JP2011095352A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、投射画像を非表示にするためのシャッタ機構を有するプロジェクタ等の画像投射装置に関する。
会議等で使用されるプロジェクタは、短時間で表示(投射)と非表示(非投射)が繰り返されることが多い。プロジェクタでは、液晶パネル等の光変調素子を照明する光源として高輝度放電ランプを用いるのが一般的であるが、高輝度放電ランプは、短時間に点灯と消灯を繰り返すと寿命が短くなる。また、高輝度放電ランプは、点灯後に明るさや色味が安定するまでにある程度の時間を要し、消灯から再点灯までの間にもある程度の冷却時間が必要である。
光源を点灯させたまま黒映像が投射されるように光変調素子を動作させることで、非表示状態を擬似的に作ることは可能である。ただし、プロジェクタの高輝度化により黒表示時の照度も上がっているため、黒映像を投射した状態でも観察者が眩しさを感じるおそれがある。
このため、点灯した光源からの光を遮断することが可能なシャッタ機構を開閉させることで、表示と非表示とを切り換えることができるようにすることが望ましい。特許文献1には、光源とその直後(光変調素子よりも光源側)に設けられた照明光学系との間にシャッタ機構を配置したプロジェクタが開示されている。また、特許文献2には、投射レンズの前面(被投射面側)にシャッタ機構が配置されたプロジェクタが開示されている。
しかしながら、特許文献1にて開示されたプロジェクタでは、光源と照明光学系との間に設けられたシャッタ機構の開閉によって、光変調素子に入射する光量が大きく変動する。この結果、光変調素子の温度が急激に変動して光変調素子に発生する熱応力が急激に増減し、光変調素子の動作や寿命に悪影響が生ずるおそれがある。
また、特許文献2にて開示されたプロジェクタでは、一般に被投射面側(拡大側)ほどレンズ径が大きい投射レンズの前面にシャッタ機構を設けることで、シャッタ機構自体が大型化し、この結果、プロジェクタ全体の大型化を招く。しかも、シャッタ機構を閉じても投射レンズ内に光源からの光が入射するので、投射レンズの温度が上昇し、投射レンズを構成するレンズユニットの屈折率やレンズユニット間の間隔の変化によってピント変動が発生する。
本発明は、シャッタ機構を設けたことによる光変調素子の動作や寿命への影響を少なくし、かつ装置の大型化やピント変動を抑えることができるようにした画像投射装置を提供する。
本発明の一側面としての画像投射装置は、光変調素子と、該光変調素子により変調された光を被投射面に投射する投射レンズと、光源からの光を光変調素子に導き、該光変調素子からの光を投射レンズに導く光学ユニットと、該光学ユニットと投射レンズとの間に配置され、該光学ユニットから該投射レンズへの光の入射を遮断するように閉じることが可能なシャッタ機構とを有することを特徴とする。
本発明によれば、シャッタ機構および装置全体を小型化することができるとともに、シャッタ機構の動作による光変調素子の動作や寿命への影響やピント変動を抑えることができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例である画像投射装置としてのプロジェクタ500の外観を示している。100は投射レンズである。
図2には、プロジェクタ500の筐体内に収容された光学系の構成を示している。プロジェクタ500の筐体内には、光源ランプ209、色分解合成光学ユニット200、照明光学系201および液晶パネル(光変調素子)206R,206G,206Bを内蔵した光学ボックスが収納されている。また、筐体内には、前述した投射レンズ100と、シャッタユニット(シャッタ機構)70も収容されている。
投射レンズ100は、複数のレンズユニット(光学素子)とこれを保持する保持部材とを含み、光学ボックスの光射出用の開口部に取り付けられている。シャッタユニット70は、光学ボックス内の色分解合成光学ユニット200と投射レンズ100との間に配置されている。
液晶パネル206R,206G,206Bには、不図示の液晶駆動回路が接続されている。液晶駆動回路は、不図示の画像供給装置(パーソナルコンピュータ、DVDプレーヤ、テレビチューナ等)からプロジェクタ500に入力された画像情報に応じて液晶パネル206R,206G,206Bに原画を形成させる。該液晶パネル206R,206G,206Bにより変調された光は、投射レンズ100によりスクリーン等の被投射面に投射される。液晶パネル206R,206G,206Bは、反射型液晶パネルである。
照明光学系201は、光源ランプ209からの光を色分解合成光学ユニット200に導く。色分解合成光学ユニット200は、照明光学系201からの光をR,G,Bの3つの色光に分離して液晶パネル206R,206G,206Bに導き、液晶パネル206R,206G,206Bからの3つの色光を合成して投射レンズ100に導く。
シャッタユニット70は、開状態と閉状態に動作して、色分解合成光学ユニット200から投射レンズ100に向かう光の光路を開放および遮断する。なお、シャッタユニット70は、投射レンズ100内に設けられた絞り(図示せず)とは異なる。絞りは、最も開口が小さい状態においてもその開口を完全には閉じることはなく、被投射面に投射される光量を調節するに過ぎない。これに対し、シャッタユニット70は、閉状態において完全に開口を閉じて被投射面への光の投射が行われないようにする。
照明光学系201は、超高圧水銀ランプ等の高輝度放電ランプである光源ランプ209からの光を複数の光束に分割し、各液晶パネル上で重ね合わせる作用を有するフライアイレンズおよびコンデンサレンズを含む。また、照明光学系201は、光源ランプ209からの光を所定の偏光方向を有する偏光光(ここではP偏光光)とするための偏光変換素子を含む。
色分解合成光学ユニット200は、ダイクロイックミラー204と、第1〜第3の偏光ビームスプリッタ205a〜205cと、これらの光学素子を保持する保持部材(図示せず)とを含む。ダイクロイックミラー204は、照明光学系201(つまりは光源ランプ209)からの白色光のうち、青(B)と赤(R)の色光を透過し、緑(G)の色光を反射する。第1および第2の偏光ビームスプリッタ205a,205bは、P偏光光を透過し、S偏光光を反射する。また、第3の偏光ビームスプリッタ205cは、G光を反射してB光を透過するダイクロイックプリズムとしての機能と、R光に対してP偏光光を透過し、S偏光を反射する偏光ビームスプリッタとしての機能とを併せ持つ色合成プリズムである。
ダイクロイックミラー204で反射し、第1の偏光ビームスプリッタ205aを透過したP偏光光としてのG光は、緑用の液晶パネル206Gに入射し、ここで反射および変調されてS偏光光となる。そして、第1の偏光ビームスプリッタ205aで反射されて第3の偏光ビームスプリッタ205cに入射する。
ダイクロイックミラー204を透過したR光は、色選択性位相差板によってその偏光方向が90度回転されてS偏光光となって第2の偏光ビームスプリッタ205bに入射する。第2の偏光ビームスプリッタ205bで反射したR光は、赤用の液晶パネル206Rに入射し、ここで反射および変調されてP偏光光となる。そして、第2の偏光ビームスプリッタ205bを透過して第3の偏光ビームスプリッタ205cに入射する。
ダイクロイックミラー204を透過したB光は、色選択性位相差板を偏光方向が回転されることなく通過し、P偏光光として第2の偏光ビームスプリッタ205bに入射する。第2の偏光ビームスプリッタ205bを透過したB光は、青用の液晶パネル206Bに入射し、ここで反射および変調されてS偏光光となる。そして、第2の偏光ビームスプリッタ205bで反射されて第3の偏光ビームスプリッタ205cに入射する。
第3の偏光ビームスプリッタ205cは、前述したように、G光を反射するとともにB光を透過し、さらにP偏光光として入射したR光を透過することで、これらG光、B光およびR光を合成し、投射レンズ100に導く。R光、G光およびB光によりそれぞれ形成されるR画像、G画像およびB画像が被投射面に重なり合って投射されることで、被投射面上にフルカラー画像が表示される。
なお、投射レンズ100の光軸100aは、第3の偏光ビームスプリッタ205c、すなわち色分解合成光学ユニット200の射出光軸210に対して上方(プロジェクタ500をテーブルの上に設置したときの上方)にシフトしている。これにより、投射レンズ100から被投射面に投射される光のうち下側の一部がテーブルによってけられないようにしている。
次に、図3から図5を用いて、シャッタユニット70の構成について説明する。31は色分解合成光学ユニット200を保持するプリズムベースであり、このプリズムベース31には、投射レンズ100のマウント部(フランジ部)も結合されている。さらに、プリズムベース31には、色分解合成光学ユニット200の光射出面と投射レンズ100の入射面との間に配置されたシャッタユニット70のシャッタベース板75が取り付けられている。シャッタベース板75における色分解合成光学ユニット200側の面には、カバー板76が取り付けられている。シャッタベース板75およびカバー板76には、色分解合成光学ユニット200から投射レンズ100に向かう光(色合成光)が通過する開口75aが形成されている。
73はシャッタ板であり、シャッタベース板75およびカバー板76の間に、開口75aを開閉する方向に移動可能に保持されている。シャッタ板73が開口75aを開く位置にあるときには、開口75aを通して色分解合成光学ユニット200から投射レンズ100に光が入射し、投射レンズ100から被投射面に光(画像)が投射される。シャッタ板73が開口75aを閉じる位置にあるときには、色分解合成光学ユニット200から投射レンズ100への光の入射が遮断され、投射レンズ100から被投射面への光の投射が行われない。
なお、シャッタ板73は、カバー板76側から板バネによってシャッタベース板75側に押しつけられて光軸方向での位置が決められている。プリズムベース31には、開閉方向に移動するシャッタ板73が通過することができる通路74が形成されている。
図4において、81はモータであり、81aは該モータ81の出力軸に固定されたかさ歯車である。80はかさ歯車81aに噛み合って、シャッタベース板75に沿った面内で回動するレバー歯車である。レバー歯車80にはレバー部79が設けられており、該レバー部79の先端に設けられたピン部77が、シャッタ板73に形成された長穴部78に係合している。
図5(a),(b)に示すように、モータ81の回転に伴ってレバー歯車80が回動すると、レバー部79に設けられたピン部77が長穴部78内で移動しながらシャッタ板73が開閉方向に移動する。図2に示したコントローラ501は、ユーザによる遮光スイッチ(図示せず)のON/OFF操作に応答してモータ81を動作させ、シャッタ板73を開閉方向に移動させる。
このように、本実施例では、色分解合成光学ユニット200と投射レンズ100との間に配置したシャッタユニット70の開閉によって画像の表示(投射)と非表示(非投射)とを切り換えられるようにしている。そして、シャッタユニット70を閉じた状態でも、光源ランプ209からの光は色分解合成光学ユニット200により液晶パネル206R,206G,206Bに導かれる。このため、シャッタユニット70の開閉にかかわらず液晶パネル206R,206G,206Bに入射する光量は大きく変化しない。したがって、シャッタユニット70の開閉に伴って液晶パネル206R,206G,206Bの温度や熱応力が急激に変動することがなく、各液晶パネルの動作や寿命に悪影響が生じることがない。
また、シャッタユニット70を閉じた状態では、光源ランプ209からの光は投射レンズ100に入射しない。このため、シャッタユニット70を閉じた状態での投射レンズ100の温度上昇が生じず、該温度上昇に起因するピント変動も生じない。
さらに、投射レンズ100における光入射側のレンズ径は光射出側(拡大側)のレンズ径よりも小さい。このため、シャッタユニット70を色分解合成光学ユニット200と投射レンズ100との間に配置することで、シャッタユニットを光射出側に設ける場合に比べてシャッタユニット70を小型化することができる。このことは、シャッタユニット70を搭載したプロジェクタ500の全体の小型化に寄与する。
なお、シャッタ板73は、閉じた状態において光が当たって発熱してもすぐに放熱できるような金属(例えばアルミ板)によって製作するのが好ましい。
また、シャッタ板73が閉じた状態において、液晶パネル206R,206G,206Bを、シャッタ板73に照射される光量が全白表示時よりも低くなる動作状態に設定するのが好ましい。具体的には、液晶パネル206R,206G,206Bを、全黒表示時や全灰表示時の動作状態に設定するのが好ましい。これにより、液晶パネル206R,206G,206Bに入射する光量を大きく変えることなくシャッタ板73に照射される光量を低減することができ、シャッタ板73の温度上昇を抑えることができる。
実施例1では、ユーザによる遮光スイッチの操作を通じてシャッタユニット70が開閉動作する場合について説明した。しかし、投射レンズが交換可能であるプロジェクタにおいて、プロジェクタが投射レンズの交換が可能な状態となったときに自動的にシャッタユニットが閉じ動作するようにしてもよい。
図6には、交換型の投射レンズ83を備えた本発明の実施例2であるプロジェクタを示している。投射レンズ83には、レンズ回路基板84が設けられている。このレンズ回路基板84には、プロジェクタの本体82に設けられた本体回路基板86と通信する各種データが書き込まれたメモリが搭載されている。レンズ回路基板84と本体回路基板86とは、ハーネス85を介して接続され、該ハーネス85を通じて互いに通信を行う。ハーネス85の両端にはコネクタが取り付けられており、これらコネクタが両回路基板84,86に設けられたコネクタに結合されることで、両回路基板84,86がハーネス85を通じて接続される。
投射レンズ83を交換する際には、まず本体回路基板86からハーネス85のコネクタ(以下、レンズコネクタという)を外し、その後、投射レンズ83を本体82から取り外す。ここで、投射レンズ83が本体82から取り外されると、本体82に形成された投射穴(投射レンズ83が光を投射するための貫通穴87を塞ぐものがなくなり、該貫通穴87を通して第3の偏光ビームスプリッタ205cが露出する。
このため、本実施例では、本体回路基板86に搭載されたコントローラ511は、本体回路基板86からレンズコネクタが外された(プロジェクタが投射レンズの交換が可能な状態となった)ことに応じて、シャッタユニット70を閉じ動作させる。これにより、第3の偏光ビームスプリッタ205cにおいて貫通穴87に面していた射出面を覆うことができる。したがって、投射レンズ83の交換時に、該投射レンズ83や新たに装着される投射レンズ83が第3の偏光ビームスプリッタ205cの射出面に接触したり、該射出面に貫通穴87を通して侵入したゴミが付着したりすることを防止することができる。すなわち、色分解合成光学ユニット200を保護することができる。
なお、プロジェクタが投射レンズの交換が可能な状態となったときとしては、上述したコネクタが取り外されたときに限らず、プロジェクタの電源がOFFされたときや投射レンズの取り外し操作(コネクタの取り外し以外の操作)が行われたときを含む。
図7のフローチャートには、投射レンズの交換時のプロジェクタ(コントローラ511)の動作例を示している。コントローラ511は、コンピュータプログラムに従って本動作を行う。ここでは、光源ランプの点灯中に投射レンズが交換される場合の動作例を示している。
ステップS1においてユーザによって本体回路基板86からレンズコネクタが外されたことを検出したコントローラ511は、ステップS2において、液晶パネルを通常の映像表示時の動作状態から黒表示時の動作状態に設定する。これは、投射レンズ83が取り外された後の貫通穴87から光が射出してもユーザや鑑賞者が眩しさを感じないようにするためである。
次に、ステップS3では、コントローラ511は、図4に示したモータ81を回転させてシャッタユニット70を閉じ動作させる。ユーザは、新たな投射レンズをセットし、その投射レンズから延びるレンズコネクタを本体回路基板86に接続する。
ステップS4で該レンズコネクタの本体回路基板86への接続を検出したコントローラ511は、ステップS5にてモータ81を回転させてシャッタユニット70を開き動作させる。そして、ステップS6では、液晶パネルを黒表示時の動作状態から元の通常映像の表示時の動作状態に切り換える。
プロジェクタにおいては、液晶パネルの駆動電圧を調整する作業が必要となる場合がある。図8には、液晶パネルの駆動電圧を調整するために光センサー88を設けた本発明の実施例3であるプロジェクタの構成を示している。
光センサー88は有効光路外に射出した不要光(漏れ光)を検出する。そして、該不要光に含まれるフリッカー量を参照して液晶パネルの駆動電圧を調整することができる。本実施例においては、第3の偏光ビームスプリッタ205cからの漏れ光を光センサー88で検出し、コントローラ512において液晶パネルの駆動電圧を調整する。また、このとき、コントローラ512は、シャッタユニット70を閉じ動作させる。
図9のフローチャートには、液晶パネルの駆動電圧を調整する際のプロジェクタ(コントローラ512)の動作例を示す。コントローラ512は、コンピュータプログラムに従って本動作を行う。また、本実施例では、プロジェクタの電源がOFFされたことに応じて、液晶パネルの駆動電圧を調整するモードに入る場合について説明する。ただし、電源のOFFとは無関係に、液晶パネルの駆動電圧を調整するモードを設定できるようにしてもよい。
ステップS11においてユーザによりプロジェクタの電源がOFFされたことを検出したコントローラ512は、ステップS12にてシャッタユニット70を閉じ動作させる。
次に、ステップS13において、コントローラ512は、液晶パネルに所定のパターンを有する原画を表示させる。このとき、シャッタユニット70は閉じられているので、該所定パターンの原画に対応した、ユーザや鑑賞者にとって違和感のある画像が被投射面上に表示されることを防止できる。
次に、ステップS14では、コントローラ512は、光センサー88からの出力から得られるフリッカー量を参照して液晶パネルの駆動電圧(Vcom)の調整を行う。そして、調整が完了した後、ステップS15にて光源ランプを消灯し、電源OFFシーケンスを終了する。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、光変調素子として、反射型液晶パネルを用いた場合について説明したが、透過型液晶パネルやデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等の他の光変調素子を用いてもよい。
シャッタ機構を設けたことによる光変調素子の動作や寿命への影響を少なくし、かつ装置の大型化やピント変動を抑えた画像投射装置を提供できる。
70 シャッタユニット
100 投射レンズ
200 色分解合成光学ユニット
206R,206G,206B 液晶パネル
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