JP5151914B2 - 熱ラミネート積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

熱ラミネート積層フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、成形性、耐炭酸ガス冷媒性に優れた熱ラミネート積層フィルムに関する。
ポリアリーレンスルフィドフィルムは、優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐薬品性、電気絶縁性および低吸湿性などの性質を有しており、特に電気・電子機器、機械部品および自動車部品などに好適に使用されている。
近年、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略称することがある。)フィルムは、その電気絶縁性や低吸湿性の高さを活かし、電気絶縁材料への適用が進められている。例えば、(1)二軸配向したフィルムを電気絶縁材料として用いることが知られている(特許文献1参照)。また、(2)無配向のPPS層に二軸配向PPS層が接着剤を介することなく積層されている積層体が知られている(特許文献2および特許文献3参照)。さらに、(3)共重合ポリフェニレンスルフィド積層フィルムを熱ラミネートにより積層した厚物積層フィルムが知られている(特許文献4)。
また、(4)作動冷媒に二酸化炭素を用いた冷媒圧縮機およびそれを搭載したヒートポンプ給湯機が知られている(特許文献5)。(5)二酸化炭素を用いた冷媒圧縮機において冷媒圧力が高圧側で約150kg/cm、低圧側では30〜40kg/cmとなることが開示されている(特許文献6)。また、(6)二酸化炭素を用いた冷媒圧縮機のサイクルテストにおいてPPSのブリスター発生が開示されている(特許文献7)。
従来のフィルムやシート、積層フィルムおよび積層体は、下記の問題点を有している。すなわち、上記(1)項のフィルムは、モータのスロットライナーやウェッジとして用いた場合、フィルムが裂けてしまったり、フィルムが破断したりする問題があった。また、上記(2)項あるいは(3)項の積層体においても、モータのスロットライナーやウェッジとして用いた場合、フィルムが裂けるという問題が指摘されていた。また、上記(4)〜(6)の用途に用いられるフィルムには、電気絶縁性を確保するために100μmを超える厚物フィルムが使用されるが、PPSフィルムは100μmを超えるフィルムを溶融押出法にて製膜することは難しく、そのため上記(2)や(3)に開示されているような、無配向PPSあるいは共重合PPSを接着層として用いてPPSフィルム同士を熱ラミネートすることにより、厚膜化していた。しかし、そのような従来の方法による厚物PPSフィルムにおいては、使用される環境によっては熱ラミネート界面に気泡が発生したりする問題があった。
特開昭55-35456号公報 特開平2-45144号公報 特許第2956254号明細書 特開2007−098941号公報 特開2008−95506号公報 特開2000−97177号公報 特開2004−6002号公報
そこで本発明は、これらの問題点を解消し、成形性、耐炭酸ガス冷媒性に優れた熱ラミネート積層フィルムを提供することを目的とするものである。
すなわち本発明は、二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルムと二軸配向共重合ポリアリーレンスルフィドフィルムが接着剤層を介さないで積層された構造を有する熱ラミネート積層フィルムであって、前記熱ラミネート積層フィルムは、室温破断伸度が80%以上、160%以下、かつ、耐炭酸ガス冷媒サイクルテスト後の該熱ラミネート積層フィルム1m辺りに直径5mm以上の気泡が100個以下である熱ラミネート積層フィルム、であることを本旨とし、また、ポリアリーレンスルフィドと共重合ポリアリーレンスルフィドがそれぞれ最外層となるように共押出し、共延伸されてなる二軸配向2層積層ポリアリーレンスルフィドフィルムおよび別途調製されたポリアリーレンスルフィドフィルムをロール表面温度が230℃以上に加熱された金属ロールに1.5秒以上、接触したのちに熱圧着することを特徴とする熱ラミネート積層フィルムの製造方法であることを本旨とする。

本発明によれば、成形性、耐炭酸ガス冷媒性に優れた熱ラミネート積層フィルムを得ることができる。
本発明の熱ラミネート積層フィルムは、ハイブリッド自動車用駆動用モータ、カーエアコンコンプレッサーモータ、あるいは、給湯器モータなどの各種モータ電気絶縁成形材に用いることができ、特に炭酸ガス冷媒を用いたモータ電気絶縁成形材に好適に用いられる。
本発明で用いるポリアリーレンスルフィドとは、−(Ar−S)−の繰り返し単位を有するホモポリマーあるいはコポリマーである(このポリアリーレンスルフィドを便宜上、第1PASとも称する)。Arとしては下記の式(A)〜式(K)などであらわされる単位などがあげられる。
Figure 0005151914
(R1,R2は、水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基から選ばれた置換基であり、R1とR2は同一でも異なっていてもよい)
好ましいArとしては上記の式(A)で表されるものであり、これらの代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましいポリアリーレンスルフィドとしては、フィルム物性と経済性の観点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましく例示され、ポリマの主要構成単位として下記構造式で示されるポリ−p−フェニレンスルフィド単位を好ましくは92モル%より多く、より好ましくは95モル%以上含む樹脂である。かかるポリ−p−フェニレンスルフィド成分が92モル%以下では、ポリマの結晶性や熱転移温度などが低く、PPSの特徴である耐熱性、寸法安定性、機械特性および誘電特性などを損なうことがある。
Figure 0005151914
繰り返し単位の8モル%未満であれば共重合可能なスルフィド結合を含有する単位が含まれていても差し支えない。このような繰り返し単位としては、例えば、3官能単位、エーテル単位、スルホン単位、ケトン単位、メタ結合単位、アルキル基等の置換基を有するアリール単位、ビフェニル単位、ターフェニレン単位、ビニレン単位、カーボネート単位などが具体例としてあげられ、このうち1つまたは2つ以上共存させて構成することができる。この場合、該構成単位は、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれの形態でも差し支えない。
本発明でいうポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムとは、第1PASを80重量%以上、好ましくは90重量%以上含む樹脂組成物を、溶融成形してシート状とし、二軸延伸、熱処理してなるフィルムである。第1PASの含有量が80重量%未満では、組成物としての結晶性が低下し、フィルムの耐熱性、熱寸法安定性、耐加水分解性などが損なわれる場合がある。第1PAS以外の熱可塑性樹脂は、例えば、ガラス転移温度が150℃以上かつ、第1PASの融点以下であることが、本発明の成形性を得るために好ましい。ガラス転移温度は、より好ましくは、170℃以上、250℃以下、さらに好ましくは、190℃以上、230℃以下である。ガラス転移温度が150℃未満の場合、ポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムの耐熱性が損なわれる場合があり、ガラス転移温度が第1PASの融点を超えると製膜性が悪化する場合がある。ガラス転移温度が150℃以上である熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン等の各種ポリマおよびこれらのポリマの少なくとも一種を含むブレンド物を用いることができる。本発明では、第1PASとの混合性および本発明の効果発現の観点から、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンから少なくとも1種以上選ばれることが好ましく、特に、ポリエーテルイミドが好ましく用いられる。
かかるポリエーテルイミドは、特に限定されないが、例えば、下記一般式で示されるように、ポリイミド構成成分にエーテル結合を含有する構造単位であるポリマを好ましく挙げることができる。
Figure 0005151914
ただし、上記式中R1,R2は、2〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族または脂肪族基、脂環族基からなる群より選択された2価の有機基であり、同一でも異なっていても良い。上記R1、R2としては、例えば、下記式群に示される芳香族基を挙げることができる。
Figure 0005151914
本発明では、ガラス転移温度が250℃以下のポリエーテルイミドを用いると本発明の効果を得やすく、第1PASとの相溶性、溶融成形性等の観点から、下記式で示される構造単位を有する、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミン、またはp−フェニレンジアミンとの縮合物が好ましい。
Figure 0005151914
この構造単位を有するポリエーテルイミドは、“ウルテム”(登録商標)の商標名で、サビックイノベーティブプラスチックス社(旧ジーイープラスチックス)より入手可能である。例えば、m−フェニレンジアミン由来の単位を含む構造単位(前者の式)を有するポリエーテルイミドとして、“ウルテム1000”および“ウルテム1010”が挙げられる。また、p−フェニレンジアミン由来の単位を含む構造単位(後者の式)を有するポリエーテルイミドとして、“ウルテムCRS5000”が挙げられる。
本発明にいうポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムに含まれる他の熱可塑性樹脂の分散性向上観点から相溶化剤として、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基から選択される一種以上の基を有する化合物を第1PASと前記熱可塑性樹脂の合計100重量部に対し、0.1〜3重量部含有することが好ましい。
かかる相溶化剤の具体例としては、ビスフェノールA、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、ビスフェノールF、サリゲニン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ビスフェノールS、トリヒドロキシ−ジフェニルジメチルメタン、4,4‘−ジヒドロキシビフェニル、1,5−ジヒドロキシナフタレン、カシューフェノール、2.2.5.5.−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサンなどのビスフェノール類のグリシジルエーテル、ビスフェノールの替わりにハロゲン化ビスフェノールを用いたもの、ブタンジオールのジグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル系エポキシ化合物、フタル酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル系化合物、N−グリシジルアニリン等のグリシジルアミン系化合物等々のグリシジルエポキシ樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化大豆油等の線状エポキシ化合物、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド等の環状系の非グリシジルエポキシ樹脂などが挙げられる。またその他ノボラック型エポキシ樹脂も挙げられる。ノボラック型エポキシ樹脂はエポキシ基を2個以上有し、通常ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させて得られるものである。また、ノボラック型フェノール樹脂はフェノール類とホルムアルデヒドとの縮合反応により得られる。原料のフェノール類としては特に制限はないがフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ビスフェノールA、レゾルシノール、p−ターシャリーブチルフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールSおよびこれらの縮合物が挙げられる。
また、その他エポキシ基を有するオレフィン共重合体も挙げられる。かかるエポキシ基を有するオレフィン共重合体(エポキシ基含有オレフィン共重合体)としては、オレフィン系(共)重合体にエポキシ基を有する単量体成分を導入して得られるオレフィン共重合体が挙げられる。また、主鎖中に二重結合を有するオレフィン系重合体の二重結合部分をエポキシ化した共重合体も使用することができる。
オレフィン系(共)重合体にエポキシ基を有する単量体成分を導入するための官能基含有成分の例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジルなどのエポキシ基を含有する単量体が挙げられる。これらエポキシ基含有成分を導入する方法は特に制限なく、α−オレフィンなどとともに共重合せしめたり、オレフィン(共)重合体にラジカル開始剤を用いてグラフト導入するなどの方法を用いることができる。
エポキシ基を含有する単量体成分の導入量はエポキシ基含有オレフィン系共重合体の原料となる単量体全体に対して0.001〜40モル%、好ましくは0.01〜35モル%の範囲内であるのが適当である。
本発明で特に有用なエポキシ基含有オレフィン共重合体としては、α−オレフィンとα、β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルを共重合成分とするオレフィン系共重合体が好ましく挙げられる。上記α−オレフィンとしては、エチレンが好ましく挙げられる。また、これら共重合体にはさらに、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸およびそのアルキルエステル、スチレン、アクリロニトリル等を共重合することも可能である。またかかるオレフィン共重合体はランダム、交互、ブロック、グラフトいずれの共重合様式でも良い。α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルを共重合してなるオレフィン共重合体は、中でも、α−オレフィン60〜99重量%とα,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステル1〜40重量%を共重合してなるオレフィン共重合体が特に好ましい。上記α,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルとしては、具体的にはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびエタクリル酸グリシジルなどが挙げられるが、中でもメタクリル酸グリシジルが好ましく使用される。α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルを必須共重合成分とするオレフィン系共重合体の具体例としては、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体(”g”はグラフトを表す、以下同じ)、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体−g―ポリスチレン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体−g−アクリロニトリル−スチレン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体−g−PMMA、エチレン/アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体が挙げられる。
さらに、相溶化剤の具体例として、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基から選択される一種以上の官能基を有するアルコキシシランが挙げられる。かかる化合物の具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナート基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。
上記のエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基から選択される一種以上の官能基を有するアルコキシシランが本発明の相溶化剤として好ましく、中でも、イソシアネート基を有するアルコキシシランが熱可塑性樹脂を含んだ場合のポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムの分散相の分散不良による粗大分散物を低減しやすく、平均分散径を本発明の好ましい範囲に制御しやすくなり、本発明の効果が得られやすくなるため最も好ましい。
また、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基から選択される一種以上の官能基を有するアルコキシシランを用いた場合、ポリアリーレンスルフィドと熱可塑性樹脂の間にシロキサン結合を形成しやすく、分散相の界面近傍にシロキサン結合が存在しやすい。TEM−EDX法などを用いて分散相の界面近傍にシリコン原子を検出することができる。本発明では、熱可塑性樹脂からなる分散相の界面にシロキサン結合に起因するシリコン(Si)原子を含むことが好ましい。
上記のエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基から選択される一種以上の官能基を有する相溶化剤の含有量は、ポリアリーレンスルフィドと熱可塑性樹脂の含有量の和を100重量部としたとき、0.05〜3重量部含むことが好ましく、より好ましくは、0.1〜1重量部であり、さらに好ましくは、0.2〜0.5重量部である。相溶化剤の含有量が0.05重量部未満の場合、熱可塑性樹脂の分散性が悪化する場合がある。相溶化剤の含有量が3重量部を超えると、製膜時に相溶化剤の未反応末端基の反応によりガスが発生する場合があり、製膜破れが頻発したり、フィルムの破断伸度が低下したりする場合がある。
熱可塑性樹脂の好ましい平均分散径は、50〜500nmであり、より好ましくは70〜300nmの範囲、さらに好ましくは100〜200nmの範囲である。平均分散径を上記の範囲とすることにより、耐熱性および成形性向上のバランスに優れた二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルムを得ることが可能となる。分散相の平均分散径が50nm未満であると、本発明の成形性を十分に付与することができないことがある。平均分散径が500nmより大きいと、耐熱性が悪化したり、製膜延伸時にフィルム破れが発生したりすることがある。
本発明に用いる共重合ポリアリーレンスルフィドとは、−(Ar−S)−の繰り返し単位を有するコポリマーである(以下、便宜上第2PASともいう)。Arとしては下記の式(A)〜式(K)などであらわされる単位などがあげられる。
Figure 0005151914
(R1,R2は、水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基から選ばれた置換基であり、R1とR2は同一でも異なっていてもよい)
好ましいArとしては上記の式(A)で表されるものであり、これらの代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトンのランダム共重合体あるいは、ブロック共重合体が挙げられる。
但し、第2PASは前記第1PASとは異なる構造単位を含むものであるか、共通する構造単位が用いられていたとしても共重合比率が異なるものである。また、第2PASの融点および/またはガラス転移点温度は第1PASのそれよりも、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上、低い。
特に好ましい第2PASとしては、フィルム物性と経済性の観点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)のランダム共重合体あるいはブロック共重合体が例示され、ポリマの主要構成単位として下記構造式で示されるポリ−p−フェニレンスルフィド単位を好ましくは80モル%以上92モル%以下で含むことが好ましい。かかるポリ−p−フェニレンスルフィド成分が80モル%未満では、ポリマの結晶性や熱転移温度などが低く、耐熱性、寸法安定性、機械特性および誘電特性などを損なうことがある。92モル%を超えると、界面接着性を十分高められず、本発明の耐炭酸ガス冷媒性、成形性が十分でない場合がある。
Figure 0005151914
第2PASは、好ましく繰り返し単位の8モル%以上、20モル%以下3官能単位、エーテル単位、スルホン単位、ケトン単位、メタ結合単位、アルキル基等の置換基を有するアリール単位、ビフェニル単位、ターフェニレン単位、ビニレン単位、カーボネート単位を含むアリーレンスルフィド単位を含む。
このような単位の一例を示すと次のとおりである。
Figure 0005151914
Figure 0005151914
Figure 0005151914
(ここでXは、エーテル、アルキレン、CO、SO単位を示す。)
Figure 0005151914
Figure 0005151914
(ここでRはアルキル、ニトロ、フェニレン、アルコキシ基を示す。)
望ましい構造単位としては、m−フェニレンスルフィドである。これらの単位を含んだアリーレンスルフィド構造単位の共重合量は、8モル%以上20モル%以下が好ましく、より好ましくは10モル%以上18モル%以下である。かかる共重合量が8モル%未満では、熱ラミネート積層フィルムの界面接着性を十分高められず、耐炭酸ガス冷媒性、成形性を十分高められない場合がある。20モル%を超えると、耐熱性の低下が著しくなる場合がある。
第2PASにおいて、共重合の態様には特に限定はないが、ランダムコポリマーであることが好ましい。
また、第2PASにおいて、3官能性フェニルスルフィドの共重合量は1モル%以下であることが好ましい。
Figure 0005151914
第2PASの融点は、210℃以上260℃以下が好ましく、より好ましくは220℃以上260℃以下であり、さらに好ましくは、230℃以上260℃以下である。第2PASの融点が210℃未満では、耐熱性の低下が著しくなる場合があり、260℃を超えるとポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムとの界面接着性を十分高められない場合があり、耐炭酸ガス冷媒性、成形性が悪化する場合がある。第2PASの融点は、共重合成分のモル比によって適宜調製できる。
本発明で用いる共重合ポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムとは、上記第2PASを80重量%以上、好ましくは90重量%以上含む樹脂組成物を溶融成形してシート状とし、二軸延伸、熱処理してなるフィルムである。第2PASの含有量が80重量%未満では、ポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムとの界面接着性が損なわれる場合がある。該組成物中の20重量%未満は第2PAS以外のポリマを含むことができる。第2PAS以外のポリマとしては、例えば、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエーテルエーテルケトンなどの各種ポリマおよびこれらのポリマの少なくとも1種を含むブレンド物を挙げることができる。
本発明にいう共重合ポリアリーレンスルフィドフィルムからなる二軸配向フィルムの厚みは、5μm以上50μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上30μm以下であり、さらに好ましくは10μm以上20μm以下である。二軸配向共重合ポリアリーレンスルフィドフィルムの厚みが5μm未満の場合、熱ラミネート積層フィルムの界面接着性が十分得られず、耐炭酸ガス冷媒性が悪化する場合があり、50μmを超えると、熱ラミネート積層フィルムの耐熱性が低下する場合がある。 また、本発明に用いるポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層に有する二軸配向フィルムとは、前記第1PASを80重量%以上、好ましくは90重量%以上含む樹脂組成物をその少なくとも一面の最外層に有するよう第1PAS以外の熱可塑性樹脂と共押出してシート状とし、二軸延伸、熱処理してなるフィルムをいい、共重合ポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層に有する二軸配向フィルムとは、前記第2PASを80重量%以上、好ましくは90重量%以上含む樹脂組成物をその少なくとも一面の最外層に有するよう第2PAS以外の熱可塑性樹脂と共押出してシート状とし、二軸延伸、熱処理してなるフィルムをいう。ここで、他の熱可塑性樹脂としては、それぞれの場合において、第1PASまたは第2PASと共押出してシート状とできるものであれば特に制限はない。
本発明に用いる二軸配向2層積層ポリアリーレンスルフィドフィルムとは、前記ポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層に有する二軸配向フィルムと共重合ポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層に有する二軸配向フィルムの特別な態様であり、前記第1PASを80重量%以上、好ましくは90重量%以上含む樹脂組成物と第2PASを80重量%以上、好ましくは90重量%以上含む樹脂組成物をそれぞれ最外層となるように共押出し、二軸延伸、熱処理してなるフィルムである。最外層以外の層は特に限定されないが、前記第1PASを80重量%以上、好ましくは90重量%以上含む樹脂組成物をa層と見、第2PASを80重量%以上、好ましくは90重量%以上含む樹脂組成物からなる層をb層と見たとき、a/b/a/bあるいはa/b/a/b/a/bのように多層に積層してもかまわない。積層構成は熱ラミネート積層フィルムの厚みにより適宜変更することができる。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムおよびポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層に有する二軸配向フィルム、共重合ポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムおよび共重合ポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層に有する二軸配向フィルムならびに二軸配向2層積層ポリアリーレンスルフィドフィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステルおよびワックスなどの有機滑剤など他の成分が添加されてもよい。また、フィルム表面に易滑性や耐磨耗性や耐スクラッチ性等を付与するために、無機粒子や有機粒子などを添加することもできる。そのような添加物としては、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子、ポリアリーレンスルフィドの重合反応時に添加する触媒等によって析出する、いわゆる内部粒子や、界面活性剤などが挙げられる。
また、上記二軸配向共重合ポリアリーレンスルフィドフィルムは、必要に応じて、熱処理、成形、表面処理、ラミネート、コーティング、印刷、エンボス加工およびエッチングなどの任意の加工を行ってもよい。
本発明において、熱ラミネート積層フィルムは、前記第1PASを望ましく80重量%以上含有したフィルムの面と前記第2PASを望ましく80%以上含有したフィルムの面とが熱ラミネートされることによって得られるものである。そのような態様には、例えば、(1)ポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムと共重合ポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムを熱ラミネートする態様、(2)ポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムと共重合ポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層に有する二軸配向フィルムを該最外層側の面にて熱ラミネートする態様、(3)ポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層に有する二軸配向フィルムの該最外層側の面と共重合ポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層に有する二軸配向フィルムの該最外層側の面とで熱ラミネートする態様、(4)二枚の二軸配向2層積層ポリアリーレンスルフィドフィルムのポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層の面と共重合ポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層の面とを熱ラミネートする態様などがある。これらのうち、好ましくは、(2)、(3)、(4)の態様であり、最も好ましくは(4)の態様である。
本発明の熱ラミネート積層フィルムの厚みは、125μm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは200μm以上400μm以下であり、さらに好ましくは250μm以上350μm以下である。厚みが125μm未満の場合、モータ絶縁フィルムとしての電気絶縁性が十分でない場合があり、厚みが500μmを超えると熱ラミネート積層フィルムの界面接着性が低下し、耐炭酸ガス冷媒性、成形性が悪化する場合がある。
本発明の熱ラミネート積層フィルムは、熱ラミネート積層フィルムを構成する各層が二軸配向されたものであることが必要である。各層の配向は、レーザーラマン分光法により熱ラミネート積層フィルム断面を測定することにより求めることができる。二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルムが配向しているとは、レ−ザ−ラマン分光により得られる配向パラメータが、2.0〜8.0の範囲であることが好ましく、より好ましくは、2.5〜6.0である。配向パラメータが8.0を超えると、分子鎖配向が進み過ぎたり、結晶化が進行しすぎたりして、フィルムの加工時や使用時に破損したり、実用上使用に耐えない場合がある。また、配向パラメータが2.0未満の場合、分子鎖配向が不十分であったり、結晶化の進行が不十分であったりして、構造体の耐熱性が低下する場合がある。一方、第2PASを含む層が配向しているとは、レーザーラマン分光により得られる配向パラメータが1.3以上であれば配向しているものと言うことができる。
配向パラメータを上記範囲とするためには、例えば、縦延伸における延伸温度や延伸倍率、横延伸前の予熱温度、横延伸における延伸温度や延伸倍率、さらに、延伸後の熱固定温度を本発明の好ましい範囲にすることにより得ることが可能となる。上記レーザーラマン分光による測定方法は特に限定されないが、例えば、レーザーラマン装置(PDP320(フォトンデザイン社製))を用い、マイクロプロ−ブ対物レンズ100倍、対物レンズは、近赤外域(1064〜1300nm)に透過性を有し、NA0.95、色収差補正されているものを使用することができる。クロススリット1mm、スポット径1μm、光源Nd−YAG(波長1064nm、出力:1W)、回折格子 Spectrograph300g/mm、スリット:100μm、検出器InGaAs(Roper Scientific 512)が好ましく用いられる。
測定に用いるフィルムは、サンプリングしてエポキシ樹脂に包理後、ミクロト−ムでフィルム 断面を作製する。フィルム断面がフィルム長手方向または幅方向に平行なものを調整し、各試料の中央点を測定点として、長手方向および幅方向のそれぞれに対して5個の試料を測定して平均値をとった。測定は、入射光の偏光方向に平行な偏光方向に配置した偏光子を通して検出し、試料を回転させ、レーザー光の偏光方向に対して、フィルム面に平行な偏光方向と垂直な偏光方向 でスペクトルを得た。配向パラメータは、
(配向パラメータ)=(I1575/I740)(平行)/(I1575/I740)(垂直)
I1575/I740(平行):フィルム面に平行な偏光方向で測定したラマンスペクトルにおいて、1575cm-1付近のラマンバンドを740cm-1付近のラマンバンド強度で除したもの。
I1575/I740(垂直):フィルム面に垂直な偏光方向で測定したラマンスペクトルにおいて、1575cm-1付近のラマンバンドを740cm-1付近のラマンバンド強度で除したものとした。
本発明の熱ラミネート積層フィルムの室温における破断伸度は、80%以上160%以下であることが成形性を得るために必要である。より好ましくは100%以上160%以下であり、さらに好ましくは120%以上160%以下である。室温の破断伸度が80%未満の場合、モータ加工工程でフィルム割れが発生する場合があり、加工できたとしても耐炭酸ガス冷媒に触れたときに、フィルム表層が割れ、その部分から界面剥離して気泡が拡大する場合がある。破断伸度の上限は特に設けないが160%を超えるとフィルムの強度が低下し、フィルムの耐熱性が低下する場合がある。本発明の熱ラミネート積層フィルムの室温の破断伸度とは、フィルム長手方向および幅方向の平均の破断伸度である。本発明の熱ラミネート積層フィルムの室温の破断伸度を上記範囲とするためには、熱ラミネート積層前のフィルムを別に記している延伸倍率および熱処理条件により製膜し、得られた二軸配向フィルムを後述するラミネート条件により熱ラミネートすることで得ることなどの方法により可能となる。
本発明の熱ラミネート積層フィルムは、耐炭酸ガス冷媒サイクルテスト後の該熱ラミネート積層フィルム1m辺りに最大径が5mm以上の気泡が100個以下であることが本発明の耐炭酸ガス冷媒性向上の観点で重要である。上記耐炭酸ガス冷媒サイクルテストとは、ラミネートした熱ラミネート積層フィルム80cmを125枚(1m分)をオートクレーブ(耐圧硝子工業社製500cc)内に投入し、初期条件−20℃の雰囲気下で4.5MPaになるまで炭酸ガスを注入したのち100℃まで20℃/分で昇温する。さらにオートクレーブ内の圧力が10MPa以上になっていることを確認したのち、リーク弁を開放して一気に放圧する。これを1サイクルとして30サイクル実施する。
上記耐炭酸ガス冷媒サイクルテスト後サンプル1mあたりに含まれる最大径が5mm以上の気泡は、好ましくは50個以下であり、さらに好ましくは30個以下であり、最大径が5mm以上の気泡が発生しないものであることが最も望ましい。熱ラミネート積層フィルムの炭酸ガス冷媒サイクルテスト後の気泡を上記範囲とするためには、例えば、後述するラミネート方法によりラミネートすることで得ることが可能である。
さらに本発明の熱ラミネート積層フィルムは、耐炭酸ガス冷媒サイクルテスト後の該熱ラミネート積層フィルム1m辺りに最大径が1mm以上5mm未満の気泡が1000個以下であることが好ましく、より好ましくは500個以下であり、さらに好ましくは250個以下である。下限は特に限定されないが、かかる気泡が存在しないものであることが望ましい。
上記耐炭酸ガス冷媒サイクルテスト後に観察される気泡とは、熱ラミネート積層フィルムの界面の剥離により形成されるものであり、目視観察でも判別することが可能である。該気泡の最大径は文字とおり気泡の外縁の任意の2点を結ぶ線分の内、最も長い線分の長さである。上記気泡は、耐炭酸ガス冷媒サイクルテストにおける急激な減圧過程で熱ラミネート積層フィルムの界面に圧力がかかり、弱い界面接着部分で剥離することで発生すると推定されている。
本発明の熱ラミネート積層フィルムは、前記第1PASを望ましく80重量%以上含有したフィルムの面と前記第2PASを望ましく80%以上含有したフィルムの面とが接着剤層を介することなく熱ラミネートにより積層されている。接着剤層を介することなく積層する具体的方法としては、熱融着による熱ラミネート法が好ましく用いられる。熱ラミネートの方法は特に限定されないが、プロセス性の点から加熱ロールによる熱ラミネートが好ましい。
本発明の熱ラミネート積層フィルムの用途は、特に限定されないが、ハイブリッド自動車などに使用される駆動用モータやエアコンコンプレッサーモータ、あるいは、給湯器モータなどの各種モータ絶縁材料として用いることができ、特に炭酸ガス冷媒を用いたコンプレッサーモーター用絶縁材料として好適である。
次いで、本発明の熱ラミネート積層フィルムを製造する方法について、第1PASとしてポリ−p−フェニレンスルフィド樹脂を用い、第2PASとしてPPSにm−フェニレンスルフィドを共重合させたポリ−m−フェニレンスルフィド共重合ポリ―p―フェニレンスルフィド樹脂(以下m−PPS樹脂と略記する場合がある)を用いた場合の熱ラミネート積層フィルムの製造を例にとって説明するが、本発明は、下記の記載に限定されないことは無論である。
Figure 0005151914
PPS樹脂の製造方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼンを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのアミド系極性溶媒中で高温高圧下で反応させる。必要によって、トリハロベンゼンなどの共重合成分を含ませることもできる。重合度調整剤として、苛性カリやカルボン酸アルカリ金属塩などを添加し、230〜280℃の温度で重合反応させる。重合後にポリマを冷却し、ポリマを水スラリーとしてフィルターで濾過後、粒状ポリマを得る。これを酢酸塩などの水溶液中で30〜100℃の温度で10〜60分間攪拌処理し、イオン交換水にて30〜80℃の温度で数回洗浄、乾燥してPPS粒状ポリマを得る。得られた粒状ポリマを、酸素分圧10トール以下、好ましくは5トール以下でNMPにて洗浄後、30〜80℃の温度のイオン交換水で数回洗浄し、副生塩、重合助剤および未反応モノマ等を分離する。上記に得られたポリマに必要に応じて、無機または有機の添加剤等を本発明の目的に支障を与えない程度添加し、PPS樹脂を得る。
m−PPS樹脂の製造方法としては、例えば、次のような方法がある。硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼン、m−ジクロルベンゼン、および必要に応じて他のモノマを配合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのアミド系極性溶媒中で重合助剤の存在下、高温高圧下で反応させる。p−ジクロロベンゼン、m−ジクロルベンゼン以外に用いうるモノマとしては、
Figure 0005151914
Figure 0005151914
(ここでXは、アルキレン、CO、SO単位を示す。)
Figure 0005151914
Figure 0005151914
(ここでRは、アルキル、ニトロ、フェニレン、アルコキシ基を示す。)が挙げられ、これらの複数のモノマを用いてもかまわない。
次に、本発明の熱ラミネート積層フィルムの製造方法について説明する。上記のPPS樹脂単体か、m−PPS樹脂を用いる場合には、PPS樹脂とm−PPS樹脂を別々の溶融押出装置に供給し、個々の原料の融点以上に加熱する。加熱により溶融された各原料は、溶融押出装置と口金出口の間に設けられた合流装置で溶融状態で単層、または2層あるいは3層に積層され、スリット状の口金出口から押し出される。かかる溶融積層体を冷却ドラム上でPPSのガラス転移点以下に冷却し、実質的に非晶状態の単層、または2層あるいは3層積層シートを得る。積層構成は特に限定されないが、2層積層の場合、PPS層/m−PPS層の2層積層が好ましく、3層積層の場合、m−PPS層/PPS層/m−PPS層の3層積層が好ましい。溶融押出装置は周知の装置が適用可能であるが、1軸または2軸のエクストルーダが簡便であり好ましく用いられる。
次いで、このようにして得られた非晶状態の単層、または2層あるいは3層積層シートを、PPSのガラス転移点以上冷結晶化温度以下の範囲で、従来公知の逐次二軸延伸機や同時二軸延伸機により二軸延伸した後、160〜280℃の範囲の温度で一段あるいは多段熱処理を行い二軸配向フィルムを得る。延伸方法としては、逐次二軸延伸法(長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行う方法などの一方向ずつの延伸を組み合わせた延伸法)、同時二軸延伸法(長手方向と幅方向を同時に延伸する方法)、又はそれらを組み合わせた方法を用いることができる。ここでは、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法を用いる。まず、未延伸ポリフェニレンスルフィドフィルムを加熱ロール群で加熱し、長手方向(MD方向)に3〜4倍、好ましくは3.0〜3.8倍、さらに好ましくは、3.0〜3.7倍に1段もしくは2段以上の多段で延伸する(MD延伸)。延伸温度は、Tg(PPSのガラス転移温度)〜(Tg+40)℃、好ましくは(Tg+5)〜(Tg+30)℃の範囲である。その後20〜50℃の冷却ロール群で冷却する。ここで、Tgとはポリフェニレンスルフィドのガラス転移温度を表すが、二軸配向共重合ポリアリーレンスルフィド層が積層されている場合、Tgが高い二軸配向ポリアリーレンスルフィドに合わせて上記範囲で延伸することが好ましい。
MD延伸に続く幅方向(TD方向)の延伸方法としては、例えば、テンターを用いる方法が一般的である。このフィルムの両端部をクリップで把持して、テンターに導き、幅方向の延伸を行う(TD延伸)。延伸温度はTg〜(Tg+40)℃が好ましく、より好ましくは(Tg+5)〜(Tg+30)℃の範囲である。延伸倍率は破断伸度を向上させる観点から3〜4倍、好ましくは3.0〜3.6倍、さらに好ましくは3.0〜3.5倍の範囲であり、面積倍率(MD方向の倍率とTD方向の倍率の積)は14倍以下が好ましく、13.5倍以下がより好ましく、13倍以下が更に好ましい。面積倍率が14倍を超えると、フィルムの熱収縮率が増加し、ラミネート時に積層フィルムの界面にエア噛みが形成され、耐炭酸ガス冷媒性が悪化する場合がある。13倍未満の場合、フィルムの平面性が悪化し、ラミネート性が悪化する場合がある。
次に、この延伸フィルムを緊張下で熱固定する。1段熱固定の場合の好ましい熱固定温度は240〜280℃であり、熱固定工程と緩和処理工程の合計時間は1〜60秒、好ましくは5〜30秒である。より好ましい熱処理は多段熱固定である。この場合、1段目の熱固定温度は160〜220℃、好ましくは180〜220℃であり、処理時間は1〜30秒、好ましくは1〜15秒である。続いて行う2段熱固定の最高温度は240〜280℃、好ましくは、260〜280℃である。さらにこのフィルムを240〜280℃、より好ましく260〜280℃で幅方向に弛緩処理する。弛緩率は、0.1〜8%であることが好ましく、より好ましくは2〜5%の範囲である。240℃以上の2段熱固定工程および弛緩処理工程の合計時間は1〜60秒が好ましく、さらに好ましくは5〜30秒である。
さらに、フィルムを室温まで、必要ならば、長手および幅方向に弛緩処理を施しながら、フィルムを冷やして巻き取り、目的とする二軸配向フィルムを得る。
上記方法で得られた二軸配向フィルムは、例えば、PPS層/m−PPS層の二軸配向2層積層フィルムの2枚をPPS層が最外層にくるように熱ラミネートを行い(PPS層/m−PPS層)/(m−PPS層/PPS層)の熱ラミネート積層フィルムを得る。また、上記二軸配向2層積層フィルムと二軸配向PPS単膜フィルムを(PPS層/m−PPS層)/PPS層のように熱ラミネートを行い熱ラミネート積層フィルムとすることもできる。さらに、(PPS層/m−PPS層)/PPS層/(m−PPS層/PPS層)とすることもできる。また、m−PPS層/PPS層/m−PPS層の二軸配向3層熱ラミネート積層フィルムを作製し、二軸配向PPS単膜フィルムとPPS層/(m−PPS層/PPS層/m−PPS層)/PPS層の5層熱ラミネート積層フィルムとすることもできる。製膜における安定性およびラミネートにおける平面性向上の観点から(PPS層/m−PPS層)/PPS層/(m−PPS層/PPS層)の熱ラミネート積層構成が好ましい。勿論、熱ラミネート積層構成はこれらに限定されるものではない。
本発明において、熱ラミネート積層の方法としては、例えば、加熱された金属ロールとニップロールの間を加圧ニップして熱ラミネートする方法が好ましい。ラミネートの金属ロール表面温度は、好ましくは230〜260℃、より好ましくは235〜260℃、さらに好ましくは240〜260℃である。金属ロールの表面温度が230℃未満の場合、熱ラミネート積層フィルムの界面接着性が十分高められず、耐炭酸ガス冷媒性が悪化する場合があり、熱ラミネート積層フィルムの破断伸度が低下する場合がある。金属ロールの表面温度が260℃を超える場合、金属ロールとの粘着が発生し、フィルムの平面性が悪化する場合がある。金属ロールの表面温度は、接触式温度計で測定することができる。また、ニップロールは、特に限定はないが、金属ロール、セラミックロール、ゴム材質ロールなどを用いることができ、ロール幅方向の均一な圧力負荷の観点からゴム材質ロールが好ましく、フッ素ゴム、シリコンゴムなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、ニップロールは、加熱することが本発明の耐炭酸ガス冷媒性向上の観点から好ましく、ニップロール表面温度は、好ましくは180℃〜240℃であり、より好ましくは、190℃〜240℃であり、さらに好ましくは、200℃〜240℃である。ニップロール表面温度が180℃未満の場合、熱ラミネート積層フィルムの界面接着性が十分高められず、耐炭酸ガス冷媒性が悪化する場合があり、熱ラミネート積層フィルムの破断伸度が低下する場合がある。ニップロールの表面温度が240℃を超える場合は、ニップロール表面に用いるゴム材質の接着剤の耐熱性から使用が困難となる場合がある。ラミネート速度は、好ましくは0.5〜3m/min、より好ましくは0.5〜2m/minであり、さらに好ましくは、0.5〜1m/minであることが本発明の耐炭酸ガス冷媒性向上の観点から好ましい。
熱ラミネートにおいては、耐炭酸ガス冷媒性向上の観点から、PPS層/m−PPS層の二軸配向2層積層フィルムをあらかじめ製造し、該熱ラミネート積層フィルムのPPS層側を金属ロール側に配置してラミネートすることが本発明の効果発現の観点から好ましく用いられる。
二軸配向2層積層ポリアリーレンスルフィドフィルムの厚みは、100μm(特に限定されないが例えば、PPS層/m−PPS層=85μm/15μm)以下が好ましく、75μm(特に限定されないが例えば、PPS層/m−PPS層=60μm/15μm)以下がより好ましい。本発明の熱ラミネート積層ポリアリーレンスルフィドフィルムのラミネート方法は特に限定されないが、上記PPS層/m−PPS層の二軸配向2層積層フィルムのPPS層側を金属ロール側に配置し、ニップロール側に二軸配向PPSフィルム単膜を配置し、(PPS層/m−PPS層)/PPS層の3層熱ラミネート積層フィルムを得ることができる。上記3層熱ラミネート積層フィルムを製造したのち、PPS層/m−PPS層の二軸配向2層積層フィルムのPPS層側を金属ロール側に配置し、上記3層熱ラミネート積層フィルムのPPS層側をニップロール側に配置して、(PPS層/m−PPS層)/(PPS層/m−PPS層/PPS層)の5層熱ラミネート積層フィルムを得ることができる。本発明においては、(PPS層/m−PPS層)/PPS層/(m−PPS層/PPS層)の5層熱ラミネート積層フィルムを1度にラミネートする1パスラミネートを用いることは可能であるが、界面接着性を十分高めることができず、本発明の耐炭酸ガス冷媒性が悪化する場合がある。本発明においては、5層以上の熱ラミネート積層フィルムを製造する場合、3層熱ラミネート積層フィルムを製造したのち、金属ロール側にPPS層/m−PPS層の二軸配向2層積層フィルムを配置し、先に製造した熱ラミネート積層フィルムをニップロール側に配置して製造していく多段ラミネートを実施することが本発明の耐炭酸ガス冷媒性効果発現の観点から好ましく用いられる。本発明の熱ラミネート積層フィルムの金属ロールに抱かせる角度としては、10〜180度が好ましく、より好ましくは30〜150度、さらに好ましくは、60〜120度である。ラミネート前に金属ロールに抱かせることで、フィルムの熱収縮による皺がラミネート前に解消することが可能となり、熱ラミネート積層フィルムの界面接着性および平面性を向上することができる。また、ニップロール側についてもあらかじめ予熱したのちラミネートすることが、界面の接着性向上の観点から好ましく、ニップロールに抱かせる角度としては、50〜180度が好ましく、より好ましくは60〜180度であり、さらに好ましくは、90〜180度である。本発明においては、耐炭酸ガス冷媒性向上の観点で、あらかじめ予熱したのちラミネートすることが好ましい態様であり、特に金属ロール表面温度230℃以上、好ましくは235℃以上、さらに好ましくは240℃以上で1.5秒以上、より好ましくは2秒以上、さらに好ましくは3秒以上予熱したのちラミネートすることが好ましい。金属ロール上での予熱時間の上限は、特に限定されないが、予熱時間が長すぎると、フィルムの結晶化が進行したり、配向緩和の進行のため、フィルム物性が悪化する場合があり、また、フィルム表面からのオリゴマーが析出により、ドラム表面が汚れ、熱ラミネート積層フィルム表面の品質が悪化する場合がある。上記観点から、予熱時間は、10秒以下が好ましい。
本発明においては、金属ロールとニップロールで熱融着したのちPPSのガラス転移点以下まで直ちに冷却することが、ラミネートフィルムの平面性と界面接着性および破断伸度の観点から好ましく用いられる。冷却方向は特に限定されないが、ロール冷却、エア冷却などを用いることができる。
二軸配向m−PPSフィルムおよび二軸配向PPSフィルムは、界面接着性向上の観点から、接着層側にコロナ放電処理やプラズマ処理を施すことも本発明の好ましい態様に含まれる。コロナ放電処理時の雰囲気ガスとしては、空気(EC処理)、酸素(OE処理)、窒素(NE処理)、炭酸ガス(CE処理)等から選ばれる少なくとも1種のガスが挙げられる。これらのうち、経済性の観点からはEC処理を用いることが好ましく、接着性向上の観点からはNE処理、またはCE処理で表面処理することが好ましく、本発明においてはNE処理で表面処理することが接着性向上の観点からより好ましい。
また本発明においては、本発明の効果を妨げない限り、必要に応じて他のシート層、不織布などを積層することができる。
また、本発明においては、熱ラミネート積層フィルムの取り扱い性および加工性を向上させるために、各層に不活性粒子を添加することができる。ここで言う不活性粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの無機フィラーおよび300℃で溶融しない有機の高分子化合物(例えば、架橋ポリスチレン等)の粒子等を挙げることができる。
[特性の測定方法]
(1)樹脂およびフィルムの融解温度
JIS K7121―1987に準じて示差走査熱量計セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、試料5mgをアルミニウム製受皿上で室温から340℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、340℃で5分間溶融保持し、急冷固化して5分間保持した後、室温から昇温速度20℃/分で昇温した。そのとき、観測される融解の吸熱ピークのピーク温度を融解温度(Tm)とした。
(2)溶融粘度
フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用いて、口金長さを10mm、口金径を1.0mmとして、予熱時間を5分に設定して、310℃で測定した。剪断速度1000/sでの溶融粘度は、剪断速度500〜1000/sおよび1000〜2000/sでの溶融粘度をそれぞれn=2で測定し、両対数プロット上で直線近似して得られる相関線の剪断速度1000/sでの値とした。
(3)室温破断伸度
ASTM−D882に規定された次の方法に従って、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック社製AMF/RTA-100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mmとなるようにセットし、25℃の温度で引張速度300mm/分で引張試験を行う。破断伸度は、フィルム長手方向、幅方向の両方をn=5で測定し平均したものを用いる。測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”。
(4)モータ加工性
モータスロット加工機(小田原エンジニアリング社製)を用い、試料を、幅24mm、長さ39mmのスロットに加工速度2ヶ/秒で加工し、目視でフィルム割れの発生したものを不良品とし、不良品発生率を次の基準で評価した。なお、加工個数は各試料100個ずつとする。
◎:不良率が0%
○:不良率が0%を超え5%以下
△:不良率が5%を超え20%以下
×:不良率が20%を超える。
(5)接着性
ラミネートサンプルを任意に10cm角、n=30個に切断する。切断したサンプル一辺の中央に1cmの切り込みを入れる。切り込み部のフィルム片方を45°方向に引き裂く(図1参照)。引き裂き端面部分の界面剥離幅を下記基準により判定した。
◎:1mm以下
○:1mmを超え2mm以下
△:2mmを超え3mm以下
×:3mmを超える
(6)熱ラミネート積層フィルムの耐炭酸ガス冷媒サイクル評価:5mm以上の気泡の場合
ラミネートした積層フィルム80cmを125枚(1m分)をオートクレーブ(耐圧硝子工業社製500cc)内に投入する。恒温層のTRLN11L(THOMAS社製)にオートクレーブを投入して−20℃の雰囲気下で4.5MPaになるまで炭酸ガスを注入したのち100℃まで20℃/分で昇温する。さらにオートクレーブ内の圧力が10MPa以上になっていることを確認したのち、リーク弁を開放して一気に放圧する。これを1サイクルとして30サイクル実施したのちテスト後のサンプルを目視観察にて5mm以上の気泡数を測定した。1m辺りに5mm以上の気泡数を次の基準により判定した。
◎:5mm以上の気泡が30個以下
○:5mm以上の気泡が50個以下
△:5mm以上の気泡が100個以下
×:5mm以上の気泡が100個を超える
(7)熱ラミネート積層フィルムの耐炭酸ガス冷媒サイクル評価:1mm以上5mm未満の気泡の場合
ラミネートした積層フィルム80cmを125枚(1m分)をオートクレーブ(耐圧硝子工業社製500cc)内に投入する。恒温層のTRLN11L(THOMAS社製)にオートクレーブを投入して初期条件−20℃の雰囲気下で4.5MPaになるまで炭酸ガスを注入したのち100℃まで20℃/分で昇温する。さらにオートクレーブ内の圧力が10MPa以上になっていることを確認したのち、リーク弁を開放して一気に放圧する。これを1サイクルとして30サイクル実施したのちテスト後のサンプルを目視観察にて1mm以上5mm未満の気泡数を測定した。1m辺りに1mm以上5mm未満の気泡数を次の基準により判定した。
◎:1mm以上5mm未満の気泡が250個以下
○:1mm以上5mm未満の気泡が500個以下
△:1mm以上5mm未満の気泡が1000個以下
×:1mm以上5mm未満の気泡が1000個を超える
(実施例1)
(1)m−PPS樹脂の製造
オートクレ−ブに100モルの硫化ナトリウム9水塩、45モルの酢酸ナトリウムおよび25リットルのN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略称する。)を仕込み、撹拌しながら徐々に220℃の温度まで昇温して、含有されている水分を蒸留により除去した。脱水の終了した系内に、主成分モノマとして91モルのp−ジクロベンゼン、副成分モノマとして10モルのm−ジクロロベンゼン、および0.2モルの1,2,4−トリクロルベンゼンを5リットルのNMPとともに添加し、170℃の温度で窒素を3kg/cmで加圧封入後、昇温し、260℃の温度にて4時間重合した。重合終了後冷却し、蒸留水中にポリマを沈殿させ、150メッシュ目開きを有する金網によって、小塊状ポリマを採取した。このようにして得られた小塊状ポリマを90℃の蒸留水により5回洗浄した後、減圧下120℃の温度にて乾燥して、溶融粘度が1000ポイズであり、融点が250℃のメタ体共重合PPS樹脂を得た。次いで、平均粒径1.2μmの炭酸カルシウム粉末0.3重量%を添加し均一に分散配合して、320℃の温度にて30mmφ2軸押出機によりガット状に押出し、m−PPSのペレットを得た。
(2)PPS樹脂の製造
主成分モノマとして101モルのp−ジクロベンゼンを用い、副成分モノマを用いないこと以外は上記(1)のm−PPSの製造と同様に実施して、PPS樹脂を製造した。なお、PPS樹脂の溶融粘度は、3000ポイズであり、融点は283℃であった。
(3)製膜
前記(1)および(2)で得られたm−PPS樹脂およびPPS樹脂を、それぞれ180℃の温度で3時間、1mmHgの減圧下で乾燥後、別々のエクストルーダに供給し、溶融状態で口金上部にある二重管型の積層装置で2層になるように導き、続いて設けられたTダイ型口金から吐出させ、25℃の温度の冷却ドラムで急冷し、実質的にm−PPS層/PPS層の2層積層シートを得た。次いで、得られた積層シートを、表面温度95℃の複数の加熱ロールに接触走行させ、加熱ロールの次に設けられた周速の異なる30℃の冷却ロールとの間で長手方向に3.7倍延伸した。このようにして得られた1軸延伸シートを、テンターを用いて長手方向と直交方向に100℃の温度で3.5倍(面積延伸倍率12.95倍)に延伸し、続いて温度200℃で10秒間熱処理(1段熱固定)を行い、続いて260℃10秒間熱処理(2段熱固定)を行い、引き続き、260℃の弛緩処理ゾーンで10秒間横方向に5%弛緩処理を行った後、室温まで冷却した後、フィルムエッジを除去し、m−PPS/PPS(15/60μm)の二軸配向2層積層フィルムを得た(以下、このようなm−PPS/PPS積層フィルムをフィルムAとも称する)。また、PPS樹脂単体を上記製膜条件により別途製膜、熱処理して厚み100μmの二軸配向PPS単膜フィルム(以下、このようなPPSの単膜をフィルムBとも称する)を得た。
(4)積層
上記製膜方法で得られたフィルムAをそのPPS層の面が金属ロール側にくるように配置し、フィルムBをニップロール側にくるように配置してラミネートする。ついで、先に得られたPPS層/m−PPS層/PPS層の3層熱ラミネート積層フィルムをニップロール側に配置し、フィルムAをそのPPS層の面が金属ロール側になるように配置してラミネートする。金属ロール(HCr(ハードクロム)ロールφ150)は、ロール表面温度が240℃になるように加熱し、ニップロール(フッ素ゴムロールφ150)は、ロール表面温度が200℃になるように加熱した。また、ラミネート圧は、20kg/cm、ラミネート速度は、1m/分とし金属ロール側の抱き角は60度、ニップロール側の抱き角は90度で行い、ラミネート後は直ちに冷却して巻き取った。上記のようにして得られた厚み250μmの5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1でフィルムAおよびフィルムBを得るに際し、延伸倍率の長手方向(MD方向)を3.8倍とする以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で延伸倍率の長手方向(MD方向)を3.9倍および幅方向(TD方向)を3.6倍とする以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1で作製したPPS樹脂95重量部とポリエーテルイミド樹脂(ジーイープラスチック社製)“ウルテム1010”(登録商標)(PEI)5重量部を120℃で3時間減圧乾燥し、さらにPPS樹脂とPEI樹脂の合計100重量部に対して、相溶化剤としてγ−イソシアネ−トプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製、”KBE9007”(登録商標)0.5重量部を配合後、310℃に加熱された、ニーディングパドル混練部を5箇所設けたベント付き同方向回転式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に投入し、滞留時間90秒、スクリュー回転数300回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてPPS樹脂/PEI(95/5重量%)のPPS/PEI樹脂組成物を得た。
次に、実施例1でPPS樹脂に代えて該PPS/PEI樹脂組成物を(用い、また、延伸倍率の長手方向(MD方向)を3.0倍とする以外は、実施例1と同様にしてフィルムAに代わるフィルムA’、フィルムBに代わるフィルムB’を作製し、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを作製した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例5)
フィルムA’、フィルムB’を得るに際して延伸倍率の長手方向(MD方向)を3.5倍とする以外は、実施例4と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1でフィルムBを金属ロール側にくるように配置し、フィルムAをそのPPS層の面ががニップロール側にくるように配置してPPS層/m−PPS層/PPS層の3層熱ラミネート積層フィルムを得る以外は実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1で金属ロールの表面温度を235℃に加熱する以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1で金属ロールの表面温度を230℃に加熱する以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1でニップロールの表面温度を190℃に加熱する以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1でラミネート速度を2m/分とする以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例1でラミネート速度を3m/分とする以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例1で作製した二軸配向PPS単膜フィルムの厚みを75μmとする以外は実施例1と同様にして二軸配向PPS単膜フィルムを作製した。得られた二軸配向PPS単膜フィルムが金属ロール側にくるように配置し、実施例1同様にして得られたPPS層/m−PPS層の二軸配向2層積層フィルムのPPS層がニップロール側にくるように配置してPPS層/m−PPS層/PPS層の3層熱ラミネート積層フィルムを作製した。ラミネート条件は実施例1と同様にして製作した。得られた3層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で延伸倍率の長手方向(MD方向)を4.2倍および幅方向(TD方向)を3.6倍とする以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で1段熱固定温度を260℃とする以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例4で1段熱固定温度を260℃とする以外は、実施例4と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1でニップロールの表面温度を100℃とする以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1で金属ロールの表面温度を200℃に加熱し、ニップロールの表面温度を150℃とする以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例6)
実施例1で二軸配向PPS単膜フィルムを金属ロール側にくるように配置し、PPS層/m−PPS層の二軸配向2層積層フィルムのPPS層側がニップロール側にくるように配置してラミネートする。ついで、得られたPPS層/m−PPS層/PPS層の3層熱ラミネート積層フィルムを金属ロール側に配置し、PPS層/m−PPS層の二軸配向2層積層フィルムをPPS層がニップロール側になるように配置してラミネートする以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例7)
実施例1でPPS層/m−PPS層の二軸配向2層積層フィルムのPPS層側が金属ロール側にくるように配置し、二軸配向PPS単膜フィルムをニップロール側にくるように配置してラミネートする。ついで、得られたPPS層/m−PPS層/PPS層の3層熱ラミネート積層フィルムを金属ロール側になるように配置し、PPS層/m−PPS層の二軸配向2層積層フィルムのPPS層側がニップロール側になるようにラミネートする以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例8)
実施例1でラミネート速度を5m/分とする以外は、実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例9)
実施例1で得られた二軸配向2層積層フィルムおよび二軸配向PPS単膜フィルムは、金属ロール側にm−PPS層/PPS層の二軸配向2層積層フィルムのPPS層側が外側となるように配置し金属ロールへの抱き角を90度とする。ニップロール側にm−PPS層/PPS層の二軸配向2層積層フィルムのPPS層側が外側となるように配置し、ニップロールへの抱き角を60度とする。二軸配向PPS単膜フィルムは金属ロールとニップロールの間に抱き角0となるように配置し、一度に(PPS層/m−PPS層)/PPS層/(m−PPS層/PPS層)の5層熱ラミネート積層フィルムとする以外は実施例1と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例10)
実施例4で得られた二軸配向2層積層フィルムおよび二軸配向PPS単膜フィルムは、金属ロール側にm−PPS層/PPS層の二軸配向2層積層フィルムのPPS層側が外側となるように配置し金属ロールへの抱き角を90度とする。ニップロール側にm−PPS層/PPS層の二軸配向2層積層フィルムのPPS層側が外側となるように配置し、ニップロールへの抱き角を60度とする。二軸配向PPS単膜フィルムは金属ロールとニップロールの間に抱き角0となるように配置し、一度に(PPS層/m−PPS層)/PPS層/(m−PPS層/PPS層)の5層熱ラミネート積層フィルムとする以外は実施例4と同様にして5層熱ラミネート積層フィルムを製作した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例11)
実施例12で二軸配向2層積層フィルムを125μm(m−PPS/PPS=15μm/110μm)、二軸配向PPS単膜フィルムを125μmとする以外は、実施例12と同様にして3層積層フィルムを作製した。得られた5層熱ラミネート積層フィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 0005151914
本発明の熱ラミネート積層フィルムは、成形性、耐炭酸ガス冷媒性に優れた熱ラミネート積層フィルムであり、現在自動車メーカーで開発が進んでいるハイブリッド自動車などに使用される駆動用モータやエアコンコンプレッサーモータ、あるいは、給湯器モータなどの各種モータ絶縁成形材に好適である。
本発明で用いた接着性確認方法の図である。

Claims (6)

  1. ポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムもしくはポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層に有する二軸配向フィルムと共重合ポリアリーレンスルフィドからなる二軸配向フィルムもしくは共重合ポリアリーレンスルフィドからなる層を最外層に有する二軸配向フィルムの該ポリアリーレンスルフィドで構成される面と該共重合ポリアリーレンスルフィドで構成される面とが接着剤層を介さないで積層された熱ラミネート積層フィルムであって、前記熱ラミネート積層フィルムは、室温破断伸度が80%以上、160%以下、かつ、耐炭酸ガス冷媒サイクルテスト後の該熱ラミネート積層フィルム1m辺りに最大径が5mm以上の気泡が100個以下である熱ラミネート積層フィルム。
  2. 前記ポリアリーレンスルフィドがポリ−p−フェニレンスルフィドであることを特徴とする請求項1に記載の熱ラミネート積層フィルム。
  3. 前記共重合ポリアリーレンスルフィドが共重合ポリフェニレンスルフィドであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱ラミネート積層フィルム。
  4. 耐炭酸ガス冷媒サイクルテスト後の該熱ラミネート積層フィルム1m辺りに最大径が1mm以上5mm未満の気泡が1000個以下である請求項1〜3のいずれかに熱ラミネート積層フィルム。
  5. ポリアリーレンスルフィドと共重合ポリアリーレンスルフィドがそれぞれ最外層を構成するように共押出され、共延伸されてなる二軸配向2層積層ポリアリーレンスルフィドフィルムおよび別途調製されたポリアリーレンスルフィドフィルムをロール表面温度が230℃以上に加熱された金属ロールに1.5秒以上接触したのちに熱圧着することを特徴とする熱ラミネート積層フィルムの製造方法。
  6. 請求項5に記載の二軸配向2層積層ポリアリーレンスルフィドフィルムの厚みが100μm以下であることを特徴とする請求項5記載の熱ラミネート積層フィルムの製造方法。
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