JP2011095560A - 偏光板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏光フィルムの片面にポリプロピレン系樹脂フィルム、他面に延伸された透明樹脂フィルムが貼合された偏光板を、小さな正カールで有利に製造しうる方法を提供する。
【解決手段】偏光フィルム1の片面にポリプロピレン系フィルム2、他面に延伸透明樹脂フィルム3を、それぞれ接着剤を介して貼合し、偏光板5を製造する。その製造方法は、(A)偏光フィルム1をポリプロピレン系フィルム2と延伸樹脂フィルム3とで挟むように搬送する搬送工程、(B)この状態の積層体を、ポリプロピレン系フィルム2の外側に接触する第一貼合ロール15と延伸樹脂フィルム3の外側に接触する第二貼合ロール16とで挟みながら貼合する貼合工程、及び(C)接着剤を硬化させる硬化工程を備える。貼合工程(B)は、第二貼合ロール16の周速度R2/第一貼合ロール15の周速度R1の比が1.0105〜1.0118となるように行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面にポリプロピレン系樹脂フィルムが貼合され、偏光フィルムの他面には延伸された透明樹脂フィルムが貼合された偏光板の製造方法に関するものである。
偏光板は、液晶表示装置の構成部材として有用であり、液晶表示装置の普及に伴って急速にその需要が増大している。そして、液晶表示装置の大型テレビなどへの適用に伴い、偏光板にも、その性能を維持あるいは改良しながら、一層の薄肉化、廉価化が求められている。
偏光板は伝統的に、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの少なくとも片面、通常は両面に、透明な保護フィルムが貼合された構造になっている。偏光板の保護フィルムには、従来から、トリアセチルセルロースに代表されるセルロースアセテート系樹脂のフィルムが多く用いられており、その厚さは通例40〜120μm 程度である。かかるセルロースアセテート系樹脂フィルムの偏光フィルムへの貼合には、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を用いることが多い。しかし、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して、セルロースアセテート系樹脂からなる保護フィルムを積層した偏光板は、湿熱条件下で長時間使用した場合に、偏光性能が低下したり、保護フィルムが偏光フィルムから剥離したりする問題があった。
そこで、偏光フィルムの両面に貼合される保護フィルムのうち少なくとも一方を、セルロースアセテート系樹脂以外の樹脂で構成する試みがある。例えば、特開平 8-43812号公報(特許文献1)には、偏光フィルムの両面に保護フィルムが積層されてなる偏光板において、その保護フィルムの少なくとも一方を、位相差フィルムの機能を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂で構成することが記載されている。また、特開 2002-174729号公報(特許文献2)には、ヨウ素又は二色性染料が吸着配向されたポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの一方の面に、非晶性ポリオレフィン系樹脂からなる保護フィルムが貼合され、偏光フィルムの他方の面には、セルロースアセテート系樹脂など、非晶性ポリオレフィン系樹脂とは異なる樹脂からなる保護フィルムが貼合された偏光板が記載されている。
ノルボルネン系樹脂をはじめとする非晶性ポリオレフィン系樹脂は、シクロオレフィン系樹脂とも呼ばれ、一軸又は二軸に延伸することにより、適度の位相差値を与えるので、液晶セルの視野角補償や位相差補償に好適である。そのため、偏光フィルムの片面に延伸されたシクロオレフィン系樹脂フィルムが貼合され、偏光フィルムの他面にはトリアセチルセルロースのようなセルロースアセテート系樹脂からなる保護フィルムが貼合された偏光板は、その延伸フィルム側で液晶セルに貼り合わせることにより、光学補償機能を兼ね備えたものとなる。
しかし、液晶セルから遠い側に配置される保護フィルムをセルロースアセテート系樹脂で構成する場合、先にも述べたようにその厚さは少なくとも40μm 程度は必要であり、それより薄くしようとすると、偏光板の製造工程でセルロースアセテート系樹脂フィルムが裂けて破断するといったハンドリング上の問題があった。また、セルロースアセテート系樹脂は溶剤キャスト法により製膜されるため、そのコストダウンには限界があった。
偏光板の一層の薄肉化を図ることを目的に、特開 2009-109995号公報(特許文献3)には、偏光フィルムの片面にノルボルネン系樹脂フィルムを積層し、偏光フィルムの他面には延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムを積層し、偏光板とすることが記載されている。ポリエチレンテレフタレートフィルムは安価に入手できることから、この偏光板はコスト的には優れたものである。この偏光板は、ポリエチレンテレフタレートフィルム側が液晶セルから遠い側となるようにして液晶表示装置に適用されるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムは延伸しないと十分な強度が発現せず、また延伸により極めて大きい位相差値が発現する。そのためか、このポリエチレンテレフタレートフィルムを液晶セルから遠い側に配置しても、白表示時に着色することがあった。
一方、特開 2007-334295号公報(特許文献4)には、偏光フィルムの両面に保護フィルムが貼合されており、その保護フィルムの少なくとも一方をポリプロピレン系樹脂で構成した偏光板が記載されている。ポリプロピレン系樹脂フィルムも安価に入手できることから、ポリプロピレン系樹脂を保護フィルムに用いた偏光板も、コスト的には有利である。
また、偏光フィルムと保護フィルムの接合に伝統的に用いられてきたポリビニルアルコール系樹脂の水溶液に代わり、非水系の接着剤を用いる検討も行われている。例えば、特開 2004-245925号公報(特許文献5)及び特開 2008-257199号公報(特許文献6)には、特定のエポキシ化合物を主体とする接着剤を用い、活性エネルギー線の照射によりその接着剤を硬化させ、偏光フィルムと保護フィルムを接着する技術が提案されている。
特開平8−43812号公報 特開2002−174729号公報 特開2009−109995号公報 特開2007−334295号公報 特開2004−245925号公報 特開2008−257199号公報
本発明者らは、偏光板の一層の廉価化と薄肉化を図ることを目的に、偏光フィルムの片面に接着剤を介してポリプロピレン系樹脂フィルムを貼合し、偏光フィルムの他面には接着剤を介して、位相差フィルムの機能を有する延伸された透明樹脂フィルムを貼合する構成を検討した。この構成では、延伸された透明樹脂フィルムの外側に粘着剤層を設け、その粘着剤層を介して液晶セルに貼り合わされることになる。そしてこの場合、ポリプロピレン系樹脂フィルム側が凹になり、延伸された透明樹脂フィルム側又はその上に設けられた粘着剤層側が凸になる、いわゆる正カールを示すものの、ポリプロピレン系樹脂フィルムの反対側に配置される透明樹脂フィルムが延伸されているためか、そのカール量(凸面を下にして平面上に置いたときに、フィルムの角部又は辺がその面から浮き上がる高さ、以下同じ)が極めて大きくなることが明らかになってきた。
このようにカール量が極めて大きくなると、液晶セルに貼合するとき、端部に気泡を噛み込むなどの不具合が生じやすく、さらには過酷な環境下で耐久性試験を行った場合に、この正カールがさらに助長されて偏光板の端部が液晶セルから剥がれることもある。このような気泡の噛み込みや耐久性の低下は、液晶表示装置の信頼性を低下させる。
一方、ポリプロピレン系樹脂フィルム側が凸になり、延伸された透明樹脂フィルム側又はその上に設けられた粘着剤層側が凹になる、いわゆる逆カールを示すカールが発生すると、液晶セルに貼合するとき、中央部に気泡を噛み込むなどの不具合が生じやすく、やはり液晶表示装置の信頼性を低下させる。
そこで、上記の正カールを保持しつつ、そのカール量を小さくするべくさらに研究を行った結果、偏光フィルムの片面にポリプロピレン系樹脂フィルムを、他面に延伸された透明樹脂フィルムを貼合するとき、ポリプロピレン系樹脂フィルム側に配置される貼合ロールと、延伸された透明樹脂フィルム側に配置される貼合ロールとに周速度の差をつけ、貼合後のポリプロピレン系樹脂フィルム側及び延伸された透明樹脂フィルム側に残存するであろう応力を調節することにより、正カールを保持しつつ、カール量が調節できることを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明の課題は、偏光フィルムの片面にポリプロピレン系樹脂フィルム、他面に延伸された透明樹脂フィルムがそれぞれ貼合された偏光板を、逆カールと大きな正カールを起こすことなく工業的有利に製造する方法を提供することにある。
本発明は、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面に、接着剤を介してポリプロピレン系樹脂フィルムを貼合し、前記偏光フィルムの他面には、接着剤を介して延伸された透明樹脂フィルムを貼合して偏光板を製造する方法を提供するものである。この方法は、基本的に以下の(A)〜(C)の各工程を備える。
(A)前記の偏光フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム及び延伸された透明樹脂フィルムをそれぞれ一定方向に、かつ前記偏光フィルムを前記ポリプロピレン系樹脂フィルムと前記延伸された透明樹脂フィルムとで挟むように搬送する原料フィルム搬送工程、
(B)前記偏光フィルムの片面に前記ポリプロピレン系樹脂フィルムを、前記偏光フィルムの他面に前記延伸された透明樹脂フィルムを、それぞれ硬化性の接着剤を介して貼合し、そして、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの外側に接触し、その搬送方向に回転する第一の貼合ロールと、前記延伸された透明樹脂フィルムの外側に接触し、その搬送方向に回転する第二の貼合ロールとで、ポリプロピレン系樹脂フィルム/偏光フィルム/延伸された透明樹脂フィルムの積層体を挟みながら前記貼合を行う貼合工程、及び
(C)貼合工程(B)の後、前記接着剤を硬化させて、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムと前記偏光フィルム及び前記延伸された透明樹脂フィルムと前記偏光フィルムを接着させる硬化工程。
この方法において、前記貼合工程(B)は、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの外側に接触する第一の貼合ロールの周速度に対する前記延伸された透明樹脂フィルムの外側に接触する第二の貼合ロールの周速度の比が1.0105以上1.0118以下となるように行われる。
ポリプロピレン系樹脂フィルムは、偏光フィルムに貼合される面とは反対側にプロテクトフィルムが積層された状態で、原料フィルム搬送工程(A)に供することができる。この場合、ポリプロピレン系樹脂フィルムは、プロテクトフィルムを貼合するプロテクトフィルム貼合工程を経た後、前記原料フィルム搬送工程(A)に供されるが、このプロテクトフィルム貼合工程は、得られるポリプロピレン系樹脂フィルムとプロテクトフィルムとの積層体が、ポリプロピレン系樹脂フィルム側でやや凸となるいわゆる正カールを示すようにすることが好ましい。そのためには、ポリプロピレン系樹脂フィルムの貼合前張力を0.013N/mm以上0.034N/mm以下の範囲とし、プロテクトフィルムの貼合前張力を0.13N/mm以上0.34N/mm以下の範囲として、このプロテクトフィルム貼合工程を行うことが好ましい。
偏光フィルムのポリプロピレン系樹脂フィルムとは反対側に貼合される延伸された透明樹脂フィルムは、一軸延伸されたもの又は二軸延伸されたものであることができるが、なかでも二軸延伸品が、液晶セルの光学補償を行うために好ましく用いられる。
また接着剤は、貼合工程(B)より前の任意の段階で、ポリプロピレン系樹脂フィルムの貼合面及び延伸された透明樹脂フィルムの貼合面、あるいは偏光フィルムの両面に塗布すればよいが、特に、原料フィルム搬送工程(A)の途中に、ポリプロピレン系樹脂フィルムの偏光フィルムへの貼合面に接着剤を塗布し、延伸された透明樹脂フィルムの偏光フィルムへの貼合面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を設けるのが好ましい。
この方法に用いる接着剤は、エポキシ化合物とともにカチオン重合開始剤を含有させ、活性エネルギー線の照射によるカチオン重合で硬化する組成物で構成し、硬化工程(C)を活性エネルギー線の照射により行うことが好ましい。
本発明によれば、偏光フィルムの片面にポリプロピレン系樹脂フィルムが貼合され、他面に延伸された透明樹脂フィルムが貼合された構成であって、薄肉化が可能で材料的に安価であり、しかもカール量が低減された偏光板を有利に製造することができる。具体的には、この方法によって製造される偏光板は、延伸された透明樹脂フィルム側に粘着剤層を形成し、その粘着剤層を仮着保護する剥離フィルムを設けて、液晶セルに貼合される形状にチップカットした場合、その剥離フィルムを剥離した状態で、粘着剤層側が凸となる正カールにすることができるとともに、そのカール量を5mm以下とすることができる。そのため、この偏光板を液晶セルに貼合して得られる液晶パネルないし液晶表示装置は、廉価化及び/又は薄肉化を図ることができるとともに、気泡の噛み込みなどの不具合がなく、過酷な環境下で耐久性試験を行った場合にも剥離などの不具合が発生せず、信頼性に優れたものとなる。
本発明の方法を実施するための装置の配置例を模式的に示す断面図である。 カール量の測定方法を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図1を参照して、本発明では、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム1の片面に、接着剤を介してポリプロピレン系樹脂フィルム2を貼合し、偏光フィルム1の他面には、接着剤を介して延伸された透明樹脂フィルム3を貼合して、偏光板5を製造する。そして、本発明に係る偏光板の製造方法は、先に述べたとおり、原料フィルム搬送工程(A)と、貼合工程(B)と、硬化工程(C)とを備える。
原料フィルム搬送工程(A)では、偏光フィルム1が一定方向に搬送されるとともに、その一方の面にポリプロピレン系樹脂フィルム2が供給され、他方の面には延伸された透明樹脂フィルム3が供給される。原料フィルム搬送工程(A)の途中で、接着剤塗布装置12により、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の偏光フィルム1へ貼合される面に接着剤を塗布し、またもう一つの接着剤塗布装置13により、延伸された透明樹脂フィルム3の偏光フィルム1へ貼合される面に接着剤を塗布することができる。
貼合工程(B)は、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の外側に接触する第一の貼合ロール15と、延伸された透明樹脂フィルム3の外側に接触する第二の貼合ロール16とで、ポリプロピレン系樹脂フィルム2/偏光フィルム1/延伸された透明樹脂フィルム3の積層体を挟みながら行われる。第一の貼合ロール15及び第二の貼合ロール16は、それぞれが接触するフィルムの搬送方向に回転しており、図中の曲線矢印は、その回転方向を示している。
硬化工程(C)は、上の貼合工程(B)で得られた積層体に、接着剤を硬化させるためのエネルギーを硬化装置18から供給し、偏光フィルム1とポリプロピレン系樹脂フィルム2の間、及び偏光フィルム1と延伸された透明樹脂フィルム3の間にある接着剤を硬化させるための工程である。
まずこれらの各工程について、図1を参照しながら、順に説明を進めていく。
[原料フィルム搬送工程(A)]
原料フィルム搬送工程(A)では、後述する方法によって製造され、送られてくる偏光フィルム1を中心にして、通常、ロール状で繰り出し装置から送り出されるポリプロピレン系樹脂フィルム2がその片面に供給され、同じく通常、ロール状で繰り出し装置から送り出される延伸された透明樹脂フィルム3がそのもう一方の面に供給される。それぞれのフィルム2,3の搬送速度は、その製造装置に適した値に定めればよく、特に制限されないが、通常、前の工程で製造され、搬送されてくる偏光フィルム1の搬送速度に合わせた速度とされる。偏光板の品種や品質に制約されない限り、その搬送速度が大きいほうが生産性の観点から好ましく、例えば、1〜30m/分程度に設定することができる。
それぞれのフィルムが搬送される方向は、搬送工程の最後に、ポリプロピレン系樹脂フィルム2と延伸された透明樹脂フィルム3とで偏光フィルム1を挟むようになればよい。その途中段階では、例えば、偏光フィルム1の搬送方向に対して、ポリプロピレン系樹脂フィルム2及び/又は延伸された透明樹脂フィルム3が、図示の如く垂直に向かう方向へ搬送される部分があってもよいし、偏光フィルム1の搬送方向に対して、ポリプロピレン系樹脂フィルム2及び/又は延伸された透明樹脂フィルム3が平行に搬送される部分があってもよい。また製造装置の配置上の制約がある場合には、ポリプロピレン系樹脂フィルム2及び/又は延伸された透明樹脂フィルム3が、一旦偏光フィルム1の搬送方向と逆方向へ繰り出されてから、適当なロールによって偏光フィルム1の片面へ向かうように方向転換されて搬送されてもよいし、偏光フィルム1が搬送される横手方向から垂直方向を含む適当な角度で繰り出されてから、適当なロールによって偏光フィルム1の片面へ向かうように方向転換されて搬送されてもよい。
[プロテクトフィルム貼合工程]
図示は省略するが、ポリプロピレン系樹脂フィルム2は、偏光フィルム1に貼合される面とは反対側にプロテクトフィルムが積層された状態で、原料フィルム搬送工程(A)に供することができる。ポリプロピレン系樹脂フィルムは比較的剛性が弱いため、搬送及び貼合の確実さを高めるうえで、このようなプロテクトフィルムを積層して供給することは有効である。この場合、ポリプロピレン系樹脂フィルム2は、プロテクトフィルムを貼合するプロテクトフィルム貼合工程を経た後、原料フィルム搬送工程(A)に供される。プロテクトフィルムが貼着されたポリプロピレン系樹脂フィルムを、以下「プロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルム」と呼ぶことがある。
このプロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルムは、そのカール量が、ポリプロピレン系樹脂フィルム側でやや凸となる正カールで、かつ10mm以下となるものであることが好ましい。プロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルムのカール量がこの範囲内にあると、得られる偏光板のカール量をより好ましい範囲に調整することができる。
プロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルムのカール量は、次のようにして測定される。すなわち、図2に示すように、フィルムの流れ方向(MD)に沿って30cm×30cmの大きさにサンプルフィルム(ここではプロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルム)21を裁断する。そのサンプルフィルム21にカールが発生している場合は凸になっている側を下に向けて、またカールが発生していない場合はどちらかの面を下に向けて、基準面25(例えば、水平なテーブルの上)に置き、温度22℃、相対湿度60%の環境下で1時間静置する。この図では、サンプルフィルムにカールがないと仮定したときの面を、四角形ABCDで表される仮想面23として表示している。最初にカールが観察されなかった場合、温度22℃、相対湿度60%の環境下で1時間静置後に下が凸になっていれば、そのまま以下に示す方法でカール量を測定するが、1時間静置後に上が凸になっていれば、そのフィルムの表裏を反転させて、以下に示す方法でカール量を測定する。一方、1時間静置後にも最初に置いた状態でカールが観察されなければ、そのフィルムの表裏を反転させ、表裏反転した状態でもカールが観察されなければカール量はゼロと判定し、表裏反転した状態でカールが観察されれば、その状態にて、以下に示す方法でカール量を測定する。カールが観察される場合には、図2に示すように、凸になっている側を下に向けて、カール量を測定することになる。
図2では、仮想面23における一つの角Aが、カールしたサンプルフィルム21においてはA1の位置になり、別の角B、C及びDが、カールしたサンプルフィルム21においてはそれぞれB1、C1及びD1の位置になったように表示している。すなわちこの図では、サンプルフィルム21の四つの角A1、B1、C1及びD1がすべて浮いている状態を表示しているが、サンプルフィルムの四つの角のうち、一つ、二つ又は三つが浮き上がらない場合もある。もちろん、カールがまったくなければ、四つの角A1、B1、C1及びD1がすべて仮想面23の四角形ABCDと一致することになる。
この状態でサンプルフィルム21の四つの角A1、B1、C1及びD1のそれぞれについて、基準面25からの高さHを測定し、それらの最小値と最大値をもってカール量とする。ここで、先に述べたとおり、プロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルムのポリプロピレン系樹脂フィルム側が凸になっている場合を正カールと呼び、逆にポリプロピレン系樹脂フィルム側が凹になっている場合を逆カールと呼ぶ。
プロピレン系樹脂フィルムとプロテクトフィルムの貼合には、ロールタイプラミネーターなどの貼合機を用いることができる。このプロテクトフィルム貼合工程においては、ポリプロピレン系樹脂フィルムの貼合前張力を0.013N/mm以上0.034N/mm以下とし、プロテクトフィルムの貼合前張力を0.13N/mm以上0.34N/mm以下とすることが好ましい。このように、プロテクトフィルム側の貼合前張力をポリプロピレン系樹脂フィルム側の貼合前張力よりも大きくすることは、先述のような正カールを生じさせるうえで好ましい。
それぞれの貼合前張力を調整する方法は特に限定されないが、例えば、貼合装置に備えられたフィルムの貼合ロールと繰り出されるフィルムロール又はピンチロールにかかるトルクを調節する方法、貼合ロールの周速度と繰り出されるフィルムロール又はピンチロールの周速度とに微差をつけて張力を発生させる方法などを採用することができる。
[接着剤塗布工程]
偏光フィルム1とポリプロピレン系樹脂フィルム2、また偏光フィルム1と延伸された透明樹脂フィルム3の貼合は、接着剤を介して行われる。接着剤は、原料フィルム搬送工程(A)中の任意の段階で、偏光フィルム1とポリプロピレン系樹脂フィルム2との貼合面の少なくとも一方、及び偏光フィルム1と延伸された透明樹脂フィルム3との貼合面の少なくとも一方に塗布することができる。例えば、偏光フィルム1の両面に接着剤を塗布することもできるし、偏光フィルム1の両面にそれぞれポリプロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3が貼合ロール15,16によって貼合される直前に、それぞれの貼合面に接着剤を吹き付ける方法などにより、2枚のフィルムの貼合面それぞれに接着剤を塗布することもできる。ただ、操作性などの観点からは、ポリプロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3のそれぞれ偏光フィルム1に貼合される面に、接着剤を塗布しておくことが好ましい。すなわち、原料フィルム搬送工程(A)には、その後の貼合工程(B)に備えて、ポリプロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3が偏光フィルム1を挟むように搬送される部分が存在するので、その部分で接着剤を塗布しておくことが好ましい。
そこで、好ましくは、原料フィルム搬送工程(A)の途中に接着剤塗布工程が設けられる。接着剤は、この接着剤塗布工程において、ポリプロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3のそれぞれ偏光フィルム1へ貼合される面に塗布される。図1には、接着剤塗布装置12によって、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の偏光フィルム1に貼合される面に接着剤を塗布し、別の接着剤塗布装置13によって、延伸された透明樹脂フィルム3の偏光フィルム1に貼合される面に接着剤を塗布するように構成した例が示されている。
ポリプロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3は、接着剤が塗布される前に、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、又は電子線照射処理のような表面活性化処理が施されてもよい。また、それぞれのフィルムは、必要に応じて洗浄及び乾燥処理を経ていてもよいし、易接着処理剤や表面改質剤などの塗布とそれに引き続く乾燥処理を経ていてもよい。
接着剤塗布装置12,13の構造や塗布方法は特に限定されるものでなく、必要量の接着剤を均一に塗布できる装置と方法を採用すればよい。例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、各種の塗工方式が採用できる。
[貼合工程(B)]
原料フィルム搬送工程(A)において、偏光フィルム1を挟むようにその両側から供給されるポリプロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3は、引き続く貼合工程(B)において、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の外側に接触する第一の貼合ロール15及び延伸された透明樹脂フィルム3の外側に接触する第二の貼合ロール16により貼合される。この貼合工程(B)においては、第一の貼合ロール15の周速度に対する第二の貼合ロール16の周速度の比が1.0105以上1.0118以下となるように行われる。この周速度の関係は、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の外側に接触する第一の貼合ロール15の周速度をR1 、延伸された透明樹脂フィルム3の外側に接触する第二の貼合ロール16の周速度をR2 として、以下の式(1)を満たすことを意味する。
1.0105≦R2/R1≦1.0118 (1)
この周速度の比で規定されるそれぞれの貼合ロール15,16の周速度の差により、ポリプロピレン系樹脂フィルム2には収縮応力が、延伸された透明樹脂フィルム3には引張応力がそれぞれ付与された状態で、次の硬化工程(C)へと搬送され、接着剤が硬化される。その硬化後、それぞれの応力解放に伴って偏光板が歪み、カールとなる。延伸された透明樹脂フィルム3の外側に接触する第二の貼合ロール16の周速度R2 を、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の外側に接触する第一の貼合ロール15の周速度R1 よりやや大きくし、両者の比が上記の範囲となるように設定することによって、得られる偏光板のカール量が適切に制御される。
貼合ロール15,16を構成する表面の材質は、ステンレス鋼、銅合金、及びクロムメッキ処理品のような金属類;ポリウレタン、ポリフルオロエチレン、及びシリコーンのようなゴム類;酸化クロム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム又は酸化アルミニウムを溶射して得られるセラミック類などであることができる。なかでも、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の外側に接触する第一の貼合ロール15はゴムロールとし、延伸された透明樹脂フィルム3の外側に接触する第二の貼合ロール16は金属ロールとすることが好ましい。すなわち、比較的薄肉で剛性が弱いポリプロピレン系樹脂フィルム2には、表面に弾性のあるゴムロールを当て、一般にポリプロピレン系樹脂フィルムよりは比較的剛性が高い延伸された透明樹脂フィルム3側には、金属ロールを当てることにより、両者の周速度の差によって生じる応力を効果的かつ均一に、フィルムに与えることができる。
[硬化工程(C)]
貼合工程(B)から搬送されてくるプロピレン系樹脂フィルム2/接着剤(図示せず)/偏光フィルム1/接着剤(図示せず)/延伸された透明樹脂フィルム3の順で貼合された積層体は、硬化工程(C)において、上記の接着剤が硬化され、プロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3がそれぞれ偏光フィルム1に接着されて、偏光板5となる。図1では、貼合ロール15,16によって貼合された積層体が硬化装置18へ送り込まれ、そこで硬化処理が施されるようになっている。硬化処理は、接着剤の種類に応じて、活性エネルギー線の照射、加熱、又は乾燥により行うことができる。
後述するように、本発明では接着剤として、活性エネルギー線の照射により硬化する接着剤組成物、特に、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤を含有するものを用いることが好ましい。この場合、硬化工程(C)は、活性エネルギー線の照射により行われる。接着剤の硬化に用いられる活性エネルギー線は、例えば、波長が1pm〜10nmのX線、波長が10〜400nmの紫外線、波長が400〜800nmの可視光線などであることができる。なかでも、取扱いの容易さ、硬化性接着剤組成物の調製の容易さ及びその安定性、並びにその硬化性能の観点から、紫外線が好ましく用いられる。紫外線の光源には、例えば、波長400nm以下に発光分布を有する、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどを用いることができる。
紫外線の照射強度は、接着剤の種類や照射時間によって決定されるものであり、特に制限されないが、例えば、開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が 0.1〜300mW/cm2となるように設定することが好ましく、さらには1〜200mW/cm2となるように設定することがより好ましい。硬化性接着剤組成物への光照射強度が0.1mW/cm2を下回ると、硬化反応時間が長くなって、照射時間を長くしなければ硬化しなくなるので、生産性の面で不利になる。一方、光照射強度が300mW/cm2 を超えると、ランプから輻射される熱及び硬化性接着剤組成物の重合時の発熱により、硬化性接着剤組成物の黄変や偏光フィルムの劣化を生じることがある。
紫外線の照射時間も、接着剤の種類や照射強度によって決定されるものであり、特に制限されないが、例えば、照射強度と照射時間の積で表される積算光量が 10〜5,000mJ/cm2 となるように設定することが好ましく、さらには50〜1,000mJ/cm2となるように設定することがより好ましい。硬化性接着剤組成物への積算光量が10mJ/cm2 を下回ると、開始剤由来の活性種の発生が十分でなく、得られる接着剤層の硬化が不十分となる傾向にある。一方、積算光量が5,000mJ/cm2を超えると、照射時間が非常に長くなるので、生産性の面で不利になる。
硬化工程(C)を活性エネルギー線の照射により行う場合、硬化された接着剤層の厚さは、通常1μm 以上、また50μm 以下であるが、適度の接着力を保って偏光板を薄くする観点から、20μm 以下が好ましく、さらには10μm 以下がより好ましい。
次に、本発明の偏光フィルムの製造方法において用いる各部材ないし材料について、説明する。
[偏光フィルム]
偏光フィルム1は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造される。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより製造できる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体であることもできる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用可能である。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度であり、好ましくは1,500〜5,000程度である。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系樹脂原反フィルムの膜厚は、例えば10〜150μm程度、好ましくは10〜100μm程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素による染色の前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。もちろん、ここに示した複数の段階で一軸延伸を行うこともできる。一軸延伸には、周速の異なるロール間で一軸に延伸する方法や、熱ロールを用いて一軸に延伸する方法などが採用できる。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸により行ってもよいし、水等の溶剤を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸により行ってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、例えば、二色性色素を含有する水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法により行うことができる。二色性色素として、具体的にはヨウ素や二色性有機染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水に浸漬して膨潤させる処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり、通常 0.01〜1重量部程度であり、ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり、通常 0.5〜20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1,800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性の有機染料を用いる場合は、通常、水溶性の二色性有機染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100重量部あたり、通常1×10-4〜10重量部程度であり、好ましくは1×10-3〜1重量部である。この染料水溶液は、硫酸ナトリウムのような無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる二色性有機染料水溶液の温度は、通常20〜80℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬する方法により、行うことができる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部程度であり、好ましくは5〜12重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり、通常 0.1〜15重量部程度であり、好ましくは5〜12重量部である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常 60〜1,200秒程度であり、好ましくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜400秒である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、さらに好ましくは60〜80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬する方法により、行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度である。また浸漬時間は、通常1〜120秒程度である。
水洗後は乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃程度であり、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒程度であり、好ましくは120〜600秒である。乾燥処理により、偏光フィルム中の水分率は実用程度にまで低減される。その水分率は、通常5〜20重量%程度であり、好ましくは8〜15重量%である。水分率が5重量%を下回ると、偏光フィルムの可撓性が失われ、乾燥後に損傷したり、破断したりすることがある。また水分率が20重量%を超えると、熱安定性が不足する傾向にある。
以上のようにして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向した偏光フィルムを製造することができる。得られる偏光フィルムは、その厚さを、例えば、5〜40μm 程度とすることができる。
本発明においては、ポリビニルアルコール系樹脂の原反フィルムを製造ラインに流すことから始まる偏光フィルムの製造を連続的に行い、得られる偏光フィルムをそのまま、先述した原料フィルム搬送工程(A)へと供するのが好ましい。これにより、ポリビニルアルコール系樹脂の原反フィルムから始まって、連続的に偏光板を生産することができる。
[ポリプロピレン系樹脂フィルム]
ポリプロピレン系樹脂フィルム2を構成するポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体で構成することができるほか、プロピレンを主体とし、それに共重合可能なコモノマーを少量、例えば、1重量%以上20重量%以下、好ましくは10重量%以下の割合で共重合させたもので構成することもできる。偏光板の保護フィルムとして求められる透明性、耐久性、成形加工性などに優れたものが、好適に用いられる。
プロピレンを主体とする共重合体において、プロピレンに共重合可能なコモノマーは、例えば、エチレン又はα−オレフィンであることができる。α−オレフィンは、炭素数4以上であり、通常は炭素数4〜10程度で十分である。炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、及び1−デセンのような直鎖状α−オレフィン類;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、及び4−メチル−1−ペンテンのような分岐状α−オレフィン類;ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。この共重合体は、前記した偏光板の保護フィルムに求められる性質を有するものであれば、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂は、その20℃におけるキシレン可溶成分〔以下、冷キシレン可溶(cold xylene soluble)成分の略として 「CXS成分」と呼ぶことがある)の含有量が1重量%以下であることが好ましく、さらには0.8重量%以下、とりわけ0.5重量%以下であることがより好ましい。ポリプロピレン系樹脂フィルムにおけるCXS成分含有量が1重量%を超えると、それを保護フィルムとして貼合した偏光板が高温環境下に晒された場合に、ポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルムが白化して、偏光板の透過率を低下させることがある。
ここで、CXS成分含有量は、次のようにして測定することができる。まず、ポリプロピレン系樹脂5gを沸騰キシレン500mlに完溶させた後、20℃まで降温して4時間保持する。次にその液を析出物と濾液とに濾別し、濾液から溶媒を溜去して、減圧下70℃で乾燥させることにより、乾固された残存物を得る。この残存物の重量を、最初に溶解させたポリプロピレン系樹脂の重量に対する比で表した値が、CXS成分含有量となる。
ポリプロピレン系樹脂は、偏光板としたときに悪影響を及ぼさない範囲で、公知の添加物を含有することができる。添加物としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、防曇剤、アンチブロッキング剤などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂は、市販品を容易に入手することができる。市販品の例を挙げると、それぞれ商品名で、株式会社プライムポリマーから販売されている“プライムポリプロ”、日本ポリプロ株式会社から販売されている“ノバテック”及び“ウィンテック”、住友化学株式会社から販売されている“住友ノーブレン”、サンアロマー株式会社から販売されている“サンアロマー”などがある。
ポリプロピレン系樹脂を成膜してフィルムを形成する方法としては、通常、溶融押出製膜法が採用される。溶融押出製膜法においては、熱可塑性樹脂を押出機へ投入して溶融させ、Tダイからフィルム状の溶融樹脂を押し出し、そのまま冷却ロール上へ引き取って冷却固化させ、連続的に長尺フィルムを得ることができる。
ここで、Tダイのリップ間隔などを適切に制御することにより、フィルムの厚さを決めることができる。ポリプロピレン系樹脂フィルムの厚さは、5〜200μm 程度が好ましく、120μm 以下がより好ましい。その厚さが5μm を下回ると、フィルムのハンドリング性が悪くなり、貼合や裁断などの加工に不具合を生じることがある。一方、その厚さが200μm を超えると、フィルムの透明性が損なわれる傾向にある。また、ポリプロピレン系樹脂フィルムは通常、100μm よりさらに薄く成膜することが可能であり、偏光板の薄肉化に寄与する観点から、その厚さは60μm 以下とするのが一層好ましい。
ポリプロピレン系樹脂フィルムも、市販品を容易に入手することが可能である。市販品の例を挙げると、それぞれ商品名で、FILMAX 社から販売されている“FILMAX CPP フィルム”、サン・トックス株式会社から販売されている“サントックス”、東セロ株式会社から販売されている“トーセロ”、東洋紡績株式会社から販売されている“東洋紡パイレンフィルム”、東レフィルム加工株式会社から販売されている“トレファン”、日本ポリエース株式会社から販売されている“ニホンポリエース”、フタムラ化学株式会社から販売されている“太閤FC”などがある。
ポリプロピレン系樹脂フィルム2は、偏光板の保護フィルムに求められる透明性、平滑性及び均質性を備えたものとして、作製することができる。例えば、 JIS K 7105 に準じて測定されるヘイズ値は10%以下であることが好ましく、さらには7%以下であることがより好ましい。
[ポリプロピレン系樹脂フィルムに積層されるプロテクトフィルム]
ポリプロピレン系樹脂フィルム2の偏光フィルム1に貼合される面とは反対側にプロテクトフィルムを積層したプロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルムとして、原料フィルム搬送工程(A)に供する場合、そのプロテクトフィルムとしては、通常、透明樹脂フィルムに粘着・剥離性の樹脂層又は付着性の樹脂層を形成して、弱い粘着性を付与したものが用いられる。例えば、透明樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフトレート、ポリエチレン、及びポリプロピレンのような熱可塑性樹脂の押出フィルム、それらを組み合わせた共押出フィルム、それらを一軸又は二軸に延伸したフィルムなどが挙げられる。粘着・剥離性の樹脂層としては、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、スチレン−ブタジエン共重合樹脂系粘着剤、ポリイソブチレン系粘着剤、ビニルエーテル系樹脂粘着剤、シリコーン系樹脂粘着剤などが挙げられる。また、付着性の樹脂層としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。
なかでも、透明樹脂フィルムとして、透明性及び均質性に優れ、廉価であるポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンの一軸又は二軸延伸フィルムを用い、粘着・剥離性の樹脂層として、透明性に優れるアクリル系粘着剤を用いたものが好ましい。
プロテクトフィルムの厚さは、15〜75μm であることが好ましい。この厚さが15μm を下回ると、取扱い性に劣ったり、本来求められる表面保護性能が低下したりすることがある。一方、この厚さが75μm を超えると、剛性が強すぎて、やはり取扱い性に劣ったり、剥離強度が高くなったりすることがある。
プロテクトフィルムの引張弾性率は、長尺方向(MD)において1,000MPa以上であることが好ましく、3,000MPa以上であることがより好ましい。この引張弾性率が小さすぎると、取扱い性に劣ったり、ポリプロピレン系樹脂フィルムに貼合するときの張力に耐えられなかったりすることがある。
プロテクトフィルムは、その表面に、防汚処理、反射防止処理、ハードコート処理、帯電防止処理などが施されていてもよい。また、プロテクトフィルムの粘着剤層には、その剥離時に静電気を誘起させないため、帯電防止剤などが含有されていてもよい。
片面に適度の粘着性が付与されたプロテクトフィルムは、市販品を容易に入手することが可能である。市販品の例を挙げると、それぞれ商品名で、藤森工業株式会社から販売されている“マスタック”、株式会社サンエー化研から販売されている“サニテクト”、日東電工株式会社から販売されている“イーマスク”、東レフィルム加工株式会社から販売されている“トレテック”などがある。
[延伸された透明樹脂フィルム]
偏光フィルム1のポリプロピレン系樹脂フィルム2が貼合される面とは反対側に貼合される延伸された透明樹脂フィルム3は、透明性に優れ、かつ延伸によって適当な位相差値を発現できる樹脂で構成すればよい。かかる樹脂として、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂やポリプロピレン系樹脂を包含するポリオレフィン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂などを挙げることができる。このような樹脂からなるフィルムを一軸や二軸等の適宜な方式で延伸することにより、延伸された透明樹脂フィルム3を得ることができる。
この延伸された透明樹脂フィルム3は、延伸によって適当な位相差が付与されたものとなる。位相差が付与されたフィルムは、1/4波長板や1/2波長板のような波長板であってもよいし、視野角補償フィルムなどであってもよい。位相差フィルムの膜厚は、通常20〜200μm 程度であり、好ましくは20〜120μm である。
位相差フィルムとして視野角補償フィルムを使用する場合、液晶セルに採用されているモードを考慮する必要がある。例えば、垂直配向(Vertical Alignment:VA)モードの液晶セルであれば、視野角補償フィルムとして、正の固有複屈折を有する高分子フィルムが一軸延伸され、屈折率楕円体がnx>ny≒nz の関係を有するポジティブAプレート、横延伸や逐次二軸延伸が施され、nx>ny>nz の関係を有する二軸性のフィルム、又はnx≒ny>nzの関係を有するネガティブCプレートを用いることができる。ここで、nxはフィルムの面内遅相軸(x軸)方向の屈折率、ny は面内進相軸(y軸:遅相軸と面内で直交する軸)方向の屈折率、そしてnz は厚み(z軸)方向の屈折率である。
特に、二軸延伸された二軸性のフィルムが好ましく用いられる。二軸性の視野角補償フィルムを使用する場合、その二軸性の目安となるNz係数は、次の式(2)で定義され、さらに、膜厚をdとしたときの面内の位相差値Ro 及び厚み方向の位相差値Rthは、それぞれ次の式(3)及び(4)で定義される。
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) (2)
Ro =(nx−ny)×d (3)
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (4)
また、上記式(2)〜(4)から、Nz係数と、面内の位相差値Ro 及び厚み方向の位相差値Rthとの関係は、次の式(5)で表すことができる。
Nz=Rth/Ro+0.5 (5)
延伸された透明樹脂フィルム3として視野角補償フィルムを用いる場合、その面内の位相差値Ro は、30〜300nmの範囲、とりわけ50〜260nmの範囲にあることが好ましい。またNz係数は、1.1〜7の範囲、とりわけ1.4〜5の範囲にあることが好ましい。これらの範囲から、適用される液晶表示装置に要求される視野角特性に合わせて、適宜光学特性の値を選択すればよい。
延伸された透明樹脂フィルム3が位相差フィルムである場合、偏光フィルムと位相差フィルムとを貼合する際には、偏光フィルムの吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とのなす角度を、その用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、位相差フィルムが視野角補償フィルムである場合には、偏光フィルムの吸収軸と視野角補償フィルムの遅相軸とのなす角度は、実質的に0°又は90°とされる。
[接着剤]
偏光フィルム1とポリプロピレン系樹脂フィルム2との貼合、また偏光フィルム1と延伸された透明樹脂フィルム3との貼合には、接着剤が用いられる。この接着剤は、活性エネルギー線の照射、加熱、乾燥などによって硬化し、偏光フィルム1とポリプロピレン系樹脂フィルム2、及び偏光フィルム1と延伸された透明樹脂フィルム3を、実用に足る強度で接着できるものであればよい。例えば、グリシジルエーテル系エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、及びオキセタン化合物のようなカチオン重合性化合物に、光カチオン重合開始剤を配合してなるカチオン重合性の光硬化性接着剤組成物;アクリル系化合物のようなラジカル重合性化合物に、光ラジカル重合開始剤を配合してなるラジカル重合性の光硬化性接着剤組成物;上に示したカチオン重合性又はラジカル重合性の化合物に、熱重合開始剤、すなわち熱カチオン発生剤又は熱ラジカル発生剤を配合してなる熱硬化性接着剤組成物;水溶性又は親水性の架橋性エポキシ化合物又はウレタン化合物に、必要に応じてポリビニルアルコール系樹脂のような反応性基を有する水溶性樹脂を配合した水溶液又は水分散液からなる水系接着剤組成物などが挙げられる。
なかでも、エポキシ化合物と光カチオン重合開始剤を含有してなるカチオン重合性の光硬化性接着剤組成物が好ましい。またこの接着剤組成物は、無溶剤で使用可能なものであることがより好ましい。すなわち、光カチオン硬化可能なエポキシ化合物であって、無溶剤で適度な流動性を有し、適切な硬化接着強度を与えるものを選択し、それに適したカチオン重合開始剤を配合してなる活性エネルギー線硬化性接着剤組成物は、硬化工程において乾燥設備を省くことができ、一般に他の光硬化及び熱硬化系では接着しにくいポリプロピレン系樹脂フィルム2を偏光フィルム1に良好な接着力で接着させる。また、適切な活性エネルギー線量を照射することで硬化速度を促進させ、生産速度を向上させることもできる。
このような接着剤組成物に用いられるエポキシ化合物の例を挙げると、水酸基を有する芳香族化合物又は鎖状化合物のグリシジルエーテル化物、アミノ基を有する化合物のグリシジルアミノ化物、C−C二重結合を有する鎖状化合物のエポキシ化物、飽和炭素環に直接若しくはアルキレンを介してグリシジルオキシ基若しくはエポキシエチル基が結合しているか、又は、飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物などがある。これらのエポキシ化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、異なる複数種を併用してもよい。なかでも脂環式エポキシ化合物は、カチオン重合性に優れることから好ましく用いられる。
水酸基を有する芳香族化合物又は鎖状化合物のグリシジルエーテル化物は、例えば、当該芳香族化合物又は鎖状化合物の水酸基にエピクロロヒドリンを塩基性条件下で付加縮合させる方法により、得ることができる。その例には、ビスフェノール型エポキシ樹脂、多芳香環型エポキシ樹脂、アルキレングリコール型エポキシ樹脂などがある。
ビスフェノール型エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールAのグリシジルエーテル化物及びそのオリゴマー体、ビスフェノールFのグリシジルエーテル化物及びそのオリゴマー体、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ビフェノールのグリシジルエーテル化物及びそのオリゴマー体などが挙げられる。
多芳香環型エポキシ樹脂として、例えば、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物、フェノールアラルキル樹脂のグリシジルエーテル化物、ナフトールアラルキル樹脂のグリシジルエーテル化物、フェノールジシクロペンタジエン樹脂のグリシジルエーテル化物などが挙げられる。さらに、トリスフェノール類のグリシジルエーテル化物及びそのオリゴマー体なども、多芳香環型エポキシ樹脂に属する。
アルキレングリコール型エポキシ樹脂として、例えば、エチレングリコールのグリシジルエーテル化物、ジエチレングリコールのグリシジルエーテル化物、1,4−ブタンジオールのグリシジルエーテル化物、1,6−ヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物などが挙げられる。
アミノ基を有する化合物のグリシジルアミノ化物は、当該化合物のアミノ基にエピクロロヒドリンを塩基性条件下で付加縮合させる方法により、得ることができる。アミノ基を有する化合物は、同時に水酸基を有していてもよい。例えば、1,3−フェニレンジアミンのグリシジルアミノ化物及びそのオリゴマー体、1,4−フェニレンジアミンのグリシジルアミノ化物及びそのオリゴマー体、3−アミノフェノールのグリシジルアミノ化及びグリジシジルエーテル化物並びにそのオリゴマー体、4−アミノフェノールのグリシジルアミノ化及びグリジシジルエーテル化物並びにそのオリゴマー体などが挙げられる。
C−C二重結合を有する鎖状化合物のエポキシ化物は、当該鎖状化合物のC−C二重結合を、過酸化物を用いて塩基性条件下でエポキシ化する方法により、得ることができる。C−C二重結合を有する鎖状化合物としては、例えば、ブタジエン、ポリブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエンなどが挙げられる。また、二重結合を有するテルペン類もエポキシ化原料として用いることができ、非環式モノテルペンの例を挙げると、リナロールなどがある。エポキシ化に用いられる過酸化物の例としては、過酸化水素、過酢酸、tert−ブチルヒドロペルオキシドなどが挙げられる。
飽和炭素環に直接若しくはアルキレンを介してグリシジルオキシ基又はエポキシエチル基が結合している脂環式エポキシ化合物は、先に掲げたビスフェノール類を代表例とする水酸基を有する芳香族化合物の芳香環を水素化して得られる水素化環状ポリヒドロキシ化合物のグリシジルエーテル化物、水酸基を有する飽和環状化合物のグリシジルエーテル化物、ビニル基を有する飽和環状化合物のエポキシ化物などであることができる。
以上説明したようなエポキシ化合物は、市販品を容易に入手することが可能である。市販品の例を挙げると、それぞれ商品名で、ジャパンエポキシレジン株式会社から販売されている“エピコート”、DIC株式会社から販売されている“エピクロン”、東都化成株式会社から販売されている“エポトート”、株式会社ADEKAから販売されている“アデカレジン”、ナガセケムテックス株式会社から販売されている“デナコール”、ダウケミカル社から販売されている“ダウエポキシ”、日産化学工業株式会社から販売されている“テピック”などがある。
一方、飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物は、例えば、C−C二重結合を環内に有する非芳香族環状化合物のC−C二重結合を、過酸化物を用いて塩基性条件下でエポキシ化する方法により、得ることができる。C−C二重結合を環内に有する非芳香族環状化合物として、例えば、シクロペンテン環を有する化合物、シクロヘキセン環を有する化合物、シクロペンテン環又はシクロヘキセン環にさらに少なくとも2個の炭素原子が結合して追加の環を形成している多環式化合物などが挙げられる。このC−C二重結合を環内に有する非芳香族環状化合物は、環外に別のC−C二重結合を有していてもよい。C−C二重結合を環内に有する非芳香族環状化合物の例を挙げると、シクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、単環式モノテルペンであるリモネン及びα−ピネンなどがある。
飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物は、上で述べたような環に直接結合したエポキシ基を有する脂環式構造が、適当な連結基を介して分子内に少なくとも2個形成された化合物であってもよい。ここでいう連結基には、例えば、エステル結合、エーテル結合、アルキレン結合などを有する基が含まれる。
飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物の例を挙げると、次のようなものがある。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、
1,2−エポキシ−4−エポキシエチルシクロヘキサン、
1,2−エポキシ−1−メチル−4−(1−メチルエポキシエチル)シクロヘキサン、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル (メタ)アクリレート、
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールと4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサンとの付加物、
エチレン ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
オキシジエチレン ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
1,4−シクロヘキサンジメチル ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメトキシカルボニル)プロピル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなど。
以上説明したような飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物も、市販品を容易に入手することができる。市販品の例を挙げると、それぞれ商品名で、ダイセル化学工業株式会社から販売されている“セロキサイド”及び“サイクロマー”、ダウケミカル社から販売されている“サイラキュア”などがある。
エポキシ化合物を含有する硬化性接着剤組成物は、さらにエポキシ化合物以外の活性エネルギー線硬化性化合物を含有してもよい。エポキシ化合物以外の活性エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、オキセタン化合物やアクリル化合物などが挙げられる。なかでも、カチオン重合において硬化速度を向上させることができることから、オキセタン化合物を併用することが好ましい。
オキセタン化合物は、分子内に4員環エーテルを有する化合物であり、例えば、次のようなものを挙げることができる。
1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ベンゼン、
3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、
ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−(シクロヘキシルオキシメチル)オキセタン、
フェノールノボラックオキセタン、
1,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼンなど。
オキセタン化合物も、市販品を容易に入手することができる。市販品の例を挙げると、それぞれ商品名で、東亞合成株式会社から販売されている“アロンオキセタン”、宇部興産株式会社から販売されている“ETERNACOLL”などがある。
エポキシ化合物やオキセタン化合物を包含する硬化性化合物は、これらを配合してなる硬化性接着剤組成物を無溶剤とするために、有機溶剤などで希釈されていないものを用いることが好ましい。また、後述する接着剤組成物を構成する光カチオン重合開始剤や増感剤を包含する少量成分も、有機溶剤に溶解されたものよりも、有機溶剤が除去・乾燥されたその化合物単独の粉体又は液体を用いることが好ましい。
光カチオン重合開始剤は、活性エネルギー線、例えば紫外線の照射を受けてカチオン種を発生させるものであり、それが配合された接着剤組成物に求められる接着強度及び硬化速度を与えるものであればよい。例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩;鉄−アレン錯体などが挙げられる。これらの光カチオン重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、異なる複数種を併用してもよい。
芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、次のような化合物を挙げることができる。
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレートなど。
芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、次のような化合物を挙げることができる。
ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートなど。
芳香族スルホニウム塩としては、例えば、次のような化合物を挙げることができる。
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4,4′−ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、
4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−フェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニオジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジフェニルスルホニオジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなど。
鉄−アレン錯体としては、例えば、次のような化合物を挙げることができる。
キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロアンチモネート、
クメン−シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロホスフェート、
キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II) トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイドなど。
これら光カチオン重合開始剤のなかでも、芳香族スルホニウム塩は、300nm以上の波長領域でも紫外線吸収特性を有することから、硬化性に優れ、良好な機械強度や接着強度を有する接着剤層を与えることができるため、好ましく用いられる。
光カチオン重合開始剤も市販品を容易に入手することが可能である。市販品の例を挙げると、それぞれ商品名で、日本化薬株式会社から販売されている“カヤラッド”、ユニオンカーバイド社から販売されている“サイラキュア”、サンアプロ株式会社から販売されている光酸発生剤“CPI”、ミドリ化学株式会社から販売されている光酸発生剤“TAZ”、“BBI”及び“DTS”、株式会社ADEKAから販売されている“アデカオプトマー”、ローディア社から販売されている“RHODORSIL”などがある。
光カチオン重合開始剤の配合量は、光硬化性接着剤組成物の総量100重量部に対し、通常0.5〜20重量部であり、好ましくは1〜15重量部である。その量が0.5重量部を下回ると、硬化が不十分になり、接着剤層の機械強度や接着強度を低下させることがある。また、その量が20重量部を超えると、接着剤層中のイオン性物質が増加することで接着剤層の吸湿性が高くなり、得られる偏光板の耐久性能を低下させることがある。
光硬化性接着剤組成物は、必要に応じて光増感剤を含有することができる。光増感剤を使用することにより、反応性が向上し、接着剤層の機械強度や接着強度をさらに向上させることができる。光増感剤としては、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。
光増感剤となりうるカルボニル化合物の例を挙げると、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、及びα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体;9,10−ジブトキシアントラセンのようなアントラセン化合物;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、及び4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン及びその誘導体;2−クロロアントラキノン、及び2−メチルアントラキノンのようなアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、及びN−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノンのようなアセトフェノン誘導体;キサントン誘導体;フルオレノン誘導体などがある。光増感剤となりうる有機硫黄化合物の例を挙げると、2−クロロチオキサントン、及び2−イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン誘導体などがある。その他に、ベンジル化合物やウラニル化合物なども、光増感剤として用いることができる。これらの光増感剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、異なる複数種を併用してもよい。
光増感剤を配合する場合、その配合量は、光硬化性接着剤組成物の総量100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲とすることが好ましい。
光硬化性接着剤組成物には、その効果を損なわない範囲で各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤などが挙げられる。
光硬化性接着剤組成物は、フィルムに適当な方法で塗工できる粘度を有するものであればよいが、その25℃における粘度は、10〜30,000mPa・sec の範囲にあることが好ましく、50〜6,000mPa・sec の範囲にあることがより好ましい。その粘度が10mPa・secを下回ると、塗工できる装置が限られ、塗工できたとしてもムラのない均質な塗膜が得られにくくなる傾向にある。一方、その粘度が30,000mPa・sec を超えると、流動しにくくなって、同じく塗工できる装置が限られ、ムラのない均質な塗膜が得られにくくなる傾向にある。ここでいう粘度は、B型粘度計を用いてその組成物を25℃に調温した後、60rpm で測定される値である。
[粘着剤層]
本発明によって製造される偏光板は、延伸された透明樹脂フィルム3側に粘着剤層を形成して、粘着剤層付き偏光板とすることができる。この粘着剤層を介して液晶セルに貼合されることになる。粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとするものが挙げられる。なかでも、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤は、光学的な透明性に優れ、適度の濡れ性や凝集力を保持し、さらに耐候性や耐熱性などに優れ、加熱や加湿の条件下で浮きや剥がれなどの剥離問題が生じにくいため、好ましく用いられる。
アクリル系粘着剤を構成するアクリル系ベースポリマーには、エステル部分が、メチル基、エチル基、ブチル基、又は2−エチルヘキシル基のような炭素数20以下のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルのような官能基含有(メタ)アクリル系モノマーとのアクリル系共重合体が好ましく用いられる。このようなアクリル系共重合体を含む粘着剤層は、液晶セルに貼合した後で何らかの不具合があって剥離する必要が生じた場合に、ガラス基板に糊残りなどを生じさせることなく、比較的容易に剥離することができる。粘着剤に用いるアクリル系共重合体は、そのガラス転移温度が25℃以下、さらには0℃以下であることが好ましい。また、このアクリル系共重合体は、通常10万以上の重量平均分子量を有する。
粘着剤層を形成する粘着剤として、光拡散剤が分散された拡散粘着剤を用いることもできる。光拡散剤は、粘着剤層に光拡散性を付与するためのものであり、粘着剤層を構成するベースポリマーと異なる屈折率を有する微粒子であればよく、無機化合物からなる微粒子や有機化合物(ポリマー)からなる微粒子を用いることができる。前記したようなアクリル系ベースポリマーを含めて、粘着剤層を構成するベースポリマーは 1.4前後の屈折率を示すことが多いので、光拡散剤は、その屈折率が1〜2程度のものから適宜選択すればよい。粘着剤層を構成するベースポリマーと光拡散剤との屈折率差は、通常 0.01以上であり、また液晶表示装置の明るさや視認性を保つ観点からは、0.01以上0.5以下であることが好ましい。光拡散剤として用いる微粒子は、球形のもの、それも単分散に近いものが好ましく、例えば、平均粒径が2〜6μm 程度の範囲にある微粒子が好適に用いられる。
無機化合物からなる微粒子としては、例えば、 酸化アルミニウム(屈折率1.76)、酸化ケイ素(屈折率1.45)などを挙げることができる。 また有機化合物(ポリマー)からなる微粒子としては、例えば、メラミン樹脂ビーズ(屈折率1.57)、 ポリメタクリル酸メチルビーズ(屈折率1.49)、 メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂ビーズ(屈折率1.50〜1.59)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.55)、 ポリエチレンビーズ(屈折率1.53)、ポリスチレンビーズ(屈折率1.6)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.46)、シリコーン樹脂ビーズ(屈折率1.46)などが挙げられる。
光拡散剤の配合量は、それが分散される粘着剤層に必要とされるヘイズ値や、それが適用される液晶表示装置の明るさなどを考慮して適宜決められるが、通常、粘着剤層を構成するベースポリマー100重量部に対して3〜30重量部程度である。
光拡散剤が分散された粘着剤層のヘイズ値は、粘着剤層付き偏光板が適用された液晶表示装置の明るさを確保するとともに、表示像のにじみやボケを生じにくくする観点から、20〜80%の範囲とすることが好ましい。ここでヘイズ値は、(拡散透過率/全光線透過率)×100(%)で定義される値であり、 JIS K 7105 に準じて測定される。
透明な粘着剤又は拡散粘着剤を構成する各成分は、酢酸エチルなどの適当な溶剤に溶かして粘着剤組成物とされる。ただし、光拡散剤などの溶剤に溶けない成分は、分散された状態となる。この粘着剤組成物を適当な基材上に塗布し、乾燥させて、粘着剤層を形成することができる。
偏光板5を構成する延伸された透明樹脂フィルム3上への粘着剤層の形成は、例えば、前記基材として剥離フィルムを用い、そこに前記粘着剤組成物を塗布して粘着剤層を形成し、得られる粘着剤層を、延伸された透明樹脂フィルム3の表面に貼着する方法、偏光板5を構成する延伸された透明樹脂フィルム3の表面に直接、前記粘着剤組成物を塗布して粘着剤層を形成し、その粘着剤面に剥離フィルムを貼り合わせる方法などによって、行うことができる。
剥離フィルムの上に粘着剤層を形成した後、その粘着剤層にもう1枚の剥離フィルムを貼合して、光学フィルムに支えられない両面剥離フィルム型粘着剤シートとすることもできる。このような両面剥離フィルム型粘着剤シートは、必要な時期に片側の剥離フィルムを剥離し、延伸された透明樹脂フィルム3への貼合に供される。
両面剥離フィルム型粘着剤シートとして市販されている製品の例を挙げると、それぞれ商品名で、日東電工株式会社から販売されている“LUCIACS” 、リンテック株式会社から販売されている“ノンキャリア”、日栄加工株式会社から販売されている“光学用基材レス両面粘着テープ MHM-F25”、東洋インキ株式会社から販売されている“光学粘着シート FS800”、綜研化学株式会社から販売されている“光学用両面テープ SK”などがある。
粘着剤層は、例えば、温度23℃、相対湿度65%で3〜20日程度熟成され、架橋剤の反応を十分に進行させた後、液晶セルへの貼合に供される。
粘着剤層の厚さは、その接着力などに応じて適宜決定されるが、通常、1〜40μm 程度である。加工性や耐久性などの特性を損なうことなく、薄型の偏光板を得るためには、粘着剤層の厚さを3〜25μm 程度とすることが好ましい。また、粘着剤層の厚さをこの範囲とすることにより、液晶表示装置を正面から見た場合や斜めから見た場合の明るさを保ち、表示像のにじみやボケが起こりにくくすることができる。
本発明の方法で製造された偏光板に、上で説明した粘着剤層が設けられ、さらにその粘着剤層を剥離フィルムで仮着保護した粘着剤層付き偏光板は、液晶セルに貼合される製品形状にチップカットした状態で、あるいはそこから剥離フィルムを剥がした状態で、粘着剤層側が凸となる正カールにすることができる。また、そのカール量を5mm以下とすることができる。
ここでのカール量は、先に図2を参照して行った説明に準じた方法で測定することができる。先のプロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルムのカール量を測定するときの説明では、サンプルフィルムを30cm×30cmの大きさに裁断するとしたが、粘着剤層付き偏光板では、液晶セルに貼合される製品の大きさに裁断した状態で、カールを観察し、カール量を求める。また、剥離フィルムを剥がして粘着剤層がむき出しになった状態では、その粘着剤層を下に向けるとそのまま基準面に接着してしまうので、この状態ではカールの有無にかかわらず、粘着剤面を上に向けて基準面上に置き、温度22℃、相対湿度60%の環境下で1時間静置する。その後は、先に述べた方法に準じてカール量を測定すればよい。そして、粘着剤層側が凸となる場合を正カールと呼び、逆に粘着剤層側が凹となる場合を逆カールと呼ぶ。
[偏光板に設けることができるその他の層]
本発明によって得られる偏光板は、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の表面に、ハードコート層、反射防止層、及び防眩層のような表面処理層が形成されていてもよい。この場合は、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の表面にこのような表面処理層が形成された状態で、先の原料フィルム搬送工程(A)、さらに貼合工程(B)へと供されるのが一般的である。また、ポリプロピレン系樹脂フィルム2側に輝度向上フィルムを貼合したり、延伸された透明樹脂フィルム3側に固有複屈折が負である高分子フィルムを一軸化又は横延伸や逐次延伸によって二軸化した位相差フィルムを貼合したりすることもできる。
[液晶表示装置]
本発明により得られる偏光板は、粘着剤層を介して液晶セルに貼合し、液晶パネルとすることができる。液晶パネルを製造する際、偏光板のカール量が小さいことから、それを液晶セルに貼合するとき、端部に気泡を噛み込むなどの不具合が生じにくいものとなる。ここで、液晶パネルを構成する液晶セルは、TN(Twisted Nematic) 、STN(Super Twisted Nematic) 、VA(Vertical Alignment)、IPS(In-Plane Switching)、
OCB(Optically Compensated Bend)など、この分野で知られている各種モードのものであることができる。偏光板が貼合された液晶パネルは、駆動回路やバックライトユニットなどがさらに組み込まれて、液晶表示装置となる。この液晶表示装置は、本発明により製造される偏光板を用いたことにより、廉価で薄肉化することができ、信頼性に優れたものとなる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。以下の例において、使用量を表す部は、特にことわりがない限り重量基準である。また、各例における物性値の測定は、以下の方法により行った。
[フィルムのカール量の測定]
先に図2を参照して行った説明に準じた方法で、プロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルム、偏光板、並びに粘着剤層付き偏光板(剥離フィルムが付いた状態、及び剥離フィルムを剥がした状態)のそれぞれについて、フィルムの凸となっている側を下に向けてカール量を測定した。プロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルムでは、ポリプロピレン系樹脂フィルム側が凸となる場合を正カールとし、偏光板又は粘着剤層付き偏光板では、延伸された透明樹脂フィルム3側(粘着剤層付きの場合はその粘着剤層側)が凸となる場合を正カールとする。
[フィルムの引張弾性率の測定]
フィルムの引張弾性率は、JIS K 7161「プラスチック−引張特性の試験方法 第1部:通則」に規定された方法で、オートグラフ(型式“AG-1”、株式会社島津製作所製)を用い、温度22℃、相対湿度53%の条件にて測定した。
[実施例1]
(a)接着剤組成物の調製
以下の各成分を混合して、紫外線硬化性接着剤組成物を調製した。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート 40部
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル 60部
ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート(光カチオン重合開始剤) 4部
(b)ポリプロピレンフィルムへのプロテクトフィルムの貼合
プロピレンの単独重合体から溶融押出製膜法によって厚さ50μm のポリプロピレンフィルムを得た。このポリプロピレンのCXS成分含有量は 0.2%であった。別途、片面に弱粘着性のアクリル系粘着剤層が設けられた厚さ60μm の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、これをプロテクトフィルムとした。このポリエチレンテレフタレートフィルムは、長尺方向(MD)の引張弾性率が3,500MPaであった。
フィルム貼合用のロールタイプラミネーターに、上記ポリプロピレンフィルムを貼合前張力0.013N/mm で供給し、上記プロテクトフィルムを貼合前張力0.20N/mm で供給し、プロテクトフィルムの粘着剤層がポリプロピレンフィルムと重なるように貼合した。得られたプロテクトフィルム貼着ポリプロピレンフィルムから30cm×30cmのサンプルを切り出し、そのカール量を前記の方法により測定したところ、ポリプロピレンフィルム側が凸となる正カールであり、四つの角のうち最小値が0.5mm、最大値が4mm であった。
(c)偏光板の作製
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光フィルムの片面に、上記(b)で作製したプロテクトフィルム貼着ポリプロピレンフィルムのポリプロピレンフィルム側を、偏光フィルムの他面には、日本ゼオン株式会社から入手したシクロオレフィン系樹脂の二軸延伸フィルムであって厚さ60μm の“ゼオノアフィルム”(商品名、面内の位相差値 Ro=63nm、厚み方向の位相差値Rth=225nm)をそれぞれ貼合して、偏光板を作製した。貼合にあたっては、上記プロテクトフィルム貼着ポリプロピレンフィルム及びシクロオレフィン系樹脂フィルムのそれぞれ偏光子への貼合面に、上記(a)で調製した紫外線硬化性接着剤組成物を塗布し、それぞれの塗布面を上記偏光フィルムの両面に重ねた後、2本の貼合ロール15,16の間に通して一体化した。ここで、第一の貼合ロール15には、表面がゴムになっているゴムロールを使用し、第二の貼合ロール16には、表面にクロムメッキが施された金属ロールを使用した。また、ポリプロピレンフィルム側に配置された第一の貼合ロール15の周速度R1 に対する、シクロオレフィン系樹脂フィルム側に配置された第二の貼合ロール16の周速度R2の比R2/R1を1.0115とした。
貼合後、メタルハライドランプを光源とする紫外線照射装置を用い、320〜400nmの波長における積算光量が200mJ/cm2 となるようにシクロオレフィン系樹脂フィルム側から紫外線照射して接着剤を硬化させ、得られた偏光板をロールに巻き取った。
(d)偏光板のカール評価
上記(c)で得られた偏光板から30cm×30cmのサンプルを切り出し、そこからプロテクトフィルムを剥がした状態で、そのカール量を前記の方法により測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルム側が凸となる正カールであり、四つの角とも18mmであった。
(e)粘着剤層付き偏光板の作製と評価
別途、剥離フィルム上にアクリル系粘着剤層が形成されている両面剥離フィルム型粘着剤シートを用意した。その片側剥離フィルムを剥がしてから、上記(c)で得られたロール状偏光板のシクロオレフィン系樹脂フィルム側に、その粘着剤面を貼り合わせて粘着剤層を形成し、23℃で7日間養生した。この粘着剤層付き偏光板を、ワイド32型のサイズ〔対角32インチ(約81cm)で、幅約71cm×縦約40cm〕にチップカットした。この状態(粘着剤層に剥離フィルムが付いた状態)で、このチップカットされた大きさのままカール量を前記の方法により測定したところ、粘着剤層側が凸となる正カールであり、四つの角のうち最小値が2mm、最大値が4mmであった。また、粘着剤層から剥離フィルムを剥がし、粘着剤面を上にして水平台上に置き、温度22℃、相対湿度60%の環境下で1時間静置したところ、カールが観察されなかった。そこで、その表裏を反転させたところ、やはりカールは観察されず、四辺の浮き上がりも認められなかった。したがって、この例における粘着剤層付き偏光板の剥離フィルムを剥がした状態でのカール量は、四つの角とも0mmであった。
[実施例2]
実施例1の(c)において、ポリプロピレンフィルム側に配置された第一の貼合ロール15の周速度R1 に対する、シクロオレフィン系樹脂フィルム側に配置された第二の貼合ロール16の周速度R2 の比R2/R1 を1.0110とし、その他は実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板から30cm×30cmのサンプルを切り出し、そこからプロテクトフィルムを剥がした状態で、そのカール量を前記の方法により測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルム側が凸となる正カールであり、四つの角とも18mmであった。また、実施例1の(e)と同様にシクロオレフィン系樹脂フィルム側に粘着剤層を形成し、ワイド32型のサイズにチップカットしたところ、剥離フィルムが付いた状態及び剥離フィルムを剥がした状態とも、粘着剤層側が凸となる正カールであった。剥離フィルムが付いた状態でのカール量は、四つの角のうち最小値が3mm、最大値が4mmであり、剥離フィルムを剥がした状態でのカール量は、四つの角とも1mmであり、問題のないレベルであった。
[比較例1]
実施例1の(c)において、ポリプロピレンフィルム側に配置された第一の貼合ロール15の周速度R1 に対する、シクロオレフィン系樹脂フィルム側に配置された第二の貼合ロール16の周速度R2 の比R2/R1 を1.0120とし、その他は実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板から30cm×30cmのサンプルを切り出し、そこからプロテクトフィルムを剥がした状態で、そのカール量を前記の方法により測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルム側が凸となる正カールであったが、最大で87mmに達した。このように大きなカールが発生すると、粘着剤層を設けて液晶セルに貼り合わせた後に剥がれやすくなるので、粘着剤層形成以降の実験は行わなかった。
[比較例2]
実施例1の(c)において、ポリプロピレンフィルム側に配置された第一の貼合ロール15の周速度R1 に対する、シクロオレフィン系樹脂フィルム側に配置された第二の貼合ロール16の周速度R2 の比R2/R1 を1.0100とし、その他は実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板から30cm×30cmのサンプルを切り出し、そこからプロテクトフィルムを剥がした状態で、そのカール量を前記の方法により測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルム側が凹となる逆カールであり、最大で22mmとなった。このように逆カールが発生すると、液晶セルに貼合するとき、中央部に気泡を噛み込むなどの不具合が生じやすくなるので、粘着剤層形成以降の実験は行わなかった。
1……偏光フィルム、
2……ポリプロピレン系樹脂フィルム、
3……延伸された透明樹脂フィルム、
5……偏光板、
12,13……接着剤塗布装置、
15……第一の貼合ロール、
16……第二の貼合ロール、
18……硬化装置、
21……カールしたフィルム、
23……フィルムがカールしていないと仮定したときの基準面上の仮想面、
25……基準面、
A,B,C,D……仮想面上の角、
A1,B1,C1,D1……カールしたフィルムの角、
H……カール量(基準面からフィルムの角までの高さ)。

Claims (6)

  1. 二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面に、接着剤を介してポリプロピレン系樹脂フィルムを貼合し、前記偏光フィルムの他面には、接着剤を介して延伸された透明樹脂フィルムを貼合して偏光板を製造する方法であって、
    (A)前記の偏光フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム及び延伸された透明樹脂フィルムをそれぞれ一定方向に、かつ前記偏光フィルムを前記ポリプロピレン系樹脂フィルムと前記延伸された透明樹脂フィルムとで挟むように搬送する原料フィルム搬送工程と、
    (B)前記偏光フィルムの片面に前記ポリプロピレン系樹脂フィルムを、前記偏光フィルムの他面に前記延伸された透明樹脂フィルムを、それぞれ硬化性の接着剤を介して貼合し、そして、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの外側に接触し、その搬送方向に回転する第一の貼合ロールと、前記延伸された透明樹脂フィルムの外側に接触し、その搬送方向に回転する第二の貼合ロールとで、ポリプロピレン系樹脂フィルム/偏光フィルム/延伸された透明樹脂フィルムの積層体を挟みながら前記貼合を行う貼合工程と、
    (C)貼合後、前記接着剤を硬化させて、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムと前記偏光フィルム及び前記延伸された透明樹脂フィルムと前記偏光フィルムを接着させる硬化工程とを備え、
    前記貼合工程(B)は、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの外側に接触する第一の貼合ロールの周速度に対する前記延伸された透明樹脂フィルムの外側に接触する第二の貼合ロールの周速度の比が1.0105以上1.0118以下となるように行われることを特徴とする、偏光板の製造方法。
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、前記偏光フィルムに貼合される面とは反対側にプロテクトフィルムが積層されている請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、前記プロテクトフィルムを貼合するプロテクトフィルム貼合工程を経た後、前記原料フィルム搬送工程(A)に供され、
    前記プロテクトフィルム貼合工程は、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの貼合前張力を0.013N/mm以上0.034N/mm以下の範囲とし、前記プロテクトフィルムの貼合前張力を0.13N/mm以上0.34N/mm以下の範囲として行われる請求項2に記載の方法。
  4. 前記延伸された透明樹脂フィルムは、二軸延伸されている請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記原料フィルム搬送工程(A)の途中に、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの偏光フィルムへの貼合面に前記接着剤を塗布し、前記延伸された透明樹脂フィルムの偏光フィルムへの貼合面に前記接着剤を塗布する接着剤塗布工程をさらに備える請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記接着剤は、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤を含有し、前記硬化工程(C)は活性エネルギー線の照射により行われる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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