JP2998569B2 - 不織布およびその製造方法 - Google Patents

不織布およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性繊維からなる
不織布に関する。詳しくは本発明は、延伸性に優れ、ポ
リマー塊を含まない不織布およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、平面状のシートから立体的な構造
体、例えば帽子、マスク、あるいは各種トレイなどを成
型する加工用不織シートとして配向度の低いポリエステ
ル系繊維(複屈折率Δn=0.02〜0.07のもの)
からなる長繊維不織布が提案されている(特開昭62−
69874号公報、特開昭62−177274号公報参
照)。
【0003】しかし、これらの不織布を延伸加工に適用
しようとする場合、延伸倍率の範囲が低い範囲しかとれ
ないという問題があった。その理由は、ここでの不織布
が複屈折率Δn=0.02〜0.07のポリエステル半
延伸糸から構成されるためと説明できる。
【0004】長繊維不織布は公知のスパンボンド法によ
り製造することができる。すなわち、口金から吐出した
溶融ポリマーをエジェクターによって牽引し、得られた
フィラメントを衝突板に衝突させ、あるいは、静電気的
反発力で開繊し、コンベア上に捕集して製造される。ポ
リマー吐出量、コンベア速度を適宜設定することによ
り、ウエブの目付を任意に設定できる。また、エジェク
ターの圧力と流量を適宜調整することにより、フィラメ
ントの分子配向状態を調整できる。すなわち、エジェク
ターの圧力と流量を絞って紡糸速度を遅くすることによ
り、分子配向度の低い繊維ウエブを得ることができる。
【0005】しかし、紡糸速度を遅くしても、口金から
吐出した溶融ポリマーが冷却固化する過程で張力を受け
るため分子配向が生じてしまい、実質的に無配向の繊維
からなる不織布を製造することは事実上困難であった。
口金から吐出した溶融ポリマーを遅い速度で巻き取り、
次いで開繊して不織布に成型することを行なっても、上
記理由から、実質的に無配向の繊維からなる不織布を製
造することは事実上困難であった。一方、口金から吐出
した溶融ポリマーを単にコンベア上に捕集してから冷却
固化させれば実質的に無配向の繊維径が太いガット状の
ものが得られるが、このガット状物は太く粗硬で不織布
への適用は困難であった。
【0006】実質的に無配向のポリエステル繊維からな
る不織布を製造する方法に、公知のメルトブロー法があ
る(特開昭55−90663号公報、特開昭55−14
2757号公報参照)。この方法では、溶融したポリエ
ステルを口金から吐出するに際して、口金周辺部から2
90〜355℃あるいは320〜370℃の高温の加熱
ガスを1.5Kg/cm3 Gあるいは1.5〜6.0K
g/cm3 Gの高圧で吹き付け、吐出した溶融ポリマー
を加熱ガスによって溶融状態で極細に細化せしめる方法
である。細化した前記ポリマーは、次いで、随伴気流で
冷却し、しかるべき位置に配置したネットコンベア上に
吹き付けて捕集し、ウエブを形成して不織布が製造され
る。すなわち、メルトブロー法では口金から吐出した溶
融ポリマーが溶融状態で張力を受けるので分子配向が進
まず、実質的に無配向の繊維からなる不織布が得られ
る。
【0007】しかし、上記のメルトブロー法で得られる
繊維は平均繊維径が細すぎ、また繊維径が不均一なもの
であり、この不織布を高延伸倍率で延伸すると繊維群中
の細い繊維が切断するという問題、また上記のメルトブ
ロー法ではショットと呼ばれるポリマー塊が発生する問
題は避けられず、不織布中のショットが延伸加工製品の
品位品質を阻害するという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決し、延伸性に優れ、ショットの極めて少
ない不織布とその製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の不織布は次の構成を有する。
【0010】すなわち、熱可塑性繊維からなる不織布に
おいて、該熱可塑性繊維の平均繊維径が7〜40μm、
繊維径変動率が30%以下、かつ実質的に無配向である
ことを特徴とする不織布である。
【0011】また、本発明の不織布の製造方法は次の構
成を有する。
【0012】すなわち、列状に配列した複数個のオリフ
ィスから溶融した熱可塑性重合体を吐出すると共に、前
記オリフィスの列の両側に設けられたスリットから加熱
ガスを吐出された熱可塑性重合体に斜めに噴射すること
により、熱可塑性重合体を繊維状に細化しながら移動捕
集面へシート状に捕集するメルトブロー不織布の製造方
法において、前記オリフィスの列の幅1cm当たりの加
熱ガス流量を0.005〜0.055Nm3/分とする
ことを特徴とする不織布の製造方法である。
【0013】
【0014】
【0015】本発明の不織布は、曳糸性のある熱可塑性
重合体から構成されるものである。具体的には、例えば
ポリエステル系重合体、ポリオレフィン系重合体、ポリ
アミド系重合体、ポリ塩化ビニリデン系重合体などが挙
げられる。なかでも、紡糸性、強伸度特性等の観点か
ら、ポリエステル系重合体、ポリオレフィン系重合体が
好ましい。
【0016】本発明の不織布を構成する熱可塑性繊維の
平均繊維径は、7μm以上40μm以下であることが重
要である。
【0017】ここでいう平均繊維径とは、サンプルの任
意な10箇所を電子顕微鏡で倍率2000倍で10枚の
写真撮影を行い、1枚の写真につき任意の15本の繊維
の直径を測定し、これを10枚の写真について行い、合
計150本の繊維径を平均したものである。
【0018】熱可塑性繊維の平均繊維径が7μm未満で
あると延伸性が悪くなる。特に、ポリエステル系重合体
からなる不織布の場合、延伸倍率が3倍を超える高倍率
で延伸する際には、延伸装置に例えばクリップテンター
を用いると、クリップ近傍で不織布の繊維が素抜ける態
様で不織布が破断する例が多発する。好ましくは、平均
繊維径が10μm以上である。
【0019】他方、熱可塑性繊維の平均繊維径が40μ
mを超える場合には、同一目付量の不織布を得ようとす
ると構成繊維数が減少するため、不織布の構造が粗にな
り、製品風合いが粗硬になる等の欠点を生ずる。平均繊
維径が30μm以下であることが好ましい。
【0020】次に、本発明の不織布は繊維径変動率が3
0%以下であることが重要である。ここでいう繊維径変
動率とは、サンプルの任意な10箇所を電子顕微鏡で倍
率2000倍で10枚の写真撮影を行い、1枚の写真に
つき任意の15本の繊維の直径を測定し、これを10枚
の写真について行い、合計150本の繊維径から平均繊
維径を求め、150本の変動係数の100倍、すなわ
ち、標準偏差を平均値で除した値を100倍して%表示
したものをいう。
【0021】繊維径変動率が30%を超える場合には延
伸性が悪くなる。特に、延伸倍率が3倍を超える高倍率
延伸では、不織布中の繊維群のなかで細い繊維が切断し
やすくなる。理由は必ずしも明らかではないが、平均繊
維径の細い繊維が延伸性に劣るためであると考えられ
る。
【0022】また、不織布を延伸した後の繊維径変動率
は、延伸前の不織布の繊維径変動率より高くなる場合が
多いため、雑貨類などのように製品の均整度をあまり問
題視しない用途は別にしても、例えばフィルター材料用
途あるいは感熱孔版印刷用原紙の支持体のように高い均
質さが求められる用途に用いる不織布としては、繊維径
変動率が25%以下であることが好ましく、繊維径変動
率が20%以下であることがさらに好ましい。
【0023】また、本発明の不織布は、実質的に無配向
の繊維からなるものであり、無配向であるため後の延伸
加工性が優れるものである。
【0024】本発明の不織布は、平面状のシートから立
体的な構造体、例えば帽子、マスク、あるいは各種トレ
イなどを成型する加工、深絞り加工、あるいは延伸加工
に好適に使用できる。延伸加工は成型加工に比べ、不織
布の延展性能の良否が顕著に現出する加工である。
【0025】なお、本発明の不織布を延伸加工するに際
しては、延伸方法に限定は特になく、延伸方向も一軸延
伸あるいは二軸延伸のいずれでも良いが、製品特性の異
方性を特に強調する以外は二軸延伸が好ましい。二軸延
伸は、逐次二軸延伸法または同時二軸延伸法のいずれの
方法であってもよい。また不織布を積層して延伸しても
よく、他の不織布、織物、編物等の布帛類、あるいはフ
ィルムと積層して延伸してもよい。二軸延伸方法の好ま
しい延伸条件を例示すれば、延伸倍率は通常の場合、縦
横それぞれに2〜5倍程度が適当である。
【0026】次に、本発明の不織布の製造方法について
説明する。
【0027】本発明の不織布は、列状に配列した複数個
のオリフィスから溶融した熱可塑性重合体を吐出すると
共に、その吐出した溶融熱可塑性重合体に、前記オリフ
ィス列の両側に設けられたスリットから加熱ガスを吐出
された熱可塑性重合体に斜めに噴射することにより、熱
可塑性重合体を繊維状に細化しながら下方に設けられた
移動捕集面にシート状に捕集するメルトブロー不織布を
製造するにおいて、前記オリフィス列の幅1cm当たり
の加熱ガス流量を0.005〜0.055Nm3/分と
することで製造できる。
【0028】本発明において、溶融ポリマーを繊維状に
細化する加熱ガスの流量が特に重要である。加熱ガスの
流量が0.055Nm3/分を超える場合には、細化し
て得られる繊維の繊維径変動率が大きくなる。その理由
は、吐出した溶融ポリマーに噴射される加熱ガス流量が
大であると、吐出溶融ポリマー流が細化するに際しての
ポリマー流のはためき運動あるいは鞭振り運動が大きく
なる、あるいはポリマー流が分裂することによって細化
が進行するために繊維径分布が広くなってしまうからと
考えられる。また、ポリマー流のはためき運動あるいは
鞭振り運動が過大になる、あるいはポリマー流が分裂す
ることは、前述したショットとなり不織布の欠点とな
る。一方、加熱ガス流量が0.005Nm3 /分未満で
は、前記スリットから噴射するガスのスリットの幅方向
の流量変動が大きくなる。0.01〜0.055Nm3
/分の範囲が好ましく、0.02〜0.055Nm3
分の範囲がより好ましい。
【0029】また、本発明の不織布の製造方法におい
て、ショットの発生を防止するため、平均繊維径7μm
以上の繊維からなる不織布を製造する吐出量とすること
が好ましい。
【0030】本発明の不織布は、ショットが極めて少な
く、延伸加工性に優れることから、本発明の不織布と熱
可塑性フィルムとを積層した後に延伸することで、画像
鮮明性に優れた感熱孔版印刷用原紙を製造することがで
きる。その場合、本発明の不織布の目付を50g/m2
以上200g/m2 以下として熱可塑性フィルムと積層
し、延伸することが好ましい。
【0031】本発明の不織布を多孔質支持体として用い
て感熱孔版印刷用原紙を製造するための熱可塑性樹脂フ
ィルムとしては、薄膜のフィルムを成型可能な樹脂より
なるもの、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレートに代表されるポリエステル、ナイ
ロン6、ナイロン66に代表されるポリアミド、ポリフ
ェニレンサルファイド、など特に限定されず用いること
ができる。なかでも、ポリエチレンテレフタレートを主
成分とするフィルムが好ましく用いられる。
【0032】本発明の不織布を感熱孔版印刷用原紙の支
持体として用いて感熱孔版印刷用原紙を製造する場合、
延伸方法としては二軸延伸することが好ましく、その方
法としては、同時二軸延伸、一軸ずつ延伸を行う逐次二
軸延伸、二軸延伸後さらに追加延伸を行う方法など二方
向に不織布が延伸される方法であればどの様な方法であ
ってもよいが、縦延伸後に横延伸を行なう逐次二軸延伸
法が、工程の安定性、設備のコンパクトさなどの点で好
ましい。
【0033】また、不織布を構成する繊維の配向度を高
くし、また延伸ムラのある繊維を少なくする観点から縦
横各方向の延伸倍率は1.5倍以上が好ましく、延伸時
の繊維の破断を防ぐ観点から縦横各方向の延伸倍率は8
倍以下であることが好ましい。十分な強力を得る観点か
ら各方向に2.5倍〜6倍であることがより好ましく、
安定な延伸を行なうためには各方向に3倍〜5倍である
ことがさらに好ましい。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例をあげてさらに具体的
に説明する。なお、各種の物性値の測定は以下のような
方法条件でおこなった。
【0035】[固有粘度(IV)]温度25℃において
オルソクロロフェノール10mlに対し試料0.8gを
溶解し、オストワルド粘度計で測定した。
【0036】[平均繊維径および繊維径変動率]サンプ
ルの任意な10箇所を電子顕微鏡で倍率2000倍で1
0枚の写真撮影を行い、1枚の写真につき任意の15本
の繊維の直径を測定し、これを10枚の写真について行
い、合計150本の繊維径を測定した。平均繊維径はそ
の平均値で表し、繊維径変動率は変動係数の100倍、
すなわち、標準偏差を平均値で除した値を100倍して
%表示した。
【0037】[複屈折Δn]偏光顕微鏡により、光源に
ナトリウムランプを用い、試料をα−プロムナフタリン
浸漬下で、Berekコンベンセーター法からレターデ
ーションを求めて算出した。
【0038】[ショットの有無]任意の箇所から切り取
った50cm×50cm寸法の不織布の表裏を倍率10
0倍の実体顕微鏡で観察し、認められるショットの数が
合計4個以下であるとき、ショット無しと判定し、認め
られるショットの数が合計5個以上であるときショット
有りと判定する。
【0039】[延伸性の評価]不織布を8cm×8cm
に切り取り、フィルムストレッチャで加熱延伸を行な
い、破断に至るまでの到達延伸倍率で次のように級別し
た。級別の数字が大きいほど延伸性に優れることを示
す。 延伸倍率 級別 2.0×2.0 1級 2.5×2.5 2級 3.0×3.0 3級 3.5×3.5 4級 4.0×4.0以上 5級
【0040】[印刷性評価]作製した原紙を理想科学工
業(株)製「リソグラフ」に供給して、サーマルヘッド
式製版方式により、JIS第1水準の文字で文字サイズ
2mm角のものと5mm角のもの、および丸(2〜10
mmφ)の内部を黒く塗りつぶしたもの、また、太さの
異なる罫線を原稿として製版した。
【0041】製版原稿を用いて印刷したものを目視判定
により、次のように評価した。
【0042】印刷性「良」;文字が鮮明で、罫線に太さ
ムラがなく、黒ベタ部で白抜けのないもの。
【0043】印刷性「中」;実用上なんとか使用できる
レベルのもの。
【0044】印刷性「悪」;文字が不鮮明で、罫線が切
れており、黒ベタ部で白抜けがめだつもの。
【0045】[実施例1]直径25mmのエクストルー
ダに備えた孔径0.30mm、孔数130個、オリフィ
スが一列のメルトブロー口金から、吐出量40g/分、
口金温度280℃でポリエチレンテレフタレート(チッ
プIV=0.48)を吐出し、オリフィスの列の両側に
設けられたスリットから吐出ポリマーを前記オリフィス
列の幅1cm当たりの流量0.055Nm3 /分の29
5℃の熱風で繊維状に牽引細化しながら、口金先端から
14cm下方の移動金網面に捕集して不織布を作製し
た。
【0046】得られた不織布の繊維は、平均繊維径8μ
m、繊維径の変動率18%であり、複屈折Δnは測定限
界以下の実質的に無配向の繊維であった。また、ショッ
ト無しと判定された。
【0047】他方、ポリエチレンテレフテレート86モ
ル%、ポリエチレンイソフタレート14モル%からなる
共重合ポリエステル樹脂原料(チップIV=0.7、T
m=228℃)をスクリュ径40mmの押出機を用い
て、Tダイ口金温度280℃で押出し、直径300mm
の冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製し
た。次いで、該未延伸フィルム上に上記目付量140g
/m2 の不織布を重ね、加熱ロールに供給してロール温
度75℃で熱圧着した。こうして得られた積層シートを
90℃の加熱ロールで、長さ方向に設定倍率3.5倍延
伸した後、テンター式延伸機に送り込み、95℃で幅方
向に設定倍率4.0倍延伸して厚さ約35μmの感熱孔
版印刷用原紙となした。この感熱孔版印刷用原紙の印字
テスト結果は印刷性「良」であった。
【0048】結果は表1にまとめて示した。
【0049】
【表1】 [実施例2]直径30mmのエクストルーダに備えた孔
径0.30mm、孔数136個、オリフィスが一列のメ
ルトブロー口金から、吐出量50g/分でポリエチレン
テレフタレート(チップIV=0.65)を吐出し、オ
リフィスの列の両側に設けられたスリットから吐出ポリ
マーを前記オリフィス列の幅1cm当たりの流量0.0
07Nm3 /分で温度295℃の熱風により繊維状に牽
引細化しながら、口金先端から14cm下方の移動金網
面に捕集して不織布を作製した。
【0050】得られた不織布の繊維は、平均繊維径30
μm、繊維径の変動率16%であり、複屈折Δnは測定
限界以下の実質的に無配向の繊維であった。また、ショ
ット無しと判定された。
【0051】次いで、実施例1と同様の未延伸フィルム
上に上記目付量140g/m2 の不織布を重ね、加熱ロ
ールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。こうし
て得られた積層シートを90℃の加熱ロールで、長さ方
向に設定倍率3.5倍延伸した後、テンター式延伸機に
送り込み、95℃で幅方向に設定倍率4.0倍延伸して
厚さ約35μmの感熱孔版印刷用原紙となした。この感
熱孔版印刷用原紙の印字テスト結果は印刷性「良」であ
った。
【0052】結果は表1にまとめて示した。
【0053】[実施例3]直径30mmのエクストルー
ダに備えた孔径0.30mm、孔数136個、オリフィ
スが一列のメルトブロー口金から、吐出量50g/分、
口金温度285℃でポリエチレンテレフタレート(チッ
プIV=0.48)を吐出し、オリフィスの列の両側に
設けられたスリットから吐出ポリマーを前記オリフィス
列の幅1cm当たりの流量0.045Nm3 /分で温度
295℃の熱風により繊維状に牽引細化しながら、口金
先端から14cm下方の移動金網面に捕集して不織布を
作製した。
【0054】得られた不織布の繊維は、平均繊維径12
μm、繊維径の変動率13%であり、複屈折Δnは測定
限界以下の実質的に無配向の繊維であった。また、ショ
ット無しと判定された。
【0055】次いで、実施例1と同等の未延伸フィルム
上に上記目付量140g/m2 の不織布を重ね、加熱ロ
ールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。こうし
て得られた積層シートを90℃の加熱ロールで、長さ方
向に設定倍率3.5倍延伸した後、テンター式延伸機に
送り込み、95℃で幅方向に設定倍率4.0倍延伸して
厚さ約35μmの感熱孔版印刷用原紙となした。この感
熱孔版印刷用原紙の印字テスト結果は印刷性「良」であ
った。
【0056】結果は表1にまとめて示した。
【0057】[実施例4]直径30mmのエクストルー
ダに備えた孔径0.30mm、孔数136個、オリフィ
スが一列のメルトブロー口金から、吐出量50g/分、
口金温度290℃でポリエチレンテレフタレート(チッ
プIV=0.65)を吐出し、オリフィスの列の両側に
設けられたスリットから吐出ポリマーを前記オリフィス
列の幅1cm当たりの流量0.09Nm3 /分で温度3
00℃の熱風により繊維状に牽引細化しながら、口金先
端から16cm下方の移動金網面に捕集して不織布を作
製した。
【0058】得られた不織布の繊維は、平均繊維径15
μm、繊維径の変動率16%であり、複屈折Δnは測定
限界以下の実質的に無配向の繊維であった。また、ショ
ット無しと判定された。
【0059】次いで、実施例1と同様の未延伸フィルム
上に上記目付量140g/m2 の不織布を重ね、加熱ロ
ールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。こうし
て得られた積層シートを90℃の加熱ロールで、長さ方
向に設定倍率3.5倍延伸した後、テンター式延伸機に
送り込み、95℃で幅方向に設定倍率4.0倍延伸して
厚さ約35μmの感熱孔版印刷用原紙となした。この感
熱孔版印刷用原紙の印字テスト結果は印刷性「良」であ
った。
【0060】結果は表1にまとめて示した。
【0061】[実施例5]ポリエチレンテレフテレート
86モル%、ポリエチレンイソフタレート14モル%か
らなる共重合ポリエステル樹脂原料(〔η〕=0.7、
Tm=228℃)をスクリュ径40mmの押出機を用い
て、Tダイ口金温度280℃で押出し、直径300mm
の冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製し
た。次いで、未延伸フィルム上に実施例3で作製した目
付量80g/m2 の不織布を重ね、加熱ロールに供給し
てロール温度80℃で熱圧着した。こうして得られた積
層シートを90℃の加熱ロールで、長さ方向に設定倍率
3倍延伸した後、テンター式延伸機に送り込み、95℃
で幅方向に設定倍率4倍延伸した。積層シートの破断は
発生せずに延伸できた。
【0062】得られた積層延伸シートはフィルムと不織
布とが接着しており、繊維を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、繊維は交叉点で不規則に融着していた。
【0063】[比較例1]実施例1と同様の装置を用
い、吐出量40g/分、口金温度280℃でポリエチレ
ンテレフタレート(IV=0.50)を吐出し、前記オ
リフィスの列の両側に設けられたスリットから吐出ポリ
マーを前記オリフィス列の幅1cm当たりの流量0.2
2Nm3 /分で温度300℃の熱風により繊維状に牽引
細化しながら、口金先端から18cm下方の移動金網面
に捕集して不織布を作製した。
【0064】得られた不織布の繊維は、平均繊維径3.
2μm、繊維径の変動率は48%と大きいものであっ
た。また、ショット有りと判定された。
【0065】次いで、実施例1と同様の未延伸フィルム
上に上記目付量140g/m2 の不織布を重ね、加熱ロ
ールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。こうし
て得られた積層シートを90℃の加熱ロールで、長さ方
向に設定倍率3.5倍延伸を試みたが、破断が頻発して
延伸性不良であった。
【0066】結果は表1にまとめて示した。
【0067】[比較例2]実施例3と同様の装置を用
い、吐出量40g/分、口金温度285℃でポリエチレ
ンテレフタレート(IV=0.48)を吐出し、前記オ
リフィスの列の両側に設けられたスリットから吐出ポリ
マを前記オリフィス列の幅1cm当たりの流量0.12
Nm3 /分の300℃の熱風で繊維状に牽引細化しなが
ら、前記口金先端から18cm下方の移動金網面に捕集
して不織布を作製した。
【0068】得られた不織布の繊維は、平均繊維径5.
2μm、繊維径の変動率は35%と大きいものであっ
た。また、ショット有りと判定された。
【0069】次いで、実施例1と同様の未延伸フィルム
上に上記目付量140g/m2 の不織布を重ね、加熱ロ
ールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。こうし
て得られた積層シートを90℃の加熱ロールで、長さ方
向に設定倍率3.0倍延伸した後、テンター式延伸機に
送り込み、95℃で幅方向に設定倍率3.0倍延伸して
厚さ約30μmの感熱孔版印刷用原紙となした。この感
熱孔版印刷用原紙の印字テスト結果は白抜け欠点が目立
ち、印刷性「悪」であった。
【0070】結果は表1にまとめて示した。
【0071】[比較例3]実施例1と同様の装置を用
い、吐出量40g/分、口金温度290℃でポリエチレ
ンテレフタレート(IV=0.65)を吐出し、前記オ
リフィスの列の両側に設けられたスリットから吐出ポリ
マを前記オリフィス列の幅1cm当たりの流量0.00
3Nm3 /分の300℃の熱風で繊維状に牽引細化しな
がら、前記口金先端から20cm下方の移動金網面に捕
集して不織布を作製した。
【0072】得られた不織布の繊維は、平均繊維径42
μm、繊維径の変動率は16%であった。また、ショッ
ト無しと判定された。
【0073】次いで、実施例1と同様の未延伸フィルム
上に上記目付量140g/m2 の不織布を重ね、加熱ロ
ールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。こうし
て得られた積層シートを90℃の加熱ロールで、長さ方
向に設定倍率3.5倍延伸した後、テンター式延伸機に
送り込み、95℃で幅方向に設定倍率4.0倍延伸して
厚さ約35μmの感熱孔版印刷用原紙となした。この感
熱孔版印刷用原紙は不織布繊維によるカバリングが低
く、フィルム面に凹凸とシワが生じ、印字テスト結果は
印刷性「中」〜「悪」であった。
【0074】結果は表1にまとめて示した。
【0075】
【発明の効果】本発明の不織布は、加工に好適な、特に
延伸加工に好適な不織布を提供できる。
【0076】本発明の不織布の製造方法によれば、オリ
フィス列の単位幅当たりの加熱ガス量を上述した構成に
したことにより、延伸性に優れた、ショットの無い不織
布を提供できる。さらに、本発明の不織布は、ショット
が極めて少なく、延伸加工性に優れることから、本発明
の不織布と熱可塑性フィルムとを積層した後に延伸する
ことで、画像鮮明性に優れた感熱孔版印刷用原紙を製造
することができる。
【0077】本発明の不織布は、平面状のシートから立
体的な構造体、例えば帽子、マスク、あるいは各種トレ
イなどを成型する加工、深絞り加工等に使用できる。ま
た、延伸加工に特に好適に使用でき、単独で延伸して例
えばフィルター材料、マトリックス樹脂用層間基材に好
ましく使用でき、フィルムと積層延伸して感熱孔版印刷
用原紙、ハウスラップ、CSRラップ、印刷用シート、
内装材、装飾品、包装材料、用途等に好ましく適用でき
る。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性繊維からなる不織布において、該
    熱可塑性繊維の平均繊維径が7〜40μm、繊維径変動
    率が30%以下、かつ実質的に無配向であることを特徴
    とする不織布。
  2. 【請求項2】熱可塑性繊維がポリエステル系繊維である
    ことを特徴とする請求項1に記載の不織布。
  3. 【請求項3】熱可塑性繊維がポリオレフィン系繊維であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の不織布。
  4. 【請求項4】メルトブロー法により製造される不織布で
    あることを特徴とする請求項1,2または3に記載の不
    織布。
  5. 【請求項5】熱可塑性フィルムと熱接着して用いられる
    ことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の不
    織布。
  6. 【請求項6】列状に配列した複数個のオリフィスから溶
    融した熱可塑性重合体を吐出すると共に、前記オリフィ
    スの列の両側に設けられたスリットから加熱ガスを吐出
    された熱可塑性重合体に斜めに噴射することにより、熱
    可塑性重合体を繊維状に細化しながら移動捕集面へシー
    ト状に捕集するメルトブロー不織布の製造方法におい
    て、前記オリフィスの列の幅1cm当たりの加熱ガス流
    量を0.005〜0.055Nm3/分とすることを特
    徴とする不織布の製造方法。
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