JP2010234804A - 二軸配向積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステル(a)とポリイミド(b)とを含む熱可塑性樹脂からなる基層部(B層)の少なくとも片側にポリアリーレンスルフィドを含む熱可塑性樹脂からなる表層部(A層)を積層してなる二軸配向積層フィルムであって、該基層部(B層)のフィルムの固有粘度が0.65dl/gより高く、かつ、二軸配向積層フィルムを125℃、100%RHの条件下で湿熱処理したときのフィルムの破断伸度の半減時間が72時間以上であることを特徴とする二軸配向積層フィルムとする。
【選択図】なし
Description
本発明に用いるポリアリ−レンスルフィドの繰り返し単位としては、上記の式(A)で表される構造式が好ましく、これらの代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましいポリアリ−レンスルフィドとしては、フィルム物性と経済性の観点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましく例示され、ポリマーの主要構成単位として下記構造式で示されるp−フェニレンスルフィド単位を好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上含む樹脂である。かかるp−フェニレンスルフィド成分が80モル%未満では、ポリマーの結晶性や熱転移温度などが低く、PPSの特徴である耐熱性、寸法安定性、機械特性および誘電特性などを損なうことがある。
粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルをいったん乾燥させることなく添加すると粒子の分散性がよい。また、粒子の水スラリーを直接所定のPETチップと混合し、ベント式2軸混練押出機を用いて、PETに練り込む方法も有効である。粒子の含有量、個数を調節する方法としては、上記方法で高濃度の粒子のマスターを作っておき、それを製膜時に粒子を実質的に含有しないPETで希釈して粒子の含有量を調節する方法が有効である。
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いた。なお表層部(A層)のポリアリーレンスルフィドはオルトクロロフェノールには溶解しないため、遠心分離により該ポリマを除去後測定した。
ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2となるよう調整する)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示す。
走査型電子顕微鏡(SEM)により、積層フィルムの断面写真を撮影し、測定倍率から逆算して求めた。
フィルム長手方向および幅方向について、それぞれ長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出して測定に供した。ASTM−D882−97に規定された方法に従って、引っ張り試験器を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300m/分とした。測定はサンプルを変更して20回行い、その破断伸度の平均値(X)を求めた。
フィルム長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出して用いた。ASTM−D882−97に規定された方法に従って、引っ張り試験器を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300m/分とした。測定はサンプルを変更して20回行い、その破断伸度の平均値(X)を求めた。また、フィルム長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを、高度加速寿命試験器(タバイエスペック(株)製プレッシャークッカーTPC−211型)を用いて125℃、100%RHの雰囲気下で放置した後、自然冷却し、このサンプルについて前記と同条件での引っ張り試験を20回行い、その破断伸度の平均値(Y)を求めた。得られた破断伸度の平均値(X)、(Y)から伸度保持率を次式で求めた。伸度保持率が50%以下となるまでの処理時間を破断伸度の半減時間とした。
伸度保持率(%)=(Y/X)×100
伸度保持率が50%以下となるまでの高度加速寿命試験器による処理時間を破断伸度の半減時間とした。
フィルム長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出して用いた。ASTM−D882−97に規定された方法に従って、引っ張り試験器を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300m/分とした。測定はサンプルを変更して20回行いその破断伸度の平均値(X)を求めた。また、フィルム長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを、ギアオーブンにいれ、200℃の雰囲気下で放置した後、自然冷却し、このサンプルについて前記と同条件での引っ張り試験を20回行い、その破断伸度の平均値(Y)を求めた。得られた破断伸度の平均値(X)、(Y)から伸度保持率を次式で求めた。
伸度保持率(%)=(Y/X)×100
伸度保持率が50%以下となるまでのギアオーブン中での処理時間を破断伸度の半減時間とした。耐熱性は下記の基準に従って評価した。◎と○が合格である。
◎:伸度半減時間が120時間以上である。
○:伸度半減時間が80時間以上120時間未満である。
×:伸度半減時間が80時間未満である。
フィルム長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出して用いた。ASTM−D882−97に規定された方法に従って、引っ張り試験器を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300m/分とした。測定はサンプルを変更して20回行いその破断伸度の平均値(X)を求めた。また、フィルム長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを、紫外線劣化促進試験機アイスーパーUVテスターSUV−W131(岩崎電気(株)製)を用い、60℃、50%RHの雰囲気下で照度が100mW/cm2の条件で処理した後、自然冷却し、このサンプルについて前記と同条件での引っ張り試験を20回行い、その破断伸度の平均値(Y)を求めた。得られた破断伸度の平均値(X)、(Y)から伸度保持率を次式で求めた。
伸度保持率(%)=(Y/X)×100
伸度保持率が50%以下となるまでの紫外線劣化促進試験機での処理時間を破断伸度の半減時間とした。耐耐候性は下記の基準に従って評価した。◎と○が合格である。
◎:伸度半減時間が24時間以上である。
○:伸度半減時間が12時間以上24時間未満である。
×:伸度半減時間が12時間未満である。
モーター加工機(小田原エンジニアリング社製)を用いて、フィルムを12×80mmのサイズ(フィルムの長手方向を80mmとした)に打ち抜き、さらに折り目をつける加工をトータルの加工速度2個/秒の速度で1,000個のサンプルを作成し、割れや亀裂の発生数を数えて、以下のように判断した。◎、○が合格である。
○:割れや亀裂の発生数が50個以上200個未満
×:割れや亀裂の発生数が200個以上
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と比較しながら説明する。
フィルムを200℃で48時間加熱処理した後、表面にアルミニウムを真空蒸着し、微分干渉顕微鏡を用いて、倍率400倍で観察した。析出オリゴマによる突起個数をカウントし、1mm2あたりに換算し、以下のように判断した。○が合格である。
○:10個未満
△:10個以上20個未満
×:20個以上
(参考例1)ポリ−p−フェニレンスルフィド(PPS)の製造
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8267.37g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2957.21g(70.97モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム2583.00g(31.50モル)、及びイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
オートクレーブに100モルの硫化ナトリウム9水塩、45モルの水酸化ナトリウムおよび25リットルのN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという)を仕込み、攪拌しながら徐々に220℃まで昇温し、含有されている水分を蒸留により除去した。脱水の終了した系内へ主成分モノマーとして86モル%のp−ジクロロベンゼン、副成分モノマーとして15モル%のm−ジクロロベンゼン、および0.2モル%の1,2,4−トリクロロベンゼンを5リットルのNMPとともに添加し、170℃で窒素を3kg/cm2加圧封入後、昇温し、260℃にて4時間重合した。重合終了後、冷却し、蒸留水中にポリマーを沈殿させ、150メッシュ目開きを有する金網によって、小塊状ポリマーを採取した。このポリマーを90℃の蒸留水により5階洗浄した後、減圧下120℃にて乾燥して白色粒子状の共重合ポリフェニレンスルフィド(m−PPS)ポリマーを得た。得られたm−PPS樹脂は、溶融粘度が2000ポイズ(310℃、剪断速度1000/s)であり、ガラス転移温度が86℃、融点が260℃であった。
参考例1で得たPPS樹脂92重量%と平均粒径1.2μmの炭酸カルシウム粉末8重量%をベント付き同方向回転式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に投入し、滞留時間30秒、スクリュー回転数300回転/分、330℃で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングして粒子マスターチップ(粒子8重量%含有)を作製した。
ジメチルテレフタレートとエチレングリコールの混合物に、ジメチルテレフタレートに対して、酢酸カルシウム0.09重量%と三酸化アンチモン0.03重量%とを添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行った。次いで、得られたエステル交換反応生成物に、原料であるジメチルテレフタレートに対して、酢酸リチウム0.15重量%とリン酸トリメチル0.21重量%とを添加した後、重合反応槽に移行し、次いで加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重合し、固有粘度0.54dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を得た。得られたPETポリマーを回転型真空重合装置を用いて、1mmHg以下の減圧下、225℃の温度で35時間加熱処理し、固有粘度0.85dl/gのPETポリマを得た。
ジメチル−2、6−ナフタレート100重量%、エチレングリコール60重量%および酢酸マグネシウム4水和物0.09重量%を反応器にとり、約4時間をかけて230℃まで徐々に加熱昇温した。この時生成してくるメタノールを留去させ、エステル交換反応を終了した。この反応物にリン酸トリメチル0.04重量%、三酸化アンチモン0.03重量%およびエチレングリコール10重量部に分散させた平均粒子径0.3μmの酸化チタン0.3重量%を添加し、常法に従って重合し、固有粘度0.48のポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)チップを得た。このチップを200℃で30時間固相重合し、固有粘度0.78のPENチップを得た。
参考例4で得た固有粘度0.85のPETチップ50重量%とGeneral Electric社製のポリエーテルイミド(PEI)チップ”ウルテム”1010(ガラス転移温度217℃、固有粘度0.68)を50重量%、150℃で5時間除湿乾燥した後、320〜290℃に加熱された(スクリューゾーン、押出ヘッド部で温度勾配を設定)二軸3段タイプのスクリュー(PETとPEIの混練可塑化ゾーン/ダルメージ混練ゾーン/逆ネジダルメージによる微分散相溶化ゾーン)を具備したベント式二軸押出機(L/D=40、ベント孔の減圧度は200Paとした)に供給して、滞留時間3分にて溶融押出し、ウルテムを50重量%含有したPET/PEIブレンドチップを得た。
製膜時の長手方向および幅方向の延伸倍率を表1に示した条件に変更した以外は、実施例1と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、実施例2の二軸配向積層フィルムは面積延伸倍率が実施例1より低いため耐加水分解性が若干劣るが満足なレベルであった。オリゴマー析出抑止性、耐候性および耐熱性についても十分な特性を有しており、成形加工性が極めて良好なものであった。実施例3の二軸配向積層フィルムは面積延伸倍率が実施例1より高く耐加水分解性、オリゴマー析出抑止性、耐熱性および耐候性が向上していた。その一方で破断伸度が低下しているため成型加工性は若干劣るが満足なレベルであった。
二軸配向積層フィルムを表層部(A層)PPS原料のみの全フィルム厚み125μm単膜構成とし、製膜時の長手方向および幅方向の延伸温度を表2に示した条件に変更した以外は実施例1と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本比較例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表2に示したとおりであり、オリゴマー析出抑止性、耐加水分解性および耐熱性について極めて優れた特性を有しているが、耐候性については不十分であり、また破断伸度が低いため成形加工性についても不十分なフィルムであった。
二軸配向積層フィルムを基層部(B層)PET/PEIブレンド原料のみの全フィルム厚み125μm単膜構成とし、製膜時の長手方向および幅方向の延伸温度を表2に示した条件に変更した以外は実施例1と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本比較例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表2に示したとおりであり、耐候性に極めて優れており、かつ、破断伸度が高いため成形加工性についても極めて優れた特性を有している一方で、オリゴマー析出抑止性、耐加水分解性および耐熱性については不十分なフィルムであった。
ポリエステル(a)として固有粘度0.65dl/gのPETを用い、製膜時の長手方向および幅方向の延伸温度および熱固定温度を表2に示した条件に変更した以外は実施例8と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本比較例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表2に示したとおりである。基層部(B層)のフィルム固有粘度が0.62dl/gであり、面積延伸倍率が11.7倍と低い本比較例のフィルムは、破断伸度が高く成形加工性に優れていたが、オリゴマー析出抑止性、耐加水分解性、耐熱性および耐候性が不十分なフィルムであった。
製膜時の長手方向および幅方向の延伸倍率を表2に示した条件に変更した以外は、実施例1と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本比較例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表2に示したとおりであり、オリゴマー析出抑止性を有し、面積延伸倍率が低いため、破断伸度が高く成形加工性に優れていたが、耐加水分解性、耐熱性および耐候性が不十分なフィルムであった。
基層部(B層)を参考例4で製造したPETのみとし、製膜時の長手方向および幅方向の延伸温度を表2に示した条件に変更した以外は実施例9と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本比較例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表2に示したとおりであり、オリゴマー析出抑止性を有し、破断伸度が高く成形加工性に優れていたが、耐加水分解性、耐熱性および耐候性が不十分なフィルムであった。
フィルムの全厚みに対する表層部(A層)の合計積層厚み比率を表1および表2に示した条件に変更した以外は、実施例1と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表1、本比較例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表2に示したとおりである。表層部(A層)のPPSフィルム層厚みが10%と実施例1に比べ薄く積層している実施例4の二軸配向積層フィルムは、実施例1より耐加水分解性が若干劣るが満足なレベルであった。オリゴマー析出抑止性、耐熱性について十分な特性を有しており、耐候性および成形加工性が極めて良好なものであった。
基層部(B層)に含まれるポリエーテルイミド(PEI)の含有量、製膜時の長手方向および幅方向の延伸温度を表1に示した条件に変更した以外は、実施例1と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表1に示したとおりである。基層部(B層)に含まれるPEIの含有量が10重量%と実施例1に比べ低減させた実施例7の二軸配向積層フィルムは、実施例1と同等に十分なオリゴマー析出抑止性、耐加水分解性、耐熱性および耐候性を有しており、さらに破断伸度が向上していることから成形加工性が極めて良好であった。
表層部(A層)のポリアリーレンスルフィドとして参考例2で製造した共重合ポリフェニレンスルフィド(m−PPS)を用いる以外は実施例9と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、十分なオリゴマー析出抑止性、耐加水分解性、耐熱性および耐候性を有しており、さらに破断伸度が向上していることから成形加工性が極めて良好であった。
基層部(B層)に含まれるポリエステル(a)として参考例5で製造したポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)を用い、製膜時の長手方向および幅方向の延伸温度を表1に示した条件に変更した以外は実施例1と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、オリゴマー析出抑止性に優れ、耐加水分解性、耐熱性、耐候性については極めて優れていた。その一方で、破断伸度が低く成形加工性は若干劣るが満足なレベルであった。
参考例1で作成したPPS樹脂を180℃で3時間1mmHgの減圧下で乾燥し、ポリエーテルイミド(ジーイープラスチックス社製 “ウルテム1010”)(PEI)を120℃で3時間1mmHgの減圧下で別々に乾燥した。上記PPS樹脂70重量%とPEI30重量%の各チップを乾燥空気下で均一配合後、ニーディングパドル混練部を3箇所設けた真空ベント付き同方向回転式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に投入し、滞留時間90秒、スクリュー回転数300回転/分、330℃で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてブレンドチップを作製した。
表層部(A層)のPEIの含有量および製膜時の長手方向および幅方向の延伸温度を表1に示した条件に変更した以外は実施例13と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、表層部(A層)に含まれるPEIの含有量が20%である本実施例の二軸配向積層フィルムは、オリゴマー析出抑止性に優れ、耐加水分解性、耐熱性、耐候性については極めて優れていた。その一方で、破断伸度が低く成形加工性は若干劣るが満足なレベルであった。
製膜時の熱固定温度を表1および表2に示した条件に変更した以外は、実施例1と同様にして二軸配向積層フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表1、本比較例で得られた二軸配向積層フィルムの構成および特性は表2に示したとおりである。熱固定温度を230℃に変更した実施例14の二軸配向積層フィルムは十分なオリゴマー析出抑止性、耐加水分解性、耐熱性、耐候性および成形加工性を有したものであった。さらに熱固定温度を180℃に変更した実施例15の二軸配向積層フィルムは十分なオリゴマー析出抑止性、耐加水分解性、耐熱性および耐候性を有しており、破断伸度が向上していることから成形加工性において極めて良好であった。
Claims (7)
- ポリエステル(a)とポリイミド(b)とを含む熱可塑性樹脂からなる基層部(B層)の少なくとも片側にポリアリーレンスルフィドを含む熱可塑性樹脂からなる表層部(A層)を積層してなる二軸配向積層フィルムであって、該基層部(B層)を構成する樹脂の固有粘度が0.65dl/g以上、かつ、フィルムを125℃、100%RHの条件下で湿熱処理したときのフィルムの破断伸度の半減時間が72時間以上であることを特徴とする二軸配向積層フィルム。
- ポリエステル(a)がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよびこれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリエステルであることを特徴とする請求項1に記載の二軸配向積層フィルム。
- ポリイミド(b)がポリエーテルイミドであり、ポリエーテルイミドが基層部(B層)全体に対して1〜50重量%含まれることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の二軸配向積層フィルム。
- 表層部(A層)のポリアリーレンスルフィドがポリフェニレンスルフィドである請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向積層フィルム。
- 表層部(A層)にポリエーテルイミドを含み、該ポリエーテルイミドが表層部(A層)全体に対し1〜30重量%含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向積層フィルム。
- 表層部(A層)の合計厚みが積層フィルムの全厚みに対して10〜60%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向積層フィルム。
- フィルムの長手方向および幅方向の破断伸度が70%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向積層フィルム。
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