JP2000037969A - 感熱孔版印刷用原紙の製造方法 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙の製造方法

Info

Publication number
JP2000037969A
JP2000037969A JP20408899A JP20408899A JP2000037969A JP 2000037969 A JP2000037969 A JP 2000037969A JP 20408899 A JP20408899 A JP 20408899A JP 20408899 A JP20408899 A JP 20408899A JP 2000037969 A JP2000037969 A JP 2000037969A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
heat
sensitive stencil
producing
thermoplastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20408899A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakado Takahashi
正矩 高橋
Tadayuki Matsumoto
忠之 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP20408899A priority Critical patent/JP2000037969A/ja
Publication of JP2000037969A publication Critical patent/JP2000037969A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】延伸性と加工性に優れショットの極めて少ない
不織布を用いてなる、画像鮮明性に優れた感熱孔版印刷
用原紙の製造方法を提供することにある。 【解決手段】平均繊維径が7〜40μm、繊維径変動率
が30%以下、かつ実質的に無配向である熱可塑性繊維
からなる不織布と、熱可塑性フィルムとを積層した後に
延伸することを特徴とする感熱孔版印刷用原紙の製造方
法である。ここで用いられる不織布は、熱可塑性重合体
を繊維状に細化しながら移動捕集面へシート状に捕集す
るメルトブロー不織布の製造方法において、オリフィス
の列の幅1cm当たりの加熱ガス流量を0.005〜
0.1Nm3/分とすることにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性繊維から
なる不織布と熱可塑性フィルムとからなる感熱孔版印刷
用原紙の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、平面状のシートから立体的な構造
体、例えば帽子、マスク、あるいは各種トレイなどを成
型する加工用不織シートとして配向度の低いポリエステ
ル系繊維(複屈折率Δn=0.02〜0.07のもの)
からなる長繊維不織布が提案されている(特開昭62−
69874号公報、特開昭62−177274号公報参
照)。
【0003】しかしながら、これらの不織布を延伸加工
に適用しようとする場合、延伸倍率の範囲が低い範囲し
かとれないという問題があった。その理由は、ここでの
不織布が複屈折率Δn=0.02〜0.07のポリエス
テル半延伸糸から構成されるためと説明できる。
【0004】長繊維からなる不織布は、公知のスパンボ
ンド法により製造することができる。すなわち、口金か
ら吐出した溶融ポリマーをエジェクターによって牽引
し、得られたフィラメントを衝突板に衝突させ、あるい
は、静電気的反発力で開繊し、コンベア上に捕集して製
造される。ポリマー吐出量、コンベア速度を適宜設定す
ることにより、ウエブの目付を任意に設定できる。ま
た、エジェクターの圧力と流量を適宜調整することによ
り、フィラメントの分子配向状態を調整できる。すなわ
ち、エジェクターの圧力と流量を絞って紡糸速度を遅く
することにより、分子配向度の低い繊維ウエブを得るこ
とができる。
【0005】しかし、紡糸速度を遅くしても、口金から
吐出した溶融ポリマーが冷却固化する過程で張力を受け
るため分子配向が生じてしまい、実質的に無配向の繊維
からなる不織布を製造することは事実上困難であった。
口金から吐出した溶融ポリマーを遅い速度で巻き取り、
次いで開繊して不織布に成型することを行なっても、上
記理由から、実質的に無配向の繊維からなる不織布を製
造することは事実上困難であった。一方、口金から吐出
した溶融ポリマーを単にコンベア上に捕集してから冷却
固化させれば実質的に無配向の繊維径が太いガット状の
ものが得られるが、このガット状物は太く粗硬で不織布
への適用は困難であった。
【0006】実質的に無配向のポリエステル繊維からな
る不織布を製造する方法に、公知のメルトブロー法があ
る(特開昭55−90663号公報、特開昭55−14
2757号公報参照)。この方法では、溶融したポリエ
ステルを口金から吐出するに際して、口金周辺部から2
90〜355℃あるいは320〜370℃の高温の加熱
ガスを1.5Kg/cm3 Gあるいは1.5〜6.0K
g/cm3 Gの高圧で吹き付け、吐出した溶融ポリマー
を加熱ガスによって溶融状態で極細に細化せしめる方法
である。細化した前記ポリマーは、次いで、随伴気流で
冷却し、しかるべき位置に配置したネットコンベア上に
吹き付けて捕集し、ウエブを形成して不織布が製造され
る。すなわち、メルトブロー法では口金から吐出した溶
融ポリマーが溶融状態で張力を受けるので分子配向が進
まず、実質的に無配向の繊維からなる不織布が得られ
る。
【0007】しかし、上記のメルトブロー法で得られる
繊維は平均繊維径が細すぎ、また繊維径が不均一なもの
であり、この不織布を高延伸倍率で延伸すると繊維群中
の細い繊維が切断するという問題、また上記のメルトブ
ロー法ではショットと呼ばれるポリマー塊が発生する問
題は避けられず、不織布中のショットが延伸加工製品の
品位品質を阻害するという問題があった。
【0008】他方、感熱孔版印刷用原紙の製造方法の従
来技術は、延伸したフィルムと薄葉紙を接着剤で貼り合
わせるものであり、かかる従来の製造方法によれば、薄
葉紙を構成する繊維の間に接着剤の小さな塊の生成をさ
けられず、接着剤の小塊がインキの透過を阻害して印刷
物に白抜け欠点を発生させるため、画質が良好ではない
という欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題点を解決し、延伸性に優れショットの極め
て少ない不織布を用いてなる、画像鮮明性に優れた感熱
孔版印刷用原紙の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の感熱孔版印刷用
原紙の製造方法は、平均繊維径が7〜40μm、繊維径
変動率が30%以下、かつ実質的に無配向である熱可塑
性繊維からなる不織布と熱可塑性フィルムとを積層した
後に延伸することを特徴とするもので、さらに、次の好
ましい態様を含んでいる。 (a) 延伸方法が二軸延伸である。 (b) 熱可塑性繊維がポリエステル系繊維またはポリオレ
フィン系繊維である。 (c) 不織布の目付が50g/m2以上200g/m2以下
である (d) 不織布と熱可塑性フィルムを熱接着させてから延伸
する。 (e) 不織布として、メルトブロー法で製造される不織布
を用いる。具体的には、列状に配列した複数個のオリフ
ィスから溶融した熱可塑性重合体を吐出すると共に、前
記オリフィスの列の両側に設けられたスリットから加熱
ガスを吐出された熱可塑性重合体に斜めに噴射すること
により、熱可塑性重合体を繊維状に細化しながら移動捕
集面へシート状に捕集するメルトブロー不織布の製造方
法において、前記オリフィスの列の幅1cm当たりの加
熱ガス流量を0.005〜0.1Nm3/分として製造
した不織布をを用いる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、
熱可塑性繊維からなる不織布と熱可塑性フィルムとで基
本的に構成される。
【0012】本発明で用いられる不織布は、曳糸性のあ
る熱可塑性重合体から構成されるものである。具体的に
は、例えば、ポリエステル系重合体、ポリオレフィン系
重合体、ポリアミド系重合体、ポリ塩化ビニリデン系重
合体などが挙げられる。なかでも、紡糸性、強伸度特性
等の観点から、ポリエステル系重合体、ポリオレフィン
系重合体が好ましい。
【0013】本発明の不織布を構成する熱可塑性繊維の
平均繊維径は、7μm以上40μm以下であることが重
要である。
【0014】ここでいう平均繊維径とは、サンプルの任
意な10箇所を電子顕微鏡で倍率2000倍で10枚の
写真撮影を行ない、1枚の写真につき任意の15本の繊
維の直径を測定し、これを10枚の写真について行な
い、合計150本の繊維径を平均したものである。
【0015】熱可塑性繊維の平均繊維径が7μm未満で
あると延伸性が悪くなる。特に、ポリエステル系重合体
からなる不織布の場合、延伸倍率が3倍を超える高倍率
で延伸する際には、延伸装置に、例えば、クリップテン
ターを用いると、クリップ近傍で不織布の繊維が素抜け
る態様で不織布が破断する例が多発する。平均繊維径は
好ましくは10μm以上である。
【0016】他方、熱可塑性繊維の平均繊維径が40μ
mを超える場合には、同一目付量の不織布を得ようとす
ると構成繊維数が減少するため、不織布の構造が粗にな
り、製品風合いが粗硬になる等の欠点を生ずる。平均繊
維径が30μm以下であることが好ましい。
【0017】次に、本発明で用いられる不織布は繊維径
変動率が30%以下であることが重要である。ここでい
う繊維径変動率とは、サンプルの任意な10箇所を電子
顕微鏡で倍率2,000倍で10枚の写真撮影を行な
い、1枚の写真につき任意の15本の繊維の直径を測定
し、これを10枚の写真について行ない、合計150本
の繊維径から平均繊維径を求め、150本の変動係数の
100倍、すなわち、標準偏差を平均値で除した値を1
00倍して%表示したものをいう。
【0018】繊維径変動率が30%を超える場合には、
延伸性が悪くなる。特に、延伸倍率が3倍を超える高倍
率延伸では、不織布中の繊維群のなかで細い繊維が切断
しやすくなる。理由は必ずしも明らかではないが、平均
繊維径の細い繊維が延伸性に劣るためであると考えられ
る。
【0019】また、不織布を延伸した後の繊維径変動率
は、延伸前の不織布の繊維径変動率より高くなる場合が
多いため、雑貨類などのように製品の均整度をあまり問
題視しない用途は別にしても、例えば、フィルター材料
用途あるいは感熱孔版印刷用原紙の支持体のように高い
均質さが求められる用途に用いる不織布としては、繊維
径変動率が25%以下であることが好ましく、繊維径変
動率が20%以下であることがさらに好ましい。
【0020】また、本発明で用いられる不織布は、実質
的に無配向の熱可塑性繊維からなるものであり、無配向
であるため後の延伸加工性が優れるものである。
【0021】本発明の不織布は、平面状のシートから立
体的な構造体、例えば、深絞り加工、あるいは延伸加工
に好適に使用できる。延伸加工は成型加工に比べ、不織
布の延展性能の良否が顕著に現出する加工である。
【0022】なお、本発明の不織布を延伸加工するに際
しては、延伸方法に限定は特になく、延伸方向も一軸延
伸あるいは二軸延伸のいずれでも良いが、製品特性の異
方性を特に強調する以外は二軸延伸が好ましい。二軸延
伸は、逐次二軸延伸法または同時二軸延伸法のいずれの
方法であってもよい。
【0023】次に、本発明で用いられる不織布の製造方
法について説明する。
【0024】本発明の不織布は、列状に配列した複数個
のオリフィスから溶融した熱可塑性重合体を吐出すると
共に、その吐出した溶融熱可塑性重合体に、前記オリフ
ィス列の両側に設けられたスリットから加熱ガスを吐出
された熱可塑性重合体に斜めに噴射することにより、熱
可塑性重合体を繊維状に細化しながら下方に設けられた
移動捕集面にシート状に捕集するメルトブロー不織布を
製造するにおいて、前記オリフィス列の幅1cm当たり
の加熱ガス流量を0.005〜0.1Nm3/分とする
ことで製造できる。
【0025】本発明において、溶融ポリマーを繊維状に
細化する加熱ガスの流量が特に重要である。加熱ガスの
流量が0.1Nm3/分を超える場合には、細化して得ら
れる繊維の繊維径変動率が大きくなる。その理由は、吐
出した溶融ポリマーに噴射される加熱ガス流量が大であ
ると、吐出溶融ポリマー流が細化するに際してのポリマ
ー流のはためき運動あるいは鞭振り運動が大きくなる、
あるいはポリマー流が分裂することによって細化が進行
するために繊維径分布が広くなってしまうからと考えら
れる。また、ポリマー流のはためき運動あるいは鞭振り
運動が過大になる、あるいはポリマー流が分裂すること
は、前述したショットとなり不織布の欠点となる。一
方、加熱ガス流量が0.005Nm3/分未満では、前
記スリットから噴射するガスのスリットの幅方向の流量
変動が大きくなる。0.01〜0.09Nm3/分の範
囲が好ましく、0.02〜0.08Nm3/分の範囲が
より好ましい。
【0026】また、本発明で用いられる不織布の製造方
法において、ショットの発生を防止するため、平均繊維
径7μm以上の繊維からなる不織布を製造する吐出量と
することが好ましい。
【0027】本発明の不織布は、ショットが極めて少な
く、延伸加工性に優れることから、本発明の不織布と熱
可塑性フィルムとを積層した後に延伸することで、画像
鮮明性に優れた感熱孔版印刷用原紙を製造することがで
きる。その場合、本発明の不織布の目付を50g/m2
以上200g/m2以下として熱可塑性フィルムと積層
し、延伸することが好ましい。
【0028】本発明の不織布を多孔質支持体として用い
て感熱孔版印刷用原紙を製造するための熱可塑性樹脂フ
ィルムとしては、薄膜のフィルムを成型可能な樹脂より
なるもの、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレートに代表されるポリエステル、ナイ
ロン6、ナイロン66に代表されるポリアミド、ポリフ
ェニレンサルファイド、など特に限定されず用いること
ができる。なかでも、ポリエチレンテレフタレートを主
成分とするフィルムが好ましく用いられる。
【0029】本発明で用いられる熱可塑性フィルムは、
これらのフィルムを成型可能な樹脂原料を押出機を用い
て常套手段で押出し冷却ドラム上にキャストして、未延
伸フィルムとすることで得ることができる。
【0030】本発明の不織布を感熱孔版印刷用原紙の支
持体として用いて感熱孔版印刷用原紙を製造する場合、
延伸方法としては二軸延伸することが好ましく、その方
法としては、同時二軸延伸、一軸ずつ延伸を行なう逐次
二軸延伸、二軸延伸後さらに追加延伸を行なう方法など
二方向に不織布が延伸される方法であればどの様な方法
であってもよいが、縦延伸後に横延伸を行な二軸延伸法
が、工程の安定性、設備のコンパクトさなどの点で好ま
しい。う逐次 また、不織布を構成する繊維の配向度を
高くし、また延伸ムラのある繊維を少なくする観点から
縦横各方向の延伸倍率は1.5倍以上が好ましく、延伸
時の繊維の破断を防ぐ観点から縦横各方向の延伸倍率は
8倍以下であることが好ましい。十分な強力を得る観点
から各方向に2.5倍〜6倍であることがより好まし
く、安定な延伸を行なうためには各方向に3倍〜5倍で
あることがさらに好ましい。
【0031】本発明の感熱孔版印刷用原紙の製造方法に
おいては、不織布と熱可塑性フィルムとを重ね両者を熱
接着してから、上記延伸を行なうことが好ましい。熱接
着は、積層した不織布と熱可塑性フィルムを加熱ロール
に供給し熱圧着するなどの手段で達成される。この場合
のロール温度は、熱可塑性繊維と熱可塑性フィルムの種
類で異なるが、概ね70〜95℃である。
【0032】本発明では上記のように、不織布と熱可塑
性フィルムとを、接着剤を用いることなく熱接着するこ
とにより、従来技術の重大な欠点であった接着剤による
インキ透過の阻害は本質的に発生せず、一層白抜け欠点
のない、優れた画質の得られる感熱孔版印刷用原紙が得
られる。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例をあげてさらに具体的
に説明する。なお、各種の物性値の測定は、以下のよう
な方法条件で行なった。
【0034】[固有粘度(IV)]温度25℃におい
て、オルソクロロフェノール10mlに対し試料0.8
gを溶解し、オストワルド粘度計で測定する。
【0035】[平均繊維径および繊維径変動率]サンプ
ルの任意な10箇所を電子顕微鏡で倍率2000倍で1
0枚の写真撮影を行ない、1枚の写真につき任意の15
本の繊維の直径を測定し、これを10枚の写真について
行ない、合計150本の繊維径を測定する。平均繊維径
はその平均値で表し、繊維径変動率は変動係数の100
倍、すなわち、標準偏差を平均値で除した値を100倍
して%表示する。
【0036】[複屈折Δn]偏光顕微鏡により、光源に
ナトリウムランプを用い、試料をα−プロムナフタリン
浸漬下で、Berekコンベンセーター法からレターデ
ーションを求めて算出する。
【0037】[ショットの有無]任意の箇所から切り取
った50cm×50cm寸法の不織布の表裏を倍率10
0倍の実体顕微鏡で観察し、認められるショットの数が
合計4個以下であるとき、ショット無しと判定し、認め
られるショットの数が合計5個以上であるときショット
有りと判定する。
【0038】[延伸性の評価]不織布を8cm×8cm
に切り取り、フィルムストレッチャで加熱延伸を行な
い、破断に至るまでの到達延伸倍率で次のように級別す
る。級別の数字が大きいほど延伸性に優れることを示
す。
【0039】 延伸倍率(タテ×ヨコ) 級別 2.0×2.0 1級 2.5×2.5 2級 3.0×3.0 3級 3.5×3.5 4級 4.0×4.0以上 5級 [印刷性評価]作製した原紙を理想科学工業(株)製
「リソグラフ」に供給して、サーマルヘッド式製版方式
により、JIS第1水準の文字で文字サイズ2mm角の
ものと5mm角のもの、および丸(2〜10mmφ)の
内部を黒く塗りつぶしたもの、また、太さの異なる罫線
を原稿として製版する。
【0040】製版原稿を用いて印刷したものを目視判定
により、次のように評価する。
【0041】印刷性「良」;文字が鮮明で、罫線に太さ
ムラがなく、黒ベタ部で白抜けのないもの。
【0042】印刷性「中」;実用上なんとか使用できる
レベルのもの。
【0043】印刷性「悪」;文字が不鮮明で、罫線が切
れており、黒ベタ部で白抜けがめだつもの。
【0044】[実施例1]直径25mmのエクストルー
ダに備えた孔径0.30mm、孔数130個、オリフィ
スが一列のメルトブロー口金から、吐出量40g/分、
口金温度280℃でポリエチレンテレフタレート(チッ
プIV=0.48)を吐出し、オリフィスの列の両側に
設けられたスリットから吐出ポリマーを前記オリフィス
列の幅1cm当たりの流量0.055Nm3/分の29
5℃の熱風で繊維状に牽引細化しながら、口金先端から
14cm下方の移動金網面に捕集して目付量140g/
2の不織布を作製した。
【0045】得られた不織布の繊維は、平均繊維径8μ
m、繊維径の変動率18%であり、複屈折Δnは測定限
界以下の実質的に無配向の繊維であった。また、ショッ
ト無しと判定された。
【0046】他方、ポリエチレンテレフテレート86モ
ル%、ポリエチレンイソフタレート14モル%からなる
共重合ポリエステル樹脂原料(チップIV=0.7、T
m=228℃)をスクリュ径40mmの押出機を用い
て、Tダイ口金温度280℃で押出し、直径300mm
の冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製し
た。次いで、得られた未延伸フィルム上に、上記目付量
140g/m2の不織布を重ね、加熱ロールに供給して
ロール温度75℃で熱圧着した。このようして得られた
積層シートを90℃の加熱ロールで、長さ方向に設定倍
率3.5倍延伸した後、テンター式延伸機に送り込み、
95℃で幅方向に設定倍率4.0倍延伸して厚さ約35
μmの感熱孔版印刷用原紙となした。この感熱孔版印刷
用原紙の印字テスト結果は印刷性「良」であった。結果
を表1にまとめて示す。
【0047】[実施例2]直径30mmのエクストルー
ダに備えた孔径0.30mm、孔数136個、オリフィ
スが一列のメルトブロー口金から、吐出量50g/分で
ポリエチレンテレフタレート(チップIV=0.65)
を吐出し、オリフィスの列の両側に設けられたスリット
から吐出ポリマーを前記オリフィス列の幅1cm当たり
の流量0.007Nm3/分で温度295℃の熱風によ
り繊維状に牽引細化しながら、口金先端から14cm下
方の移動金網面に捕集して目付量140g/m2の不織
布を作製した。
【0048】得られた不織布の繊維は、平均繊維径30
μm、繊維径の変動率16%であり、複屈折Δnは測定
限界以下の実質的に無配向の繊維であった。また、ショ
ット無しと判定された。
【0049】次いで、実施例1と同様の未延伸フィルム
上に、上記目付量140g/m2の不織布を重ね、加熱
ロールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。この
ようにして得られた積層シートを90℃の加熱ロール
で、長さ方向に設定倍率3.5倍延伸した後、テンター
式延伸機に送り込み、95℃で幅方向に設定倍率4.0
倍延伸して厚さ約35μmの感熱孔版印刷用原紙となし
た。この感熱孔版印刷用原紙の印字テスト結果は印刷性
「良」であった。結果を表1にまとめて示す。
【0050】[実施例3]直径30mmのエクストルー
ダに備えた孔径0.30mm、孔数136個、オリフィ
スが一列のメルトブロー口金から、吐出量50g/分、
口金温度285℃でポリエチレンテレフタレート(チッ
プIV=0.48)を吐出し、オリフィスの列の両側に
設けられたスリットから吐出ポリマーを前記オリフィス
列の幅1cm当たりの流量0.045Nm3/分で温度
295℃の熱風により繊維状に牽引細化しながら、口金
先端から14cm下方の移動金網面に捕集して目付量1
40g/m2の不織布を作製した。
【0051】得られた不織布の繊維は、平均繊維径12
μm、繊維径の変動率13%であり、複屈折Δnは測定
限界以下の実質的に無配向の繊維であった。また、ショ
ット無しと判定された。
【0052】次いで、実施例1と同等の未延伸フィルム
上に、上記目付量140g/m2の不織布を重ね、加熱
ロールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。この
ようにして得られた積層シートを90℃の加熱ロール
で、長さ方向に設定倍率3.5倍延伸した後、テンター
式延伸機に送り込み、95℃で幅方向に設定倍率4.0
倍延伸して厚さ約35μmの感熱孔版印刷用原紙となし
た。この感熱孔版印刷用原紙の印字テスト結果は印刷性
「良」であった。結果を表1にまとめて示す。
【0053】[実施例4]直径30mmのエクストルー
ダに備えた孔径0.30mm、孔数136個、オリフィ
スが一列のメルトブロー口金から、吐出量50g/分、
口金温度290℃でポリエチレンテレフタレート(チッ
プIV=0.65)を吐出し、オリフィスの列の両側に
設けられたスリットから吐出ポリマーを前記オリフィス
列の幅1cm当たりの流量0.09Nm3/分で温度3
00℃の熱風により繊維状に牽引細化しながら、口金先
端から16cm下方の移動金網面に捕集して目付量14
0g/m2の不織布を作製した。
【0054】得られた不織布の繊維は、平均繊維径15
μm、繊維径の変動率16%であり、複屈折Δnは測定
限界以下の実質的に無配向の繊維であった。また、ショ
ット無しと判定された。
【0055】次いで、実施例1と同様の未延伸フィルム
上に、上記目付量140g/m2の不織布を重ね、加熱
ロールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。この
ようにして得られた積層シートを90℃の加熱ロール
で、長さ方向に設定倍率3.5倍延伸した後、テンター
式延伸機に送り込み、95℃で幅方向に設定倍率4.0
倍延伸して厚さ約35μmの感熱孔版印刷用原紙となし
た。この感熱孔版印刷用原紙の印字テスト結果は印刷性
「良」であった。結果を表1にまとめて示す。
【0056】[実施例5]ポリエチレンテレフテレート
86モル%、ポリエチレンイソフタレート14モル%か
らなる共重合ポリエステル樹脂原料(〔η〕=0.7、
Tm=228℃)をスクリュー径40mmの押出機を用
いて、Tダイ口金温度280℃で押出し、直径300m
mの冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製
した。次いで、未延伸フィルム上に実施例3と同手法で
作製した目付量80g/m2の不織布を重ね、加熱ロー
ルに供給してロール温度80℃で熱圧着した。このよう
にして得られた積層シートを90℃の加熱ロールで、長
さ方向に設定倍率3倍延伸した後、テンター式延伸機に
送り込み、95℃で幅方向に設定倍率4倍延伸した。積
層シートの破断は発生せずに延伸できた。
【0057】得られた積層延伸シートはフィルムと不織
布とが熱接着しており、繊維を光学顕微鏡で観察したと
ころ、繊維は交叉点で不規則に融着していた。この感熱
孔版印刷用原紙の印字テスト結果は印刷性「良」であっ
た。
【0058】[比較例1]実施例1と同様の装置を用
い、吐出量40g/分、口金温度280℃でポリエチレ
ンテレフタレート(IV=0.50)を吐出し、前記オ
リフィスの列の両側に設けられたスリットから吐出ポリ
マーを前記オリフィス列の幅1cm当たりの流量0.2
2Nm3/分で温度300℃の熱風により繊維状に牽引
細化しながら、口金先端から18cm下方の移動金網面
に捕集して目付量140g/m2の不織布を作製した。
【0059】得られた不織布の繊維は、平均繊維径3.
2μm、繊維径の変動率は48%と大きいものであっ
た。また、ショット有りと判定された。
【0060】次いで、実施例1と同様の未延伸フィルム
上に上記目付量140g/m2の不織布を重ね、加熱ロ
ールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。このよ
うにして得られた積層シートを90℃の加熱ロールで、
長さ方向に設定倍率3.5倍延伸を試みたが、破断が頻
発して延伸性不良であった。結果を表1にまとめて示
す。
【0061】[比較例2]実施例3と同様の装置を用
い、吐出量40g/分、口金温度285℃でポリエチレ
ンテレフタレート(IV=0.48)を吐出し、前記オ
リフィスの列の両側に設けられたスリットから吐出ポリ
マを前記オリフィス列の幅1cm当たりの流量0.12
Nm3/分の300℃の熱風で繊維状に牽引細化しなが
ら、前記口金先端から18cm下方の移動金網面に捕集
して目付量140g/m2の不織布を作製した。
【0062】得られた不織布の繊維は、平均繊維径5.
2μm、繊維径の変動率は35%と大きいものであっ
た。また、ショット有りと判定された。
【0063】次いで、実施例1と同様の未延伸フィルム
上に上記目付量140g/m2の不織布を重ね、加熱ロ
ールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。このよ
うにして得られた積層シートを90℃の加熱ロールで、
長さ方向に設定倍率3.0倍延伸した後、テンター式延
伸機に送り込み、95℃で幅方向に設定倍率3.0倍延
伸して厚さ約30μmの感熱孔版印刷用原紙となした。
この感熱孔版印刷用原紙の印字テスト結果は白抜け欠点
が目立ち、印刷性「悪」であった。結果を表1にまとめ
て示す。
【0064】[比較例3]実施例1と同様の装置を用
い、吐出量40g/分、口金温度290℃でポリエチレ
ンテレフタレート(IV=0.65)を吐出し、前記オ
リフィスの列の両側に設けられたスリットから吐出ポリ
マを前記オリフィス列の幅1cm当たりの流量0.00
3Nm3/分の300℃の熱風で繊維状に牽引細化しな
がら、前記口金先端から20cm下方の移動金網面に捕
集して目付量140g/m2の不織布を作製した。
【0065】得られた不織布の繊維は、平均繊維径42
μm、繊維径の変動率は16%であった。また、ショッ
ト無しと判定された。
【0066】次いで、実施例1と同様の未延伸フィルム
上に上記目付量140g/m2の不織布を重ね、加熱ロ
ールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。このよ
うにして得られた積層シートを90℃の加熱ロールで、
長さ方向に設定倍率3.5倍延伸した後、テンター式延
伸機に送り込み、95℃で幅方向に設定倍率4.0倍延
伸して厚さ約35μmの感熱孔版印刷用原紙となした。
この感熱孔版印刷用原紙は不織布繊維によるカバリング
が低く、フィルム面に凹凸とシワが生じ、印字テスト結
果は印刷性「中」〜「悪」であった。結果を表1にまと
めて示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、延伸性と加工性に優れ
ショットの極めて少ない不織布を熱可塑性フィルムと積
層した後で延伸することにより、文字が鮮明で、罫線に
太さムラがなく、黒ベタ部で白抜けのない、画像鮮明性
に優れた感熱孔版印刷用原紙を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均繊維径が7〜40μm、繊維径変動
    率が30%以下、かつ実質的に無配向である熱可塑性繊
    維からなる不織布と熱可塑性フィルムとを積層した後に
    延伸することを特徴とする感熱孔版印刷用原紙の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 二軸延伸する請求項1記載の感熱孔版印
    刷用原紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性繊維がポリエステル系繊維また
    はポリオレフィン系繊維である請求項1または2記載の
    感熱孔版印刷用原紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 不織布の目付が50g/m2以上200
    g/m2以下である請求項1〜3のいずれかに記載の感
    熱孔版印刷用原紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 不織布と熱可塑性フィルムとを積層し熱
    接着させてから延伸する請求項1〜4のいずれかに記載
    の感熱孔版印刷用原紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 不織布として、メルトブロー法で製造さ
    れた不織布を用いる請求項1〜5のいずれかに記載の感
    熱孔版印刷用原紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 列状に配列した複数個のオリフィスから
    溶融した熱可塑性重合体を吐出すると共に、前記オリフ
    ィスの列の両側に設けられたスリットから加熱ガスを吐
    出された熱可塑性重合体に斜めに噴射することにより、
    熱可塑性重合体を繊維状に細化しながら移動捕集面へシ
    ート状に捕集するメルトブロー不織布の製造方法におい
    て、前記オリフィスの列の幅1cm当たりの加熱ガス流
    量を0.005〜0.1Nm3/分として製造した不織
    布を用いる請求項1〜5のいずれかに記載の感熱孔版印
    刷用原紙の製造方法。
JP20408899A 1999-07-19 1999-07-19 感熱孔版印刷用原紙の製造方法 Pending JP2000037969A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20408899A JP2000037969A (ja) 1999-07-19 1999-07-19 感熱孔版印刷用原紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20408899A JP2000037969A (ja) 1999-07-19 1999-07-19 感熱孔版印刷用原紙の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19943894A Division JP2998569B2 (ja) 1994-08-24 1994-08-24 不織布およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000037969A true JP2000037969A (ja) 2000-02-08

Family

ID=16484596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20408899A Pending JP2000037969A (ja) 1999-07-19 1999-07-19 感熱孔版印刷用原紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000037969A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011102002A (ja) * 2009-11-11 2011-05-26 Toray Ind Inc 二軸配向フィルム複合シートおよびその製造方法
JP2014024345A (ja) * 2013-10-16 2014-02-06 Toray Ind Inc 二軸配向フィルム複合シートおよびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011102002A (ja) * 2009-11-11 2011-05-26 Toray Ind Inc 二軸配向フィルム複合シートおよびその製造方法
JP2014024345A (ja) * 2013-10-16 2014-02-06 Toray Ind Inc 二軸配向フィルム複合シートおよびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8652977B2 (en) Heat-resistant nonwoven fabric
KR102395895B1 (ko) 생분해성 복합섬유 및 이를 포함하는 부직포
JP3816828B2 (ja) 高温熱成型可能な立体成型用不織布とそれを用いた吸音材
JPH11131354A (ja) 不織布およびその製造方法ならびに感熱孔版用原紙の製造方法
JP2998569B2 (ja) 不織布およびその製造方法
JP5812786B2 (ja) 高強力不織布
JP2000037969A (ja) 感熱孔版印刷用原紙の製造方法
JP2017150098A (ja) 連続繊維不織布およびその製造方法
JP2000238156A (ja) 積層不織布およびその製造方法ならびに感熱孔版用原紙およびその製造方法
JPH07138863A (ja) ポリエステル系極細繊維不織ウエブ及びその製造方法
JPH01201567A (ja) 嵩高スパンボンド不織布の製造方法
JPH11350324A (ja) 熱可塑性繊維からなる不織布及びそれを用いた感熱孔版印刷用原紙
JPH01201566A (ja) 嵩高スパンボンド不織布
JPH0858262A (ja) 感熱孔版印刷用原紙
JPH11158765A (ja) 不織布およびそれを用いてなる感熱孔版印刷用原紙
JP2000318336A (ja) 感熱孔版印刷用原紙
JP2000144566A (ja) 不織布およびその製造方法ならびに感熱孔版印刷用原紙の製造方法
JP2005048339A (ja) ポリ乳酸系長繊維不織布の製造方法および製造装置
JPH06212550A (ja) ポリプロピレン系極細繊維不織ウエブ及びその製造方法
JP2001010247A (ja) 孔版印刷用原紙
JP2001058474A (ja) 感熱孔版印刷用原紙
JP2001030648A (ja) 感熱孔版印刷用原紙
JP4186326B2 (ja) 感熱孔版印刷用原紙およびその製造方法
JPH11256465A (ja) ポリエステル不織布およびその製造方法
JP2023097053A (ja) スパンボンド不織布、表皮材用シート、及び表皮材