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、ジメチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン、メチルエチルアミンカチオン、ピロリジンカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(4)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジブチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(5)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(6)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジプロピルピラゾリウムカチオン、1,2−ジブチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−プロピルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ブチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ヘキシルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−オクチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ドデシルピラゾリウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−3−メトキシ−2,5−ジメチルピラゾリウムカチオン、3−フェニル−1,2,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、3−メトキシ−5−フェニル−1−エチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3,5−ジメチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3−フェニル−5−メチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3−メトキシ−5−メチルピラゾリウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(7)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−プロピルピリジニウムカチオン、N−イソプロピルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−ヘキシルピリジニウムカチオン、N−オクチルピリジニウムカチオン、N−ドデシルピリジニウムカチオン、N−メチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−プロピル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−4−エチルピリジニウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−メチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
これらの中でも、電解コンデンサにおける優れた等価直列抵抗が得られる点より、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−メチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオンが特に好ましく挙げられる。
カルボン酸化合物アニオンとしては、カルボン酸が置換している有機化合物であり、芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸等の有機カルボン酸である。具体的には、例えば、芳香族カルボン酸:(例えばフタル酸、サリチル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、安息香酸、レゾルシン酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、マンデル酸)、脂肪族カルボン酸:([飽和カルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、3−tert−ブチルアジピン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ペンチルマロン酸、ヘキシルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルプロピルマロン酸、メチルブチルマロン酸、エチルプロピルマロン酸、ジプロピルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3−メチル−3−エチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデカン酸、ボロジグリコール酸、ボロジシュウ酸、ボロジサリチル酸、イタコン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸]、[不飽和カルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸])等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。
これらの中でも、電導度が高く熱的にも安定な点から、フタル酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸が好ましく挙げられる。
これらの中でも、電導度が高く熱的にも安定な点から、フタル酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸が好ましく挙げられる。
ホウ素化合物アニオンとしては、ホウ酸アニオン、ボロジアゼライン酸アニオン、ボロジサリチル酸アニオン、ボロジグリコール酸アニオン、ボロジ乳酸アニオン等が挙げられる。これらの中でも、火花電圧に優れる点より、ボロジアゼライン酸アニオン、ボロジサリチル酸アニオン、ボロジグリコール酸アニオンが特に好ましく挙げられる。
一般式(1)〜(7)で表される化合物の中でも、一般式(1)〜(3)で表される化合物がより好ましく挙げられ、一般式(2)で表される第三級アミン塩化合物が特に好ましく挙げられる。
電解液における上記オニウム塩化合物の含有量は、1.0〜60質量%が好ましく、5.0〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%が特に好ましく挙げられる。
1.0質量%未満の場合、十分な電気特性が得られない欠点があり、60質量%超の場合、比抵抗が上昇する欠点がある。
1.0質量%未満の場合、十分な電気特性が得られない欠点があり、60質量%超の場合、比抵抗が上昇する欠点がある。
弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ又はチタンからなる群より選ばれる1種が挙げられ、焼結体又は箔の形状で用いられる。
用いる弁作用金属の種類、形状により、チップ型又は巻回型のいずれとすることができる。
<電解コンデンサ>
本発明の電解コンデンサは、上記に記載した方法で作製してもよいし、該方法以外の方法で作製してもよい。
本発明の電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子を含有する固体電解質層を有する電解コンデンサにおいて、導電性高分子を含有する固体電解質層が、導電性高分子と、コロイダルシリカと、を少なくとも含有しているものである。
なお、コロイダルシリカ、導電性高分子、弁作用金属の詳細な説明は、上述したものと同様である。
本発明の電解コンデンサは、上記に記載した方法で作製してもよいし、該方法以外の方法で作製してもよい。
本発明の電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子を含有する固体電解質層を有する電解コンデンサにおいて、導電性高分子を含有する固体電解質層が、導電性高分子と、コロイダルシリカと、を少なくとも含有しているものである。
なお、コロイダルシリカ、導電性高分子、弁作用金属の詳細な説明は、上述したものと同様である。
電解コンデンサに求められる性能としては、耐電圧が80V以上であることが好ましく、85V以上であることがより好ましく、90V以上であることが特に好ましく挙げられる。
本発明の電解コンデンサは、酸化皮膜を有する弁作用金属上の導電性高分子を含有する固体電解質層にコロイダルシリカを含有させることで、コロイダルシリカと弁作用金属との相互作作用により、高い耐電圧を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明は本実施例によりなんら限定されない。実施例中の「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
(実施例1)
<導電性高分子分散液の製造>
14.2部の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、42.6部のポリスチレンスルホン酸(質量平均分子量:75,000)を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合して混合溶液を得た。
得られた混合溶液を20℃に保ち、撹拌しながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.6部の過硫酸アンモニウムと8.0部の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、3時間撹拌して反応させた。
<導電性高分子分散液の製造>
14.2部の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、42.6部のポリスチレンスルホン酸(質量平均分子量:75,000)を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合して混合溶液を得た。
得られた混合溶液を20℃に保ち、撹拌しながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.6部の過硫酸アンモニウムと8.0部の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、3時間撹拌して反応させた。
反応後、強酸性陽イオン交換樹脂(三菱樹脂社製、PK−216)を添加し、アンモニウム塩を除去した後、イオン交換樹脂を取り除いた。次に、強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱樹脂社製、PA−418)を添加して硫酸塩を除去した後、イオン交換樹脂を取り除いて、1.5%ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水分散液を得た。
1.5%ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水分散液100部に、コロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスST−OXS)0.2部、エチレングリコール20部を含有させて、電解コンデンサ製造用導電性高分子分散液を得た。
<コンデンサ素子の製造>
陽極に用いる弁作用金属として、表面をエッチングし、粗面化処理を施したエッチドアルミニウム箔(縦2.0mm×横5.0mm)を用い、該アルミニウム箔に、アジピン酸アンモニウム水溶液中、電圧90Vで化成処理を行って誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して対向させることにより、コンデンサ素子を作製した。
陽極に用いる弁作用金属として、表面をエッチングし、粗面化処理を施したエッチドアルミニウム箔(縦2.0mm×横5.0mm)を用い、該アルミニウム箔に、アジピン酸アンモニウム水溶液中、電圧90Vで化成処理を行って誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して対向させることにより、コンデンサ素子を作製した。
次に、上記で得られた導電性高分子分散液に、上記コンデンサ素子を5分浸漬し、150℃5分乾燥させる工程を3回繰り返して、導電性高分子とコロイダルシリカとを含有する固体電解質層を有するコンデンサ素子を作製した。
<電解液の製造>
電解質塩としボロジサリチル酸トリエチルアミン30部と、溶媒としてγ−ブチルラクトン100部と、を混合させて80℃で減圧濃縮し水を留去して、電解液を得た。
電解質塩としボロジサリチル酸トリエチルアミン30部と、溶媒としてγ−ブチルラクトン100部と、を混合させて80℃で減圧濃縮し水を留去して、電解液を得た。
<電解コンデンサの製造>
該コンデンサ素子を上記電解液に含浸させた。この電解液を含浸したコンデンサ素子を、筒状のアルミニウムよりなる外装ケースに収納し、外装ケースの開口端部にリード線を導出する貫通孔を有するブチルゴムの封口体を挿入し、さらに外装ケースの端部を加締めることにより電解コンデンサの封口を行い、電解コンデンサを得た。
該コンデンサ素子を上記電解液に含浸させた。この電解液を含浸したコンデンサ素子を、筒状のアルミニウムよりなる外装ケースに収納し、外装ケースの開口端部にリード線を導出する貫通孔を有するブチルゴムの封口体を挿入し、さらに外装ケースの端部を加締めることにより電解コンデンサの封口を行い、電解コンデンサを得た。
<電解コンデンサの耐電圧の評価>
電解コンデンサを0.5V/secで印加していき、200mAになったときの電圧を耐電圧とした。
電解コンデンサを0.5V/secで印加していき、200mAになったときの電圧を耐電圧とした。
(実施例2〜5)
実施例1に記載のコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスST−OXS)を、実施例2はコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスST−O−40)、実施例3はコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスST−OL)、実施例4はコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスST−OZL−35)、実施例5はコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスMP−2040)に代えた以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製した。
実施例1に記載のコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスST−OXS)を、実施例2はコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスST−O−40)、実施例3はコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスST−OL)、実施例4はコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスST−OZL−35)、実施例5はコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスMP−2040)に代えた以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
実施例1に記載のコロイダルシリカを用いなかった以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製し、耐電圧を測定した。
実施例1に記載のコロイダルシリカを用いなかった以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製し、耐電圧を測定した。
<電解コンデンサの耐電圧の評価>
実施例1〜5、比較例1の測定結果を表1に示す。
実施例1〜5、比較例1の測定結果を表1に示す。
表1より、比較例1よりも実施例1〜5の方が、高い耐電圧であることがわかる。
本発明の電解コンデンサは、高い耐電圧を有するため、高周波数のデジタル機器等に適用できる。
Claims (15)
- 誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成したコンデンサ素子に、電解液を含浸している電解コンデンサにおいて、
導電性高分子を含有する固体電解質層が、導電性高分子と、コロイダルシリカと、を少なくとも含有することを特徴とする電解コンデンサ。 - コロイダルシリカの平均粒子径が、1〜200nmであることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 導電性高分子が、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解コンデンサ。
- 電解液が、有機溶媒と電解質塩とを少なくとも含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電解コンデンサ。
- 有機溶媒が、スルホラン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレングリコール、グリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載の電解コンデンサ。
- 電解質塩のカチオン部が、アミンカチオンであることを特徴とする請求項4に記載の電解コンデンサ。
- 電解質塩のアニオン部が、フタル酸、マレイン酸、サリチル酸、グリコール酸、安息香酸、ホウ酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載の電解コンデンサ。
- 誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を導電性高分子分散液に接触させ、乾燥させた後、電解液を含浸させる工程を有する電解コンデンサの製造方法において、
電解コンデンサ製造用導電性高分子分散液が、コロイダルシリカを含有していることを特徴とする電解コンデンサの製造方法。 - 導電性高分子分散液におけるコロイダルシリカの含有量が1〜30質量%であることを特徴とする請求項8に記載の電解コンデンサの製造方法。
- コロイダルシリカの粒子径が、1〜200nmであることを特徴とする請求項8に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 導電性高分子が、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 電解液が、有機溶媒と電解質塩とを少なくとも含有することを特徴とする請求項8から11のいずれか一項に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 有機溶媒が、スルホラン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレングリコール、グリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項12に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 電解質塩のカチオン部が、アミンカチオンであることを特徴とする請求項12に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 電解質塩のアニオン部が、フタル酸、マレイン酸、サリチル酸、グリコール酸、安息香酸、ホウ酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項12に記載の電解コンデンサの製造方法。
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