JP3042633U - フロア防振支持装置 - Google Patents

フロア防振支持装置

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JP3042633U
JP3042633U JP1997003028U JP302897U JP3042633U JP 3042633 U JP3042633 U JP 3042633U JP 1997003028 U JP1997003028 U JP 1997003028U JP 302897 U JP302897 U JP 302897U JP 3042633 U JP3042633 U JP 3042633U
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support
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JP1997003028U
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憲一 中屋
宏一 黒川
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アコスエンジニアリング株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 別途軸組を構成することなく、種々の形状
の床面にそのまま適用でき、低床で十分な天井高を得
ることができ、床に作用する荷重が小さく、上部荷
重の大きさによらずに変位量を調整でき、優れた防振
特性を安定確実に得ることができ、家具等を水平に確
実に保持でき、違和感も少ないフロア防振支持装置を提
供する。 【解決手段】 上下1対でそれぞれ同軸に積層された複
数対の中空弾性体2と、上下の弾性体の間に挟持され床
面を支持するようになった支持部材12と、下側弾性体
の最下端に接する平面を有し、据付面に取り付けられる
ようになった据付部材14と、複数対の中空弾性体をそ
れぞれ圧縮状態に保持する予圧縮装置20とからなる。
予圧縮装置は、弾性体を貫通し据付部材に下端が固定さ
れたボルト16と、ボルトと螺合しワッシャを介して弾
性体を圧縮するナット18とからなり、この螺合により
弾性体2を予圧縮して最適の防振特性に設定する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、集合住宅等における床振動を防止するためのフロア防振支持装置に 関する。
【0002】
【従来の技術】
振動しやすい床面の上を人が歩いたり激しい運動をすると、その振動が建物の 構造体に伝わり、固体伝搬音となって建物内の各室に伝達し、騒音として室内に 放射される。かかる騒音は、集合住宅やホテルなど住環境を重視する建物では特 に問題となる。そのため、ピアノ騒音に代表される騒音対策と共に、振動対策が 、集合住宅等の高層建築における床衝撃音対策や、スタジオ、音楽練習室等の防 振防音対策としてクローズアップされている。
【0003】 一方、マンション等の高層建築では、高さ制限やコスト低減のために、1フロ アの階高をできるだけ低くし、同時に、居住性向上のため室内の天井高さをでき るだけ高くしたい要望がある。このため、従来の高層建築では、コンクリートに 直に天井や床を仕上げる工法が主に採用されてきた。しかし、この工法では騒音 と振動がそのまま天井や床に伝わるため、音響性能(防音防振性能)が低く、室 内で発生する振動が騒音と共に階下や別室に伝搬されてしまい苦情が多発しやす い問題点があった。
【0004】 また、防音防振性能をある程度有する簡単なユニットフロアなどを使用する場 合があるが、床下を通る配管等がある場合に、かえって悪影響を及ぼしスラブだ けよりも音響性能が低下することがある問題があった。
【0005】 上述した問題を解決するため、例えば特開昭64−29582号、実開平1− 168665号、特開平1−268974号等に開示されるような、防振材を用 いた支持構造が提案され用いられていた。
【0006】 しかし、かかる先行技術に開示の防振材は、両端に金属板を接合したゴム部材 を建物との間に挟持するものであり、床を防振材で支持して浮床等を構成する には、鉄骨等で軸組を別途構成する必要がある問題点があった。このため、各 室の形状等に合わせて軸組を特製する必要があり、床が高くなり天井高さが低く なるばかりでなく、軸組のため床に作用する荷重が大きくなり、かつ安定した防 振特性が得難い問題点があった。また、かかる従来の防振材は、円筒形又は矩 形のものであり、撓みが小さく(例えば7%以下)かつ振動の減衰特性が固定し ているため、軸組を含めて防振材に左右する荷重に適合する防振材を適宜別途製 作する必要が生じ、コストアップの原因になっていた。
【0007】 また、従来の防振ユニットフロアは、防振ゴムの硬度が高いと防振性能が低く 、逆に防振性能を上げるために硬度の低い(柔らかい)ゴムを使用すると歩行時 に違和感が生じたり、家具などが傾いたり、ぐらぐらしたりするなど問題点が大 きかった。また、床衝撃対策としてだけのもので、外部からの騒音や機械振動、 列車等の振動対策には対応できなかった。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
本考案はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本 考案は、別途軸組を構成することなく、種々の形状の床面にそのまま適用でき 、低床で十分な天井高を得ることができ、床に作用する荷重が小さく、上 部荷重の大きさによらずに変位量を調整でき、優れた防振特性を安定確実に得 ることができ、家具等を水平に確実に保持でき、違和感も少ないフロア防振支 持装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案によれば、上下1対でそれぞれ同軸に積層された複数対の中空弾性体と 、上下の弾性体の間に挟持され床面を支持するようになった支持部材と、下側弾 性体の最下端に接する平面を有し、据付面に取り付けられるようになった据付部 材と、前記複数対の中空弾性体をそれぞれ圧縮状態に保持する予圧縮装置と、か らなり、予圧縮装置は、前記上下1対の弾性体を貫通して上方に延び、かつ前記 据付部材に下端が固定されたボルトと、該ボルトと螺合し上下の弾性体の最上端 に接するワッシャを介して前記複数の弾性体を圧縮するナットと、からなること を特徴とするフロア防振支持装置が提供される。
【0010】 上記本考案のフロア防振支持装置は、複数対の中空弾性体をそれぞれ圧縮状態 に保持する予圧縮装置を備えるので、予圧縮装置により弾性体を予め圧縮して最 適の防振特性に設定することができる。すなわち、この予圧縮装置を、据付部材 に下端が固定されたボルトと、このボルトと螺合し上下の弾性体の最上端に接す るワッシャを介して前記複数の弾性体を圧縮するナットとから構成するので、ボ ルトとナットの螺合により弾性体を予圧縮して最適の防振特性に容易に設定する ことができる。従って上部荷重の大きさによらずに変位量を調整でき、かつ優れ た防振特性を安定確実に得ることができる。
【0011】 また、据付部材は、据付面に取り付けられるようになっており、支持部材は、 上下の弾性体の間に挟持され床面を支持するようになっているので、据付部材を 据付面に例えばアンカーボルトや釘を用いて取り付け、予圧縮装置により弾性体 を予圧縮して最適の防振特性に設定すると同時に、支持部材の上面高さを合わせ 、その上に床を取り付けることにより、別途軸組を構成することなく、種々の形 状の床面にそのまま適用でき、かつ床に作用する荷重を小さくできる。
【0012】 本考案の好ましい実施形態によれば、前記支持部材は、複数対の中空弾性体の 間に挟持され水平方向に直線状に延びた剛性の高い単一の水平材と、該水平材の 上面に長さ方向に沿って取り付けられ、全体で同一の水平な支持面を形成する複 数の床支持材とからなる。 この構成により、床全体を複数のフロア防振支持装置で支持し、かつ1つのフ ロア防振支持装置に作用する荷重を剛性の高い単一の水平材を介して複数対の中 空弾性体に分散することができるので、家具等を水平に確実に保持でき、違和感 が少なく、かつ装置全高さを低くでき、低床で十分な天井高を得ることができる 。
【0013】
【実施例】
以下、本考案の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、各図におい て共通する部分には同一の符号を付して使用する。
【0014】 図1は、本考案によるフロア防振支持装置の全体側面図であり、図2は、図1 のA−A線における部分断面図である。 図1及び図2に示すように、本考案のフロア防振支持装置10は、複数対の中 空弾性体2と、床面(図示せず)を支持するようになった支持部材12と、据付 面6に取り付けられるようになった据付部材14と、複数対の中空弾性体2をそ れぞれ圧縮状態に保持する予圧縮装置20とからなる。
【0015】 複数対の中空弾性体2は、上下1対でそれぞれ同軸に積層されている。1対の 中空弾性体2は、この例では、突起部2cを合わせて上下逆向きに配置されてい るが、上下とも同一向きに配置してもよい。また、上下1対の中空弾性体2は、 この例では支持部材12の両端部と中央部に3組設けられているが、2組でも、 4組以上であってもよい。
【0016】 防振ゴム2は、中央に貫通孔を有する中空円筒形であり、断面形状の両端外縁 2a及び一端の内縁2bが円弧状であり、かつ他端内縁部に軸線方向外方に突出 した突起部2cを有している。この構成により、突起部2cを収容する大きさの 孔を有する平板により挟持して圧縮すると、防振ゴム2の断面形状の両端外縁2 aが半円弧状であるので、圧縮前は防振ゴム2の下端に接する平面と円形の線で 接触し、圧縮するにつれて接触部がドーナツ状に広がることにより、軸方向の変 位量を大きくすることができる。
【0017】 更に、防振ゴム2は中央に貫通孔を有する中空円筒形であり、かつ他端内縁部 に軸線方向外方に突出した突起部2cを有するので、この突起部2cを収容する 大きさの孔を有する平板を複数の防振ゴム2の間に挟持し、貫通孔を通るボルト ・ナットで防振ゴムを圧縮することにより、ボルトと平板とを防振ゴム2で確実 に分離することができる。
【0018】 支持部材12は、この例では、剛性の高い単一の水平材12aと、複数の床支 持材12bとからなり、床面を支持するようになっている。水平材12aは、こ の例では、開口部を上に向けたチャンネル材であり、床支持材12bは矩形中空 材(角パイプ)である。水平材12a(チャンネル材)は、複数対の中空弾性体 2の間に挟持され、水平方向に直線状に配置されている。また、床支持材12b (角パイプ)は、水平材12aの上面に長さ方向に沿って取り付けられ、全体で 同一の水平な支持面13を形成している。
【0019】 据付部材14は、下側弾性体2の最下端に接する平面(上面14a)を有し、 その下面14bが据付面6に取り付けられるようになっている。据付部材14に は、上下面を貫通する大小の貫通穴15が設けられており、アンカーボルト又は 釘により据付面6に取り付けられる。
【0020】 予圧縮装置20は、ボルト16、ワッシャ17及びナット18からなる。ボル ト16は、下端が据付部材14の上面14aに溶接して固定され、上下1対の弾 性体2を貫通して上方に延びている。ワッシャ17は、上側の弾性体2の最上端 に均等に接している。ナット18は、ボルト16の上端部に設けられた雄ネジと 螺合しワッシャ17を介して複数の弾性体2を圧縮するようになっている。
【0021】 上述した構成により、ボルト16とナット18の螺合により弾性体2を予圧縮 して最適の防振特性に容易に設定することができる。従って上部荷重の大きさに よらずに変位量を調整でき、かつ優れた防振特性を安定確実に得ることができる 。 また、据付部材14は、据付面に取り付けられるようになっており、支持部材 12は、上下の弾性体2の間に挟持され床面を支持するようになっているので、 据付部材14を据付面に例えばアンカーボルトや釘を用いて取り付け、予圧縮装 置20により弾性体を予圧縮して最適の防振特性に設定すると同時に、支持部材 の上面高さを合わせ、その上に床を取り付けることにより、別途軸組を構成する ことなく、種々の形状の床面にそのまま適用でき、かつ床に作用する荷重を小さ くできる。
【0022】 図3は、本考案の使用例を示す平面配置図である。この図に示すように、本考 案のフロア防振支持装置10は、単一の水平材12aの長さに応じて対の中空弾 性体2の組み数を増減させるだけで、同一の特性を有し、かつ異なる長さを有す るフロア防振支持装置10を容易に準備することができる。 従って、図3に例示するように、床全体を複数のフロア防振支持装置10で支 持し、かつ1つのフロア防振支持装置10に作用する荷重を剛性の高い単一の水 平材12aを介して複数対の中空弾性体2に分散することができるので、家具等 を水平に確実に保持でき、違和感が少なく、かつ装置全高さを低くでき、低床で 十分な天井高を得ることができる。
【0023】 図4は、本考案のフロア防振支持装置10を用いた乾式浮底を示す側面図であ る。この図において、フロア防振支持装置10の床支持材12b(角パイプ)の 上面に木製のパーチクルボード21、合板22、床仕上材23等を積層して床を 構成し、隣接するフロア防振支持装置10の間にグラスウール24等の吸音材を 充填することにより、簡単で低い構成で乾式の浮床を構成でき、かつ防音特性と 防振特性を併せ持つことができるばかりでなく、現場作業が簡単で工期が短縮で きる。
【0024】 図5は、本考案を用いた湿式浮底を示す側面図である。この図において、フロ ア防振支持装置10の床支持材12b(角パイプ)の上面に、仕切り板25(例 えばキーストンプレート)を張り、その上にコンクリート床26と直貼りのフロ ーリング27を積層し、隣接するフロア防振支持装置10の間にグラスウール2 4等の吸音材を充填することにより、簡単で低い構成で湿式の浮床を構成でき、 かつ防音特性と防振特性を併せ持つことができる。
【0025】
【実施例】
図6は、本考案のフロア防振支持装置の性能試験結果である。この試験は、J IS−1418に規定される「床衝撃騒音レベルの測定方法」に準拠して実施し た。なお、この図において、横軸はオクターブバンド中心周波数(Hz)、縦軸 は床衝撃音レベル(dB)であり、図中の□印は防振支持装置がない場合、○印 は本考案のフロア防振支持装置を取り付け後を示している。
【0026】 図6から、本考案のフロア防振支持装置の設置により、広い周波数領域で平均 して10dB以上の床衝撃騒音が低下しており、高い防音特性と防振特性を有す ることがわかる。
【0027】 なお、本考案は上述した実施形態及び実施例に限定されず、本考案の要旨を逸 脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0028】
【考案の効果】
上述したように、本考案のフロア防振支持装置は、別途軸組を構成すること なく、種々の形状の床面にそのまま適用でき、低床で十分な天井高を得ること ができ、床に作用する荷重が小さく、上部荷重の大きさによらずに変位量を 調整でき、優れた防振特性を安定確実に得ることができ、家具等を水平に確 実に保持でき、違和感も少ない、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案によるフロア防振支持装置の全体側面図
である。
【図2】図1のA−A線における部分断面図である。
【図3】本考案の使用例を示す平面配置図である。
【図4】本考案を用いた乾式浮底を示す側面図である。
【図5】本考案を用いた湿式浮底を示す側面図である。
【図6】本考案のフロア防振支持装置の性能図である。
【符号の説明】
2 防振ゴム 2a 両端外縁 2b 一端の内縁 2c 突起部 6 据付面 10 フロア防振支持装置 12 支持部材 12a 水平材 12b 床支持材 13 支持面 14 据付部材 16 ボルト 17 ワッシャ 18 ナット 20 予圧縮装置 21 パーチクルボード 22 合板 23 床仕上材 24 グラスウール 25 仕切り板(キーストンプレート) 26 コンクリート床 27 直貼りフローリング

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下1対でそれぞれ同軸に積層された複
    数対の中空弾性体と、上下の弾性体の間に挟持され床面
    を支持するようになった支持部材と、下側弾性体の最下
    端に接する平面を有し、据付面に取り付けられるように
    なった据付部材と、前記複数対の中空弾性体をそれぞれ
    圧縮状態に保持する予圧縮装置と、からなり、 予圧縮装置は、前記上下1対の弾性体を貫通して上方に
    延び、かつ前記据付部材に下端が固定されたボルトと、
    該ボルトと螺合し上下の弾性体の最上端に接するワッシ
    ャを介して前記複数の弾性体を圧縮するナットと、から
    なることを特徴とするフロア防振支持装置。
  2. 【請求項2】 前記支持部材は、複数対の中空弾性体の
    間に挟持され水平方向に直線状に延びた剛性の高い単一
    の水平材と、該水平材の上面に長さ方向に沿って取り付
    けられ、全体で同一の水平な支持面を形成する複数の床
    支持材とからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の
    フロア防振支持装置
JP1997003028U 1997-04-18 1997-04-18 フロア防振支持装置 Expired - Lifetime JP3042633U (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009150117A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 Takenaka Komuten Co Ltd 床防振支持装置
JP2021008778A (ja) * 2019-07-02 2021-01-28 株式会社竹中工務店 防振対象物の施工方法

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