JP2000159910A - 離形フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

離形フィルムおよびその製造方法

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JP2000159910A
JP2000159910A JP10341750A JP34175098A JP2000159910A JP 2000159910 A JP2000159910 A JP 2000159910A JP 10341750 A JP10341750 A JP 10341750A JP 34175098 A JP34175098 A JP 34175098A JP 2000159910 A JP2000159910 A JP 2000159910A
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compound
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Hiroyuki Sumi
洋幸 角
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熱安定性や表面平坦性に優れ、また離形フィ
ルムとしての平面性も優れ、樹脂シート等の成形時の熱
による変形も非常に小さく、また断裁精度等の加工性に
優れるシート類を製造する離形フィルムとその製造方法
を提供する。 【解決手段】 主としてナフタレンジカルボン酸低級ア
ルキルエステルとエチレングリコールとからなるポリエ
チレンナフタレートからなる離形フィルムであり、該ポ
リエチレンナフタレートがマグネシウム化合物、カルシ
ウム化合物、リン化合物およびアンチモン化合物を特定
の割合で含有し、かつ該基材フィルム表面の中心線平均
粗さ(Ra)が1〜100nmであることを特徴とする
離形フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は離形フィルムおよび
その製造法に関し、さらに詳しくは熱安定性に優れ、か
つ異物が少なく平面性および平坦性に優れ、樹脂シー
ト、樹脂被膜製造用キャリヤーフィルム、セラミックシ
ート等の成形用キャリヤーフィルムあるいは粘着テープ
の粘着剤層の保護フィルム等に有用な離形フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】離形フィルムは、樹脂シート、樹脂被膜
あるいはセラミックシート等を成形する際のキャリヤー
フィルム、あるいは粘着テープや粘着シート等の粘着剤
層の保護フィルムとして用いられる。樹脂シートは、例
えば塩化ビニル等からなる樹脂溶液をキャリヤーフィル
ム上に塗工(流延)した後、溶媒を加熱除去し、キャリ
ヤーフィルムを剥離分離することにより成形され、マー
キングシート等の用途に使用される。樹脂被膜は、例え
ば粘着剤となる樹脂を溶媒に溶解した塗液をキャリヤー
フィルムの表面に塗布した後、加熱して溶媒を除去する
ことにより製造される。セラミックシートは、例えばセ
ラミック粉体とバインダー剤等を溶媒に分散させたスラ
リーをキャリヤーフィルムの表面に塗工した後、溶媒を
加熱除去し、キャリヤーフィルムを剥離除去することに
より成形される。保護フィルムは、粘着剤を保護フィル
ムの上に直接塗布し、これを粘着テープや粘着シートと
なる製品又は中間製品の基材に貼り合せ、保護フィルム
の剥離時は粘着剤は基材に転写することになるが、剥が
さない場合はそのまま製品を保護するために使用され
る。また、製品又は中間製品となる基材の上に直接粘着
剤を塗布し、その上から保護フィルムを貼り合せること
で保護するためにも使用される。
【0003】近年、離形フィルムを使用してこのような
樹脂シート、樹脂被膜やセラミックシート等を成形した
り、また、粘着テープや粘着シート等に貼り合せて保護
フィルムに使用されることが多くなってきた。中でも電
子部品や光学用部品等の高性能を要する用途、特にセラ
ミックシートや樹脂シートにおいては、従来にもまして
均一な厚みと高い表面平坦性が求められている。即ち、
セラミックシートは、コンデンサ等のセラミック電子部
品を製造する際に積層されることが多く、コンデンサの
静電容量を増すために厚みを薄くし、さらに多層積層す
ることが多くなってきている。また、セラミックシート
や樹脂シートは、回路基板として複雑なパターン化や積
層技術も進み、スルーホールの位置合わせを高精度で、
またより小型化で製造されることが多い。
【0004】そのため、上記樹脂シートやセラミックシ
ート等は、均一な厚みで、精度よく、しかもより平滑な
表面であるものである必要がある。このような樹脂シー
トやセラミックシート等を製造するために、樹脂溶液、
粘着剤やセラミックスラリー等の塗液を塗工する設備に
高精度なものを求めるだけでなく、シートを形成するた
めのキャリヤーフィルムにも、剥離後に得られた樹脂シ
ート等のシート面の平坦性、たるみやロール巻きぐせの
ない平面性、熱処理後の寸法安定性、さらには打抜き、
断裁等での加工性が求められる。
【0005】これらのキャリヤーフィルム用の基材フィ
ルムには、各種のフィルム、例えばOPP等のオレフィ
ン系フィルムや二軸配向ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム等が使用されている。例えば、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムはほとんどの場合、巻取り性向上の
目的でフィラー等を添加し表面を粗面化している。した
がって、特にフィラーが多量に添加された粗い表面を有
するポリエチレンテレフタレートフィルムをキャリヤー
フィルムとして使用した場合、成形された樹脂シートや
セラミックシート等は、樹脂溶液等を塗布した時に、場
合によってはその突起によりピンホールが発生し、均一
な薄膜層シートが得られなくなり、製品に不具合を生ず
る。また、成形されたシートを積層する場合、積層した
界面に空隙が入りやすい等の問題が発生することがあ
る。
【0006】一方、フィラー等の大きさ(平均粒径)を
小さくしたり添加量を低減すると、基材フィルムの表面
粗さが小さくなり過ぎ、巻取りロールにおいてフィルム
同士の接触面積が大きくなり、ブロッキングによる剥離
異常等が発生したり、また滑りが悪くなり、工程で使用
する時の搬送性に問題が発生することがある。
【0007】さらに、離形フィルムは樹脂溶液やセラミ
ックスラリーを塗工した後、溶媒除去のため加熱処理さ
れるが、この加熱温度は、離形フィルムに用いられる基
材フィルムのガラス転移温度(Tg)付近かまたはそれ
以上であることが多く、このため離形フィルムに寸法変
化やシワ等の熱変形が生じ、成形された樹脂シート類の
厚みムラや平面性が悪化し品質が低下する問題がある。
特に、樹脂シート類の生産性を向上させるため、加熱処
理時間を短縮するため加熱温度を高くすると、前述の問
題がより顕在化することが懸念される。
【0008】また、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムやポリエチレンナフタレートフィルムにおいては、ポ
リマーの重合触媒として用いた化合物やそれらが反応し
て生成する生成物がポリマー中に析出し、得られるフィ
ルムの表面に微細な凹凸を形成してフィルムの表面平坦
性が悪化する問題がある。この問題を解決するために、
触媒添加量の最適化、添加方法の最適化が種々検討され
てきたが、特にポリエチレンナフタレートフィルムにつ
いては、十分に満足のいく結果が得られておらず、離形
フィルムとして前述の用途に使用するには限界があっ
た。
【0009】また、離形フィルムは樹脂溶液やセラミッ
クスラリーを塗工する前は、一般にロール状に巻かれて
いることが多いが、それらを塗工するために巻き出す時
に時としてたるみや巻きぐせが発生することがある。こ
れにより、塗工された樹脂シートの平面性が損なわれる
ことが懸念される。さらに製膜条件によっては製造され
た基材フィルムの中に、内部応力が残留し樹脂溶液等を
塗工した際、それらが急激に緩和され局所的にたるみが
発生し、塗工して得られる樹脂シートの平面性が損なわ
れることがある。
【0010】さらに、離形フィルムの基材フィルムとし
てポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレン
ナフタレートフィルムを製造するには、多くの場合二軸
延伸法を用いる。二軸延伸法とは、ポリマーを溶融し、
これをダイから回転している金属ドラムにシート状に押
出し冷却して得られる未延伸シートを機械軸方向および
その直角方向に延伸してフィルムを製造する方法であ
る。この製造方法において生産性よく未延伸シートを得
る方法として静電密着法が知られている。押出しポリマ
ーの静電密着性を向上させるために、ポリマーにアルカ
リ金属化合物などをあらかじめ添加し、ポリマー溶融時
の電気抵抗を低減させる方法が知られているが、反面こ
れらのアルカリ金属化合物などが原因で前述の触媒化合
物の析出が増加し、フィルムの表面平坦性が低下するこ
とがある。従って、フィルムの生産性すなわち静電密着
性と表面平坦性を両立することは困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を解消し、基材フィルムからの析出物
がほとんどなく、各種樹脂シート、樹脂被膜、セラミッ
クシート等の成形において、優れた平面性および平坦性
を奏し、加熱処理時での熱変形が非常に小さく、かつ加
工性に優れる離形フィルムを提供することにある。さら
に本発明のもう一つの目的は、かかる離形フィルムの製
造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の2つの
構成からなる。 1.ポリエチレンナフタレートからなるフィルムを基材
フィルムとする離形フィルムであって、該ポリエチレン
ナフタレートが、主としてナフタレンジカルボン酸低級
アルキルエステルとエチレングリコールとから得られる
ポリマーであり、マグネシウム化合物、カルシウム化合
物、リン化合物およびアンチモン化合物を下記式(1)
〜(4)を同時に満足する割合で含有し、かつ該基材フ
ィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)が1〜100nm
であることを特徴とする離形フィルム。 1.0≦Ca+Mg<2.6 ・・・(1) 3.0≦Mg/Ca≦6.0 ・・・(2) 2.3≦(Ca+Mg)/P≦7.0 ・・・(3) 0.4≦Sb≦2.0 ・・・(4) (上記式中、Mg、CaおよびPはそれぞれナフタレン
ジカルボン酸低級アルキルエステル106g当りのマグ
ネシウム化合物のモル数、カルシウム化合物のモル数お
よびリン化合物のモル数を表わし、Sbはナフタレンジ
カルボン酸低級アルキルエステル106g当りのアンチ
モン元素のグラム原子数を表わす。) 2.上記離形フィルムの基材フィルムを二軸延伸法にて
製造する工程において、二軸延伸後にポリエチレンナフ
タレートのガラス転移温度より60〜140℃高い温度
範囲で熱固定処理することを特徴とする離形フィルムの
製造方法。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の第1の構成である離形フィルムについて説明す
る。本発明の離形フィルムの基材フィルムとしては、ポ
リエチレンナフタレートからなるフィルムを用いる。ポ
リエチレンナフタレートとしては、主としてナフタレン
ジカルボン酸の低級アルキルエステルとエチレングリコ
ールとを重縮合して得られるポリエチレンナフタレート
(以下PENと略することがある)である。
【0014】このナフタレンジカルボン酸としては、例
えば2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸等
をあげることができるが、これらの中で特に2,6−ナ
フタレンジカルボン酸が好ましい。
【0015】ナフタレンジカルボン酸でないジカルボン
酸のみを用いた場合、例えばフィルムに成形し、巻き取
った時の巻きぐせが残存し、フィルムの平面性が損なわ
れ好ましくない。
【0016】かかるPENポリマーは、離形フィルムの
耐熱変形性を損なわない範囲で、例えば芳香族ジカルボ
ン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニル
エタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカル
ボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アントラセン
ジカルボン酸等)、脂肪族ジカルボン酸(例えばアジピ
ン酸、コハク酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸
等)、脂環族ジカルボン酸(例えばシクロヘキサン−
1,4−ジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボ
ン酸等)、脂肪族オキシ酸(例えばヒドロキシ安息香酸
オキシ酸、ω−ヒドロキシカプロン酸等)などの成分
を、全酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合ある
いは結合させることができる。
【0017】PENフィルムを構成するエチレングリコ
ール以外のグリコール成分としては、脂肪族グリコール
(例えばトリメチレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、デカメチレングリコール等の炭素数3〜10
のポリメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル等)、芳香族ジオール(例えばハイドロキノン、レゾ
ルシン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン等)、ポリ(オキシ)アルキレングリコール(例え
ばポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール等)を例示することができるが、これら他のグリコ
ール成分の割合は、全グリコール成分当り20モル%以
下であることが好ましい。
【0018】また、PENポリマーには、離形フィルム
の耐熱変形性を損なわない範囲でエチレングリコール以
外のグリコール成分、例えばグリセリン、ペンタエリス
リトール、トリメリット酸、ピロメリット酸等のような
三官能以上を持つ化合物を、実質的に線状のポリマーが
得られる範囲内で、また本発明の効果を損なわない限り
において極小量共重合してもよい。
【0019】さらに、PENポリマーは、その耐加水分
解性を向上させるために、例えば安息香酸、メトキシポ
リアルキレングリコール等の一官能性化合物によって末
端の水酸基および/またはカルボキシル基の一部または
全部を封鎖したものであってもよい。
【0020】本発明におけるPENフィルムは、従来の
ポリエステルの製造方法によって製造することができる
が、エステル交換反応法、即ちナフタレンジカルボン酸
の低級アルキルエステルとエチレングリコールとを主た
る単量体として用い、エステル交換反応、重縮合反応の
順に反応させて製造するのが好ましい。PENポリマー
の製造方法については後述する。
【0021】かかる低級アルキルエステルを構成する低
級アルキルとしては、例えば、炭素数1〜6のアルキ
ル、具体的にはメチル、エチル、プロピル等をあげるこ
とができ、特にジメチルエステルが好ましい。
【0022】本発明に用いるPENポリマーは、o−ク
ロロフェノール溶液中にて35℃で測定した固有粘度が
0.40〜0.90dl/gの範囲であることが好まし
く、特に0.50〜0.85dl/gの範囲にあること
が好ましい。固有粘度が上記範囲であると、耐熱性に優
れたPENフィルムが得られやすく、また溶融ポリマー
の押出し性および製膜性が良好となる。
【0023】なお、本発明におけるPENポリマーに
は、その効果を損なわない範囲で、滑り性を付与し、フ
ィルムの巻取り性を良好なものとするため、平均粒径が
0.01〜20μm、好ましくは0.1〜5μmの無機
微粒子あるいは有機微粒子を添加することができる。
【0024】かかる微粒子は、結果として基材フィルム
表面の中心線平均粗さ(Ra)が1〜100nmの範囲
になる割合、例えば0.001〜10重量%含有させる
ことが好ましく、特に好ましくは0.01〜3重量%含
有させることが好ましい。
【0025】かかる微粒子の具体例として、二酸化ケイ
素、無水ケイ素、含水ケイ素、酸化アルミニウム、カオ
リン、炭酸カルシウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウ
ム(焼成物、水和物等を含む)、安息香酸リチウム、硫
酸バリウム、これらの化合物の複塩(水和物を含む)、
カーボンブラック、ガラス粉、粘土(カオリン、ベンナ
イト、白土等を含む)等の無機微粒子や、架橋アクリル
樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、架橋シリ
コーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の有機微粒子を好
ましく挙げることができる。
【0026】本発明の効果を維持するためには、上記微
粒子は相互作用での性能変化を防ぐため、不活性粒子で
あることが好ましい。また、これらの微粒子は1種類で
あってもよく、2種類以上であってもよい。PENポリ
マーはポリエチレンテレフタレートポリマーに比べてそ
の分子鎖が剛直でフィルムのスティフネスが高いため、
かかる微粒子の配合量がポリエチレンテレフタレートポ
リマーより少なくても滑り性が良く、十分な巻取り性を
得ることができる。
【0027】また、上記微粒子を含有させる方法として
は、基材フィルムの少なくとも片面にこれらの微粒子を
含有した層を薄く積層する方法も用いることができる。
積層方法としては、フィルム製膜時に塗設したり、ま
た、例えば複数の押出し機並びにフィードブロックやマ
ルチマニフォールドダイによる共押出し法が挙げられ
る。
【0028】前記微粒子以外にも、フィルムの表面平坦
性、熱安定性を損なわない範囲で、例えば安定剤、紫外
線吸収剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、光安定剤、酸
化防止剤等の添加剤をPENポリマーに配合することが
できる。また他の熱可塑性樹脂を少量(例えば20重量
%以下、特に10重量%以下)添加することもできる。
【0029】本発明におけるPENポリマーの製造にお
いては、ナフタレンジカルボン酸の低級アルキルエステ
ルとエチレングリコールからなる混合物に、エステル交
換反応触媒として反応系に可溶なマグネシウム化合物及
びカルシウム化合物を加えてエステル交換反応を行う。
【0030】マグネシウム化合物及びカルシウム化合物
の合計添加量は、1.0モル以上2.6モル未満の範囲
である必要があり、1.0モル以上2.3モル以下の範
囲であることが好ましい。
【0031】なお、上記および後述のマグネシウム化合
物、カルシウム化合物およびリン化合物の量を示す単位
において、モルとはナフタレンジカルボン酸の低級アル
キルエステル106g当りのそれぞれの化合物のモル数
を表わす。
【0032】エステル交換触媒としての、マグネシウム
化合物及びカルシウム化合物の合計添加量は、その量が
少ないほど触媒残渣による析出粒子が減少し、フィルム
に成形した時に表面平坦性が向上する。
【0033】本発明におけるエステル交換反応条件は、
エステル交換触媒を添加後30分以内で反応混合物の温
度を160℃とすることが、フィルムに成形した時の異
物を少なくすることができるため好ましい。特に、該合
計添加量を1.0モル以上2.3モル以下の範囲とし、
エステル交換反応を0.1〜1kg/cm2加圧下、特
に0.2〜1kg/cm2の加圧下で行うと、エステル
交換触媒を添加後、迅速に160℃まで昇温することが
でき、結果的に析出異物を少なくすることができ、得ら
れる離形フィルムの表面平坦性を向上させることができ
るため好ましい。
【0034】マグネシウム化合物及びカルシウム化合物
の合計添加量が2.6モルを超えると、触媒残渣による
析出粒子の影響で、フィルムを成形した場合に表面平坦
性が悪化し、またフィルムの透明性が不良となることが
あり、さらにそのフィルムの上に離形層を設ける場合、
特に付加反応型シリコーン樹脂等を塗布する場合、シリ
コーンの硬化に対して析出粒子が触媒毒となり、シリコ
ーンの硬化が不十分になることがある。他方、該添加量
が1.0モル未満では、エステル交換反応が不十分とな
るばかりか、その後の重合反応も遅くなるので好ましく
ない。
【0035】また、前記カルシウム化合物に対するマグ
ネシウム化合物の割合(モル比)は3.0〜6.0の範
囲である必要があり、好ましくは4.0〜5.0の範囲
である。このモル比が6.0を超えても、3.0未満で
も、エステル交換反応が完結し難くなるため固有粘度の
低いポリマーしか得られず、フィルムに成形した時に高
強度のフィルムが得られないので好ましくない。
【0036】本発明に用いるマグネシウム化合物及びカ
ルシウム化合物は、特に限定されないが、それぞれ酸化
物、塩化物、炭酸塩、カルボン酸塩等が好ましく、特に
酢酸塩、即ち酢酸マグネシウム、酢酸カルシウムが好ま
しい。
【0037】次に、本発明におけるPENポリマーの製
造においては、上記エステル交換反応が実質的に完結し
た時に、エステル交換反応触媒の一部を失活させるため
にリン化合物を添加する。
【0038】このリン化合物に対するエステル交換反応
触媒、即ちマグネシウム化合物及びカルシウム化合物の
合計添加量の割合(Mg+Ca)/Pは2.3〜7.0
の範囲である必要があり、好ましくは3.5〜6.0の
範囲である。このモル比が2.3に満たない場合には、
フィルムの製造工程における静電密着性が悪化し、フィ
ルムの生産性が低下し、また、過剰のリン化合物の触媒
残渣による析出粒子の影響でフィルムを成形した場合に
表面平坦性が悪化し、また、そのフィルムの上に離形層
を設ける場合、特に付加反応型シリコーン樹脂等を塗布
する場合、シリコーンの硬化に対して触媒毒となり、シ
リコーンの硬化が不十分になることが懸念される。他方
このモル比が7.0を超える場合には、リン化合物によ
り十分に失活されないマグネシウム化合物やカルシウム
化合物の活性により、PENポリマーの熱安定性等が悪
化し、フィルムに成形した場合に、強度が低下したり、
色相が悪くなったり、平坦性が悪くなったりして好まし
くなく、またそのフィルムの上に離形層を設ける場合、
特に付加反応型シリコーン樹脂等を塗布する場合、シリ
コーンの硬化に対して触媒毒となり、シリコーンの硬化
が不十分になることが懸念される。
【0039】本発明に用いるリン化合物としては、特に
限定されないが、トリメチルホスフェート、トリエチル
ホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、リン酸
等が挙げられる。特に好ましくはトリメチルホスフェー
トである。
【0040】本発明におけるPENポリマーの製造にお
いては、リン化合物を添加後、反応生成物を重縮合反応
させてPENポリマーとする。
【0041】その際、反応生成物に重縮合反応の主たる
触媒としてアンチモン化合物を添加する。なお、アンチ
モン化合物は、エステル交換反応開始前に添加しても良
い。
【0042】アンチモン化合物の添加量は、0.4〜
2.0原子の範囲である(ここで「原子」とはアンチモ
ン化合物に含まれるアンチモン元素のナフタレンジカル
ボン酸の低級アルキルエステル106g当りのグラム原
子数を示す。以下「原子」と略記する。)。この添加量
が0.4原子未満であると、重縮合反応性が劣り生産性
不良となり好ましくない。他方、添加量が2.0原子よ
り多くなると、長時間のフィルム成形を行った場合、ア
ンチモン化合物に基因する析出物が生じフィルム欠点と
なったり、また、フィルム上に離形層を設ける場合、特
に付加反応型シリコーン樹脂等を塗布する場合、シリコ
ーンの硬化に対して触媒毒となり、シリコーンの硬化が
不十分になるので好ましくない。
【0043】本発明で用いるアンチモン化合物は、特に
限定されないが、酸化物、塩化物、炭酸塩、酢酸塩、カ
ルボン酸塩等が好ましく、特に酢酸アンチモン、三酸化
アンチモンを用いた時、他の化合物に比べポリマー中の
析出粒子が少なく、フィルム透明性が向上するので好ま
しい。
【0044】本発明の離形フィルムの基材フィルムを構
成するPENフィルムは、本発明の第2の構成である製
造方法によって製造される。なお、本発明の第2の構成
以外の工程の製造方法、製造条件については公知の製造
方法(例えば逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法等)、製
造条件を用いることができる。例えば以下に逐次二軸延
伸法について説明する。
【0045】まず、PENポリマーを十分に乾燥させて
から、Tm〜(Tm+70)℃(Tm;PENポリマー
の融点)の温度で溶融押出し法にて未延伸フィルムを製
造する。続いて該未延伸フィルムを(Tg−10)〜
(Tg+50)℃(Tg;PENポリマーのガラス転移
温度)の温度でフィルムロール巻取り方向に2〜6倍延
伸し、次いでTg〜(Tg+50)℃の温度でその垂直
方向に2〜6倍延伸を行ない、二軸延伸フィルムを製造
する。なお、溶融押出しの際、静電密着法を使用するこ
とが好ましい。また、巻取り方向およびその垂直方向で
の延伸条件は、得られる二軸配向PENフィルムの物性
がその長手方向および幅方向においてほぼ等しくなるよ
うな条件を選択するのが好ましい。
【0046】そして、引き続き(Tg+60)〜(Tg
+140)℃の温度で5秒〜1分間熱固定処理すること
により本発明の離形フィルムの基材フィルムとなる二軸
配向PENフィルムを製造することができる。なお、熱
固定処理は緊張下または制限収縮下に行なってもよい。
【0047】本発明の第2の構成である製造方法にて得
られる基材フィルムを用いた離形フィルムは、たるみや
ロール巻きぐせがなく、高強度である。
【0048】該熱固定温度において、(Tg+60)℃
より低いと、フィルムでの巻取り状で保管した場合、時
によっては巻きぐせが残留したり、フィルム内部で層間
剥離が起こることが懸念される。他方(Tg+140)
℃よりも高いと、過度のフィルム結晶化のため白化して
しまい、透明や機械強度が不十分となってしまう。
【0049】同時二軸延伸を用いる場合も上記逐次二軸
延伸法で例示した延伸温度、延伸倍率を適用することが
でき、熱固定温度を同じ条件範囲とすることで製造する
ことができる。
【0050】また、本発明における基材フィルムはその
フィルムロールの巻き方向およびその垂直方向とも弾性
率が1.0×1011〜1.7×1011dyne/cm2
の範囲であることが好ましい。弾性率が1.0×1011
dyne/cm2より小さいと断裁等の打抜きにおいて
バリ、反り等が発生し易い。また、1.7×1011dy
ne/cm2より大きいと断裁時必要以上に切り込みが
進み、所定の断裁がし難い。
【0051】本発明における基材フィルムは、フィルム
の密度が1.360〜1.370g/cm3であること
が好ましい。フィルムの密度が1.360g/cm3
満であると延伸により配向された分子が十分な結晶に成
長しておらず寸法安定性に劣り、他方1.370g/c
3を超えると高結晶化となりフィルムが脆くなり耐衝
撃性に劣る。かかる寸法安定性は自由長さにおいて20
0℃、10分熱処理した後の熱収縮率の絶対値が、フィ
ルムロールの巻き方向およびその垂直方向とも1.0%
以下が好ましい。熱収縮率の絶対値をかかる範囲とする
には基材フィルムの密度を1.360〜1.370g/
cm3の範囲にすることで達成できる。
【0052】さらに、本発明における基材フィルムは、
フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)が1〜100n
mである必要があり、6〜40nmが好ましい。中心線
平均粗さ(Ra)が1nm未満ではフィルムの滑り性が
悪化し巻取り性が悪くなり、他方100nmを超えると
フィルム表面の粗さが大きくなり過ぎ、このフィルムを
離形フィルムとして使用した時、その上にキャストして
成形された樹脂シート等の表面が粗くなり、平滑な面が
得られなくなるので好ましくない。
【0053】本発明に用いる基材フィルムの厚みは5〜
500μmであることが好ましく、特に10〜200μ
mであることが好ましい。
【0054】本発明においては、基材フィルムの少なく
とも片面に離形層を設けることが好ましい。離形層を構
成する成分としては、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹
脂および脂肪族ワックス等を挙げることができる。ま
た、キャスティングされる樹脂によっては離形層を設け
なくても良い。
【0055】かかる離形層を形成する成分には、本発明
の目的を妨げない範囲で公知の各種添加剤を配合するこ
とができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収
剤、顔料、消泡剤、帯電防止剤等を挙げることができ
る。
【0056】離形層の塗設は離形層を形成する成分を含
む塗液を基材フィルムに塗布し、加熱乾燥させて塗膜を
形成させることにより行なうことができる。加熱条件と
しては80〜160℃で10〜120秒間、特に120
〜150℃で20〜60秒間が好ましい。塗布方法は、
任意の公知の方法が使用でき、例えばロールコーター
法、ブレードコーター法等が好ましく挙げられる。
【0057】本発明においては、基材フィルムと離形層
の密着性を高めるために、基材フィルムと離形層の間に
接着層を設けることが好ましい。この接着層を形成する
成分としては、例えば離形層がシリコーン樹脂層の場
合、シランカップリング剤が好ましい。このシランカッ
プリング剤としては一般式Y−Si−X3で表されるも
のがさらに好ましい。ここで、Yは例えばアミノ基、エ
ポキシ基、ビニル基、メタクリル基、メルカプト基等で
代表される官能基、Xはアルコキシ基で代表される加水
分解性の官能基を表す。かかる接着層の厚みは、0.0
1〜5μmの範囲が好ましく、0.02〜2μmの範囲
が特に好ましい。接着層の厚みが上記の範囲であると基
材フィルムと離形層の密着性が良好となり、かつ接着層
を設けた基材フィルムがブロッキングしにくいため、離
形フィルムの取り扱いで問題が生じにくい利点がある。
【0058】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお、各特性値は下記の方法で測定した。また、実
施例での「部」は重量部を意味する。
【0059】(1)ガラス転移温度(Tg) 示差走査熱量計(DSC、Du Pont製DSC21
00型)を用い、20℃/分の昇温速度でガラス転移ピ
ーク温度を求めた。
【0060】(2)中心線平均粗さ(Ra) 触針式表面粗さ計(小坂研究所(株)製、サーフコーダ
30C)を用いて針の半径2μm、触針圧30mgの条
件下でフィルム表面をスキャンし、フィルム表面の変位
を測定し、表面粗さ曲線を記録した。なおカットオフ値
は80μmである。この表面粗さ曲線から、その中心線
の方向に測定長さ(L)を抜き取り、X軸をスキャン距
離、Y軸を表面変位としたときの表面粗さ曲線(Y=f
(x))から下記式で計算した。
【0061】
【数1】
【0062】(3)固有粘度 o−クロロフェノール溶液中にて35℃で測定した。
【0063】(4)基材フィルムの熱安定性 基材フィルム作成前後のポリマーの固有粘度より下記式
を用いて熱劣化指数を求め、PENポリマーの熱安定性
を評価した。 熱劣化指数=([ηo]/[ηx])−1 但し、[ηo]:フィルム作成前のポリマーの固有粘度 [ηx]:フィルム作成後のフィルムのポリマーの固有
粘度 <熱安定性の判定基準> ○: 熱劣化指数≦0.05 △: 0.05<熱劣化指数≦0.10 ×: 0.10<熱劣化指数
【0064】(5)静電密着性 ポリマーを80℃で乾燥した後305℃で溶融押出し、
40℃に保持したキャスティングドラム上で急冷固化さ
せて未延伸フィルムを巻き取る際、静電ピンニング法に
てフィルム厚みむらが小さく、安定して巻き取れる速度
により、静電密着性を評価した。 ○ 巻取り速度40m/分以上 △ 巻取り速度30以上40m/分未満 × 巻取り速度30m/分未満
【0065】(6)フィルム中の異物評価 ポリマーを180℃で乾燥した後308℃で溶融押出し
を行い、吐出開始後12時間放流した後シート化し、続
いて130〜135℃で縦延伸倍率3.5倍、横延伸倍
率4.0倍に2軸延伸し、その後熱固定して厚さ25μ
mのフィルムとした。次に、このフィルムを偏光下で顕
微鏡観察し、偏光のかかる箇所に異物の粒子が存在する
ものをフィッシュアイとして、以下の基準で判定した。 ◎ フィッシュアイが2ケ/100cm2以下 ○ フィッシュアイが3〜5ケ/100cm2 △ フィッシュアイが6〜10ケ/100cm2 × フィッシュアイが11ケ/100cm2以上 なお、○以上が実用に使用される。
【0066】(7)離形フィルムの平面性 基材フィルムに離形層として付加反応型シリコーンを塗
布して140℃で1分加熱処理して離形フィルムを作成
した。この離形フィルムを10cm×20cmのサイズ
に切り取り、自由長で平らな床面に置き、そのフィルム
の10cm×10cmの部分を金属板でカバーし、カバ
ーしていないフィルムのエッジの浮きを観察し、下記の
基準で評価した。 <判定基準> ○ エッジの浮きの高さが2mm未満 △ エッジの浮きの高さが2mm以上8mm未満 × エッジの浮きの高さが8mm以上
【0067】(8)加工性 作成した離形フィルムの離形層面に、試験塗料として水
に溶解させたポリビニルアルコール樹脂を、乾燥後の厚
みが30μmとなるよう塗布し、水を乾燥蒸発させた。
その後、15cm角の金属金型を用い、打抜きエッジの
バリや隅のしなり、亀裂の発生を観察し下記の基準で評
価した。 ○ バリやしなりが発生しない。 △ 微小なバリが発生するかフィルムのしなりが発生
し、樹脂膜がやや伸びる。あるいは微小な層間剥離が発
生する。 × 離形フィルムに層間剥離、バリまたは亀裂が発生す
るか樹脂膜が十分に切断できない。
【0068】[実施例1]2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルエステル100重量部およびエチレングリ
コール60重量部に、エステル交換触媒として酢酸マグ
ネシウム4水塩を0.018部(0.82モル)及び酢
酸カルシウム1水塩を0.003部(0.18モル)添
加し、170〜240℃、0.5kg/cm2にてエス
テル交換反応させた後、トリメチルホスフェートを0.
004部(0.28モル)添加し、エステル交換反応を
終了させた。さらに三酸化アンチモンを0.023部
(1.60原子)添加後、引き続き高温高真空下で重縮
合反応を行い、固有粘度0.60のPENポリマーを得
た。
【0069】次に平均粒径0.3μmの真球状シリカ粒
子を0.15重量%含有させて先のPENポリマーを押
出し機で溶融し、ダイスから40℃に維持してある回転
冷却ドラム上に押出し、静電密着法を用いて溶融ポリマ
ーを回転冷却ドラムに密着させて急冷し未延伸フィルム
とした。次いで、この未延伸フィルムを縦方向に3.7
倍、引き続き横方向に3.8倍延伸し、さらに230℃
にて熱固定を行なって厚さ50μmの二軸配向PENフ
ィルムを得た。
【0070】この二軸配向PENフィルムの片面に、下
記に示す方法で調製した塗液を6g/m2(wet)の
塗布量で塗布し、140℃の温度で1分間加熱乾燥およ
び硬化させて離形層の厚さが0.1μmの離形フィルム
を作成した。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0071】なお、塗液は、ビニル基を有するポリジメ
チルシロキサンとジメチルハイドロジェンシランからな
る付加反応タイプの硬化型シリコーンをメチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンおよびトルエンの混合溶
媒中に溶解させ、さらにシリコーンレジンを前記硬化型
シリコーンに対し固形分比で10重量%となる量配合
し、全体の固形分濃度が2%の溶液とし、この溶液に白
金触媒を添加して作成した。
【0072】[実施例2]酢酸マグネシウム4水塩、酢
酸カルシウム1水塩、トリメチルホスフェート及び三酸
化アンチモンの添加量を表1に示す量にそれぞれ変更
し、さらに真球状シリカ粒子の含有量を0.70重量%
に変更する以外は実施例1と同じ方法で離形フィルムを
得た。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0073】[実施例3]酢酸マグネシウム4水塩、酢
酸カルシウム1水塩、トリメチルホスフェート及び三酸
化アンチモンの添加量を表1に示す量にそれぞれ変更
し、さらに真球状シリカ粒子の含有量を0.25重量%
に変更する以外は実施例1と同じ方法で離形フィルムを
得た。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0074】[比較例1]酢酸マグネシウム4水塩、酢
酸カルシウム1水塩、トリメチルホスフェート及び三酸
化アンチモンの添加量を表1に示す量にそれぞれ変更
し、さらに真球状シリカ粒子の含有量を0.20重量%
に変更する以外は実施例1と同じ方法で離形フィルムを
得た。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0075】[比較例2]酢酸マグネシウム4水塩、酢
酸カルシウム1水塩、トリメチルホスフェート及び三酸
化アンチモンの添加量を表1に示す量にそれぞれ変更
し、さらに真球状シリカ粒子の含有量を0.30重量%
に変更する以外は実施例1と同じ方法で離形フィルムを
得た。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0076】[比較例3]酢酸マグネシウム4水塩、酢
酸カルシウム1水塩、トリメチルホスフェート及び三酸
化アンチモンの添加量を表1に示す量にそれぞれ変更
し、さらに真球状シリカ粒子の含有量を1.5重量%に
変更する以外は実施例1と同じ方法で離形フィルムを得
た。この離形フィルムの特性を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】表1より明らかなように、実施例に示した
本発明の離形フィルムは、基材フィルムとしての熱安定
性に優れ、また、離形層を設ける時の加熱処理後の寸法
安定性や平面性、平坦性に優れ、また加工性が良好なも
のであった。また、比較例1〜3の離形フィルムは、製
膜後のフィルムの熱安定性が劣り、またこれにより平坦
性や透明性が劣り、さらには離形フィルムにした時の平
面性が悪く、塗布した樹脂溶液の厚みムラが悪かった
り、断裁時に層間剥離が発生し不十分なものであった。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、熱安定性や表面平坦性
に優れ、また離形フィルムとしての平面性も優れ、樹脂
シート等の成形時の熱による変形も非常に小さく、また
断裁精度等の加工性に優れるシート類を製造する離形フ
ィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 67:00 B29L 7:00 C08L 67:00 Fターム(参考) 4F071 AA43 AB11 AF27 AF54 AG28 BA01 BB06 BB08 BC01 BC16 4F100 AA02A AA02H AA04A AA04H AA20H AA29H AK03B AK17B AK41A AK52B BA01 BA02 BA03 BA10B BA13 CA23A DD07A EH172 EH462 EJ382 EJ422 GB41 GB90 JJ03 JK15 JL01 JL04 JL14 YY00A YY00H 4F210 AA26 AB17 AB19 AE01 AG01 QC16 QG01 QG18 QW07 4J004 AB01 CA06 DA02 DA04 DB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンナフタレートからなるフィ
    ルムを基材フィルムとする離形フィルムであって、該ポ
    リエチレンナフタレートが、主としてナフタレンジカル
    ボン酸低級アルキルエステルとエチレングリコールとか
    ら得られるポリマーであり、マグネシウム化合物、カル
    シウム化合物、リン化合物およびアンチモン化合物を下
    記式(1)〜(4)を同時に満足する割合で含有し、か
    つ該基材フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)が1〜
    100nmであることを特徴とする離形フィルム。 1.0≦Ca+Mg<2.6 ・・・(1) 3.0≦Mg/Ca≦6.0 ・・・(2) 2.3≦(Ca+Mg)/P≦7.0 ・・・(3) 0.4≦Sb≦2.0 ・・・(4) (上記式中、Mg、CaおよびPはそれぞれナフタレン
    ジカルボン酸低級アルキルエステル106g当りのマグ
    ネシウム化合物のモル数、カルシウム化合物のモル数お
    よびリン化合物のモル数を表わし、Sbはナフタレンジ
    カルボン酸低級アルキルエステル106g当りのアンチ
    モン元素のグラム原子数を表わす。)
  2. 【請求項2】 ポリエチレンナフタレートがエステル交
    換反応法で製造されたポリエチレン−2,6−ナフタレ
    ートである請求項1記載の離形フィルム。
  3. 【請求項3】 基材フィルムの少なくとも片面に、シリ
    コーン樹脂、フッ素樹脂および脂肪族ワックスから選ば
    れた少なくとも1種を積層してなる請求項1または2記
    載の離形フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の離形フィルムの基材フィ
    ルムを二軸延伸法にて製造する工程において、二軸延伸
    後にポリエチレンナフタレートのガラス転移温度より6
    0〜140℃高い温度範囲で熱固定処理することを特徴
    とする離形フィルムの製造方法。
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