JP2011102002A - 二軸配向フィルム複合シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層の少なくとも一面にポリアリーレンスルフィド繊維からなる不織布(B)層が接着剤を介さず積層された複合シートであり、該不織布(B)層は繊維同士が融着した網状体を形成しており、かつ、該A層を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度TgA、該B層を構成するポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度TgBが、下記式(1)を満たし、複合シートの破断伸度を70%以上とする。
−5℃≦TgB−TgA≦15℃ (1)
【選択図】 なし
Description
従来この分野に適用されていたモーター用絶縁紙としては(1)二軸配向ポリフェニレンスルフィドフィルムを用いることが知られている(特許文献1)。
また、積層フィルムとして、(2)ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSということがある)フィルムと未延伸PPSシートの積層フィルムを電気絶縁材料に用いることが知られている(特許文献2)。さらに、(3)PPSフィルムの片面または両面に芳香族ポリアミドや芳香族アミノカルボン酸を縮合して得られる重合体などの繊維シートを積層したもの(特許文献3)、(4)PPSフィルムとPPSの繊維シートとの積層体が知られている(特許文献4および5)。
しかし、上記の従来のフィルム、積層フィルムおよび積層体は次のような問題点を有している。(1)のフィルムおよび(2)の積層フィルムは、モーター絶縁フィルムとして使用した場合、ワニス含浸性に乏しく、また、靭性が乏しいため、例えばモーター絶縁のスロットライナーやウェッジとしてモーターに挿入する場合、裂けてしまったり、層剥離を起こしたり加工性が十分でない場合があった。(3)の積層体は、耐熱性に富むが、該積層体に用いる繊維シートの吸湿率が大きく、吸湿による寸法変化が大きい。また、該繊維シートが耐薬品性(特に耐アルカリ性)に乏しい。(4)の積層体は、ワニス含浸性、耐薬品性、吸湿特性等の諸特性のバランスはとれているが、積層体の破断伸度が低く、例えばモーター絶縁のスロットライナーやウェッジとしてモーターに挿入する場合、裂けてしまったり、層剥離を起こしたり加工性が十分でない場合があった。
また、本発明は未延伸熱可塑性樹脂フィルム(A)層の少なくとも一面にポリアリーレンスルフィド繊維からなる不織布(B)層を、接着剤を介さず積層して構成された複合シートであって、かつ、該A層を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度TgAと、該B層を構成するポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度TgBが、−5℃≦TgB−TgA≦15℃という関係を満たす複合シートを、熱圧着したのち、二軸方向に共延伸することを特徴とするものである。
本発明の二軸配向フィルム複合シートを構成する二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層は、後述するポリアリーレンスルフィド繊維からなる不織布(B)層を構成するポリアリーレンスルフィドとのガラス転移温度との差が後述する範囲を満たすのであれば特に限定されないが、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン等のポリアリーレンスルフィド樹脂などがあげられる。
本発明においては、二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度TgA、および不織布(B)層を構成するポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度TgBは、下記式(1)を満たす関係にあることが必要である。かかるTgB−TgAの好ましい範囲としては、0℃≦TgB−TgA≦10℃であり、さらに好ましくは、0℃≦TgB−TgA≦5℃である。かかるTgB−TgAが±5℃未満および、±15℃を超えると、該A層および該B層の共延伸を行うことが困難となり、機械特性に劣るフィルムとなる。また、界面接着性が低下するため、モーター絶縁紙としての加工性が悪化する傾向がある。
−5℃≦TgB−TgA≦15℃ (1)
本発明の二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層に好ましく用いられるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とするポリマー、またはヒドロキシカルボン酸成分を構成成分とするポリマー(共重合体である場合を含む)、および複数種の前記ポリエステル樹脂の混合物である。
かかるポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸成分や、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を用いることができる。
また、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2′−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができる。
本発明におけるポリエステル樹脂として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレンナフタレートとの共重合体、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートとの混合物等を挙げることができる。
前記A層を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度(TgA)を本発明で規定する前記範囲とするために、上記ポリエステル樹脂とポリエーテルイミドとの混合物を用いることが好ましい。
かかるポリエーテルイミドの中でも、本発明に好ましく用いられるポリエーテルイミドとしては、脂肪族、脂環族または芳香族エーテル単位とイミド環を含む単位を繰り返し単位として含有し、組み合わせて使用するポリエステル樹脂には相溶するポリマーであり、溶融成形性を有するポリマーであれば、特に限定されない。例えば、米国特許第4141927号、特許第2622678号、特許第2606912号、特許第2606914号、特許第2596565号、特許第2596566号、特許第2598478号、特許第2598536号、特許第2599171号、特開平9−48852公報、特許第2565556号、特許第2564636号、特許第2564637号公報、特許第2563548号、特許第2563547号、特許第2558341号、特許第2558339号、特許第2834580号に記載されるようなポリエーテルイミドを使用することができる。
本発明の目的を阻害しない範囲であれば、ポリエーテルイミドの主鎖にイミド環を含む単位、脂肪族、脂環族または芳香族エーテル単位以外の構造単位、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族エステル単位、オキシカルボニル単位等が含有されていてもよい。
具体的なポリエーテルイミドとしては、下記一般式で示されるポリマーを例示することができる。
上記R1、R2としては、例えば、下記式に示される芳香族炭化水素基を挙げることができる。
本発明では、ポリエステルとの相溶性、コスト、溶融成形性等の観点から、下記化3または化4で示される構造単位を有する、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミン、またはp−フェニレンジアミンとの縮合物が好ましい。このポリエーテルイミドは、“ウルテム”(登録商標)の商標名で、サビックイノベーティブプラスチックス社より入手可能である。
上記ポリエーテルイミドは、前記ポリエステル樹脂と相溶性を有するという利点がある上に、かかるポリエーテルイミドとポリエステルの混合物を二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層の熱可塑性樹脂に用いると、ポリエーテルイミドの含有量によって、該混合物のガラス転移温度を本発明で規定する範囲に容易に調整することができるという利点がある。
例えば、ポリエチレンテレフタレートを用いる場合、ポリエーテルイミドの含有量は5重量%以上30重量%以下とすることが好ましい。より好ましくは10重量%以上25重量%以下、さらに好ましくは15重量%以上20重量%以下である。このようなポリエーテルイミドとポリエステルの混合物を用いると、更に不織布(B)層との接着性にも優れるという利点がある。また、ポリエーテルイミドの含有量が30重量%を超えるとポリアリーレンスルフィド層の配向性が低下し、複合シートの破断伸度が低下するため、モーター絶縁紙としての加工性が低下する場合がある。
なお、二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層を構成する熱可塑性樹脂中のポリエーテルイミドの含有量は公知の方法により求めることが可能である。次にポリエステル中のポリエーテルイミド含有量を求める例を示す。
秤量したポリエーテルイミド含有ポリエステル(Xg)をヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルムの混合溶液に溶解させた後にアセトンで再沈させてポリエステルとポリエーテルイミドの粉末状粒子を得る。得られた粉末状粒子からポリエーテルイミド成分をクロロホルムに溶出させ、ろ過して取り出し秤量する(Yg)ことにより、次式から前記(A)層を構成するフィルム中に含まれるポリエーテルイミドの含有量を算出することができる。
ポリエーテルイミドの含有量[%]=Y/X×100
かくして、上記ポリエーテルイミドをポリエステル中に前記したような範囲で添加することにより、ポリエステル樹脂フィルムのガラス転移温度を適宜調整することができるのである。ガラス転移温度は、JIS K7121に従って示差走査熱分析から求めることができる。
また、本発明の二軸配向複合シートを構成する二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層を構成する熱可塑性樹脂としてポリアリーレンスルフィド樹脂を用いることが好ましい。
本発明で用いるポリアリーレンスルフィド樹脂とは、−(Ar−S)−の繰り返し単位を有するホモポリマーあるいはコポリマーである。Arとしては下記化5の式(A)〜式(K)などで表される構造単位が挙げられる。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂としては、Arが上記化5の式(A)で表される構造単位であるものを用いることが好ましく、これらの代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましいポリアリーレンスルフィドとしては、フィルム物性と経済性の観点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましく例示される。本発明においては、上記ポリアリーレンスルフィドの繰り返し単位として、下記化6の構造式で示されるp−アリーレンスルフィド単位を好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上含むポリアリーレンスルフィドであることが好ましい態様である。80モル%未満では、ポリマーの結晶性や熱転移温度などが低く、ポリアリーレンスルフィドの特徴である耐熱性、耐薬品性、吸湿特性、耐加水分解性などを損なうことがある。
本発明の二軸配向フィルム複合シートを構成する、ポリアリーレンスルフィド繊維からなる不織布(B)層を構成するポリアリーレンスルフィド樹脂は前記したポリアリーレンスルフィド樹脂を用いることができる。
本発明の二軸配向フィルム複合シートの不織布(B)層は、図1に示すような繊維同士が融着した網状体を形成している。
かかる不織布(B)層は、網状体中の融着点のうち少なくとも一部、好ましくは全部の融着点において、該融着点から出る複数本の繊維間に膜が形成されていることが望ましい。該融着点から出る複数本の繊維間に形成される膜(以下、この膜を「融着点膜」という)の形状は、図2に示すように融着点と融着点を形成する複数本の繊維の辺の間で形成されているものであることから、いわゆる「あひるの足の水掻き」状、あるいは「蛙の足の水掻き」状をしている膜形状を有するものである。また、その厚みは融着点膜が形成された繊維の繊維径よりも小さい。
本発明は、かかる融着点膜によって、該不織布(B)層全面を被膜化するのではなく、該B層中の網状体を該水掻き状融着点膜で形成された多数の穴状構造を有する形状に構成することで一層の機械特性の改善や優れた絶縁材料とできる。
該融着点膜を有する網状体は、例えば、後述するフィルムと不織布とを積層し、共延伸することにより形成できるものであるが、融着点膜が形成されることで、より一層、不織布(B)層の強度を著しく増大させることができた上に、二軸配向フィルム複合シート全体としての強度に優れ、また、モーターに挿入する際において、不織布層が裂けたり、層間剥離を発生したりすることが著しく抑制されることはもちろん、該穴状構造としたことにより、ワニス含浸性や吸湿性にも優れた性能を同時に付与することができるのである。
かかる不織布(B)層において、融着点膜を形成する方法は、後述するメルトブロー法で得られた不織布を未延伸熱可塑性樹脂フィルムと熱圧着して積層し、この積層品を二軸に共延伸し、熱処理することにより、繊維同士の融着が促進され、また、延伸工程を通じて複数本の繊維間に膜が形成された融着点膜を有する網状体を形成することができたものである。かかる融着点膜の面積は、特に限定されないが、好ましく、1μm2以上、さらに好ましくは5μm2以上である。該膜の面積に特に上限はないが、ワニスやオイルの含浸性の観点から10000μm2以下であるのが好ましい。
本発明では、不織布(B)層を構成する繊維同士が交差して接触している交点の全てにおいて融着点膜が形成されていることが好ましい。また、不織布(B)層を上面から観察したときに、融着点膜が形成された融着点が、好ましくは不織布層面の1mm2あたり1個以上、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上で観察されるものが、二軸配向フィルム複合シートとしての強度に優れ、また、モーターに挿入する際、不織布(B)層が裂けたり、層間剥離を発生したりすることが著しく抑制することができるため好ましい。
かかる融着点膜の面積、および個数を上記範囲とする方法は、積層する不織布(B)層の目付量を適宜調整し、後述する二軸延伸の延伸倍率により調整することができる。
本発明の二軸配向フィルム複合シートにおいて、かかる不織布(B)層の目付量は、1〜50g/m2であることが望ましく、より好ましくは3〜30g/m2であり、さらに好ましくは5〜20g/m2 である。かかる目付量を50g/m2以下とすることでモーター挿入時の加工性を更に改善することができ、また1g/m2 以上とすることで本発明の二軸配向フィルム複合シートの生産性を改善することができる。
本発明の二軸配向フィルム複合シートを構成する不織布(B)層の作製には、公知の不織布製造法を用いることができるが、メルトブロー法で作製することが簡便である。メルトブロー法では、溶融したポリアリーレンスルフィドポリマーを口金から吐出するに際して、口金周辺部から熱風を吹き付け、該熱風によって吐出したポリマーを細繊維径化せしめ、ついで、しかるべき位置に配置したネットコンベア上に吹き付けて捕集し、ウェブを形成して製造される。該ウェブはネットコンベアに設けた吸引装置によって熱風と一緒に吸引されるので、個々の繊維が完全に固化する前に捕集される。また、ポリマー吐出量、熱風温度、熱風流量、コンベア移動速度等を適宜調整することにより、繊維の配向や繊維径、不織布の目付を任意に設定することができる。かかる不織布を構成する繊維は無配向または低配向の状態で固化され、結晶化度は好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下であるのが、上記融着点膜を形成する点で好ましく、さらには、フィルムと不織布との接着性、共延伸性の観点で好ましい。
よく、また、繊維長は長いほど望ましい。結晶化度を下げることは口金から吐出後の固化の過程で急冷することで達成することができる。
本発明の二軸配向フィルム複合シートは、二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層の少なくとも一方の表面に不織布(B)層が接着剤を介さず積層されるものであるが、該(A)層の両面に該(B)層を積層された構成や、該(B)層の両面に該(A)層が積層された構成とすることなどいずれの構成とすることもできることはいうまでもない。
次に、本発明の二軸配向フィルム複合シートを得る方法について、具体的に例を挙げて説明する。もちろん、本発明はかかる例に限定されるものではない。
まず、前記不織布(B)層となるポリアリーレンスルフィド繊維からなる不織布の作製には、前記したメルトブロー法を用いて作製することが簡便である。かかる不織布を一旦巻き取った後、あるいは連続して該不織布を、二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層となる未延伸熱可塑性樹脂フィルムに熱圧着する。ここで熱圧着の方法は、特に限定されるものではないが、加熱ロールにより熱圧着する方法が好ましく用いられる。また、そのときの熱圧着する温度は、該未延伸熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)と融点(Tm)との間の範囲とするのが好ましく、より好ましくはガラス転移温度(Tg)と冷結晶化温度(Tcc)の範囲とするのがよい。また、次に述べる延伸工程の最初にロール延伸が行われるときは、該ロールを加熱することで延伸と熱圧着を兼ねて同時に行うことも可能である。
次に、このようにして得られた熱圧着積層体を共延伸(積層体を積層状態を保った状態で各層等倍率に延伸することをいう)し、二軸配向させる。共延伸に際しては、逐次二軸延伸法(長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行う方法などの一方向ずつの延伸を組み合わせた延伸法)、同時二軸延伸法(長手方向と幅方向を同時に延伸する方法)、又はそれらを組み合わせた方法を用いることができる。
たとえば、逐次二軸延伸法を用いる場合、長手方向、幅方向ともに延伸温度は、本発明においては、ポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度(Tg)〜(Tg+40)℃、好ましくは(Tg+5)〜(Tg+30)℃の範囲で、延伸倍率3〜4倍、好ましくは3.1〜3.8倍、さらに好ましくは、3.2〜3.6倍に延伸される。かかる共延伸をしたのちは、20〜50℃の冷却ロール群で冷却することが好ましい。
次に、必要に応じて熱固定する。熱固定温度は特に限定されたものではなく、ポリアリーレンスルフィドの冷結晶化温度(Tcc)から融点(Tm)の範囲で、1段もしくは多段熱固定することが好ましい。好ましい多段熱固定温度は、1段目の熱固定温度が160〜220℃、好ましくは180〜220℃であり、続いて行う後段の熱固定および/または弛緩熱処理の最高温度は240〜280℃、好ましくは、260〜280℃である。熱処理時間は0.5秒〜60秒程度が適当である。続いて、幅方向に行う弛緩処理を行うことが好ましく、弛緩率は、0.1〜8%であることが好ましい。
本発明の二軸配向フィルム複合シートにおいて、不織布(B)層を構成する繊維の平均繊維径は、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜15μmの範囲である。この範囲とすることによって、該二軸配向フィルム複合シートにおける不織布(B)層を構成する繊維の切断や融着点での剥離が生じにくくなり、融着点膜の形成性の上からも、さらに該複合シートの強度を更に高めることができる上からも好ましい。
本発明の二軸配向フィルム複合シートにおいて、不織布(B)層の厚みは、1〜300μmであることが好ましく、さらに好ましくは、5〜200μm、さらに好ましくは、10〜100μmである。300μmを超えるとモーター挿入時に不織布(B)層が裂けたり、(A)層と(B)層間で層間剥離する場合があり、また、1μm未満の場合、ワニスやオイルの含浸性が悪化する場合がある。
また、該二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層と該不織布(B)層の厚みの比は、モーター挿入時の加工性や二軸配向フィルム複合シートの耐熱性の点から2以上が好ましく、より好ましくは5以上である。
本発明の二軸配向フィルム複合シートの二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層と不織布(B)層との界面接着強度は1g/cm以上であることが好ましく、より好ましくは10g/cm以上、特に好ましくは30g/cm以上である。界面接着強度は、JIS−K−6854に準じてT形剥離試験法により求めることが可能である。界面接着強度が1g/cm以上とすることでモーター絶縁のスロットライナーやウェッジとしての折り曲げ加工性や、打ち抜き加工性をさらに改善することができる。
本発明の二軸配向フィルム複合シートの破断伸度は70%以上とすることが重要である。より好ましくは、80%以上、さらに好ましくは90%以上である。破断伸度が70%未満の場合、モーター絶縁のスロットライナーやウェッジとしての折り曲げ加工や、打ち抜き加工性が悪化する場合がある。破断伸度を70%以上とする方法は、二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層と不織布(B)層の界面接着強度を上記好ましい範囲とすること、および製膜延伸時の面積延伸倍率(長手方向の延伸倍率×幅方向の延伸倍率)を13倍以下、好ましくは12倍以下、さらに好ましくは11.5倍以下とすることで達成することが可能である。この際、上述した多段熱固定法で熱固定することが、二軸配向フィルム複合シートの平面性向上の観点から好ましく用いられる。
(1)破断伸度
ASTM−D882に規定された方法に従って、インストロンタイプの引張試験機を用いて測定した。測定は下記の条件で行い、試料数10にて、それぞれについて平均値をとった。
試料サイズ:幅10mm×長さ150mm
試長間:100mm
引張り速度:300mm/分
測定環境:23℃
(2)ガラス転移温度
示差走査熱量計 セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、JIS K7121−1987に準じて測定した。試料5mgをアルミニウム製受皿上350℃で5分間溶融保持し、急冷固化した後、室温から昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した。このとき観測される中間点温度をガラス転移温度(Tg)とした。
(3)融解温度
上記(2)と同様にしてJIS K7121―1987に準じて示差走査熱量計セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、試料5mgをアルミニウム製受皿上で室温から350℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、350℃で5分間溶融保持し、急冷固化して5分間保持した後、室温から昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した。そのとき、観測される融解の吸熱ピークのピーク温度を融解温度(Tm)とした。
(4)溶融粘度
フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用いて、口金長さを10mm、口金径を1.0mmとして、予熱時間を5分に設定して、320℃、剪断速度200/secで測定した。
(5)固有粘度(dl/g)
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いた。すなわち、ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示す。
(6)界面接着性
フィルム面にセロハンテープを貼り裏打ちした後、フィルムと不織布間との剥離強度をJIS−K−6854に準拠したT形剥離試験法を用いて下記基準で評価した。
◎:剥離強度が30g/cm以上
○:剥離強度が10g/cm以上、30g/cm未満
△:剥離強度が1g/cm以上、10g/cm未満
×:剥離強度が1g/cm未満
(7)網状体構造の有無および融着点膜の個数
不織布の任意な10カ所を走査型電子顕微鏡により倍率450倍で10枚の画像撮影を行い、図1に示す網状体構造の有無および図2に示す繊維同士が融着した5μm2以上の融着点膜の個数を下記基準で評価した。
◎:10個/mm2以上
○:5個/mm2以上、10個未満/mm2
△:1個以上/mm2、5個/mm2未満
×:1個/mm2未満
(8)目付量(g/m2)
不織布を20cm×20cmの大きさに切りだし、その重さを測定して1m2あたりの重量に変換して表した。
(9)加工性
モータースロット加工機(小田原エンジニアリング社製)を用い、試料を、幅24mm、長さ39mmのスロットに加工速度2ヶ/秒で加工し、目視でフィルム割れ、剥離の発生したものを不良品とし、不良品発生率を次の基準で評価した。なお、加工個数は各試料100個ずつとする。
◎:不良率が0%
○:不良率が0%を超え5%以下
△:不良率が5%を超え20%以下
×:不良率が20%を超える。
(10)ワニス含浸性
試料を10cm×10cmの大きさに裁断した後、下記ワニスを浸漬含浸法で含浸処理し、150℃の乾燥装置内で15分間吊るして加熱し、次いで冷却した後の状態を目視で観察し、次の基準で評価した。
ワニスは、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製・「エピコート50 47」、エポキシ当量550)85重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂( 大日本インキ化学工業社製・「エピクロンN−690」、エポキシ当量210)15重量郎、ジシアンジアミド2.3重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.1重量郎をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、不揮発分濃度55重量%の液状樹脂を調製した。
(参考例1)ポリエチレンテレフタレートの重合
テレフタル酸ジメチル194重量部とエチレングリコール124重量部に、酢酸マグネシウム4水塩0.1重量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチル0.05重量部のエチレングリコール溶液、および三酸化アンチモン0.05重量部を加えて5分間撹拌した後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。3時間重合反応させ所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.63dl/g、融解温度257℃のポリエチレンテレフタレート(PET)のペレットを得た。
(参考例2)ポリエチレンナフタレートの重合
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部、およびエチレングリコール60重量部に、エステル交換触媒として酢酸マグネシウム4水塩を0.018重量部および酢酸カルシウム1水塩を0.003重量部添加し、170〜240℃、0.5kg/cm2にてエステル交換反応させた後、トリメチルホスフェートを0.004重量部添加し、エステル交換反応を終了させた。さらに重合触媒として三酸化アンチモンを0.23重量部添加し、高温高真空下で重縮合反応を行い固有粘度0.60dl/g、融解温度263℃のポリエチレンナフタレート(PEN)ペレットを得た。
(参考例3)PPSの重合
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8,267.37g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2,957.21g(70.97モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11,434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム2,583.00g(31.50モル)、及びイオン交換水10,500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14,780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
(参考例4)PPSペレットの調整
上記で得られたポリフェニレンスルフィド粉末を異方向回転二軸押出機に供給し、300℃に保持した押出機に取り付けられた口金から押し出して、PPSペレットとした。
(参考例5)未延伸PPS不織布の作成
口金幅1cmあたり7本のオリフィスと0.3mm幅のガス噴射スリット間隙を有するメルトブロー噴射装置を備える装置を用い、上記で得られたPPSペレットを回転型乾燥器で180℃2時間乾燥し315℃で溶融してオリフィスより押し出しガス噴射スリットに330℃の加熱空気を噴射し牽引することで平均繊維径9.6μmの繊維をメルトブロー噴射装置から40cm離して配した多孔性ベルト上に捕集して目付20g/m2の未延伸PPS不織布を得た。
(実施例1)
参考例1で得られたポリエチレンテレフタレート樹脂とサビック イノベーティブ プラスチックス社製”Ultem”1010(ポリエーテルイミド)をPET/PEI(85/15)(重量%)の比率で混合し、回転形真空乾燥機を用いて180℃で3時間真空乾燥した。乾燥したポリマーを押出し機に供給し、280℃で溶融し、T型口金よりシート状にドラム上に押出し、冷却固化して未延伸PET/PEIフィルムを得た。
次いで、得られた未延伸PET/PEIフィルムと参考例5で得た未延伸PPS不織布を重ね、加熱ロールに供給してロール温度95℃で熱圧着した。こうして得られた積層シートを100℃に加熱されたシリコーンゴム製の延伸ロール(加圧ロール1.5N/cm)で長手方向に3.4倍延伸し、さらにテンター式延伸機に送り込み、100℃に加熱して幅方向に3.5倍延伸(面積延伸倍率11.9倍)後、200℃で5秒間熱処理したのち、265℃で5秒間熱処理し、冷却し、二軸配向フィルム190μm、不織布10μmの二軸配向フィルム複合シートを得た。
得られた二軸配向フィルム複合シートの構成や特性についての測定、評価結果は、表1に示したとおりであり、この二軸配向フィルム複合シートは、破断伸度、界面密着性が高く、加工性に優れ、また、ワニス含浸性に優れたものであった。
(実施例2)
実施例1でポリエチレンテレフタレート樹脂とPEIの配合比率をPET/PEI(90/10)(重量%)とした以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルム複合シートを得た。
得られた二軸配向フィルム複合シートの構成や特性についての測定、評価結果は、表1に示したとおりであり、この二軸配向フィルム複合シートは、破断伸度、界面密着性が高く、加工性に優れ、また、ワニス含浸性に優れたものであった。
(実施例3)
実施例1でポリエチレンテレフタレート樹脂とPEIの配合比率をPET/PEI(95/5)(重量%)とした以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルム複合シートを得た。
得られた二軸配向フィルム複合シートの構成や特性についての測定、評価結果は、表1に示したとおりであり、この二軸配向フィルム複合シートは、破断伸度、界面密着性が高く、加工性に優れ、また、ワニス含浸性に優れたものであった。
(実施例4)
PEIに代えて参考例2で得られたポリエチレンナフタレート樹脂を用い、配合比率をPET/PEN(70/30)(重量%)とした以外は、実施例1と同様にして二軸配向フィルム複合シートを得た。
得られた二軸配向フィルム複合シートの構成や特性についての測定、評価結果は、表1に示したとおりであり、この二軸配向フィルム複合シートは、破断伸度、界面密着性が高く、加工性に優れ、また、ワニス含浸性に優れたものであった。
(実施例5)
未延伸PET/PEIフィルムに代えて、参考例4で得られたPPSペレットを用い、320℃で溶融し、T型口金よりシート状にドラム上に押出し、冷却固化して得た未延伸フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルム複合シートを得た。
得られた二軸配向フィルム複合シートの構成や特性についての測定、評価結果は、表1に示したとおりであり、この二軸配向フィルム複合シートは、破断伸度、界面密着性が高く、加工性に優れ、また、ワニス含浸性に優れたものであった。
(比較例1)
PEIに代えて参考例1で得られたポリエチレンテレフタレートを用い、すなわち、ポリエチレンテレフタレート樹脂のみで未延伸フィルムを作製した以外は、実施例1と同様にして二軸配向フィルム複合シートを得た。
(比較例2)
実施例1でポリエチレンテレフタレート樹脂とPEIの配合比率をPET/PEI(99/1)(重量%)とした以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルム複合シートを得た。
(比較例3)
実施例1でポリエチレンテレフタレート樹脂とPEIの配合比率をPET/PEI(60/40)(重量%)とした以外は実施例1と同様に、未延伸PPS不織布を重ね、加熱ロールに供給してロール温度95℃で熱圧着した。こうして得られた積層シートを105℃に加熱されたシリコーンゴム製の延伸ロール(加圧ロール1.5N/cm)で長手方向および幅方向に延伸する以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルム複合シートを得た。
(比較例4)
参考例4で得られたPPSペレットを用い、320℃で溶融し、T型口金よりシート状にドラム上に押出し、冷却固化し、100℃に加熱されたシリコーンゴム製の延伸ロール(加圧ロール1.5N/cm)で長手方向に3.5倍延伸し、さらにテンター式延伸機に送り込み、100℃に加熱して幅方向に3.5倍延伸後、200℃で5秒間熱処理したのち、265℃で5秒間熱処理し、冷却して、厚み100μmの二軸配向PPSフィルムを得た。
得られた二軸配向PPSフィルムと比較例4で作製したPPS繊維シートを240℃の加熱ロールプレスで熱圧着した。プレス圧力は10kg/ cmであり、熱圧着の速度は1m/分であった。得られた複合シートの厚さは二軸配向フィルム100μm、繊維シート90μmであり、得られた二軸配向フィルム複合シートの構成や特性についての測定、評価結果は、表1に示したとおりであり、この二軸配向フィルム複合シートは、破断伸度、界面密着性が低く、加工性の低下したものであった。
(比較例5)
比較例4で二軸配向PPSフィルムの厚みを75μmとする以外は比較例4と同様にして二軸配向PPSフィルムを作製した。
(比較例6)
未延伸PPS不織布の目付を200g/m2とした以外は、参考例5と同様にして未延伸PPS不織布を得た。
この未延伸PPS不織布を用い、また、二軸配向フィルム複合シートにおいて熱可塑性樹脂フィルム(PPS製フィルム)部分100μm、不織布(PPS製不織布)部分100μmとなるよう調整した以外は実施例5と同様にしての二軸配向フィルム複合シートを得た。
得られた二軸配向フィルム複合シートの構成や特性についての測定、評価結果は、表1に示したとおりであり、この二軸配向フィルム複合シートは、破断伸度が低く、加工性の低下したものであった。
(比較例7)
実施例5で長手方向に4.2倍延伸し、さらにテンター式延伸機に送り込み、幅方向に3.7倍延伸(面積延伸倍率15.54倍)延伸する以外は実施例5と同様にして二軸配向フィルム複合シートを得た。
Claims (6)
- 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム(A)層の少なくとも一面にポリアリーレンスルフィド繊維からなる不織布(B)層が接着剤を介さず積層された複合シートであり、該不織布(B)層は繊維同士が融着した網状体を形成しており、かつ、該A層を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度TgA、該B層を構成するポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度TgBが下記式(1)を満たし、複合シートの破断伸度が70%以上であることを特徴とする二軸配向フィルム複合シート。
−5℃≦TgB−TgA≦15℃ (1) - 前記B層中の網状体中の融着点の少なくとも一部の融着点において、繊維間にまたがる融着点膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の二軸配向フィルム複合シート。
- 前記A層を構成する熱可塑性樹脂が、ポリエステルを主成分とする組成物あるいはポリアリーレンスルフィドのいずれかからなることを特徴とする請求項1または2に記載の二軸配向フィルム複合シート。
- 前記ポリエステルを主成分とする組成物が、ポリエーテルイミドを該組成物全量に対して5〜30重量%含むものであることを特徴とする請求項3に記載の二軸配向フィルム複合シート。
- 前記二軸配向フィルム複合シートが、モーター用絶縁紙に用いられるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向フィルム複合シート。
- 二軸配向フィルム複合シートの製造方法であって、下記(1)式を充足する未延伸の熱可塑性樹脂フィルム(該フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度をTgAとする)の少なくとも一面にポリアリーレンスルフィド繊維からなる不織布(該不織布を構成する樹脂のガラス転移温度をTgBとする)を、接着剤を介さず積層・熱圧着したのち、二軸方向に共延伸することを特徴とする二軸配向フィルム複合シートの製造方法。
−5℃≦TgB−TgA≦15℃ (1)
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