JPWO2017006938A1 - 偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

本発明によれば、活性線硬化型接着剤層を介して偏光子が第一の保護フィルム及び第二の保護フィルムで挟持された偏光板であって、第二の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープモーメントの値A2に対する第一の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープモーメントの値A1の比A1/A2が、1.1以上3.5以下である偏光板、及びこの偏光板を有する液晶表示装置が提供される。

Description

本発明は、偏光板及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置に用いられる偏光板において、偏光子と光学フィルム(偏光板保護フィルム)の貼合には、従来ポリビニルアルコ−ル水溶液などの水系接着剤が用いられてきたが、近年、耐久性などの観点から、活性線硬化型接着剤が用いられるようになってきた。
特許文献1には、偏光子が活性線硬化型接着剤層を介して特定の寸法変化率の条件を満たすアクリルフィルム及びセルロースアセテートフィルムで挟持されている偏光板が記載されている。
特許文献2には、偏光子が活性線硬化型接着剤層を介して、特定の添加剤を配合するセルロースアセテートフィルムで挟持されている偏光板が記載されている。
国際公開第2014/175040号 日本国特開2014−149325号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2の偏光板は、カールの観点で不十分であり、液晶表示装置に用いた場合、表示品質が低下することがあった。また、特許文献2の偏光板は、添加剤について種々の制約があり、製造適性に劣っていた。
本発明が解決しようとする課題は、活性線硬化型接着剤が使用されている偏光板において、カールの観点で優れ、液晶表示装置に用いた際に表示品質に優れる偏光板、及びこの偏光板を有する液晶表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、偏光子の両側に貼合した2枚の保護フィルムがそれぞれ有する、偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープ変形量、弾性率、及びフィルムの膜厚の積にて算出されるクリープモーメントの関係が重要であり、2枚の保護フィルムのクリープモーメントの比を特定の数値範囲に設計することにより、上記課題を解決できることが分かった。
すなわち下記構成により上記課題を解決できる。
<1>
活性線硬化型接着剤層を介して偏光子が第一の保護フィルム及び第二の保護フィルムで挟持された偏光板であって、
上記第二の保護フィルムの上記偏光子とは反対側の表面に粘着剤層を有し、
上記第二の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープモーメントの値A2に対する上記第一の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープモーメントの値A1の比A1/A2が、1.1以上3.5以下である偏光板。
ここで、上記A1及び上記A2は下記式により算出される。
A1=上記第一の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープ量(%)×上記第一の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向の弾性率(GPa)×上記第一の保護フィルムの膜厚(μm)
A2=上記第二の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープ量(%)×上記第二の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向の弾性率(GPa)×上記第二の保護フィルムの膜厚(μm)
<2>
上記A2の値が0以上40以下である<1>に記載の偏光板。
<3>
上記A1/A2が、1.1以上2.3以下である<1>又は<2>に記載の偏光板。
<4>
上記第二の保護フィルムがシクロオレフィン系樹脂を含むフィルムである<1>〜<3>のいずれかに記載の偏光板。
<5>
平板上に、上記偏光板を、上記第二の保護フィルム面側を上記平板側に配置して置いたときに、少なくとも上記偏光板の中央部が上記平板に接触する、<1>〜<4>のいずれかに記載の偏光板。
ここで、上記中央部とは、上記偏光板の長辺を2等分する垂線と短辺を二等分する垂線の交点と中心とし半径10mmの領域をいう。
<6>
上記偏光板の端部が上記平板に接触しない、<5>に記載の偏光板。
ここで、上記端部とは、上記偏光板の長辺端及び短辺端からそれぞれ5mmの領域をいう。
<7>
上記偏光板の長辺端と上記平板との距離、及び短辺端と上記平板との距離が、0mm以上10mm未満である、<6>に記載の偏光板。
<8>
液晶セルと<1>〜<7>のいずれかに記載の偏光板を有する液晶表示装置であって、上記第一の保護フィルムよりも上記第二の保護フィルムを上記液晶セル側に有する液晶表示装置。
本発明によれば、活性線硬化型接着剤が使用されている偏光板であって、カールの観点で優れ、液晶表示装置に用いた際に表示品質に優れる偏光板、及びこの偏光板を有する液晶表示装置を提供することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
なお、本明細書において、オリゴマー又はポリマーの分子量は以下のように測定した。
GPC:ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置(東ソー(株)製HLC−8220GPC、カラム;東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL2本、TSK gel G2000HXLを順次連結、溶離液;テトラヒドロフラン、流速;1mL/min、サンプル濃度;0.7〜0.8wt%、サンプル注入量;70μL、測定温度;40℃、検出器;RI(40℃)、標準物質;東ソー(株)製TSKスタンダードポリスチレン)を用い、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、Mnは標準ポリスチレン換算の数平均分子量である。
[偏光板]
本発明は、活性線硬化型接着剤層を介して偏光子が第一の保護フィルム及び第二の保護フィルムで挟持された偏光板であって、
上記第二の保護フィルムの上記偏光子とは反対側の表面に粘着剤層を有し、
第二の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープモーメントの値A2に対する第一の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープモーメントの値A1の比A1/A2が、1.1以上3.5以下である偏光板に関する。
上記A1及びA2は下記式により算出される。
A1=第一の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープ量(%)×第一の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向の弾性率(GPa)×第一の保護フィルムの膜厚(μm)
A2=第二の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープ量(%)×第二の保護フィルムの上記偏光子の吸収軸と平行な方向の弾性率(GPa)×第二の保護フィルムの膜厚(μm)
なお、通常、偏光子の吸収軸と平行な方向は、保護フィルムの作製時の搬送方向(MD(Machine Direction)方向、長手方向)であることが好ましく、本発明における偏光子の吸収軸と平行な方向は、MD方向と一致することが好ましい。また、本明細書中における「平行」には、完全な平行のみならず、完全な平行から光学的に許容できる程度の角度のずれ(好ましくは15°以下であり、より好ましくは10°以下である)がある場合も含まれる。
偏光子の両側に貼合された2枚の保護フィルムの、偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープモーメントの比を調整することによって、偏光板のカールを制御することが可能となった理由は定かではないが、本発明者らは以下のように推測している。
ポリビニルアルコ−ル水溶液などの水系接着剤を用いた偏光板では、貼合工程において偏光子に生じる残留応力は、接着剤が有する水分によって解消されていた。
水系接着剤を用いた偏光板において生じるカールは、偏光板の各層の収縮力(貼合工程における搬送テンション起因の弾性変形による寸法変化量、弾性率、膜厚の積)のバランスで決まることが知られており、特に、偏光子の両側に設けられる保護フィルム(アウターフィルムとインナーフィルム)の収縮力のバランスが支配的である。ここで、インナーフィルムとは、偏光子の両表面に配置されたフィルムのうち、液晶セルに偏光板を貼合する際に液晶セルにより近く配置されるフィルムのことであり、アウターフィルムとは他方のフィルム(液晶セルからより遠くに配置されるフィルム)を示す。
しかしながら、活性線硬化型接着剤を用いた偏光板では、貼合工程において加水されないため、偏光子の残留応力が残ったまま積層され偏光板が作製される。そのため、このような偏光板では、偏光子の残留応力(収縮力)による偏光子の吸収軸と平行な方向(MD方向)の寸法変化量(クリープ変形量)がカール駆動力になるのではないかと本発明者らは考えた。
そこで、水系接着剤での上記カールモデルを参照し、活性線硬化型接着剤を用いた偏光板におけるカールは、アウターフィルムとインナーフィルムの収縮力(偏光子の吸収軸と平行な方向(MD方向)のクリープ変形量、同方向の弾性率、膜厚の積、以下クリープモーメントと称する)のバランスで決まると推測した。
上記の推測を元に検討を進めたところ、アウターフィルム(本発明における第一の保護フィルム)の偏光子の吸収軸と平行な方向(MD方向)のクリープモーメントの値A1と、インナーフィルム(本発明における第二の保護フィルム)の偏光子の吸収軸と平行な方向(MD方向)のクリープモーメントの値A2が同じ(A1/A2=1)である偏光板では、カールが小さくなった。
また、A1/A2が1より大きい(A1がA2よりも大きい)場合、A1/A2が大きくなるにつれて、アウターフィルムを内側にするような向きのカール(プラスカール)が大きくなった。
逆に、A1/A2が1より小さい(A2がA1よりも大きい)場合には、A1/A2が小さくなるにつれて、インナーフィルムを内側にするような向きのカール(マイナスカール)が大きくなるという結果となった。
このように、クリープモーメントの値の比A1/A2と偏光板カール挙動との間には大きな相関が確認された。
なお、活性線硬化型接着剤を用いた偏光板のカールは、水系接着剤を用いた偏光板において生じるカールの駆動力となっている、弾性変形による寸法変化量の寄与もあるとは推定されるが、上述のようにMD方向のクリープモーメントの比とカール挙動との相関関係が大きいことから、クリープ変形量の寄与の方が大きいと考えられる。
<第一及び第二の保護フィルム>
以下に、本発明の偏光板において用いられる第一及び第二の保護フィルムについて説明する。
(第一及び第二の保護フィルムの特性)
−クリープモーメント−
本発明において、第二の保護フィルムの偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープモーメントの値A2に対する第一の保護フィルムの偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープモーメントの値A1の比A1/A2は、1.1以上3.5以下である。
偏光板は、偏光板の製造性の他、液晶セルに貼合する際の気泡混入による表示性能の低下を防ぐためにも、カールが小さく、より平坦に近い形状であることが好ましい。一方で、偏光板及び液晶表示装置の製造上、偏光板のカールがマイナスカールになることは回避することが望ましい。
A1とA2が同じ値、すなわちA1/A2=1である2枚の保護フィルムを組み合わせた偏光板においては、平均的にはカールの見られないフラットな偏光板になる。しかしながら、各々の保護フィルムが有し得るA1及びA2のフィルム内のバラツキによって、偏光板カールがマイナス側にふれてしまう可能性が残る。そこで、A1/A2を1.1以上にすることによって、マイナスカールを確実に回避することが好ましい。
また、大きすぎるプラスカールも工程内搬送性が悪いため、A1/A2は3.5以下に抑えることが好ましい。
よって、本発明においては、A1/A2は1.1〜3.5とする。A1/A2は、1.1〜2.3であることがより好ましく、1.3〜2.3であることが特に好ましい。
第一及び第二の保護フィルムの延伸倍率や膜厚の変更、組成の調整によって、A1/A2を1.1〜3.5にすることができる。
第二の保護フィルムのクリープモーメントA2は0〜40が好ましく、0〜34であることがより好ましく、0〜20であることが更に好ましい。本発明の偏光板は、第二の保護フィルムをインナーフィルムとして配置されることが好ましく、A2を上記範囲にすることで、偏光子収縮力によるインナーフィルムの変形を小さくすることができ、変形に伴う位相差変化を小さくでき、インナーフィルムの光学補償が適切に行いやすく、黒表示で光漏れが発生しにくい。
以下、クリープモーメントを算出する際に用いる、クリープ量、弾性率、及び膜厚の各項目につき説明する。
−クリープ量−
第一の保護フィルムの偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープ量としては、偏光板加工時の作業安定性の観点から、0.0〜4%であることが好ましく、0.01〜2%であることがより好ましく、0.02〜1%であることが更に好ましい。
第二の保護フィルムの偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープ量としては、偏光板加工時の作業安定性と光学特性両立の観点から、0.05〜4%であることが好ましく、0.10〜2%であることがより好ましく、0.15〜1%であることが更に好ましい。
クリープ量は、10mm幅のスリット状に裁断したフィルムを、引っ張り試験機のクリープモードで20N/10mm幅のテンションで引っ張り、テンションが20Nに到達後、10分間の変形量(クリープ量(%))を読み取ることで求めた。
−弾性率−
第一及び第二の保護フィルムの偏光子の吸収軸と平行な方向における弾性率は特に限定されないが、2GPa以上8GPa以下であることが好ましく、2.2GPa以上6GPa以下であることがより好ましく、2.3GPa以上6GPa以下であることが更に好ましい。
フィルムの弾性率は、保護フィルム材料の樹脂の種類や添加量、添加剤の選択(特に、マット剤粒子の粒径、屈折率、添加量)や、更にはフィルム製造条件(延伸倍率など)により調整することができる。
弾性率は、測定方向の長さが200mm、幅が10mmの試料を用意し、25℃相対湿度60%の環境に48時間放置した直後、東洋精機製のストログラフV10−Cを用い、サンプル形状を幅10mm、チャック間長さ100mmとして測定した。
なお、偏光子と、第一の保護フィルムと第二の保護フィルムのどちらか一方又は両方が貼着された場合であっても、フィルム単体を取り出して測定をすることができる。フィルム単体の取り出し方としては、例えば温水などに浸漬して偏光子であるポリビニルアルコールを軟化させて除去するか、はがすなどしてフィルム単体での弾性率測定が可能となる。
−膜厚−
第一及び第二の保護フィルムの厚みは10μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは15μm以上80μm以下であり、更に好ましくは25μm以上60μm以下であり、特に好ましくは35μm以上50μm以下である。なお、第一及び第二の保護フィルムの膜厚は、市販の膜厚計によって測定できる。
(樹脂)
第一及び第二の保護フィルムを構成する材料は特に限定されない。
第一及び第二の保護フィルムは、樹脂を含んでなることが好ましく、樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限はないが、セルロースアシレート樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂を挙げることができる。
第二の保護フィルムについては、変形に伴う光学補償のズレが小さいという観点より、シクロオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
(1)セルロースアシレート樹脂
以下、第一及び第二の保護フィルムに用いることができるセルロースアシレート樹脂について、詳しく説明する。
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。本発明において、セルロース体の置換度はセルロース体を重水素置換されたジメチルスルフォキシド等の溶剤に溶解して13C−NMR(nuclear magnetic resonance)スペクトルを測定し、アシル基中のカルボニル炭素のピーク強度比から求めることにより算出することができる。セルロースアシレートの残存水酸基をセルロースアシレート自身が有するアシル基とは異なる他のアシル基に置換したのち、13C−NMR測定により求めることができる。測定方法の詳細については、手塚他(Carbohydrate.Res.,273(1995)83−91)に記載がある。
セルロースアシレートの全アシル置換度は2.0〜2.97であることが好ましく、2.2〜2.95であることがより好ましく、2.3〜2.95であることが特に好ましい。
セルロースアシレートのアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が特に好ましく、アセチル基がより特に好ましい。
2種類以上のアシル基からなる混合脂肪酸エステルも本発明においてセルロースアシレートとして好ましく用いることができる。この場合も、アシル基としてはアセチル基と炭素数が3〜4のアシル基が好ましい。また、混合脂肪酸エステルを用いる場合、アセチル基の置換度は2.5未満が好ましく、1.9未満が更に好ましい。一方、炭素数が3〜4のアシル基の置換度は0.1〜1.5であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましく、0.5〜1.1であることが特に好ましい。
本発明においては、置換基及び/又は置換度の異なる2種のセルロースアシレートを併用、混合して用いてもよいし、共流延法などにより、異なるセルロースアシレートからなる複数層からなるフィルムを形成してもよい。
更に特開2008−20896号公報の〔0023〕〜〔0038〕に記載の脂肪酸アシル基と置換若しくは無置換の芳香族アシル基とを有する混合酸エステルも本発明に好まく用いることができる。
セルロースアシレートは、250〜800の質量平均重合度を有することが好ましく、300〜600の質量平均重合度を有することが更に好ましい。
またセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することが更に好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
セルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。上記アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有機酸(例えば、酢酸)や塩化メチレンが使用される。また、触媒として、硫酸のようなプロトン性触媒を用いることができる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化合物を用いることができる。工業的に最も一般的な合成方法では、セルロースをアセチル基及び他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)又はそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。
上記方法においては、綿花リンターや木材パルプのようなセルロースは、酢酸のような有機酸で活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、上記のような有機酸成分の混合液を用いてエステル化する場合が多い。有機酸無水物成分は、一般にセルロース中に存在する水酸基の量に対して過剰量で使用する。このエステル化処理では、エステル化反応に加えてセルロース主鎖(β)1,4−グリコシド結合)の加水分解反応(解重合反応)が進行する。主鎖の加水分解反応が進むとセルロースエステルの重合度が低下し、製造するセルロースエステルフィルムの物性が低下する。そのため、反応温度のような反応条件は、得られるセルロースエステルの重合度や分子量を考慮して決定することが好ましい。
(2)(メタ)アクリル系樹脂
(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル系樹脂とアクリル系樹脂の両方を含む概念であり、アクリレート/メタクリレートの誘導体、特にアクリレートエステル/メタクリレートエステルの(共)重合体も含まれる。
更に、上記(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル系樹脂、アクリル系樹脂の他に、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系重合体も含み、ラクトン環を有する重合体、無水コハク酸環を有する無水マレイン酸系重合体、無水グルタル酸環を有する重合体、グルタルイミド環含有重合体を含む。
−(メタ)アクリル系重合体−
上記(メタ)アクリル系重合体の繰り返し構造単位は、特に限定されない。上記(メタ)アクリル系重合体は、繰り返し構造単位として(メタ)アクリル酸エステル単量体由来の繰り返し構造単位を有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、耐熱性、透明性が優れる点から、メタクリル酸メチルが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルを主成分として用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは90〜100質量%である。
上記(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする樹脂のガラス転移温度Tgが、80〜120℃の範囲内にあることが好ましい。
また、上記(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする樹脂の重量平均分子量は、好ましくは50,000〜500,000の範囲である。
柔軟性を向上させてハンドリング性を高めるため、(メタ)アクリル系樹脂には、ゴム弾性体粒子を配合することが好ましい。ゴム弾性体粒子は、ゴム弾性体を含有する粒子であり、ゴム弾性体のみからなる粒子であってもよいし、ゴム弾性体の層を有する多層構造の粒子であってもよく、フィルムの表面硬度や耐光性、透明性の点から、アクリル系弾性重合体が好ましく用いられる。
アクリル系弾性重合体を含有するゴム弾性体粒子は、特開2012−180422号公報、特開2012−032773号公報、特開2012−180423号公報を参考に得ることができる。
上記ゴム弾性体粒子の数平均粒径は10〜300nmの範囲が好ましく、50〜250nmの範囲がより好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムを形成する(メタ)アクリル系樹脂組成物は、透明なアクリル系樹脂に、数平均粒子径が10〜300nmのゴム弾性体粒子を25〜45質量%配合することが好ましい。
−主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系重合体−
(メタ)アクリル系重合体の中でも主鎖に環構造を有するものが好ましい。主鎖に環構造を導入することで、主鎖の剛直性を高め、耐熱性を向上することができる。
例えば、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系重合体の中でも主鎖にラクトン環構造を含有する重合体、主鎖に無水コハク酸環を有する無水マレイン酸系重合体、主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体、主鎖にグルタルイミド環構造を有する重合体のいずれかであることが好ましい。中でも主鎖にラクトン環構造を含有する重合体、及び主鎖にグルタルイミド環構造を有する重合体であることがより好ましい。
以下のこれらの主鎖に環構造を有する重合体について順に説明する。
(2−1)主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系重合体
主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系重合体(以降ラクトン環含有重合体とも称す)は、主鎖にラクトン環を有する(メタ)アクリル系重合体であれば特に限定されないが、好ましくは下記一般式(100)で示されるラクトン環構造を有する。
一般式(100):
Figure 2017006938
一般式(100)中、R101、R102及びR103は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜20の有機残基を表し、有機残基は酸素原子を含有していてもよい。
ここで、炭素原子数1〜20の有機残基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などが好ましい。
ラクトン環含有重合体の構造中における上記一般式(100)で示されるラクトン環構造の含有割合は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。ラクトン環構造の含有割合を5質量%以上とすることにより、得られた重合体の耐熱性、及び表面硬度が向上する傾向にあり、ラクトン環構造の含有割合を90質量%以下とすることにより、得られた重合体の成形加工性が向上する傾向にある。
なお、ラクトン環構造の含有割合は下記式より算出することができる。
ラクトン環の含有割合(質量%)=B×A×M/M
(式中、Bは、ラクトン環化に関与する構造(水酸基)を有する原料単量体の上記共重合に用いられた単量体組成における質量含有割合であり、Mは生成するラクトン環構造単位の式量であり、Mはラクトン環化に関与する構造(水酸基)を有する原料単量体の分子量であり、Aはラクトン環化率である)
また、ラクトン環化率は、例えば環化反応が脱アルコール反応を伴う場合、理論重量減少量と重量減少が始まる前の150℃から、重合体の分解が始まる前の300℃までの間の脱アルコール反応による重量減加熱重量減少率から算出することができる。
ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂の製造方法については、特に限定はされない。好ましくは、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、下記の所定の単量体を、重合することによって分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体(p)を得た後に、得られた重合体(p)を75℃〜120℃の温度範囲で加熱処理することによりラクトン環構造を重合体に導入するラクトン環化縮合を行うことによって得られる。
重合工程においては、下記一般式(101)で表される単量体を含む単量体成分の重合反応を行うことにより、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体を得る。
一般式(101):
Figure 2017006938
式中、R1a及びR2aは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機残基を表す。
一般式(101)で表される単量体としては、例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ノルマルブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸t−ブチルなどが挙げられる。これらの中でも、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルが好ましく、耐熱性向上効果が高い点で、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルが特に好ましい。一般式(101)で表される単量体は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
重合工程において供する単量体成分中の一般式(101)で表される単量体の含有割合は、耐熱性、耐溶剤性、表面硬度の観点で好ましい範囲の下限値があり、得られた重合体の成形加工性の観点で好ましい範囲の上限値があり、それら観点を踏まえ、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。
重合工程において供する単量体成分中には、一般式(101)で表される単量体以外の単量体を含んでいても良い。このような単量体としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸、下記一般式(102)で表される単量体が好ましく挙げられる。一般式(101)で表される単量体以外の単量体は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ラクトン環含有重合体の重量平均分子量は、好ましくは10,000〜2,000,000、より好ましくは20,000〜1,000,000、特に好ましくは50,000〜500,000である。
ラクトン環含有重合体は、ダイナミックTG測定における150〜300℃の範囲内での質量減少率が、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.3%以下であるのがよい。ダイナミックTGの測定方法については、特開2002−138106号公報に記載の方法を用いることができる。
ラクトン環含有重合体は、環化縮合反応率が高いので、成型品の製造過程で脱アルコール反応が少なく、上記アルコールを原因とした成形後の成形品中に泡や銀条(シルバーストリーク)が入るという欠点が回避できる。更に、高い環化縮合反応率によって、ラクトン環構造が重合体に充分に導入されるので、得られたラクトン環含有重合体は高い耐熱性有する。
ラクトン環含有重合体は、濃度15質量%のクロロホルム溶液にした場合、その着色度(YI)が、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下、特に好ましくは1以下である。着色度(YI)が6以下であれば、着色により透明性が損なわれるなどの不具合が生じにくいので、本発明において好ましく使用することができる。
ラクトン環含有重合体は、熱質量分析(TG)における5%質量減少温度が、好ましくは330℃以上、より好ましくは350℃以上、更に好ましくは360℃以上である。熱質量分析(TG)における5%質量減少温度は、熱安定性の指標であり、これを330℃以上とすることにより、充分な熱安定性が発揮されやすい傾向にある。熱質量分析は、上記ダイナミックTGの測定の装置を使用することができる。
ラクトン環含有重合体のガラス転移温度(Tg)が、好ましくは115℃〜180℃、より好ましくは120℃〜170℃、更に好ましくは125℃〜160℃である。
(2−2)主鎖に無水コハク酸環を有する無水マレイン酸系重合体
主鎖に無水コハク酸構造が重合体の分子鎖中(重合体の主骨格中)に形成されることにより、共重合体である(メタ)アクリル系樹脂に高い耐熱性が付与され、かつ、ガラス転移温度(Tg)も高くなるため好ましい。
主鎖に無水コハク酸環を有する無水マレイン酸系重合体のガラス転移温度(Tg)が、好ましくは110℃〜160℃、より好ましくは115℃〜160℃、更に好ましくは120℃〜160℃である。
また、主鎖に無水コハク酸環を有する無水マレイン酸系重合体の重量平均分子量は、好ましくは50,000〜500,000の範囲である。
上記(メタ)アクリル系樹脂との共重合に用いられる上記無水マレイン酸単位としては、特に制限はないが、特開2008−216586号、特開2009−052021号、特開2009−196151号、特表2012−504783号の各公報に記載のマレイン酸変性樹脂を挙げることができる。
なお、これらは本発明を限定するものではない。
マレイン酸変性樹脂の市販品としては、マレイン酸変性MAS樹脂(メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−スチレン共重合体)である旭化成ケミカルズ(株)製デルペット980Nを好ましく使用することができる。
また、無水マレイン酸単位を含む(メタ)アクリル系樹脂を製造する方法は特に制限がなく公知の方法を用いることができる。
(2−3)主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体
主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体とは、グルタル酸無水物単位を有する重合体である。
グルタル酸無水物単位を有する重合体は、下記一般式(300)で表されるグルタル酸無水物単位(以下、グルタル酸無水物単位と呼ぶ)を有することが好ましい。
一般式(300):
Figure 2017006938
一般式(300)中、R31、R32は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機残基を表す。なお、有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。R31、R32は、特に好ましくは、同一又は相異なる、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
グルタル酸無水物単位を有する重合体は、グルタル酸無水物単位を含有する(メタ)アクリル系重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル系重合体としては、耐熱性の点から120℃以上のガラス転移温度(Tg)を有することが好ましい。
主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体のガラス転移温度(Tg)が、好ましくは110℃〜160℃、より好ましくは115℃〜160℃、更に好ましくは120℃〜160℃である。
また、主鎖に無水グルタル酸環構造を有する重合体の重量平均分子量は、好ましくは50,000〜500,000の範囲である。
(メタ)アクリル系重合体に対するグルタル酸無水物単位の含有量としては、5〜50質量%が好ましく、より好ましくは10〜45質量%である。5質量%以上、より好ましくは10質量%以上とすることにより、耐熱性向上の効果を得ることができ、更には耐候性向上の効果を得ることもできる。
(2−4)主鎖にグルタルイミド環構造を有する(メタ)アクリル系重合体
主鎖にグルタルイミド環構造を有する(メタ)アクリル系重合体(以降グルタルイミド系樹脂とも称す)は、主鎖にグルタルイミド環構造を有することによって光学特性や耐熱性などの点で好ましい特性バランスを発現できる。上記主鎖にグルタルイミド環構造を有する(メタ)アクリル系重合体は、少なくとも下記一般式(400):
一般式(400):
Figure 2017006938
で表されるグルタルイミド単位(但し、式中R301、R302、R303は独立に水素又は炭素数1〜12個の非置換の又は置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。)を20質量%以上有するグルタルイミド樹脂を含有することが好ましい。
本発明に用いられるグルタルイミド系樹脂を構成する好ましいグルタルイミド単位としては、R301、R302が水素又はメチル基であり、R303がメチル基又はシクロヘキシル基である。上記グルタルイミド単位は、単一の種類でもよく、R301、R302、R303が異なる複数の種類を含んでいてもよい。
(3)シクロオレフィン系樹脂
本発明に用いることができる熱可塑性樹脂は、シクロオレフィン樹脂(以下、環状ポリオレフィン系樹脂とも言う)を用いることができる。ここで、環状ポリオレフィン系樹脂とは、環状オレフィン構造を有する重合体樹脂を表す。
本発明に好ましく用いられる環状ポリオレフィン系樹脂を以下に列挙する。
本発明に好ましい環状オレフィン構造を有する重合体としては、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を少なくとも1種以上含む付加(共)重合体である環状ポリオレフィン系樹脂及び必要に応じ、一般式(I)で表される繰り返し単位の少なくとも1種以上を更に含んでなる付加(共)重合体である環状ポリオレフィン系樹脂である。また、一般式(III)で表される環状繰り返し単位を少なくとも1種含む開環(共)重合体も好適に使用することができる。
Figure 2017006938
Figure 2017006938
Figure 2017006938
式(I)〜(III)中、mは0〜4の整数を表す。R〜Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基、X〜X、Y〜Yは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CH)nCOOR11、−(CH)nOCOR12、−(CH)nNCO、−(CH)nNO、−(CH)nCN、−(CH)nCONR1314、−(CH)nNR1314、−(CH)nOZ、−(CH)nW、又はXとYあるいはXとYあるいはXとYから構成された(−CO)O、(−CO)NR15を示す。なお、R11,R12,R13,R14,R15は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、Zは炭化水素基又はハロゲンで置換された炭化水素基、WはSiR16pD-p(R16は炭素数1〜10の炭化水素基、Dはハロゲン原子、−OCOR16又は−OR16、pは0〜3の整数を示す)、nは0〜10の整数を示す。
また、ノルボルネン系重合体水素化物も好ましく用いることができ、特開平1−240517号、特開平7−196736号、特開昭60−26024号、特開昭62−19801号、特開2003−1159767号あるいは特開2004−309979号等に開示されているように、多環状不飽和化合物を付加重合あるいはメタセシス開環重合したのち水素添加することにより作られる。本発明に用いるノルボルネン系重合体において、R〜Rは水素原子又は−CHが好ましく、X、及びYは水素原子、Cl、−COOCHが好ましく、その他の基は適宜選択される。このノルボルネン系樹脂は、JSR(株)からアートン(Arton)GあるいはアートンFという商品名で発売されており、また日本ゼオン(株)からゼオノア(Zeonor)ZF14、ZF16、ゼオネックス(Zeonex)250あるいはゼオネックス280という商品名で市販されており、これらを使用することができる。
更に、ノルボルネン系付加(共)重合体も好ましく用いることができ、特開平10−7732号、特表2002−504184号、米国公開特許2004229157A1号あるいはWO2004/070463A1号等に開示されている。ノルボルネン系多環状不飽和化合物同士を付加重合する事によって得られる。また、必要に応じ、ノルボルネン系多環状不飽和化合物と、エチレン、プロピレン、ブテン;ブタジエン、イソプレンのような共役ジエン;エチリデンノルボルネンのような非共役ジエン;アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニルなどの線状ジエン化合物とを付加重合することもできる。このノルボルネン系付加(共)重合体は、三井化学(株)よりアペルの商品名で発売されており、ガラス転移温度(Tg)の異なる例えばAPL8008T(Tg70℃)、APL6013T(Tg125℃)あるいはAPL6015T(Tg145℃)などのグレードがある。ポリプラスチック(株)よりTOPAS8007、同6013、同6015などのペレットが発売されている。更に、Ferrania社よりAppear3000が発売されている。
環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは110℃〜200℃、より好ましくは115℃〜190℃、更に好ましくは120℃〜180℃である。
また、環状ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは50,000〜500,000の範囲である。
(添加剤)
第一及び第二の保護フィルムは、有機酸やその他の偏光板保護フィルムに用いられる公知の添加剤を、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、含んでいてもよい。添加剤の分子量は特に制限されないが、後述の添加剤を好ましく用いることができる。
添加剤を加えることによって、フィルムの熱的性質、光学的性質、機械的性質の改善、柔軟性付与、耐吸水性付与、水分透過率低減等のフィルム改質の観点で、有用な効果を示す。
例えば機械的な性質の制御としては、フィルムへの可塑剤添加が挙げられ、参考となる可塑剤の事例としては、リン酸エステル、クエン酸エステル、トリメリット酸エステル、糖エステルなどの既知の各種エステル系可塑剤や国際公開第2011/102492パンフレットの段落番号0042から0068のポリエステル系ポリマーの記載を参考にすることができる。
また、光学的な性質の制御として、紫外線や赤外線の吸収能の付与には、国際公開第2011/102492号の段落番号0069から0072の記載を参考にすることができ、フィルムの位相差の調整や発現性制御のためには既知のレターデーション調整剤を用いることができる。これによって湿度寸法変化率の制御の一助とすることができる。添加剤の分子量は特に制限されないが、後述の添加剤を好ましく用いることができる。
第一及び第二の保護フィルムには、上記材料の他に、任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などがあげられる。上記第二の保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは50〜99質量%、更に好ましくは60〜98質量%、特に好ましくは70〜97質量%である。上記第二の保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量が50質量%以上の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現でき好ましい。
(第一及び第二の保護フィルムの製造方法)
(1)セルロースアシレート樹脂
第一及び第二の保護フィルムがセルロースアシレート樹脂を含む場合、フィルムは、ソルベントキャスト法により製造されることが好ましい。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号及び同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の公報を参考にすることができる。また、上記セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施されていてもよい。延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号等の各公報を参考にすることができる。
(2)(メタ)アクリル系樹脂
(メタ)アクリル系重合体を主成分として用いて偏光板保護フィルムを製膜するには、例えば、オムニミキサーなど、従来公知の混合機でフィルム原料をプレブレンドした後、得られた混合物を押出混練する。この場合、押出混練に用いる混合機は、特に限定されるものではなく、例えば、単軸押出機、二軸押出機などの押出機や加圧ニーダーなど、従来公知の混合機を用いることができる。
フィルム成形の方法としては、例えば、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法など、従来公知のフィルム成形法が挙げられる。これらのフィルム成形法のうち、溶融押出法が特に好適である。
溶融押出法としては、例えば、Tダイ法、インフレーション法などが挙げられ、その際の成形温度は、フィルム原料のガラス転移温度に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、好ましくは150℃〜350℃、より好ましくは200℃〜300℃である。
Tダイ法でフィルム成形する場合は、公知の単軸押出機や二軸押出機の先端部にTダイを取り付け、フィルム状に押出されたフィルムを巻き取って、ロール状のフィルムを得ることができる。この際、巻き取りロールの温度を適宜調整して、押出方向に延伸を加えることで、1軸延伸することも可能である。また、押出方向と垂直な方向にフィルムを延伸することにより、同時2軸延伸、逐次2軸延伸などを行うこともできる。
(3)シクロオレフィン系樹脂
環状オレフィン系樹脂を主成分とするフィルムについては、上述の(メタ)アクリル系重合体を主成分とするフィルムの製造方法と同様の製造方法で製造することができ、例えば、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法など、従来公知のフィルム成形法が挙げられ、そのうち、溶融押出法が特に好適である。
溶融押出法としては、例えば、Tダイ法、インフレーション法などが挙げられ、その際の成形温度は、フィルム原料のガラス転移温度に応じて適宜調節すればよい。
Tダイ法でフィルム成形する場合は、公知の単軸押出機や二軸押出機の先端部にTダイを取り付け、フィルム状に押出されたフィルムを巻き取って、ロール状のフィルムを得ることができる。この際、巻き取りロールの温度を適宜調整して、押出方向に延伸を加えることで、1軸延伸することも可能である。また、押出方向と垂直な方向にフィルムを延伸することにより、同時2軸延伸、逐次2軸延伸などを行うこともできる。
<偏光子>
偏光子としては、従来公知の方法で製造したものを用いることができ、ポリビニルアルコール系偏光子が好ましい。例えば、ポリビニルアルコールあるいはエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、けん化度99.0〜99.99モル%であるエチレン変性ポリビニルアルコールの如き親水性ポリマーからなるフィルムを、ヨウ素の如き二色性染料で処理して延伸したものや、塩化ビニルの如きプラスチックフィルムを処理して配向させたものを用いる。
また、基材上にポリビニルアルコール層を形成した積層フィルムの状態で延伸及び染色を施すことにより10μm以下の偏光子フィルムを得る方法として、特許第5048120号公報、特許第5143918号公報、特許第5048120号公報、特許第4691205号公報、特許第4751481号公報、特許第4751486号公報を挙げることができ、これらの偏光子に関する公知の技術も本発明の偏光板に好ましく利用することができる。
(偏光子の膜厚)
偏光子の膜厚は、特に限定されないが、偏光度と反りの観点から5μm以上30μm以下が好ましく、10μm以上20μm以下がより好ましい。偏光子の膜厚が30μm以下であれば偏光子の収縮力が増加せず、これを貼合した液晶パネルの反りが大きくならないため好ましい。一方、偏光子の膜厚が5μm以上であれば、偏光子を透過する一方の偏光の光を十分に吸収することができ、偏光度が低下しないため好ましい。
<活性線硬化型接着剤層>
本発明の偏光板は、活性線硬化型接着剤層を介して偏光子が第一の保護フィルム及び第二の保護フィルムで挟持された構造を有する。以下、活性線硬化型接着剤層を構成する活性線硬化型接着剤について説明する。なお、接着剤が硬化反応によって、構造が異なる接着剤の硬化物に変化した態様も、活性線硬化型接着剤層が接着剤を含む態様に含まれる。例えば、活性線硬化型接着剤層中において、活性線により硬化する接着剤が完全に硬化し、構造が異なる接着剤の硬化物に変化した場合も本発明に含まれる。
活性線により硬化する接着剤の中でも、カチオン重合性の化合物、たとえばエポキシ化合物、より具体的には、特開2004−245925号公報に記載されるような、分子内に芳香環を有しないエポキシ化合物を、活性線硬化性成分の一つとして含有する活性線硬化型接着剤が好ましい。このようなエポキシ化合物は、たとえば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルを代表例とする芳香族エポキシ化合物の原料である芳香族ポリヒドロキシ化合物を核水添し、それをグリシジルエーテル化して得られる水素化エポキシ化合物、脂環式環に結合するエポキシ基を分子内に少なくとも1個有する脂環式エポキシ化合物、脂肪族ポリヒドロキシ化合物のグリシジルエーテルを代表例とする脂肪族エポキシ化合物などであることができる。また、活性線硬化型接着剤には、エポキシ化合物を代表例とするカチオン重合性化合物のほか、通常は重合開始剤、特に活性エネルギー線の照射によりカチオン種又はルイス酸を発生し、カチオン重合性化合物の重合を開始させるための光カチオン重合開始剤が配合される。更に、加熱によって重合を開始させる熱カチオン重合開始剤、その他、光増感剤などの各種添加剤が配合されていてもよい。
偏光子の両面に保護フィルムを貼合する場合、それぞれの保護フィルムに適用される接着剤の組成は、同じであっても異なっていてもよいが、生産性の観点からは、適度の接着力が得られるという前提で、両面とも同じ組成の接着剤とするほうが好ましい。
本発明の偏光板は、ロール・ツー・ロールでの製造適性の観点から、偏光子の吸収軸と、偏光板保護フィルム(第一の保護フィルム、及び第二の保護フィルム)の製造時のフィルム搬送方向に直交する方向(TD(Transverse Direction)方向)とが、実質的に直交するように積層されることが好ましい。ここで、実質的に直交するとは、偏光子の吸収軸と偏光板保護フィルムのTD方向の成す角が85°〜95°であり、89°〜91°であることが好ましい。直交からのずれが5°以内(好ましくは1°以内)であれば、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下しにくく、光抜けが生じにくく好ましい。
本発明において、活性線硬化型接着剤層を設ける方法はリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著1979年発行に記載例がある。
第一の保護フィルム及び第二の保護フィルムにはあらかじめ、けん化処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
<粘着剤層>
本発明の偏光板は、第二の保護フィルムの偏光子とは反対側の表面に粘着剤層を有する。
本発明の偏光板は粘着剤層を介して液晶セルに貼り合わせることができる。すわなち、本発明の偏光板の第二の保護フィルムが液晶セル側に配置されるインナーフィルムである。第一の保護フィルムはアウターフィルムである。
粘着剤層の形成には、適宜な粘着剤を用いることができ、その種類について特に制限はない。粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などがあげられる。
偏光板への粘着剤層の付設、すなわち上記第二の保護フィルム表面への粘着剤層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマー又はその組成物を溶解又は分散させた10〜40質量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で偏光板上又は光学部材上に直接付設する方式、あるいは上記に準じセパレータ上に粘着剤層を形成してそれを偏光板上に移着する方式などが挙げられる。
第二の保護フィルムが、偏光子が貼合されている表面とは反対側の表面に粘着剤層を有する偏光板は、粘着剤層を介して後述の液晶セルと貼合されることが好ましい。
<偏光板の製造方法>
本発明の偏光板は、活性線硬化型接着剤層を介して、偏光子と第一及び第二の保護フィルムとを貼り合わせることで作製することができる。第一及び第二の保護フィルムの貼合面は、活性線硬化型接着剤層付設前にアルカリ鹸化処理を行うことが好ましい。
(鹸化処理)
上記偏光板保護フィルム(第一の保護フィルム、及び第二の保護フィルム)はアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。
鹸化の方法については、特開2007−86748号公報の〔0211〕と〔0212〕に記載される方法を用いることができる。
例えば上記偏光板保護フィルムに対するアルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。上記アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの濃度は0.1〜5.0mol/Lの範囲にあることが好ましく、0.5〜4.0mol/Lの範囲にあることが更に好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることが更に好ましい。
アルカリ鹸化処理の代わりに、特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
(偏光子と保護フィルムの貼合工程)
本発明の偏光板の製造方法は、偏光性能を有する偏光子の一方の面に活性線硬化型接着剤層を介して第一の保護フィルムを貼合する工程と、偏光子の他方の面に活性線硬化型接着剤層を介して第二の保護フィルムを貼合する工程を含む。
偏光子の一方の面に活性線硬化型接着剤層を介して第一の保護フィルムを貼合する工程と、偏光子の他方の面に活性線硬化型接着剤層を介して第二の保護フィルムを貼合する工程は、同時に貼合を行っても、逐次で貼合を行ってもよい。その中でも、偏光子の一方の面に活性線硬化型接着剤層を介して第一の保護フィルムを貼合する工程と、偏光子の他方の面に活性線硬化型接着剤層を介して第二の保護フィルムを貼合する工程を同時に行うことが好ましく、ロールツーロール方式を用いて両方の貼合する工程を同時に行うことがより好ましい。
ロールツーロール方式を用いて両方の貼合する工程を同時に行う方法としては、例えば特開2012−203108号公報に記載の装置及び方法を用いることができ、特開2012−203108号公報に記載の内容は本発明に組み込まれる。
特開2012−203108号公報に記載の製造装置は、偏光子を連続的に搬送しながら、その一方の面に第一の保護フィルムを貼合し、もう一方の面には第二の保護フィルムを貼合して、偏光板を製造し、巻取りロールに巻き取るように構成されている。典型的には偏光子の両面にそれぞれ保護フィルムが貼合される。
偏光板の製造方法では、偏光板保護フィルムをコロナ処理し、偏光子の両面に、接着剤を用いて貼り合わせる方法により作製することが好ましい。
<偏光板の形状>
上述のように製造された本発明の偏光板は、平板上に、第二の保護フィルム面側を平板側に配置して置いたときに、少なくとも偏光板の中央部が平板に接触することが好ましい。これは、上記クリープモーメントの比を調整した結果、得られる偏光板の形状が、フラットであるか、プラスカールしていることを示す。ここで、中央部とは、偏光板の長辺を2等分する垂線と短辺を二等分する垂線の交点と中心とし半径10mmの領域をいう。
また、平板上に、第二の保護フィルム面側を平板側に配置して置いたときに、偏光板の端部が平板に接触しないことが好ましい。ここで、端部とは、偏光板の長辺端及び短辺端からそれぞれ5mmの領域をいう。
特に、MD方向に940mm、TD方向に530mmに切り出した本発明の偏光板を、平板上に、第二の保護フィルム面側を平板側に配置して置いたときに、偏光板の端部が平板に接触しないことが更に好ましい。これは、偏光板がプラスカールしていることを示す。
偏光板の長辺端と平板との距離、及び短辺端と平板との距離が、0mm以上10mm未満であることが好ましい。偏光板の長辺端と平板との距離、及び短辺端と平板との距離はカール量を表す。偏光板の長辺端と平板との距離、及び短辺端と平板との距離は、0mm以上7mm未満であることがより好ましく、0mm以上3mm未満であることが更に好ましい。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、この液晶セルの両側に配置された2枚の偏光板とを有する液晶表示装置であって、上記偏光板のうち少なくとも1枚が、本発明の偏光板である。液晶表示装置において、本発明の偏光板は、第一の保護フィルムよりも第二の保護フィルムが液晶セル側となるように配置されることが好ましい。
その他の構成については、公知の液晶表示装置のいずれの構成も採用することができる。液晶セルのモードについても特に制限はなく、TN(Twisted Nematic)モード型の液晶セル、横電界スイッチングIPS(In−Plane Switching)モード型の液晶セル、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード型の液晶セル、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)モード型の液晶セル、OCB(Optically Compensatory Bend)モード型の液晶セル、STN(Supper Twisted Nematic)モード型の液晶セル、VA(Vertically Aligned)モード型の液晶セル及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)モード型の液晶セル等の様々な表示モードの液晶表示装置として構成することができる。その中でも、本発明の液晶表示装置は、液晶セルが、横電界スイッチングIPSモード型の液晶セルである液晶表示装置であることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[保護フィルムの作製]
実施例及び比較例にて用いる保護フィルムを下記のように作製した。
<フィルム1−1〜1−3>
(1)コア層用ドープ1の調製
下記組成の中間層(コア層)用ドープ1を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
ドープ1の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースアセテート(アセチル化度2.86 数平均分子量72000) 100質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 289質量部
・メタノール(第2溶媒) 75質量部
・1−ブタノール(第3溶媒) 2.7質量部
・トリフェニルフォスフェート 4.3質量部
・ビフェニルジフェニルフォスフェート 2.2質量部
・化合物1 0.93質量部
・化合物2 0.23質量部
以下、化合物1及び2の構造式を示す。
Figure 2017006938
Figure 2017006938
具体的には、以下の方法で調製した。
攪拌羽根を有するステンレス性溶解タンクに、上記混合溶媒、セルロースアセテート粉体、化合物を徐々に添加し、よく攪拌して中間層用ドープ1を得た。
(2)支持体層用ドープ2の調製
下記組成の支持体層用ドープ2を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
ドープ2の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースアセテート(アセチル化度2.86 数平均分子量72000) 100質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 351質量部
・メタノール(第2溶媒) 91質量部
・1−ブタノール(第3溶媒) 3.3質量部
・トリフェニルフォスフェート 4.3質量部
・ビフェニルジフェニルフォスフェート 2.2質量部
・化合物1 0.93質量部
・化合物2 0.23質量部
・マット剤(二酸化ケイ素(粒径20nm)) 0.033質量部
(3)エア層用ドープ3の調製
上記支持体層用ドープ2と同じ組成となるよう、エア層用ドープ3を調製した。
(4)共流延による製膜
流延ダイとして、共流延用に調整したフィードブロックを装備して、主流のほかに両面にそれぞれ積層して3層構造のフィルムを成形できるようにした装置を用いた。以下の説明において、主流から形成される層をコア層と称し、支持体面側の層を支持体層と称し、反対側の面をエア層と称する。なお、ドープの送液流路は、コア層用、支持体層用、エア層用の3流路を用いた。
上記コア層用ドープ1、支持体層用ドープ2、及びエア層用ドープ3を流延口から−7℃に冷却したドラム上に共流延した。このとき、厚みの比がエア層/コア層/支持体層=2/34/2となるように各ドープの流量を調整した。流延したドープ膜をドラム上で34℃の乾燥風を230m/分で当てることにより乾燥させてドラムより剥離した。剥離の際、MD方向(搬送方向、長手方向)に118%の延伸倍率で延伸を行った。その後、フィルムの幅方向(流延方向に対して直交する方向)の両端をピンテンター(特開平4−1009号公報の図3に記載のピンテンター)で把持しながら搬送を行なった。このとき、フィルムを把持し始めたときのフィルム幅に対し、離脱時のフィルム幅は98%になっていた。更に、熱処理装置のロール間を搬送することにより更に乾燥し、厚み40μmのフィルム1−1を製造した。
延伸倍率は以下の式で求められる。
延伸倍率=延伸後の長さ/延伸前の長さ×100(%)
更に、剥離の際のMD方向の延伸倍率を108%とした以外はフィルム1−1と同様に製膜したフィルム1−2(厚み40μm)、及び延伸倍率を114%とした以外はフィルム1−1と同様に製膜したフィルム1−3(厚み60μm)についても作製した。
<フィルム1−4〜1−6>
(コア層セルロースアシレートドープ(ドープ4)の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調整した。
―――――――――――――――――――――――――――――――
ドープ4の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――
・アセチル置換度2.88 重量平均分子量260000のセルロースアセテート 100質量部
・フタル酸エステルオリゴマーA 10質量部
・化合物(A−1) 4質量部
・紫外線吸収剤1(下記構造式の化合物、BASF社製) 2.7質量部
・TINUVIN123 (HA−1、BASF社製) 0.18質量部
・テークランDO(N−アルケニルプロピレンジアミン三酢酸、ナガセケムテックス(株)社製) 0.02質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
・メタノール(第2溶剤) 64質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――
フタル酸エステルオリゴマーA 重量平均分子量(MW):750
Figure 2017006938
化合物(A−1)
Figure 2017006938
紫外線吸収剤1
Figure 2017006938
(外層セルロースアシレートドープ(ドープ5)の作製)
上記のコア層セルロースアシレートドープ90質量部に下記のマット剤溶液を10質量部加え、外層セルロースアセテート溶液を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――
ドープ5の組成
――――――――――――――――――――――――――――――
・平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製) 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
・メタノール(第2溶剤) 11質量部
・コア層セルロースアシレートドープ(ドープ4) 1質量部
――――――――――――――――――――――――――――――
(セルロースアシレートフィルムの作製)
コア層セルロースアシレートドープ4とその両側に外層セルロースアシレートドープ5とを3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した。溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、残留溶剤が3〜15質量%の状態で、TD方向(MD方向に直交する方向)に118%の延伸倍率で延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、厚さ35μmのフィルム1−4を作製した。更に、ドープの流延量を調整して、厚さ34μmのフィルム1−5、及び厚さ25μmのフィルム1−6を作製した。
<フィルム1−7、1−8>
[下記一般式(100)で表されるラクトン環構造を有するアクリル系樹脂{共重合モノマー質量比=メタクリル酸メチル/2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル=8/2、ラクトン環化率約100%、ラクトン環構造の含有割合19.4%、重量平均分子量133000、メルトフローレート6.5g/10分(240℃、10kgf)、Tg131℃}90質量部と、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂{トーヨーAS AS20、東洋スチレン社製}10質量部との混合物;Tg127℃]のペレットを二軸押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出し、搬送方向に105%、幅手方向に105%の延伸をすることで、厚さ40μmの長尺状のフィルム1−7を得た。また、フィルムの厚みを調整して、厚さ33μmのフィルム1−8を作製した。
一般式(100):
Figure 2017006938
上記一般式(100)中、R101は水素原子であり、R102及びR103はメチル基である。
<フィルム1−9、1−10>
(エア層用セルロースエステル溶液(ドープ6)の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、エア層用セルロースエステル溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――
エア層用セルロースエステル溶液(ドープ6)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・式(eI)の糖エステル化合物 3質量部
・式(eII)の糖エステル化合物 1質量部
・紫外線吸収剤2 2.4質量部
・シリカ粒子分散液(平均粒径20nm) “AEROSIL R972”、日本アエロジル(株)製 0.078質量部
・メチレンクロライド 339質量部
・メタノール 74質量部
・ブタノール 3質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――
式(eI)
Figure 2017006938

式(eII)
Figure 2017006938
紫外線吸収剤2
Figure 2017006938
(ドラム層用セルロースエステル溶液(ドープ7)の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、ドラム層用セルロースエステル溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――
ドラム層用セルロースエステル溶液(ドープ7)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・式(eI)の糖エステル化合物 3質量部
・式(eII)の糖エステル化合物 1質量部
・紫外線吸収剤2 2.4質量部
・シリカ粒子分散液(平均粒径20nm) “AEROSIL R972”、日本アエロジル(株)製 0.091質量部
・メチレンクロライド 339質量部
・メタノール 74質量部
・ブタノール 3質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――
(コア層用セルロースエステル溶液(ドープ8)の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、コア層用セルロースエステル溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――
コア層用セルロースエステル溶液(ドープ8)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・式(eI)の糖エステル化合物 7.7質量部
・式(eII)の糖エステル化合物 2.3質量部
・紫外線吸収剤2 2.4質量部
・メチレンクロライド 266質量部
・メタノール 58質量部
・ブタノール 2.6質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――
(共流延による製膜)
流延ダイとして、共流延用に調整したフィードブロックを装備して、3層構造のフィルムを成形できるようにした装置を用いた。上記エア層用セルロースエステル溶液(ドープ6)、コア層用セルロースエステル溶液(ドープ8)、及びドラム層用セルロースエステル溶液(ドープ7)を流延口から−7℃に冷却したドラム上に共流延した。このとき、厚みの比がエア層/中間層/ドラム層=5/53/2となるように各ドープの流量を調整した。
直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に流延した。ドラム上で34℃の乾燥風を270m/分で当てた。
そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースエステルフィルムをドラムから剥ぎ取った後、両端をピンテンターでクリップした。剥離の際、搬送方向(長手方向)に105%の延伸を行った。
ピンテンターで保持されたセルロースエステルウェブを乾燥ゾーンに搬送した。初めの乾燥では45℃の乾燥風を送風し、次に110℃で5分乾燥した。このとき、セルロースエステルウェブをTD方向に倍率を109%で延伸しながら搬送した。
ピンテンターからウェブを離脱させたあと、ピンテンターで保持されていた部分を連続的に切り取り、搬送方向に210Nのテンションをかけながら145℃で10分乾燥した。更に、ウェブが所望の幅になるように幅方向端部を連続的に切り取り、ウェブの幅方向両端部に15mmの幅で10μmの高さの凹凸をつけて、膜厚60μmのフィルム1−9を作製した。
更に、フィルムをドラムから剥離する際のMD方向の延伸を111%、乾燥ゾーン搬送時のTD方向の延伸を107%とした以外はフィルム1−9と同様にして、膜厚40μmのフィルム1−10を作製した。
<フィルム1−11>
(エア層、流延支持体側層用ドープ(ドープ9)の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、エア層、流延支持体側層用ドープを調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
エア層、流延支持体側層用ドープ(ドープ9)の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・トリフェニルフォスフェート 9.9質量部
・ビフェニルジフェニルフォスフェート 5.5質量部
・紫外線吸収剤2 2.4質量部
・シリカ粒子分散液(マット剤、平均粒径20nm) “AEROSIL R972”、日本アエロジル(株)製 0.078質量部
・メチレンクロライド 339質量部
・メタノール 74質量部
・ブタノール 3質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
(中間層用ドープ(ドープ10)の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、中間層用ドープを調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
中間層用ドープ(ドープ10)の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・トリフェニルフォスフェート 9.9質量部
・ビフェニルジフェニルフォスフェート 5.5質量部
・紫外線吸収剤2 2.4質量部
・メチレンクロライド 266質量部
・メタノール 58質量部
・ブタノール 2.6質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
(共流延による製膜:ドラム製膜法)
流延ダイとして、共流延用に調整したフィードブロックを装備して、3層構造のフィルムを成形できるようにした装置を用いた。以下の説明において、主流から形成される層を中間層と称し、流延用支持体面側の層を流延支持体側層と称し、反対側の面をエア層と称する。上記エア層用ドープ9、中間層用ドープ10、及び流延支持体側層用ドープ9を流延口から−7℃に冷却したドラム上に共流延した。このとき、乾燥後に各層の厚みがエア層/中間層/流延支持体側層=2μm/54μm/4μmとなるように各ドープの流量を調整した。
ドープを直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に流延した。流延された膜にドラム上で34℃の乾燥風を270m/分で当てた。
そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースエステルフィルムをドラムから剥ぎ取った後、両端をピンテンターで保持した。剥離の際、長手方向(MD方向・搬送方向)に104%の延伸を行った。
ピンテンターで保持されたセルロースエステルフィルムを乾燥ゾーンに搬送した。初めの乾燥では45℃の乾燥風を送風し、次に110℃で5分乾燥した。このとき、セルロースエステルフィルムを幅手方向に120%に拡幅しながら搬送した。
ピンテンターからセルロースエステルフィルムを離脱させたあと、ピンテンターで保持されていた部分を連続的に切り取った。このときのセルロースエステルフィルムの幅は1610mmであった。搬送方向に130Nのテンションをかけながら145℃で10分乾燥した。更に、セルロースエステルフィルムが所望の幅になるように幅方向端部を連続的に切り取り、かつ幅方向両端部に幅15mm、高さ10μmのナーリングをつけ、膜厚56μmのフィルム1−11を作製した。
<フィルム1−12>
(用いたセルロースアシレート)
セルロースアシレート1:アセチル基置換度(アシル基の総置換度)2.85、重量平均分子量Mw=152000、数平均分子量Mn=90000
(セルロースアシレートフィルムの作製)
〈インライン添加液の調製〉
10質量部のアエロジル972V(日本アエロジル社製、一次粒子の平均径16nm、見掛け比重90g/リットル)と、90質量部のメタノールとをディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散させて、微粒子分散液を得た。
得られた微粒子分散液に、88質量部のジクロロメタンを撹拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間撹拌混合して、希釈した。得られた溶液をアドバンテック東洋社製ポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1Nで濾過して、微粒子分散希釈液を得た。
15質量部のチヌビン928(BASFジャパン社製)と、100質量部のジクロロメタンとを密閉容器に投入し、加熱撹拌して完全に溶解させた後、ろ過した。得られた溶液に、36質量部の上記微粒子分散希釈液を撹拌しながら加えて30分間更に撹拌した後、6質量部のセルロースアシレート1(アセチル基置換度2.85、Mw=152000、Mn=90000、Mw/Mn=1.7)を撹拌しながら加えて60分間更に撹拌した。得られた溶液を、日本精線(株)製ファインメットNFで濾過して、インライン添加液を得た。濾材は、公称濾過精度20μmのものを用いた。
〈ドープ(ドープ11)の調製〉
下記成分を密閉容器に投入し、加熱及び撹拌しながら完全に溶解させた。得られた溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24で濾過して、主ドープを得た。
―――――――――――――――――――――――――――――――
主ドープ(ドープ11)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースアセテート(アセチル基置換度2.85、Mw=152000、Mn=90000、Mw/Mn=1.7 100質量部
・化合物FA−8 8質量部
・化合物FB−15 7質量部
・ジクロロメタン 430質量部
・メタノール 40質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――
化合物FA−8
Figure 2017006938
化合物FB−15
Figure 2017006938
100質量部の主ドープ11と、2.5質量部のインライン添加液とを、インラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分に混合してドープを得た。
得られたドープを、ベルト流延装置を用いてステンレスバンド支持体上に、ドープ温度35℃、幅1.6mの条件で均一に流延させた。ステンレスバンド支持体上で、得られたドープ膜中の溶剤を、残留溶剤量が100%になるまで蒸発させてウェブを得た後、ステンレスバンド支持体からウェブを剥離した。得られたウェブを、35℃で更に乾燥させた後、幅1.4mとなるようにスリットした。
その後、第1延伸装置によって、MD方向に190℃で200%の延伸倍率で延伸した。その際の延伸開始時のウェブの残留溶媒量は20%であった。
次いで、第2延伸装置によって、TD方向に170℃で150%の延伸倍率で延伸した。その際の延伸開始時のウェブの残留溶媒量は5%であった。
その後、得られたフィルムを、乾燥装置内を多数のローラーで搬送させながら125℃で15分間乾燥させた後、2.0m幅にスリットし、幅方向両端部に、凸部の高さが10μmのエンボス部を形成し、幅2.0m、長さ4000m、膜厚30μmの長尺状のセルロースアシレートフィルム(フィルム1−12)を作製した。
<フィルム2−1>
「ゼオノア1420 R」{日本ゼオン(株)製、厚み100μm}を、縦一軸延伸機において、給気温度140℃、フィルム膜面温度130℃で、搬送方向に133%で延伸した。その後、テンター延伸機において、給気温度140℃、フィルム膜面温度130℃で幅手方向に145%で延伸し、巻取り部前で両端部を切り落としとし、長さ4000mのロールフィルムとして巻き取り、二軸延伸した熱可塑性樹脂フィルム2−1を得た(膜厚51μm)。
<フィルム2−2>
<セルロースアシレートの調製>
(セルロースアセテート1の調製)
100質量部の解砕パルプに26.8質量部の酢酸を噴霧し、良くかき混ぜた後、前処理として60時間静置した。前処理したパルプを、323質量部の酢酸、245質量部の無水酢酸、13.1質量部の硫酸からなる混合物に加え、40℃に調整し、90分間酢化した。中和剤(24%酢酸マグネシウム水溶液)を、硫酸量が2.5質量部に調整されるように添加した。更に、反応浴を75℃に昇温した後、水を添加し、反応浴水分(熟成水分)を52mol%濃度とした。なお、熟成水分濃度は、反応浴水分の酢酸に対する割合をモル比で表したものに100を乗じてmol%で示した。その後、85℃で100分間熟成を行ない、酢酸マグネシウムで硫酸を中和することで熟成を停止し、セルロースジアセテートを含む反応混合物を得た。得られた反応混合物に希酢酸水溶液を加え、セルロースジアセテートを分離した後、水洗、乾燥してフレークを得た後、濃度3×10−5g/gの水酸化カルシウム水溶液に20℃で0.5時間浸漬処理した後、濾別し乾燥することにより、セルロースアセテート1を得た。
(セルロースアセテート2の調製)
100質量部の解砕パルプに酢酸50質量部を散布して前処理した。前処理したパルプに酢酸445質量部、無水酢酸265質量部、硫酸8.3質量部からなる混合物を添加し、酢化を行った。中和剤(24%酢酸マグネシウム水溶液)を、硫酸量4.0質量部に調整されるように添加した上で、熟成を温度85℃にて行い、希酢酸中に吐出して、セルローストリアセテートを沈殿させ、得られた沈殿物を脱水し、純水で洗浄して固液分離し、乾燥してフレークを得た。上記のセルローストリアセテートのフレークを濃度2×10−5g/gの水酸化カルシウム水溶液に20℃で0.5時間浸漬処理した後、濾別し乾燥することにより、セルロースアセテート2を得た。
Figure 2017006938
<ドープの調製>
(コア層ドープ(ドープ12)溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、コア層ドープ溶液を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
ドープ12の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアセテート1 100質量部
添加剤1(オリゴマー1) 4質量部
添加剤2(化合物P15) 2.3質量部
メチレンクロライド 398.5質量部
メタノール 59.7質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
オリゴマー1
Figure 2017006938
化合物P15
Figure 2017006938
(スキン層ドープ(ドープ13)溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、スキン層ドープ溶液を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
ドープ13の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアセテート2 100質量部
メチレンクロライド 425.0質量部
メタノール 63.0質量部
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(マット剤溶液の分散)
下記の組成物を分散機に投入し、撹拌して各成分を溶解し、マット剤分散液M1を調製した。
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マット剤分散液M1の組成
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平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子 2.0質量部
(AEROSIL(登録商標)R972、日本アエロジル(株)製)
メチレンクロリド 76.1質量部
メタノール 11.4質量部
スキン層ドープ(ドープ13)溶液 12.6質量部
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(マット剤を添加したスキン層ドープ(ドープ14)溶液の調製)
上記にて調製したスキン層ドープ溶液に、マット剤分散液M1を以下に示した割合で混合し、マット剤を添加したスキン層ドープ溶液を調製した。
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ドープ14の組成
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スキン層ドープ(ドープ13)溶液 100.0質量部
マット剤分散液M1 7.1質量部
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<セルロースアセテートフィルムの製膜>
(流延)
上記で調製したドープ溶液を用いて、バンド流延機により流延した。
ドープ溶液を流延する際は、走行するバンドの上に流延ダイからドープを共流延した。ここで、各ドープの流延量を調整することにより、ドープ13/ドープ12/ドープ14=2/37/2となるように、コア層を最も厚くし、結果的にフィルムの膜厚が53μmとなるように同時多層共流延した流延膜を形成させた。
次に、この流延膜を流延バンドから剥ぎ取り、湿潤フィルムとした後、渡り部及びテンターで乾燥させてフィルムとした。ドープを剥ぎ取った直後の残留溶媒量は約25質量%であった。フィルムを乾燥室に送り、多数のローラに巻き掛けながら搬送する間に乾燥を十分に促進させた。
(延伸)
流延して得られたフィルムを、クリップで把持し、固定端一軸の条件でTD方向に延伸した。延伸温度は182℃、延伸率は129%とした。
(湿熱処理)
延伸処理を経たフィルムに、結露防止処理、湿熱処理(水蒸気接触処理)及び熱処理を順次行った。
結露防止処理では、フィルムに乾燥空気をあてて、フィルム温度Tf0を120℃に調節した。
湿熱処理(水蒸気接触処理)では、湿潤気体接触室内の湿潤気体の絶対湿度(湿熱処理絶対湿度)が250g/mとなるように、そして、湿潤気体の露点は、フィルムの温度Tf0よりも10℃以上高い温度となるように調節し、フィルムの温度(湿熱処理温度)が100℃となる状態を、処理時間(60秒)だけ維持しながら、フィルムを搬送した。
熱処理では、熱処理室内の気体の絶対湿度(熱処理絶対湿度)を0g/mとし、フィルムの温度(熱処理温度)を湿熱処理温度と同じ温度に設定して、処理時間(2分)だけ維持した。フィルム表面温度は、テープ型熱電対表面温度センサー(安立計器(株)製STシリーズ)をフィルムに3点貼り付け、それぞれの平均値から求めた。
(巻き取り)
その後、室温まで冷却した後で膜厚41μmのフィルム2−2を巻き取った。
<フィルム2−3>
上記の他、フィルム2−3として、ZRD40SL(富士フイルム(株)製)を用いた。
<フィルム2−4>
フィルム2−2の製膜において、乾燥後膜厚を53μmから58μmに変更し、バンドから剥ぎ取る際に搬送方向に10%延伸すること以外は、フィルム2−2と同様の条件で製膜して、47μmのフィルム2−4を得た。
[実施例1]
1)偏光子の作製
厚さ80μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、ヨウ素濃度0.05質量%のヨウ素水溶液中に30℃で60秒間浸漬して染色し、次いでホウ酸濃度4質量%濃度のホウ酸水溶液中に60秒間浸漬している間に元の長さの5倍に縦延伸した。その後、50℃で4分間乾燥させて、厚さ20μmの偏光子を得た。
2)紫外線硬化型接着剤の調製
2−ヒドロキシエチルアクリレート100質量部、トリレンジイソシアネート10質量部及び光重合開始剤(イルガキュア907、BASF製)3質量部、を配合して紫外線硬化型接着剤を調製した。
3)偏光板の作製
2枚の保護フィルム(フィルム1−1及び2−1)の両面をコロナ処理した。
2枚の保護フィルム(フィルム1−1及び2−1)上に、上記偏光板用接着剤を、マイクログラビアコーター(グラビアロール:#300,回転速度140%/ライン速)を用いて、厚さ5μmになるように塗工し、接着剤付きフィルムとした。次いで、上記接着剤付きフィルム2枚で上記偏光子を挟持するように、ロール機でロールツーロールで偏光子の両面に貼り合わせた。貼り合わせた保護フィルム側(両側)から、紫外線を照射して、偏光板を作製した。なお、ライン速度は20m/min、紫外線の積算光量300mJ/cmとした。
また、フィルム2−1の偏光子とは反対側の表面に粘着剤層を設けた。すなわち、フィルム2−1がインナーフィルム(第二の保護フィルム)であり、フィルム1−1がアウターフィルム(第一の保護フィルム)である。
液晶表示装置作製時に液晶セルに偏光板を貼合する際には、上記粘着剤を介して貼合する。
[実施例2〜7及び比較例1〜9]
実施例1の偏光板の作製において、用いる保護フィルムの種類を下記表3に記載したとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜7、及び比較例1〜9の偏光板を作製した。
なお、各実施例及び比較例において、偏光子の吸収軸方向は偏光板作製時のMD方向であり、偏光子の透過軸方向は偏光板作製時のTD方向であった。
[評価]
<保護フィルムのクリープモーメント(A1及びA2)の算出>
各保護フィルムにつき、下記の方法で偏光子の吸収軸と平行な方向(MD方向)のクリープ量及び弾性率、並びにフィルムの膜厚を求めたのち、クリープ量(%)、弾性率(GPa)、及び膜厚(μm)を乗ずることで、第一の保護フィルムのクリープモーメントA1及び第二の保護フィルムのクリープモーメントA2をそれぞれ算出した。
(クリープ量)
10mm幅のスリット状に裁断した各フィルムを、引っ張り試験機(テンシロン万能材料試験機(エー・アンド・デー社製))のクリープモードで20N/10mm幅のテンションで引っ張った。テンションが20Nに到達後、10分間の変形量(クリープ量(%))を読み取った。
(弾性率)
各保護フィルムの弾性率(GPa)は、MD方向の長さが200mm、幅が10mmの試料を用意し、試料を25℃相対湿度60%の環境に2時間放置した直後、東洋精機製のストログラフV10−Cを用い、サンプル形状を幅10mm、チャック間長さ100mmとして測定した。
(膜厚)
膜厚測定には、市販の接触式膜厚計を用いた。
<偏光板の評価>
(カール)
偏光板をTD方向に530mm、MD方向に940mmに切り取ってカール測定用サンプルを作製した。これを25℃、相対湿度60%雰囲気下で1日間放置した後、ガラス平板上に、インナーフィルム(第二の保護フィルム)が下(ガラス平板側)になるように偏光板を平置きし、偏光板の中央部と端部について、ガラス平板との接触の有無を目視により確認した。
ガラス平板面と最端部(長辺端及び短辺端)間の距離を計測し、偏光板カール量と定義した。各水準を、下記評価基準を用いて評価した結果を表4に示す。
A:中央部が接触し、端部が接触しない状態で、1.5mm以上6.6mm未満
B:中央部が接触し、端部が接触しない状態で、0.1mm以上1.5mm未満、又は6.6mm以上8.6mm未満
C:中央部が接触し、端部が接触しない状態で、8.6mm以上10.0mm未満
D:中央部が接触し、端部が接触しない状態で、10.0mm以上
E:端部が接触している
<表示品質評価>
(液晶表示装置の作製)
市販の液晶テレビ(IPSモードのスリム型42型液晶テレビ)から、液晶セルを挟んでいる偏光板を剥がし取り、上記方法で作製した各実施例及び比較例の偏光板を、インナーフィルム(第二の保護フィルム)側が液晶セル側に配置されるように、粘着剤を介して液晶セルに再貼合した。組みなおした液晶テレビに対し表示性能(泡の有無、光学補償)を確認し、以下の評価基準で評価した。なお、下記評価基準において、A〜C評価であることが品質上必須であり、A又はB評価であることが好ましく、A評価であることがより好ましい。
A:画面中に輝点が0個
B:画面中に3m離れて観察したときに視認できる輝点は無く、0.2m離れて観察したときに視認できる輝点が1〜2個
C:画面中に3m離れて観察したときに視認できる輝点は無く、0.2m離れて観察したときに視認できる輝点が3〜10個
D:画面中に3m離れて観察しても視認できる輝点が1個以上だが、光漏れはない
E:画面中に3m離れて観察しても視認できる輝点が1個以上であり、光漏れもある
Figure 2017006938
Figure 2017006938
上記表3及び4に示すように、特定のクリープモーメント比を有する本発明の偏光板は、小さな値のプラスカール(アウターフィルムを内側にするようなカール)を有し、偏光板及び液晶表示装置製造時、製造性の良好な偏光板となった。また、本発明の偏光板を用いた液晶表示装置においては、気泡の混入も少なく、光学補償性に優れるといった良好な表示性能が得られ、インナーフィルム(第二の保護フィルム)のクリープモーメントA2が40以下の偏光板を用いた場合、より好ましい評価結果となった。
一方、比較例1,3,4,5,7,8,9は、中央部が接触せず端部が接触するマイナスカール(インナーフィルムを内側にするようなカール)となったため、気泡混入して表示性能が悪化してしまった。また、比較例2,6は、大きなプラスカールのために、偏光板端部が搬送中に折れ、折れ部に輝点が発生して表示性能が悪化してしまった。
本発明によれば、活性線硬化型接着剤が使用されている偏光板であって、カールの観点で優れ、液晶表示装置に用いた際に表示品質に優れる偏光板、及びこの偏光板を有する液晶表示装置を提供することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2015年7月6日出願の日本特許出願(特願2015−135573)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (8)

  1. 活性線硬化型接着剤層を介して偏光子が第一の保護フィルム及び第二の保護フィルムで挟持された偏光板であって、
    前記第二の保護フィルムの前記偏光子とは反対側の表面に粘着剤層を有し、
    前記第二の保護フィルムの前記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープモーメントの値A2に対する前記第一の保護フィルムの前記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープモーメントの値A1の比A1/A2が、1.1以上3.5以下である偏光板。
    ここで、前記A1及び前記A2は下記式により算出される。
    A1=前記第一の保護フィルムの前記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープ量(%)×前記第一の保護フィルムの前記偏光子の吸収軸と平行な方向の弾性率(GPa)×前記第一の保護フィルムの膜厚(μm)
    A2=前記第二の保護フィルムの前記偏光子の吸収軸と平行な方向のクリープ量(%)×前記第二の保護フィルムの前記偏光子の吸収軸と平行な方向の弾性率(GPa)×前記第二の保護フィルムの膜厚(μm)
  2. 前記A2の値が0以上40以下である請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記A1/A2が、1.1以上2.3以下である請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記第二の保護フィルムがシクロオレフィン系樹脂を含むフィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 平板上に、前記偏光板を、前記第二の保護フィルム面側を前記平板側に配置して置いたときに、少なくとも前記偏光板の中央部が前記平板に接触する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
    ここで、前記中央部とは、前記偏光板の長辺を2等分する垂線と短辺を二等分する垂線の交点と中心とし半径10mmの領域をいう。
  6. 前記偏光板の端部が前記平板に接触しない、請求項5に記載の偏光板。
    ここで、前記端部とは、前記偏光板の長辺端及び短辺端からそれぞれ5mmの領域をいう。
  7. 前記偏光板の長辺端と前記平板との距離、及び短辺端と前記平板との距離が、0mm以上10mm未満である、請求項6に記載の偏光板。
  8. 液晶セルと請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板を有する液晶表示装置であって、前記第一の保護フィルムよりも前記第二の保護フィルムを前記液晶セル側に有する液晶表示装置。
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