JP2017122881A - 光硬化性接着剤、並びにそれを用いた偏光板及び積層光学部材 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] ポリビニルアルコール系偏光子に、熱可塑性樹脂フィルムを接着するための光硬化性接着剤であって、
光カチオン硬化性成分(A)100重量部に対して、光カチオン重合開始剤(B)を1〜10重量部、及び分岐アルコール化合物(C)を0.1〜15重量部含有し、
前記光カチオン硬化性成分(A)は、その全体量を基準に、
下記式(I):
Xは酸素原子、炭素数1〜6のアルカンジイル基又は下記式(Ia)〜(Id):
a及びbは各々0〜20の整数を表す。)
で表される脂環式ジエポキシ化合物(A1)を30〜85重量%、並びに
下記式(II):
で表されるジグリシジル化合物(A2)を1〜70重量%含有する、光硬化性接着剤。
で表されるアントラセン系化合物、及び下記式(IVb):
で表されるナフタレン系化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を0.1〜5重量部含有する、[1]に記載の光硬化性接着剤。
前記ポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも一方の面に、[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化性接着剤の硬化物を介して積層された熱可塑性樹脂フィルムと、
を含む、偏光板。
本発明に係る光硬化性接着剤は、ポリビニルアルコール系偏光子に熱可塑性樹脂フィルムを接着するための接着剤であり、光カチオン硬化性成分(A)と、光カチオン重合開始剤(B)と、分岐アルコール化合物(C)とを含有する。
光硬化性接着剤の主成分であり、重合硬化により接着力を与える光カチオン硬化性成分(A)は、以下の2種類の化合物を含有する。
(A1)上記式(I)で表される脂環式ジエポキシ化合物、及び
(A2)上記式(II)で表されるジグリシジル化合物。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート〔式(I)(ただし、Xはa=0である式(Ia)で表される2価の基)において、R1=R2=Hの化合物〕、
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート〔上と同じXを有する式(I)において、R1=6−メチル、R2=6−メチルの化合物〕、
3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート〔上と同じXを有する式(I)において、R1=1−メチル、R2=1−メチルの化合物〕、
3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート〔上と同じXを有する式(I)において、R1=3−メチル、R2=3−メチルの化合物〕
等がある。
光硬化性接着剤は、光カチオン重合開始剤(B)を含有する。これにより、光カチオン硬化性成分(A)を活性エネルギー線の照射によるカチオン重合で硬化させて接着剤層を形成することができる。光カチオン重合開始剤(B)は、可視光線、紫外線、X線、電子線のような活性エネルギー線の照射によって、カチオン種又はルイス酸を発生し、光カチオン硬化性成分(A)の重合反応を開始させるものである。光カチオン重合開始剤(B)は光で触媒的に作用するため、光カチオン硬化性成分(A)に混合しても保存安定性や作業性に優れる。光カチオン重合開始剤(B)として使用し得る活性エネルギー線の照射によりカチオン種やルイス酸を生じる化合物として、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩;鉄−アレーン錯体等を挙げることができる。
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレート
が挙げられる。
ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート
が挙げられる。
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、
4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
が挙げられる。
キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロアンチモネート、
クメン−シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロホスフェート、
キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II) トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイド
が挙げられる。
光硬化性接着剤は、光カチオン硬化性成分(A)及び光カチオン重合開始剤(B)に加えて、分岐アルコール化合物(C)を含有する。これらの成分を含有する本発明の光硬化性接着剤は、室温において低い粘度を示して良好な塗工適性を有しており、硬化後の接着剤層に発生し得る気泡欠陥を抑制しながらポリビニルアルコール系偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとを強固に接着させることができる。本発明者らの検討により、接着剤層に生じる気泡欠陥は、光硬化性接着剤が熱可塑性樹脂フィルムを溶解する能力(溶解力)と関係していることが明らかとなっている。
光硬化性接着剤は、一般の光硬化性樹脂又は接着剤に配合することが知られているその他の成分を含有することもできる。他の成分の好適な例として、光増感剤及び光増感助剤を挙げることができる。光増感剤は、光カチオン重合開始剤(B)が示す極大吸収波長よりも長い波長に極大吸収を示し、光カチオン重合開始剤(B)による重合開始反応を促進させる化合物である。また光増感助剤は、光増感剤の作用を一層促進させる化合物である。熱可塑性樹脂フィルムの種類によっては、このような光増感剤、さらには光増感助剤を配合することが好ましいことがある。
9,10−ジエトキシアントラセン、
9,10−ジプロポキシアントラセン、
9,10−ジイソプロポキシアントラセン、
9,10−ジブトキシアントラセン、
9,10−ジペンチルオキシアントラセン、
9,10−ジヘキシルオキシアントラセン、
9,10−ビス(2−メトキシエトキシ)アントラセン、
9,10−ビス(2−エトキシエトキシ)アントラセン、
9,10−ビス(2−ブトキシエトキシ)アントラセン、
9,10−ビス(3−ブトキシプロポキシ)アントラセン、
2−メチル−又は2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、
2−メチル−又は2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、
2−メチル−又は2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、
2−メチル−又は2−エチル−9,10−ジイソプロポキシアントラセン、
2−メチル−又は2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン、
2−メチル−又は2−エチル−9,10−ジペンチルオキシアントラセン、
2−メチル−又は2−エチル−9,10−ジヘキシルオキシアントラセン等。
4−エトキシ−1−ナフトール、
4−プロポキシ−1−ナフトール、
4−ブトキシ−1−ナフトール、
4−ヘキシルオキシ−1−ナフトール、
1,4−ジメトキシナフタレン、
1−エトキシ−4−メトキシナフタレン、
1,4−ジエトキシナフタレン、
1,4−ジプロポキシナフタレン、
1,4−ジブトキシナフタレン等。
光硬化性接着剤は、水分を含有してもよい。水分の含有量は、光カチオン硬化性成分(A)100重量部に対して、通常4重量部以下であり、好ましくは3重量部以下、より好ましくは3重量部未満である。0重量部を超える若干量の水分を含有することによりポリビニルアルコール系偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間の接着強度が向上することがある。水分の含有量は、光カチオン硬化性成分(A)100重量部に対して、通常0.01重量部以上であり、好ましくは0.03重量部以上であり、より好ましくは0.04重量部以上である。ただし、水分含有量があまりに多いと、光硬化性接着剤と水との分離が起こり、光硬化性接着剤を偏光子や熱可塑性樹脂フィルムの表面に均一に塗工することができなくなったり、光硬化性接着剤の硬化性が悪くなったりすることがある。光硬化性接着剤に意図的に水分を添加してもよく、この場合、特に限定されないが、蒸留水及び純水等の精製水を用いることができる。水分は、原料に由来する水分、製造工程で混入する水分等であってもよい。光硬化性接着剤の水分含有量は、カールフィッシャー容量法により測定される。
本発明に係る光硬化性接着剤は、上記所定の光カチオン硬化性成分(A)及び分岐アルコール化合物(C)を所定量含有していることにより低粘度性を有することができ、これにより、ポリビニルアルコール系偏光子に熱可塑性樹脂フィルムをこの光硬化性接着剤を用いて貼合するにあたって、優れた塗工適性を示すことができる。本発明に係る光硬化性接着剤は、具体的には、25℃において2〜300mPa・sの範囲の粘度を示すことができる。ここでいう粘度は、溶剤を実質的に含まない状態での粘度である。粘度が2mPa・sより小さいと、貼合後の搬送中に偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとが剥がれることがあり、粘度が300mPa・sを超えると偏光子と熱可塑性樹脂フィルムと接着剤を介して貼合する際、特に接着剤層が薄いときに、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間、すなわち接着剤層に気泡が混入しやすくなる。上記粘度は、好ましくは5〜200mPa・sであり、より好ましくは10〜150mPa・sであり、さらに好ましくは100mPa・s以下であり、特に好ましくは80mPa・s以下である。光硬化性接着剤の粘度は、E型粘度計を用いて測定される。
重量減少(%)={(浸漬前のフィルム重量−浸漬後のフィルム重量)/浸漬前のフィルム重量}×100
から、浸漬後の重量減少を求める。
本発明に係る偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光子と、その少なくとも一方の面に、上記光硬化性接着剤の硬化物である接着剤層を介して貼合される熱可塑性樹脂フィルムとを含むものである。当該偏光板は、本発明に係る光硬化性接着剤を用いているので、硬化した接着剤層において熱可塑性樹脂フィルムの溶解に起因する気泡の混入(気泡欠陥)が抑制されている。
ポリビニルアルコール系偏光子は、二色性色素が吸着配向されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成される。偏光子を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニル及びこれと共重合可能な他の単量体の共重合体等が例示される。酢酸ビニルに共重合される他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類等が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%、好ましくは98〜100モル%の範囲である。ポリビニルアルコール系樹脂は、さらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等も使用し得る。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000〜10000、好ましくは1500〜5000の範囲である。
熱可塑性樹脂フィルムは、従来から偏光子用の保護フィルムとして最も広く用いられているトリアセチルセルロースをはじめとするアセチルセルロース系樹脂フィルムや、トリアセチルセルロースよりも透湿度の低い透明樹脂フィルムで構成することができる。トリアセチルセルロースの透湿度は、概ね400g/m2/24hr程度である。熱可塑性樹脂フィルムの透湿度は、JIS Z 0208に規定されるカップ法により、40℃の温度及び90%の相対湿度で測定される。
上述の光硬化性接着剤を用いて、偏光子の少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂フィルムを接着することにより偏光板が得られる。具体的には、上述の光硬化性接着剤の塗布層を偏光子及び/又は熱可塑性樹脂フィルムの接着面に形成し、その塗布層を介して偏光子と熱可塑性樹脂フィルムを貼合した後、未硬化の光硬化性接着剤の塗布層を、活性エネルギー線の照射により硬化させ、熱可塑性樹脂フィルムを偏光子上に固着させる。光硬化性接着剤の塗布層の形成には、例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーター等、種々の塗工方式が利用できる。また、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムを両者の接着面が内側となるように連続的に供給しながら、その間に接着剤を流延させる方式を採用することもできる。
本発明の偏光板は、偏光板以外の光学機能を有する光学層を積層して積層光学部材とすることができる。典型的には、偏光板の熱可塑性樹脂フィルム上に接着剤や粘着剤を介して光学層を積層貼着することにより積層光学部材とされるが、その他、例えば、偏光子の一方の面に本発明に係る光硬化性接着剤を介して熱可塑性樹脂フィルムを接着し、偏光子の他方の面に接着剤や粘着剤を介して光学層を積層貼着することもできる。後者の場合、偏光子と光学層を貼着するための接着剤として、本発明に係る光硬化性接着剤を用いれば、その光学層は、同時に熱可塑性樹脂フィルムともなり得る。偏光板に2以上の光学層が積層されてもよい。
(a1)3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート〔上記式(I)において、R1=R2=H、X=−C(=O)−O−CH2−である化合物〕、
(a21)ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル〔上記式(II)において、Z=−CH2C(CH3)2CH2−である化合物〕、
(a22)1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル〔上記式(II)において、Z=−(CH2)4−である化合物〕。
(b1)下記式(V)で表される化合物と下記式(VI)で表される化合物との混合物のプロピレンカーボネート50%溶液。
(c1)ジプロピレングリコール(上記式(a)で表される化合物)、
(c2)トリプロピレングリコール(上記式(b)で表される化合物)、
(c3)ネオペンチルグリコール、
(c4)3−メチル−1,5−ペンタンジオール。
(c5)トリエチレングリコール。
(d1)1,4−ジエトキシナフタレン、
(d2)9,10−ジブトキシナフタレン。
(1)光硬化性接着剤の調製
表1に示される各成分を表1に示される配合割合で混合した後、脱泡して、光硬化性接着剤(液状)を調製した。表1における各成分の配合量の単位は「部」である。なお、光カチオン重合開始剤(B)は、50%プロピレンカーボネート溶液であるが、表1にはその固形分量に基づく配合量を示している。
上記(1)で調製したそれぞれの光硬化性接着剤(接着剤液)について、東機産業(株)製のE型粘度計“TVE−25L”を用いて、温度25℃における粘度(mPa・s)を測定した。結果を表2に示す。
上記(1)で調製したそれぞれの光硬化性接着剤(接着剤液)について、平沼産業(株)製の水分計“AQV−2100ST”を用いて、温度25℃における水分(光カチオン硬化性成分(A)100重量部に対する重量部)を測定した。結果を表2に示す。
トリアセチルセルロース(TAC)からなる厚み40μmの位相差フィルム〔商品名“N−TAC KC4FR−1”、コニカミノルタオプト(株)製〕を用意した。この位相差フィルムは、ポリビニルアルコール系偏光子に、光学補償機能を兼ね備える熱可塑性樹脂フィルムとして貼合され、偏光板を製造するのに用いられるものである。この位相差フィルムを10mm×40mmの大きさに裁断した後、上で調製したそれぞれの光硬化性接着剤(接着剤液)20gに、23℃の温度で2日間浸漬した。2日後、位相差フィルムを取り出し、ベンコットンで位相差フィルムに付着している接着剤液を拭き取り、重量を測定した。接着剤液への浸漬前のフィルム重量と浸漬後のフィルム重量から、下記式:
重量減少(%)={(浸漬前のフィルム重量−浸漬後のフィルム重量)/浸漬前のフィルム重量}×100
によりそのフィルムの重量減少を求め、これを溶解力とした。結果を表2に示す。重量減少が大きいほど溶解力が高い。
上記(1)で調製したそれぞれの光硬化性接着剤(接着剤液)について、未処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名“ソフトシャイン”、東洋紡(株)製)にバーコーター#20で塗布し、ベルトコンベア付き紫外線照射装置(メタルハライドランプ)を用いて積算光量が3000mJ/cm2(UVA)となるように紫外線を照射した。24時間後にポリエチレンテレフタレートフィルムから接着剤硬化物(硬化した接着剤層)を剥離し、(株)日立ハイテクサイエンス製の粘弾性測定装置(DMA7100)を用いて、80℃における引張弾性率(MPa)を測定した。その結果を表2に示す。
ノルボルネン系樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)からなる厚み50μmの位相差フィルム〔商品名“ZEONOR”、日本ゼオン(株)製〕(表2中、「COP」と略記する。)、紫外線吸収剤を含む厚み80μmのトリアセチルセルロース(TAC)からなる延伸されていない熱可塑性樹脂フィルム(表2中、「TAC」と略記する。)、又はトリアセチルセルロース(TAC)からなる厚み40μmの位相差フィルム〔商品名“N−TAC KC4FR−1”、コニカミノルタオプト(株)製〕(表2中、「位相差TAC」と略記する。)の片面にコロナ処理を施し、これらのコロナ処理面に、上記(1)で調製した光硬化性接着剤(接着剤液)を接着剤塗工装置を用いて塗工した。この接着剤の塗工層上に厚み25μmのポリビニルアルコール−ヨウ素系偏光子を積層し、ニップロールを用いて貼合した(押し付け圧:1.5MPa)。次いで、総積算光量(波長320〜400nmの波長領域における光照射強度の積算量)が約350mJ/cm2(測定器:FusionUV社製UV Power PuckIIによる測定値)の紫外線(UVA)を照射することにより接着剤層を硬化させて、偏光子の片面に熱可塑性樹脂フィルムが貼合された偏光板を得た。接着剤層の厚みは、硬化後の厚みで2.8μmとした。
上記(6)で作製した偏光板を長さ200mm×幅25mmの大きさに裁断した後、熱可塑性樹脂フィルム側にアクリル系粘着剤層を設けて、当該熱可塑性樹脂フィルムと偏光子との間の剥離強さを測定するための試験片とした。試験片をその粘着剤層を用いてガラス板に貼り、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間にカッターの刃を入れ、長さ方向に端から30mm剥がして、その剥がした部分を試験機のつかみ部でつかんだ。この状態の試験片について、温度23℃及び相対湿度55%の雰囲気中にて、JIS K 6854−2:1999「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第2部:180度はく離」に準じて、つかみ移動速度300mm/分で180度剥離試験を行い、つかみ部の30mmを除く170mmの長さにわたる平均剥離力を求め、これを、熱可塑性樹脂フィルムと偏光子との間の剥離強さとした。熱可塑性樹脂フィルムが上記3種である場合のそれぞれについて剥離強さを測定した。なお、測定時は、偏光板を作製してから24時間後である。結果を表2に示す。
Claims (7)
- ポリビニルアルコール系偏光子に、熱可塑性樹脂フィルムを接着するための光硬化性接着剤であって、
光カチオン硬化性成分(A)100重量部に対して、光カチオン重合開始剤(B)を1〜10重量部、及び分岐アルコール化合物(C)を0.1〜15重量部含有し、
前記光カチオン硬化性成分(A)は、その全体量を基準に、
下記式(I):
Xは酸素原子、炭素数1〜6のアルカンジイル基又は下記式(Ia)〜(Id):
a及びbは各々0〜20の整数を表す。)
で表される脂環式ジエポキシ化合物(A1)を30〜85重量%、並びに
下記式(II):
で表されるジグリシジル化合物(A2)を1〜70重量%含有する、光硬化性接着剤。 - 水分含有量が、前記光カチオン硬化性成分(A)100重量部に対して、0重量部超4重量部以下である、請求項1又は2に記載の光硬化性接着剤。
- 25℃における粘度が100mPa・s以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性接着剤。
- ポリビニルアルコール系偏光子と、
前記ポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも一方の面に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化性接着剤の硬化物を介して積層された熱可塑性樹脂フィルムと、
を含む、偏光板。 - 請求項5に記載の偏光板と、1層以上の他の光学層との積層体からなる、積層光学部材。
- 前記他の光学層が位相差板を含む、請求項6に記載の積層光学部材。
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