JP2000238156A - 積層不織布およびその製造方法ならびに感熱孔版用原紙およびその製造方法 - Google Patents

積層不織布およびその製造方法ならびに感熱孔版用原紙およびその製造方法

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JP2000238156A
JP2000238156A JP4463699A JP4463699A JP2000238156A JP 2000238156 A JP2000238156 A JP 2000238156A JP 4463699 A JP4463699 A JP 4463699A JP 4463699 A JP4463699 A JP 4463699A JP 2000238156 A JP2000238156 A JP 2000238156A
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nonwoven fabric
fiber
fiber layer
laminated nonwoven
thermoplastic
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Masakado Takahashi
正矩 高橋
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】搬送性と延伸性に優れ、印刷時にシワになりに
くい積層不織布およびその製造方法ならびに感熱孔版印
刷用原紙およびその製造方法。 【解決手段】熱可塑性繊維からなる不織布において、繊
維層Aと繊維層Bとが接合された積層構造を有し、それ
ぞれの繊維の平均繊維径が約4〜30μmの範囲で、繊
維の複屈折率がΔnが0.015以下で、繊維層Aと繊
維層Bの劈開面の方向が、接合面に対して、互いに鏡面
対称であり、製造方法は、列状に配列した複数個のオリ
フィスから溶融した熱可塑性重合体を吐出すると共に、
オリフィスの列の両側に設けられたスリットから噴出す
る加熱ガスを、該吐出された熱可塑性重合体に斜めに当
てることにより、熱可塑性重合体を繊維状に細化しなが
ら、移動捕集面へシート状に捕集する。a.b.c.感
熱孔版印刷用原紙は、積層不織布と熱可塑性フィルムと
からなり、熱可塑性フィルムの厚さが0.2〜4μmで
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搬送性と延伸性に
優れ、さらにフィルムと積層したとき、シワが発生しに
くく、画質の良い感熱孔版印刷用原紙を提供することが
できる積層不織布およびその製造方法ならびに感熱孔版
用原紙およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、メルトブロー法で製造される
不織布をフィルムと積層した後に延伸して、該不織布を
多孔性支持体とする感熱孔版印刷用原紙を製造する方法
が提案されている。例えば特開平8−60514号公報
には、実質的に無配向の熱可塑性繊維からなる不織布を
ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性フィルムと
積層した後に延伸して、感熱孔版印刷用原紙を製造する
方法が提案されている。しかし、かかる方法では、延伸
性は良好なものの、不織布が延伸工程のローラを通過す
る際に破断しやすいという問題、あるいは得られた感熱
孔版印刷用原紙は印刷時にシワが発生しやすいという問
題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解決し、搬送性と延伸性に優れ、印刷時
にシワになりにくく、かつ、画質に優れた感熱孔版印刷
用原紙を提供することができる積層不織布およびその製
造方法ならびに感熱孔版印刷用原紙およびその製造方法
を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の積層不織布は、熱可塑性繊維か
らなる不織布において、繊維層Aと繊維層Bとが接合さ
れた積層構造を有し、該繊維層Aおよび該繊維層Bを構
成するそれぞれの繊維の平均繊維径が約4〜30μmの
範囲で、該繊維の複屈折率がΔnが0.015以下であ
り、かつ、該繊維層Aと該繊維層Bの劈開面の方向が、
接合面に対して、互いに鏡面対称であることを特徴とす
るものであり、かかる積層不織布の製造方法は、列状に
配列した複数個のオリフィスから溶融した熱可塑性重合
体を吐出すると共に、該オリフィスの列の両側に設けら
れたスリットから噴出する加熱ガスを、該吐出された熱
可塑性重合体に斜めに当てることにより、該熱可塑性重
合体を繊維状に細化しながら、移動捕集面へシート状に
捕集するメルトブロー不織布の製造方法において、以下
の条件下で製造することを特徴とするものである。
【0005】a.上記オリフィス列の幅1cm当たりの
加熱ガス流量が、0.005〜0.15Nm3 /分であ
る。
【0006】b.移動捕集面Aと、移動捕集面Bとを互
いに反対向きに移動させ、移動捕集面Aで捕集した繊維
層の表裏を反転させて移動捕集面Bに供給する。
【0007】c.繊維層の上に次の繊維層が、温度約9
0℃から約130℃の範囲にある間に捕集する。
【0008】d.オリフィス列と繊維層との距離が、約
7cmから約20cmの範囲に設定する。
【0009】また、本発明の感熱孔版印刷用原紙は、前
記積層不織布と熱可塑性フィルムとからなり、かつ、該
熱可塑性フィルムの厚さが0.2〜4μmであることを
特徴とするものであり、また、かかる感熱孔版印刷用原
紙の製造方法は、前記積層不織布を、熱可塑性フィルム
に接するように積層した後に、少なくとも一方向に、か
つ、少なくとも1.5倍延伸することを特徴とするもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題のシワが発生
しにくく、画質の良い感熱孔版印刷用原紙について鋭意
検討したところ、積層不織布を、特定の複屈折率を有す
る繊維層Aと繊維層Bとで構成し、かつ、その劈開面の
方向を接合面に対して鏡面対称にしてみたところ、かか
る積層不織布とフィルムとを複合シートとしたときに、
意外にも、上述課題を一挙に解決することを究明したも
のである。
【0011】本発明の不織布は、曳糸性のある熱可塑性
重合体から構成されるものである。かかる熱可塑性重合
体としては、具体的には、ポリエステル系重合体、ポリ
オレフィン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリ塩化ビ
ニリデン系重合体などを使用することができるが、なか
でも、紡糸性、強伸度特性等の観点から、ポリエステル
系重合体、ポリオレフィン系重合体が好ましく使用され
る。
【0012】本発明の不織布を構成する熱可塑性繊維、
つまり繊維層Aおよび繊維層Bは、平均繊維径が約4〜
30μmの範囲にあるものが使用される。ここでいう平
均繊維径とは、(株)TOPCON製走査型電子顕微鏡
により、不織布の任意の部分について観察した像のデー
タを、(株)ピアス製パーソナル画像解析システムLA
−525に取り込み、任意に100本の繊維を選び、そ
の繊維径を測定して、その平均値を計算して求めたもの
である。
【0013】平均繊維径が約4μm未満であると、延伸
性が悪くなる。特に、延伸倍率が3倍を越える高倍率で
延伸する際には、延伸装置に例えばクリップテンターを
用いると、クリップ近傍で不織布の繊維が破断する例が
多発するので、良好な延伸性のために、好ましくは5μ
m以上の平均繊維径が必要である。
【0014】他方、平均繊維径が大きくなると、延伸後
の不織布が硬くなり、シワ欠点が発生しにくくなるが、
同一の目付量では、不織布の構造が粗になる。平均繊維
径が約30μmを越える場合には、不織布の構造が粗に
なりすぎるので、好ましくは平均繊維径が約25μm以
下であるものが好ましく使用される。
【0015】ところで、平均繊維径が約10μmを越え
る繊維で構成される不織布(繊維層A)の場合には、表
面の精緻さが減少する傾向があるので、好ましくは9μ
m以下の平均繊維径のものが使用される。特に、感熱孔
版印刷用原紙のように表面の精緻さが必要な用途には、
フィルムと接合する側の不織布面の平均繊維径は、5〜
10μmの範囲のものが好ましい。
【0016】本発明の繊維層、繊維層Aと繊維層Bは、
メルトブロー法により製造されたものであり、レーザー
ラマン分光法で測定し、コンベンセータ法と較正した値
で示したときの複屈折率Δnが0.015以下、好まし
くは0.005〜0.010の範囲にある、つまり、実
質的に無配向の繊維からなるものである。かかる繊維で
あるから、後の延伸加工性が優れるという効果を奏する
ものである。すなわち、一般的な延伸糸の複屈折率Δn
は、0.1〜0.15、POYでさえΔnは、0.03
〜0.08であることを考えると、本発明の不織布を構
成する繊維の複屈折率Δnがいかに特殊なものである
か、よく理解できる。
【0017】また、本発明の不織布の繊維層Aおよび繊
維層Bは、それぞれメルトブロー法により製造されるの
で、繊維が不織布の長手方向に折り畳まれつつ、移動す
る捕集面に、堆積して捕集されるため、繊維層が剥離あ
るいは破断する際の面、すなわち劈開面は、不織布の厚
さ方向に対して、あたかもドミノ倒しで倒された形のよ
うに斜めになる。
【0018】繊維層Aと繊維層Bの、この劈開面の方向
が、該繊維層Aと該繊維層Bとの接合面に対して、互い
に鏡面対称になるように積層して、一体化したときに、
繊維相互の融着を減らしても、劈開の方向が同一な不織
布に比較して、不織布をローラで搬送する際の破断が少
なく、均一に延伸されるという驚くべき効果を発揮する
ことがわかった。
【0019】かかる繊維層A、Bを構成する繊維の繊維
径変動率が30%を越える場合には、延伸性が悪くな
る。特に、延伸倍率が3倍を越える高倍率延伸では、不
織布中の繊維群のなかで細い繊維が切断しやすくなる。
理由は、必ずしも明らかでないが、平均繊維径の細い繊
維が延伸性に劣るためであると考えられる。
【0020】また、延伸後の不織布繊維径の変動率は、
延伸前の不織布の繊維径変動率より高くなる場合が多い
ため、雑貨類などのように、製品の均整度をあまり問題
視しない用途は別にしても、例えば感熱孔版印刷用原紙
の支持体、あるいはフィルター材料のように均質さが求
められる用途に好適な延伸製品を得ようとすれば、延伸
前の不織布の繊維径の変動率は特に少ないものが好まし
いので、繊維径の変動率は、好ましくは30%以下、さ
らに好ましくは25%以下であるのがよい。
【0021】ここでいう繊維径変動率とは、(株)TO
PCON製走査型電子顕微鏡により、不織布の任意の部
分について観察した像のデータを、(株)ピアス製パー
ソナル画像解析システムLA−525に取り込み、任意
に100本の繊維を選び繊維径を測定して平均繊維径を
求め、繊維径の変動係数の100倍、すなわち、標準偏
差を平均値で除した値を100倍して%表示したものを
いう。
【0022】また、比較的平均繊維径が小さい繊維層A
と比較的平均繊維径が大きい繊維層Bとを接合すること
で、繊維径の小さい繊維層による精緻さと繊維径の大き
い繊維層によるシワになりにくさを兼ね備えた、延伸加
工性が優れる不織布が得られる。
【0023】本発明者らは、不織布を上述の範囲に設定
するためには、噴射熱風の流量、捕集温度、オリフィス
列と繊維層との距離をある特定の範囲に設定し、かつ、
移動捕集面に捕集される不織布の表裏を特定することが
肝要であることを見いだした。具体的には a.上記オリフィス列の幅1cm当たりの加熱ガス流量
が、0.005〜0.15Nm3 /分である。
【0024】b.移動捕集面Aと、移動捕集面Bとを互
いに反対向きに移動させ、移動捕集面Aで捕集した繊維
層の表裏を反転させて移動捕集面Bに供給する。
【0025】c.繊維層の上に次の繊維層が、温度約9
0℃から約130℃の範囲にある間に捕集する。
【0026】d.オリフィス列と繊維層との距離が、約
7cmから約20cmの範囲に設定する。 という条件を採用することにより、初めて本発明の不織
布を好適に得ることができたものである。
【0027】次に、本発明の不織布の製造方法の一例に
ついて、図を用いて、更に詳しく説明する。すなわち、
図1は、本発明の繊維を製造する口金部分の溶融重合体
の吐出状態を示す概略図であるが、この図で示されてい
るように、列状に配列した複数個のオリフィスを設けた
口金1から溶融した線状熱可塑性重合体2を吐出すると
ともに、熱風をスリット3から噴射して、前記吐出され
た熱可塑性重合体に斜めに吹き付けて、該熱可塑性重合
体を繊維状に細化し、図2に示すように移動する捕集面
4へシート状に捕集して、不織布6を形成する。次い
で、該不織布6を前記移動捕集面4と、反対向きに移動
する移動捕集面5に導き、該不織布6の上に、新たな不
織布7を捕集形成することにより、本発明の積層不織布
8を得るものである。
【0028】ここで、前記移動捕集面4と5とが、互い
に反対向きに移動することが必要である。該移動捕集面
4と該移動捕集面5とが、同一方向に移動すると、本発
明の、繊維層Aと繊維層Bの劈開面の方向が接合面に対
して、互いに鏡面対称である不織布8を得ることができ
ない。
【0029】図3に、本発明の積層不織布9を長手方向
に平行に切断した模式断面図を示す。
【0030】また、本発明の積層不織布を得る別の方法
として、一旦巻き取った不織布を解き、その上に新たな
繊維層を形成する方法を採用することができるが、しか
し、この方法では積層不織布の長さに制限をうけること
があるので、注意を要する。
【0031】本発明の積層不織布において、溶融ポリマ
を繊維状に細化する加熱ガスの流量が重要である。すな
わち、かかる加熱ガスの流量が過大であると、細化して
得られる繊維の繊維径変動率が大きくなる。その理由
は、吐出した溶融ポリマに噴射される加熱ガス流量が大
であると、吐出溶融ポリマ流が細化するに際しての該ポ
リマー流のはためき運動あるいは鞭振り運動が大きくな
るため、繊維径のムラが増加すると考えられる。また、
ポリマー流のはためき運動あるいは鞭振り運動が過大に
なると、糸切れを生じて不織布の欠点となる。
【0032】一方、加熱ガス流量は、0.01〜0.1
5Nm3 /分、好ましくは0.02〜0.12Nm3
分の範囲がよい。すなわち0.005Nm3 /分未満で
は、前記スリットから噴射するガスのスリットの幅方向
の流量変動が大きくなる。
【0033】また、本発明の不織布の製造方法におい
て、糸切れの発生を防止するため、平均繊維径4μm以
上の繊維からなる不織布を製造する吐出量とすることが
好ましい。
【0034】本発明は、繊維層Aと繊維層Bを接合した
ものであるが、かかる繊維層の接合に接着剤を用いる
と、後の延伸加工性を妨げることがあるので好ましくな
い。すなわち、かかる接着剤使いの不織布を感熱孔版印
刷用原紙に用いると、該接着剤がインキの透過を妨げる
欠点を惹起するので好ましくない。また、該繊維層A、
Bの接合に、エンボスローラの熱と圧力を用いることも
できるが、感熱孔版印刷用原紙に用いる場合には、エン
ボスローラで賦型された部分が、やはりインキの透過を
妨げる欠点を惹起するので好ましくない。
【0035】すなわち、本発明においては、繊維層A、
Bを接合する際に、繊維層の上に、次の繊維層を捕集す
るときの温度が重要であり、その温度としては、約90
℃から約130℃の範囲、好ましくは95℃から120
℃の範囲で、次の繊維層を捕集するのがよい。次の繊維
層を約90℃未満の低い温度条件で捕集すると、繊維層
相互の接合力が弱くて剥離しやすくなり、また、反対
に、約130℃より高い温度条件で捕集すると、繊維層
相互が強固に融着する反面、硬くなりすぎて、不織布の
取扱い性が低下することとなる。
【0036】つぎに、本発明においては、オリフィス列
と移動捕集面との距離、あるいは、オリフィスと繊維層
Aとの距離、すなわち捕集距離を約7cmから約20c
mの範囲、好ましくは約8cmから15cmの範囲にす
るのがよい。すなわち、捕集距離が約20cmを越える
と、加熱ガスによって、細化された繊維流の速度が減衰
して、目付ムラが大きくなりやすく、逆に捕集距離が約
7cm未満では、繊維流の冷却が不十分となりやすい。
【0037】本発明の積層不織布においては、繊維層A
と繊維層Bを構成する繊維の繊維径は、等しくしてもよ
いが、好ましくは熱可塑性フィルムと接合する側の繊維
層を、その反対側の繊維層よりも細い繊維で構成するの
がよい。
【0038】本発明の積層不織布は、優れた搬送性と均
一な延伸性とを兼ね備えるため、本発明の不織布と熱可
塑性フィルムとを接合、積層した後に、少なくとも一方
向に、少なくとも1.5倍延伸すると、画像鮮明性と印
刷機への搬送性に優れた、シワになりにくい感熱孔版印
刷用原紙を製造することができる。その場合、本発明の
不織布の目付を30g/m2 以上200g/m2 以下と
し、さらに、繊維層Aと繊維層Bとの間に、平均繊維径
の差をつけた場合には、不織布の細い繊維層の面をフィ
ルム面に重ねて延伸することが、上記した表面の平滑性
や精緻さを生かす観点から好ましい。
【0039】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、好ましく
は不織布を熱可塑性フィルムに積層した後、延伸して製
造される。かかる熱可塑性樹脂フィルムとしては、薄膜
のフィルムを成型可能な樹脂よりなるもの、たとえばポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
に代表されるポリエステル、さらにナイロン6、ナイロ
ン66に代表されるポリアミド、ポリフェニレンサルフ
ァイドなど特に限定されずに用いることができる。なか
でも、ポリエチレンテレフタレートを主成分とするフィ
ルムが好ましく用いられる。かかる熱可塑性樹脂フィル
ムの厚さは、原紙に要求される感度等によって決定され
るが、好ましくは0.2〜4μmであり、より好ましく
は0.3〜3μm、特に好ましくは0.5〜2.5μm
である。
【0040】本発明の積層不織布を多孔質支持体として
用いて、感熱孔版印刷用原紙を製造する場合、延伸方法
としては、二軸延伸することが好ましく、その方法とし
ては、同時二軸延伸、一軸づつ延伸をおこなう逐次二軸
延伸、二軸延伸後さらに追加延伸を行う方法など、二方
向に、該不織布が延伸される方法であればどのような方
法であってもよいが、縦延伸後に横延伸を行う逐次二軸
延伸法が、工程の安定性、設備のコンパクトさなどの点
で好ましい。
【0041】また、積層不織布を構成する繊維の配向度
を高くし、また、延伸ムラのある繊維を少なくする観点
から、縦横各方向の延伸倍率は1.5倍以上が好まし
く、延伸時の繊維の破断を防ぐ観点から、縦横各方向の
延伸倍率は8倍以下であることが好ましい。十分な強力
を得る観点から各方向に2.5倍〜6倍であることがよ
り好ましく、安定な延伸を行うためには各方向に3倍〜
5倍であることが特に好ましい。
【0042】
【実施例】次に、本発明を実施例をあげてさらに具体的
に説明するが、これら実施例に限定されるものではな
い。なお、各種の物性値の測定は以下のような方法条件
でおこなった。 [固有粘度(IV)]温度25℃においてオルソクロロ
フェノール10mlに対し試料0.8gを溶解し、オス
トワルド粘度計で測定した。 [延伸性の評価]逐次二軸延伸法で延伸した際の破断の
起こり難さ、延伸ムラの程度を肉眼観察した。
【0043】延伸性「○」:破断が発生せず、均一に延
伸されたもの。
【0044】延伸性「△」:破断の発生が僅少で、延伸
ムラがわずかに認められたもの。
【0045】延伸性「×」:破断の発生が目立ち、延伸
ムラが認められたもの。 [画質]作製した原紙を理想科学工業(株)製「リソグ
ラフ」に供給して、サーマルヘッド式製版方式により、
JIS第1水準の文字で、文字サイズ2mm角のもの
と、5mm角のもの、および丸(2〜10mmφ)の内
部を黒く塗りつぶしたもの、また、太さの異なる罫線を
原稿として製版した。
【0046】製版原稿を用いて印刷したものを目視判定
により、次のように評価した。
【0047】画質「○」:文字が鮮明で、罫線に太さム
ラがなく、全ベタ部で白抜けのなもの。
【0048】画質「△」:実用上なんとか使用できるレ
ベルのもの。
【0049】画質「×」:文字が不鮮明で、罫線が切れ
ており、黒ベタ部で掠れや白抜けが目立つもの。 [シワ]印字ドラムへ製版原稿を着版させた時に発生す
るシワ(着版シワ)の発生頻度で次のように評価した。
【0050】シワ「○」:5回の着版試行でシワが発生
しなかったもの。
【0051】シワ「△」:5回の着版試行でシワ発生が
2回以下のもの。
【0052】シワ「×」:5回の着版試行でシワ発生が
3回以上のもの。 実施例1〜3、比較例1〜2 口金1cmあたり10本の直径25mmのエクストルー
ダに備えた、孔径0.40mm、孔数130個、オリフ
ィスが一列のメルトブロー口金から、口金温度285℃
でポリエチレンテレフタレート(チップIV=0.4
9)を吐出し、該吐出ポリマを300℃の熱風で繊維状
に牽引細化しながら、前記口金先端から10cm下方の
移動捕集面に捕集して、目付量30g/m2 の不織布を
作製した。
【0053】次いで、該捕集面と反対向きに移動する捕
集面上に該不織布を導き、その上に、メルトブロー装置
から、口金温度295℃でポリエチレンテレフタレート
(チップIV=0.52)を吐出し、該吐出ポリマを3
20℃の熱風で、繊維状に牽引細化しながら、前記口金
先端から12cm下方の前記の不織布上に、捕集温度1
00℃で捕集して、前の不織布と次の不織布とが接着剤
なしに接合した不織布を得た。
【0054】一方、ポリエチレンテレフテレート86モ
ル%、ポリエチレンイソフタレート14モル%からなる
共重合ポリエステル樹脂原料(〔η〕=0.7、Tm=
228℃)をスクリュ径40mmの押出機を用いて、T
ダイ口金温度280℃で押出し、直径300mmの冷却
ドラム上にキャストして、未延伸フィルムを作製した。
次いで、該未延伸フィルム上に、上記の不織布を重ね、
加熱ロールに供給して、ロール温度80℃で熱圧着し
た。こうして得られた積層シートを90℃の加熱ロール
で、長さ方向に設定倍率3.7倍延伸した後、テンター
式延伸機に送り込み、95℃で幅方向に設定倍率4.0
倍延伸した。この時のフィルムの厚さは1.5μmであ
り、感熱孔版印刷用原紙の厚さは60μmであった。 比較例3 直径30mmのエクストルーダに備えた口金1cmあた
り10本のオリフィスを有するメルトブロー紡糸機を用
い、ポリエチレンテレフタレート(チップIV=0.5
2)を吐出し、該吐出ポリマを温度300℃の熱風で繊
維状に牽引細化しながら、前記口金先端から14cm下
方の移動金網面に捕集して不織布を作製した。次いで、
実施例1と同一の条件で延伸した。上記結果を表1にま
とめた。
【0055】
【表1】
【0056】表1から明らかなように、実施例1〜3の
ものは、熱可塑性繊維層の繊維径と複屈折Δn、繊維層
の劈開面の方向が、すべて本発明で特定する範囲内にあ
り、これらの不織布は延伸性に優れ、これらの不織布を
用いた感熱孔版印刷用原紙で印刷した結果は、良好な画
質を示し、シワの発生のない優れたものであった。これ
に対して、比較例1〜3のものは、前記の繊維径、複屈
折Δn、繊維層の劈開面の方向のいずれかが、本発明で
特定する範囲外であり、延伸性が低く、画質に劣り、さ
らにシワが発生するなどの欠点が認められるものであっ
た。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、搬送性と延伸性に優れ
た不織布を提供でき、かつ、平面状のシートから立体的
な構造体、例えば帽子、マスク、あるいは各種トレイな
どを成型する加工、深絞り加工等にも使用することがで
き、さらに延伸加工に特に好適に使用することができ、
単独で延伸して例えばフィルター材料、マトリックス樹
脂用層間基材に好ましく使用することができ、フィルム
と積層延伸して感熱孔版印刷用原紙、ハウスラップ、C
SRラップ、印刷用シート、内装材、装飾品、包装材
料、用途等に好ましく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明の繊維を製造する口金部分の
溶融重合体の吐出状態を示す概略図である。
【図2】この図は、本発明の積層不織布を製造するとき
の捕集面と、積層方式を示す概略図である。
【図3】この図は、図2の製造方法によって製造される
積層不織布を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:口金 2:吐出された線状熱可塑性重合体 3:スリット 4、5:捕集面 6:捕集面4で形成された不織布(繊維層A) 7:捕集面5で形成された不織布層(繊維層B) 8:積層不織布
フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AA30 AB04 BA06 DA47 DA56 DA76 EA00 FA02 FA06 GA38 4F100 AK01A AK01B AK01C AK03A AK03B AK41A AK41B AK42 BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C BA13 BA14 BA26 DG01A DG01B DG15A DG15B EA012 EC18 EH012 EH112 EH462 EJ192 EJ212 EJ372 EJ422 GB09 GB15 GB90 JB16A JB16B JB16C JL04 JL05 JN18A JN18B YY00A YY00B 4L032 AA05 AA07 AB04 AC01 BD01 BD03 DA00 DA01 4L047 AA14 AA21 AA28 AB02 AB07 BA08 BA22 CA02 CC01 CC11 EA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性繊維からなる不織布において、
    繊維層Aと繊維層Bとが接合された積層構造を有し、該
    繊維層Aおよび該繊維層Bを構成するそれぞれの繊維の
    平均繊維径が約4〜30μmの範囲で、該繊維の複屈折
    率がΔnが0.015以下であり、かつ、該繊維層Aと
    該繊維層Bの劈開面の方向が、接合面に対して、互いに
    鏡面対称であることを特徴とする積層不織布。
  2. 【請求項2】該繊維層Aが、比較的平均繊維径が小さい
    繊維で、該繊維層Bが、比較的平均繊維径が大きい繊維
    で構成されており、かつ、該繊維層AおよびBを構成す
    るそれぞれの繊維の繊維径の変動率が30%以下である
    こ請求項1記載の積層不織布。
  3. 【請求項3】 該繊維層Aの繊維が、約4〜9μmの範
    囲の平均繊維径を有し、該繊維層Bの繊維が、約10〜
    30μmの範囲の平均繊維径を有するものである請求項
    2記載の積層不織布。
  4. 【請求項4】該接合が、熱接着である請求項1から3の
    いずれかに記載の積層不織布。
  5. 【請求項5】 該熱可塑性繊維が、ポリエステル系繊維
    またはポリオレフィン系繊維である請求項1〜4のいず
    れかに記載の積層不織布。
  6. 【請求項6】 該不織布が、メルトブロー法により製造
    されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の積層
    不織布。
  7. 【請求項7】 列状に配列した複数個のオリフィスから
    溶融した熱可塑性重合体を吐出すると共に、該オリフィ
    スの列の両側に設けられたスリットから噴出する加熱ガ
    スを、該吐出された熱可塑性重合体に斜めに当てること
    により、該熱可塑性重合体を繊維状に細化しながら、移
    動捕集面へシート状に捕集するメルトブロー不織布の製
    造方法において、以下の条件下で製造することを特徴と
    する積層不織布の製造方法。 a.上記オリフィス列の幅1cm当たりの加熱ガス流量
    が、0.005〜0.15Nm3 /分である。 b.移動捕集面Aと、移動捕集面Bとを互いに反対向き
    に移動させ、移動捕集面Aで捕集した繊維層の表裏を反
    転させて移動捕集面Bに供給する。 c.繊維層の上に次の繊維層が、温度約90℃から約1
    30℃の範囲にある間に捕集する。 d.オリフィス列と繊維層との距離が、約7cmから約
    20cmの範囲に設定する。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれかに記載の積層不織
    布と熱可塑性フィルムとからなり、かつ、該熱可塑性フ
    ィルムの厚さが0.2〜4μmであることを特徴とする
    感熱孔版印刷用原紙。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載の積層不
    織布を、熱可塑性フィルムに接するように積層した後
    に、少なくとも一方向に、かつ、少なくとも1.5倍延
    伸することを特徴とする感熱孔版印刷用原紙の製造方
    法。
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