JP2011089054A - 複合体組成物および複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低熱膨張係数、高強度、低湿度膨張係数の各種特性を有するとともに、高温時における変色を抑制し得る複合体組成物、およびかかる複合体組成物を成形してなる複合体を提供すること。
【解決手段】本発明の複合体組成物は、繊維状フィラーを含み、所定の形状に成形して複合体を製造し得る組成物であって、繊維状フィラーは、酸化処理と熱分解抑制処理とが施された繊維で構成されたものであり、この熱分解抑制処理は、繊維状フィラーについてJIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して測定された180℃における重量減少率をAとし、酸化処理が施された繊維を前記熱重量測定方法と同様の方法に準拠して測定された180℃における重量減少率をBとしたとき、A<Bなる関係を満足させる処理である。図1の熱重量曲線aは重量減少率Aに対応しており、熱重量曲線bは重量減少率Bに対応している。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維状フィラーを含む複合体組成物および複合体に関するものである。
以前より、樹脂材料中にフィラーを配合することが広く行われている。このようなフィラーとしては、シリカ微粒子や金属微粒子等の球状フィラーや、ウィスカー等の棒状フィラーが知られており、フィラーを配合することによって、樹脂材料の熱膨張係数を低減したり、弾性率、曲げ強度等の機械的強度を高めることができる。
近年、セルロースを充填材として利用した複合体が提案されている。この複合体には、セルロースの微細な繊維が含まれており、このセルロース繊維としては、例えば、セルロースのフィブリル状物質を機械的に微細化してなるセルロースミクロフィブリル等が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
このような微細化セルロース繊維を配合した複合体は、機械的強度および透明性が高く、軽量で、熱膨張率が小さいという特徴を有するものとなる。このため、かかる特徴を活かし、光学分野、構造材料分野、建材分野等の種々の分野において、特にガラス材料の代替材として応用することが期待されている。
しかしながら、微細化セルロース繊維を配合した複合体は、高温で加熱した際に変色するという問題を有している。このような変色が起こると、複合体の透明性が低下するため、特に光学分野における応用が阻害される。製品の製造過程あるいは使用過程において、部材が高温環境に曝されることは避けられないことから、この変色という現象は、複合体の本格的な実用化に際して大きな課題となっている。
特開2003−201695号公報
本発明の目的は、低熱膨張係数、高強度、低湿度膨張係数の各種特性を有するとともに、高温時における変色を抑制し得る複合体組成物、およびかかる複合体組成物を成形してなる複合体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(20)の本発明により達成される。
(1) 繊維状フィラーを含む複合体組成物であって、
前記繊維状フィラーは、酸化処理と熱分解抑制処理とが施された繊維で構成されたものであり、
前記熱分解抑制処理は、前記繊維状フィラーについてJIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して測定された180℃における重量減少率をAとし、
酸化処理が施された繊維について、前記熱重量測定方法と同様の方法に準拠して測定された180℃における重量減少率をBとしたとき、
A<Bなる関係を満足させる処理であることを特徴とする複合体組成物。
(2) 前記重量減少率Aおよび前記重量減少率Bは、A/B≦0.9なる関係を満足する上記(1)に記載の複合体組成物。
(3) 前記繊維状フィラーは、セルロース繊維で構成されたものである上記(1)または(2)に記載の複合体組成物。
(4) 前記セルロース繊維の平均繊維径は、4〜1000nmである上記(3)に記載の複合体組成物。
(5) 前記セルロース繊維は、セルロース原料を化学的処理および機械的処理の少なくとも一方により微細化されてなるものである上記(3)または(4)に記載の複合体組成物。
(6) 前記酸化処理が施されたセルロース繊維は、含まれるセルロース分子中の水酸基の一部が、アルデヒド基およびカルボキシル基の少なくとも一方で置換されてなるものである上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の複合体組成物。
(7) 前記酸化処理が施されたセルロース繊維は、天然セルロースを原料とし、N−オキシル化合物を酸化触媒として用いるとともに、水中において前記原料に共酸化剤を作用させることにより、前記原料に酸化処理を施して得られたものである上記(3)ないし(6)のいずれかに記載の複合体組成物。
(8) 前記熱分解抑制処理は、セルロース繊維に含まれるセルロース分子中の水酸基の少なくとも一部をアセチル化する処理である上記(3)ないし(7)のいずれかに記載の複合体組成物。
(9) 前記熱分解抑制処理は、セルロース繊維に対してカップリング剤およびカップリング剤の加水分解物の少なくとも一方を導入する処理である上記(3)ないし(7)のいずれかに記載の複合体組成物。
(10) 前記カップリング剤は、アルコキシシランまたはアルコキシチタンである上記(9)に記載の複合体組成物。
(11) 前記カップリング剤は、アクリル基またはメタクリル基を有するものである上記(9)または(10)に記載の複合体組成物。
(12) 前記熱分解抑制処理は、セルロース繊維に対して酸化防止剤を導入する処理である上記(3)ないし(7)のいずれかに記載の複合体組成物。
(13) 前記繊維状フィラーが含む繊維および前記酸化処理が施された繊維は、それぞれ平均繊維径が同じものである上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の複合体組成物。
(14) 当該複合体組成物は、さらに樹脂材料を含むものであり、
前記樹脂材料は、可塑性樹脂および硬化性樹脂の少なくとも一方である上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の複合体組成物。
(15) 前記樹脂材料は、アクリル樹脂を含むものである上記(14)に記載の複合体組成物。
(16) 前記繊維状フィラーの含有率は、0.1〜99.9重量%である上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の複合体組成物。
(17) 上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の複合体組成物を成形してなる複合体であって、
厚さが10〜2000μmであることを特徴とする複合体。
(18) 180℃×2時間の条件で加熱処理した後において、全光線透過率が50%以上である上記(17)に記載の複合体。
(19) 30℃から150℃における熱膨張係数が、−30〜50ppm/℃である上記(17)または(18)に記載の複合体。
(20) 湿度膨張係数が、100ppm/湿度%以下である上記(17)ないし(19)のいずれかに記載の複合体。
本発明によれば、高温時の繊維状フィラーの熱分解、重量減少を抑えることにより、変色を抑制するとともに、低熱膨張係数、高強度、低湿度膨張係数の優れた特性を有する複合体を製造可能な複合体組成物が得られる。
また、本発明によれば、前記複合体組成物を所定の形状に成形することにより、耐変色性に優れるとともに、低熱膨張係数、高強度、低湿度膨張係数等の各種特性を有する複合体が得られる。
繊維状フィラーについて測定される熱重量(TG)曲線の例を示すグラフである。
以下、本発明の複合体組成物および複合体について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<複合体組成物>
本発明の複合体組成物は、繊維状フィラーを含み、所定の形状に成形することにより複合体を製造し得るものである。
繊維状フィラーは、酸化処理と熱分解抑制処理とが施された繊維で構成されたものである。
この熱分解抑制処理は、繊維状フィラーについてJIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して測定された180℃における重量減少率を重量減少率Aとし、酸化処理が施された繊維を前記熱重量測定方法と同様の方法に準拠して測定された180℃における重量減少率を重量減少率Bとしたとき、A<Bなる関係を満足させる処理である。
このような処理が施された繊維状フィラーを含む複合体組成物は、成形され、複合体とされたとき、繊維状フィラー同士が絡み合って、場合によっては樹脂材料中に分散して、成形体の機械的特性を高める。このため、得られた複合体組成物は、機械的強度が高く、熱膨張係数および湿度膨張係数が低いものとなる。また、本発明の複合体組成物を用いることにより、高温時の熱分解、重量減少が抑制されるため、繊維状フィラーの耐熱性が向上し、高温時の耐変色性に優れた複合体が得られる。
本発明の複合体組成物は、繊維状フィラーのみで構成することもできるが、ここでは、繊維状フィラーと樹脂材料とを含む複合体組成物について詳述する。
(繊維状フィラー)
本発明の複合体組成物に含まれる繊維状フィラーは、いかなる繊維であってもよいが、好ましくはセルロース繊維で構成されたものである。
セルロース繊維としては、天然セルロース繊維、再生セルロース繊維が挙げられる。一方、セルロース繊維以外の繊維としては、例えば、キチン繊維、キトサン繊維等が挙げられる。
このうち、天然セルロース繊維としては、針葉樹や広葉樹から得られる精製パルプ、コットンリンターやコットンリントより得られるセルロース繊維、バロニアやシオグサなどの海草より得られるセルロース繊維、ホヤより得られるセルロース繊維、バクテリアの生産するセルロース繊維等が挙げられる。一方、再生セルロース繊維としては、天然セルロース繊維をいったん溶解した後、セルロースの組成のままで繊維状に再生したものが挙げられる。
また、本発明に用いられるセルロース繊維は、高結晶性のものが好ましく用いられる。このようなセルロース繊維は、特に線膨張率が小さく、機械的強度が高くなるため、繊維状フィラーとして好適に用いられる。なお、かかる観点から、本発明に用いられるセルロース繊維としては、再生セルロース繊維よりも天然セルロース繊維が好ましい。
繊維状フィラーに含まれるセルロース繊維の平均繊維径は、4〜1000nmであるのが好ましく、4〜300nmであるのがより好ましく、4〜200nmであるのがさらに好ましい。セルロース繊維の平均繊維径が前記範囲内であれば、最終的に得られる複合体において、繊維状フィラーが光の透過の阻害要因となることが防止される。このため、透明性を有する樹脂材料を用いることにより、透明性の高い複合体が得られる。
一方、セルロース繊維の平均長さは、特に限定されないが、100nm以上であるのが好ましく、200nm以上であるのがより好ましい。これにより、繊維状フィラーの補強効果がより顕著なものとなり、複合体において、機械的強度のさらなる向上と、熱膨張係数および湿度膨張係数のさらなる低下が図られる。
また、セルロース繊維の結晶化度は、特に限定されないものの、50〜95%であるのが好ましく、70〜90%であるのがより好ましい。このような結晶化度のセルロース繊維は、繊維自体の機械的特性が特に高くなり、複合体の機械的特性を特に高めることができる。
ここで、平均繊維径の測定は、以下のようにして行うことができる。
まず、固形分率で0.05〜0.1重量%のセルロース繊維の分散体を調製し、該分散体を、カーボン膜被覆グリッド上にキャストして透過型電子顕微鏡(TEM)観察用試料とする。また、大きな繊維径のセルロース繊維を含む場合には、ガラス上へキャストした表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察してもよい。
顕微鏡観察時には、構成するセルロース繊維の繊維径に応じて、5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像を取得する。この際に、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定した場合に、少なくとも軸に対し、20本以上のセルロース繊維が交差するように、試料条件および観察条件(倍率等)を設定する。
そして、この条件を満足する観察画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、各軸に交錯する繊維の繊維径を目視で読み取っていく。なお、試料表面について、互いに重複しないように撮影位置をずらしつつ、最低3枚の観察画像を電子顕微鏡で取得し、各画像についてそれぞれ上記のようにして繊維径を読み取る。これにより、最低20本×2×3=120本のセルロース繊維について繊維径の情報が得られる。このようにして得られた繊維径のデータに基づき、平均繊維径を算出する。
本発明に用いられるセルロース繊維としては、公知のいかなる方法で得られたものでもよく、その製法は特に限定されないが、一例として、セルロース原料(天然セルロースまたは再生セルロース)を、媒体撹拌ミル処理装置、振動ミル処理装置、高圧ホモジナイザー処理装置、超高圧ホモジナイザー処置装置等の各種微細化装置により機械的に微細化したものが用いられる。また、別の方法として、エレクトロスピニング法、スチームジェット法、APEX(登録商標)技術(Polymer Group.Inc)法などにより得られたセルロース繊維を用いることもできる。しかしながら、エネルギー効率等を考慮すると、セルロース原料としては、以下に示す化学的な処理を伴う方法により得られたセルロース繊維が最も好ましい。
以下で説明するセルロース繊維の作製方法は、セルロース原料に化学的処理を施した後、機械的処理に供することで分散媒中に分散させ、セルロース繊維(ナノセルロースファイバー)を作製する方法である。
具体的には、[1]天然セルロースを原料とし、水中においてN−オキシル化合物を酸化触媒とし、共酸化剤を作用させることにより天然セルロースを酸化して反応物繊維を得る酸化反応工程と、[2]不純物を除去して水を含浸させた反応物繊維を得る精製工程と、[3]水を含浸させた反応物繊維を分散媒に分散させる分散工程とを有する。以下に各工程について詳細に説明する。
[1]酸化反応工程
まず、酸化反応工程では、水中にセルロース原料を分散させた分散液を調製する。ここで、用いるセルロース原料は、あらかじめ叩解等の表面積を高める処理を施したものが好ましく用いられる。これにより反応効率を高めることができ、生産性を高めることができるからである。さらに、セルロース原料として、単離、精製の後、ネバードライで保存していたものを使用するとミクロフィブリルの集束体が膨潤し易い状態になるため、やはり反応効率を高め、微細化処理後の数平均繊維径を小さくすることができ、好ましい。一例として、本工程の酸化反応におけるセルロースの分散媒は水であり、反応水溶液中のセルロース濃度は、試薬の十分な拡散が可能な濃度であれば任意であるが、通常、反応水溶液の重量に対して約5%以下である。
また、セルロースの酸化触媒として使用可能なN−オキシル化合物は数多く報告されている。例えば、「Cellulose」Vol.10、2003年、第335〜341ページにおけるI.ShibataおよびA.Isogaiによる「TEMPO誘導体を用いたセルロースの触媒酸化:酸化生成物のHPSEC及びNMR分析」と題する記事に記載された、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル)、4−アセトアミド−TEMPO、4−カルボキシ−TEMPO、および4−フォスフォノオキシ−TEMPOの各種N−オキシル系化合物触媒は、水中における常温での反応速度において好ましく用いられる。なお、これらのN−オキシル化合物の添加は触媒量で十分であり、好ましくは0.1〜4mmol/l、より好ましくは0.2〜2mmol/lの範囲で反応水溶液に添加する。
また、共酸化剤としては、次亜ハロゲン酸またはその塩、亜ハロゲン酸またはその塩、過ハロゲン酸またはその塩、過酸化水素、および過有機酸などが挙げられるが、アルカリ金属次亜ハロゲン酸塩、例えば、次亜塩素酸ナトリウムや次亜臭素酸ナトリウムが好ましい。さらに、次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合、臭化アルカリ金属、例えば臭化ナトリウムの存在下で反応を進めることが反応速度において好ましい。この臭化アルカリ金属の添加量は、N−オキシル化合物に対して約1〜40倍モル量、好ましくは約10〜20倍モル量とされる。
また、反応水溶液のpHは約8〜11の範囲で維持されることが好ましい。水溶液の温度は約4〜40℃において任意であるが、反応は室温で行うことが可能であり、特に温度の制御は必要としない。
共酸化剤によりセルロース分子には水酸基を置換するようにカルボキシル基が導入されるが、本発明に使用する微細セルロース繊維を得るにあたっては、セルロース原料の種類によって必要とされるカルボキシル基量が異なるため、それに応じて共酸化剤の添加量や共酸化剤を作用させる時間を設定すればよい。具体的には、セルロース原料として木材パルプおよび綿系パルプを用いる場合、必要とされるカルボキシル基量はセルロース原料に対して0.2〜2.2mmol/gであり、セルロース原料としてバクテリアセルロース(BC)やホヤからの抽出セルロースを用いる場合、必要とされるカルボキシル基量は0.1〜0.8mmol/gとされる。このようにセルロース原料の種類に応じて必要な酸化条件が異なるため、それに基づいて、共酸化剤の添加量と反応時間を制御することにより、各セルロース原料に最適なカルボキシル基量を得ることができる。一例として、共酸化剤の添加量は、セルロース原料1gに対して約0.5〜8mmolの範囲に設定されることが好ましく、反応時間は約5〜120分、長くとも240分以内とされるのが好ましい。
なお、本酸化反応工程における酸化処理を経ることにより、セルロース分子にはカルボキシル基が導入されるが、部分的に、酸化処理の進行度合いによっては、アルデヒド基が導入される場合もある。したがって、酸化処理後のセルロース分子の水酸基は、アルデヒド基およびカルボキシル基の少なくとも一方で置換されていることになる。このようなセルロース繊維を含む複合体組成物は、後に詳述するものの、高温時における複合体の耐変色性を高めるにあたり、複合体組成物の各種条件を最適化するための指標を決定する際に用いられる。
[2]精製工程
精製工程においては、未反応の次亜塩素酸や各種副生成物等の反応スラリー中に含まれる反応物繊維と水以外の化合物とを系外へ除去する。反応物繊維は通常、この段階ではナノファイバー単位までバラバラに分散しているわけではないため、通常の精製法、すなわち水洗とろ過を繰り返すことで高純度(99重量%以上)化を図る。
本精製工程における精製方法は、遠心脱水を利用する方法のように、上述した目的を達成できる装置(例えば、連続式デカンダー)であればどんな装置を利用しても構わない。こうして得られる反応物繊維の水分散体は、絞った状態の固形分(セルロース)濃度として、およそ10〜50重量%の範囲にある。なお、この後の工程で、ナノファイバーへ分散させることを考慮すると、50重量%よりも高い固形分濃度とすると、分散に極めて高いエネルギーが必要となることから好ましくない。
[3]分散工程
上述した精製工程においては、水を含浸した反応物繊維(水分散体)が得られるが、これを溶媒中に分散させ、分散処理を施すことにより、本発明に用いられる微細セルロース繊維が、水分散体の状態で得られる。
ここで、分散媒としての溶媒は通常は水が好ましいが、水以外にも目的に応じて水に可溶するアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール、グリセリン等)、エーテル類(エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド等を使用してもよい。また、これらの混合物も好適に使用できる。
また、上述した反応物繊維の分散体を溶媒によって希釈、分散する際には、少しずつ溶媒を加えて分散していく、段階的な分散を試みると効率的にナノファイバーレベルの繊維の分散体を得ることができることがある。操作上の問題から、分散工程後の状態は粘性のある分散液あるいはゲル状の状態となるように分散条件を選ぶとよい。
ここで、分散工程で使用する分散機としては、種々なものを使用することができる。具体例を示せば、反応物繊維における反応の進行度(アルデヒド基やカルボキシル基への変換量)にも依存するが、好適に反応が進行する条件下では、スクリュー型ミキサー、パドルミキサー、ディスパー型ミキサー、タービン型ミキサー等の工業生産機としての汎用の分散機で十分に微細セルロース繊維の分散体を得ることができる。
また、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、超音波分散処理、ビーター、ディスク型レファイナー、コニカル型レファイナー、ダブルディスク型レファイナー、グラインダーのような高速回転下で強力な叩解能力を有する装置を使用することにより、より効率的かつ高度なダウンサイジングが可能となる。さらに、これらの装置を使用することにより、アルデヒド基やカルボキシル基の量が比較的小さい場合(例えば、アルデヒド基やカルボキシル基のセルロースに対する総和量として、0.1〜0.5mmol/g)にも、高度に微細化された微細セルロース繊維の分散体を提供できる。
次に、微細セルロース繊維を分散媒中に分散させた分散体から、微細セルロース繊維を回収する方法について説明する。
具体的には、上述した微細セルロース繊維の分散体を乾燥させることによって微細セルロース繊維を回収することができる。
ここで乾燥には、例えば、分散媒が水である場合には凍結乾燥法、分散媒が水と有機溶媒の混合液である場合には、ドラムドライヤーによる乾燥や場合によってはスプレードライヤーによる噴霧乾燥を好適に使用することができる。
また、上述した微細セルロース繊維の分散体の中には、バインダーとして水溶性高分子(ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、デンプン、天然ガム類等)、糖類(グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、トレハロース等)を添加するようにしてよい。これらのバインダー成分は、極めて沸点が高くしかもセルロースに対して親和性を有するため、これらの成分を分散体中に添加することにより、ドラムドライヤーやスプレードライヤーのような汎用の乾燥法で乾燥させた場合でも、再度分散媒中に分散させたときの凝集が防止され、ナノファイバーとして分散した微細セルロース繊維の分散体を確実に得ることができる。この場合には、分散体中に添加するバインダーの量は、反応物繊維に対して10〜80重量%の範囲にあることが好ましい。
なお、微細セルロース繊維は再び、分散媒(水や有機溶媒あるいはこれらの混合液)中へ混入し、適当な分散力(例えば、上述した微細セルロース繊維の分散体の製造における分散工程で使用する各種分散機を用いた分散)を加えることにより微細セルロース繊維の分散体とすることができる。
本発明に使用する微細セルロース繊維は、セルロースの水酸基の一部がカルボキシル基またはアルデヒド基に酸化されており、かつセルロースI型結晶構造を有することが好ましい。これは、I型結晶構造を有する微細セルロース繊維が、天然由来のセルロース固体原料を表面酸化し、微細化した繊維であることを意味する。
なお、微細セルロース繊維がI型結晶構造を有することは、その広角X線回折像測定により得られる回折プロファイルにおいて、2シータ=14〜17°付近と2シータ=22〜23°付近の二つの位置に典型的なピークを持つことから同定することができる。さらに、微細セルロース繊維のセルロースにアルデヒド基あるいはカルボキシル基が導入されていることは、水分を完全に除去したサンプルにおいて全反射式赤外分光スペクトル(ATR)においてカルボニル基に起因する吸収(1608cm−1付近)が存在することにより確認することができる。特に、酸型のカルボキシル基(−COOH)の場合には、上記の測定において1730cm−1に吸収が存在する。
微細なセルロース繊維は、上述した理由により、セルロースに存在するカルボキシル基とアルデヒド基の量の総和が多い方がより微小な繊維径として安定に存在し得る。例えば木材パルプや綿パルプの場合、微細なセルロース繊維に存在するカルボキシル基とアルデヒド基の量の総和(以下、省略して「総和量」という。)がセルロース繊維の重量に対し、0.2〜2.2mmol/g、好ましくは0.5〜2.2mmol/g、さらに好ましくは0.8〜2.2mmol/gであると、ナノファイバーとしての安定性に優れたセルロース繊維が得られる。また、BCやホヤからの抽出セルロースのようなミクロフィブリルの繊維径が比較的太いセルロースの場合(平均繊維径が数10nmのオーダー)には、総和量は0.1〜0.8mmol/g、好ましくは0.2〜0.8mmol/gであるとナノファイバーとしての安定性に優れたセルロース繊維が得られる。なお、総和量が0.1mmol/gよりも小さい場合には、従来知られている微細化されたセルロース繊維との物性上の差異(例えば、分散体における分散安定化効果)も小さくなるとともに、微小な繊維径の繊維として得られ難くなるため、好ましくない。
さらに、ノニオン性の置換基であるアルデヒド基に対し、カルボキシル基が導入されることにより、電気的な反発力が生まれる。これにより、ミクロフィブリルが凝集を維持せずにバラバラになろうとする傾向が増大するため、ナノファイバーの分散体としての安定性はより増大する。例えば木材パルプや綿パルプの場合、微細なセルロース繊維に存在するカルボキシル基の量がセルロース繊維の重量に対し、0.2〜2.2mmol/g、好ましくは0.4〜2.2mmol/g、さらに好ましくは0.6〜2.2mmol/gであると、ナノファイバーとしての安定性に極めて優れたセルロース繊維が得られる。また、BCやホヤからの抽出セルロースのようなミクロフィブリルの繊維径が比較的太いセルロースの場合には、カルボキシル基の量は0.1〜0.8mmol/g、好ましくは0.2〜0.8mmol/gであると、ナノファイバーとしての安定性に優れたセルロース繊維が得られる。
ここで、セルロース繊維の重量に対するセルロースのアルデヒド基およびカルボキシル基の量(mmol/g)は、以下の手法により評価する。
乾燥重量を精秤したセルロース試料を用いて濃度が0.5〜1重量%のスラリーを60ml調製し、0.1Mの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して電気伝導度測定を行う。この測定はpHが約11になるまで続ける。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下式を用いて官能基量を算出する。ここで算出された官能基量を「官能基量1」とする。この官能基量1がカルボキシル基の量を示す。
官能基量(mmol/g)=V(ml)×0.05/セルロースの質量(g)
次に、セルロース試料を、酢酸によってpH4〜5に調製した2%亜塩素酸ナトリウム水溶液中でさらに48時間常温で酸化し、上記手法によって再び官能基量を算出する。ここで算出された官能基量を「官能基量2」とする。そして、この酸化によって追加された官能基量(=官能基量2−官能基量1)を算出する。この官能基量がアルデヒド基の量を示す。
以上のようにして、本発明に用いられるセルロース繊維が得られる。
(樹脂材料)
本発明に用いられる樹脂材料としては、公知のものを用いることができ、特に限定されないものの、各種硬化性樹脂、各種可塑性樹脂、各種水溶性樹脂等を含むものが挙げられる。
水溶性樹脂としては、水に溶解するものであれば特に限定されず、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、天然高分子等が挙げられるが、好ましくはポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンのような合成高分子、デンプン類、アルギン酸類のような多糖類、木材の構成成分であるヘミセルロース、ゼラチン、ニカワ、カゼインをはじめとするたんぱく質のような天然高分子等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート、ポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリプロピルラクトン等のポリエステル、ポリエチレングリコール等のポリエーテル、ポリグルタミン酸、ポリリジン等のポリアミド等が挙げられる。
一方、硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、マレイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。
このうち、アクリル樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレートのようなアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートの他、環状のアクリレートまたはメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート等を1種以上含む樹脂が挙げられる。
また、フェノール樹脂としては、分子内にフェノール性水酸基を1つ以上有する有機化合物が含まれ、例えば、ノボラックやビスフェノール類、ナフトールやナフトールを分子内に有する樹脂、パラキシリレン変性フェノール樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール、メチロール型フェノール等のレゾール樹脂が挙げられる。また、これらの樹脂をさらにメチロール化させた化合物、フェノール性水酸基を1つ以上含むリグニンやリグニン誘導体、リグニン分解物、さらにリグニンやリグニン誘導体、リグニン分解物を変性したもの、あるいはこれらを石油資源から製造されたフェノール樹脂と混合したものを含む樹脂が挙げられる。
また、エポキシ樹脂は、少なくとも1個のエポキシ基を有する有機化合物をいう。例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型のエポキシ樹脂、これらのビスフェノール型エポキシ樹脂の水添化物、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート骨格を有するエポキシ樹脂、カルド骨格を有するエポキシ樹脂、ポリシロキサン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式多官能エポキシ樹脂、水添ビフェニル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、樹脂材料として硬化性樹脂を用いた場合、本発明の複合体組成物を硬化させる方法は特に限定されないが、組成物中に、酸無水物や脂肪族アミン等の架橋剤、またはカチオン系硬化触媒もしくはアニオン系硬化触媒等の硬化促進剤を添加することが好ましい。
このうち、カチオン系硬化触媒としては、例えば加熱によりカチオン重合を開始させる物質を放出するもの、例えばオニウム塩系カチオン硬化触媒、またはアルミニウムキレート系カチオン硬化触媒)や、活性エネルギー線によってカチオン重合を開始させる物質を放出させるもの(例えばオニウム塩系カチオン系硬化触媒等)が挙げられる。具体的には、芳香族スルホニウム塩として三新化学工業製のSI−60L、SI−80L、SI−100L、旭電化工業製のSP−66やSP−77等のヘキサフルオロアンチモネート塩挙げられ、アルミニウムキレートとしてはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられ、三フッ化ホウ素アミン錯体としては、三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素イミダゾール錯体、三フッ化ホウ素ピペリジン錯体等が挙げられる。
一方、アニオン系硬化促進剤としては、例えば1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン等の三級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾールや1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のリン化合物、四級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等が挙げられ、これらの中でも透明性が優れることからリン化合物や1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類が好ましい。これら硬化促進剤は、単独で用いても2種以上を併用して用いてもよい。
なお、上述した水溶性樹脂、熱可塑性樹脂、および硬化性樹脂は、それぞれ個別に用いることも、または、2つ以上を組み合わせて用いることもできる。
(複合体組成物)
上述したような繊維状フィラーおよび樹脂材料を含む複合体組成物においては、繊維状フィラーの配合量の重量分率が0.1〜99.9%であることが好ましく、0.1〜75%であることがさらに好ましい。なお、配合量は特に限定されるものではなく樹脂組成物を成形した際に必要とされる特性に応じて調整される。例えば、繊維状フィラーの特性を反映させたい場合は繊維状フィラーの配合量を増加させ、樹脂材料の特性を反映させたい場合は樹脂の配合量を増加させることが出来る。
また、本発明の複合体組成物においては、必要に応じて、熱可塑性または熱硬化性のオリゴマーやポリマーを併用することができる。また、本発明の複合体組成物には、必要に応じて、特性を損なわない範囲で、少量の紫外線吸収剤、染顔料、他の無機フィラー等の充填剤等を含んでいてもよい。
このような本発明の複合体組成物は、任意の方法により各成分を混合することにより得ることができる。例えば樹脂材料と繊維状フィラーをそのまま混合するようにしてもよく、必要に応じて加熱しつつ混合するようにしてもよい。また、分散媒を用いて繊維状フィラーの均一分散液を調製し、後に脱分散媒を行う方法を用いると、繊維状フィラーの分散性に優れた複合体組成物を得ることができる。用いる分散媒としては、例えば繊維状フィラーの分散性を維持でき、かつ樹脂材料および/または後述するカップリング剤を溶解し得る溶剤を用いることにより均一に混合することができる。このような溶剤としては、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセルソルブ、テトラヒドロフラン、ペンタエリスリトール、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられ、これらを単独もしくは2種類以上を混合して用いることもできる。また、元の分散媒の分極率を目的の分散媒の極性へと徐々に変化させ、繊維状フィラーを異なる極性の分散媒に分散することも可能である。
また、本発明の複合体組成物は、所定の形状に成形されることにより、複合体となる。この複合体は、機械的強度が高く、熱膨張係数および湿度膨張係数が低いだけでなく、透明性が高いという特徴を有する。このため、複合体は、機械的特性を活かした用途のみならず、光学分野への応用も期待されている。
しかしながら、このような複合体は、高温時に変色することが課題となっていた。この変色は、複合体の光透過性を低下させ、光学部品としての性能が著しい低下を招いていた。
このような課題に対し、本発明者は、高温時における複合体の耐変色性を高める条件について、鋭意検討を行った。そして、複合体組成物が含む繊維状フィラーとして、セルロース単体と比較したときにセルロース成分の熱分解を抑制し得る熱分解抑制処理を施したセルロース繊維を用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
ここで、上記の熱分解抑制処理は、繊維状フィラーについてJIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して測定された180℃における重量減少率をAとし、酸化処理が施されたセルロース繊維を測定対象物として用い、このセルロース繊維について前記熱重量測定方法と同様の方法に準拠して測定された180℃における重量減少率をBとしたとき、A<Bなる関係を満足させる処理である。
このような条件を満たす複合体組成物を用いて製造された複合体は、高温時における耐変色性が特に高いものとなる。このため、例えば光学部品を有する製品の製造過程あるいは使用過程において、光学部品が高温になったとしても、本発明の複合体が適用された光学部品であれば、著しい変色を防止することができる。このため、光学部品の光学特性の低下が防止され、信頼性の高い製品を得ることができる。
また、このような最適条件を見出したことにより、複合体組成物の製造が容易になる。すなわち、従来、耐変色性の高い複合体組成物を製造するにあたっては、繊維状フィラーの各種条件が耐変色性に対して複雑に作用しているという背景から、製造条件を最適化することは不可能であった。
これに対し、本発明において上記の最適条件を見出したことにより、繊維状フィラーの各種条件を最適化する方向性を確立することができる。その結果、本発明によれば、種々の処理によって繊維状フィラーの重量減少を抑えることにより、高温時における耐変色性の高い複合体組成物を容易かつ確実に製造することができる。
また、重量減少率Aおよび重量減少率Bは、A<Bであればよいが、A/B≦0.9なる関係を満足するのが好ましい。これにより、複合体の高温時における耐変色性がより顕著なものとなり、例えば光学部品に適用した場合でも、優れた光学特性を有する光学部品が得られる。
なお、重量減少率A、Bの測定方法を、以下に示す。
まず、試料が加熱されているときに、その質量を連続的に測定可能な熱天びんを用意し、測定対象の繊維状フィラーを熱天びんの試験片容器に載せる。次いで、熱天びんの周囲に乾燥空気を流入させる。この際の乾燥空気の流量は毎分100〜300mlとする。なお、試料としては、繊維状フィラーを膜状に成形したものが用いられる。
次いで、繊維状フィラーの加熱前の質量を測定する。そして、加熱に先立って乾燥空気を1時間以上流入する。
次いで、毎分10℃で昇温を開始し、180℃になるまで加熱を続ける。その後、180℃が維持されるように加熱パターンを調整しつつ、加熱に伴って変化する繊維状フィラーの質量を随時記録する。
このようにして測定された重量減少率を縦軸、温度を横軸としたとき、得られた曲線が熱重量(TG)曲線となる。
そして、加熱開始から150分経過後の重量減少率を、それぞれ重量減少率A、Bとする。
ここで、繊維状フィラーについて上述したような条件を満足させるような熱分解抑制処理としては、例えば、後述する繊維状フィラーに化学修飾を施す処理、カップリング剤またはカップリング剤の加水分解物を導入する処理、酸化防止剤を導入する方法等が挙げられる。
このうち、化学修飾としては、例えばアセチル化処理等が挙げられる。セルロース繊維に対してアセチル化処理を施すことにより、セルロース分子中の水酸基の少なくとも一部がアセチル基(ーCHCO)で置換される(アセチル化)。その結果、高温時における繊維状フィラーの熱分解性が抑制されることとなり、繊維状フィラーは上記関係を満たすものとなる。アセチル化処理としては、例えば、セルロース繊維を含む分散体中に無水酢酸を添加する処理、セルロース繊維が膜状に成形されたものを無水酢酸中に浸漬する処理等が挙げられる。また、必要に応じて、無水酢酸に、酢酸、硫酸、ベンゼン、ピリジン、酢酸ナトリウム等を添加してもよい。
また、セルロース分子中において、できるだけ多くの水酸基がアセチル化されることにより繊維状フィラーの熱分解性が抑制されると考えられるが、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上の水酸基がアセチル化されていることが好ましい。
なお、セルロース繊維のアセチル化方法としては、例えば、塩基存在下でセルロース繊維に対して塩化アセチルや無水酢酸を作用させる方法が挙げられる。塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン等が挙げられる。
ここで、繊維状フィラーにアセチル化処理を施した際に測定される熱重量(TG)曲線の例を図1に示す。図1に示すグラフには、重量減少率Aを示す熱重量曲線a(本発明に相当)と、重量減少率Bを示す熱重量曲線b(従来技術に相当)とが描かれている。
図1から明らかなように、熱重量曲線aは、加熱開始直後に急激な重量減少が認められるものの、その後の加熱に伴う重量減少は比較的緩やかである。一方、熱重量曲線bは、加熱開始後、50分程度の間に10%以上の急激な重量減少が生じる。その後は緩やかな重量減少に移行するものの、熱重量曲線aよりも同温度領域における重量減少速度が大きい。このため、熱重量曲線aとの間に大きな差が生じる。この差が、最終的に複合体の耐変色性に影響を及ぼすものと考えられる。
また、カップリング剤としては、公知のものを用いることができるが、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられ、これらの中でもシラン系カップリング剤またはチタン系カップリング剤が好ましい。これらは比較的入手が容易であり、無機材料と有機材料の界面における接着性が高いことから、複合体組成物に含まれるカップリング剤として好適である。
上記カップリング剤のうち、シラン系カップリング剤は少なくともケイ素原子を1個以上、官能基としてアルコキシ基を1個以上含んでいることが好ましい。また、それ以外の官能基としてはエポキシ基、あるいはエポキシシクロヘキシル基、アミノ基、水酸基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、フェニル基、スチリル基、イソシアネート基等が挙げられる。なお、本発明においてはカップリング剤と同等の効果が得られることから、アルコキシ基を4個含むテトラアルコキシシランもシランカップリング剤に含まれる。
シラン系カップリング剤の具体例としては、テトラアルコキシシラン化合物、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシランのようなアルキル基含有アルコキシシラン化合物、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドプロピルメチルジアルコキシシラン、2−(3,4−エポキシシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシランなどのエポキシシラン化合物、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリアルコキシシランのようなアミノアルコキシシラン化合物、3−アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランなどの(メタ)アクリルアルコキシシラン化合物、ビニルトリアルコキシシランのようなビニルアルコキシシラン化合物、フェニルトリアルコキシシラン、ジフェニルジアルコキシシラン、4−ヒドロキシフェニルトリアルコキシシランのようなフェニル基含有のトリアルコキシシラン化合物、3−イソシアネートプロピルトリアルコキシシランのようなスチリル基含有アルコキシシラン化合物等が例示される。これらの中でも、テトラアルコキシシラン化合物、アルキル基含有アルコキシシラン化合物、フェニル基含有アルコキシシラン化合物が耐水性を高める効果が高く好ましい。
一方、チタン系カップリング剤の具体例としては、アルコキシシラン化合物と同様の置換基を有するアルコキシチタン化合物が挙げられる。例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルフォニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルフォスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルフォスファイト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルフォスフェート)チタネート、イソプロピルトリクシルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)フォスファイトチタネート等が挙げられる。
また、カップリング剤に代えて、前述したようにカップリング剤の加水分解物を用いても構わない。カップリング剤またはその加水分解物の選択は、分散媒等との相溶性、加水分解物の安定性などを勘案し、適宜選択すればよく、加水分解物は酢酸水溶液などの酸性水溶液をカップリング剤と撹拌混合することにより容易に作成することができる。また、カップリング剤の加水分解物としては、加水分解性基(アルコキシド基)を加水分解したものでなくても、分子構造がカップリング剤の加水分解物と同一であればよい。
また、カップリング剤としては、特に官能基としてアクリル基またはメタクリル基を有するカップリング剤が好ましい。このようなカップリング剤を用いることにより、カップリング剤が繊維状フィラーの熱分解性の抑制に効果的に作用する。これは、高温時、熱の作用により発生するフリーラジカルは、一般的にセルロースや樹脂材料等の変色の原因であるとされているが、アクリル基およびメタクリル基がこのフリーラジカルを捕捉することにより、樹脂材料の変色を抑制すると考えられるからである。これにより、複合体の耐変色性のさらなる向上が図られる。
一方、酸化防止剤としては、例えば、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、1,1−ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン、スチレン化フェノールのようなフェノール系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオン酸エステルのような硫黄系酸化防止剤、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトのようなリン系酸化防止剤等が挙げられる。このような酸化防止剤も、熱の作用により発生するフリーラジカルを捕捉して、セルロースや樹脂材料の変色を抑制すると考えられる。
また、以上のような複合体組成物から得られた複合体は、耐変色性が高いだけでなく、繊維状フィラー同士が絡み合ったり、繊維状フィラーにより樹脂材料が補強されることにより、機械的強度が高く、熱膨張係数および湿度膨張係数が低いものとなる。
(複合体)
本発明の複合体組成物は、成形されることにより、所定の形状を有する複合体となる。
本発明の複合体組成物を板状に成形して、太陽電池用基板、有機EL用基板、電子ペーパー用基板、液晶表示素子用プラスチック基板等の各種透明基板(複合体)として用いられる。
このような観点から、本発明の複合体は、その厚さが10〜2000μm程度であるのが好ましく、20〜200μm程度であるのがより好ましい。これにより、本発明の複合体は、上述したような透明基板として必要かつ十分な機械的強度と光透過性とを兼ね備えたものとなる。また、複合体の厚さが前記範囲内であれば、平坦性に優れ、従来のガラス基板と比較して透明基板の軽量化を図ることができる。
また、本発明によれば、複合体の製造過程あるいは使用過程において、高温の熱履歴を有していても変色が抑制され、光透過性の低下が防止される。具体的には、本発明の複合体を適用した透明基板は、180℃×2時間の条件で加熱処理した後でも、全光線透過率が50%以上であることが好ましく、さらに好ましくは60%以上であり、最も好ましくは65%以上である。このような透明基板は、各種素子の性能を十分に発揮し得るものとなる。例えば、太陽電池用基板の場合、高温の熱履歴を有する透明基板を用いたとしても、十分な量の光を素子に導くことができる。このため、長期にわたって光電変換効率の低下を防止することができる。
さらに、本発明の複合体を、光学用途、すなわち透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等に適用する場合、30〜150℃の平均熱膨張係数(線膨張係数)が50ppm/℃以下であることが好ましく、より好ましくは30ppm/℃以下である。特にシート状のアクティブマトリックス表示素子基板に用いる場合は、前記平均熱膨張係数が30ppm/℃以下であることが好ましく、より好ましくは20ppm/℃以下である。平均熱膨張係数が上限値を超えると、製造工程において複合体の反りや複合体上に形成されたアルミ配線の断線などの問題が生じるおそれがあるからである。
なお、複合体の30〜150℃における平均熱膨張係数の下限値は、特に設定されないが、−30ppm/℃とされる。平均熱膨張係数が下限値を下回ると、複合体を他の部材と接着した場合に、両者の熱膨張差が大きくなり過ぎて、接着界面に局所的な熱応力が発生し、接着界面が剥がれてしまうおそれがある。
また、本発明の複合体を、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル等に適用する場合、湿度膨張係数は、好ましくは100ppm/湿度%以下であり、より好ましくは50ppm/湿度%以下であり、さらに好ましくは30ppm/湿度%以下である。これにより、本発明の複合体は、製造工程や使用時において吸湿したとしても、その寸法変化は十分に抑制されることとなる。その結果、寸法変化に伴う複合体の反りや複合体上に形成されたアルミ配線の断線等の不具合を確実に防止することができる。
また、本発明の複合体を光学シートに適用する場合、平滑性向上のために両面に樹脂のコート層を設けてもよい。コートする樹脂としては、優れた透明性、耐熱性、耐薬品性を有していることが好ましく、具体的には多官能アクリレートやエポキシ樹脂などが挙げられる。コート層の厚みは0.1〜50μmが好ましく、0.5〜30μmであるのがより好ましい。
本発明の複合体を適用した光学シートは、特に表示素子用プラスチック基板として用いられる場合には、必要に応じて水蒸気や酸素に対するガスバリア層や透明電極層を設けてもよい。
なお、本発明の複合体組成物を用いて、太陽電池用基板、有機EL用基板、電子ペーパー用基板、液晶表示素子用プラスチック基板等の所定の厚みを有するシートを得る方法は、一般的なシート形成方法であればよく、特に限定されない。例えば樹脂材料および繊維状フィラーを含む複合体組成物をそのままシート化する方法や、繊維状フィラーの分散媒を流延した後、分散媒を除去し、繊維状フィラーのシートを得、後に樹脂材料を含浸させる方法、または樹脂材料と繊維状フィラーと分散媒とを含む溶液を流延した後、分散媒を除去し、シートを得る方法が挙げられる。
そのようなプロセスにおいて好ましい態様の一つとしては、樹脂材料と繊維状フィラーとをあらかじめ分散媒中に分散して分散液を調製した後、得られた分散液をろ紙、メンブレンフィルターまたは抄網などに流延し、分散媒等のその他成分を濾別および/または乾燥させ、複合体組成物からなるシートを得る方法である。なお、前記濾別乾燥工程においては、作業効率を高めるため減圧下、加圧下で行っても構わない。また、連続的に形成する場合には、製紙業界で使用される抄紙機を用いて薄層シートを連続的に形成する方法も含まれる。
流延してシートを作製する場合、濾別および/または乾燥後に形成されたシートが容易に剥離する基材上に作製されることが好ましい。このような基材としては、金属製または樹脂製のものが挙げられる。金属製基材としてはステンレス製基材、真ちゅう製基材、亜鉛製基材、銅製基材、鉄製基材などが挙げられ、樹脂製基材としてはアクリル性基材、フッ素系基材、ポリエチレンテレフタレート製基材、塩化ビニル製基材、ポリスチレン性基材、ポリ塩化ビニリデン製基材などが例示できる。
以上、本発明の複合体組成物および複合体の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば複合体には、任意の構成物が付加されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[微細セルロース繊維の作製]
(作製例1)
まず、主に1000nmを超える繊維径のセルロース繊維からなり、乾燥重量で2g相当分の未乾燥のパルプと、0.025gのTEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル)と、0.25gの臭化ナトリウムとを、水150mlに分散させ、分散液を調製した。
次いで、この分散液に対して、13重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、1gのパルプに対して次亜塩素酸ナトリウムの量が2.5mmolとなるように加えて反応を開始した。反応中は分散液中に0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10.5に保つようにした。その後、pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なし、0.5Mの塩酸水溶液でpH7に中和し、反応物をガラスフィルターにてろ過し、ろ過物を十分な量の水で水洗するとともに、ろ過を5回繰り返した。これにより、固形分濃度25重量%の反応物繊維を得た。
次に、該反応物繊維に水を加え、0.2重量%とした。この反応物繊維分散液を高圧ホモジナイザー(ノロ・ソビア製、15MR−8TA型)を用いて圧力20MPaで20回処理し、透明なセルロースナノファイバー分散液を得た。
次に、分散体を親水処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャスト後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色し、TEM観察した。観察の結果、最大繊維径が10nmであり、数平均繊維径が6nmであった。
また、乾燥させて得られた透明な膜状のセルロース繊維の集合体について、広角X線回折分析を行い、回折像を得た。広角X線回折像からは、この膜状セルロースが、セルロースI型結晶構造を有するセルロース繊維からなることが示された。
また、同じ膜状セルロースについて、全反射式赤外分光分析を行い、ATRスペクトルを得た。ATRスペクトルのパターンからは、カルボニル基の存在が確認され、上述した方法により評価したセルロース繊維中のアルデヒド基の量およびカルボキシル基の量は、0.31mol/gおよび1.7mol/gであった。
[複合体の作製]
(実施例1)
作製例1で得られた固形分濃度0.2%のセルロースナノファイバー分散水溶液と水溶性アクリル樹脂(東亞合成製、ジュリマー AT−210、ガラス転移温度−7℃)とを混合し、室温で30分間撹拌した。得られた混合溶液を離型処理したシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、セルロースナノファイバーの含有量が25重量%で厚み30μmの透明なフィルムを得た。
次いで、セパラブルフラスコに、無水酢酸80mLと酢酸ナトリウム4gと超純水9.6mLとを加えて反応溶液を調製し、この反応溶液中に、膜状セルロース200mgを浸漬し、95℃で15時間、反応を行った。反応終了後、得られたフィルムを超純水で洗浄し、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させた。これにより、セルロース繊維をアセチル化した。得られたフィルムの光線透過率、熱線膨張係数を評価した。全光線透過率は70%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は−10ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率A)を測定したところ、−11重量%であった。
(実施例2)
作製例1で得られた固形分濃度0.2%のセルロースナノファイバー分散水溶液と水溶性アクリル樹脂(東亞合成製、ジュリマー AT−510、ガラス転移温度28℃)とを混合し、室温で30分間撹拌した。得られた混合溶液を離型処理したシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、セルロースナノファイバーの含有量が25重量%で厚み30μmの透明なフィルムを得た。
次いで、セパラブルフラスコに、無水酢酸80mLと酢酸ナトリウム4gと超純水9.6mLとを加えて反応溶液を調製し、この反応溶液中に、膜状セルロース200mgを浸漬し、95℃で15時間、反応を行った。反応終了後、得られたフィルムを超純水で洗浄し、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させた。これにより、セルロース繊維をアセチル化した。得られたフィルムの光線透過率、熱線膨張係数を評価した。全光線透過率は71%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は2ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率A)を測定したところ、−11重量%であった。
(実施例3)
作製例1で得られた固形分濃度0.2%のセルロースナノファイバー分散水溶液と水溶性アクリル樹脂(サイテック社、アクリル共重合体Viacryl6286、ガラス転移温度30℃)とを混合し、室温で30分間撹拌した。得られた混合溶液を離型処理したシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、セルロースナノファイバーの含有量が25重量%で厚み30μmの透明なフィルムを得た。
次いで、セパラブルフラスコに、無水酢酸80mLと酢酸ナトリウム4gと超純水9.6mLとを加えて反応溶液を調製し、この反応溶液中に、膜状セルロース200mgを浸漬し、95℃で15時間、反応を行った。反応終了後、得られたフィルムを超純水で洗浄し、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させた。これにより、セルロース繊維をアセチル化した。得られたフィルムの光線透過率、熱線膨張係数を評価した。全光線透過率は76%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は−25ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率A)を測定したところ、−10重量%であった。
(実施例4)
作製例1で得られた固形分濃度0.2%のセルロースナノファイバー分散水溶液をシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、厚み30μmの透明なフィルムを得た。
次いで、セパラブルフラスコに、無水酢酸80mLと酢酸ナトリウム4gと超純水9.6mLとを加えて反応溶液を調製し、この反応溶液中に、膜状セルロース200mgを浸漬し、95℃で15時間、反応を行った。反応終了後、得られたフィルムを超純水で洗浄し、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させた。これにより、セルロース繊維をアセチル化した。得られたフィルムの光線透過率、熱線膨張係数を評価した。全光線透過率は90%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は13ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率A)を測定したところ、−7重量%であった。
(実施例5)
作製例1で得られた固形分濃度0.2%のセルロースナノファイバー分散水溶液にテトラエトキシシランをセルロースナノファイバー固形分重量と同重量添加し、室温で30分間撹拌した。得られた混合溶液を離型処理したシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、厚み30μmの透明なフィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率、熱線膨張係数を評価した。全光線透過率は88%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は11ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率A)を測定したところ、−14重量%であった。
(実施例6)
作製例1で得られた固形分濃度0.2%のセルロースナノファイバー分散水溶液にフェニルトリエトキシシランをセルロースナノファイバー固形分重量と同重量添加し、室温で30分間撹拌した。得られた混合溶液を離型処理したシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、厚み30μmの透明なフィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率、熱線膨張係数を評価した。全光線透過率は89%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は13ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率A)を測定したところ、−14重量%であった。
(実施例7)
作製例1で得られた固形分濃度0.2%のセルロースナノファイバー分散水溶液に3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランをセルロースナノファイバー固形分重量と同重量添加し、室温で30分間撹拌した。得られた混合溶液を離型処理したシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、厚み30μmの透明なフィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率、熱線膨張係数を評価した。全光線透過率は87%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は11ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率A)を測定したところ、−14重量%であった。
(実施例8)
作製例1で得られた固形分濃度0.2%のセルロースナノファイバー分散水溶液に3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランをセルロースナノファイバー固形分重量と同重量添加し、室温で30分間撹拌した。得られた混合溶液を離型処理したシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、厚み30μmの透明なフィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率、熱線膨張係数を評価した。全光線透過率は90%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は12ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率A)を測定したところ、−13重量%であった。
(実施例9)
作製例1で得られた固形分濃度0.2%のセルロースナノファイバー分散水溶液にチタンアルコキサイドをセルロースナノファイバー固形分重量と同重量添加し、室温で30分間撹拌した。得られた混合溶液を離型処理したシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、厚み30μmの透明なフィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率、熱線膨張係数を評価した。全光線透過率は88%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は12ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率A)を測定したところ、−13重量%であった。
(実施例10)
作製例1で得られた固形分濃度0.2%のセルロースナノファイバー分散水溶液(固形分量100重量部)にジブチルヒドロキシトルエン(酸化防止剤)1重量部を添加し、室温で30分間撹拌した。得られた混合溶液を離型処理したシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、厚み30μmの透明なフィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率、熱線膨張係数を評価した。全光線透過率は89%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は9ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率A)を測定したところ、−8重量%であった。
(比較例1)
水溶性アクリル樹脂(サイテック社、Viacryl6286、ガラス転移温度30℃)をシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、厚み30μmの透明なフィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率、平均線膨張係数を評価した。全光線透過率は74%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は180ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率A)を測定したところ、−15重量%であった。
(比較例2)
作製例1で得られた固形分濃度0.2%のセルロースナノファイバー分散水溶液をシャーレに注ぎ、温度50℃のオーブンで水分を蒸発させ、さらに120℃の真空オーブン中で乾燥し、厚み30μmの透明なフィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率、熱線膨張係数を評価した。全光線透過率は91%であり、30℃〜150℃の範囲における平均線膨張係数は8ppmであった。また、JIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して180℃における重量減少率(重量減少率B)を測定したところ、−17重量%であった。
[複合体の評価]
特性評価方法は、以下の通りである。なお、各実施例および各比較例で得られたフィルムについて、全光線透過率、熱膨張係数および湿度膨張係数を、それぞれ測定した。
なお、各特性の評価は、フィルムの作製直後と、180℃×2時間の加熱処理を施した後について、それぞれ行った。
a)全光線透過率
分光光度計U3200(島津製作所製)で全光線透過率を測定した。
b)熱膨張係数(線膨張係数)
セイコー電子(株)製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で温度を30℃から150℃まで上昇させた後、一旦0℃まで冷却し、再び1分間に5℃の割合で温度を上昇させて30℃〜150℃の時の値を測定して求めた。荷重を5gにし、引張モードで測定を行った。
c)湿度膨張係数
得られたフィルムに寸法測定の基準となる2点を描き、室温23℃、湿度60%の雰囲気下に24時間放置し、その後100℃の乾燥機に3時間入れて乾燥した。
乾燥後、直ちにあらかじめ描いた2点間の距離を3次元測長機で測定し、このときの2点間の距離を基準とした。乾燥後のフィルムを再度室温23℃、湿度60%の雰囲気下に24時間放置した後、あらかじめ描いた2点間の距離を3次元測長機で再度測定し、基準距離からの寸法変化率を算出した。さらに乾燥後の見かけの湿度を0%とし、湿度0%から60%の範囲における湿度1%あたりの湿度膨張係数を算出した。
上記測定の結果を表1に示す。
Figure 2011089054
表1から明らかなように、各実施例で得られたフィルムは、加熱処理後においても高い光線透過率を有していた。特に、繊維状フィラーにアセチル化処理を施したもの、アクリル基またはメタクリル基を含むカップリング剤を導入したものについては、その傾向が顕著であった。
また、各実施例では、いずれも繊維状フィラーの重量減少率Aが、比較例における繊維状フィラーの重量減少率Bより小さかった。
以上のことから、本発明の複合体は、加熱されても加熱前の優れた特性を維持し得ることが明らかとなった。
なお、実施例および比較例で使用した原料は、以下の通りである。
アクリルポリマー
:ジュリマー AT−210 東亞合成製
:ジュリマー AT−510 東亞合成製
:Viacryl6286 サイテック社製
カップリング剤
:テトラエトキシシラン 和光純薬製
:フェニルトリエトキシシラン アズマックス製
:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 信越化学製
:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン 信越化学製
:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 信越化学製
:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン 信越化学製
:チタンアルコキサイド(KR−ET 味の素ファインテクノ製)
酸化防止剤
:ジブチルヒドロキシトルエン(スミライザーBHT 住友化学製)
a 重量減少率Aの熱重量曲線
b 重量減少率Bの熱重量曲線

Claims (20)

  1. 繊維状フィラーを含む複合体組成物であって、
    前記繊維状フィラーは、酸化処理と熱分解抑制処理とが施された繊維で構成されたものであり、
    前記熱分解抑制処理は、前記繊維状フィラーについてJIS K 7120で規定された熱重量測定方法に準拠して測定された180℃における重量減少率をAとし、
    酸化処理が施された繊維について、前記熱重量測定方法と同様の方法に準拠して測定された180℃における重量減少率をBとしたとき、
    A<Bなる関係を満足させる処理であることを特徴とする複合体組成物。
  2. 前記重量減少率Aおよび前記重量減少率Bは、A/B≦0.9なる関係を満足する請求項1に記載の複合体組成物。
  3. 前記繊維状フィラーは、セルロース繊維で構成されたものである請求項1または2に記載の複合体組成物。
  4. 前記セルロース繊維の平均繊維径は、4〜1000nmである請求項3に記載の複合体組成物。
  5. 前記セルロース繊維は、セルロース原料を化学的処理および機械的処理の少なくとも一方により微細化されてなるものである請求項3または4に記載の複合体組成物。
  6. 前記酸化処理が施されたセルロース繊維は、含まれるセルロース分子中の水酸基の一部が、アルデヒド基およびカルボキシル基の少なくとも一方で置換されてなるものである請求項3ないし5のいずれかに記載の複合体組成物。
  7. 前記酸化処理が施されたセルロース繊維は、天然セルロースを原料とし、N−オキシル化合物を酸化触媒として用いるとともに、水中において前記原料に共酸化剤を作用させることにより、前記原料に酸化処理を施して得られたものである請求項3ないし6のいずれかに記載の複合体組成物。
  8. 前記熱分解抑制処理は、セルロース繊維に含まれるセルロース分子中の水酸基の少なくとも一部をアセチル化する処理である請求項3ないし7のいずれかに記載の複合体組成物。
  9. 前記熱分解抑制処理は、セルロース繊維に対してカップリング剤およびカップリング剤の加水分解物の少なくとも一方を導入する処理である請求項3ないし7のいずれかに記載の複合体組成物。
  10. 前記カップリング剤は、アルコキシシランまたはアルコキシチタンである請求項9に記載の複合体組成物。
  11. 前記カップリング剤は、アクリル基またはメタクリル基を有するものである請求項9または10に記載の複合体組成物。
  12. 前記熱分解抑制処理は、セルロース繊維に対して酸化防止剤を導入する処理である請求項3ないし7のいずれかに記載の複合体組成物。
  13. 前記繊維状フィラーが含む繊維および前記酸化処理が施された繊維は、それぞれ平均繊維径が同じものである請求項1ないし12のいずれかに記載の複合体組成物。
  14. 当該複合体組成物は、さらに樹脂材料を含むものであり、
    前記樹脂材料は、可塑性樹脂および硬化性樹脂の少なくとも一方である請求項1ないし13のいずれかに記載の複合体組成物。
  15. 前記樹脂材料は、アクリル樹脂を含むものである請求項14に記載の複合体組成物。
  16. 前記繊維状フィラーの含有率は、0.1〜99.9重量%である請求項1ないし15のいずれかに記載の複合体組成物。
  17. 請求項1ないし16のいずれかに記載の複合体組成物を成形してなる複合体であって、
    厚さが10〜2000μmであることを特徴とする複合体。
  18. 180℃×2時間の条件で加熱処理した後において、全光線透過率が50%以上である請求項17に記載の複合体。
  19. 30℃から150℃における熱膨張係数が、−30〜50ppm/℃である請求項17または18に記載の複合体。
  20. 湿度膨張係数が、100ppm/湿度%以下である請求項17ないし19のいずれかに記載の複合体。
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