JP2006301528A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】光源から取り出す光量を調整でき、照度ムラを改善できるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】プロジェクタは、光源411を有する照明光学系41と、照明光学系41からの光束を変調して光学像を形成する光変調装置を有する光学像形成系と、光学像を拡大投射する投射光学系とを備える。照明光学系41は、光源411からの光束を複数の部分光束に分割する第1レンズアレイ412と、各部分光束を光変調装置の画像形成領域に重畳させる第2レンズアレイ413および重畳レンズ415と、第1および第2レンズアレイ412,413の間に介在配置され、第2レンズアレイ413への入射光量を調節する調光装置45とを備える。調光装置45は、入射光束の透過光量を低減する減光部材451,452と、第1レンズアレイ412の射出光束の光路内外に移動自在に支持し、減光部材451,452の移動量を調整する移動調整部とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】プロジェクタは、光源411を有する照明光学系41と、照明光学系41からの光束を変調して光学像を形成する光変調装置を有する光学像形成系と、光学像を拡大投射する投射光学系とを備える。照明光学系41は、光源411からの光束を複数の部分光束に分割する第1レンズアレイ412と、各部分光束を光変調装置の画像形成領域に重畳させる第2レンズアレイ413および重畳レンズ415と、第1および第2レンズアレイ412,413の間に介在配置され、第2レンズアレイ413への入射光量を調節する調光装置45とを備える。調光装置45は、入射光束の透過光量を低減する減光部材451,452と、第1レンズアレイ412の射出光束の光路内外に移動自在に支持し、減光部材451,452の移動量を調整する移動調整部とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、光源を有する照明光学系と、この照明光学系から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置を有する光学像形成系と、形成された光学像を拡大投射する投射光学系とを備えたプロジェクタに関する。
従来、会議、学会、展示会等でのプレゼンテーションおよびホームシアター等の用途にプロジェクタが多用されている。このようなプロジェクタとして、光源を有する照明光学系と、この照明光学系から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置を有する光学像形成系と、形成された光学像を拡大投射する投射光学系とを備える構成が知られている。また、このような照明光学系として、光源から射出された光束を部分光束に分割する複数のレンズ要素を有する第1レンズアレイと、この第1レンズアレイの複数のレンズ要素に応じた複数のレンズ要素を有する第2レンズアレイと、当該第2レンズアレイとともに、分割された各部分光束を光変調装置の画像形成領域に重畳させる重畳レンズとを備える構成が知られている。
このような第1レンズアレイ、第2レンズアレイおよび重畳レンズは、光源から射出された光束の面内照度を均一化して、当該均一化した光束を光変調装置の画像形成領域に重畳するものである。ここで、プロジェクタの光源として、放電光源ランプと、当該放電光源ランプから射出された光束を集光して射出するリフレクタとを備えた光源装置が用いられている場合には、当該光源装置から射出された光束は、光軸近傍の照明強度が高く、外縁に向かうほど照明強度が低くなる傾向にある。このような光束を光変調装置の画像形成領域に照射すると、画像形成領域の中心部分の照度が、その周辺に比べて高くなり、ひいては、画像面内において形成した光学像に照度ムラが発生してしまう。このため、照明光学系に第1レンズアレイ、第2レンズアレイおよび重畳レンズを採用し、これら第1レンズアレイ、第2レンズアレイおよび重畳レンズに光束を透過させることにより、照明領域の面内照度を均一化した光束を得ることができ、当該光束を光変調装置の画像形成領域に照射することにより、照度ムラが抑制された光学像を形成することができる。
ところで、プロジェクタにおいては、投射画像のコントラスト向上等のために、光源から射出され、光変調装置に入射する光束の光量を調整する場合がある。しかしながら、光源として高圧水銀ランプ等の放電光源が用いられている場合には、単に光源の発光光量を低減させようとしても、100%の発光光量を70%程度にしか低減させることができず、光量の十分な低減を図れないという問題があった。
このような問題に対して、光源から射出された光束を部分的に遮蔽する遮光手段を備えたプロジェクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような問題に対して、光源から射出された光束を部分的に遮蔽する遮光手段を備えたプロジェクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のプロジェクタは、光源と、光源の発光光量を調節する光源駆動手段と、光源から取り出す光束の光量を調整する遮光手段(光学絞り)とを有する照明装置を備えている。このうち、遮光手段は、光源からの光束を部分的に遮蔽して当該遮光手段の後段に位置する光変調装置に照射する光束の光量を低減させる機能を有している。これにより、光源ランプから取り出す光束の光量を広範囲に亘って調整することができる。
しかしながら、特許文献1に記載された遮光手段により、光源装置から射出され第1レンズアレイを介して第2レンズアレイに入射する光束を減光した場合、照明領域の面内照度が均一な光束で光変調装置の画像形成領域を適切に照明することが難しくなる。このため、減光しない場合に比べ、投射画像の面内照度比が悪化するという問題がある。
詳述すると、遮光部材を光源装置からの光束の光路内外に移動させて、当該光路を部分的に遮蔽する光学絞りでは、第2レンズアレイに入射する光束を遮光部材が遮光する割合を高めるにつれて、光軸の中心近傍の光束しか第2レンズアレイに入射しなくなる。このため、第2レンズアレイを構成する複数のレンズ要素のうち、外縁近傍のレンズ要素には光束が入射しないこととなり、第2レンズアレイを通過する部分光束の数が少なくなる。
詳述すると、遮光部材を光源装置からの光束の光路内外に移動させて、当該光路を部分的に遮蔽する光学絞りでは、第2レンズアレイに入射する光束を遮光部材が遮光する割合を高めるにつれて、光軸の中心近傍の光束しか第2レンズアレイに入射しなくなる。このため、第2レンズアレイを構成する複数のレンズ要素のうち、外縁近傍のレンズ要素には光束が入射しないこととなり、第2レンズアレイを通過する部分光束の数が少なくなる。
ここで、第1レンズアレイの各レンズ要素から射出された部分光束は、それぞれで照度の違いがあるが、当該部分光束は、第2レンズアレイと重畳レンズとによって、後段に配置された光変調装置の画像形成領域に重畳されることにより、照明領域を均一な照度で照明する照明光束となる。しかしながら、第2レンズアレイに入射する部分光束の数が少ないと、減光しない場合に比べて、光変調装置に重畳される部分光束の数が少なくなり、当該光変調装置の画像形成領域に照射される光束の面内照度比を均一化することができなくなる。さらに、第2レンズアレイのあるレンズ要素が部分的に遮光部材によって覆われると、当該レンズ要素に入射する光束の照度分布が大きく崩れてしまう。このため、画像形成に用いられる照明光束の面内照度比が一層悪化して、ひいては、投射画像の照度ムラが発生するという問題がある。従って、このような光束を用いて画像の形成を行うと、色ムラ等の画像劣化を引き起こすという問題がある。
本発明の目的は、光源から取り出す光量を調整した場合でも、照度ムラを改善できるプロジェクタを提供することである。
前記した目的を達成するために、本発明のプロジェクタは、光源を有する照明光学系と、この照明光学系から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置を有する光学像形成系と、形成された光学像を拡大投射する投射光学系とを備えたプロジェクタであって、前記照明光学系は、前記光源から射出された光束を複数の部分光束に分割する複数のレンズ要素を有する第1レンズアレイと、この第1レンズアレイの前記複数のレンズ要素に応じた複数のレンズ要素を有する第2レンズアレイと、前記第2レンズアレイとともに前記複数の部分光束を前記光変調装置の画像形成領域に重畳させる重畳レンズと、前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとの間に介在配置され、前記第1レンズアレイから射出され第2レンズアレイに入射する光束の光量を調節する調光装置とを備え、前記調光装置は、所定の光透過率を有し、入射する光束の透過光量を低減する減光部材と、前記減光部材を前記第1レンズアレイの射出光束の光路内外に移動自在に支持し、前記減光部材の移動量を調整する移動調整部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクタには、入射光束の透過光量を低減する減光部材と、当該減光部材を支持し、第1レンズアレイから射出され第2レンズアレイに入射する光束の光路の内外に、移動量を調整しつつ減光部材を移動させる移動調整部とを有する調光装置を備えている。
これによれば、調光装置の移動調整部が、第1レンズアレイからの射出光束の光路への減光部材の移動量を調整することにより、第2レンズアレイへの入射光束の光量を調整することができる。従って、光変調装置の画像形成領域に入射する光束の光量を調整することができ、形成画像の光量を調整することができる。
これによれば、調光装置の移動調整部が、第1レンズアレイからの射出光束の光路への減光部材の移動量を調整することにより、第2レンズアレイへの入射光束の光量を調整することができる。従って、光変調装置の画像形成領域に入射する光束の光量を調整することができ、形成画像の光量を調整することができる。
また、減光部材は、入射光束を完全に遮光するのではなく、所定の光透過率で入射光束を透過する。これによれば、第1レンズアレイから射出され第2レンズアレイに入射する光束の光路内に減光部材を移動させた場合でも、減光部材に入射する部分光束は、当該減光部材によって完全には遮光されずに所定の光透過率で透過するので、透過した部分光束を第2レンズアレイに入射させることができる。従って、入射光束を遮光する遮光部材を設けた場合に比べ、第2レンズアレイと重畳レンズとによって光変調装置の画像形成領域に重畳される部分光束の数を増加させることができる。これにより、光変調装置の画像形成領域を照明する照明光束の面内照度比を均一化することができるので、形成される画像の照度ムラを抑制することができる。
本発明では、前記減光部材の光透過率は、略5〜30%とされていることが好ましい。
本発明によれば、光変調装置により形成される光学像のコントラストを向上することができる。
すなわち、光変調装置で形成される光学像のコントラストを向上させたい場合には、減光部材の光透過率をできるだけ抑え、第2レンズアレイに入射する光束の光量を抑える必要がある。
しかしながら、減光部材の光透過率が5%未満である場合、すなわち、減光部材が入射光束のほとんどを遮光してしまう場合には、減光された部分光束と、減光されていない部分光束との照度差が大きく、このような照度差が大きな部分光束を重畳させても、光変調装置の画像形成領域に入射する照明光束の面内照度比を均一化することができない。従って、形成される光学像の照度ムラが発生してしまう。このような理由から、形成画像の照度比を均一化する場合には、減光部材の光透過率は5%以上が必要となる。
本発明によれば、光変調装置により形成される光学像のコントラストを向上することができる。
すなわち、光変調装置で形成される光学像のコントラストを向上させたい場合には、減光部材の光透過率をできるだけ抑え、第2レンズアレイに入射する光束の光量を抑える必要がある。
しかしながら、減光部材の光透過率が5%未満である場合、すなわち、減光部材が入射光束のほとんどを遮光してしまう場合には、減光された部分光束と、減光されていない部分光束との照度差が大きく、このような照度差が大きな部分光束を重畳させても、光変調装置の画像形成領域に入射する照明光束の面内照度比を均一化することができない。従って、形成される光学像の照度ムラが発生してしまう。このような理由から、形成画像の照度比を均一化する場合には、減光部材の光透過率は5%以上が必要となる。
一方、透過率が30%より大きい場合は、第2レンズアレイに入射する光束の光量が多くなってしまうため、調光装置による減光効果が必ずしも得られず、コントラストの向上においても市場の要求を満たせない。
このため、光透過率を略5〜30%とした減光部材を用いることにより、第2レンズアレイに入射する光束の減光を行い、調光装置を用いない場合に比べ、コントラストを3〜5倍に高め、形成画像のコントラストを向上することができるとともに、画像の照度ムラを抑制することができる。
このため、光透過率を略5〜30%とした減光部材を用いることにより、第2レンズアレイに入射する光束の減光を行い、調光装置を用いない場合に比べ、コントラストを3〜5倍に高め、形成画像のコントラストを向上することができるとともに、画像の照度ムラを抑制することができる。
本発明では、前記減光部材は、それぞれ光透過率が異なる領域が複数形成されていることが好ましい。
本発明によれば、減光部材に光透過率の異なる領域を複数形成することにより、入射光束の照度比を均一化できる減光部材を形成することができる。
例えば、減光部材により、第2レンズアレイに入射する光束の光路を塞いだ際に、光路を塞ぐ前に比べて照明領域内の照度が偏ることがある。ここで、減光部材により第2レンズアレイに入射する光束の光路を塞いだ際に、照明領域内の照度が偏る原因は色々と考えられるが、この照度の偏りは、プロジェクタ内の他の光学素子の特性に合わせて減光部材の光透過率を領域によって異ならせることで改善される。このような光透過率が異なる領域が複数形成された減光部材を採用することにより、当該減光部材を第2レンズアレイに入射する光束の光路に介装した場合と、介装していない場合との照度分布差を小さくすることができる。従って、それぞれの場合の照度ムラの差をより小さくすることができる。
本発明によれば、減光部材に光透過率の異なる領域を複数形成することにより、入射光束の照度比を均一化できる減光部材を形成することができる。
例えば、減光部材により、第2レンズアレイに入射する光束の光路を塞いだ際に、光路を塞ぐ前に比べて照明領域内の照度が偏ることがある。ここで、減光部材により第2レンズアレイに入射する光束の光路を塞いだ際に、照明領域内の照度が偏る原因は色々と考えられるが、この照度の偏りは、プロジェクタ内の他の光学素子の特性に合わせて減光部材の光透過率を領域によって異ならせることで改善される。このような光透過率が異なる領域が複数形成された減光部材を採用することにより、当該減光部材を第2レンズアレイに入射する光束の光路に介装した場合と、介装していない場合との照度分布差を小さくすることができる。従って、それぞれの場合の照度ムラの差をより小さくすることができる。
本発明では、前記減光部材は、前記第1レンズアレイから射出された光束の光路を塞いだ際に、当該第1レンズアレイの光束射出面に沿って配置され、前記減光部材は、当該減光部材が前記第1レンズアレイの光束射出面に沿って配置された際に前記第1レンズアレイの各レンズ要素の中央部に対応する位置に形成された第1減光領域と、当該第1減光領域以外の領域である第2減光領域とを有し、前記第1減光領域の光透過率は、前記第2減光領域の光透過率より低いことが好ましい。
本発明によれば、光変調装置で形成される光学像の照度ムラをより一層抑制することができるとともに、コントラストを向上することができる。
本発明によれば、光変調装置で形成される光学像の照度ムラをより一層抑制することができるとともに、コントラストを向上することができる。
ここで、光変調装置として液晶パネルが採用されている場合、照明領域内の照度分布が均一であったとしても、一般的に液晶パネルの特性等の影響により、当該液晶パネルで形成される光学像の面内照度は、中央部が明るく、その周辺が中央部に比べて若干暗くなっている。また、液晶パネルで形成される光学像の面内照度は、光学像が全面白表示の時よりも全面黒表示の時の方が、光学像の中央部と、その周辺との照度差が大きくなる傾向にある。
これに対し、本発明に減光部材を採用した場合では、例えば、液晶パネルで形成する光学像が暗い画像である場合、減光部材が第1レンズアレイから射出された光束の光路を塞ぐと、当該第1レンズアレイの各レンズ要素の中央部から射出される光が、当該中央部以外から射出される光よりも透過されにくくなるので、前述のような光学像が全面黒表示となるほど光学像の中央部とその周辺との照度差が大きくなるという照度ムラの発生を抑制することが可能となる。
従って、本発明の減光部材を採用することにより、照度比の均一化を図ることができるとともに、光変調装置の画像形成領域に入射する光束の光量を低減することができるので、当該光変調装置で形成される光学像のコントラストを一層向上することができる。
これに対し、本発明に減光部材を採用した場合では、例えば、液晶パネルで形成する光学像が暗い画像である場合、減光部材が第1レンズアレイから射出された光束の光路を塞ぐと、当該第1レンズアレイの各レンズ要素の中央部から射出される光が、当該中央部以外から射出される光よりも透過されにくくなるので、前述のような光学像が全面黒表示となるほど光学像の中央部とその周辺との照度差が大きくなるという照度ムラの発生を抑制することが可能となる。
従って、本発明の減光部材を採用することにより、照度比の均一化を図ることができるとともに、光変調装置の画像形成領域に入射する光束の光量を低減することができるので、当該光変調装置で形成される光学像のコントラストを一層向上することができる。
本発明では、前記減光部材は、前記第1レンズアレイからの射出光束が入射する光束入射面、および、当該減光部材に入射した光束を前記第2レンズアレイに射出する光束射出面を備え、前記光束入射面および前記光束射出面のうち少なくとも一方には、所定の波長領域の光束の透過を規制するフィルタ部材が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、形成画像の光量を落とすことができると共に、当該形成画像の色バランスを補正することができる。
例えば、光変調装置として液晶パネルと偏光板とが用いられている場合には、液晶パネルと偏光板との特性が入射光束の波長領域ごとに異なるため、明るい画像を表示した場合と暗い画像を表示した場合とで、色バランスが異なる場合がある。このような場合に、減光部材の光束入射面または光束射出面に、暗い画像投射時の色バランスを明るい画像投射時の色バランスに補正するフィルタ部材を設けることにより、減光部材により第2レンズアレイに入射する光束の光路を閉塞した場合に、明るい画像投射時と暗い画像投射時との色バランスの差を低減することができる。従って、第2レンズアレイへの入射光束の減光時に、色バランスの補正を行うことができる。
本発明によれば、形成画像の光量を落とすことができると共に、当該形成画像の色バランスを補正することができる。
例えば、光変調装置として液晶パネルと偏光板とが用いられている場合には、液晶パネルと偏光板との特性が入射光束の波長領域ごとに異なるため、明るい画像を表示した場合と暗い画像を表示した場合とで、色バランスが異なる場合がある。このような場合に、減光部材の光束入射面または光束射出面に、暗い画像投射時の色バランスを明るい画像投射時の色バランスに補正するフィルタ部材を設けることにより、減光部材により第2レンズアレイに入射する光束の光路を閉塞した場合に、明るい画像投射時と暗い画像投射時との色バランスの差を低減することができる。従って、第2レンズアレイへの入射光束の減光時に、色バランスの補正を行うことができる。
本発明では、前記調光装置は、前記減光部材を複数備え、前記複数の減光部材のうち少なくとも2つは、前記移動調整部により前記第1レンズアレイから射出され前記第2レンズアレイに入射する光束の光路を塞ぐように移動すると、互いに重なることが好ましい。
本発明によれば、複数の減光部材が第2レンズアレイに入射する光束の光路を閉塞した場合に、当該複数の減光部材のうち、少なくとも2つが重なるようにすることにより、当該重なった部分の光透過率を低減することができる。これによれば、減光部材が重なって光透過率が低下した領域に、照度分布が均一に近い光束を入射させ、減光部材が重ならず光透過率が高い領域に、照度分布が均一でない光束を入射させることにより、前述のように、光変調装置の画像形成領域に入射する光束の照度分布を均一化することができる。従って、より照度ムラを抑制した光学像を形成、投射することができる。
本発明によれば、複数の減光部材が第2レンズアレイに入射する光束の光路を閉塞した場合に、当該複数の減光部材のうち、少なくとも2つが重なるようにすることにより、当該重なった部分の光透過率を低減することができる。これによれば、減光部材が重なって光透過率が低下した領域に、照度分布が均一に近い光束を入射させ、減光部材が重ならず光透過率が高い領域に、照度分布が均一でない光束を入射させることにより、前述のように、光変調装置の画像形成領域に入射する光束の照度分布を均一化することができる。従って、より照度ムラを抑制した光学像を形成、投射することができる。
また、第1レンズアレイから射出された光束は、前述のように、光軸近傍の照明強度が高く、光軸から外縁に向かうに従って照明強度が低下する傾向にある。ここで、1つの減光部材で第1レンズアレイから射出された光束の減光を行う場合、減光部材が当該光束の光路内に移動するに従って、減光部材が配置された側の外縁、光軸近傍、そして、減光部材が配置された側とは反対側の外縁の順に光路が塞がれるため、光軸近傍に減光部材が位置した際に、急激に減光率が高まってしまい、変動の少ない減光を行うことが難しい。
これに対し、遮光装置が複数の減光部材を備えている場合、強度の低い外縁付近の光束から減光することができるので、減光率の変動を抑えることができる。従って、減光率の細かな設定を行うことができる。
これに対し、遮光装置が複数の減光部材を備えている場合、強度の低い外縁付近の光束から減光することができるので、減光率の変動を抑えることができる。従って、減光率の細かな設定を行うことができる。
本発明では、前記少なくとも2つの減光部材が重なる位置は、前記第2レンズアレイの略中央であることが好ましい。
本発明によれば、第2レンズアレイに入射する光束のうち、光軸近郷の光束は、少なくとも2つの減光部材が重なった領域を透過することとなり、当該光軸近傍の光束の光透過率は低減する。これによれば、光軸近傍の照明強度の高い光束の透過率を一層低減することができるので、第2レンズアレイに入射する光束の光量を一層低減することができる。従って、第2レンズアレイに入射する光束を減光する場合と、減光しない場合との光量の差を大きくすることができ、当該第2レンズアレイの光路後段に配置される光変調装置の画像形成領域に入射する光束の光量を低減できるので、形成される光学像のコントラストを一層向上することができる。
本発明によれば、第2レンズアレイに入射する光束のうち、光軸近郷の光束は、少なくとも2つの減光部材が重なった領域を透過することとなり、当該光軸近傍の光束の光透過率は低減する。これによれば、光軸近傍の照明強度の高い光束の透過率を一層低減することができるので、第2レンズアレイに入射する光束の光量を一層低減することができる。従って、第2レンズアレイに入射する光束を減光する場合と、減光しない場合との光量の差を大きくすることができ、当該第2レンズアレイの光路後段に配置される光変調装置の画像形成領域に入射する光束の光量を低減できるので、形成される光学像のコントラストを一層向上することができる。
〔1.第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)プロジェクタ1の全体構成
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン等に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、外装ケース2と、投射レンズ3と、光学ユニット4と、制御基板(図示省略)と、電源ユニット5とを備えている。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)プロジェクタ1の全体構成
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン等に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、外装ケース2と、投射レンズ3と、光学ユニット4と、制御基板(図示省略)と、電源ユニット5とを備えている。
外装ケース2は、合成樹脂等により全体略直方体状に形成され、投射レンズ3、光学ユニット4、制御基板および電源ユニット5等を内部に収納配置する。この外装ケース2は、詳しい図示を省略するが、プロジェクタ1の天面、前面、背面、および側面をそれぞれ構成するアッパーケースと、プロジェクタ1の底面、前面、側面、および背面をそれぞれ構成するロアーケースとで構成され、これらアッパーケースおよびロアーケースは互いにねじ等で固定されている。また、アッパーケースの上面には、プロジェクタ1の操作を行うための各種ボタンが配設された操作パネル(図示省略)が設けられており、当該操作パネルは後述する制御基板に電気的に接続されている。
なお、外装ケース2は、合成樹脂製に限らず、その他の材料により形成してもよく、例えば、マグネシウム等の金属により構成してもよい。
なお、外装ケース2は、合成樹脂製に限らず、その他の材料により形成してもよく、例えば、マグネシウム等の金属により構成してもよい。
(2)光学ユニット4の構成
光学ユニット4は、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に応じた光学像(カラー画像)を形成し、投射レンズ3を介して、図示しないスクリーン等に拡大投射するユニットである。この光学ユニット4は、外装ケース2の背面に沿って延出するとともに、外装ケース2の側面に沿って延出する平面視略L字形状に構成されている。
このうち、投射レンズ3は、本発明の投射光学系に相当し、詳しい図示を省略するが、鏡筒内部に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。そして、この投射レンズ3は、後述する電気光学装置44で形成されたカラー画像を拡大投射する。
光学ユニット4は、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に応じた光学像(カラー画像)を形成し、投射レンズ3を介して、図示しないスクリーン等に拡大投射するユニットである。この光学ユニット4は、外装ケース2の背面に沿って延出するとともに、外装ケース2の側面に沿って延出する平面視略L字形状に構成されている。
このうち、投射レンズ3は、本発明の投射光学系に相当し、詳しい図示を省略するが、鏡筒内部に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。そして、この投射レンズ3は、後述する電気光学装置44で形成されたカラー画像を拡大投射する。
光学ユニット4は、図1に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、電気光学装置44と、これら光学部品41〜44を収納する光学部品用筐体46とを備えている。光学部品41〜44は、照明光束の中心軸である照明光軸Aが設定された光学部品用筐体46内に位置決め調整されている。
光学部品用筐体46は、詳しい図示を省略するが、上方が開口し、箱状に形成された部品収納部材と、この部品収納部材の開口を覆う蓋状部材から構成されている。このうち、部品収納部材には、多数の溝部が形成され、これらの溝に、後述する光学部品412〜414,421〜423,431〜434を嵌め込むことによって、それぞれの光学部品が部品収納部材に収納される。
光学部品用筐体46は、詳しい図示を省略するが、上方が開口し、箱状に形成された部品収納部材と、この部品収納部材の開口を覆う蓋状部材から構成されている。このうち、部品収納部材には、多数の溝部が形成され、これらの溝に、後述する光学部品412〜414,421〜423,431〜434を嵌め込むことによって、それぞれの光学部品が部品収納部材に収納される。
インテグレータ照明光学系41は、電気光学装置44の後述する液晶パネル441の画像形成領域を略均一に照明するための照明光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415と、減光装置45とを備えている。
このうち、光源装置411は、放射状の光線を射出する放電光源である光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射するリフレクタ417と、当該リフレクタ417から射出された光束を平行化する平行化レンズ418とを備えている。
なお、光源ランプ416は、本実施形態では、高圧水銀ランプを採用しているが、これに限らず、ハロゲンランプおよびメタルハライドランプ等を採用することができる。また、リフレクタ417は、本実施形態では、楕円面鏡を採用しているが、放物面鏡を採用する構成としてもよい。この場合、平行化レンズ418を省略することができる。
このうち、光源装置411は、放射状の光線を射出する放電光源である光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射するリフレクタ417と、当該リフレクタ417から射出された光束を平行化する平行化レンズ418とを備えている。
なお、光源ランプ416は、本実施形態では、高圧水銀ランプを採用しているが、これに限らず、ハロゲンランプおよびメタルハライドランプ等を採用することができる。また、リフレクタ417は、本実施形態では、楕円面鏡を採用しているが、放物面鏡を採用する構成としてもよい。この場合、平行化レンズ418を省略することができる。
第1レンズアレイ412は、照明光軸Aに沿った方向から見て略矩形状の輪郭を有するレンズ要素である小レンズがマトリクス状に複数配列された構成とされている。これら複数の小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割する。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412から射出された各部分光束を、重畳レンズ415とともに、電気光学装置44の後述する液晶パネル441上に重畳させる機能を有している。この第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ413と略同様な構成を有しており、第1レンズアレイ412の各小レンズに応じた複数の小レンズが、マトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413の各レンズ要素には、光源装置411から射出された光束が、第1レンズアレイ412で分割された部分光束によって光源像が形成される。これら光源像は、第2レンズアレイ413の各小レンズの位置に対応して形成される。
なお、減光装置45は、これら第1レンズアレイ412と第2レンズアレイ413との間に配置されるが、詳しい構成等は後に詳述する。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412から射出された各部分光束を、重畳レンズ415とともに、電気光学装置44の後述する液晶パネル441上に重畳させる機能を有している。この第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ413と略同様な構成を有しており、第1レンズアレイ412の各小レンズに応じた複数の小レンズが、マトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413の各レンズ要素には、光源装置411から射出された光束が、第1レンズアレイ412で分割された部分光束によって光源像が形成される。これら光源像は、第2レンズアレイ413の各小レンズの位置に対応して形成される。
なお、減光装置45は、これら第1レンズアレイ412と第2レンズアレイ413との間に配置されるが、詳しい構成等は後に詳述する。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413から射出された光束を、略1種類の直線偏光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の直線偏光に変換された各部分光束は、重畳レンズ415によって、電気光学装置44の後述する液晶パネル441の画像形成領域(光変調面)上にほぼ重畳される。ここで、直線偏光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の直線偏光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411から射出される光の略半分を利用できない。このため、本実施形態では、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の直線偏光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子414は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の直線偏光に変換された各部分光束は、重畳レンズ415によって、電気光学装置44の後述する液晶パネル441の画像形成領域(光変調面)上にほぼ重畳される。ここで、直線偏光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の直線偏光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411から射出される光の略半分を利用できない。このため、本実施形態では、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の直線偏光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子414は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備えて構成され、当該ダイクロイックミラー421,422によって、インテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を、赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および、反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された青色光を電気光学装置44の後述する青色光側の液晶パネル441(441B)まで導く機能を有している。
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および、反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された青色光を電気光学装置44の後述する青色光側の液晶パネル441(441B)まで導く機能を有している。
ここで、色分離光学系42のダイクロイックミラー421は、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、赤色光成分を反射するとともに、青色光成分と緑色光成分とを透過させる。ダイクロイックミラー421で反射した赤色光は、反射ミラー423で反射した後、フィールドレンズ419を通って、電気光学装置44の後述する赤色光側の液晶パネル441(441R)に達する。このフィールドレンズ419は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束を、それぞれの主光線に対して平行な光束に変換する。この他の緑色光用および青色光用の液晶パネル441(441G,441B)の光束入射側に設けられたフィールドレンズ419も、同様の構成および機能である。
ダイクロイックミラー421を透過した青色光成分と緑色光成分のうち、緑色光成分は、ダイクロイックミラー422で反射した後、フィールドレンズ419を通って、電気光学装置44の後述する緑色光側の液晶パネル441(441G)に達する。
一方、青色光成分は、ダイクロイックミラー422を透過した後、前述のリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ419を通って電気光学装置44の後述する青色光側の液晶パネル441(441B)に達する。
一方、青色光成分は、ダイクロイックミラー422を透過した後、前述のリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ419を通って電気光学装置44の後述する青色光側の液晶パネル441(441B)に達する。
ここで、青色光成分にリレー光学系43が用いられているのは、青色光成分の光路の長さが、他の色光成分の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ419に伝えるためである。
なお、本実施形態においては青色光成分の光路の長さが長いので、青色光成分の光路上にリレー光学系43は配置した構成としたが、赤色光成分の光路の長さを長くする構成も考えられる。このような場合は、赤色光成分の光路上にリレー光学系43を配置するようにすればよい。
なお、本実施形態においては青色光成分の光路の長さが長いので、青色光成分の光路上にリレー光学系43は配置した構成としたが、赤色光成分の光路の長さを長くする構成も考えられる。このような場合は、赤色光成分の光路上にリレー光学系43を配置するようにすればよい。
電気光学装置44は、本発明の光学像形成系に相当し、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成する。この電気光学装置44は、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、この入射側偏光板442の後段に配置される液晶パネル441(441R,441G,441B)および射出側偏光板443と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム444とを備える。
液晶パネル441(441R,441G,441B)は、本発明の光変調装置に相当する。これら各液晶パネル441は、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、対向配置される2つの透光性基板と、これら透光性基板により密閉封入される液晶材料から構成される液晶層とを備えて構成されている。そして、各液晶パネル441R,441G,441Bは、入射側偏光板442を介して入射する光束を画像情報に応じて変調して射出する。
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の直線偏光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が設けられたものである。
また、射出側偏光板443も、入射側偏光板442と同様に構成され、液晶パネル441R,441G,441Bから射出された光束のうち、所定方向の直線偏光のみを透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透過させる直線偏光の偏光軸は、入射側偏光板442における透過させる直線偏光の偏光軸に対して直交するように設定されている。
また、射出側偏光板443も、入射側偏光板442と同様に構成され、液晶パネル441R,441G,441Bから射出された光束のうち、所定方向の直線偏光のみを透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透過させる直線偏光の偏光軸は、入射側偏光板442における透過させる直線偏光の偏光軸に対して直交するように設定されている。
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出され、色光毎に変調された光学像を合成して、カラー画像を形成するものである。このクロスダイクロイックプリズム444には、3つの光束入射面と、1つの光束射出面が形成されており、赤色光を反射する誘電体多層膜と、青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられている。このため、液晶パネル441Rを透過して赤色光用の光束入射面に入射した赤色光は、赤色光を反射する誘電体多層膜により光束射出面に向けて反射し、液晶パネル441Bを透過して青色光用の光束入射面に入射した青色光は、青色光を反射する誘電体多層膜により光束射出面に向けて反射する。ここで、液晶パネル441Gを透過して緑色光用の光束入射面に入射した緑色光は、これら誘電体多層膜で反射しないので、X字状の誘電体多層膜を透過して光束射出面に到達する。この過程で、3つの色光が合成され、当該合成された光束は、光束射出面から光学像として射出される。
(3)制御基板および電源ユニット5の構成
制御基板は、プロジェクタ1の装置全体を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)等を備えた回路基板として構成されている。この制御基板は、プロジェクタ1に接続された機器から入力する画像情報を処理して、電気光学装置44の液晶パネル441の駆動制御を行うほか、電源ユニット5による光源ランプ416の輝度制御および減光装置45の駆動制御等を行う。
電源ユニット5は、外部電源から入力する交流電流を直流電流に変換し、当該直流電流を、装置本体を構成する電子部品に応じた所定の電圧に変換して当該電子部品に供給する。また、この電源ユニット5は、当該直流電流から交流矩形波電流を生成して、前述の光源装置411を構成する光源ランプ416に供給する。なお、電源ユニット5は、制御基板と電気的に接続されており、光源ランプ416への駆動電力の供給制御、および、これに伴う光源ランプ416の点灯制御は、制御基板によって行われる。
制御基板は、プロジェクタ1の装置全体を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)等を備えた回路基板として構成されている。この制御基板は、プロジェクタ1に接続された機器から入力する画像情報を処理して、電気光学装置44の液晶パネル441の駆動制御を行うほか、電源ユニット5による光源ランプ416の輝度制御および減光装置45の駆動制御等を行う。
電源ユニット5は、外部電源から入力する交流電流を直流電流に変換し、当該直流電流を、装置本体を構成する電子部品に応じた所定の電圧に変換して当該電子部品に供給する。また、この電源ユニット5は、当該直流電流から交流矩形波電流を生成して、前述の光源装置411を構成する光源ランプ416に供給する。なお、電源ユニット5は、制御基板と電気的に接続されており、光源ランプ416への駆動電力の供給制御、および、これに伴う光源ランプ416の点灯制御は、制御基板によって行われる。
(4)減光装置45の構成
図2は、インテグレータ照明光学系41を上方から見た場合の配置図である。
インテグレータ照明光学系41は、前述のように、減光装置45を備えている。この減光装置45は、本発明の調光装置に相当し、第1レンズアレイ412と第2レンズアレイ413との間に配置され、第1レンズアレイ412から射出され第2レンズアレイ413に入射する光束を減光するものである。
図2は、インテグレータ照明光学系41を上方から見た場合の配置図である。
インテグレータ照明光学系41は、前述のように、減光装置45を備えている。この減光装置45は、本発明の調光装置に相当し、第1レンズアレイ412と第2レンズアレイ413との間に配置され、第1レンズアレイ412から射出され第2レンズアレイ413に入射する光束を減光するものである。
この減光装置45は、図2に示すように、入射光束の透過を低減する一対の減光板451,452と、当該減光板451,452を図2におけるS1方向およびS2方向に回動自在に支持し、当該回動量を調整可能な移動調整部(図示省略)とを備えて構成されている。
このうち、移動調整部は、減光板451,452を保持するフレーム、および、当該フレームに接続され、減光板451,452を回動させるステッピングモータ等を備えて構成されている。
なお、以下の説明で、減光板451,452の全開時とは、第1レンズアレイ412から射出され第2レンズアレイ413に入射する光束の光路上に、当該減光板451,452が位置していない場合、すなわち、減光板451,452による第2レンズアレイ413に入射する光束の減光を行わない場合を示している。また、減光板451,452の全閉時とは、当該第2レンズアレイ413に入射する光束の光路を当該減光板451,452が完全に閉塞する場合を示している。
このうち、移動調整部は、減光板451,452を保持するフレーム、および、当該フレームに接続され、減光板451,452を回動させるステッピングモータ等を備えて構成されている。
なお、以下の説明で、減光板451,452の全開時とは、第1レンズアレイ412から射出され第2レンズアレイ413に入射する光束の光路上に、当該減光板451,452が位置していない場合、すなわち、減光板451,452による第2レンズアレイ413に入射する光束の減光を行わない場合を示している。また、減光板451,452の全閉時とは、当該第2レンズアレイ413に入射する光束の光路を当該減光板451,452が完全に閉塞する場合を示している。
図3は、減光板451,452による第2レンズアレイ413に入射する光束の光路を閉塞する過程を照明光軸Aに沿った方向から見た図である。詳述すると、図3(A)は、第2レンズアレイ413に入射する光束の光路を閉塞しない場合を示し、図3(B)は、当該光路を一部閉塞する場合を示し、図3(C)は、当該光路を完全に閉塞する場合を示している。
減光板451,452は、本発明の減光部材に相当し、図2および図3に示すように、照明光軸Aを中心に略対称位置に配置されている。
この減光板451,452は、平面視略矩形の板状体に入射光束を減光して透過する減光膜が形成されて構成されている。また、この減光板451,452は、照明光軸Aに対して略直交する方向に設定された回動軸4511,4521と、第1レンズアレイ412から射出された光束が入射する光束入射領域4512,4522とを備えている。この光束入射領域4512,4522に減光膜が形成されている。
このような板状体の減光板451,452の基板材料としては、白板、青板、BK7およびB270等の光学ガラス、並びに石英等の光学的異方性を有しないものが挙げられ、特に、屈折率の低いものが望まれる。また、減光板451,452の光束入射領域4512,4511に形成される減光膜は、酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、5酸化2タンタル(Ta2O5)、5酸化2ニオブ(Nb2O5)等の他、クロム、インコーネル、アルミ等の金属から適宜選択して形成することができる。
減光板451,452は、本発明の減光部材に相当し、図2および図3に示すように、照明光軸Aを中心に略対称位置に配置されている。
この減光板451,452は、平面視略矩形の板状体に入射光束を減光して透過する減光膜が形成されて構成されている。また、この減光板451,452は、照明光軸Aに対して略直交する方向に設定された回動軸4511,4521と、第1レンズアレイ412から射出された光束が入射する光束入射領域4512,4522とを備えている。この光束入射領域4512,4522に減光膜が形成されている。
このような板状体の減光板451,452の基板材料としては、白板、青板、BK7およびB270等の光学ガラス、並びに石英等の光学的異方性を有しないものが挙げられ、特に、屈折率の低いものが望まれる。また、減光板451,452の光束入射領域4512,4511に形成される減光膜は、酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、5酸化2タンタル(Ta2O5)、5酸化2ニオブ(Nb2O5)等の他、クロム、インコーネル、アルミ等の金属から適宜選択して形成することができる。
ここで、減光板451,452の光透過率は、5〜30%とされている。これにより、第2レンズアレイ413に入射する光束の光量を十分に低下することができる。このため、第2レンズアレイ413を介して液晶パネル441に重畳する光束の光量を低減することができるので、当該液晶パネル441で形成される光学像のコントラストを向上することができる。
また、減光板451,452の光束入射領域4512,4522に形成された第1減光領域は、第2減光領域より光透過率が低くなるように形成されているので、減光板451,452の全閉時に、第1レンズアレイ412から射出された光軸近傍の照明強度の高い光束の透過を低減し、当該光軸外縁の照明強度の低い光束の透過を高めることができる。これによれば、第2レンズアレイ413に入射する光束の光量をより低減することができる。従って、形成される光学像のコントラストを一層向上することができる。
また、減光板451,452の光束入射領域4512,4522に形成された第1減光領域は、第2減光領域より光透過率が低くなるように形成されているので、減光板451,452の全閉時に、第1レンズアレイ412から射出された光軸近傍の照明強度の高い光束の透過を低減し、当該光軸外縁の照明強度の低い光束の透過を高めることができる。これによれば、第2レンズアレイ413に入射する光束の光量をより低減することができる。従って、形成される光学像のコントラストを一層向上することができる。
さらに、減光板451,452の光束入射領域4512,4522の光束入射面には、詳しい図示を省略したが、所定波長の光束の透過を減少させるフィルタ膜が形成されている。このフィルタ膜は、本発明のフィルタ部材に相当し、このフィルタ膜は、例えば、液晶パネル441の構成に合わせて、所定の色光の透過光量に合わせて他の色光の透過光量を調整するようなフィルタ膜として構成できる。
このようなフィルタ膜として、例えば、液晶パネル441による波長ごとのコントラスト比が、赤色光で800:1、緑色光で1000:1、青色光で600:1である場合に、緑色光の光透過率を20%とした場合、当該緑色光の透過光量に合わせて、青色光の光透過率を12%とし、赤色光の光透過率を16%とするフィルタ膜が挙げられる。このようなフィルタ膜によれば、減光板451,452を全閉した場合、当該第2レンズアレイ413に入射する光束の光量の低減と合わせて、全開時の色バランスを変えずにコントラスト比5000:1を実現することができる。従って、形成画像のコントラストを一層向上することができる。
このようなフィルタ膜として、例えば、液晶パネル441による波長ごとのコントラスト比が、赤色光で800:1、緑色光で1000:1、青色光で600:1である場合に、緑色光の光透過率を20%とした場合、当該緑色光の透過光量に合わせて、青色光の光透過率を12%とし、赤色光の光透過率を16%とするフィルタ膜が挙げられる。このようなフィルタ膜によれば、減光板451,452を全閉した場合、当該第2レンズアレイ413に入射する光束の光量の低減と合わせて、全開時の色バランスを変えずにコントラスト比5000:1を実現することができる。従って、形成画像のコントラストを一層向上することができる。
なお、本実施形態では、フィルタ膜は、減光板451,452の光束入射領域4512,4522の光束入射面に形成されているとしたが、第2レンズアレイ413に向けて光束を射出する光束入射領域4512,4522の光束射出面に形成する構成でもよい。また、減光板451,452の光束入射領域4512,4522に形成されるフィルタ膜として構成するのではなく、前述の減光板451,452の板状体に、フィルタ膜が形成された板状体、または、フィルタ特性を有する板状体を設け、当該板状体を減光板451,452の光束入射側または光束射出側に配置する構成としてもよい。
〔2.第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタについて説明する。
第2実施形態に係るプロジェクタは、前述の第1実施形態に係るプロジェクタ1と同様の構成を備えるが、減光装置を構成する減光板において相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタについて説明する。
第2実施形態に係るプロジェクタは、前述の第1実施形態に係るプロジェクタ1と同様の構成を備えるが、減光装置を構成する減光板において相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る減光装置45Aによる第2レンズアレイ413に入射する光束の光路を閉塞する過程を照明光軸A方向から見た図である。詳述すると、図4(A)には、第2レンズアレイ413に入射する光束の光路を閉塞しない場合の減光装置45Aの減光板453,454の配置位置が示され、図4(B)には、当該光路を一部閉塞する場合の減光板453,454の配置位置が示され、図4(C)には、当該光路を完全に閉塞する場合の減光板453,454の配置位置が示されている。また、図4(D)には、減光板453,454が第2レンズアレイ413の中心近傍で部分的に重なった場合の当該減光板453,454の配置位置が示され、図4(E)には、減光板453,454が全閉され、第2レンズアレイ413の各小レンズ4131が各減光板453,454により覆われた場合の当該減光板453,454の配置位置が示されている。
本実施形態の減光装置45Aは、減光板453,454と、移動調整部(図示省略)とを備えている。
本実施形態の減光装置45Aは、減光板453,454と、移動調整部(図示省略)とを備えている。
このうち、減光板453,454は、前述の減光板451,452と同様の構成を備えているが、第1実施形態の減光板451,452の光束入射面4512,4522より、本実施形態の減光板453,454の光束入射領域4532,4542の方が、当該領域の面積が大きくなるように構成されている。このため、移動調整部による減光板453,454の回動範囲は、前述の第1実施形態の移動調整部と同様であるものの、減光板453,454の全閉時には、それぞれの減光板453,454の光束入射領域4532,4542は、第2レンズアレイ413の各小レンズ4131を覆うように重なる。
すなわち、減光板453,454の全開時(回動角90°)の場合、すなわち、減光板453,454の光束入射領域4532,4542が照明光軸Aに対して平行である場合には、図4(A)に示すように、第2レンズアレイ413に入射する光束の光路上に、減光板453,454の光束入射面4532,4542が位置しないので、当該第1レンズアレイ412から射出された光束は、第2レンズアレイ413にほぼ全て入射する。
この後、減光板453,454が回動するに伴って、図4(B)に示すように、当該減光板453,454の光束入射領域4532,4542が、第2レンズアレイ413に入射する光束の光路上に部分的に介装され当該光路が部分的に閉塞されて、第2レンズアレイ413の各小レンズに入射する光束の光量が低下する。
この後、減光板453,454が回動するに伴って、図4(B)に示すように、当該減光板453,454の光束入射領域4532,4542が、第2レンズアレイ413に入射する光束の光路上に部分的に介装され当該光路が部分的に閉塞されて、第2レンズアレイ413の各小レンズに入射する光束の光量が低下する。
また、減光板453,454が回動すると、図4(C)に示すように、当該減光板453,454の光束入射領域4532,4542により、第2レンズアレイ413に入射する光束の光路が完全に閉塞される。この状態では、それぞれの光束入射領域4532,4542を透過した光束のみが、第2レンズアレイ413の各小レンズ4131に入射することとなる。
この後、減光板453,454をさらに回動させると、図4(D)に示すように、当該減光板453,454の光束入射領域4532,4542がそれぞれ、第2レンズアレイ413を構成する小レンズ4131の中央で部分的に重なる。この状態では、第2レンズアレイ413の各小レンズ4131に入射する光束のうち、光軸近傍の小レンズ4131に入射する光束の照明強度が一層低減されるのに対し、外縁近傍の小レンズ4131に入射する光束の照明強度は、図4(C)に示した状態、すなわち、第2レンズアレイ413への入射光束の光路を完全に閉塞した状態と略同じとなる。
この後、減光板453,454をさらに回動させると、図4(D)に示すように、当該減光板453,454の光束入射領域4532,4542がそれぞれ、第2レンズアレイ413を構成する小レンズ4131の中央で部分的に重なる。この状態では、第2レンズアレイ413の各小レンズ4131に入射する光束のうち、光軸近傍の小レンズ4131に入射する光束の照明強度が一層低減されるのに対し、外縁近傍の小レンズ4131に入射する光束の照明強度は、図4(C)に示した状態、すなわち、第2レンズアレイ413への入射光束の光路を完全に閉塞した状態と略同じとなる。
さらに、減光板453,454を回動させて全閉状態にすると、図4(E)に示すように、当該減光板453,454の光束入射領域4532,4542のそれぞれが、第2レンズアレイ413の各小レンズ4131を覆うように位置する。この状態では、第2レンズアレイ413の各小レンズ4131に入射する光束の照明強度は、図4(C)に示した状態の1/2となり、当該第2レンズアレイ413に入射する光束の照明強度を一層低減させることができる。
以上のような本実施形態の減光装置45Aを備えたプロジェクタ1により、前述の第1実施形態で示したプロジェクタ1と同様の効果を奏することができるほか、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、減光装置45Aの減光板453,454の光束入射領域4532,4542は、当該減光板453,454の回動に伴って、第2レンズアレイ413を構成する小レンズ4131の略中央で互いに重なることとなる。これによれば、第2レンズアレイ413に入射する照明強度の高い光軸近傍の光束の透過を一層低減することができ、ひいては、液晶パネル441に重畳する光束の照明強度を一層低減することができる。従って、当該液晶パネル441で形成される光学像のコントラストを一層向上することができる。
すなわち、減光装置45Aの減光板453,454の光束入射領域4532,4542は、当該減光板453,454の回動に伴って、第2レンズアレイ413を構成する小レンズ4131の略中央で互いに重なることとなる。これによれば、第2レンズアレイ413に入射する照明強度の高い光軸近傍の光束の透過を一層低減することができ、ひいては、液晶パネル441に重畳する光束の照明強度を一層低減することができる。従って、当該液晶パネル441で形成される光学像のコントラストを一層向上することができる。
また、減光板453,454を全閉して、第2レンズアレイ413の各小レンズ4131を、それぞれの減光板453,454の光束入射領域4532,4542で覆うことにより、当該第2レンズアレイ413に入射する光束の照明強度をより一層低減することが可能となる。これによれば、前述のように、液晶パネル441に重畳される光束の照明強度をより一層低減することができるので、ひいては、形成画像のコントラストをより一層向上することができる。
〔3.第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係るプロジェクタについて説明する。
第3実施形態に係るプロジェクタは、前述の第1実施形態に係るプロジェクタ1と同様の構成を備えるが、減光装置を構成する減光板において相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第3実施形態に係るプロジェクタについて説明する。
第3実施形態に係るプロジェクタは、前述の第1実施形態に係るプロジェクタ1と同様の構成を備えるが、減光装置を構成する減光板において相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図5は、本発明の第3実施形態に係るプロジェクタのインテグレータ照明光学系41を上方から見た場合の配置図である。
本実施形態のインテグレータ照明光学系41は、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415と、減光装置45Bとを備えている。なお、光源装置411、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、偏光変換素子414および重畳レンズ415については、第1実施形態と同一であるので、説明を省略する。
本実施形態のインテグレータ照明光学系41は、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415と、減光装置45Bとを備えている。なお、光源装置411、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、偏光変換素子414および重畳レンズ415については、第1実施形態と同一であるので、説明を省略する。
減光装置45Bは、第1レンズアレイ412と第2レンズアレイ413との間に介在配置されており、減光部材としての減光板455,456と、当該減光板455,456を第1レンズアレイ412からの射出光束の光路内外に移動自在に支持し、減光板455,456の回動量を調整する移動調整部(図示省略)とを備えている。
このうち、減光板455,456は、図5に示すように、照明光軸Aを中心として略対称位置に配置されている。これら遮光板455,456は、照明光軸Aに対して略直交する方向に設定された回動軸4551,4561と、第1レンズアレイ412から射出された部分光束が入射する光束入射領域4552,4562とを備えている。
このうち、減光板455,456は、図5に示すように、照明光軸Aを中心として略対称位置に配置されている。これら遮光板455,456は、照明光軸Aに対して略直交する方向に設定された回動軸4551,4561と、第1レンズアレイ412から射出された部分光束が入射する光束入射領域4552,4562とを備えている。
ここで、前述した第1実施形態の減光板451,452の回動軸4511,4521は、第2レンズアレイ413の光束入射面の近傍に配置されていたのに対し、本実施形態の減光板455,456の回動軸4551,4561は、第1レンズアレイ412の光束射出面の近傍に配置されている。これら減光板455,456は、回動軸4551,4561を中心として図5中矢印S3,S4方向にそれぞれ回動する。すなわち、それぞれの減光板455,456は、回動軸4551,4561とは反対側の端部が、第2レンズアレイ413に近接する側から、第1レンズアレイ412に近接する側に回動するに従って、第1レンズアレイ412から射出された光束の減光率が高くなるように構成されている。そして、減光板455,456は、回動軸4551,4561を中心として回動し、第1レンズアレイ412の光束射出面に沿って配置された場合に、第1レンズアレイ412から射出された光束の光路が閉塞され、当該光束の減光率が最も高くなる。
図6は、減光板451,452と第1レンズアレイ412との位置関係を示す図である。詳述すると、図6は、減光板451,452により第1レンズアレイ412から射出される光束の光路を閉塞した場合の減光板455,456と第1レンズアレイ412とを、第1レンズアレイ412の光束射出方向とは反対方向から見た図である。
減光板455,456の光束入射領域4552,4562に形成された減光膜は、図6に示すように、互いに光透過率の異なる第1減光領域4552A,4562Aと、第2減光領域4552B,4562Bとを備えている。
減光板455,456の光束入射領域4552,4562に形成された減光膜は、図6に示すように、互いに光透過率の異なる第1減光領域4552A,4562Aと、第2減光領域4552B,4562Bとを備えている。
このうち、第1減光領域4552A,4562Aは、減光板455,456を全閉した際に、すなわち、減光板455,456により、第1レンズアレイ412から射出された光束の光路を閉塞した際に、第1レンズアレイ412のそれぞれの小レンズ4521ごとに、小レンズ4512の中央部に対応する位置に形成されている。また、第2減光領域4552B,4562Bは、光束入射領域4552,4562の減光膜における第1減光領域4552A,4562A以外の領域として形成されている。
このうち、第1減光領域4552A,4562Aの光透過率は、第2減光領域4552B,4562Bの光透過率より低くなるように形成されている。
このうち、第1減光領域4552A,4562Aの光透過率は、第2減光領域4552B,4562Bの光透過率より低くなるように形成されている。
ここで、前述のように、インテグレータ照明光学系41は、電気光学装置44の液晶パネル441(441R,441G,441B)の画像形成領域を略均一に照明する。しかしながら、液晶パネル441の特性等の影響により、液晶パネル441によって形成される画像が全面白表示の時と全面黒表示の時とでは、投射された画像の面内照度比が異なる傾向がある。
具体的には、形成画像が全面白表示の時は、画面中央部の照度を100%とした場合、当該中央部の周囲の照度は90%程度となり若干の照度差が生じているものの、人間の目にはほぼ一様の照度として視認される。これに対し、形成画像が全面黒表示の時は、画面中央部の照度を100%とした場合、当該中央部の周囲の照度は80%程度となる。このため、全面黒表示時には、全面白表示時よりも照度差が大きくなり、形成画面の照度ムラが発生したと認識されやすくなる。
具体的には、形成画像が全面白表示の時は、画面中央部の照度を100%とした場合、当該中央部の周囲の照度は90%程度となり若干の照度差が生じているものの、人間の目にはほぼ一様の照度として視認される。これに対し、形成画像が全面黒表示の時は、画面中央部の照度を100%とした場合、当該中央部の周囲の照度は80%程度となる。このため、全面黒表示時には、全面白表示時よりも照度差が大きくなり、形成画面の照度ムラが発生したと認識されやすくなる。
このような問題に対し、本実施形態の減光板455,456の光束入射領域4552,4562の減光膜には、減光板455,456の全閉時に、第1レンズアレイ412のそれぞれの小レンズ4121ごとに、小レンズ4121の中央部に対応する位置に第1減光領域4552A,4562Aが形成され、当該減光膜が形成された領域のうち第1減光領域4552A,4562A以外の領域に第2減光領域4552B,4562Bが形成されている。ここで、第1レンズアレイ412の各小レンズ4121は、液晶パネル441の画像形成領域と共役の関係にあるので、減光板455,456の全閉時に、第1レンズアレイ412の各小レンズ4121の中央部から射出される光を、当該中央部の外縁部から射出される光よりも減光することにより、前述した投射画像の全面黒表示時に発生する照度ムラを軽減させることができる。
以上のような本実施形態の減光装置45Bを備えたプロジェクタにより、前述の第1実施形態で示したプロジェクタ1と同様の効果を奏することができるほか、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、本実施形態の減光装置45Bに設けられる減光板455,456は、当該減光板455,456の光束入射領域4552,4562に形成された減光膜の第1減光領域4552A,4562Aの光透過率が、同じく光束入射領域4552,4562に形成された減光膜の第2減光領域4552B,4562Bの光透過率よりも低くなるように構成されている。また、これら減光板455,456の回動軸4551,4561は、第1レンズアレイ412の光束射出面の近傍に位置付けられている。
これによれば、投射画像が全面黒表示の際には、減光板455,456を全閉状態にし、第1レンズアレイ412のそれぞれの小レンズ4121ごとに、小レンズ4121の中央部から射出される光を、当該中央部の外縁部から射出される光よりも減光することができる。従って、全面黒表示の画像のコントラストを向上することができるとともに、投射画像の照度ムラをより一層改善することができる。
すなわち、本実施形態の減光装置45Bに設けられる減光板455,456は、当該減光板455,456の光束入射領域4552,4562に形成された減光膜の第1減光領域4552A,4562Aの光透過率が、同じく光束入射領域4552,4562に形成された減光膜の第2減光領域4552B,4562Bの光透過率よりも低くなるように構成されている。また、これら減光板455,456の回動軸4551,4561は、第1レンズアレイ412の光束射出面の近傍に位置付けられている。
これによれば、投射画像が全面黒表示の際には、減光板455,456を全閉状態にし、第1レンズアレイ412のそれぞれの小レンズ4121ごとに、小レンズ4121の中央部から射出される光を、当該中央部の外縁部から射出される光よりも減光することができる。従って、全面黒表示の画像のコントラストを向上することができるとともに、投射画像の照度ムラをより一層改善することができる。
〔4.実施形態の変形〕
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、減光装置45,45A,45Bの減光板451〜456は、移動調整部により回動して、第1レンズアレイ412から射出され第2レンズアレイ413に入射する光束の光路上に移動量調整可能に移動するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、減光板が光軸に直交する方向にスライド移動して、第2レンズアレイ413に入射する光束の光路を閉塞する減光装置として構成してもよい。このような減光装置においても、前述の回動式の減光装置45,45A,45Bと同様の効果を奏することができる。
前記各実施形態では、減光板451〜456は、回動軸4511〜4561が高さ方向に設定され、移動調整部により水平方向に回動するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、減光板451〜456が第2レンズアレイ413に入射する光束の光路を閉塞するように、当該光路上に移動するのであれば、減光板451〜456の回動方向は問わない。例えば、減光板451〜456が高さ方向に回動するように構成してもよい。
また、前記第1および第2実施形態では、減光板451〜454の回動軸4511〜4541は、第2レンズアレイ413の光束入射面の近傍に位置し、第3実施形態では、減光板455,456の回動軸4551,4561は、第1レンズアレイ412の光束入射面の近傍に位置するとしたが、本発明はこれに限らず、減光板の回動軸の位置は、適宜変更してもよい。
また、前記第1および第2実施形態では、減光板451〜454の回動軸4511〜4541は、第2レンズアレイ413の光束入射面の近傍に位置し、第3実施形態では、減光板455,456の回動軸4551,4561は、第1レンズアレイ412の光束入射面の近傍に位置するとしたが、本発明はこれに限らず、減光板の回動軸の位置は、適宜変更してもよい。
前記各実施形態では、減光板451〜456の光透過率は5〜30%とするとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、減光板が多少でも入射光束の透過を低減し、透過光束が第2レンズアレイ413に入射する構成であれば、第2レンズアレイ413に入射する光束の照明強度を低減することが可能となるだけでなく、照度比の改善を図ることができる。なお、減光板の光透過率が5〜30%とすれば、当該効果と合わせて、液晶パネル441で形成される光学像のコントラストを向上することも可能となる。
前記第3実施形態では、減光板455,456の光束入射領域4552,4562に形成された減光膜は、第1レンズアレイ412のそれぞれの小レンズ4121ごとに、小レンズ4121の中央部に対応する位置に形成された第1減光領域4552A,4562Aと、当該第1減光領域4552A,4562A以外の領域である第2減光領域4552B,4562Bとを有するとし、第1減光領域4552A,4562Aの光透過率は、第2減光領域4552B,4562Bの光透過率より低いとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、減光板の光束入射領域に形成された減光膜の光透過率が、略一様であるように形成してもよい。
また、入射する照明光束の照明強度に応じて光透過率が異なる減光領域を形成するのではなく、照度分布の大きい光束が入射する領域の光透過率を高くし、照度分布の小さい光束が入射する領域の光透過率を低くするように、減光板に減光領域を形成してもよい。このようにすれば、減光板を透過した光束は、照明領域内の面内照度比が均一化されていることとなるので、より確実に照度ムラを抑えた光学像を形成することができる。
また、入射する照明光束の照明強度に応じて光透過率が異なる減光領域を形成するのではなく、照度分布の大きい光束が入射する領域の光透過率を高くし、照度分布の小さい光束が入射する領域の光透過率を低くするように、減光板に減光領域を形成してもよい。このようにすれば、減光板を透過した光束は、照明領域内の面内照度比が均一化されていることとなるので、より確実に照度ムラを抑えた光学像を形成することができる。
前記第2実施形態では、減光板453,454の全閉時に、当該減光板453,454の光束入射領域4532,4542のそれぞれが、第2レンズアレイ413の各小レンズ4131を覆うように互いに重なるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、それぞれの減光板453,454が、全閉時に少なくとも一部で重なるように構成されていればよい。このような場合、当該重なった領域は、他の領域と比べて光透過率が略1/2に低下するので、第2レンズアレイ413への入射光束の照明強度を低減することができ、ひいては、液晶パネル441に重畳される光束の照明強度を低減して、形成画像のコントラストを向上することができる。
前記各実施形態では、減光装置は、照明光軸Aを中心として略対称位置に配置される一対の減光板を備えるとしたが、本発明はこれに限らない。具体的には、前記第1実施形態の減光装置45は、一対の減光板451,452を備え、前記第2実施形態の減光装置45Aは、一対の減光板453,454を備え、前記第3実施形態の減光装置45Bは、一対の減光板455,456を備えるとしたが、本発明はこれらに限定されるものではない。すなわち、減光装置に設けられる減光板は1つでも3つ以上でもよい。また、減光板が複数設けられている場合は、それぞれが照明光軸Aを中心として略対称位置に配置されていなくともよい。
前記各実施形態では、光学ユニット4が平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
また、前記各実施形態では、光束入射面と光束射出面とが異なる透過型の液晶パネル441を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
さらに、前記各実施形態では、3つの液晶パネル441(441R,441G,441B)を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、3つ未満、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
また、前記各実施形態では、光束入射面と光束射出面とが異なる透過型の液晶パネル441を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
さらに、前記各実施形態では、3つの液晶パネル441(441R,441G,441B)を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、3つ未満、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光変調装置としての液晶パネルを備えたプロジェクタ1を例示したが、入射光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置であれば、他のものでもよい。例えば、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶層以外の光変調素子を用いたプロジェクタにも、本発明を適用することも可能である。この場合、光束入射側および光束射出側の偏光板は、省略することができる。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から画像投射を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から画像投射を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例等の内容に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
前述の第1実施形態の減光装置45を用いて前述の第1実施形態のプロジェクタ1を構成した。この減光装置45の減光板451,452としては、光束入射領域4512,4522の光透過率が、当該光束入射領域4512,4522全体で一様に20%、すなわち、減光率80%とされている減光板を採用した。
なお、減光板451,452を構成する板状体、および、光束入射領域を形成する減光膜については、以下の材料から形成した。
板状体:BK7
減光膜:酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、
5酸化2タンタル(Ta2O5)、
5酸化2ニオブ(Nb2O5)等の他、
クロム,インコーネル、アルミ等の金属から適宜選択。
前述の第1実施形態の減光装置45を用いて前述の第1実施形態のプロジェクタ1を構成した。この減光装置45の減光板451,452としては、光束入射領域4512,4522の光透過率が、当該光束入射領域4512,4522全体で一様に20%、すなわち、減光率80%とされている減光板を採用した。
なお、減光板451,452を構成する板状体、および、光束入射領域を形成する減光膜については、以下の材料から形成した。
板状体:BK7
減光膜:酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、
5酸化2タンタル(Ta2O5)、
5酸化2ニオブ(Nb2O5)等の他、
クロム,インコーネル、アルミ等の金属から適宜選択。
〔実施例2〕
減光板451,452の光束入射領域4512,4522の光透過率が、当該光束入射領域4512,4522全体で一様に10%、すなわち、減光率90%とされていること以外は、実施例1と同じ減光装置を用いて前述の第1実施形態のプロジェクタ1を構成した。
減光板451,452の光束入射領域4512,4522の光透過率が、当該光束入射領域4512,4522全体で一様に10%、すなわち、減光率90%とされていること以外は、実施例1と同じ減光装置を用いて前述の第1実施形態のプロジェクタ1を構成した。
〔実施例3〕
以下のような膜組成および各色光の光透過率を有するフィルタ膜を、減光板451,452の光束入射領域4512,4522に積層して形成したこと以外は、実施例1と同じ減光装置45を用いて前述の第1実施形態のプロジェクタ1を構成した。なお、この実施例3で用いられるフィルタ膜の各波長における光透過率を示すグラフを、図7に示す。
膜組成:SiO2、Ta2O5
赤色光(波長580nm〜700nm)の光透過率:16%
緑色光(波長500nm〜580nm)の光透過率:20%
青色光(波長400nm〜500nm)の光透過率:12%
以下のような膜組成および各色光の光透過率を有するフィルタ膜を、減光板451,452の光束入射領域4512,4522に積層して形成したこと以外は、実施例1と同じ減光装置45を用いて前述の第1実施形態のプロジェクタ1を構成した。なお、この実施例3で用いられるフィルタ膜の各波長における光透過率を示すグラフを、図7に示す。
膜組成:SiO2、Ta2O5
赤色光(波長580nm〜700nm)の光透過率:16%
緑色光(波長500nm〜580nm)の光透過率:20%
青色光(波長400nm〜500nm)の光透過率:12%
〔比較例1〕
減光板451,452の代わりに、入射光束を透過しない遮光板、すなわち、光透過率が略0%である遮光板を有する第1実施形態の減光装置を用いて、前述の第1実施形態のプロジェクタ1を構成した。
なお、この減光装置では、遮光板の全閉時に、第1レンズアレイ412から射出された光束のうち、20%の光束が第2レンズアレイ413に入射するように、一対の遮光板の間隔を空けて配置している。
減光板451,452の代わりに、入射光束を透過しない遮光板、すなわち、光透過率が略0%である遮光板を有する第1実施形態の減光装置を用いて、前述の第1実施形態のプロジェクタ1を構成した。
なお、この減光装置では、遮光板の全閉時に、第1レンズアレイ412から射出された光束のうち、20%の光束が第2レンズアレイ413に入射するように、一対の遮光板の間隔を空けて配置している。
〔比較例2〕
遮光板の全閉時に、第1レンズアレイ412から射出された光束のうち、10%の光束が第2レンズアレイ413に入射するように一対の遮光板の間隔を空けて配置したこと以外は、比較例1と同じ減光装置を用いて、前述の第1実施形態で示したプロジェクタ1を構成した。
遮光板の全閉時に、第1レンズアレイ412から射出された光束のうち、10%の光束が第2レンズアレイ413に入射するように一対の遮光板の間隔を空けて配置したこと以外は、比較例1と同じ減光装置を用いて、前述の第1実施形態で示したプロジェクタ1を構成した。
〔比較例3〕
以下のような各色光の光透過率を有するフィルタ膜を、減光板451,452の光束入射領域4512,4522に積層して形成したこと以外は、実施例3と同じ減光装置45を用いて前述の第1実施形態のプロジェクタ1を構成した。
赤色光(波長580nm〜700nm)の光透過率:80%
緑色光(波長500nm〜580nm)の光透過率:80%
青色光(波長400nm〜500nm)の光透過率:80%
以下のような各色光の光透過率を有するフィルタ膜を、減光板451,452の光束入射領域4512,4522に積層して形成したこと以外は、実施例3と同じ減光装置45を用いて前述の第1実施形態のプロジェクタ1を構成した。
赤色光(波長580nm〜700nm)の光透過率:80%
緑色光(波長500nm〜580nm)の光透過率:80%
青色光(波長400nm〜500nm)の光透過率:80%
前述の実施例1〜3および比較例1〜3のプロジェクタ1について、(1)照明強度、(2)面内照度比、および(3)色バランスを以下の評価方法にて評価した。
(1)照明強度
(評価1)
実施例1および比較例1のプロジェクタについて、減光装置45の減光板451,452および遮光板を、回動範囲を0°〜80°の範囲で回動させて第2レンズアレイ413に入射する光束の光路上に位置付けた場合の照明強度の変化を比較・評価した。なお、減光装置45により第2レンズアレイ413に入射する光束の減光を行わない場合の光束の照明強度を100%とし、実施例1および比較例1の減光板および遮光板の回動角と、照明強度の変化とを示すグラフを図8に示す。
(1)照明強度
(評価1)
実施例1および比較例1のプロジェクタについて、減光装置45の減光板451,452および遮光板を、回動範囲を0°〜80°の範囲で回動させて第2レンズアレイ413に入射する光束の光路上に位置付けた場合の照明強度の変化を比較・評価した。なお、減光装置45により第2レンズアレイ413に入射する光束の減光を行わない場合の光束の照明強度を100%とし、実施例1および比較例1の減光板および遮光板の回動角と、照明強度の変化とを示すグラフを図8に示す。
結果として、図8に示すように、実施例1の減光装置45によれば、比較例1と比べて、減光板451,452の回動角に応じた急激な変化のない減光を行うことができた。特に、第2レンズアレイ413に入射する光束の減光開始直後の60°〜50°の回動範囲においては、比較例1が階段状のグラフを示し、第2レンズアレイ413への入射光束の急激な減光が見られるのに対し、実施例1では、略直線状のグラフを示し、急激な減光率の変化を抑えた減光が確認された。従って、実施例1では、比較例1と同様の減光効果を得られるほか、減光率の急激な変化を抑え、減光板451,452の回動に応じた連続的な減光が行われるので、減光量の調整を細かく設定しやすくすることができ、減光の精度を高めることができる。
(評価2)
実施例2および比較例2のプロジェクタ1について、前述の評価1と同様に、減光装置45の減光板451,452および遮光板を、回動範囲を0°〜80°の範囲で回動させて第2レンズアレイ413に入射する光束の光路上に位置付けた場合の照明強度の変化を比較・評価した。この実施例2および比較例2の減光板451,452および遮光板の回動角と、照明強度との変化を示すグラフを図9に示す。
実施例2および比較例2のプロジェクタ1について、前述の評価1と同様に、減光装置45の減光板451,452および遮光板を、回動範囲を0°〜80°の範囲で回動させて第2レンズアレイ413に入射する光束の光路上に位置付けた場合の照明強度の変化を比較・評価した。この実施例2および比較例2の減光板451,452および遮光板の回動角と、照明強度との変化を示すグラフを図9に示す。
結果として、図9に示すように、前述の評価1の場合と同様に、比較例2と比べて、実施例2の減光装置45によれば、減光板451,452の回動に伴う入射光束の連続的な減光を行うことができた。特に、減光板451,452および遮光板の回動角が50°〜60°の範囲において、比較例2では階段状のグラフを示し、急激な減光が見られるのに対し、実施例2では略直線状のグラフを示し、急激な減光率の変化を抑えた減光が見られた。従って、評価1の実施例1の評価と同様に、実施例2では、比較例2と同様の減光効果を得られるほか、減光板451,452の回動に応じた減光率の変動の少ない連続的な減光を行うことができる。
(2)面内照度比
(評価3)
実施例1および比較例1のプロジェクタ1について、減光板451,452および遮光板により第2レンズアレイ413に入射する光束を50%減光した場合の投射画像の照度比を比較・評価した。この実施例1の50%減光時(実線)、比較例1の50%減光時(点線)および減光板451,452の全開時(一点鎖線)の面内照度比を示すグラフを図10に示す。
結果として、図10に示すように、比較例1では、スクリーン上に投射される光学像の両端に向かうに従って照度比が高くなる傾向にあるのに対し、実施例1では、当該傾向が抑制され、減光板451,452の全開時のように照度比の均一化が図られていた。
(評価3)
実施例1および比較例1のプロジェクタ1について、減光板451,452および遮光板により第2レンズアレイ413に入射する光束を50%減光した場合の投射画像の照度比を比較・評価した。この実施例1の50%減光時(実線)、比較例1の50%減光時(点線)および減光板451,452の全開時(一点鎖線)の面内照度比を示すグラフを図10に示す。
結果として、図10に示すように、比較例1では、スクリーン上に投射される光学像の両端に向かうに従って照度比が高くなる傾向にあるのに対し、実施例1では、当該傾向が抑制され、減光板451,452の全開時のように照度比の均一化が図られていた。
(評価4)
実施例1および比較例1のプロジェクタ1について、減光板451,452および遮光板により第2レンズアレイ413に入射する光束を80%減光した場合、すなわち、減光板451,452および遮光板を全閉した場合の投射画像の照度比を比較・評価した。この実施例1の80%減光時(実線)、比較例1の80%減光時(点線)および減光板451,452の全開時(一点鎖線)の面内照度比を示すグラフを図11に示す。
結果として、図11に示すように、比較例1では、スクリーン上に投射される光学像の両端に向かうに従って照度比が低くなる傾向にあるのに対し、実施例1では、前述の評価3の場合と同様に、減光板451,452の全開時のように照度比の均一化が図られていた。
実施例1および比較例1のプロジェクタ1について、減光板451,452および遮光板により第2レンズアレイ413に入射する光束を80%減光した場合、すなわち、減光板451,452および遮光板を全閉した場合の投射画像の照度比を比較・評価した。この実施例1の80%減光時(実線)、比較例1の80%減光時(点線)および減光板451,452の全開時(一点鎖線)の面内照度比を示すグラフを図11に示す。
結果として、図11に示すように、比較例1では、スクリーン上に投射される光学像の両端に向かうに従って照度比が低くなる傾向にあるのに対し、実施例1では、前述の評価3の場合と同様に、減光板451,452の全開時のように照度比の均一化が図られていた。
(評価5)
実施例2および比較例2のプロジェクタ1について、減光板451,452および遮光板により第2レンズアレイ413に入射する光束を90%減光した場合、すなわち、減光板451,452および遮光板を全閉した場合の投射画像の照度比を比較・評価した。この実施例2の90%減光時(実線)、比較例2の90%減光時(点線)および減光板451,452の全開時(一点鎖線)の面内照度比を示すグラフを図12に示す。
結果として、図12に示すように、比較例2では、スクリーン上に投射される光学像の両端に向かうに従って照度比が低くなる傾向にあるのに対し、実施例2では、前述の評価3,4の場合と同様に、減光板451,452の全開時のように照度比の均一化が図られていた。
実施例2および比較例2のプロジェクタ1について、減光板451,452および遮光板により第2レンズアレイ413に入射する光束を90%減光した場合、すなわち、減光板451,452および遮光板を全閉した場合の投射画像の照度比を比較・評価した。この実施例2の90%減光時(実線)、比較例2の90%減光時(点線)および減光板451,452の全開時(一点鎖線)の面内照度比を示すグラフを図12に示す。
結果として、図12に示すように、比較例2では、スクリーン上に投射される光学像の両端に向かうに従って照度比が低くなる傾向にあるのに対し、実施例2では、前述の評価3,4の場合と同様に、減光板451,452の全開時のように照度比の均一化が図られていた。
(3)色バランス
(評価6)
実施例3および比較例3のプロジェクタ1について、減光装置45および第2レンズアレイ413を介して液晶パネル441に入射する光束の各波長の照明強度を比較・評価した。なお、比較例3のプロジェクタ1において、減光板451,452の回動に伴って減光され、液晶パネル441に入射する光束のうち、赤色光、緑色光および青色光の照明強度の変化を、グラフとして図13に示す。また、実施例3のプロジェクタ1において、減光板451,452の回動に伴って減光され、液晶パネル441に入射する光束のうち、赤色光、緑色光および青色光の照明強度の変化を、グラフとして図14に示す。
(評価6)
実施例3および比較例3のプロジェクタ1について、減光装置45および第2レンズアレイ413を介して液晶パネル441に入射する光束の各波長の照明強度を比較・評価した。なお、比較例3のプロジェクタ1において、減光板451,452の回動に伴って減光され、液晶パネル441に入射する光束のうち、赤色光、緑色光および青色光の照明強度の変化を、グラフとして図13に示す。また、実施例3のプロジェクタ1において、減光板451,452の回動に伴って減光され、液晶パネル441に入射する光束のうち、赤色光、緑色光および青色光の照明強度の変化を、グラフとして図14に示す。
結果として、比較例3では、図13に示すように、減光板451,452により第2レンズアレイ413への入射光束が減光されるに従って、当該第2レンズアレイ413の光路後段に配置された液晶パネル441に入射する各色光は、それぞれが揃うようにして減光した。
これに対し、実施例3では、図14に示すように、減光板451,452により第2レンズアレイ413への入射光束が減光されるに従って、各色光の照明強度に違いが生じた。詳述すると、減光板451,452の光透過率のうち、最も光透過率の低い青色光は、当該減光板451,452による減光に伴って、最も透過率の高い緑色光に比べ、照明強度の下げ幅が大きくなった。また、減光板451,452において青色光と緑色光の中間の光透過率である赤色光は、照明強度の下げ幅が青色光および緑色光の中間を示した。そして、減光板451,452の全閉状態では、緑色光、赤色光および青色光の照明強度は、それぞれ20%、16%および12%となった。
これに対し、実施例3では、図14に示すように、減光板451,452により第2レンズアレイ413への入射光束が減光されるに従って、各色光の照明強度に違いが生じた。詳述すると、減光板451,452の光透過率のうち、最も光透過率の低い青色光は、当該減光板451,452による減光に伴って、最も透過率の高い緑色光に比べ、照明強度の下げ幅が大きくなった。また、減光板451,452において青色光と緑色光の中間の光透過率である赤色光は、照明強度の下げ幅が青色光および緑色光の中間を示した。そして、減光板451,452の全閉状態では、緑色光、赤色光および青色光の照明強度は、それぞれ20%、16%および12%となった。
ここで、液晶パネル441、入射側偏光板442および射出側偏光板443の特性は、透過させる光の波長領域によって異なるので、減光板451,452の全開時、すなわち、明るい画像を形成する時と、減光板451,452の全閉時、すなわち、暗い画像を形成する時とでは、色バランスが異なってしまう場合がある。ここで、前述のように液晶パネル441による波長ごとのコントラスト比が、赤色光で800:1、緑色光で1000:1、青色光で600:1である場合に、減光板451,452の全閉時の緑色光、赤色光および青色光の照明強度を、それぞれ20%、16%および12%まで低減することにより、減光板451,452の全開時の色バランスを変えずに各色光のコントラスト比を5000:1とすることができる。従って、色バランスを補正しつつ、形成画像のコントラストの向上を図ることができる。
以上のように、実施例1、実施例2および実施例3では、それぞれ、比較例1、比較例2および比較例3に対して、変動の少ない減光、照度比の均一化、および、コントラストの向上を実現することができた。
本発明は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成するプロジェクタに利用でき、フロントタイプおよびリアタイプのどちらのプロジェクタにも好適に利用することができる。
1…プロジェクタ、3…投射レンズ(投射光学系)、41…インテグレータ照明光学系(照明光学系)、44…電気光学装置(光学像形成系)、45…減光装置(調光装置)、411…光源装置(光源)、412…第1レンズアレイ、413…第2レンズアレイ、415…重畳レンズ、441…液晶パネル(光変調装置)、451,452,453,454,455,456…減光板(減光部材)、4121…小レンズ(第1レンズアレイの複数のレンズ要素)、4131…小レンズ(第2レンズアレイの複数のレンズ要素)、4552A,4562A…第1減光領域、4552B,4562B…第2減光領域。
Claims (7)
- 光源を有する照明光学系と、この照明光学系から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置を有する光学像形成系と、形成された光学像を拡大投射する投射光学系とを備えたプロジェクタであって、
前記照明光学系は、
前記光源から射出された光束を複数の部分光束に分割する複数のレンズ要素を有する第1レンズアレイと、
この第1レンズアレイの前記複数のレンズ要素に応じた複数のレンズ要素を有する第2レンズアレイと、
前記第2レンズアレイとともに前記複数の部分光束を前記光変調装置の画像形成領域に重畳させる重畳レンズと、
前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとの間に介在配置され、前記第1レンズアレイから射出され第2レンズアレイに入射する光束の光量を調節する調光装置とを備え、
前記調光装置は、
所定の光透過率を有し、入射する光束の透過光量を低減する減光部材と、
前記減光部材を前記第1レンズアレイの射出光束の光路内外に移動自在に支持し、前記減光部材の移動量を調整する移動調整部とを備えることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記減光部材の光透過率は、略5〜30%とされていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1または請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記減光部材は、それぞれ光透過率が異なる領域が複数形成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項3に記載のプロジェクタにおいて、
前記減光部材は、前記第1レンズアレイから射出された光束の光路を塞いだ際に、当該第1レンズアレイの光束射出面に沿って配置され、
前記減光部材は、当該減光部材が前記第1レンズアレイの光束射出面に沿って配置された際に前記第1レンズアレイの各レンズ要素の中央部に対応する位置に形成された第1減光領域と、当該第1減光領域以外の領域である第2減光領域とを有し、
前記第1減光領域の光透過率は、前記第2減光領域の光透過率より低いことを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記減光部材は、
前記第1レンズアレイからの射出光束が入射する光束入射面、および、当該減光部材に入射した光束を前記第2レンズアレイに射出する光束射出面を備え、
前記光束入射面および前記光束射出面のうち少なくとも一方には、所定の波長領域の光束の透過を規制するフィルタ部材が設けられていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記調光装置は、前記減光部材を複数備え、
前記複数の減光部材のうち少なくとも2つは、前記移動調整部により前記第1レンズアレイから射出され前記第2レンズアレイに入射する光束の光路を塞ぐように移動すると、互いに重なることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項6に記載のプロジェクタにおいて、
前記少なくとも2つの減光部材が重なる位置は、前記第2レンズアレイの略中央であることを特徴とするプロジェクタ。
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-
2005
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