JP5446732B2 - 偏光板の製造方法 - Google Patents
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(B)前記偏光フィルムの片面に前記ポリプロピレン系樹脂フィルムを、前記偏光フィルムの他面に前記延伸された透明樹脂フィルムを、それぞれ硬化性の接着剤を介して貼合し、そして、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの外側に接触し、その搬送方向に回転する第一の貼合ロールと、前記延伸された透明樹脂フィルムの外側に接触し、その搬送方向に回転する第二の貼合ロールとで、ポリプロピレン系樹脂フィルム/偏光フィルム/延伸された透明樹脂フィルムの積層体を挟みながら前記貼合を行う貼合工程、及び
(C)貼合工程(B)の後、前記接着剤を硬化させて、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムと前記偏光フィルム及び前記延伸された透明樹脂フィルムと前記偏光フィルムを接着させる硬化工程。
原料フィルム搬送工程(A)では、後述する方法によって製造され、送られてくる偏光フィルム1を中心にして、通常、ロール状で繰り出し装置から送り出されるポリプロピレン系樹脂フィルム2がその片面に供給され、同じく通常、ロール状で繰り出し装置から送り出される延伸された透明樹脂フィルム3がそのもう一方の面に供給される。それぞれのフィルム2,3の搬送速度は、その製造装置に適した値に定めればよく、特に制限されないが、通常、前の工程で製造され、搬送されてくる偏光フィルム1の搬送速度に合わせた速度とされる。偏光板の品種や品質に制約されない限り、その搬送速度が大きいほうが生産性の観点から好ましく、例えば、1〜30m/分程度に設定することができる。
図示は省略するが、ポリプロピレン系樹脂フィルム2は、偏光フィルム1に貼合される面とは反対側にプロテクトフィルムが積層された状態で、原料フィルム搬送工程(A)に供することができる。ポリプロピレン系樹脂フィルムは比較的剛性が弱いため、搬送及び貼合の確実さを高めるうえで、このようなプロテクトフィルムを積層して供給することは有効である。この場合、ポリプロピレン系樹脂フィルム2は、プロテクトフィルムを貼合するプロテクトフィルム貼合工程を経た後、原料フィルム搬送工程(A)に供される。プロテクトフィルムが貼着されたポリプロピレン系樹脂フィルムを、以下「プロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルム」と呼ぶことがある。
偏光フィルム1とポリプロピレン系樹脂フィルム2、また偏光フィルム1と延伸された透明樹脂フィルム3の貼合は、接着剤を介して行われる。接着剤は、原料フィルム搬送工程(A)中の任意の段階で、偏光フィルム1とポリプロピレン系樹脂フィルム2との貼合面の少なくとも一方、及び偏光フィルム1と延伸された透明樹脂フィルム3との貼合面の少なくとも一方に塗布することができる。例えば、偏光フィルム1の両面に接着剤を塗布することもできるし、偏光フィルム1の両面にそれぞれポリプロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3が貼合ロール15,16によって貼合される直前に、それぞれの貼合面に接着剤を吹き付ける方法などにより、2枚のフィルムの貼合面それぞれに接着剤を塗布することもできる。ただ、操作性などの観点からは、ポリプロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3のそれぞれ偏光フィルム1に貼合される面に、接着剤を塗布しておくことが好ましい。すなわち、原料フィルム搬送工程(A)には、その後の貼合工程(B)に備えて、ポリプロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3が偏光フィルム1を挟むように搬送される部分が存在するので、その部分で接着剤を塗布しておくことが好ましい。
原料フィルム搬送工程(A)において、偏光フィルム1を挟むようにその両側から供給されるポリプロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3は、引き続く貼合工程(B)において、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の外側に接触する第一の貼合ロール15及び延伸された透明樹脂フィルム3の外側に接触する第二の貼合ロール16により貼合される。この貼合工程(B)においては、第一の貼合ロール15の周速度に対する第二の貼合ロール16の周速度の比が1.0105以上1.0118以下となるように行われる。この周速度の関係は、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の外側に接触する第一の貼合ロール15の周速度をR1 、延伸された透明樹脂フィルム3の外側に接触する第二の貼合ロール16の周速度をR2 として、以下の式(1)を満たすことを意味する。
貼合工程(B)から搬送されてくるプロピレン系樹脂フィルム2/接着剤(図示せず)/偏光フィルム1/接着剤(図示せず)/延伸された透明樹脂フィルム3の順で貼合された積層体は、硬化工程(C)において、上記の接着剤が硬化され、プロピレン系樹脂フィルム2及び延伸された透明樹脂フィルム3がそれぞれ偏光フィルム1に接着されて、偏光板5となる。図1では、貼合ロール15,16によって貼合された積層体が硬化装置18へ送り込まれ、そこで硬化処理が施されるようになっている。硬化処理は、接着剤の種類に応じて、活性エネルギー線の照射、加熱、又は乾燥により行うことができる。
偏光フィルム1は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造される。
ポリプロピレン系樹脂フィルム2を構成するポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体で構成することができるほか、プロピレンを主体とし、それに共重合可能なコモノマーを少量、例えば、1重量%以上20重量%以下、好ましくは10重量%以下の割合で共重合させたもので構成することもできる。偏光板の保護フィルムとして求められる透明性、耐久性、成形加工性などに優れたものが、好適に用いられる。
ポリプロピレン系樹脂フィルム2の偏光フィルム1に貼合される面とは反対側にプロテクトフィルムを積層したプロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルムとして、原料フィルム搬送工程(A)に供する場合、そのプロテクトフィルムとしては、通常、透明樹脂フィルムに粘着・剥離性の樹脂層又は付着性の樹脂層を形成して、弱い粘着性を付与したものが用いられる。例えば、透明樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフトレート、ポリエチレン、及びポリプロピレンのような熱可塑性樹脂の押出フィルム、それらを組み合わせた共押出フィルム、それらを一軸又は二軸に延伸したフィルムなどが挙げられる。粘着・剥離性の樹脂層としては、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、スチレン−ブタジエン共重合樹脂系粘着剤、ポリイソブチレン系粘着剤、ビニルエーテル系樹脂粘着剤、シリコーン系樹脂粘着剤などが挙げられる。また、付着性の樹脂層としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。
偏光フィルム1のポリプロピレン系樹脂フィルム2が貼合される面とは反対側に貼合される延伸された透明樹脂フィルム3は、透明性に優れ、かつ延伸によって適当な位相差値を発現できる樹脂で構成すればよい。かかる樹脂として、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂やポリプロピレン系樹脂を包含するポリオレフィン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂などを挙げることができる。このような樹脂からなるフィルムを一軸や二軸等の適宜な方式で延伸することにより、延伸された透明樹脂フィルム3を得ることができる。
Ro =(nx−ny)×d (3)
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (4)
偏光フィルム1とポリプロピレン系樹脂フィルム2との貼合、また偏光フィルム1と延伸された透明樹脂フィルム3との貼合には、接着剤が用いられる。この接着剤は、活性エネルギー線の照射、加熱、乾燥などによって硬化し、偏光フィルム1とポリプロピレン系樹脂フィルム2、及び偏光フィルム1と延伸された透明樹脂フィルム3を、実用に足る強度で接着できるものであればよい。例えば、グリシジルエーテル系エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、及びオキセタン化合物のようなカチオン重合性化合物に、光カチオン重合開始剤を配合してなるカチオン重合性の光硬化性接着剤組成物;アクリル系化合物のようなラジカル重合性化合物に、光ラジカル重合開始剤を配合してなるラジカル重合性の光硬化性接着剤組成物;上に示したカチオン重合性又はラジカル重合性の化合物に、熱重合開始剤、すなわち熱カチオン発生剤又は熱ラジカル発生剤を配合してなる熱硬化性接着剤組成物;水溶性又は親水性の架橋性エポキシ化合物又はウレタン化合物に、必要に応じてポリビニルアルコール系樹脂のような反応性基を有する水溶性樹脂を配合した水溶液又は水分散液からなる水系接着剤組成物などが挙げられる。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、
1,2−エポキシ−4−エポキシエチルシクロヘキサン、
1,2−エポキシ−1−メチル−4−(1−メチルエポキシエチル)シクロヘキサン、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル (メタ)アクリレート、
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールと4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサンとの付加物、
エチレン ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
オキシジエチレン ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
1,4−シクロヘキサンジメチル ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメトキシカルボニル)プロピル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなど。
1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ベンゼン、
3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、
ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−(シクロヘキシルオキシメチル)オキセタン、
フェノールノボラックオキセタン、
1,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼンなど。
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレートなど。
ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートなど。
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4,4′−ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、
4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−フェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニオジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジフェニルスルホニオジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなど。
キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロアンチモネート、
クメン−シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロホスフェート、
キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II) トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイドなど。
本発明によって製造される偏光板は、延伸された透明樹脂フィルム3側に粘着剤層を形成して、粘着剤層付き偏光板とすることができる。この粘着剤層を介して液晶セルに貼合されることになる。粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとするものが挙げられる。なかでも、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤は、光学的な透明性に優れ、適度の濡れ性や凝集力を保持し、さらに耐候性や耐熱性などに優れ、加熱や加湿の条件下で浮きや剥がれなどの剥離問題が生じにくいため、好ましく用いられる。
本発明によって得られる偏光板は、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の表面に、ハードコート層、反射防止層、及び防眩層のような表面処理層が形成されていてもよい。この場合は、ポリプロピレン系樹脂フィルム2の表面にこのような表面処理層が形成された状態で、先の原料フィルム搬送工程(A)、さらに貼合工程(B)へと供されるのが一般的である。また、ポリプロピレン系樹脂フィルム2側に輝度向上フィルムを貼合したり、延伸された透明樹脂フィルム3側に固有複屈折が負である高分子フィルムを一軸化又は横延伸や逐次延伸によって二軸化した位相差フィルムを貼合したりすることもできる。
本発明により得られる偏光板は、粘着剤層を介して液晶セルに貼合し、液晶パネルとすることができる。液晶パネルを製造する際、偏光板のカール量が小さいことから、それを液晶セルに貼合するとき、端部に気泡を噛み込むなどの不具合が生じにくいものとなる。ここで、液晶パネルを構成する液晶セルは、TN(Twisted Nematic) 、STN(Super Twisted Nematic) 、VA(Vertical Alignment)、IPS(In-Plane Switching)、
OCB(Optically Compensated Bend)など、この分野で知られている各種モードのものであることができる。偏光板が貼合された液晶パネルは、駆動回路やバックライトユニットなどがさらに組み込まれて、液晶表示装置となる。この液晶表示装置は、本発明により製造される偏光板を用いたことにより、廉価で薄肉化することができ、信頼性に優れたものとなる。
先に図2を参照して行った説明に準じた方法で、プロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルム、偏光板、並びに粘着剤層付き偏光板(剥離フィルムが付いた状態、及び剥離フィルムを剥がした状態)のそれぞれについて、フィルムの凸となっている側を下に向けてカール量を測定した。プロテクトフィルム貼着ポリプロピレン系樹脂フィルムでは、ポリプロピレン系樹脂フィルム側が凸となる場合を正カールとし、偏光板又は粘着剤層付き偏光板では、延伸された透明樹脂フィルム3側(粘着剤層付きの場合はその粘着剤層側)が凸となる場合を正カールとする。
フィルムの引張弾性率は、JIS K 7161「プラスチック−引張特性の試験方法 第1部:通則」に規定された方法で、オートグラフ(型式“AG-1”、株式会社島津製作所製)を用い、温度22℃、相対湿度53%の条件にて測定した。
(a)接着剤組成物の調製
以下の各成分を混合して、紫外線硬化性接着剤組成物を調製した。
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル 60部
ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート(光カチオン重合開始剤) 4部
プロピレンの単独重合体から溶融押出製膜法によって厚さ50μm のポリプロピレンフィルムを得た。このポリプロピレンのCXS成分含有量は 0.2%であった。別途、片面に弱粘着性のアクリル系粘着剤層が設けられた厚さ60μm の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、これをプロテクトフィルムとした。このポリエチレンテレフタレートフィルムは、長尺方向(MD)の引張弾性率が3,500MPaであった。
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光フィルムの片面に、上記(b)で作製したプロテクトフィルム貼着ポリプロピレンフィルムのポリプロピレンフィルム側を、偏光フィルムの他面には、日本ゼオン株式会社から入手したシクロオレフィン系樹脂の二軸延伸フィルムであって厚さ60μm の“ゼオノアフィルム”(商品名、面内の位相差値 Ro=63nm、厚み方向の位相差値Rth=225nm)をそれぞれ貼合して、偏光板を作製した。貼合にあたっては、上記プロテクトフィルム貼着ポリプロピレンフィルム及びシクロオレフィン系樹脂フィルムのそれぞれ偏光子への貼合面に、上記(a)で調製した紫外線硬化性接着剤組成物を塗布し、それぞれの塗布面を上記偏光フィルムの両面に重ねた後、2本の貼合ロール15,16の間に通して一体化した。ここで、第一の貼合ロール15には、表面がゴムになっているゴムロールを使用し、第二の貼合ロール16には、表面にクロムメッキが施された金属ロールを使用した。また、ポリプロピレンフィルム側に配置された第一の貼合ロール15の周速度R1 に対する、シクロオレフィン系樹脂フィルム側に配置された第二の貼合ロール16の周速度R2の比R2/R1を1.0115とした。
上記(c)で得られた偏光板から30cm×30cmのサンプルを切り出し、そこからプロテクトフィルムを剥がした状態で、そのカール量を前記の方法により測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルム側が凸となる正カールであり、四つの角とも18mmであった。
別途、剥離フィルム上にアクリル系粘着剤層が形成されている両面剥離フィルム型粘着剤シートを用意した。その片側剥離フィルムを剥がしてから、上記(c)で得られたロール状偏光板のシクロオレフィン系樹脂フィルム側に、その粘着剤面を貼り合わせて粘着剤層を形成し、23℃で7日間養生した。この粘着剤層付き偏光板を、ワイド32型のサイズ〔対角32インチ(約81cm)で、幅約71cm×縦約40cm〕にチップカットした。この状態(粘着剤層に剥離フィルムが付いた状態)で、このチップカットされた大きさのままカール量を前記の方法により測定したところ、粘着剤層側が凸となる正カールであり、四つの角のうち最小値が2mm、最大値が4mmであった。また、粘着剤層から剥離フィルムを剥がし、粘着剤面を上にして水平台上に置き、温度22℃、相対湿度60%の環境下で1時間静置したところ、カールが観察されなかった。そこで、その表裏を反転させたところ、やはりカールは観察されず、四辺の浮き上がりも認められなかった。したがって、この例における粘着剤層付き偏光板の剥離フィルムを剥がした状態でのカール量は、四つの角とも0mmであった。
実施例1の(c)において、ポリプロピレンフィルム側に配置された第一の貼合ロール15の周速度R1 に対する、シクロオレフィン系樹脂フィルム側に配置された第二の貼合ロール16の周速度R2 の比R2/R1 を1.0110とし、その他は実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板から30cm×30cmのサンプルを切り出し、そこからプロテクトフィルムを剥がした状態で、そのカール量を前記の方法により測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルム側が凸となる正カールであり、四つの角とも18mmであった。また、実施例1の(e)と同様にシクロオレフィン系樹脂フィルム側に粘着剤層を形成し、ワイド32型のサイズにチップカットしたところ、剥離フィルムが付いた状態及び剥離フィルムを剥がした状態とも、粘着剤層側が凸となる正カールであった。剥離フィルムが付いた状態でのカール量は、四つの角のうち最小値が3mm、最大値が4mmであり、剥離フィルムを剥がした状態でのカール量は、四つの角とも1mmであり、問題のないレベルであった。
実施例1の(c)において、ポリプロピレンフィルム側に配置された第一の貼合ロール15の周速度R1 に対する、シクロオレフィン系樹脂フィルム側に配置された第二の貼合ロール16の周速度R2 の比R2/R1 を1.0120とし、その他は実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板から30cm×30cmのサンプルを切り出し、そこからプロテクトフィルムを剥がした状態で、そのカール量を前記の方法により測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルム側が凸となる正カールであったが、最大で87mmに達した。このように大きなカールが発生すると、粘着剤層を設けて液晶セルに貼り合わせた後に剥がれやすくなるので、粘着剤層形成以降の実験は行わなかった。
実施例1の(c)において、ポリプロピレンフィルム側に配置された第一の貼合ロール15の周速度R1 に対する、シクロオレフィン系樹脂フィルム側に配置された第二の貼合ロール16の周速度R2 の比R2/R1 を1.0100とし、その他は実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板から30cm×30cmのサンプルを切り出し、そこからプロテクトフィルムを剥がした状態で、そのカール量を前記の方法により測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルム側が凹となる逆カールであり、最大で22mmとなった。このように逆カールが発生すると、液晶セルに貼合するとき、中央部に気泡を噛み込むなどの不具合が生じやすくなるので、粘着剤層形成以降の実験は行わなかった。
2……ポリプロピレン系樹脂フィルム、
3……延伸された透明樹脂フィルム、
5……偏光板、
12,13……接着剤塗布装置、
15……第一の貼合ロール、
16……第二の貼合ロール、
18……硬化装置、
21……カールしたフィルム、
23……フィルムがカールしていないと仮定したときの基準面上の仮想面、
25……基準面、
A,B,C,D……仮想面上の角、
A1,B1,C1,D1……カールしたフィルムの角、
H……カール量(基準面からフィルムの角までの高さ)。
Claims (6)
- 二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面に、接着剤を介してポリプロピレン系樹脂フィルムを貼合し、前記偏光フィルムの他面には、接着剤を介して延伸された透明樹脂フィルムを貼合して偏光板を製造する方法であって、
(A)前記の偏光フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム及び延伸された透明樹脂フィルムをそれぞれ一定方向に、かつ前記偏光フィルムを前記ポリプロピレン系樹脂フィルムと前記延伸された透明樹脂フィルムとで挟むように搬送する原料フィルム搬送工程と、
(B)前記偏光フィルムの片面に前記ポリプロピレン系樹脂フィルムを、前記偏光フィルムの他面に前記延伸された透明樹脂フィルムを、それぞれ硬化性の接着剤を介して貼合し、そして、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの外側に接触し、その搬送方向に回転する第一の貼合ロールと、前記延伸された透明樹脂フィルムの外側に接触し、その搬送方向に回転する第二の貼合ロールとで、ポリプロピレン系樹脂フィルム/偏光フィルム/延伸された透明樹脂フィルムの積層体を挟みながら前記貼合を行う貼合工程と、
(C)貼合後、前記接着剤を硬化させて、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムと前記偏光フィルム及び前記延伸された透明樹脂フィルムと前記偏光フィルムを接着させる硬化工程とを備え、
前記貼合工程(B)は、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの外側に接触する第一の貼合ロールの周速度に対する前記延伸された透明樹脂フィルムの外側に接触する第二の貼合ロールの周速度の比が1.0105以上1.0118以下となるように行われることを特徴とする、偏光板の製造方法。 - 前記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、前記偏光フィルムに貼合される面とは反対側にプロテクトフィルムが積層されている請求項1に記載の方法。
- 前記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、前記プロテクトフィルムを貼合するプロテクトフィルム貼合工程を経た後、前記原料フィルム搬送工程(A)に供され、
前記プロテクトフィルム貼合工程は、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの貼合前張力を0.013N/mm以上0.034N/mm以下の範囲とし、前記プロテクトフィルムの貼合前張力を0.13N/mm以上0.34N/mm以下の範囲として行われる請求項2に記載の方法。 - 前記延伸された透明樹脂フィルムは、二軸延伸されている請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記原料フィルム搬送工程(A)の途中に、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの偏光フィルムへの貼合面に前記接着剤を塗布し、前記延伸された透明樹脂フィルムの偏光フィルムへの貼合面に前記接着剤を塗布する接着剤塗布工程をさらに備える請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 前記接着剤は、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤を含有し、前記硬化工程(C)は活性エネルギー線の照射により行われる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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