JPWO2014103002A1 - 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

本発明は、高い火花電圧を有し、火花電圧と電導度における耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサを提供することを課題とする。当該課題を解決した電解液は、含窒素カチオンを含有する電解質塩、酸型コロイダルシリカ及び有機溶媒を含有し、酸型コロイダルシリカが凝集して平均粒径が30〜200nmの凝集体を形成することを特徴とする。

Description

本発明は、高い火花電圧を有し、火花電圧と電導度における耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液とそれを用いた電解コンデンサに関する。
従来、電解コンデンサ用電解液としては、有機溶媒に有機酸や無機酸又はそれらの塩を電解液として溶解させたものが用いられている。
電解液の特性の中でも、電導度は電解コンデンサの損失、インピーダンス特性等に直接関わり、また耐電圧が低いとショートや発火が発生するおそれがあるが、火花電圧は耐電圧の指標となることから、高い電導度及び火花電圧を有する電解コンデンサ用電解液の開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1に開示されているように、火花電圧を向上させるための添加剤としては、スルファミン酸、スベリン酸、リン酸ドデシル、多孔性ポリイミド等が知られている。いずれも初期の火花電圧は優れているが、使用しているとすぐに劣化してしまい、耐熱性に劣る問題があった。
また特許文献2には高い電導度を維持させたまま、火花電圧を向上させるために、無機酸化コロイド粒子であるシリカコロイド粒子を用いる技術が開示されている。しかしながら、シリカコロイド粒子を含有した電解液は、初期の火花電圧は高いものの、使用時にゲル化するためショートしてしまう問題点があった。
一方、特許文献3には、アンモニアで安定化されたコロイダルシリカを含有させた電解コンデンサ用電解液が開示されており、この電解液は一定の火花電圧と耐熱性を有するものの、さらなる耐熱性の向上が求められていた。
特開2009−283581号公報 特開平05−6839号公報 特開2011−108675号公報
したがって、本発明は、高い火花電圧を有し、火花電圧と電導度における耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、含窒素カチオンを含有する電解質塩、酸型コロイダルシリカ及び有機溶媒を含有する電解コンデンサ用電解液において、酸型コロイダルシリカを、一定の平均粒径の範囲内で凝集せしめ、電解液中に凝集体として存在させることにより、高い火花電圧を示すとともに、火花電圧と電導度における耐熱性も著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、含窒素カチオンを含有する電解質塩、酸型コロイダルシリカ及び有機溶媒を含有する電解コンデンサ用電解液において、酸型コロイダルシリカが凝集して凝集体を形成し、該凝集体の平均粒径が30〜200nmであることを特徴とする電解コンデンサ用電解液である。
また本発明は、上記電解液を用いてなる電解コンデンサである。
さらに本発明は、酸型コロイダルシリカの水分散液に、アンモニアをpH8〜11となるように加える工程、
アンモニアを加えた酸型コロイダルシリカの水分散液に有機溶媒を加えた後、加熱して水を留去させるとともに酸型コロイダルシリカを凝集せしめ、酸型コロイダルシリカ凝集体の有機溶媒分散液を得る工程、
酸型コロイダルシリカ凝集体の有機溶媒分散液を、含窒素カチオンを含有する電解質塩及び有機溶媒と混合する工程、
とを含む上記電解コンデンサ用電解液の製造方法である。
また、本発明は、含窒素カチオンを含有する電解質塩及び有機溶媒を含有する電解コンデンサ用電解液において、凝集体の平均粒径が30〜200nmである酸型コロイダルシリカの凝集体を添加することを特徴とする電解コンデンサ用電解液の火花電圧向上方法または耐熱性の向上方法である。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、高い火花電圧を有し、かつ火花電圧と電導度における耐熱性に優れるものであり、これを用いることにより、高い耐電圧を高温下においても長期間にわたって維持し得る電解コンデンサを得ることができる。
本発明の電解コンデンサ用電解液について説明する。
<コロイダルシリカ>
含窒素カチオンを含有する電解質塩、酸型コロイダルシリカ及び有機溶媒を含有する電解コンデンサ用電解液において、酸型コロイダルシリカが凝集して凝集体を形成し、該凝集体の平均粒径が、30〜200nmであることを特徴とする電解コンデンサ用電解液である。
本発明に用いる酸型コロイダルシリカとは、OH基を表面修飾基として有するものである。この酸型コロイダルシリカ自体(一次粒子)の平均粒径は4〜100nm、好ましくは10〜50nmのものを用いるのが好ましく、異なる平均粒径のものを2種類以上混合して用いてもよい。
本発明で用いる酸型コロイダルシリカは、このような平均粒径の一次粒子が凝集して凝集体を形成し、その平均粒径が30〜200nmとなったものであり、より好ましくは40〜150nmであり、特に好ましくは50〜100nmである。このような平均粒径の範囲のものを使用することにより、高い火花電圧が得られ、また、使用中のさらなる凝集を防ぐことができるため、火花電圧と電導度における耐熱性に優れた電解コンデンサ用電解液を得ることができる。なお、本発明においてコロイダルシリカの平均粒径は、実施例(製造例)に記載の方法によって測定される値である。また、コロイダルシリカが酸型であるかどうかは、例えば、コロイダルシリカの有機溶媒分散液をフッ化カルシウムの錠剤上に塗布し、真空下で溶媒を完全に蒸発させて均一な薄膜を形成をさせた後、得られた試料の薄膜を赤外吸収スペクトル法で測定を行い、波長3030cm−1〜3330cm−1のONH基のピークがなく、波長3700cm−1のOH基のピークが存在することによって確認できる。また原子吸光分析装置にてナトリウム含有量を測定することによって、コロイダルシリカ表面修飾基にNa基がないことも確認できる。
このような酸型コロイダルシリカの凝集体は、例えば、酸型コロイダルシリカの水分散液にアンモニアをpH8〜11となるように加える工程(1)、アンモニアを添加した酸型コロイダルシリカの水分散液に有機溶媒を加えた後、加熱して水を留去させるとともに酸型コロイダルシリカを凝集せしめ、酸型コロイダルシリカ凝集体の有機溶媒分散液を得る工程(2)、酸型コロイダルシリカ凝集体の有機溶媒分散液を、含窒素カチオンを含有する電解質塩及び有機溶媒と混合する工程(3)、とを含む製造方法により得ることができる。
上記工程(1)における酸型コロイダルシリカの水分散液中の酸型コロイダルシリカの含有量は特に制限されないが、例えば1〜70質量%が好ましく、5〜60質量%がより好ましい。このような酸型コロイダルシリカの水分散液にアンモニアをpH8〜11となるように添加する。工程(2)で用いられる有機溶媒としては、後述する有機溶媒と同じものが使用できるが、例えば、エチレングリコール、γ−ブチロラクトン、スルホラン、エチルイソプロピルスルホン等が好適に用いられる。有機溶媒の添加量は、酸型コロイダルシリカ1質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。有機溶媒を添加した後、加熱することにより、水を留去するとともに、酸型コロイダルシリカの凝集体を形成させる。加熱温度は40〜100℃程度であり、好ましくは水分量5質量%以下、より好ましくは3質量%以下となるまで水を留去する。酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径は加熱時間によって調整することができ、加熱時間を長くするほど平均粒径が増大するため、上記平均粒径の範囲内となるように適宜加熱時間を調整すればよい。このようにして得られた酸型コロイダルシリカ凝集体の有機溶媒分散液を、常法にしたがって、含窒素カチオンを含有する電解質塩及び有機溶媒と混合することによって、本発明の電解液を調製することができる。このようにして調製された電解液においても、酸型コロイダルシリカは凝集体として存在する。
なお、酸型コロイダルシリカの水分散液として、スノーテックス−O(酸型、平均粒径10〜20nm、日産化学社製)等の市販品を使用することができる。また、酸型コロイダルシリカの水分散液にアンモニアをpH8〜11となるように添加したものとして、市販のアンモニア安定型コロイダルシリカであるスノーテックス−N(アンモニア安定型、平均粒径10〜20nm、日産化学社製)があり、これを、アンモニアを添加した酸型コロイダルシリカの水分散液として、そのまま工程(2)に適用することができる。
酸型コロイダルシリカの水分散液をそのまま有機溶媒で置換しても、凝集しにくく、上述した平均粒径に含まれることはない。これに対し、酸型コロイダルシリカの水分散液にアンモニアを加えることで一度水分散液のpHを8〜11とし、次いで有機溶媒を加えた後に水を留去させることで、アンモニアが揮発し、徐々に中性となっていく。コロイダルシリカは中性付近で不安定であり、凝集しやすくなるため分散していたコロイダルシリカが凝集し、上記した平均粒径である酸型コロイダルシリカの凝集体を得ることができる。なお、アンモニア以外のジメチルエチルアミン、トリメチルアミン等のアルカリ化合物を用いてもよいが、アルカリ化合物は水と一緒に除去させることが望ましいため、揮発しやすいアンモニアが好ましく挙げられる。
本発明の電解コンデンサ用電解液中のコロイダルシリカの含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜15質量%であり、特に好ましくは0.3〜10質量%である。0.1質量%未満では電解コンデンサの電気特性向上効果が小さい場合があり、20質量%を超えると粘度が大きくなり扱い難くなる場合がある。
<電解質塩>
本発明で用いる電解質塩は、含窒素カチオンを含有するものであり、具体的には、下記一般式(1)〜(5)で表される化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が用いられる。
Figure 2014103002
式(1)〜(5)中、基R〜R25は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基又は水酸基であり、R〜R25のうち隣接する基同士は連結して炭素数2〜6のアルキレン基を形成しても良い。Xは、カルボン酸アニオン又はホウ素化合物アニオンである。
一般式(1)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、アンモニウムカチオン;テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトライソプロピルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、トリメチルエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、ジメチルジエチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルメトキシエチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルエトキシエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、ジメチルエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオン、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムカチオン等の4級アンモニウムカチオン;トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、トリプロピルアミンカチオン、トリイソプロピルアミンカチオン、トリブチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメトキシアミンカチオン、ジメチルメトキシアミンカチオン、ジメチルエトキシアミンカチオン、ジエチルエトキシアミンカチオン、メチルエチルメトキシアミンカチオン、N−メチルピロリジンカチオン、N−エチルピロリジンカチオン、N−プロピルピロリジンカチオン、N−イソプロピルピロリジンカチオン、N−ブチルピロリジンカチオン、N−メチルピペリジンカチオン、N−エチルピペリジンカチオン、N−プロピルピペリジンカチオン、N−イソプロピルピペリジンカチオン、N−ブチルピペリジンカチオン等の3級アンモニウムカチオン;ジメチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン、ジイソプロピルアミンカチオン、ジプロピルアミンカチオン、ジブチルアミンカチオン、メチルエチルアミンカチオン、メチルプロピルアミンカチオン、メチルイソプロピルアミンカチオン、メチルブチルアミンカチオン、エチルイソプロピルアミンカチオン、エチルプロピルアミンカチオン、エチルブチルアミンカチオン、イソプロピルブチルアミンカチオン、ピロリジンカチオン等の2級アンモニウムカチオン等が挙げられる。
これらの中でも、火花電圧及び/又は電導度の向上効果や耐熱性向上効果に優れることから、アンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムカチオン、N−メチルピロリジンカチオン、ジメチルエチルアミンカチオン、ジエチルメチルアミンカチオン、トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン等が好適に用いられる。
一般式(2)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、テトラメチルイミダゾリウムカチオン、テトラエチルイミダゾリウムカチオン、テトラプロピルイミダゾリウムカチオン、テトライソプロピルイミダゾリウムカチオン、テトラブチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジブチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリプロピルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリイソプロピルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリブチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、高い電導度を示し、耐熱性向上効果に優れるため、テトラメチルイミダゾリウムカチオン、テトラエチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等が好ましく用いられる。
一般式(3)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、テトラエチルイミダゾリニウムカチオン、テトラプロピルイミダゾリニウムカチオン、テトライソプロピルイミダゾリニウムカチオン、テトラブチルイミダゾリニウムカチオン、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリプロピルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリイソプロピルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリブチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、高い電導度を示し、耐熱性向上効果に優れることからテトラメチルイミダゾリニウムカチオン、テトラエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムカチオンが好ましく用いられる。
一般式(4)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、テトラメチルピラゾリウムカチオン、テトラエチルピラゾリウムカチオン、テトラプロピルピラゾリウムカチオン、テトライソプロピルピラゾリウムカチオン、テトラブチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジプロピルピラゾリウムカチオン、1,2−ジブチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−プロピルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ブチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ヘキシルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−オクチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−ドデシルピラゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルピラゾリウムカチオン、1,2,3−トリエチルピラゾリウムカチオン、1,2,3−トリプロピルピラゾリウムカチオン、1,2,3−トリイソプロピルピラゾリウムカチオン、1,2,3−トリブチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−3−メトキシ−2,5−ジメチルピラゾリウムカチオン、3−フェニル−1,2,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、3−メトキシ−5−フェニル−1−エチル−2−エチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3,5−ジメチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3−フェニル−5−メチルピラゾリウムカチオン、1,2−テトラメチレン−3−メトキシ−5−メチルピラゾリウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、高い電導度を示し、耐熱性向上効果に優れることから、テトラメチルピラゾリウムカチオン、テトラエチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1,2−ジエチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−エチルピラゾリウムカチオン等が好ましく用いられる。
一般式(5)で表される化合物のカチオン部の具体例としては、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−プロピルピリジニウムカチオン、N−イソプロピルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−ヘキシルピリジニウムカチオン、N−オクチルピリジニウムカチオン、N−ドデシルピリジニウムカチオン、N−メチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−プロピル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−4−エチルピリジニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、高い電導度を示し、耐熱性向上効果に優れることから、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、N−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン等が好ましく用いられる。
上記カチオンと組み合わせるアニオンXは、カルボン酸アニオン又はホウ素化合物アニオンである。カルボン酸アニオンは、芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸等の有機カルボン酸のアニオンであり、有機カルボン酸は置換基を有していてもよい。具体的には、フタル酸アニオン、サリチル酸アニオン、イソフタル酸アニオン、テレフタル酸アニオン、トリメリット酸アニオン、ピロメリット酸アニオン、安息香酸アニオン、レゾルシン酸アニオン、ケイ皮酸アニオン、ナフトエ酸アニオン、マンデル酸アニオンなどの芳香族カルボン酸アニオン;シュウ酸アニオン、マロン酸アニオン、コハク酸アニオン、グルタル酸アニオン、アジピン酸アニオン、ピメリン酸アニオン、スベリン酸アニオン、アゼライン酸アニオン、セバシン酸アニオン、ウンデカン二酸アニオン、ドデカン二酸アニオン、トリデカン二酸アニオン、テトラデカン二酸アニオン、ペンタデカン二酸アニオン、ヘキサデカン二酸アニオン、3−tert−ブチルアジピン酸アニオン、メチルマロン酸アニオン、エチルマロン酸アニオン、プロピルマロン酸アニオン、ブチルマロン酸アニオン、ペンチルマロン酸アニオン、ヘキシルマロン酸アニオン、ジメチルマロン酸アニオン、ジエチルマロン酸アニオン、メチルプロピルマロン酸アニオン、メチルブチルマロン酸アニオン、エチルプロピルマロン酸アニオン、ジプロピルマロン酸アニオン、メチルコハク酸アニオン、エチルコハク酸アニオン、2,2−ジメチルコハク酸アニオン、2,3−ジメチルコハク酸アニオン、2−メチルグルタル酸アニオン、3−メチルグルタル酸アニオン、3−メチル−3−エチルグルタル酸アニオン、3,3−ジエチルグルタル酸アニオン、メチルコハク酸アニオン、2−メチルグルタル酸アニオン、3−メチルグルタル酸アニオン、3,3−ジメチルグルタル酸アニオン、3−メチルアジピン酸アニオン、1,6−デカンジカルボン酸アニオン、5,6−デカンジカルボン酸アニオン、ギ酸アニオン、酢酸アニオン、プロピオン酸アニオン、酪酸アニオン、イソ酪酸アニオン、吉草酸アニオン、カプロン酸アニオン、エナント酸アニオン、カプリル酸アニオン、ペラルゴン酸アニオン、ラウリル酸アニオン、ミリスチン酸アニオン、ステアリン酸アニオン、ベヘン酸アニオン、ウンデカン酸アニオン、ホウ酸アニオン、ボロジグリコール酸アニオン、ボロジシュウ酸アニオン、ボロジサリチル酸アニオン、ボロジアゼライン酸アニオン、ボロジ乳酸アニオン、イタコン酸アニオン、酒石酸アニオン、グリコール酸アニオン、乳酸アニオン、ピルビン酸アニオンなどの飽和カルボン酸アニオン及びマレイン酸アニオン、フマル酸アニオン、アクリル酸アニオン、メタクリル酸アニオン、オレイン酸アニオンなどの不飽和カルボン酸を含む脂肪族カルボン酸アニオン等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。これらの中でも、火花電圧が向上し熱的にも安定な点から、フタル酸アニオン、マレイン酸アニオン、サリチル酸アニオン、安息香酸アニオン、アジピン酸アニオン、アゼライン酸アニオン、1,6−デカンジカルボン酸アニオン、3−tert−ブチルアジピン酸アニオン等が好ましく挙げられる。
ホウ素化合物アニオンとしては、ホウ酸アニオン、ボロジアゼライン酸アニオン、ボロジサリチル酸アニオン、ボロジグリコール酸アニオン、ボロジ乳酸アニオン、ボロジシュウ酸アニオン等が挙げられる。これらの中でも、火花電圧に優れる点より、ホウ酸アニオン、ボロジサリチル酸アニオン、ボロジグリコール酸アニオン等が好ましく用いられる。
上記アニオンのうち、低中圧用の電解コンデンサに用いる場合には、フタル酸アニオン、マレイン酸アニオン、サリチル酸アニオン、安息香酸アニオン、アジピン酸アニオン、ボロジサリチル酸アニオン、ボロジグリコール酸アニオン等が好ましく用いられ、高い電導度と優れた耐熱性が得られる。一方、高圧用電解コンデンサに用いる場合には、アゼライン酸アニオン、1,6−デカンジカルボン酸アニオン、3−tert−ブチルアジピン酸アニオン、ホウ酸アニオン、ボロジサリチル酸アニオン、ボロジグリコール酸アニオン等が好適に用いられ、火花電圧と耐熱性において優れた効果が得られる。
上記一般式(1)〜(5)で表される化合物の中でも、一般式(1)で表される化合物が、長期にわたり安定しており、高い火花電圧を得ることができ、耐熱性にも優れるため好ましく用いられる。具体的には、低中圧用の電解コンデンサに用いる電解質塩として、フタル酸ジメチルエチルアミン、マレイン酸テトラエチルアンモニウム、フタル酸ジエチルアミン、マレイン酸スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム、フタル酸1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、フタル酸1−メチル−2−エチルピラゾリウム、フタル酸N−ブチルピリジニウム、フタル酸テトラメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。一方、高圧用電解コンデンサに用いる電解質塩としては、アゼライン酸ジエチルアミン、アゼライン酸トリメチルアミン、アゼライン酸アンモニウム、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム、1,6−デカンジカルボン酸ジエチルアミン、1,6−デカンジカルボン酸トリメチルアミン、ボロジサリチル酸N−メチルピロリジンなどが好適に使用される。
本発明の電解コンデンサ用電解液における一般式(1)〜(5)で表される化合物よりなる群から選ばれる電解質塩の含有量は、1〜70質量%が好ましく、3〜60質量%がより好ましく、5〜50質量%が特に好ましい。1質量%未満だと十分な電導度が得られない場合があり、70質量%を超えると電解液の粘度が高くなるため十分な電導度が得られない場合がある。
<有機溶媒>
電解コンデンサ用電解液に用いる有機溶媒は、プロトン性極性溶媒又は非プロトン性極性溶媒を用いることができ、単独で用いても2種類以上混合して用いてもよい。
プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)等が挙げられる。
非プロトン性の極性溶媒としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、スルホラン系(スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)、鎖状スルホン系(ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン)、環状アミド系(N−メチル−2−ピロリドン等)、カーボネイト類(エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕等が挙げられる。
低中圧用の電解コンデンサに用いる場合には、γ−ブチロラクトンを主溶媒とする溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒中のγ−ブチロラクトンの含有量は50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが特に好ましく挙げられる。また、低中圧用の場合の水分量は、具体的には、10質量%以下が好ましく、5.0質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下が特に好ましい。一方、高圧用電解コンデンサに用いる溶媒としては、エチレングリコールを主溶媒とするものが好ましく、有機溶媒中50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が特に好ましく挙げられる。また高圧用の場合、水分を含有していてもよく、具体的には10.0質量%以下が好ましく、5.0質量%以下がより好ましい。このような水分量にすることにより、電極箔への化成性が高まり、高い火花電圧が得られる。
<添加剤>
本発明の電解コンデンサ用電解液には、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、ポリビニルアルコール、ジブチルリン酸又は亜リン酸のリン酸化合物、ホウ酸、マンニット、ホウ酸とマンニット、ソルビット等の錯化合物やホウ酸とエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールとの錯化合物等のホウ素化合物、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等のニトロ化合物が挙げられる。
上記添加剤の添加量は0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましい。0.1質量%未満では十分な火花電圧が得られない場合があり、10質量%を超えると電導度が低下する場合がある。
本発明の電解液は、上記必須成分及び必要に応じ添加される任意成分を常法に従って混合することにより製造することができる。
<電解コンデンサ>
本発明の電解コンデンサは、上述した電解コンデンサ用電解液を用いてなることを特徴とする。以下にアルミ電解コンデンサを例にとり説明する。
アルミ電解コンデンサは、アルミ箔の表面に陽極酸化処理によって酸化皮膜を誘電体として形成させた化成箔を陽極側電極に用い、当該陽極側電極に対向させて陰極側電極を配置し、両極間にセパレータを介在させ、そこに電解液を保持させて電解コンデンサを形成させたものである。
低中圧用の電解コンデンサに求められる性能としては、電導度は5〜50mS/cmが好ましく、6〜30mS/cmがより好ましく、7〜20mS/cmが特に好ましい。火花電圧は、160〜400Vが好ましく、190〜350Vがより好ましく、220〜300Vが特に好ましい。
高圧用の電解コンデンサに求められている性能としては、電導度は1〜7mS/cmが好ましく、1.5〜6mS/cmがより好ましく、2〜5mS/cmが特に好ましい。火花電圧は500〜1000Vが好ましく、550〜900Vがより好ましく、600〜850Vが特に好ましく、さらに650〜800Vが好ましい。
従来のコロイダルシリカ及び電解質塩を含有させた電解液を用いた電解コンデンサは、初期の火花電圧には優れているが、高温条件下等で使用中にコロイダルシリカが凝集、重合してゲル化が生じ、火花電圧が低下してしまうという欠点があった。これに対し、本発明の電解液を用いた電解コンデンサは、従来のものよりも火花電圧が高く、かつ高温条件下でも火花電圧の低下がほとんどなく耐熱性が高いものである。すなわち、予めコロイダルシリカを凝集させて一定の平均粒子径の凝集体を形成させておくことで、使用中にそれ以上凝集しにくくなり、ゲル化を防ぐことができるため、高い火花電圧及び火花電圧と電導度における耐熱性を得ることができるのである。
以下、発明を実施例に基づき説明する。なお、本発明は、実施例により、なんら限定されるものではない。実施例中の「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
製造例1
(コロイダルシリカのエチレングリコール分散液の調製1)
市販されている酸型コロイダルシリカ(スノーテックス−O、日産化学社製、平均粒径10〜20nm、表面修飾基はOH基)20%水分散液500部にアンモニアを加え、pH9.0に調整後、エチレングリコール400部を混合し、60℃、25Torrの減圧度で減圧しながら3時間加熱して、コロイダルシリカのエチレングリコール分散液500部を得た。
得られたコロイダルシリカのエチレングリコール分散液中のコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を次に述べる方法により測定した。測定した結果、酸型コロイダルシリカの凝集体(二次粒子)の平均粒径は36nmであった。
<コロイダルシリカの平均粒径の測定方法>
コロイダルシリカの凝集体の平均粒径をMicrotrac Nanotrac 150(日機装(株)製、粒度分布測定器)を用いて下記条件により測定した。
[測定条件]
測定時間:180秒
溶媒:エチレングリコール(屈折率(20℃) 1.436)
粒子屈折率:アモルファスシリカ(屈折率 1.46)
透過性:透過
形状:非球状
製造例2
加熱時間を3時間から3時間30分に変更した以外は製造例1と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にして酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ61nmであった。
製造例3
加熱時間を3時間から4時間に変更した以外は製造例1と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にして酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ80nmであった。
製造例4
加熱時間を3時間から5時間に変更した以外は製造例1と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にして酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ124nmであった。
製造例5
加熱時間を3時間から6時間に変更した以外は製造例1と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にして酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ168nmであった。
製造例6
加熱時間を3時間から8時間に変更した以外は製造例1と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にして酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ198nmであった。
製造比較例1
市販されている酸型コロイダルシリカ(スノーテックス−O、日産化学社製、平均粒径10〜20nm、表面修飾基はOH基)20%水分散液500部に、エチレングリコール400部を混合し、60℃、25Torrの減圧度で減圧しながら3時間加熱して、コロイダルシリカのエチレングリコール分散液500部を得た。
得られたコロイダルシリカのエチレングリコール分散液中のコロイダルシリカの平均粒径を製造例1と同様にして測定したところ、酸型コロイダルシリカの一次粒子の平均粒径に相当する13nmとなり、凝集していないことが確認できた。
製造比較例2
加熱時間を3時間から12時間に変更した以外は製造例1と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にして酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ247nmであった。
製造比較例3
市販されているナトリウム安定型コロイダルシリカ(スノーテックス−20、日産化学社製、平均粒径10〜20nm)20%水分散液500部、エチレングリコール400部を混合し、60℃、25Torrの減圧度で減圧しながら3時間加熱して、コロイダルシリカのエチレングリコール分散液500部を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ38nmであった。
製造比較例4
加熱時間を3時間から5時間に変更した以外は、製造比較例3と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ84nmであった。
製造比較例5
加熱時間を3時間から9時間に変更した以外は、製造比較例3と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ180nmであった。
実施例1
(電解液の調製1)
アゼライン酸188部(1.0mol)と、溶媒としてエチレングリコール1670部とを混合させて撹拌しながら、ジエチルアミン146部(2.0mol)を滴下して、アゼライン酸ジエチルアミンエチレングリコール溶液を得た後、製造例1で調製したコロイダルシリカのエチレングリコール分散液223部を撹拌しながら混合して、コロイダルシリカを含有するアゼライン酸ジエチルアミンエチレングリコール溶液(コロイダルシリカの含有量2%)を得た。
該アゼライン酸ジエチルアミンエチレングリコール溶液中のコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を上記と同様に測定してみたところ、凝集体の平均粒径の変化はなく、36nmであった。
実施例2〜6
(電解液の調製2〜6)
製造例1のコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を、製造例2〜6のコロイダルシリカのエチレングリコール分散液に代えた以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。同様にコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定し、凝集体の平均粒径に変化がないことを確認した。
比較例1
製造例1のコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を、製造比較例1のコロイダルシリカのエチレングリコール分散液に代えた以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。同様にコロイダルシリカの平均粒径を測定し、平均粒径に変化がないことを確認した。
比較例2
製造例1のコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を、製造比較例2〜5のコロイダルシリカのエチレングリコール分散液に代えた以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。同様にコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定し、凝集体の平均粒径に変化がないことを確認した。
試験例1
実施例1〜6及び比較例1〜5で得られた電解液について、下記測定方法により、初期及び耐熱試験後(105℃条件下2000時間後)の電導度及び火花電圧を測定した。結果を表1に示す。
(電導度の測定方法)
電解コンデンサ用電解液の30℃における電導度(mS/cm)を、横河電機株式会社製SCメーターSC72を用いて測定した。
(火花電圧の測定方法)
電解コンデンサ用電解液に、25℃で5mA/cmの定電流を印加し、電圧−時間カーブを調べ、電圧の上昇カーブの始めにスパーク又はシンチレーションが観測された電圧を火花電圧(V)とした。
Figure 2014103002
表1より、実施例1〜6の電解液は、比較例1〜5よりも火花電圧が高く、火花電圧と電導度における耐熱性に優れていることがわかる。比較例1では、酸型コロイダルシリカの水分散液をアルカリ処理せずに有機溶媒と置換したが、この場合は酸型コロイダルシリカが凝集しないため、性能が劣ることが示された。また、酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径が200nm超である比較例2では、コロイダルシリカの凝集体が沈降してしまい、その結果、火花電圧と電導度における耐熱性に劣ったと考えられる。
また、ナトリウム安定型コロイダルシリカの水分散液を用いた比較例3〜5は、実施例と同等の平均粒子径の凝集体を形成するが、火花電圧の向上効果が小さく、また、火花電圧と電導度の低下が著しいものとなった。
製造例7
(コロイダルシリカのエチレングリコール分散液の調製2)
市販されている酸型コロイダルシリカ(スノーテックス−O−40、日産化学社製、平均粒径20〜25nm)40%水分散液250部にアンモニアを加え、pH9.0に調整後、エチレングリコール400部を混合し、60℃、25Torrの減圧度で減圧しながら3時間加熱して、コロイダルシリカのエチレングリコール分散液500部を得た。
得られたコロイダルシリカのエチレングリコール分散液中のコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を製造例1と同様の方法により測定した。測定した結果、酸型コロイダルシリカの凝集体(二次粒子)の平均粒径は51nmであった。
製造例8
加熱時間を3時間から4時間に変更した以外は製造例7と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ89nmであった。
製造例9
加熱時間を3時間から5時間に変更した以外は製造例7と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ126nmであった。
製造例10
加熱時間を3時間から8時間に変更した以外は製造例7と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ191nmであった。
製造比較例6
市販されている酸型コロイダルシリカ(スノーテックス−O−40、日産化学社製、平均粒径20〜25nm、表面修飾基はOH基)40%水分散液250部に、エチレングリコール400部を混合し、60℃、25Torrの減圧度で減圧しながら3時間加熱して、コロイダルシリカのエチレングリコール分散液500部を得た。
製造例1と同様にしてコロイダルシリカの平均粒径を測定したところ、酸型コロイダルシリカの一次粒子の平均粒径に相当する24nmとなり、凝集していないことが確認できた。
製造比較例7
加熱時間を3時間から12時間に変更した以外は製造例1と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にして酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ239nmであった。
製造比較例8
市販されているナトリウム安定型コロイダルシリカ(スノーテックス−50、日産化学社製、平均粒径20〜25nm)48%水分散液208部、エチレングリコール400部を混合し、60℃で3時間加熱して、コロイダルシリカのエチレングリコール分散液500部を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ59nmであった。
製造比較例9
加熱時間を3時間から5時間に変更した以外は、製造比較例8と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ120nmであった。
製造比較例10
加熱時間を3時間から9時間に変更した以外は、製造比較例8と同様にしてコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ183nmであった。
実施例7
(電解液の調製7)
1,6−デカンジカルボン酸230部(1.0mol)と、溶媒としてエチレングリコール1322部とを混合させて撹拌しながら、アンモニア34.1部(2.0mol)を滴下して、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムエチレングリコール溶液を得た。
製造例7で調製したコロイダルシリカのエチレングリコール分散液176部を撹拌しながら混合して、コロイダルシリカを添加した1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムエチレングリコール溶液(コロイダルシリカの含有量2%)を得た。
該1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムエチレングリコール溶液中のコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を上記と同様に測定してみたところ、凝集体の平均粒径の変化はなく、51nmであった。
実施例8〜10
(電解液の調製8〜10)
製造例7のコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を、製造例8〜10のコロイダルシリカのエチレングリコール分散液に代えた以外は実施例7と同様にして電解液を調製した。同様にコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定し、凝集体の平均粒径に変化がないことを確認した。
比較例6〜10
製造例7のコロイダルシリカのエチレングリコール分散液を、製造比較例6〜10のコロイダルシリカのエチレングリコール分散液に代えた以外は実施例7と同様にして電解液を調製した。同様にコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定し、凝集体の平均粒径に変化がないことを確認した。
試験例2
試験例1と同様にして実施例7〜10、比較例6〜10で得られた電解液について、初期及び耐熱試験後(105℃条件下2000時間後)の電導度及び火花電圧を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2014103002
表2より、実施例7〜10の電解液は、比較例6〜10よりも火花電圧が高く、火花電圧と電導度における耐熱性に優れていることがわかる。比較例6では、酸型コロイダルシリカの水分散液をアルカリ処理せずに有機溶媒と置換しているが、この場合酸型コロイダルシリカは凝集しないため、性能が劣ることが示された。また、酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径が200nm超である比較例7は、コロイダルシリカの凝集体が沈降してしまい、その結果、火花電圧と電導度における耐熱性に劣ったと考えられる。
また、ナトリウム安定型コロイダルシリカの水分散液を用いた比較例8〜10は、実施例と同等の平均粒径の範囲に凝集しても、火花電圧の向上効果が小さく、また、火花電圧と電導度の低下が著しいことがわかる。
製造例11
(コロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液の調製1)
市販されている酸型コロイダルシリカ(スノーテックス−O、日産化学社製、平均粒径10〜20nm、表面修飾基はOH基)20%水分散液500部にアンモニアを加え、pH9.0に調整後、γ−ブチロラクトン400部を混合し、60℃、25Torrの減圧度で減圧しながら3時間加熱して、コロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液500部を得た。
得られたコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液中のコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を次に述べる方法により測定した。測定した結果、酸型コロイダルシリカの凝集体(二次粒子)の平均粒径は42nmであった。
<コロイダルシリカの平均粒径の測定方法>
コロイダルシリカの凝集体の平均粒径をMicrotrac Nanotrac 150(日機装(株)製、粒度分布測定器)を用いて、下記条件により測定した。
[測定条件]
測定時間:180秒
溶媒:γ−ブチロラクトン(屈折率(20℃) 1.436)
粒子屈折率:アモルファスシリカ(屈折率 1.46)
透過性:透過
形状:非球状
製造例12
加熱時間を3時間から4時間に変更した以外は製造例11と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ72nmであった。
製造例13
加熱時間を3時間から5時間に変更した以外は製造例11と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ89nmであった。
製造例14
加熱時間を3時間から6時間に変更した以外は製造例11と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ138nmであった。
製造例15
加熱時間を3時間から8時間に変更した以外は製造例11と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ170nmであった。
製造例16
加熱時間を3時間から10時間に変更した以外は製造例11と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ195nmであった。
製造比較例11
市販されている酸型コロイダルシリカ(スノーテックス−O、日産化学社製、平均粒径10〜20nm、表面修飾基はOH基)20%水分散液500部に、γ−ブチロラクトン400部を混合し、60℃、25Torrの減圧度で減圧しながら3時間加熱して、コロイダルシリカのγ−ブチロラクトン500部を得た。
製造例1と同様にしてコロイダルシリカの平均粒径を測定したところ、酸型コロイダルシリカの一次粒子の平均粒径に相当する13nmとなり、凝集していないことが示された。
製造比較例12
加熱時間を3時間から12時間に変更した以外は製造例11と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にして酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ232nmであった。
製造比較例13
市販されているナトリウム安定型コロイダルシリカ(スノーテックス−20、日産化学社製、平均粒径10〜20nm)20%水分散液500部、γ−ブチロラクトン400部を混合し、60℃、25Torrの減圧度で減圧しながら3時間加熱して、コロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液500部を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ39nmであった。
製造比較例14
加熱時間を3時間から5時間に変更した以外は、製造比較例13と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ94nmであった。
製造比較例15
加熱時間を3時間から9時間に変更した以外は、製造比較例13と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ187nmであった。
実施例11
(電解液の調製11)
フタル酸166部(1.0mol)と、溶媒としてγ−ブチロラクトン838部とを混合させて撹拌しながら、ジメチルエチルアミン73.1部(1.0mol)を滴下して、フタル酸ジメチルエチルアミンγ−ブチロラクトン溶液を得た後、製造例11で調製したコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液120部を撹拌しながら混合して、コロイダルシリカを添加したフタル酸ジメチルエチルアミンγ−ブチロラクトン溶液(コロイダルシリカの含有量2%)を得た。製造例1と同様にコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定し、凝集体の平均粒径に変化がないことを確認した。
実施例12〜16
(電解液の調製12〜16)
製造例11のコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を、製造例12〜16のコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液に代えた以外は実施例11と同様にして電解液を調製した。同様にコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定し、凝集体の平均粒径に変化がないことを確認した。
比較例11〜15
製造例11のコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を、製造比較例11〜15のコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液に代えた以外は実施例11と同様にして電解液を調製した。同様にコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定し、凝集体の平均粒径に変化がないことを確認した。
試験例3
試験例1と同様にして実施例11〜16及び比較例11〜15で得られた電解液について、初期及び耐熱試験後(105℃条件下2000時間後)の電導度及び火花電圧を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2014103002
表3より、実施例11〜16の電解液は、比較例11〜15よりも火花電圧が高く、火花電圧と電導度における耐熱性に優れていることがわかる。比較例11では、酸型コロイダルシリカの水分散液をアルカリ処理せずに有機溶媒と置換しているが、この場合酸型コロイダルシリカが凝集しないため、性能が劣ることが示された。また、酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径が200nm超である比較例12では、コロイダルシリカの凝集体が沈降してしまい、その結果、火花電圧と電導度における耐熱性に劣ったと考えられる。
また、ナトリウム安定型コロイダルシリカの水分散液を用いた比較例13〜15では、実施例と同等の平均粒径の範囲に凝集するが、火花電圧の向上効果が小さく、また、火花電圧と電導度の低下が著しいことが示された。
製造例17
(コロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液の調製2)
市販されている酸型コロイダルシリカ(スノーテックス−O−40、日産化学社製、平均粒径20〜25nm、表面修飾基はOH基)40%水分散液250部にアンモニアを加え、pH9.0に調整後、γ−ブチロラクトン400部を混合し、60℃、25Torrの減圧度で減圧しながら3時間加熱して、コロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液500部を得た。
得られたコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液中のコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を製造例11と同様の方法により測定したところ、酸型コロイダルシリカの凝集体(二次粒子)の平均粒径は53nmであった。
製造例18
加熱時間を3時間から4時間に変更した以外は製造例17と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ82nmであった。
製造例19
加熱時間を3時間から5時間に変更した以外は製造例17と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ131nmであった。
製造例20
加熱時間を3時間から8時間に変更した以外は製造例17と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ193nmであった。
製造比較例16
市販されている酸型コロイダルシリカ(スノーテックス−O−40、日産化学社製、平均粒径20〜25nm、表面修飾基はOH基)40%水分散液250部にγ−ブチロラクトン400部を混合し、60℃、25Torrの減圧度で減圧しながら3時間加熱して、コロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液500部を得た。
製造例1と同様にしてコロイダルシリカの平均粒径を測定したところ、酸型コロイダルシリカの一次粒子の平均粒径に相当する24nmとなり、凝集していないことが示された。
製造比較例17
加熱時間を3時間から12時間に変更した以外は製造例17と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にして酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ241nmであった。
製造比較例18
市販されているナトリウム安定型コロイダルシリカ(スノーテックス−50、日産化学社製、平均粒径20〜25nm)48%水分散液208部、γ−ブチロラクトン400部を混合し、60℃、25Torrの減圧度で減圧しながら3時間加熱して、コロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液500部を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ56nmであった。
製造比較例19
加熱時間を3時間から5時間に変更した以外は、製造比較例18と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ117nmであった。
製造比較例20
加熱時間を3時間から9時間に変更した以外は、製造比較例18と同様にしてコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を得た。製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定したところ196nmであった。
実施例17
(電解液の調製17)
マレイン酸116部(1.0mol)と、溶媒としてγ−ブチロラクトン843部とを混合させて撹拌しながら、20%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液705部(1.0mol)を滴下して反応させた後、80℃で減圧してマレイン酸水素テトラエチルアンモニウムγ−ブチロラクトン溶液を得る。その後、製造例17で調製したコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液123部を撹拌しながら混合して、コロイダルシリカを添加したマレイン酸水素テトラエチルアンモニウムγ−ブチロラクトン溶液(コロイダルシリカの含有量2%)を得た。
製造例1と同様にしてコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定し、凝集体の平均粒径に変化がないことを確認した。
実施例18〜20
(電解液の調製18〜20)
製造例17のコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を、製造例18〜20のコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液に代えた以外は実施例17と同様にして電解液を調製した。同様にコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定し、凝集体の平均粒径に変化がないことを確認した。
比較例16〜20
製造例17のコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液を、製造比較例16〜20のコロイダルシリカのγ−ブチロラクトン分散液に代えた以外は実施例17と同様にして電解液を調製した。同様にコロイダルシリカの凝集体の平均粒径を測定し、凝集体の平均粒径に変化がないことを確認した。
試験例4
試験例1と同様にして実施例17〜20、比較例16〜20で得られた電解液について、初期及び耐熱試験後(105℃条件下2000時間後)の電導度及び火花電圧を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2014103002
表4に示すとおり、実施例17〜20の電解液は、比較例16〜20よりも火花電圧が高く、火花電圧と電導度における耐熱性に優れていることがわかる。比較例16では、酸型コロイダルシリカの水分散液をアルカリ処理せずに有機溶媒と置換しているが、この場合、酸型コロイダルシリカが凝集しないため、性能が劣ることが示された。また、酸型コロイダルシリカの凝集体の平均粒径が200nm超である比較例17では、コロイダルシリカの凝集体が沈降してしまい、その結果、火花電圧と電導度における耐熱性に劣ったと考えられる。
また、ナトリウム安定型コロイダルシリカの水分散液を用いた比較例18〜20では、実施例と同等の平均粒径の範囲で凝集するが、火花電圧の向上効果が小さく、また、火花電圧と電導度の低下が著しいことがわかる。
本発明の電解液は、高い火花電圧を有し、かつ、火花電圧と電導度における耐熱性に優れるため、電解コンデンサ用の電解液として極めて有用なものである。

Claims (9)

  1. 含窒素カチオンを含有する電解質塩、酸型コロイダルシリカ及び有機溶媒を含有する電解コンデンサ用電解液において、酸型コロイダルシリカが凝集して凝集体を形成し、該凝集体の平均粒径が30〜200nmであることを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
  2. 酸型コロイダルシリカの含有量が0.1〜20質量%である請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。
  3. 含窒素カチオンを含有する電解質塩が、下記一般式(1)〜(5)で表される化合物よるなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1又は2項記載の電解コンデンサ用電解液。
    Figure 2014103002
    (式(1)〜(5)中、基R〜R25は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素
    数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基又は水酸基であり、R〜R25のうち隣接する基同士は連結して炭素数2〜6のアルキレン基を形成しても良い。Xは、カルボン酸アニオン又はホウ素化合物アニオンである。)
  4. 一般式(1)〜(5)において、Xがフタル酸アニオン、マレイン酸アニオン、サリチル酸アニオン、安息香酸アニオン、アジピン酸アニオン、ボロジサリチル酸アニオン、およびボロジグリコール酸アニオンよりなる群から選ばれるアニオンである電解質塩を含有し、γ―ブチロラクトンを主溶媒とする低中圧用のものである請求項3記載の電解コンデンサ用電解液。
  5. 一般式(1)〜(5)において、Xがアゼライン酸アニオン、1,6−デカンジカルボン酸アニオン、3−tert−ブチルアジピン酸アニオン、ホウ酸アニオン、ボロジサリチル酸アニオン、およびボロジグリコール酸アニオンよりなる群から選ばれるアニオンである電解質塩を含有し、エチレングリコールを主溶媒とする高圧用のものである請求項3記載の電解コンデンサ用電解液。
  6. 請求項1〜5のいずれかの項記載の電解コンデンサ用電解液を用いてなる電解コンデンサ。
  7. 酸型コロイダルシリカの水分散液に、アンモニアをpH8〜11となるように加える工程、
    アンモニアを加えた酸型コロイダルシリカの水分散液に有機溶媒を加えた後、加熱して水を留去させるとともに酸型コロイダルシリカを凝集せしめ、酸型コロイダルシリカ凝集体の有機溶媒分散液を得る工程、
    酸型コロイダルシリカ凝集体の有機溶媒分散液を、含窒素カチオンを含有する電解質塩及び有機溶媒と混合する工程、
    とを含む電解コンデンサ用電解液の製造方法。
  8. 含窒素カチオンを含有する電解質塩及び有機溶媒を含有する電解コンデンサ用電解液において、凝集体の平均粒径が30〜200nmである酸型コロイダルシリカの凝集体を添加することを特徴とする電解コンデンサ用電解液の火花電圧向上方法。
  9. 含窒素カチオンを含有する電解質塩及び有機溶媒を含有する電解コンデンサ用電解液において、凝集体の平均粒径が30〜200nmである酸型コロイダルシリカの凝集体を添加することを特徴とする電解コンデンサ用電解液の耐熱性向上方法。
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