JP3708328B2 - 手裂き開封性を有する包装材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
包装材料には、保管、加工および輸送の過程を経て消費者に渡るまでの間に、機械的外力や温度、湿度等の外的環境による物理的損傷、変質、生物的な汚染、腐敗などから製品を保護する堅牢性と密閉性を有することが要求される。また、最終消費段階では手により開封されることが多く、必要な場合にはある程度以上の力で容易に引裂くことができ、しかも一定の方向に直線的に引裂き得ることが望まれる。さらに、内容物の色、形状等の品質情報を正確に伝達することができ、製品や会社のイメージを美しく表現し得ることも望まれている。
本発明は、印刷適性、ヒートシール性、および開封性に優れ、かつ高級感を備えた包装用基布に関し、特に食品包装材、袋物等の素材として適する包装用基布に関するものである。
なお、本発明において「縦基材」および「横基材」とは、繊維の配列が包装材料の機械(長さ)方向にそれぞれ平行および直角な基材をいう。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装材料の素材として、紙、プラスチックフィルムや、天然および合成繊維を用いた短繊維不織布、さらにスパンボンド長繊維不織布が用いられてきた。
しかし、紙は印刷性に優れているが強度が小さく、プラスチックフィルムは強度は十分であるが風合いが悪く高級感に乏しい。また、短繊維不織布では、柔らかな風合いは得られるが、強度や耐水性が劣り、長繊維不織布は、縦方向の強度は十分であるが、横方向の強度が小さいためバランスが悪く、開封性や印刷性に劣っており、それぞれ一長一短がある。
【0003】
そこで、印刷性に優れた紙と高強度のプラスチックフィルムとの組合わせやプラスチックフィルムと風合いに優れた短繊維不織布との組合わせ、さらに強度が優れた素材であるプラスチックフィルムとスパンボンド長繊維の組合わせ(例えば特開平8−52843号公報)等による改良が行われた。しかしながら、上記のような製法では、製品を機械的外力や環境による損傷や生物的な汚染などから保護する堅牢性と、密閉性や容易に手で開封し得る特性、および美麗で高級感のある表現が可能な印刷性等を同時に実現することは困難であった。
【0004】
短繊維からなる不織布の場合には、高強度を得ようとすると、繊維の交絡や接着密度を高くする目的で目付量を高くする必要があり、厚手になるために風合いが失われる。また、スパンボンド不織布は、縦強度と横強度のバランスを確保するために繊維をランダムに配列させていることにより、容易に引き裂くことができず、また引裂き方向も直線的にならないので、包装の内容物がこぼれ落ちるなどの事故の原因になる。
また、従来の短繊維不織布やスパンボンドの繊度は数十デニールと太く、必要な強度を提供するために厚手の不織布が製造されている。このため、エンボス接着を行うと、エンボスの凹凸が不織布上に明瞭な痕跡として残り、印刷の見栄えを低下させるので高級な包装には不向きである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、印刷適性、高強度、ヒートシール性および開封性などに優れ、しかも高級感のある包装基布、特に食品包装材、袋物等の素材として適した包装基布を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、縦方向に高い強度を有する低繊度の縦配列不織布と、横方向に高い強度を有する低繊度の横配列不織布とを経緯積層する種々のタイプの直交不織布(例えば特公平3−36948号公報)に関する発明をすでに行っており、これらの知見を応用することにより上記包装材料の改善を図ることを検討した。
その結果、熱可塑性樹脂からなる延伸一方向配列不織布を縦基材または横基材として用いることにより、上記の所要特性を備えた包装基布、特に食品包装、袋物等の素材として適した包装基布が得られることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1は、熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不織布を一方向に延伸することによってその繊維をほぼ一方向に配向および配列させた少なくとも1層の延伸一方向配列不織布を、縦基材または横基材として用いてなる包装用基布に関するものである。上記延伸一方向配列不織布は、包装材料の縦基材または横基材としてきわめて適したものである。
本発明の第2は、発明の第1において、基材の繊維方向と直交する配列性を有する一方向配列体を積層してなる包装用基布に関する。この構成により、手で引き裂くことが容易であり、かつ引裂方向性の安定した基布を得ることができる。
本発明の第3は、発明の第1または第2において、延伸一方向配列不織布を構成する繊維の太さが1デニール以下であり、不織布全体の強度が1g/デニール以上である包装用基布に関する。このような繊維により高強度で印刷性の優れた基布を得ることができる。
本発明の第4は、発明の第1から第3のいずれかにおいて、熱可塑性樹脂がポリエステルまたはポリプロピレンである包装用基布に関する。
本発明の第5は、発明の第2から第4のいずれかにおいて、一方向配向体が、前記延伸一方向配列不織布、フラットヤーン、スプリットウェブおよびスリットウェブからなる群の中のいずれかである包装用基布に関する。
本発明の第6は、発明の第2から第5のいずれかにおいて、延伸一方向配列不織布と一方向配列体が、熱融着されまたは接着剤で接着されてなる包装用基布に関する。
本発明の第7は、発明の第1において、延伸一方向配列不織布からなる縦基材または横基材の構成繊維が、相互に熱融着されまたは接着剤で接着されてなる包装用基布に関する。
また、本発明の第8は、発明第1から第7のいずれかにおいて、延伸一方向配列不織布の少なくとも一面に印刷を施してなる包装材料に関するものである。
本発明の第9は、発明の第8において、基布の少なくとも一面に合成樹脂層を設けてなる包装材料に関する。
本発明の第10は、発明の第9において、合成樹脂層が一軸配向したフィルムである包装材料に関する。この構成により、一方向性の基材しか含まない上記発明の第1においても、一軸配向したフィルムの延伸方向に良好な引裂性が得られる。
【0007】
さらに、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、開封性を容易にするために、少なくとも縦基材または横基材として、熱可塑性樹脂から紡糸された低繊度の長繊維不織布を一方向に延伸することによってその繊維をほぼ一方向に配向および配列させた不織布を使用する。1デニール以下の細い繊維が並列している場合には、引裂応力が個々の繊維を各個に破壊するため、小さな引裂応力で引裂きが伝播する。通常の織物では、引裂応力が撚られた繊維束に作用するために引裂きが困難である。先願発明(特開昭60−71735号等公報)には、実質的に無撚の状態で製織することが記されているが、実際には無撚の状態で製織すると取扱いが困難となり生産性が低下する。
また、本発明のように多数の低繊度の長繊維が整然と配列している不織布を用いる場合には、細密な印刷パターンの表示が可能となり、光沢にも優れた、高級感のある包装基材を得ることができる。
【0008】
本発明においては、生産性を低下させずに、無撚の繊維を整経する手段として、
本発明者らの先願発明(特公平3−36948号、特公平7−6126号各公報)である紡糸され集積されたフィラメントの連続集合体を一方向に延伸してなる延伸一方向配列不織布を縦基材または横基材として使用する。薄くてフレキシブルであり、布状の感触を有しており、高級感を付与することができるからである。
【0009】
上記の延伸一方向配列不織布は、これに繊維方向を直交させて積層する一方向配列体としても用いることができる。
さらに別の一方向配列体としては、ポリオレフィンの細幅テープを延伸してなるフラットヤーンを使用することができる(特公昭53−38783号、特公昭57−54581号、特公昭59−6943号等各公報)。フラットヤーンは幅があるため延伸一方向配列不織布の基材と強固に接着するので、基材のフィラメントを固定して、その横引裂応力を低下させ、さらに幅のある剛体として横引裂応力が縦方向に変化することを妨げるので、横引裂きの直線性を良好にすることができる。ここで「横引裂き」とは、延伸一方向配列不織布の基材のフィラメントと直角な方向に引裂くことをいう。
さらに別の一方向配列体として、広幅スプリットウェブ(特公昭51−37169号、特公昭53−38783号、特公昭57−30368号、特公昭62−28226号、特公平1−60408号等各公報)も使用することができる。これは、上述のフラットヤーンと同様の特性を有し、しかも生産性が高いので、直交不織布の効率的な生産に適している。
さらに別の一方向配列体として、スリットウェブも使用することができる。例えば、ストレートポリプロピレンの両面に変性ポリプロピレンを積層した3層フィルムを製膜し、圧延した後、横方向に千鳥状のスリットを入れ、さらに横方向に延伸して製造する。
また別の一方向配列体として、一軸延伸フィルムを使用することができる。一軸延伸フィルムは、一方向配列体としての上記フラットヤーンや広幅スプリットウェブと同様の特性を有し、生産性に優れたコストの低い包装材料を提供することができる。
【0010】
本発明において延伸一方向配列不織布および一方向配列体に使用されるポリマーとしては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロンやポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル等のように、フラットヤーンや産業資材繊維として使用されるポリマーが挙げられる。特にポリプロピレンやポリエステルがコスト、取扱いなどの点で優れている。
本発明の一つの特徴は、耐湿潤強度や耐熱性およびコストの点から従来強く要望されていたポリエステルを実用化したことにある。
【0011】
本発明における他の重要な課題は、延伸一方向配列不織布中のフィラメントの動きを拘束し、一方向配列体に強固に固定することである。強固に固定されていなければ、横引裂応力が延伸一方向配列不織布中のフィラメントに作用したとき後者のフィラメントが逃げる状態となるため、延伸一方向配列不織布の細いフィラメントを個々に切断して小さい引裂応力で切断するという効果が発揮されず、大きな引裂応力が必要となる。織布の場合は、密に織られた経緯のヤーンの交絡がヤーンの動きを拘束する役目を果たしている。
本発明においては、延伸一方向配列不織布と一方向配列体との接合方法として加熱エンボス接着が用いられる。加熱エンボス接着は、フィラメントの軟化点以上の温度に加熱されたエンボスの凸部を被接着体に押圧して熱圧着する方式である。凸部の形状は、目的とする用途や接着強さによって種々選択することができる。本発明者らは、延伸一方向配列不織布の繊維方向と直角な方向に直線成分を有するエンボスパターンを用いることにより横引裂性が増大することを見出した。
なお、熱エンボスと同様の原理により、エンボスパターン上で超音波ホーンを接触させて接着させる超音波接着法も用いることができるが、これらを総称してエンボス処理と呼ぶ。
【0012】
本発明者らはまた、延伸一方向配列不織布と一方向配列体との接合方法として、種々の接着剤の使用が有効であることを見出した。接着剤は、両部材を有効に接着するだけでなく、延伸一方向配列不織布のフィラメント間に充填されて、フィラメントの融通性を低下させ、横引裂性を向上させる効果を示す。
接着剤としては、エマルジョン型、溶剤型、粉末型、繊維型、ホットメルト型、UV硬化型等、種々のものを使用することができる。
【0013】
上記のように、本発明においては延伸一方向配列不織布と一方向配列体との接着性が重要であるが、本発明者らはその接着性を高めるために、延伸一方向配列不織布にコロナ放電処理を施すことが特に有効であることを見出した。延伸一方向配列不織布がポリエステルフィラメントからなる場合には特に効果が著しい。これは、上記不織布のフィラメント径が細く、表面積が大きいことに起因すると思われる。
なお、コロナ放電処理は、同等の効力を有するプラズマ処理、火炎処理等で代替することができるが、これらを総称してコロナ放電処理と呼ぶ。
【0014】
上記のようにして得られた包装用基布を用いて包装材料とする際には、延伸一方向配列不織布の少なくとも一面に印刷を施す。
印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェットプリンターによる印刷、転写などを用いることができるが、特に転写による方法が発色の点で優れている。また、染色、捺染などにより着色や装飾を施すことも可能である。
さらに高級感を増すために、不織布の表面に印刷による装飾を施すのみならず、印刷性の改良、光沢の付与、意匠性の改良などを目的として、樹脂コーティング加工、カレンダー加工、抜食加工、プリーツ加工、起毛加工、サンフォライズ加工などの二次加工を加えることもできる。
【0015】
本発明の包装用基布の少なくとも一面に合成樹脂層のラミネーションを行うことにより、包装品の内部を隠蔽する効果と共に、不織布の繊維を固定して引裂性を良好にする効果を発揮させることができる。特に、合成樹脂層として一軸配向フィルムを用いる場合には、前記一方向配列体として一軸延伸フィルムを用いる場合と同様に、横引裂性を向上させることができるので好ましい。
合成樹脂層の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなどが用いられるが、接着性を考慮してエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などを加える場合もある。押出ラミネーションを行う場合には特に低密度ポリエチレンが好ましい。
なお、ラミネート層を付与する場合には、基布の表面にコロナ放電処理を行っておくことが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の代表的実施例により具体的に説明する。
【実施例】
<実施例1>
図1に基づいて、使用した縦基材の製法を説明する(特公平3−36948号、特公平7−6126号等各公報)。
原料樹脂1としてポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製:IV値0.65、融点255℃)を押出機2により溶融混練し、ギヤポンプ3により定量的に押出して、熱風発生機4の熱風と共にメルトブローダイス5よりフィラメント状に紡出した。
紡出したフィラメント6を傾斜したコンベア7の上に集積して集積ウェブ8とし、巻取機9により巻き取った。
巻き取った集積ウェブ8を、ロール間で(図示せず)縦に5.8倍に延伸して縦基材とした。縦基材を構成するフィラメントの太さは、写真により求めて換算したところ、0.3デニールを中心とする大きさであった。
また、延伸して得られたウェブの強度は2.2g/dであった。
【0017】
図2に基づいて、使用した横基材の製法を説明する(特公平3−36948号、特開平2−242960号各公報)。
原料樹脂21としてポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製:IV値0.60)を押出機22により溶融混練し、ギヤポンプ23により定量的に押出して、スプレーノズル24−1〜24−6に導いた。ノズルから出た紡糸フィラメント25を、熱風(図示せず)の作用で進行方向に対し横方向へ飛散させ、コンベヤ26の上に横に配列したフィラメントの集積ウェブ27を形成させて、巻取機28に巻き取った。
巻取った横配列集積ウェブ27を、特公平3−36948号公報に示す横延伸装置により横方向に5.6倍に延伸して横基材とした。
【0018】
上記で得られた縦基材と横基材を、図3に示すエンボス装置により熱融着した。
縦基材31と横基材32をニップロール33a、33bに導き、220℃に加熱したエンボスロール34aと受ロール34bの間でエンボス処理を施し、ニップロール35a、35bで引き取り直交不織布36を得た。
図4(A)〜(D)は、エンボスパターンの例であるが、実施例1においては、図4(A)のパターンを採用した。すなわち、長さ1.25mm、幅0.35mmの線をピッチ1.25mmで千鳥状に配置したものである。
直交不織布36に、密度0.92g/cm3、MFR 8g/10min の低密度ポリエチレンを用いて温度315℃で30分間押出ラミネーションを行い、複合不織布シートからなる包装資材を得た。
【0019】
上記の方法で製造した包装資材の物性を表1に示す。
表において、PETはポリエステルを、LDPEは低密度ポリエチレンを、HDPEは高密度ポリエチレンを、およびPPはポリプロピレンをそれぞれ示す略号である。
また、包装資材の強力は、チャック間50mm、引張速度100mm/分の条件で測定を行った結果であり、縦方向のみを示す。引裂強度は、JIS L1096によるエルメンドルフ型引裂試験機により測定した結果であり、横引裂強度のみを示す。
印刷適性としては、印刷機を用いて得られた不織布シートのオフセット印刷におけるインキ受水性および均一性を評価し、さらに印刷面の光沢の評価を行った。評価の基準は以下の通りである。
◎:優れている
○:良好である
なお、図4(C)および図4(D)のように横方向に直線成分含まないパターンで構成されたエンボスを用いたところ、引裂きの直線性に劣ることが判った。
【0020】
【表1】
Figure 0003708328
【0021】
<実施例2−1>
実施例1の縦基材と同様の方式で紡糸して、坪量が実施例1の2/3であるウェブ8を製造し、別に融点225℃のポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製:IV値0.65)を用いて実施例1の縦基材と同様に紡糸して、坪量が実施例1の1/3であるウェブ8aを製造し、ウェブ8とウェブ8aとを重ねて延伸し、延伸後の太さ0.7デニールの縦基材を得た。
次いで、実施例1と同様にして得た横基材を積層し、エンボス後、低密度ポリエチレンのラミネーションを行って複合化し包装資材とした。結果を表1に示す。この場合は実施例1のものより引裂性は良好である。
【0022】
<実施例2−2>
横基材を用いない点を除き、他は実施例2−1と同様にして包装資材を得た。結果を表1に示す。
【0023】
<実施例3−1>
実施例1と同様にして得た縦基材と横基材とを重ね、水溶性ウレタン(商品名:スーパフレック E2000、第一工業製薬(株)製)とエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(商品名:スミカフレックス471、住友化学工業(株)製)との接着剤混合水溶液にディップした後、全体の重量に対して接着剤固形分が28重量%になるように絞り、熱シリンダー上で乾燥熱処理を行った。次いで縦基材側にコロナ放電処理を施した後、低密度ポリエチレンの押出ラミネーションを行い、包装資材とした。結果を表1に示す。
得られた包装資材は横引裂性が良好であった。
【0024】
<実施例3−2>
実施例3−1において、接着剤を乾燥した後に、図4(B)のパターンを用いたエンボス処理を行い、その後は実施例3−1と同様に行った。結果を表1に示す。
エンボス処理により、包装資材の横引裂性は向上し、布状の感触が付与されて光沢が大きく、高級感を呈するものとなった。
【0025】
<実施例4>
実施例1と同様にして得た縦基材にコロナ放電処理を施した後、エチレン−酢酸ビニル系のホットメルト接着剤(商品名:Q2375J4、ヘンケル白水(株)製)を塗布し、これに高密度ポリエチレンからなる横延伸フィルム(厚み25 μm、商品名:カラリアン、東洋化学(株)製)を積層接着し、包装資材とした。結果を表1に示す。
【0026】
<実施例5>
芯成分としてストレートポリプロピレン(MFR 32g/10min)、鞘成分として変性ポリプロピレン(商品名:日石Nポリマー P4070、日本石油化学(株)製)を用いたポリプロピレンコンジュゲートファインデニールフィラメントを紡糸し、延伸して単糸太さが0.8d、ヤーン太さが120dのヤーンを製造し、これを50本/25mmに整経して縦基材とした。
別に、ストレートポリプロピレン(MFR 4g/10min)の両面に変性ポリプロピレン(同上)を積層した厚み150μmの3層フィルムを製膜し、1.8倍に圧延した後、横方向に千鳥状のスリットを入れ、さらに横方向に6.5倍延伸して、横延伸ウェブとした。上記縦基材と横延伸ウェブを積層し147℃で接着した後、縦基材側に上記変性ポリプロピレンの押出ラミネーションを行い、包装資材とした。結果を表1に示す。
【0027】
<比較例1>
従来の短繊維不織布に低密度ポリエチレンのラミネーションを行って得た複合不織布の測定値を表2に示す。
【0028】
<比較例2>
フィラメントの太さを2〜3dとした縦基材を用いた以外は、実施例1と同様にして行った。結果を表2に示す。表から引裂性に劣ることが判る。
【0029】
<比較例3>
強度が1g/d 以下の縦基材を用いた以外は、実施例1と同様にして行った。結果を表2に示す。この場合も引裂性が劣るものであった。
【0030】
【表2】
Figure 0003708328
【0031】
【発明の効果】
本発明により、生産性高く薄い製品を製造する直交不織布の製造技術を応用して、不織布の延伸により得られる1d以下のフィラメントの配列体を用いることにより、横引裂性が良好で高級感のある包装資材を提供することが可能である。
また、湿潤強度、耐熱性等の特徴を有するために要望されていたポリエステル基布による包装材料を、低コストで供給することができる。
さらに、一軸延伸フィルムとの組み合わせにより、開封性に優れ、特に食品包装材料、袋物等の素材として適した包装材料を開発することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦基材の製造装置の例の略示側面図である。
【図2】横基材の製造装置の例の略示側面図である。
【図3】エンボス装置の例の略示側面図である。
【図4】エンボスパターンの例を示す平面図である。
【符号の説明】
1、21 原料樹脂
2、22 押出機
3、23 ギヤポンプ
4 熱風発生機
5 メルトブローダイス
6、25 紡糸フィラメント
7、26 コンベヤ
8、8a、27 集積ウェブ
9、28 巻取機
24−1〜6 ノズル
31 縦基材
32 横基材
33a、33b、35a、35b ニップロール
34a エンボスロール
34b 受ロール
36 エンボス直交不織布

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不織布を一方向に延伸することによって、太さ1デニール以下の繊維を、ほぼ一方向に配向および配列させた少なくとも1層の強度1g/デニール以上で伸度16%以下の延伸一方向配列不織布を、縦基材または横基材として用いてなる基布の少なくとも一面に合成樹脂層を設けた、強力28 . 6kg/50mm以上および引裂強度290g以下である手裂き開封性を有する包装材料。
  2. 前記基材の繊維方向と直交する配列性を有する一方向配列体を積層してなる請求項1に記載の手裂き開封性を有する包装材料。
  3. 前記一方向配列体が、熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不織布を一方向に延伸することによってその繊維をほぼ一方向に配向および配列させた少なくとも1層の延伸一方向配列不織布である請求項2に記載の手裂き開封性を有する包装材料。
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