JP2011099293A - 二重床の防音足部材及び二重床 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持ボルト下端の防音具が、貫通孔を有する筒状の台座部、クッション材及び加圧ナットを下方から順次積み重ね、該貫通孔に前記支持ボルトを挿通するものであり、台座部の下面の貫通孔の周囲に支持ボルトのフランジ部上面が当接し、加圧ナットを締め付けることでクッション材が台座部と加圧ナットの間で強制的に圧縮され、台座部下面に環状突条が形成されていることで、支持ボルトが、上から荷重が作用したときに下方に変位可能にすることで、前記課題を解決する。
【選択図】 図1
Description
二重床単体の遮音性能は、上階のコンクリート床(下床)に直接タンピングマシンなどで騒音を発生させ下階で測定した音量に対し、上階に二重床を施工し、その上で騒音を発生させ下階で測定した音量がどの程度低減されているかで評価し、一定の基準に基づいて「床衝撃音低減性能等級」で表す。軽量衝撃音の場合は「ΔLL値」で、重量衝撃音の場合は「ΔLH値」で表される。
重量衝撃音のなかでも、特に、63Hz帯域の騒音が居住者にとって最も不快を感じるものである。ところが、二重床を施工すると、一般に、63Hz帯域の騒音がコンクリート床直接の場合よりも増加する。遮音性能はクッション材の厚さ、形状(接地面積など)又は硬度を適宜選択することで改善が図られているが、試行錯誤によりこのようなパラメータをいくら工夫しても、63Hz帯域の重量衝撃音を低減することは困難であった。
本発明は、二重床の上床を支持する支持ボルトと、その下端に装着して下床上に設置する防音具を有する二重床の防音足部材において、
前記支持ボルトの下端にフランジ部を有し、
前記防音具が、貫通孔を有する筒状の台座部、クッション材及び加圧ナットを下方から順次積み重ね、該貫通孔に前記支持ボルトを挿通するものであり、
前記台座部の下面の貫通孔の周囲に前記支持ボルトのフランジ部上面が当接し、前記加圧ナットを締め付けることで前記クッション材が前記台座部と加圧ナットの間で強制的に圧縮され、
前記台座部下面に環状突条が形成されていることで、前記支持ボルトが、上から荷重が作用したときに下方に変位可能になっていることを特徴とする二重床の防音足部材である。
また本発明は、二重床の上床を支持する支持ボルトと、その下端に装着して下床上に設置する防音具を有する二重床の防音足部材において、
前記防音具が、貫通孔を有する筒状の台座部、クッション材及び雌ねじ孔を有する加圧ナットを下方から順次積み重ね、該貫通孔に締付ボルトを挿通し前記雌ねじ孔に螺着したものであり、
前記台座部の下面の貫通孔の周囲に前記締付ボルトのフランジ部上面が当接し、前記加圧ナットを締め付けることで前記クッション材が前記台座部と加圧ナットの間で強制的に圧縮され、
前記台座部下面に環状突条が形成されていることで、前記締付ボルトが、上から荷重が作用したときに下方に変位可能になっており、
前記支持ボルトが前記加圧ナット上面の装着部に装着されていることを特徴とする二重床の防音足部材である。
クッション材は、合成ゴム、天然ゴム、エラストマーなどの軟質樹脂など、弾性に優れた材質であれば良く、その硬度はHs55度〜Hs75度程度が適当である。圧縮率は、その厚さが80%〜90%程度となるようにするのが望ましい。
また本発明は、前記台座部が、上部の台座板と下部の台座板受からなり、該台座板はプラスチック、金属などの硬質材でなり貫通孔の径が前記支持ボルト径より大きく前記フランジ部より小さく形成され、該台座板受はゴムなどの弾性体でなり貫通孔の径が前記支持ボルトのフランジ部の径よりも大きい請求項1又は2に記載の二重床の防音足部材である。
また本発明は、前記台座板受が前記クッション材よりも硬度が大きい請求項3に記載の二重床の防音足部材である。
また本発明は、前記クッション材と前記加圧ナットの間に防音具外径よりも大きな外径を有する遮音シートを挟み込んだ請求項1〜4のいずれかに記載の二重床の防音足部材である。
また本発明は、請求項1〜5のいずれかの防音足部材で上床を支持したことを特徴とする二重床である。
また、上床に荷重が作用したときの上床の沈み込みが小さくなり、上床上を歩行したときの違和感が解消され、重い家具などを設置したときの上床の傾きも低減される。
支持ボルト5はプラスチック製又は金属製(本実施例はφ16mmのプラスチック製)で、下端にフランジ部5aが一体成形されている。
台座部2は、台座板21及び台座板受22からなる。
台座板21はプラスチック、金属などの硬質材(本実施例は直径40mmの円板状プラスチック板)でなり、中心に支持ボルトが挿通する貫通孔21aが形成され、その周囲の下面が支持ボルトのフランジ部5a上面が当接する当接面21bとなっており、その周囲に環状突起21cが下方に向かって突出形成されている。(図3)
台座板受22は、Hs硬度70度の合成ゴム製で、直径40mm、厚さ8mmのドーナツ板状をなし、中央の貫通孔22aに台座板の環状突起21cが内嵌して位置決めされている。したがって、貫通孔22aの径は、支持ボルトのフランジ部5aの径、さらには環状突起221cの外径よりも大きくなっている。台座板受22が環状突条として機能し、上から荷重が作用したときに支持ボルトが下方に変位可能になっている。
支持ボルト5の上部は木質、プラスチック又は金属の受板6(本実施例は木質の束板)に取り付けた受ナット61に螺着されている。支持ボルト5の上端面には溝(図示せず)が形成されており、上からドライバーなどで回転させることで受板の高さを調整できるようになっている。
受板6の上面には上床8が貼付される。上床8はパーティクルボードの下貼り材8aとフローリングの仕上材8bからなる。
遮音シート9の材質はアスファルトと鉄粉等を混合し,シート状に成形したものである。
台座部2は、台座板21及び台座板受22からなる。
台座板21はプラスチック、金属などの硬質材でなり、中心に締付ボルト10が挿通する貫通孔が形成され、その周囲の下面が締付ボルト10のフランジ部10a上面が当接する当接面となっており、その周囲に環状突起が下方に向かって突出形成されている。
台座板受22は合成ゴム製で、ドーナツ板状をなし、中央の貫通孔22aに台座板の環状突起が内嵌して位置決めされている。台座板受22が環状突条として機能し、上から荷重が作用したときに締付ボルトが下方に変位可能になっている。
クッション材3は、円筒状の合成ゴム製である。
加圧ナット4の上部には、支持ボルトを装着する装着部4dが凹設されている。支持ボルト5は装着部4dに挿入して支持されると共に、下端の細径部5bが加圧ナットの雌ねじ孔に挿入されている。装着部の形状は本実施例に限るものではなく、支持ボルトを装着して支持できるものであれば、どのような形状でも良い。
表1に見られるように、重量衝撃音の低減量は、63Hz帯域において、実施例は比較例を大幅に上回っている。125Hz帯域以上では、実施例は比較例に対して僅かに下回っているが、63Hz帯域の重量衝撃音は他の帯域に比べて人体の聴覚等に対する作用が非常に大きいので、全体として、実施例は比較例に対して重量衝撃音の低減量が大幅に上回っているといえる。
また、表2に見られるように、軽量衝撃音の低減量は、実施例と比較例ではほとんど変わらなかった。
2 台座部
2a 環状突条
21 台座板
22 台座板受
3 クッション材
4 加圧ナット
5 支持ボルト
5a フランジ部
5b 細径部
6 受板
61 受ナット
7 下床
8 上床
9 遮音シート
10 締付ボルト
10a フランジ部
Claims (6)
- 二重床の上床を支持する支持ボルトと、その下端に装着して下床上に設置する防音具を有する二重床の防音足部材において、
前記支持ボルトの下端にフランジ部を有し、
前記防音具が、貫通孔を有する筒状の台座部、クッション材及び加圧ナットを下方から順次積み重ね、該貫通孔に前記支持ボルトを挿通するものであり、
前記台座部の下面の貫通孔の周囲に前記支持ボルトのフランジ部上面が当接し、前記加圧ナットを締め付けることで前記クッション材が前記台座部と加圧ナットの間で強制的に圧縮され、
前記台座部下面に環状突条が形成されていることで、前記支持ボルトが、上から荷重が作用したときに下方に変位可能になっていることを特徴とする二重床の防音足部材。 - 二重床の上床を支持する支持ボルトと、その下端に装着して下床上に設置する防音具を有する二重床の防音足部材において、
前記防音具が、貫通孔を有する筒状の台座部、クッション材及び雌ねじ孔を有する加圧ナットを下方から順次積み重ね、該貫通孔に締付ボルトを挿通し前記雌ねじ孔に螺着したものであり、
前記台座部の下面の貫通孔の周囲に前記締付ボルトのフランジ部上面が当接し、前記加圧ナットを締め付けることで前記クッション材が前記台座部と加圧ナットの間で強制的に圧縮され、
前記台座部下面に環状突条が形成されていることで、前記締付ボルトが、上から荷重が作用したときに下方に変位可能になっており、
前記支持ボルトが前記加圧ナット上面の装着部に装着されていることを特徴とする二重床の防音足部材。 - 前記台座部が、上部の台座板と下部の台座板受からなり、該台座板はプラスチック、金属などの硬質材でなり貫通孔の径が前記支持ボルト径より大きく前記フランジ部より小さく形成され、該台座板受はゴムなどの弾性体でなり貫通孔の径が前記支持ボルトのフランジ部の径よりも大きい請求項1又は2に記載の二重床の防音足部材。
- 前記台座板受が前記クッション材よりも硬度が大きい請求項3に記載の二重床の防音足部材。
- 前記クッション材と前記加圧ナットの間に防音具外径よりも大きな外径を有する遮音シートを挟み込んだ請求項1〜4のいずれかに記載の二重床の防音足部材。
- 請求項1〜5のいずれかの防音足部材で上床を支持したことを特徴とする二重床。
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