JP2011104846A - 平版印刷版の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】銀錯塩拡散転写法を利用する平版印刷版の処理方法において、画像銀の親油性を損なうことなく非画像部の親水性を向上させ、非画像部のインキ汚れを改善する処理方法を提供すること。
【解決手段】支持体上に設けられたハロゲン化銀乳剤層の上層に物理現像核層を有する銀塩拡散転写法を利用した平版印刷版の処理方法において、現像処理後に平均分子量が200以上のポリエチレンイミンを含有する処理液にて処理することを特徴とする平版印刷版の処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、銀錯塩拡散転写法を利用する平版印刷版の処理方法に関するものである。
平版印刷版は、水とインキの両方を版面に供給して、画像部は着色性のインキを、非画像部には水を選択的に受け入れ、該画像上のインキを例えば紙等の被印刷体に転写させることによって印刷がなされる。通常、平版印刷版の画像形成においては、光や熱による化学反応を利用するが、その中でも非常に高感度を有するものとして、銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平版印刷版(以下DTR平版印刷版とも称する)を挙げることができる。
銀錯塩拡散転写法を用いた平版印刷版、特にハロゲン化銀乳剤層の上層に物理現像核層を有する平版印刷版は、例えば、米国特許第3,728,114号明細書、米国特許第4,134,769号明細書、米国特許第4,160,670号明細書、米国特許第4,336,321号明細書、米国特許第4,501,811号明細書、米国特許第4,510,228号明細書、米国特許第4,621,041号明細書等に記載されている。
このような、DTR平版印刷版においては、露光されたハロゲン化銀結晶が現像処理により乳剤層中で化学現像を生じて黒化銀となり、親水性の非画像部を形成する。一方、未露光のハロゲン化銀結晶は、現像液中の銀錯塩形成剤により可溶化し表面の物理現像核層まで拡散、さらに物理現像核上に現像主薬の還元作用によっていわゆる溶解物理現像を生じ、インキ受容性の親油性表面を有する画像銀として析出する。
通常のDTR平版印刷版の製版方法としては、露光、現像処理に引き続いて中和(安定化)処理が施される。中和処理は現像処理でアルカリ性、還元性になった版面を中和することで、版面に化学的安定性を付与する工程で、版面で不要な化学反応が生じることを防ぐため、あるいは取り扱いを容易にするため、あるいは印刷時に給湿液の汚染を防ぐためにも必須のものである。
上記のような工程を経たDTR平版印刷版の性能にとって、黒化銀となった非画像部の親水性と画像銀の親油性のコントラストは非常に重要である。一般的に平版印刷のトラブルは、しばしば、画像部のインキ受容性が低いためにインキが付着しない現象(インキ着肉不良)、あるいは非画像部の親水性が不十分なために不要なインキが非画像部に付着する現象(印刷汚れ)として現れる。このようなトラブルは、生産性の低下を招くだけでなく、用紙の損失や廃棄紙の増加等、当該業者にとって多大な経済的損失を招く。
インキ着肉不良や印刷汚れは、印刷機の状態や使用しているインキ、給湿液の特性に依存しているものの、平版印刷版における非画像部の親水性と画像銀の親油性のコントラストが高ければ本質的にこのようなトラブルは発生しにくくなる。即ち、非画像部の親水性と画像銀の親油性のコントラストの高い印刷版は、印刷条件の許容範囲がそれだけ広がることになる。特にDTR平版印刷版の場合、陽極酸化されたアルミ表面を非画像部とするプレセンシタイズド版(PS版)と比較すると、非画像部の親水性を向上させることが難しく、その向上が望まれている。
DTR平版印刷版の画像銀の親油性を高める方法としては、特公昭48−29723号公報、特開昭58−127928号公報、特開平6−79982号公報に記載のメルカプト基もしくはチオン基を有する化合物を用いることが一般的に行われており、このような化合物を用いれば親油性を向上させることが可能である。
一方、DTR平版印刷版の非画像部の親水性を高めることに対しては、コロイダルシリカやコロイダルアルミナ等の無機微粒子を含有する処理液を版面に作用させる方法が、特開昭48−45305号公報、特開昭57−29046号公報、特開平5−301481号公報、特開昭57−29046号公報に開示されている。しかしながら、これらの無機微粒子はインキ汚れ防止という点でも不十分であり、さらに画像銀の親油性を低下させると言う問題があった。特開平11−115341号公報(特許文献1)には特定のモノチオエーテル化合物を版面に作用させる方法が開示されている。しかし、この方法においても非画像部の親水性向上の効果は十分ではなかった。また、特開平4−14047号公報(特許文献2)及び特開平4−9953号公報(特許文献3)には、銀錯塩拡散転写法を利用する平版印刷版の現像液に水溶性高分子キレート剤を用いる方法が開示されている。しかしこれらの方法では、耐刷性の向上は見られるものの非画像部のインキ汚れを改善することはできなかった。
特開平11−115341号公報 特開平4−14047号公報 特開平4−9953号公報
従って、本発明の目的は銀錯塩拡散転写法を利用する平版印刷版の処理方法において、画像銀の親油性を損なうことなく非画像部の親水性を向上させる処理方法を提供することであり、特に非画像部のインキ汚れを改善する方法を提供することである。
支持体上に設けられたハロゲン化銀乳剤層の上層に物理現像核層を有する銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の処理方法において、現像処理後に平均分子量が200以上のポリエチレンイミンを含有する処理液で処理することを特徴とする平版印刷版の処理方法によって本発明の課題は達成された。
本発明によって、画像銀の親油性を損なうことなく非画像部の親水性を向上させ、印刷汚れの低減された平版印刷版の処理方法を提供することができる。
本発明に用いられるポリエチレンイミンは、平均分子量が200以上のものであって、特に、アミノ基の数は1分子あたり5以上であるものが好ましい。ポリエチレンイミンの形状は直鎖状であっても分岐していても良い。分子量の上限は特にないが、取り扱い上は100万以下が好ましい。
本発明者は様々な検討の中で、かかるポリエチレンイミンを含有する版面処理液で現像処理後にDTR平版印刷版を処理することによって、画像銀の親油性を損なうことなく非画像部の親水性を向上させることができることを見いだした。本発明は、現像処理後に新たな製版処理工程を設けて実施することもできるが、既存の処理工程で使用される処理液に、かかるポリエチレンイミンを新たに添加することでも実現できる。既存の処理工程としては、現像処理後に引き続き行われる中和処理、版面の不要物を洗浄する目的で行われる水洗処理、中和処理から印刷までの間に非画像部の不感脂化や画像部の感脂化等の目的で行われるいわゆるエッチ液による処理等を挙げることができる。これら当該業者には良く知られた処理液に、かかるポリエチレンイミン化合物を含有せしめ、その処理液を使って当該業者には良く知られた方法によって印刷版を処理することで、本発明の効果を得ることができる。
本発明の処理の方法は、版面にポリエチレンイミンを含有する処理液を接触させることができれば特に限定されるものではなく、一般的に行われる方法としては、貯留した液に印刷版を浸して絞りながら引き上げる浸漬方式、必要量のみを版面に供給する塗布方式、処理液を染みこませたスポンジ等で版面をこすることで液を供給する方法、回転するローラーに液を供給しそのローラーを版面に接触させることで版面に液を供給する方法等を挙げることができる。
本発明で用いられる処理液に含有させるポリエチレンイミンの量に特に制限はないが、処理方法に応じて最適な使用量を決定することができる。即ち、処理時間が長い場合には比較的少量でも十分な効果を発揮することができるが、処理時間が短くなればより多くの量を使用した方が効果は大きい。多すぎても特に弊害はないが、最適量以上で使用しても効果はほとんど変わらないので非経済的である。中和液やエッチ液として使用する場合の典型的な使用量は0.5〜50g/Lであることが好ましい。また、給湿液として使用する場合は0.01〜2g/Lが好適である。
一般的にDTR平版印刷版の処理における中和液は、現像処理でアルカリ性になった版面のpHを中和し、化学的に安定化する役割がある。従って、本発明を中和液に適用した場合も、その中和液のpHは中性から酸性に調整されていることが好ましい。該中和液のpHは7.5以下であることが好ましく、より好ましくは4〜7である。
該中和液には上記pH付近に緩衝性能を付与することが好ましい。緩衝剤としてはリン酸又はその塩、コハク酸、クエン酸等の有機酸又はその塩あるいはトリエタノールアミンのごとくアミン類を使用することもできる。リン酸塩を緩衝剤として使用する場合、その含有量は使用液にして0.05モル/L以上添加することが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0モル/Lの範囲で添加する。リン酸塩としてはカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、あるいは前述のトリエタノールアミンのごとくアミン類との塩等を用いることができる。
該中和液には、画像銀の親油性を向上させる目的で、親油化剤としてメルカプト基又はチオン基を有する化合物を含有させることができる。例えば特公昭48−29723号公報、特開昭58−127928号公報等に記載されている化合物が挙げられる。特に炭素数が3〜12のアルキル基、アリール基、アルケニル基等の親油性基を有する含窒素複素環化合物が好ましい。
上記化合物の具体例としては、2−メルカプト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオン、2−メルカプト−4−フェニルチアゾール、3−ブチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、3−メルカプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
該中和液には、上記の化合物以外にも必要に応じて一般に使われている保恒剤、保存剤、湿潤剤、防腐剤、防錆剤及び界面活性剤等を混合することができる。また、例えば、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸等の錯化剤も混合することができる。さらに、コロイダルシリカ等の無機の微粒子も混合することができる。
本願におけるエッチ液とは、中和処理の後、印刷までの間に様々な目的で版面処理を行うために使用される処理液を意味する。代表的な例として、非画像部の親水性を維持、強化するための不感脂化処理、画像銀の親油性の維持向上を目的とした感脂化処理を挙げることができる。さらに版面につく傷や汚れを防ぐあるいはそれを除去、補修するような目的で使用される処理液もエッチ液と呼称する。また、印刷の立ち上がりをスムーズにするために印刷直前に版面を処理することが広く行われているが、このような処理で使用される処理液も、本願ではエッチ液と呼称する。これらのエッチ液にポリエチレンイミン化合物を添加することで、新たな工程を設けることなく本発明を実施することができる。
本発明をエッチ液に適用した場合、そのエッチ液は、目的に応じて最適なpHに調整することができ、さらに上記pH付近に緩衝性能を付与することができる。通常、給湿液への汚染を防ぐために、エッチ液のpHは中性から弱酸性に調整されていることが好ましい。該エッチ液のpHは7.5以下であることが好ましく、より好ましくは4〜7である。また、pH緩衝剤としてはリン酸又はその塩、コハク酸、クエン酸等の有機酸又はその塩あるいはトリエタノールアミンのごとくアミン類を使用することができる。
また、該エッチ液には、画像銀の親油性を向上させるために、親油化剤として中和液と同様のメルカプト基又はチオン基を有する化合物を含有させることができる。上記の化合物以外にも一般に使われている保恒剤、保存剤、湿潤剤、防腐剤及び界面活性剤等を混合することができる。また、例えば、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸等の錯化剤も混合することができる。さらに、コロイダルシリカ等の無機の微粒子も混合することができる。
さらに、版面への処理を安定化するために、エッチ液には水溶性高沸点有機溶剤を含有させることができる。好ましい水溶性高沸点有機溶剤はアルキレングリコール、アルキレンオキサイドの重合体又はその誘導体である。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブトキシエタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体等を挙げることができる。
本発明における現像処理は、特開平10−282674号公報、特開平11−449559号公報等に記載の公知の方法を用いることができる。現像処理に用いられる化合物は、アルカリ剤、銀錯塩形成剤、還元剤、さらに還元反応を調節するために現像抑制剤、現像促進剤等を用いることができ、界面活性剤、増粘剤等を用いることもできる。現在広く行われている方法においては、現像主薬となる還元剤は印刷版に担持させ、現像液には実質的に含まないアルカリ活性化液を現像液として使用する。このような現像液の基本的な構成は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、アミン類、チオエーテル類等の銀錯塩形成剤からなり、さらに必要に応じて、現像抑制剤、現像促進剤、界面活性剤、増粘剤等が用いられる。
本発明における現像処理は浸漬現像方式であっても塗布現像方式であっても良い。塗布現像方式は、現像液の使用量、廃液量が少なく環境面においても経済面においても有利な現像方式である。
本発明に用いられる銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷版の実施態様は、支持体上に設けられたハロゲン化銀乳剤層の上層に物理現像核層を順次塗布されてなる構成の平版印刷版であり、ハロゲン化乳剤層の下層には下塗り層を設けることが好ましい。これら順次塗布された層の総ゼラチン量は1〜4g/mであることが好ましい。
本発明のDTR平版印刷版はバインダーとしてゼラチンを含有することが好ましく、その含有層は下塗り層であり、乳剤層であり、また物理現像核層でもありうる。また、ゼラチンの一部を澱粉、デキストリン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシルエチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルルチルエーテル−無水マレイン酸共重合体等の親水性高分子の一種又は二種以上で置換することもできる。
これらのゼラチン含有層は、ゼラチン硬膜剤で硬化することができる。ゼラチン硬膜剤としては、例えば、クロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオギザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンのようなアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−s−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々の化合物の一種もしくは二種以上を用いることができる。
硬膜剤はすべての層に添加することもでき、幾つか又は一層にのみ添加することも可能である。もちろん、拡散性の硬膜剤は二層同時添加の場合、何れか一層にのみ添加することが可能である。添加方法は塗液製造時に添加することも、塗布時にインラインで添加することもできる。
本発明においては、DTR平版印刷版の感光面側の構成層中に平均粒子サイズが0.3〜5.0μmであるマット化剤を用いることが好ましい。本発明に用いるマット化剤は、例えば、シリカ粒子等の無機粒子、ポリスチレン等の有機物粒子等がある。
本発明においては、前記マット化剤は支持体とハロゲン化銀乳剤層の間の下塗り層に含まれることが好ましい。マット化剤の添加量は、種々の条件により異なるが、感光面側の構成層中に0.1〜5.0g/mの範囲で含まれることが好ましく、より好ましくは0.3〜3.5g/mの範囲である。
下塗り層にはハレーション防止の目的でカーボンブラック等の顔料、染料等を含ませることができる。さらに現像主薬等の写真用添加物も含むことができる。また下塗り層は特開昭48−5503号公報、特開昭48−100203号公報、特開昭49−16507号公報に記載のような下塗り層であってもよい。
ハロゲン化銀乳剤層が含有するハロゲン化銀は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、塩臭ヨウ化銀等が使用でき、好ましくは塩化銀が70モル%以上のハロゲン化銀である。これらを含有するハロゲン化銀乳剤層は公知の分光増感剤(光源、用途に応じた分光増感色素)、ゼラチン硬化剤、塗布助剤、かぶり防止剤、可塑剤、現像試薬、マット剤等を含むことができる。
本発明の平版印刷版に用いられる支持体は、紙、各種フィルム、プラスチック、樹脂様物質で被覆した紙、金属等が使用できる。
物理現像核層に使用される物理現像核は、この種の薬品の例として周知であって、アンチモン、ビスマス、カドミウム、コバルト、パラジウム、ニッケル、銀、鉛、亜鉛等の金属及びこれらの硫化物が使用できる。また、特開平5−265164号公報記載の物理現像核を用いることもできる。物理現像核層にも現像主薬を含んでもよく、またバインダーを含んでもよい。
(実施例1)
以下に本発明を実施例により説明するが、もちろん本発明はこれに限定されるものではない。
本発明に好ましいDTR平版印刷版として、特開2003−195441号公報の実施例2に記載の方法に従ってDTR平版印刷版を作製した。
即ち、支持体として下引き済みの厚み175μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、裏面に裏塗り層、表面に、支持体に近い側から順に下塗り層、乳剤層の2層を同時塗布によって設けた。裏塗り層は平均粒子サイズ3.5μmのシリカ粒子が0.3g/m、ゼラチンが3.0g/mとなるように塗布した。硬膜剤としては、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウムを100mg/m使用した。下塗り層は、カーボンブラックが0.7g/m、平均粒径3.5μmのシリカ粒子が0.9g/m、ゼラチンが3.5g/mとなるように塗液及び塗布量を調整した。硬膜剤としては、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウムを170mg/m使用した。乳剤層には、以下に記す方法で作製した赤色感光性塩臭化銀乳剤を使用し、塩臭化銀粒子が硝酸銀換算で1.0g/m、ゼラチンが0.8g/m、1−フェニル−3−ピラゾリドンが0.1g/mとなるように塗液及び塗布量を調整した。硬膜剤としては、N−メチロールエチレン尿素を80mg/m使用した。
赤色感光性塩臭化銀乳剤は、まず、特開2003−195441号公報の実施例2に従い、pAg7.5にコントロールしたダブルジェット法でイリジウムを3.25×10−6モル/モルAg及びロジウムを2.0×10−7モル/モルAgの割合でドープした、平均粒径0.33μmの塩臭化銀(塩化銀含有率99モル%)乳剤を調製し、さらに銀1モルに対し0.01モルとなるようにヨウ化カリウム水溶液を添加、その後、凝集沈殿及び水洗脱水工程を施して物理熟成済みの乳剤を得た。この乳剤に、ゼラチン溶液を加え、NaOH水溶液にてpH5.5になるように調整して再溶解し、銀1モル当たりチオ硫酸ナトリウム3mg、塩化金酸5mgを加え、50℃で60分間加熱し、化学熟成を施した。化学熟成終了後pHを4.2に調整、特開2003−195441号公報の実施例2の本発明7に従って分光増感を行い、本実施例に使用する赤色感光性塩臭化銀乳剤とした。
裏塗り層及び表面に塗布した下塗り層及びハロゲン化銀乳剤層の2層を塗布乾燥した後、40℃6日間加温した。その後、特開昭53−21602号公報の実施例1の方法に従って、硫化パラジウムゾル、親水性ポリマー、ハイドロキノンを含む核塗布液を調整し乳剤層の上に塗布、乾燥した。親水性ポリマーとしては、特開昭53−21602号公報の実施例1−No.3のアクリルアミド−ビニルイミダゾール共重合体を使用した。各成分の塗布量は、硫化パラジウムが5mg/m、親水性ポリマーが10mg/m、ハイドロキノンが0.5g/mであった。
このようにして得たDTR平版印刷版を幅414mm、長さ10mのロール状にし、三菱製紙社より市販されているSDP−Eco1630IIIRに装填することで、露光及び製版処理を行った。この装置は、波長630nmの赤色レーザーを用い、デジタルデータを走査露光方式によりDTR印刷版にデータ画像の潜像を形成させ、引き続いて、塗布現像、中和処理を行い、製版する自動製版装置である。
上記製版処理において、下記現像液を使用した。
<現像液>
水酸化ナトリウム 10g
水酸化カリウム 15g
無水亜硫酸ナトリウム 40g
N−(β−アミノエチル)エタノールアミン 10g
2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサジアゾール 0.2g
水で1Lとする。
下記に示すように中和液AからJを作製しそれぞれ中和処理に使用した。
<中和液A>
トリエタノールアミン 5g
リン酸二水素カリウム 15g
2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサジアゾール 0.1g
リン酸 1.5g
水を加えて1Lとする。pHは6.0であった。
<中和液B>
中和液A1Lに対してポリエチレンイミン(和光純薬工業社製:平均分子量600)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<中和液C>
中和液A1Lに対してポリエチレンイミン(和光純薬工業社製:平均分子量1800)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<中和液D>
中和液A1Lに対してポリエチレンイミン(和光純薬工業社製:平均分子量10000)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<中和液E>
中和液A1Lに対して日本触媒社製エポミンP−1000(ポリエチレンイミン30質量%溶液:平均分子量70000)を16.7g(固形分換算で5g)加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<中和液F>
中和液A1Lに対して日本触媒社製エポミンS−300(ポリエチレンイミン:平均分子量300)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<中和液G>
中和液A1Lに対してエチレンジアミン(分子量60)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<中和液H>
中和液A1Lに対してジエチレントリアミン(分子量103)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<中和液I>
中和液A1Lに対してエポフロックL2(ミヨシ油脂社製:特開平4−9953号公報記載のポリエチレンイミンジチオカルバミン酸ナトリウム化ポリマー)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<中和液J>
中和液A1Lに対してSMA3000(サートマージャパン社製:特開平4−14047号公報記載のスルホン化スチレンマレイン酸共重合体)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
上記記載の方法で製版された平版印刷版を、印刷機SPRINT26(小森コーポレーション社製オフセット印刷機の商標)、インキ(DIC社製FGross墨H)、給湿液(三菱製紙社製ODPSIIIを1.0質量%で使用)、紙(三菱製紙社製パールコート)を使用して印刷を行い、インキ受容性を評価した。なお、印刷のスタートは、版胴に水着けローラーを接触させたまま紙を送らずに一分間回転させて版全体を湿らせた後、通常通り紙を送りはじめて印刷を行う方法をとった。さらにインキにDIC社製F−Gross紫68S、給湿液に富士フイルムグラフィックスシステムズ社製エコリティ2(1.0質量%で使用)を使用して5千枚の印刷を行い、印刷汚れを評価した。
インキ受容性の評価は、良好な画像濃度で濃度ムラのない印刷物が得られるまでの印刷枚数として評価した。また、印刷汚れの試験では、印刷物の非画像部にインキ汚れが発生する枚数で評価した。結果を表1に示す。
Figure 2011104846
(実施例2)
中和液と同様に、下記に示すエッチ液AからHを作製し、実施例1において中和液Aを使用して製版した印刷版に対してそれぞれエッチング処理を行った。エッチング処理はHP−420e(岩崎通信機社製)を使用した。
<エッチ液A>
クエン酸三ナトリウム二水和物 2g
2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサジアゾール 1g
ジプロピレングリコール 50g
クエン酸 1g
水を加えて1Lとし、水酸化ナトリウムでpHを6.0に調整する。
<エッチ液B>
エッチ液A1Lに対してポリエチレンイミン(和光純薬工業社製:平均分子量300)を5g加えpHをクエン酸で6.0に調整した。
<エッチ液C>
エッチ液A1Lに対してポリエチレンイミン(和光純薬工業社製:平均分子量600)を5g加えpHをクエン酸で6.0に調整した。
<エッチ液D>
エッチ液A1Lに対してポリエチレンイミン(和光純薬工業社製:平均分子量1800)を5g加えpHをクエン酸で6.0に調整した。
<エッチ液E>
エッチ液A1Lに対してポリエチレンイミン(和光純薬工業社製:平均分子量600)を10g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<エッチ液F>
エッチ液A1Lに対してエチレンジアミン(分子量60)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<エッチ液G>
エッチ液A1Lに対してジエチレントリアミン(分子量103)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<エッチ液H>
エッチ液A1Lに対してエポフロックL2(ミヨシ油脂社製:特開平4−9953号公報記載のポリエチレンイミンジチオカルバミン酸ナトリウム化ポリマー)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
<エッチ液I>
エッチ液A1Lに対してSMA3000(サートマージャパン社製:特開平4−14047号公報記載のスルホン化スチレンマレイン酸共重合体)を5g加えpHをリン酸で6.0に調整した。
実施例1と同様にして印刷及び評価を行った結果を表2に示す。
Figure 2011104846
表1、表2から明らかなように、本発明の製版方法により画像銀の親油性を損なうことなく非画像部の親水性の向上、即ち非画像部のインキ汚れを改善する製版方法を提供することができる。

Claims (1)

  1. 支持体上に設けられたハロゲン化銀乳剤層の上層に物理現像核層を有する銀塩拡散転写法を利用した平版印刷版の処理方法において、現像処理後に平均分子量が200以上のポリエチレンイミンを含有する処理剤にて処理することを特徴とする平版印刷版の処理方法。
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