JP2007146049A - 難燃性ポリエステルフィルム - Google Patents

難燃性ポリエステルフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2007146049A
JP2007146049A JP2005344362A JP2005344362A JP2007146049A JP 2007146049 A JP2007146049 A JP 2007146049A JP 2005344362 A JP2005344362 A JP 2005344362A JP 2005344362 A JP2005344362 A JP 2005344362A JP 2007146049 A JP2007146049 A JP 2007146049A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester film
flame
compound
film
silicone compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005344362A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4876551B2 (ja
Inventor
Jun Sakamoto
純 坂本
Takuji Toudaiji
卓司 東大路
Toshiyuki Suzuki
俊行 鈴木
Masatoshi Aoyama
雅俊 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2005344362A priority Critical patent/JP4876551B2/ja
Publication of JP2007146049A publication Critical patent/JP2007146049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4876551B2 publication Critical patent/JP4876551B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Insulating Bodies (AREA)

Abstract

【課題】 耐熱性と難燃性に優れたポリエステルフィルムを提供すること。
【解決手段】 RSiO0.5、RSiO1.0、RSiO1.5、SiO2.0(R1〜3は有機基)で示される単位の少なくともいずれかを含むシリコーン系化合物を0.1〜9重量%含有し、かつ式(1)を満足するポリエステルフィルム。
0.5≦(Ma/2+Mb)/P≦5.0 ・・・(1)
(Maはポリエステルフィルム1ton中に含有されるアルカリ金属元素のモル数、Mbはポリエステルフィルム1ton中に含有されるアルカリ土類金属元素のモル数、Pはポリエステルフィルム1ton中に含有されるリン元素のモル数)
【選択図】 なし

Description

本発明は耐熱性および難燃性に優れた難燃性ポリエステルフィルムに関し、電気絶縁材料用途に好適な難燃ポリエステルフィルムに関する。
電気絶縁用素材として、ポリエステルフィルムは種々の機器に使用されてきている。
従来、電気絶縁用ポリエステルフィルムに求められる特性として、低オリゴマー特性や耐熱特性が挙げられてきたが、難燃性も重要な特性である。
ポリエステルに難燃性を付与する手法としては難燃剤をポリエステルに添加する方法が従来から検討されてきており、たとえば水酸化マグネシウムやシリコーンパウダーを混合する方法(特許文献1)、リン化合物を共重合する方法(特許文献2)、シリコーン化合物を添加する方法(特許文献3〜5)等が提案されている。
しかしながら、水酸化マグネシウム等の無機化合物を添加する方法では、フィルム中に多くのボイド(ポリエステル/粒子間の隙間)が発生するために電気絶縁耐圧が低下し、一般的シリコーン化合物を添加した場合では得られる難燃性能が不十分である。
またリン化合物を共重合する方法では、ポリエステルの耐加水分解特性が悪化するため電気絶縁フィルムとしての寿命が短くなり、またポリエステルの耐熱性を向上させる手段である固相重合にも悪影響を与えるため、その使用は好ましくない。
また特許文献3には特定のシリコーン化合物を混合する方法が記載されているが、シリコーン化合物の必要混合量が多く、ポリエステルフィルムとしての機械特性等を低下させることになり、特許文献4の一般的なシリコーン化合物を混合した方法では難燃性が不十分であり、特許文献5のシリコーン化合物の添加方法はポリカーボネート等では効果的であるが、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートに応用するには十分な難燃性を有していなかった。
特開2001−106887号公報 特開2005−126716号公報 特公昭62−60421号公報 特開平1−318069号公報 特開平10−139964号公報
本発明の目的は、上記した従来の課題を解決し、耐熱性や難燃性が良好なポリエステルフィルムを提供することにある。
前記した本発明の目的は、RSiO0.5、RSiO1.0、RSiO1.5、SiO2.0(R1〜3は有機基)で示される単位の少なくともいずれかを含むシリコーン系化合物を0.1〜9重量%含有し、かつ式(1)を満足する難燃性ポリエステルフイルムによって達成される。
0.5≦(Ma/2+Mb)/P≦5.0 ・・・(1)
(Maはポリエステルフィルム1ton中に含有されるアルカリ金属元素のモル数、Mbはポリエステルフィルム1ton中に含有されるアルカリ土類金属元素のモル数、Pはポリエステルフィルム1ton中に含有されるリン元素のモル数)
本発明によれば、耐熱性と難燃性にすぐれたポリエステルフィルムを得ることができ、モーター用電気絶縁、ケーブル用電気絶縁、回路材料等の電気絶縁用途に好適な難燃性ポリエステルフィルムを得ることができる。
本発明の難燃性ポリエステルフィルムは、RSiO0.5、RSiO1.0、RSiO1.5、SiO2.0(R1〜3は有機基)で示される単位の少なくともいずれかを含むシリコーン系化合物を0.1〜9重量%含有し、かつ式(1)を満足することが必要である。
0.5≦(Ma/2+Mb)/P≦5.0 ・・・(1)
(Maはポリエステルフィルム1ton中に含有されるアルカリ金属元素のモル数、Mbはポリエステルフィルム1ton中に含有されるアルカリ土類金属元素のモル数、Pはポリエステルフィルム1ton中に含有されるリン元素のモル数)
本発明の難燃性ポリエステルフィルムに含有されるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等を挙げることができ、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。なお、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートにはジカルボン酸成分やジオール成分、ヒドロキシカルボン酸成分を共重合させることができる。例えば、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4ビフェニルジカルボン酸、ジフェン酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−デカリンジカルボン酸等を挙げることができ、グリコール成分としてはジエチレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、スピログリコール、ネオペンチルグリコール、イソソルビド等を挙げることができ、ヒドロキシカルボン酸としてpヒドロキシ安息香酸等を挙げることができる。さらに多官能性成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸、クエン酸、グリセリン等を共重合することもできる。
本発明の難燃性ポリエステルフィルムは式(1)を満たすことが必要であり、リン化合物およびアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含有することが必要である。式(1)に示す値が0.5未満である場合、ポリエステルフィルムを溶融製膜する際の静電印加特性が悪化したり、ポリエステル樹脂の固相重合特性が悪化したりする。電気絶縁用ポリエステルフィルムは耐熱性を増すために重合度を上げることがあり、固相重合特性は重要である。一方、式(1)に示す値が5を越える場合、ポリエステルフィルムの耐熱性が悪化したり、固相重合によって減少した低分子量成分(環状オリゴマー)が再生し易くなる。
本発明の難燃ポリエステルフィルムは、RSiO0.5、RSiO1.0、RSiO1.5、SiO2.0(R1〜3は有機基)で示される単位の少なくともいずれかを含むシリコーン系化合物を0.1〜9重量%含有するが、含有量が0.1重量%未満では難燃性能が不十分であり、9重量%を越える場合ではポリエステルフィルムの機械特性が不十分となったり、フィルムの耐溶剤性が不十分となる。特にハーメチックモーター絶縁用フィルムでは冷媒との接触でフィルム中の低分子成分が抽出されることがあり、シリコーン化合物の多量添加は不具合を起こす原因となる。
シリコーン化合物の好ましい含有量は0.5〜8.5重量%であり、さらに好ましくは1〜7重量%の範囲である。この範囲の含有量であれば、難燃性と電気絶縁性、機械特性をバランスさせることができる。
本発明において難燃性能をより高めるためにはシリコーン化合物の有機基(R1〜3)がフェニル基を含み、且つ該フェニル基の含有量がシリコーン系化合物を構成する全有機基に対してモル比で30%以上であり、シリコーン系化合物に含まれるシラノール基がモル比で2%以上10%以下であることが好ましい。
難燃特性としてドリップ抑制を要求する場合、フェニル基の含有量は、シリコーン系化合物を構成する全有機基に対してモル比で80%以上、更には90%以上とすることが好ましい。
このフェニル基の含有量は難燃特性、ドリップ抑制の観点から重要であり、シリコーン系化合物の全有機基に対してフェニル基の含有量を高くすることで、シロキサン鎖と有機基の脱離温度が高くなり、燃焼時にシリコーン系化合物の有機基が高温で脱離することによりポリエステル系樹脂とポリシロキサン鎖が効率よく架橋構造を形成し難揮発性成分の炭化成分になるため難燃特性、ドリップ抑制の効果が高くなると推定している。
また、本発明のシリコーン系化合物はシラノール基を2重量%以上10重量%以下含有していることが好ましく、更に好ましくは3重量%以上8重量%以下である。本発明におけるシラノール基量とは、29Si−NMRにおいて、−Si2/2(OH)、−SiO3/2の積分ピーク比からシラノール(−OH)重量%を計算したものである。
シラノール基量の調整は、シリコーン化合物の縮合時間を調整することで実施することができ、さらにRSiOCl量を過剰に添加すればシラノール基量を低減させることもできる。
シリコーン系化合物にシラノール基が含有されることで燃焼時に効率よくポリエステル系樹脂と架橋構造を形成することができる。
シラノール基量が10%を越える場合、ポリエステル系樹脂との反応によりゲル化を引き起こし易く、2%未満では燃焼時の汎用性が低下し、難燃特性、ドリップ抑制の効果が低くなり易いために好ましくない。
また、本発明のシリコーン系化合物は重量平均分子量が500以上300000以下であることが好ましく、更に好ましくは1000以上100000以下であり、更に好ましくは6000以上50000以下である。
シリコーン系化合物の分子量が本発明の範囲より低いと溶融粘度が低く、ポリエステル系樹脂への分散性が悪くなり、シリコーン系化合物の分子量が本発明の範囲より高くなると、溶融粘度が高くなりすぎるため分散性、操作性の点から好ましくない。
また、本発明のシリコーン系化合物はRSiO1.5で示される単位を含み、且つ、RSiO1.5の含有量がモル比で87.5%以上であることが好ましく、更に好ましくは90%以上であり、更に好ましくは100%である。
SiO1.5を高含有率で含むことでシリコーン系化合物の耐熱性が向上するため難燃特性、ドリップ抑制の観点から好ましい。
本発明の難燃性ポリエステルフィルムは、イミド構造を有する化合物を5〜30重量%含有することが好ましい。イミド構造を有する化合物とは、分子構造中に−CO−NR−CO−(Rは有機基)の構造を有する化合物のことである。
このイミド構造を有する化合物としては、例えば、下記一般式で示されるような構造単位を含有するものが好ましい。
Figure 2007146049
上記式中のArは6〜42個の炭素原子を有する芳香族基であり、Rは6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族基、2〜30個の炭素原子を有する脂肪族基、4〜30個の炭素原子を有する脂環族基からなる群より選択された2価の有機基である。
上記一般式において、Arとしては、例えば、
Figure 2007146049
Figure 2007146049
を挙げることができる。Rとしては、例えば、
Figure 2007146049
Figure 2007146049
(式中、nは2〜30である)
を挙げることができる。
これらは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、1種あるいは2種以上一緒にポリマー鎖中に存在してもよい。
本発明のイミド構造を有する化合物は、特に限定されないが、ポリエステルとの溶融成形性や取り扱い性などの点から好ましい例として、例えば、下記一般式で示されるように、ポリイミド構成成分にエーテル結合を含有する構造単位であるポリマーであるポリエーテルイミドを挙げることができる。
Figure 2007146049
ただし、上記式中Rは、2〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族または脂肪族基、脂環族基からなる群より選択された2価の有機基であり、Rは、前記Rと同様の2価の有機基である。
上記R、Rとしては、例えば、下記式群に示される芳香族基など
Figure 2007146049
を挙げることができる。
本発明では、ガラス転移温度が350℃以下、より好ましくは250℃以下のポリエーテルイミドを用いると本発明の効果が得やすく、ポリエステル(A)との相溶性、溶融成形性等の観点から、下記式で示される構造単位を有する、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミン、またはp−フェニレンジアミンとの縮合物が好ましい。
Figure 2007146049
この構造単位を有するポリエーテルイミドは、“ウルテム”(登録商標)の商標名で、ジーイープラスチックス社より入手可能である。例えば、m−フェニレンジアミン由来の単位を含む構造単位(前者の式)を有するポリエーテルイミドとして、“ウルテム”1010”および“ウルテム1040”が挙げられる。また、p−フェニレンジアミン由来の単位を含む構造単位(後者の式)を有するポリエーテルイミドとして、“ウルテムCRS5000”が挙げられる。
また、本発明のイミド構造を有する化合物の他の好ましい例として、ポリエステルとの溶融成形性や取り扱い性などの点から、前記一般式中のArが、
Figure 2007146049
であり、Rが、
Figure 2007146049
であるポリマーを挙げることができる。
具体的には、
Figure 2007146049
Figure 2007146049
のポリマーを挙げることができる。
このポリイミドは、公知の方法によって製造することができる。例えば、上記Arを誘導することができる原料であるテトラカルボン酸および/またはその酸無水物と、上記Rを誘導することができる原料である脂肪族一級ジアミンおよび/または芳香族一級ジアミンよりなる群から選ばれる一種もしくは二種以上の化合物とを脱水縮合することにより得られ、具体的には、ポリアミド酸を得て、次いで、加熱閉環する方法を例示することができる。または、酸無水物とピリジン、カルボジイミドなどの化学閉環剤を用いて化学閉環する方法、上記テトラカルボン酸無水物と上記Rを誘導することのできるジイソシアネートとを加熱して脱炭酸を行って重合する方法などを例示することができる。
上記方法で用いられるテトラカルボン酸としては、例えば、ピロメリット酸、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、1,1'−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,2'−ビス[(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等および/またはその酸無水物等が用いられる。
またジアミンとしては、例えば、ベンジジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニルブタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルベンゾフェノン、o,m,p−フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン等およびこれらの例示した芳香族一級ジアミンの炭化水素基を構造単位に有する芳香族一級ジアミン等や、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジメチルアミン、2−メチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等およびこれらの例示した脂肪族および脂環族一級ジアミンの炭化水素基を構造単位に有する脂肪族および脂環族一級ジアミン等を例示することができる。
イミド構造を有する化合物とシリコーン系化合物とを含有させることで、ポリエステルフィルム燃焼時にシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物と母材であるポリエステルが効率よく炭化層を形成することが可能であり、これはシリコーン系化合物、イミド構造を有する化合物をそれぞれ単独で含有した場合よりも難燃性を著しく向上することができる。さらにイミド化合物を含有させたポリエステルフィルムは耐熱特性も向上するため、電気絶縁用途に好適である。
本発明において、イミド構造を有する化合物は熱可塑性を有するものが加工性の点から好ましい。すなわち、ガラス転移温度が130℃以上300℃以下であることが好ましく、更に好ましくは130℃以上250℃以下であることが好ましい。
イミド構造を有する化合物として具体的にはポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドが挙げられ、中でも加工性の観点から好ましくはポリエーテルイミドが挙げられるが、分子構造中にイミド構造を有していればこの限りではない。
また、本発明の難燃性ポリエステルフィルムに使用するシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物の含有比は重量比で5(シリコーン系化合物):95(イミド構造を有する化合物)〜95:5の範囲が好ましく、更に好ましくは10:90〜90:10の範囲が好ましい。
本発明の難燃性ポリエステルフィルムは、ポリエステルに由来する環状オリゴマーが0.2〜0.7重量%の範囲とすることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートの場合、環状オリゴマー(特に環状三量体)を1重量%程度含有しており、電気絶縁用フィルムとしてハーメチックモーターに使用した場合、冷媒によって環状オリゴマーが抽出され、モーター作動不良等を引き起こす原因となる。
環状オリゴマーを低減させる方法には、原料ポリエステル樹脂を固相重合する方法が好ましい。ポリエチレンテレフタレートの場合、おおよそ200℃〜230℃の温度範囲で真空または不活性ガス流通下の条件で2〜50時間程度実施すればよい。
次に本発明に関する製造方法について説明する。
本発明の難燃性ポリエステルフィルムに用いるポリエステル樹脂原料は、一般的な溶融重合方法によって製造することができる。例えばポリエチレンテレフタレートの場合、原料としてテレフタル酸またはそのメチルエステルとエチレングリコールを混合し、必要に応じてアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等を触媒としてエステル化またはエステル交換反応をおこない、プレポリマーを得ることができる。得られたプレポリマーには重合触媒としてアンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アルミニウム化合物等を少なくとも1種類添加し、高真空中で加熱しながらエチレングリコールを脱離させて重合反応を進める。重合反応が終了したポリエチレンテレフタレート樹脂は水槽中にガット状で吐出し、カッターによってチップ化すればよい。なお、ポリエステルチップには、酸化防止剤、無機粒子、有機粒子、ワックス、顔料、染料、界面活性剤、樹脂、その他の添加剤を必要に応じて添加してもよい。
本発明でいうシリコーン系化合物の製造方法としては、一般的な重縮合によって製造することができる。例えばRSiOCl(トリオルガノクロロシラン)、RSiOCl(ジオルガノジクロロシラン)、RSiOCl(モノオルガノトリクロロシラン)、SiOCl(テトラクロロシラン)をモノマーとして用い、目的とするM、D、T、Q単位のいずれかから構成されるシリコーン系化合物をRSiOCl(M単位に相当)、RSiOCl(D単位に相当)、RSiOCl(T単位に相当)、SiOCl(Q単位に相当)から所望のモル比で酸もしくはアルカリの触媒下で縮合せしめ、シリコーン系化合物を合成する方法で製造することができる。
また、シリコーン系化合物に含有される芳香環の含有量は前記したモノマーのRをフェニル基で置換し、全体のRに対するモル比から所望の量だけフェニル基を含有したシリコーン系化合物を製造することができる。
また、シリコーン系化合物に含有されるシラノール基の含有量は反応時間によって制御可能であるが、シラノール基を制御するために封鎖剤としてRSiOClやRSiOHをシラノール基と反応させることでシラノール基の含有量を制御することも可能であり、シラノール基の含有量の測定は赤外分光分析などにより測定可能である。
また、シリコーン系化合物の重量平均分子量は製造時の反応時間によって制御可能であり、分子量の測定はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
次にイミド構造を有する化合物の製造方法について説明する。製造方法としては2官能カルボン酸無水物と第一級ジアミンとの重縮合からイミド構造を有する化合物を製造することが可能であり、具体的な化合物の製造方法としては、例えばビスフェノールとジニトロビスイミドの縮合によりポリエーテルイミドを製造することが可能であるが、分子構造中にイミド構造を有していればこの限りではない。
このようにして製造されたシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物をポリエステルフィルム中に含有させる方法としては、例えばシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物をフィルム原料となるポリエステル樹脂の重合時に添加する方法、原料となるとなるポリエステル樹脂のチップとシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物を2軸押し出し機等の混練機で混練する方法、またはポリエステルフィルムの溶融製膜時にシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物を添加する方法などが挙げられるが、シリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物をポリエステルフィルム中に付与することができればこれに限るものではない。
また、本発明のポリエステル系樹脂組成物には目的に応じて既存の添加剤、例えば酸化防止剤、耐光剤、耐電防止剤、有機顔料、無機顔料、分散剤、滑剤、増粘剤、充填剤、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の粒子などの添加剤が含有されていても良い。
次ぎにフィルムに製膜する方法について説明する。
製膜には種々の方法を使用することができる。すなわち、インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、ホットプレス法等の製造法が使用できるが、好ましくは、T−ダイ法である。
積層フィルムとするには、2台以上の押出機を用い、積層口金やフィードブロック等で溶融ポリエステルを積層し、押し出すことで製造することができる。
ポリエステルフィルムを製膜するには、押出機によって溶融したポリエステル樹脂をギアーポンプで計量した後にTダイ口金から吐出させ、静電印可法などの密着手段によって冷却された鏡面ドラムなどの冷却媒体に密着冷却固化させて室温まで急冷し、未延伸のフィルムを得ることが好ましい。本発明のポリエステルフィルムでは、静電印加性に優れるため良好な特性の未延伸シートが得られる。
得られた未延伸シートをさらに一軸延伸、二軸延伸することでフィルムが得られる。二軸延伸の延伸方式は特には限定されず、逐次二軸延伸方式、同時二軸延伸方式などの方法を用いることができる。
逐次二軸延伸により延伸する場合は、得られた未配向のフィルムをポリエステル樹脂の(ガラス転移温度Tg−30℃)以上、(ガラス転移温度Tg+50℃)以下に加熱されたロール群上で接触昇温させて、長手方向に1.5〜5倍延伸し、これをいったん冷却した後に、テンタークリップに該フィルムの端部を噛ませて幅方向にポリエステル樹脂の(ガラス転移温度Tg+5℃)以上、(ガラス転移温度Tg+50℃)の温度雰囲気下の中で1.1〜5倍延伸し、二軸配向したポリエステル樹脂フィルムを得ることができる。
延伸が終了したフィルムは、さらに150〜230℃程度の温度で熱固定することにより、寸法安定性に優れたフィルムとすることができる。
このようにして得られたポリエステルフィルムはノンドリップなど優れた難燃性能を有し、耐熱性にも優れており、モーター用電気絶縁、ケーブル用電気絶縁、回路材料等の電気絶縁用途に好適な難燃性ポリエステルフィルムを得ることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
(1)ポリエステルフィルムに含まれる金属元素、リン元素の定量
アルカリ金属元素を除く金属元素、リン元素の含有量は、蛍光X線元素分析装置(リガク製 ZSX100e型)によって測定し、あらかじめ作成しておいた検量線を用いて含有量を求めた。
(2)ポリエステルフィルムに含まれるアルカリ金属元素の定量
原子吸光光度計(島津製作所製 AA6300型)(フレーム:アセチレン−空気)を用いて原子吸光法によって測定し、あらかじめ作成しておいた検量線を用いて含有量を求めた。
(3)キャスト性
押出機から押し出された溶融ポリエステルシートを10m/分の速度で静電印加キャストし、フィルム表面状態から下記のランク付けをおこなった。○と△を合格、×を不合格とした。
○:フィルムに空気噛み込み等による表面欠点が見られない。
△:フィルムのエッジ近傍に空気噛み込み等による欠点が見られるが、フィルム中央部には表面欠点が見られない。
×:フィルム中央部にも空気噛み込み等による表面欠点が観察される。
(4)ポリエステルフィルム中の環状三量体の定量
ポリエステルフィルム1gを20mlのオルトクロロフェノールに溶解し、内部標準を添加する。さらにメタノールを加えてポリマーを析出させて遠心分離によって上澄みを採取し、液体クロマトグラフを用いて定量した。
(5)固有粘度
オルトクロロフェノールを用いて25℃で測定した。
(6)難燃性評価
ASTM D4804法に則って評価した。
すなわち、長さ200ミリ、幅50ミリのフィルム試験片を円筒状に巻き、クランプに垂直に取り付け、20ミリ火炎による3秒間接炎を2回おこない、その燃焼挙動を判定した。該試験を5サンプルについて実施した。
◎:各試験片の燃焼時間が10秒以下であり、燃焼滴下物がないこと。
○:各試験辺の燃焼時間が10秒を超えて30秒以下であり、燃焼滴下物がないこと。
×:各試験辺の燃焼時間が30秒を超えたり、又は燃焼滴下物がある場合。
(7)酸素指数(LOI)
JIS K7201に則り、幅10ミリ、長さ150ミリのサンプルを用いて試験を実施した。
(8)破断伸度
フィルムサンプルの破断伸度はJIS C2318に則って測定した。
(9)耐熱性
フィルムを200℃の熱風中で処理し、処理前後において破断強度が半減する熱処理時間を求めた。破断強度については、JIS C2318に則って測定した。
(10)シリコーン化合物のシラノール基量測定
CDCl(1%テトラメトキシシラン)を溶媒して用い、29Si−NMRにおいて、−Si2/2(OH)、−SiO3/2のNMR測定を積算回数256回で測定し、積分ピーク比からシラノール(−OH)重量%を計算した。
(11)シリコーン化合物の重量平均分子量測定
シリコーン系化合物を縮合する際の反応時間を各々調整し、得られたシリコーン系化合物をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、重量平均分子量を測定した。
(参考例)シリコーン化合物の調製
SiOCl(M単位に相当)、RSiOCl(D単位に相当)、RSiOCl(T単位に相当)、SiOCl(Q単位に相当)を所望のモル比にて混合したのち水にて加水分解し、発生する塩酸はメタノールによって取り除いた。次いで水酸化カリウムを触媒として縮合し、M、D、T、Q単位の割合が異なるシリコーン系化合物を製造した。
<フェニル基、メチル基の割合>前記したR部分をそれぞれフェニル基、メチル基で置換し、モル比でフェニル基、メチル基の割合の異なるシリコーン系化合物を調製した。
<シラノール基の含有量>シリコーン系化合物を縮合する際の反応時間を各々調整し、得られたシリコーン系化合物を赤外分光分析によりシラノール基を測定した。また、シラノール基の含有量が0%の場合はシラノール基の封鎖剤としてRSiOClを過剰に添加し、シラノール基の含有量を0%とした。
<分子量>シリコーン系化合物を縮合する際の反応時間を各々調整し、得られたシリコーン系化合物をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、重量平均分子量を測定した。
得られたシリコーン化合物を表1に示す。
Figure 2007146049
実施例1
(ポリエステルの製造)
高純度テレフタル酸100重量部とエチレングリコール43重量部のスラリーを予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約120重量部が仕込まれ、温度が250℃に保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけて水を留出させながらエステル化反応を行い、このエステル化反応生成物の120重量部を重縮合槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合反応槽に、リン酸トリメチルを0.023重量部、酢酸マグネシウム4水塩を0.058重量部、三酸化アンチモンを0.023重量部添加した。
その後、低重合体を攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を100Paまで下げた。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてポリマーのペレットを得た。
得られたペレットは150℃で3時間真空乾燥させることで結晶化させ、ついで225℃で20時間真空下で加熱して固相重合を実施した。
元素分析をおこなったところ、Mg金属が57ppm、P元素が31ppm、Sb金属が165ppmであった。式(1)に従って計算すると比率は2.3となった。
固相重合が終了したポリエステルチップ95重量部に対して参考例で合成したシリコーン化合物Aを5重量部および平均粒子径が0.3μmの二酸化チタン粒子を0.2重量部ブレンドして2軸混練機(L/D=45)にて混練し、シリコーン化合物を含有したPETチップを得た。
(ポリエステルフィルムの製膜)
前記のPETチップを180℃で3時間真空乾燥し、単軸押出機に供給した。
PETチップは押出機にて280℃で溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、Tダイに供給しシート状に成形した後、ワイヤー状電極にて静電印加しながら、表面温度20℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。キャスト性は○であった。
得られたキャストフィルムは、90℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に3.0倍延伸後、テンターに導き、100℃の熱風で予熱後、横方向に3.3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で200℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、188μmであった。
得られたフィルムの特性を表2、3に示すが、耐熱性、難燃性に優れたフィルムであった。
実施例2〜10
シリコーン化合物をそれぞれB〜Jへ変更する以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。結果を表2、3に示すが、いずれも耐熱性、難燃性に優れたフィルムであった。
実施例11,12
実施例1の固相重合をおこなったPETチップを50重量部、GE Plastics社製ポリエーテルイミド樹脂(ULTEM1010)を50重量部の割合で溶融混練し、ポリエーテルイミド樹脂を50重量%含有するマスターバッチを作成した。
混練するシリコーン化合物をシリコーン化合物Cとし、前記マスターバッチをシリコーン化合物Cと同時に混合する以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。
得られたフィルムの特性を表2、3に示すが、耐熱性、難燃性に優れたフィルムであった。
実施例13
固相重合を施さない以外は実施例3と同様にしてフィルムを得た。耐熱性やオリゴマー含有量が実施例3より劣るものの、難燃性は良好であった。
実施例14
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル116重量部とエチレングリコール59重量部、酢酸マグネシウム4水塩0.058重量部、三酸化アンチモン0.023重量部をエステル交換反応槽に仕込み、温度を235℃まで昇温しながら発生するメタノールを留出させ、エステル交換反応をおこなった。エステル交換反応が終了したらリン酸トリメチルを0.023重量部添加し、得られた低重合体を重合装置へ移行した。
その後、低重合体を攪拌しながら、反応系を290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を100Paまで下げた。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてポリマーのペレットを得た。
元素分析をおこなったところ、Mg金属が57ppm、P元素が31ppm、Sb金属が165ppmであった。式(1)に従って計算すると比率は2.3となった。
固相重合が終了したポリエステルチップ95重量部に対して参考例で合成したシリコーン化合物Aを5重量部ブレンドして2軸混練機(L/D=45)にて混練し、シリコーン化合物を含有したPENチップを得た。
(ポリエステルフィルムの製膜)
前記のPENチップを180℃で3時間真空乾燥し、単軸押出機に供給した。
PENチップは押出機にて290℃で溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、Tダイに供給しシート状に成形した後、ワイヤー状電極にて静電印加しながら、表面温度20℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。キャスト性は○であった。
得られたキャストフィルムは、135℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に4.0倍延伸後、テンターに導き、135℃の熱風で予熱後、横方向に4.0倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で200℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、188μmであった。
得られたフィルムの特性を表2、3に示すが、耐熱性、難燃性に優れたフィルムであった。
実施例15
実施例1のポリエステル重合における酢酸マグネシウム4水塩添加量を0.012重量部とする以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。フィルム表面にはキャスト時の空気巻き込みによる表面欠点が見受けられた。
実施例16
実施例1のポリエステル重合における酢酸マグネシウム4水塩添加量を0.125重量部とする以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。該フィルムは金属成分を多く含むため、固相重合によって減少した環状オリゴマーがフィルム成型時に再生しやすく、また耐熱性も実施例1に比較すると劣るものであった。
比較例1
シリコーン化合物を使用しない以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。難燃性は×であった。
比較例2
シリコーン化合物を使用しない以外は実施例14と同様にしてフィルムを得た。難燃性は×であった。
比較例3
実施例11において、シリコーン化合物を添加せず、ポリエーテルイミド樹脂のみを20wt%添加して実施例11と同様にしてフィルムを得た。耐熱性は向上するものの難燃性は×であった。
比較例4
酢酸マグネシウム添加量を変更する以外は実施例15と同様にしてフィルムを得た。キャスト時の静電印可性に欠けるため、フィルム表面には多くの欠点が見られた。
比較例5
酢酸マグネシウム添加量を変更する以外は実施例16と同様にしてフィルムをえた。マグネシウム含有量が多いため、キャスト性が悪化してしまい、環状オリゴマー再生量も多く、耐熱性もさらに低下するなど実施例16よりも劣ったフィルムとなった。
比較例6
シリコーン化合物量を0.08%とする以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。シリコーン化合物量が少ないため、難燃性は発現しなかった。
比較例7
シリコーン化合物の量を10重量%とする以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。シリコーン化合物が多過ぎたため、フィルムの破断伸度が低下するなど特性が悪化した。
本発明の難燃性ポリエステルフィルムはノンドリップ型の優れた難燃性を示し、特にモーター、ケーブル、回路基盤等の電気絶縁フィルムに好ましく用いることができる。
Figure 2007146049
Figure 2007146049

Claims (8)

  1. SiO0.5、RSiO1.0、RSiO1.5、SiO2.0(R1〜3は有機基)で示される単位の少なくともいずれかを含むシリコーン系化合物を0.1〜9重量%含有し、かつ式(1)を満足する難燃性ポリエステルフイルム。
    0.5≦(Ma/2+Mb)/P≦5.0 ・・・(1)
    (Maはポリエステルフィルム1ton中に含有されるアルカリ金属元素のモル数、Mbはポリエステルフィルム1ton中に含有されるアルカリ土類金属元素のモル数、Pはポリエステルフィルム1ton中に含有されるリン元素のモル数)
  2. 前記シリコーン系化合物の有機基(R1〜3)がフェニル基を含み、且つ該フェニル基の含有量がシリコーン系化合物を構成する全有機基に対してモル比で30%以上であり、シリコーン系化合物に含まれるシラノール基が2重量%以上10重量%以下である請求項1に記載の難燃性ポリエステルフイルム。
  3. 前記シリコーン系化合物の重量平均分子量が500以上300000以下である請求項1または2に記載の難燃性ポリエステルフイルム。
  4. 前記シリコーン系化合物がRSiO1.5の単位を含み、且つRSiO1.5の含有量がモル比で87.5%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性ポリエステルフイルム。
  5. イミド構造を有する化合物を5〜30重量%含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性ポリエステルフイルム。
  6. 前記イミド構造を有する化合物がポリエーテルイミドである請求項5に記載の難燃性ポリエステルフイルム。
  7. 環状オリゴマー含有量が0.2〜0.7重量%の範囲である請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性ポリエステルフイルム。
  8. 電気絶縁用途に使用される請求項1〜7のいずれかに記載の難燃性ポリエステルフイルム。
JP2005344362A 2005-11-29 2005-11-29 難燃性ポリエステルフィルム Expired - Fee Related JP4876551B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005344362A JP4876551B2 (ja) 2005-11-29 2005-11-29 難燃性ポリエステルフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005344362A JP4876551B2 (ja) 2005-11-29 2005-11-29 難燃性ポリエステルフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007146049A true JP2007146049A (ja) 2007-06-14
JP4876551B2 JP4876551B2 (ja) 2012-02-15

Family

ID=38207838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005344362A Expired - Fee Related JP4876551B2 (ja) 2005-11-29 2005-11-29 難燃性ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4876551B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150314575A1 (en) * 2012-12-03 2015-11-05 Illinois Tool Works Inc. Insulation film and method for making insulation film
US9942989B2 (en) 2013-11-21 2018-04-10 Illinois Tool Works Inc. Insulation film and method for making insulation film

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000159910A (ja) * 1998-12-01 2000-06-13 Teijin Ltd 離形フィルムおよびその製造方法
JP2001311081A (ja) * 2000-04-27 2001-11-09 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 難燃剤
JP2003268211A (ja) * 2002-01-11 2003-09-25 Toray Ind Inc 2軸配向ポリエステルフィルム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000159910A (ja) * 1998-12-01 2000-06-13 Teijin Ltd 離形フィルムおよびその製造方法
JP2001311081A (ja) * 2000-04-27 2001-11-09 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 難燃剤
JP2003268211A (ja) * 2002-01-11 2003-09-25 Toray Ind Inc 2軸配向ポリエステルフィルム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150314575A1 (en) * 2012-12-03 2015-11-05 Illinois Tool Works Inc. Insulation film and method for making insulation film
US10300684B2 (en) 2012-12-03 2019-05-28 Illinois Tool Works Inc. Insulation film and method for making insulation film
US10576717B2 (en) 2012-12-03 2020-03-03 Illinois Tool Works Inc. Insulation film and method for making insulation film
US11292235B2 (en) 2012-12-03 2022-04-05 Illinois Tool Works, Inc. Insulation film and method for making insulation film
US9942989B2 (en) 2013-11-21 2018-04-10 Illinois Tool Works Inc. Insulation film and method for making insulation film

Also Published As

Publication number Publication date
JP4876551B2 (ja) 2012-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5081910B2 (ja) 電気絶縁用二軸配向フィルム
JP2021504512A (ja) ポリエステル樹脂組成物およびこれを含む二軸延伸ポリエステルフィルム
JP5594005B2 (ja) 二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム
WO2017169662A1 (ja) フィルムおよびそれを用いた電気絶縁シート、粘着テープ、回転機
JP5243135B2 (ja) 太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムおよび太陽電池裏面保護膜
JP4876551B2 (ja) 難燃性ポリエステルフィルム
JP2008266600A (ja) 二軸配向フィルム
JP5423464B2 (ja) 二軸配向積層フィルム
JP5640421B2 (ja) 太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム
JP2000162596A (ja) 液晶ディスプレイ工程紙用ポリエステルフィルム
JP2004107471A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2006169512A (ja) 二軸配向フィルム
JP4665428B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
WO2015072560A1 (ja) 太陽電池用ポリエステルフィルムおよびそれからなる太陽電池用保護膜
JP4707206B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2005002265A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP4951156B2 (ja) ポリエステルフィルム
JP2007291222A (ja) 二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルムおよび二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルムの製造方法
JP2005329580A (ja) 二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム
JP2005169972A (ja) 二軸配向積層フィルムおよび二軸配向積層フィルムの製造方法
JP2003082199A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2005169767A (ja) 二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム
KR101010996B1 (ko) 폴리에스테르 필름
JP2005335226A (ja) 耐熱性多層シート
JP2002245857A (ja) 電気絶縁用二軸配向フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111101

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111114

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141209

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees