JP5910390B2 - セルロースナノファイバーフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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2.前記セルロースナノファイバーの置換度が0.5〜2.5であり、かつ、前記セルロースナノファイバーの結晶化度が30〜90%である、1に記載のセルロースナノファイバーフィルム;
3.熱線膨張係数が20ppm/K以下である、1または2に記載のセルロースナノファイバーフィルム;
4.下記数式(1)および(2):
5.少なくとも一部の水酸基がエステル化されたセルロースナノファイバー、セルロースナノファイバーに対する良溶媒、およびセルロースナノファイバーに対する貧溶媒を含み、実質的に樹脂を含まないドープを調製する工程(1)と、前記ドープを支持体上に流延してフィルム前駆体を形成する工程(2)と、前記フィルム前駆体を乾燥する工程(3)と、を含む、1〜4のいずれか1つに記載のセルロースナノファイバーフィルムの製造方法;
6.前記良溶媒が、塩化メチレン、アセトン、メチルエチルケトン、アセト酢酸メチル、およびテトラヒドロフランからなる群から選択される少なくとも1種を含む、5に記載の製造方法;
7.前記貧溶媒が、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサンエタノール、およびイソプロピルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種を含む、5または6に記載の製造方法;
8.前記ドープが、膨潤状態で流延される、5〜7のいずれか1つに記載の製造方法。
セルロースナノファイバーフィルムは、少なくとも一部の水酸基がエステル化されたセルロースナノファイバーを含み、実質的に樹脂を含まないことを特徴とする。
セルロースナノファイバーとは、一般的に、ナノオーダーの平均繊維径を有し、セルロースの構成単位を有する繊維(ファイバー)である。
本形態において、セルロースナノファイバーフィルムは、実質的に樹脂を含まないことを特徴とする。これにより、セルロースナノファイバーフィルムの熱線膨張係数が低くなり、熱膨張を防止することができる。
セルロースナノファイバーフィルムは、必要に応じてさらに添加物を含んでいてもよい。当該添加物としては、炭素ラジカル捕捉剤、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、酸捕捉剤、紫外線吸収剤、可塑剤、マット剤、光学異方性コントロール剤、架橋剤等が挙げられる。
炭素ラジカル捕捉剤は、炭素ラジカル付加後に重合等の後続反応が起こらない安定な生成物を与える機能を有する。
一次酸化防止剤は、パーオキシラジカルに対する水素ラジカル供与能を有する。
二次酸化防止剤は、パーオキサイドに対する還元作用を有する。
酸捕捉剤は、溶融製膜時等の高温環境下においてセルロースナノファイバーの酸による分解を防止する機能を有する。
紫外線吸収剤は、400nm以下の紫外線を吸収することで、セルロースナノファイバーフィルムの耐久性を向上させる機能を有する。当該紫外線吸収能は、波長370nmでの紫外線透過率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましくは、2%以下であることがさらに好ましい。なお、セルロースナノファイバーが液晶表示装置に用いられる場合には、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光透過率が低いことが好ましい。
可塑剤は、セルロースナノファイバーの親水性を改善し、透湿防止剤としての機能を有する。また、セルロースナノファイバーフィルムが、後述するように、溶融押出法で製造される場合には、溶融押し出時のフィルム構成材料の溶融温度や溶融粘度を低下させる機能を有する。
マット剤は、セルロースナノファイバーフィルムに滑り性や光学的機能、機械的機能を付与する機能を有する。
光学異方性コントロール剤は、リタデーションを調整する機能を有する。
架橋剤は、セルロースナノファイバー間の絡み合いを密にすることができ、透明性および熱膨張性を向上させる機能を有する。
一実施形態において、セルロースナノファイバーフィルムは、公知の方法によって製造することができる。当該製造方法としては、溶融押出法および溶媒キャスト法が挙げられる。
工程(1)は、少なくとも一部の水酸基がエステル化されたセルロースナノファイバー、セルロースナノファイバーに対する良溶媒、およびセルロースナノファイバーに対する貧溶媒を含み、実質的に樹脂を含まないドープを調製する工程である。
セルロースナノファイバーは上述したものと同様のものが用いられうることから、ここでは説明を省略する。
ドープは、貧溶媒とともに良溶媒を含む。良溶媒を含むことにより、ドープの製膜性が向上しうる。ここで、良溶媒とは、単独でセルロースナノファイバーの少なくとも一部、好ましくは全部を溶解することができる溶媒を意味する。
ドープは、良溶媒とともに貧溶媒を含む。貧溶媒を含むことにより、ドープが膨潤状態(ゲル状態)となり、後述する工程(2)で流延する際に、セルロースナノファイバーフィルム中の繊維配向度が向上しうる。ここで、貧溶媒とは、単独ではセルロースナノファイバーを溶解しない、またはセルロースナノファイバーを膨潤させる溶媒を意味する。
工程(1)で調製されるドープは実質的に樹脂を含まないことを特徴とする。ドープが、少なくとも一部の水酸基がエステル化されたセルロースナノファイバー、良溶媒、および貧溶媒を含むことで、実質的に樹脂を含まなくとも、好適に製膜することができる。特に、ドープが実質的に樹脂を含まず、セルロースナノファイバーおよび貧溶媒を含むことにより、セルロースナノファイバーの少なくとも一部がゲル状態となるため、下記工程(2)における流延時にセルロースナノファイバーがランダムに配向し、得られるセルロースナノファイバーフィルムの繊維配向度の値は低い値となりうる。その結果、セルロースナノファイバーフィルムのリタデーションRoおよび/またはRtの値は低くなり、複屈折の発生が防止されうる。
ドープは、必要に応じて、添加物を含んでいてもよい。当該添加物は、上述したものと同様のものが用いられうることから、ここでは説明を省略する。
ドープは、セルロースナノファイバー、セルロースナノファイバーに対する良溶媒、およびセルロースナノファイバーに対する貧溶媒を混合することで調製することができる。混合方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、セルロースナノファイバーを良溶媒と混合し、セルロースナノファイバーを溶解した後に、貧溶媒を添加する方法、良溶媒および貧溶媒の混合溶媒にセルロースナノファイバーを添加、混合する方法、セルロースナノファイバーを貧溶媒により膨潤させた後、良溶媒を添加してセルロースナノファイバーを溶解する方法等が挙げられる。
工程(2)は、工程(1)で調製したドープを金属支持体上に流延(キャスト)してフィルム前駆体を形成する工程である。
工程(3)は、工程(2)で形成されたフィルム前駆体を乾燥する工程である。
流延して得られたフィルム前駆体を乾燥させることで、セルロースナノファイバーフィルムを製造することができる。なお、乾燥とは、フィルム前駆体に含有される溶媒の少なくとも一部を除去することをいう。乾燥の程度は、後述する工程(4)〜(6)の有無等を考慮して適宜設定されうる。
工程(4)は、工程(3)で形成されたセルロースナノファイバーフィルムを支持体上から剥離する工程である。本工程は工程(3)の後に行われうる任意の工程である。
工程(5)は、工程(4)により支持体から剥離されたセルロースナノファイバーフィルムを延伸する工程である。セルロースナノファイバーフィルムを延伸することにより、リタデーションを調整することができ、複屈折が生じない等優れた光学特性を有するセルロースナノファイバーフィルムが得られうる。本工程は工程(3)の後に行われうる任意の工程である。
工程(6)は、工程(4)または工程(5)により得られた未延伸または延伸セルロースナノファイバーフィルムを巻取る工程である。本工程は工程(3)の後に行われうる任意の工程である。
(調製例1:水分散液1の調製)
針葉樹から得られた亜硫酸漂白パルプ(セルロース繊維)に対し、濃度が1.0質量%となるように純水を添加した。エクセルオートホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製)を用い、3000回転/分、15分の条件で得られた溶液を撹拌し、解繊されたセルロース繊維を含む水分散液1を得た。
調製例1で得た水分散液1の乾燥質量1g相当分に対し、0.0125gのTEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル)および0.125gの臭化ナトリウムを水100mLに分散させた。次いで、13質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(次亜塩素酸ナトリウムの量が2.5mmolとなる量)を添加して反応を開始した。反応中は0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10.5に保った。pH変化が確認されなくなった時点で反応が終了したと判断した。反応物をガラスフィルターにてろ過した後、十分な量の水による水洗およびろ過を5回繰り返し、その後、セルロースナノファイバーの濃度が0.1質量%となるよう水で希釈した。さらに超音波分散機にて1時間処理をして水分散液2を得た。セルロースナノファイバーをTEMPOと反応させることにより、セルロース単位の第一級水酸基を有するC6位は、酸化反応によりカルボキシ基に変換されている。
調製例1で得た水分散液1をグラインダー(増幸産業株式会社製)で1回処理した。セルロースナノファイバーが1質量%となるように水で調整し、水分散液3を得た。
調製例1で得た水分散液1をグラインダー(増幸産業株式会社製)で2回処理したことを除いては、調製例3と同様の方法で水分散液4を調製した。
調製例1で調製した水分散液1をろ過し、500質量部の水で3回水洗した後、200質量部のエタノールで2回洗浄した。さらに、500質量部の水で2回水洗を行った後、固形分濃度が2質量%になるように純水で調整することで、CNF−1を合成した。
X線発生装置 :理学電機製
X線源 :CuKα
出力 :50kV/300mA
1stスリット:0.04mm
2ndスリット:0.03mm
受光スリット:0.1mm
〈計数記録装置〉
2θ/θ :連続スキャン
測定範囲 :2θ=2〜45度
サンプリング :0.02度
積算時間 :1.2秒。
調製例1で調製した水分散液1を凍結乾燥により乾燥した。この乾燥ファイバー10質量部を、無水プロピオン酸/ピリジン(モル比1/1)溶液500質量部に添加して分散させ、室温で3時間攪拌した。
調製例2で調製した水分散液2を用いたことを除いては合成例1と同様の方法でCNF−3を合成した。
調製例2で調製した水分散液2を用いたことを除いては、合成例2と同様の方法でCNF−4を合成した。
調製例3で調製した水分散液3を用いたことを除いては、合成例1と同様の方法でCNF−5を合成した。
調製例3で調製した水分散液3を用いたことを除いては、合成例2と同様の方法でCNF−6を合成した。
調製例4で調製した水分散液4を用いたことを除いては、合成例1と同様の方法でCNF−7を合成した。
調製例4で調製した水分散液4を用い、無水プロピオン酸/ピリジン(モル比1/1)との反応時間を1時間に変更したことを除いては、合成例2と同様の方法でCNF−8を合成した。
無水プロピオン酸/ピリジン(モル比1/1)との反応時間を3時間に変更したことを除いては、合成例8と同様の方法でCNF−9を合成した。
無水プロピオン酸/ピリジン(モル比1/1)との反応時間を4時間に変更したことを除いては、合成例8と同様の方法でCNF−10を合成した。
無水プロピオン酸/ピリジン(モル比1/1)との反応時間を10時間に変更したことを除いては、合成例8と同様の方法でCNF−11を合成した。
工程(1)
CNF−1の水を膜分離方法により、良溶媒である塩化メチレンおよび貧溶媒であるメタノールに置換し、セルロースナノファイバーの濃度が2質量%となるように調整して、ドープを調製した。この際、良溶媒および貧溶媒の体積比(良溶媒/貧溶媒)は、7/3であった。
工程(1)で得られたドープを、ベルト流延装置を用いてステンレスベルト支持体上に均一に流延してフィルム前駆体を形成した。この際、装置内の温度は35℃であり、支持体上の温度は30℃であった。
工程(2)で形成したフィルム前駆体を、支持体から剥離できるまで乾燥させてセルロースナノファイバーフィルムを製造した。
工程(3)で形成したセルロースナノファイバーフィルムを支持体上から剥離した。この際、残留溶媒量は80質量%であった。
工程(4)で支持体から剥離されたセルロースナノファイバーフィルムを延伸した。具体的には、85℃の乾燥ゾーンをロール搬送しながらセルロースナノファイバーフィルムを乾燥させた。残留溶媒量が35質量%未満となったところで、予熱後、ロール速度差によりフィルム搬送方向に延伸(長手延伸)し、次いでテンター式延伸機に導き、フィルム搬送方向に直交する方向に延伸(幅手延伸)した。延伸倍率は長手延伸1.5倍、幅手延伸1.5倍とした。
セルロースナノファイバーとしてCNF−3を用い、良溶媒/貧溶媒を10/0に変更したことを除いては、比較例1と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、80%であった。
良溶媒/貧溶媒を0/10に変更したことを除いては、比較例2と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、5%であった。
セルロースナノファイバーとしてCNF−2を用いたことを除いては、比較例1と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、45%であった。
セルロースナノファイバーとしてCNF−4を用い、良溶媒/貧溶媒を3/7に変更したことを除いては、比較例1と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、10%であった。
良溶媒/貧溶媒を5/5に変更したことを除いては、実施例2と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、12%であった。
良溶媒/貧溶媒を7/3に変更したことを除いては、実施例2と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、40%であった。
良溶媒/貧溶媒を9/1に変更したことを除いては、実施例2と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、50%であった。
溶融押出法によりセルロースナノファイバーフィルムを製造した。具体的には、セルロースナノファイバーとしてCNF−4を用い、100質量部(固形分)のCNF−4を除湿熱風式乾燥機(株式会社松井製作所製)により熱風温度150℃、露点−36℃で乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、可塑剤であるトリメチロールプロパントリベンゾエート8質量部、酸化防止剤であるIRGANOX−1010(BASFジャパン株式会社製)およびスミライザーGP(住友化学株式会社製)をそれぞれ1質量部および0.5質量部添加し、V型タンブラーで30分間混合した。
貧溶媒をイソプロピルアルコールに変更したことを除いては、実施例4と同様の方法で、セルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、18%であった。
貧溶媒をエタノールに変更したことを除いては、実施例4と同様の方法で、セルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、18%であった。
良溶媒をメチルエチルケトンに変更したことを除いては、実施例4と同様の方法で、セルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、17%であった。
延伸を行わなかったことを除いては、実施例4と同様の方法で、セルロースナノファイバーフィルムを製造した。具体的には、工程(3)において、得られたフィルム前駆体を、残留溶媒量が1質量%未満となるまで85℃の乾燥ゾーンをロール搬送しながら乾燥させてセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、20%であった。
セルロースナノファイバーとしてCNF−5を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、45%であった。
セルロースナノファイバーとしてCNF−6を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、40%であった。
セルロースナノファイバーとしてCNF−7を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、60%であった。
セルロースナノファイバーとしてCNF−8を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、20%であった。
セルロースナノファイバーとしてCNF−9を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、22%であった。
セルロースナノファイバーとしてCNF−10を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、25%であった。
セルロースナノファイバーとしてCNF−11を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法でセルロースナノファイバーフィルムを製造した。得られたセルロースフィルムの繊維配向度を比較例1と同様の方法で測定したところ、27%であった。
セルロースナノファイバーとしてCNF−3を用い、樹脂を含浸させてセルロースナノファイバーフィルムを製造した。
セルロースナノファイバーとしてCNF−4を用い、樹脂を含有するドープを用いて溶媒キャスト法によりセルロースナノファイバーフィルムを製造した。
実施例および比較例で製造したセルロースナノファイバーフィルムを用いて以下の性能評価を行った。
分光光度計UV−2500PC(株式会社島津製作所製)を用いて550nmにおける可視光線の入射光量に対する全透過光量を測定した。
40〜200℃の範囲内で温度を変化させて、セルロースナノファイバーフィルムの熱線膨張係数を測定した。測定装置としては、SII EXSTAR6000 TMA/SS6100(セイコーインスツルメンツ社製)を用いた。この際、試験片は、長さは2cm、幅2mmで行った。
製造したセルロースナノファイバーフィルムについて、幅手方向に1cm間隔で3次元方向の屈折率を測定した。下記数式(1)および(2)より得られた面内リタデーションの平均値(Ro)、厚み方向のリタデーションの平均値(Rt)を求めた。
Claims (7)
- 少なくとも一部の水酸基がエステル化されたセルロースナノファイバーを含む、セルロースナノファイバーフィルムであって、
前記セルロースナノファイバーフィルムの厚み方向の繊維配向度が50%以下であり、かつ、前記セルロースナノファイバーフィルムが実質的に樹脂を含まず、
下記数式(1)および(2):
- 前記セルロースナノファイバーの置換度が0.5〜2.5であり、かつ、前記セルロースナノファイバーの結晶化度が30〜90%である、請求項1に記載のセルロースナノファイバーフィルム。
- 熱線膨張係数が20ppm/K以下である、請求項1または2に記載のセルロースナノファイバーフィルム。
- 少なくとも一部の水酸基がエステル化されたセルロースナノファイバー、セルロースナノファイバーに対する良溶媒、およびセルロースナノファイバーに対する貧溶媒を含み、実質的に樹脂を含まないドープを調製する工程(1)と、
前記ドープを支持体上に流延してフィルム前駆体を形成する工程(2)と、
前記フィルム前駆体を乾燥する工程(3)と、
を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースナノファイバーフィルムの製造方法。 - 前記良溶媒が、塩化メチレン、アセトン、メチルエチルケトン、アセト酢酸メチル、およびテトラヒドロフランからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項4に記載の製造方法。
- 前記貧溶媒が、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサンエタノール、およびイソプロピルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項4または5に記載の製造方法。
- 前記ドープが、膨潤状態で流延される、請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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