JPH11302961A - 包装用基布およびそれを用いた包装材料 - Google Patents

包装用基布およびそれを用いた包装材料

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JPH11302961A
JPH11302961A JP10122884A JP12288498A JPH11302961A JP H11302961 A JPH11302961 A JP H11302961A JP 10122884 A JP10122884 A JP 10122884A JP 12288498 A JP12288498 A JP 12288498A JP H11302961 A JPH11302961 A JP H11302961A
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潤 山田
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Kazuhiko Kurihara
和彦 栗原
Hiroshi Yazawa
宏 矢沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷適性、高強度、ヒートシール性および開
封性などに優れ、しかも高級感のある包装基布およびそ
れを用いた包装材料を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂から紡糸された集積ウェブ
(長繊維不織布)8を一方向に延伸することによってそ
の繊維をほぼ一方向に配向および配列させた少なくとも
1層の延伸一方向配列不織布を、縦基材または横基材と
して用いてなる包装用基布およびそれを用いた包装材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】包装材料には、保管、加工お
よび輸送の過程を経て消費者に渡るまでの間に、機械的
外力や温度、湿度等の外的環境による物理的損傷、変
質、生物的な汚染、腐敗などから製品を保護する堅牢性
と密閉性を有することが要求される。また、最終消費段
階では手により開封されることが多く、必要な場合には
ある程度以上の力で容易に引裂くことができ、しかも一
定の方向に直線的に引裂き得ることが望まれる。さら
に、内容物の色、形状等の品質情報を正確に伝達するこ
とができ、製品や会社のイメージを美しく表現し得るこ
とも望まれている。本発明は、印刷適性、ヒートシール
性、および開封性に優れ、かつ高級感を備えた包装用基
布に関し、特に食品包装材、袋物等の素材として適する
包装用基布に関するものである。なお、本発明において
「縦基材」および「横基材」とは、繊維の配列が包装材
料の機械(長さ)方向にそれぞれ平行および直角な基材
をいう。
【0002】
【従来の技術】従来、包装材料の素材として、紙、プラ
スチックフィルムや、天然および合成繊維を用いた短繊
維不織布、さらにスパンボンド長繊維不織布が用いられ
てきた。しかし、紙は印刷性に優れているが強度が小さ
く、プラスチックフィルムは強度は十分であるが風合い
が悪く高級感に乏しい。また、短繊維不織布では、柔ら
かな風合いは得られるが、強度や耐水性が劣り、長繊維
不織布は、縦方向の強度は十分であるが、横方向の強度
が小さいためバランスが悪く、開封性や印刷性に劣って
おり、それぞれ一長一短がある。
【0003】そこで、印刷性に優れた紙と高強度のプラ
スチックフィルムとの組合わせやプラスチックフィルム
と風合いに優れた短繊維不織布との組合わせ、さらに強
度が優れた素材であるプラスチックフィルムとスパンボ
ンド長繊維の組合わせ(例えば特開平8−52843号
公報)等による改良が行われた。しかしながら、上記の
ような製法では、製品を機械的外力や環境による損傷や
生物的な汚染などから保護する堅牢性と、密閉性や容易
に手で開封し得る特性、および美麗で高級感のある表現
が可能な印刷性等を同時に実現することは困難であっ
た。
【0004】短繊維からなる不織布の場合には、高強度
を得ようとすると、繊維の交絡や接着密度を高くする目
的で目付量を高くする必要があり、厚手になるために風
合いが失われる。また、スパンボンド不織布は、縦強度
と横強度のバランスを確保するために繊維をランダムに
配列させていることにより、容易に引き裂くことができ
ず、また引裂き方向も直線的にならないので、包装の内
容物がこぼれ落ちるなどの事故の原因になる。また、従
来の短繊維不織布やスパンボンドの繊度は数十デニール
と太く、必要な強度を提供するために厚手の不織布が製
造されている。このため、エンボス接着を行うと、エン
ボスの凹凸が不織布上に明瞭な痕跡として残り、印刷の
見栄えを低下させるので高級な包装には不向きである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、印刷適性、
高強度、ヒートシール性および開封性などに優れ、しか
も高級感のある包装基布、特に食品包装材、袋物等の素
材として適した包装基布を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、縦方向に
高い強度を有する低繊度の縦配列不織布と、横方向に高
い強度を有する低繊度の横配列不織布とを経緯積層する
種々のタイプの直交不織布(例えば特公平3−3694
8号公報)に関する発明をすでに行っており、これらの
知見を応用することにより上記包装材料の改善を図るこ
とを検討した。その結果、熱可塑性樹脂からなる延伸一
方向配列不織布を縦基材または横基材として用いること
により、上記の所要特性を備えた包装基布、特に食品包
装、袋物等の素材として適した包装基布が得られること
を見出して本発明を完成した。すなわち、本発明の第1
は、熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不織布を一方向
に延伸することによってその繊維をほぼ一方向に配向お
よび配列させた少なくとも1層の延伸一方向配列不織布
を、縦基材または横基材として用いてなる包装用基布に
関するものである。上記延伸一方向配列不織布は、包装
材料の縦基材または横基材としてきわめて適したもので
ある。本発明の第2は、発明の第1において、基材の繊
維方向と直交する配列性を有する一方向配列体を積層し
てなる包装用基布に関する。この構成により、手で引き
裂くことが容易であり、かつ引裂方向性の安定した基布
を得ることができる。本発明の第3は、発明の第1また
は第2において、延伸一方向配列不織布を構成する繊維
の太さが1デニール以下であり、不織布全体の強度が1
g/デニール以上である包装用基布に関する。このよう
な繊維により高強度で印刷性の優れた基布を得ることが
できる。本発明の第4は、発明の第1から第3のいずれ
かにおいて、熱可塑性樹脂がポリエステルまたはポリプ
ロピレンである包装用基布に関する。本発明の第5は、
発明の第2から第4のいずれかにおいて、一方向配向体
が、前記延伸一方向配列不織布、フラットヤーン、スプ
リットウェブおよびスリットウェブからなる群の中のい
ずれかである包装用基布に関する。本発明の第6は、発
明の第2から第5のいずれかにおいて、延伸一方向配列
不織布と一方向配列体が、熱融着されまたは接着剤で接
着されてなる包装用基布に関する。本発明の第7は、発
明の第1において、延伸一方向配列不織布からなる縦基
材または横基材の構成繊維が、相互に熱融着されまたは
接着剤で接着されてなる包装用基布に関する。また、本
発明の第8は、発明第1から第7のいずれかにおいて、
延伸一方向配列不織布の少なくとも一面に印刷を施して
なる包装材料に関するものである。本発明の第9は、発
明の第8において、基布の少なくとも一面に合成樹脂層
を設けてなる包装材料に関する。本発明の第10は、発
明の第9において、合成樹脂層が一軸配向したフィルム
である包装材料に関する。この構成により、一方向性の
基材しか含まない上記発明の第1においても、一軸配向
したフィルムの延伸方向に良好な引裂性が得られる。
【0007】さらに、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、開封性を容易にするために、少なく
とも縦基材または横基材として、熱可塑性樹脂から紡糸
された低繊度の長繊維不織布を一方向に延伸することに
よってその繊維をほぼ一方向に配向および配列させた不
織布を使用する。1デニール以下の細い繊維が並列して
いる場合には、引裂応力が個々の繊維を各個に破壊する
ため、小さな引裂応力で引裂きが伝播する。通常の織物
では、引裂応力が撚られた繊維束に作用するために引裂
きが困難である。先願発明(特開昭60−71735号
等公報)には、実質的に無撚の状態で製織することが記
されているが、実際には無撚の状態で製織すると取扱い
が困難となり生産性が低下する。また、本発明のように
多数の低繊度の長繊維が整然と配列している不織布を用
いる場合には、細密な印刷パターンの表示が可能とな
り、光沢にも優れた、高級感のある包装基材を得ること
ができる。
【0008】本発明においては、生産性を低下させず
に、無撚の繊維を整経する手段として、本発明者らの先
願発明(特公平3−36948号、特公平7−6126
号各公報)である紡糸され集積されたフィラメントの連
続集合体を一方向に延伸してなる延伸一方向配列不織布
を縦基材または横基材として使用する。薄くてフレキシ
ブルであり、布状の感触を有しており、高級感を付与す
ることができるからである。
【0009】上記の延伸一方向配列不織布は、これに繊
維方向を直交させて積層する一方向配列体としても用い
ることができる。さらに別の一方向配列体としては、ポ
リオレフィンの細幅テープを延伸してなるフラットヤー
ンを使用することができる(特公昭53−38783
号、特公昭57−54581号、特公昭59−6943
号等各公報)。フラットヤーンは幅があるため延伸一方
向配列不織布の基材と強固に接着するので、基材のフィ
ラメントを固定して、その横引裂応力を低下させ、さら
に幅のある剛体として横引裂応力が縦方向に変化するこ
とを妨げるので、横引裂きの直線性を良好にすることが
できる。ここで「横引裂き」とは、延伸一方向配列不織
布の基材のフィラメントと直角な方向に引裂くことをい
う。さらに別の一方向配列体として、広幅スプリットウ
ェブ(特公昭51−37169号、特公昭53−387
83号、特公昭57−30368号、特公昭62−28
226号、特公平1−60408号等各公報)も使用す
ることができる。これは、上述のフラットヤーンと同様
の特性を有し、しかも生産性が高いので、直交不織布の
効率的な生産に適している。さらに別の一方向配列体と
して、スリットウェブも使用することができる。例え
ば、ストレートポリプロピレンの両面に変性ポリプロピ
レンを積層した3層フィルムを製膜し、圧延した後、横
方向に千鳥状のスリットを入れ、さらに横方向に延伸し
て製造する。また別の一方向配列体として、一軸延伸フ
ィルムを使用することができる。一軸延伸フィルムは、
一方向配列体としての上記フラットヤーンや広幅スプリ
ットウェブと同様の特性を有し、生産性に優れたコスト
の低い包装材料を提供することができる。
【0010】本発明において延伸一方向配列不織布およ
び一方向配列体に使用されるポリマーとしては、高密度
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナ
イロンやポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリア
クリロニトリル等のように、フラットヤーンや産業資材
繊維として使用されるポリマーが挙げられる。特にポリ
プロピレンやポリエステルがコスト、取扱いなどの点で
優れている。本発明の一つの特徴は、耐湿潤強度や耐熱
性およびコストの点から従来強く要望されていたポリエ
ステルを実用化したことにある。
【0011】本発明における他の重要な課題は、延伸一
方向配列不織布中のフィラメントの動きを拘束し、一方
向配列体に強固に固定することである。強固に固定され
ていなければ、横引裂応力が延伸一方向配列不織布中の
フィラメントに作用したとき後者のフィラメントが逃げ
る状態となるため、延伸一方向配列不織布の細いフィラ
メントを個々に切断して小さい引裂応力で切断するとい
う効果が発揮されず、大きな引裂応力が必要となる。織
布の場合は、密に織られた経緯のヤーンの交絡がヤーン
の動きを拘束する役目を果たしている。本発明において
は、延伸一方向配列不織布と一方向配列体との接合方法
として加熱エンボス接着が用いられる。加熱エンボス接
着は、フィラメントの軟化点以上の温度に加熱されたエ
ンボスの凸部を被接着体に押圧して熱圧着する方式であ
る。凸部の形状は、目的とする用途や接着強さによって
種々選択することができる。本発明者らは、延伸一方向
配列不織布の繊維方向と直角な方向に直線成分を有する
エンボスパターンを用いることにより横引裂性が増大す
ることを見出した。なお、熱エンボスと同様の原理によ
り、エンボスパターン上で超音波ホーンを接触させて接
着させる超音波接着法も用いることができるが、これら
を総称してエンボス処理と呼ぶ。
【0012】本発明者らはまた、延伸一方向配列不織布
と一方向配列体との接合方法として、種々の接着剤の使
用が有効であることを見出した。接着剤は、両部材を有
効に接着するだけでなく、延伸一方向配列不織布のフィ
ラメント間に充填されて、フィラメントの融通性を低下
させ、横引裂性を向上させる効果を示す。接着剤として
は、エマルジョン型、溶剤型、粉末型、繊維型、ホット
メルト型、UV硬化型等、種々のものを使用することが
できる。
【0013】上記のように、本発明においては延伸一方
向配列不織布と一方向配列体との接着性が重要である
が、本発明者らはその接着性を高めるために、延伸一方
向配列不織布にコロナ放電処理を施すことが特に有効で
あることを見出した。延伸一方向配列不織布がポリエス
テルフィラメントからなる場合には特に効果が著しい。
これは、上記不織布のフィラメント径が細く、表面積が
大きいことに起因すると思われる。なお、コロナ放電処
理は、同等の効力を有するプラズマ処理、火炎処理等で
代替することができるが、これらを総称してコロナ放電
処理と呼ぶ。
【0014】上記のようにして得られた包装用基布を用
いて包装材料とする際には、延伸一方向配列不織布の少
なくとも一面に印刷を施す。印刷方法としては、グラビ
ア印刷、フレキソ印刷、インクジェットプリンターによ
る印刷、転写などを用いることができるが、特に転写に
よる方法が発色の点で優れている。また、染色、捺染な
どにより着色や装飾を施すことも可能である。さらに高
級感を増すために、不織布の表面に印刷による装飾を施
すのみならず、印刷性の改良、光沢の付与、意匠性の改
良などを目的として、樹脂コーティング加工、カレンダ
ー加工、抜食加工、プリーツ加工、起毛加工、サンフォ
ライズ加工などの二次加工を加えることもできる。
【0015】本発明の包装用基布の少なくとも一面に合
成樹脂層のラミネーションを行うことにより、包装品の
内部を隠蔽する効果と共に、不織布の繊維を固定して引
裂性を良好にする効果を発揮させることができる。特
に、合成樹脂層として一軸配向フィルムを用いる場合に
は、前記一方向配列体として一軸延伸フィルムを用いる
場合と同様に、横引裂性を向上させることができるので
好ましい。合成樹脂層の材質としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなどが用いら
れるが、接着性を考慮してエチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)などを加える場合もある。押出ラミネーシ
ョンを行う場合には特に低密度ポリエチレンが好まし
い。なお、ラミネート層を付与する場合には、基布の表
面にコロナ放電処理を行っておくことが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の代表的実施例によ
り具体的に説明する。
【実施例】<実施例1>図1に基づいて、使用した縦基
材の製法を説明する(特公平3−36948号、特公平
7−6126号等各公報)。原料樹脂1としてポリエス
テル樹脂(ユニチカ(株)製:IV値0.65、融点25
5℃)を押出機2により溶融混練し、ギヤポンプ3によ
り定量的に押出して、熱風発生機4の熱風と共にメルト
ブローダイス5よりフィラメント状に紡出した。紡出し
たフィラメント6を傾斜したコンベア7の上に集積して
集積ウェブ8とし、巻取機9により巻き取った。巻き取
った集積ウェブ8を、ロール間で(図示せず)縦に5.
8倍に延伸して縦基材とした。縦基材を構成するフィラ
メントの太さは、写真により求めて換算したところ、
0.3デニールを中心とする大きさであった。また、延
伸して得られたウェブの強度は2.2g/dであった。
【0017】図2に基づいて、使用した横基材の製法を
説明する(特公平3−36948号、特開平2−242
960号各公報)。原料樹脂21としてポリエステル樹
脂(ユニチカ(株)製:IV値0.60)を押出機22に
より溶融混練し、ギヤポンプ23により定量的に押出し
て、スプレーノズル24−1〜24−6に導いた。ノズ
ルから出た紡糸フィラメント25を、熱風(図示せず)
の作用で進行方向に対し横方向へ飛散させ、コンベヤ2
6の上に横に配列したフィラメントの集積ウェブ27を
形成させて、巻取機28に巻き取った。巻取った横配列
集積ウェブ27を、特公平3−36948号公報に示す
横延伸装置により横方向に5.6倍に延伸して横基材と
した。
【0018】上記で得られた縦基材と横基材を、図3に
示すエンボス装置により熱融着した。縦基材31と横基
材32をニップロール33a、33bに導き、220℃
に加熱したエンボスロール34aと受ロール34bの間
でエンボス処理を施し、ニップロール35a、35bで
引き取り直交不織布36を得た。図4(A)〜(D)
は、エンボスパターンの例であるが、実施例1において
は、図4(A)のパターンを採用した。すなわち、長さ
1.25mm、幅0.35mmの線をピッチ1.25mm
で千鳥状に配置したものである。直交不織布36に、密
度0.92g/cm3、MFR 8g/10min の低密度ポリエチ
レンを用いて温度315℃で30分間押出ラミネーショ
ンを行い、複合不織布シートからなる包装資材を得た。
【0019】上記の方法で製造した包装資材の物性を表
1に示す。表において、PETはポリエステルを、LD
PEは低密度ポリエチレンを、HDPEは高密度ポリエ
チレンを、およびPPはポリプロピレンをそれぞれ示す
略号である。また、包装資材の強力は、チャック間50
mm、引張速度100mm/分の条件で測定を行った結
果であり、縦方向のみを示す。引裂強度は、JIS L
1096によるエルメンドルフ型引裂試験機により測定
した結果であり、横引裂強度のみを示す。印刷適性とし
ては、印刷機を用いて得られた不織布シートのオフセッ
ト印刷におけるインキ受水性および均一性を評価し、さ
らに印刷面の光沢の評価を行った。評価の基準は以下の
通りである。 ◎:優れている ○:良好である なお、図4(C)および図4(D)のように横方向に直
線成分含まないパターンで構成されたエンボスを用いた
ところ、引裂きの直線性に劣ることが判った。
【0020】
【表1】
【0021】<実施例2−1>実施例1の縦基材と同様
の方式で紡糸して、坪量が実施例1の2/3であるウェ
ブ8を製造し、別に融点225℃のポリエステル樹脂
(ユニチカ(株)製:IV値0.65)を用いて実施例1
の縦基材と同様に紡糸して、坪量が実施例1の1/3で
あるウェブ8aを製造し、ウェブ8とウェブ8aとを重
ねて延伸し、延伸後の太さ0.7デニールの縦基材を得
た。次いで、実施例1と同様にして得た横基材を積層
し、エンボス後、低密度ポリエチレンのラミネーション
を行って複合化し包装資材とした。結果を表1に示す。
この場合は実施例1のものより引裂性は良好である。
【0022】<実施例2−2>横基材を用いない点を除
き、他は実施例2−1と同様にして包装資材を得た。結
果を表1に示す。
【0023】<実施例3−1>実施例1と同様にして得
た縦基材と横基材とを重ね、水溶性ウレタン(商品名:
スーパフレック E2000、第一工業製薬(株)製)と
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(商品名:
スミカフレックス471、住友化学工業(株)製)との接
着剤混合水溶液にディップした後、全体の重量に対して
接着剤固形分が28重量%になるように絞り、熱シリン
ダー上で乾燥熱処理を行った。次いで縦基材側にコロナ
放電処理を施した後、低密度ポリエチレンの押出ラミネ
ーションを行い、包装資材とした。結果を表1に示す。
得られた包装資材は横引裂性が良好であった。
【0024】<実施例3−2>実施例3−1において、
接着剤を乾燥した後に、図4(B)のパターンを用いた
エンボス処理を行い、その後は実施例3−1と同様に行
った。結果を表1に示す。エンボス処理により、包装資
材の横引裂性は向上し、布状の感触が付与されて光沢が
大きく、高級感を呈するものとなった。
【0025】<実施例4>実施例1と同様にして得た縦
基材にコロナ放電処理を施した後、エチレン−酢酸ビニ
ル系のホットメルト接着剤(商品名:Q2375J4、
ヘンケル白水(株)製)を塗布し、これに高密度ポリエチ
レンからなる横延伸フィルム(厚み25μm、商品名:
カラリアン、東洋化学(株)製)を積層接着し、包装資材
とした。結果を表1に示す。
【0026】<実施例5>芯成分としてストレートポリ
プロピレン(MFR 32g/10min)、鞘成分として変性
ポリプロピレン(商品名:日石Nポリマー P407
0、日本石油化学(株)製)を用いたポリプロピレンコン
ジュゲートファインデニールフィラメントを紡糸し、延
伸して単糸太さが0.8d、ヤーン太さが120dのヤ
ーンを製造し、これを50本/25mmに整経して縦基
材とした。別に、ストレートポリプロピレン(MFR
4g/10min)の両面に変性ポリプロピレン(同上)を積
層した厚み150μmの3層フィルムを製膜し、1.8
倍に圧延した後、横方向に千鳥状のスリットを入れ、さ
らに横方向に6.5倍延伸して、横延伸ウェブとした。
上記縦基材と横延伸ウェブを積層し147℃で接着した
後、縦基材側に上記変性ポリプロピレンの押出ラミネー
ションを行い、包装資材とした。結果を表1に示す。
【0027】<比較例1>従来の短繊維不織布に低密度
ポリエチレンのラミネーションを行って得た複合不織布
の測定値を表2に示す。
【0028】<比較例2>フィラメントの太さを2〜3
dとした縦基材を用いた以外は、実施例1と同様にして
行った。結果を表2に示す。表から引裂性に劣ることが
判る。
【0029】<比較例3>強度が1g/d 以下の縦基
材を用いた以外は、実施例1と同様にして行った。結果
を表2に示す。この場合も引裂性が劣るものであった。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明により、生産性高く薄い製品を製
造する直交不織布の製造技術を応用して、不織布の延伸
により得られる1d以下のフィラメントの配列体を用い
ることにより、横引裂性が良好で高級感のある包装資材
を提供することが可能である。また、湿潤強度、耐熱性
等の特徴を有するために要望されていたポリエステル基
布による包装材料を、低コストで供給することができ
る。さらに、一軸延伸フィルムとの組み合わせにより、
開封性に優れ、特に食品包装材料、袋物等の素材として
適した包装材料を開発することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦基材の製造装置の例の略示側面図である。
【図2】横基材の製造装置の例の略示側面図である。
【図3】エンボス装置の例の略示側面図である。
【図4】エンボスパターンの例を示す平面図である。
【符号の説明】 1、21 原料樹脂 2、22 押出機 3、23 ギヤポンプ 4 熱風発生機 5 メルトブローダイス 6、25 紡糸フィラメント 7、26 コンベヤ 8、8a、27 集積ウェブ 9、28 巻取機 24−1〜6 ノズル 31 縦基材 32 横基材 33a、33b、35a、35b ニップロール 34a エンボスロール 34b 受ロール 36 エンボス直交不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D04H 3/04 D04H 3/04 Z 3/14 3/14 A D06M 17/00 D06M 17/00 H (72)発明者 栗原 和彦 東京都板橋区高島平3−11−5−1002 (72)発明者 矢沢 宏 東京都国立市東2−25−15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不織
    布を一方向に延伸することによってその繊維をほぼ一方
    向に配向および配列させた少なくとも1層の延伸一方向
    配列不織布を、縦基材または横基材として用いてなる包
    装用基布。
  2. 【請求項2】 前記基材の繊維方向と直交する配列性を
    有する一方向配列体を積層してなる請求項1に記載の包
    装用基布。
  3. 【請求項3】 前記延伸一方向配列不織布を構成する繊
    維の太さが1デニール以下であり、該不織布全体の強度
    が1g/デニール以上である請求項1または2に記載の
    包装用基布。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂がポリエステルまたは
    ポリプロピレンである請求項1から3のいずれかに記載
    の包装用基布。
  5. 【請求項5】 前記一方向配列体が、前記延伸一方向配
    列不織布、フラットヤーンの一方向配列体、スプリット
    ウェブまたはスリットウェブのいずれかである請求項2
    から4のいずれかに記載の包装用基布。
  6. 【請求項6】 前記延伸一方向配列不織布と前記一方向
    配列体が、熱融着されまたは接着剤で接着されてなる請
    求項2から5のいずれかに記載の包装用基布。
  7. 【請求項7】 前記延伸一方向配列不織布からなる縦基
    材または横基材の構成繊維が、相互に熱融着されまたは
    接着剤で接着されてなる請求項1に記載の包装用基布。
  8. 【請求項8】 前記延伸一方向配列不織布の少なくとも
    一面に印刷を施してなる請求項1から7のいずれかに記
    載の包装材料。
  9. 【請求項9】 前記基布の少なくとも一面に合成樹脂層
    を設けてなる請求項8に記載の包装材料。
  10. 【請求項10】 前記合成樹脂層が一軸配向したフィル
    ムである請求項9に記載の包装材料。
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