JP2011094732A - 締付けバンド - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接による仮止め状態と同等の外れ難さを有ししかも低コストで製造できる締付けバンドを提供する。
【解決手段】バンド部材3の両端部を跨いでクランプ部材2が重ね合わされ、フック部9が仮止め孔5に挿入され、係止爪10が係止孔6に挿入されたままバンド部材3を拡径することで、フック部9が仮止め孔5内を孔端部へスライドして不可逆形状をした孔壁に戻り止めされてバンド部材3とクランプ部材2がリング状に仮止めされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両用の等速ジョイントを覆うブーツを固定する締付けバンドに関する。
車両用の等速ジョイントを覆うブーツを固定する締付けバンドには様々な締付けバンドが提案され、実用化されている。例えば、リング状に成形された金属帯状のバンド部材と、中途部に外方に門形に折り曲げ形成された締付け耳を有するクランプ部材を組み合わせた締付けバンドが提案されている(特許文献1参照)。クランプ部材とバンド部材はクランプ部材の両端より等距離位置でスポット溶接により固着されてリング状に仮止めされている。
また、クランプ部材の両端に内方に延びるフックを打ち抜いて形成し、バンド部材の端部近傍に形成された孔にフックを係止させてリング状に仮止めする締付けバンドも提案されている(特許文献2参照)。これらは、いずれも、バンドが仮止め状態でブーツに嵌め込まれて、クランプ部材に形成された締付け耳を工具によりクランプして潰すことによりバンド部材を縮径するようになっている(特許文献1、2参照)。
実用新案登録第3061607号公報 特開昭55−90788号公報
特許文献1に示す溶接タイプの締付けバンドは、締付け耳を有するクランプ部材とバンド部材を各々プレス加工により製造し、これらをリング状に位置合わせして組み付け、クランプ部材の一方側をスポット溶接してからバンドを左右反転させてクランプ部材の他方側をスポット溶接することで、クランプ部材とバンド部材をリング状に仮止めした状態で締付けバンドが製造される。よって、工数がかかるうえに、クランプ部材とバンド部材を溶接により組み付けるため、製造コストが嵩むという課題がある。
また、特許文献2に示す締付けバンドは、バンド部材の拡径によりクランプ部材のフックがバンド部材の孔に係止した状態で仮止めされているが、衝撃等により外部から加わる応力によりバンド部材が一時的に撓むことにより、フックと孔との係止状態が外れるおそれがある。
本願発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、溶接による仮止め状態と同等の外れ難さを有ししかも低コストで製造できる締付けバンドを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
即ち、円弧状に成形された金属帯状材の中途部に外方に門形に折り曲げ形成された締付け耳を有するクランプ部材と、一端側に舌部と他端側に前記舌部が挿入可能な切欠き部が形成され、リング状に成形された金属帯状のバンド部材と、を備え、前記クランプ部材は締付け耳を中心として両端部より仮止め孔、係止孔がこの順に左右対称となる位置に各々形成され、前記バンド部材の両端には、前記仮止め孔に挿入されて係止するフック部と前記係止孔に係止する係止爪が各々突設されており、前記バンド部材の両端部を跨いで前記クランプ部材が重ね合わされ、前記フック部が仮止め孔に挿入され、前記係止爪が係止孔に挿入されたまま前記バンド部材を拡径することで、前記フック部が仮止め孔内を孔端部へスライドして不可逆形状をした孔壁に戻り止めされて前記バンド部材とクランプ部材がリング状に仮止めされることを特徴とする。
また、前記仮止め孔には、前記フック部が挿入される第1挿入孔と当該フック部を係止する第2挿入孔が前記フック部の幅より幅狭に形成された幅狭部を介して連通して形成されており、前記フック部は、第1挿入孔に挿入されて幅狭部に係止し、前記バンド部材の拡径操作により前記フック部が前記幅狭部を通過して第2挿入孔にスライドして係止することで当該幅狭部の孔壁により戻り止めされることを特徴とする。
また、前記締付け耳を潰すことにより前記バンド部材を縮径させ、当該バンド部材の両端が締付け耳を跨いで近接させて前記舌部を前記切欠き部に進入させて内外段差を解消することを特徴とする。
本発明の締付けバンドを用いれば、バンド部材の両端部を跨いでクランプ部材が重ね合わされ、バンド部材のフック部が仮止め孔に挿入され、係止爪が係止孔に挿入されたままバンド部材を拡径することで、フック部が仮止め孔内を孔端部へスライドして不可逆形状をした孔壁に戻り止めされてバンド部材とクランプ部材がリング状に仮止めされる。これにより、クランプ部材とバンド部材を溶接によることなくリング状に仮止めし、係止爪が係止孔に係止することでフック部と仮止め孔との仮止め状態が維持され、溶接による仮止め状態と同等の外れ難さを有すると共に低コストで締付けバンドを製造することができる。
また、クランプ部材は締付け耳を中心として両端部より仮止め孔、係止孔がこの順に左右対称となる位置に形成されているので、バンド部材に位置合わせする際に方向性はなく、製造工程も簡略化することができる。
更には、クランプ部材とバンド部材は溶接しないので、予めリング状に仮止めせずに補給部品として使用することも可能である。
バンド部材に形成されたフック部は、クランプ部材の第1挿入孔に挿入されて幅狭部に係止し、バンド部材の拡径操作によりフック部が幅狭部を通過して第2挿入孔にスライドして係止することで幅狭部の孔壁により戻り止めされる。これにより、フック部が第1挿入孔から第2挿入孔へスライドして係止すると、幅狭部の孔壁により戻り止めされるので、仮止めされたバンド部材に衝撃などの外部応力が作用しても、変形することはないため外れるおそれはなくなる。
締付け耳を潰すことによりバンド部材を縮径させ、当該バンド部材の両端が締付け耳を跨いで近接させて舌部を切欠き部に進入させて内外段差を解消するようになっていると、シール性向上に寄与することができる。
締付けバンドの分解斜視図である。 締付けバンドの斜視図である。 クランプ部材の正面図及び平面図である。 バンド部材の平面図及び部分断面図を含む正面図である。 フック部の挿入時、スライド時、仮止め時の動作状態を示す状態説明図である。
以下、本発明に係る締付けバンドの一例について説明する。
先ず、図1及び図2を参照して締付けバンドの構成について説明する。
締付けバンド1は、クランプ部材2とバンド部材3とを備えている、クランプ部材2は、円弧状に成形された金属帯状材(例えばステンレススチール材(SUS301,SUS304,SUS430など))の中途部に外方に門形に折り曲げ形成された締付け耳4を有する。また、クランプ部材2は、図3(a)(b)に示すように締付け耳4を中心として左右対称に形成されており(図3(a)参照)、両端部より仮止め孔5、複数の係止孔6がこの順に左右対称となる位置に各々形成されている(図3(b)参照)。係止孔6は締付け力が低いものでは1箇所でもよいが、複数あるとバンドの締め付け強度が向上する。
クランプ部材2の仮止め孔5には、後述するフック部9をする第1挿入孔5aと当該フック部を係止する第2の挿入孔5bがフック部の幅より幅狭(およそ5%〜15%程度)に形成された幅狭部5cを介して連通するように形成されている。幅狭部5cは両側孔壁が孔内に突出した突起部5dが形成されている。また締付け耳4の頂板には補強用凹部4aが形成されている。
バンド部材3は、図4(a)(b)に示すように、金属帯状材(例えばステンレススチール材(SUS301,SUS304,SUS430など))の一端側3aに舌部7と他端側3bに舌部7が挿入可能な切欠き部8が形成されている。バンド部材3の両端部には、仮止め孔5に進入して係止するフック部9と係止孔6に係止する係止爪10が各々突設されている。フック部9の先端部はL字状に折り曲げ形成されている(図4(b)参照)。係止爪10は、袋状に膨出する爪であり、係止孔6に対応して複数設けられている。係止孔6が1箇所であれば、係止爪10も1箇所のみ設けられていてもよい。
上記舌部7と切欠き部8は、締付け耳4を潰すことによりバンド部材3を縮径させ、当該バンド部材3の両端が締付け耳4を跨いで近接させて舌部7を切欠き部8に進入させて内外段差を解消するようになっている。これにより、締付けバンド1の、シール性向上に寄与することができる。
図1に示すようにバンド部材3はリング状に成形され、バンド部材3の両端部を跨いでクランプ部材2が重ね合わされる。そして、フック部9が仮止め孔5の第1挿入孔5aに挿入され、係止爪10が係止孔6に挿入されたままバンド部材3を拡径することで、フック部9が仮止め孔5内を第1挿入孔5aから幅狭部5cの突起部5dを変形させつつ第2挿入孔5bの孔端部へスライドして係止する。
これにより、フック部9が不可逆形状をした孔壁(突起部5d)に戻り止めされてクランプ部材2とバンド部材3がリング状に仮止めされる。ここで、不可逆形状とは、第2挿入孔5bへ移動したフック9が第1挿入孔5aへ戻り難い形状をしていることを言う。よって、クランプ部材2とバンド部材3を溶接によることなくリング状に仮止めし、係止爪10が係止孔6に係止することでフック部9と仮止め孔5との仮止め状態が維持され、溶接による仮止め状態と同等の外れ難さを有すると共に低コストで締付けバンド1を製造することができる。
また、クランプ部材2は締付け耳4を中心として両端部より仮止め孔5、係止孔6がこの順に左右対称位置に形成されているので、バンド部材3に位置合わせする際に方向性はなく、製造工程も簡略化することができる。更には、クランプ部材2とバンド部材3は溶接しないので、予めリング状に仮止めせずに補給部品として使用することも可能である。
ここで、締付けバンド1を仮止めする際の、クランプ部材2の一端側におけるフック部9と仮止め孔5の係止状態の変化を、図5(a)〜図5(c)を参照して説明する。先ず、図1において、リング状に形成されたバンド部材3にクランプ部材2を重ね合わせる。このとき、図5(a)において、フック部9は、第1挿入孔5aに各々挿入されてバンド部材3が拡径使用とする力で幅狭部5cに係止する。尚、係止爪10も係止孔6に挿入された状態にある。
次に、例えば、バンド部材3のリング内部に3点支持用のチャック爪(図示せず)を進入させる。チャック爪は、シリンダ駆動で開閉するものとする。このチャック爪を開かせることで、バンド部材3を拡径操作する。このとき、図5(b)に示すように、フック部9は幅狭部5cを通過して第2挿入孔5bに向けてスライドする。このとき突起部5dはフック部9の通過により金属面どうしにかじりが生じて僅かに変形する。また、係止爪10は係止孔6の一端6aより他端6bに向けて離間する。
そして、図5(c)において、フック部9が幅狭部5cを通過すると第2挿入孔5bの孔端部に係止する。これにより、フック部9はバンド部材3を縮径する力が作用しても、幅狭部5cの孔壁(突起部5d)により戻り止めされる。また、係止爪10は係止孔6の他端6bに係止する。
これにより、仮止めされたバンド部材3に衝撃などの外部応力が作用しても、第2挿入孔5bの孔端部に係止したフック部9は、第1挿入孔5aに戻るおそれはなく、バンド部材3が変形して仮止め状態が外れるおそれはなくなる。
1 締付けバンド
2 クランプ部材
3 バンド部材
4 締付け耳
4a 補強用凹部
5 仮止め孔
5a 第1挿入孔
5b 第2挿入孔
5c 幅狭部
5d 突起部
6 係止孔
7 舌部
8 切欠き部
9 フック部
10 係止爪

Claims (3)

  1. 円弧状に成形された金属帯状材の中途部に外方に門形に折り曲げ形成された締付け耳を有するクランプ部材と、
    一端側に舌部と他端側に前記舌部が挿入可能な切欠き部が形成され、リング状に成形された金属帯状のバンド部材と、を備え、
    前記クランプ部材は締付け耳を中心として両端部より仮止め孔、係止孔がこの順に左右対称となる位置に各々形成され、
    前記バンド部材の両端には、前記仮止め孔に挿入されて係止するフック部と前記係止孔に係止する係止爪が各々突設されており、
    前記バンド部材の両端部を跨いで前記クランプ部材が重ね合わされ、前記フック部が仮止め孔に挿入され、前記係止爪が係止孔に挿入されたまま前記バンド部材を拡径することで、前記フック部が仮止め孔内を孔端部へスライドして不可逆形状をした孔壁に戻り止めされて前記バンド部材とクランプ部材がリング状に仮止めされることを特徴とする締付けバンド。
  2. 前記仮止め孔には、前記フック部が挿入される第1挿入孔と当該フック部を係止する第2挿入孔が前記フック部の幅より幅狭に形成された幅狭部を介して連通して形成されており、前記フック部は、第1挿入孔に挿入されて幅狭部に係止し、前記バンド部材の拡径操作により前記フック部が前記幅狭部を通過して第2挿入孔にスライドして係止することで当該幅狭部の孔壁により戻り止めされる請求項1記載の締付けバンド。
  3. 前記締付け耳を潰すことにより前記バンド部材を縮径させ、当該バンド部材の両端が締付け耳を跨いで近接させて前記舌部を前記切欠き部に進入させて内外段差を解消する請求項1又は請求項2に記載の締付けバンド。
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