JP2011086729A - 配線板用積層板及びその製造方法、プライマー層用樹脂フィルム、多層配線板及びその製造方法 - Google Patents

配線板用積層板及びその製造方法、プライマー層用樹脂フィルム、多層配線板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面粗さ(Ra)が例えば0.2以下と小さくても無電解銅めっきとの接着力が高く、半導体パッケージの高密度化に対応可能な配線板用積層板及びその製造方法、多層配線板及びその製造方法を提供する。また、これらに用いられるプライマー層用樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物からなるプライマー層を有し、前記樹脂組成物中に前記架橋有機フィラーを20〜40質量%含有し、前記プライマー層の厚みが1〜10μmである配線板用積層板及びその製造方法である。また、本発明の配線板用積層板を用いた配線板及びその製造方法である。さらに、本発明の配線板用積層板等に用いられるプライマー層用樹脂フィルムである。
【選択図】なし

Description

本発明は、配線板用積層板及びその製造方法並びに多層配線板及びその製造方法に関する。また、これらに用いられるプライマー層用樹脂フィルムに関する。
多層配線板は、例えば下記のようにして製造される。
まず、片面または両面に内層回路を形成した絶縁基板上に、プリプレグ(ガラス布にエポキシ樹脂を含浸し半硬化状態にした材料)を銅箔と共に重ねて熱プレスにより積層一体化する。積層一体化した後、ドリルで層間接続用のスルーホールと呼ばれる穴をあけ、スルーホール内壁及び銅箔表面に無電解めっきを行って、必要ならば更に電解めっきを行って回路導体として必要な厚さとする。その後、不要な銅を除去して多層配線板が製造される。
ところが近年、電子機器の小型化、軽量化、多機能化が一段と進み、これに伴い、LSIやチップ部品等の高集積化が進みその形態も多ピン化、小型化へと急速に変化している。このため、多層配線板は電子部品の実装密度を向上させるために、微細配線化の開発が進められている。これらの要求に合致するものとして、ガラスクロスを含まない絶縁樹脂をプリプレグの代わりに絶縁層として用い、必要な部分のみビアホールで接続しながら配線層を形成するビルドアップ方式の多層配線板がある。このビルドアップ方式は、軽量化や小型化、微細化に適した手法として多く用いられるようになった。
このようなビルドアップ方式の多層配線板としては、絶縁樹脂フィルムを内層回路板にラミネートし、加熱により硬化させた後、レーザ加工によるビアホールを形成し、アルカリ過マンガン酸処理等によって粗化処理とスミア処理とを行って無電解銅めっきし、第二の回路と層間接続可能とするビアホールを形成させて製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
ここで、樹脂と無電解銅めっきとの接着力は、樹脂表面の粗さ(アンカー効果)により確保している状況であり、その表面粗さは、Raで0.5μm以上と、表面粗さが大きい状況であった。
多層配線板においては、近年の半導体パッケージの小型化・高密度化に伴って、さらなる回路の微細化が要求されている。このような状況において、従来のような表面を粗化して得られる大きな粗化形状(アンカー効果)を利用して無電解銅めっきとの接着力を確保する方法では、10μm以下の微細な回路はショート不良やオープン不良が発生し、歩留り良く製造することができない。一方で、粗化形状を小さくすると、無電解銅めっきとの接着力が低下し、ラインが剥離する等の不良が発生する。
これらの理由から、微細な粗化形状でありながら無電解銅めっきと高接着力を示す、配線板材料が求められている。
また従来から、無電解銅めっきと樹脂との接着を確保することを目的に、無電解銅めっき触媒を含む接着層と、絶縁樹脂層との2層化構造の絶縁フィルムも提案されているが(例えば、特許文献4参照)、表面の粗化形状を小さくすることを目的としておらず、より微細配線かつ高密度実装用途としての半導体パッケージ用基板としては不十分であった。
一方、電子部品の薄型化に伴い、使用される配線板の厚みは薄くなり、プリプレグではなくガラスクロスを含まない、樹脂フィルムが用いられている。この結果、ガラスクロスを含まない樹脂フィルムは、実装時のそりが大きくなり、接続信頼性が低下する傾向がある。そこで、ガラスクロスを含むプリプレグが再度見直されてきている。また、めっきプロセスであるアディティブ工法による高密度配線も必要とされ、ガラスクロスを含むプリプレグでアディティブ工法への対応が求められている。
このような状況において、前記プリプレグ又は配線板用積層板に、アンカー効果に依存せずに無電解銅めっきとの接着力の向上を目的する、プライマー層を設ける技術が報告されている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、特許文献5では、硬化した積層板に塗布し接着層と積層板との界面の接着性を向上させる発明が開示されているが、接着層の厚みが10μm〜50μm必要であり、近年の薄型化に適してはいなかった。
特許3290296号公報 特許3654851号公報 特許3785749号公報 特開平1−99288号公報 特開2001−123137号公報
以上から、本発明は、表面粗さ(Ra)が例えば0.2μm以下と小さくても無電解銅めっきとの接着力が高く、半導体パッケージの高密度化に対応可能な配線板用積層板及びその製造方法並びに多層配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。また、これらに用いられるプライマー層用樹脂フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らはこのような問題を解決するために研究を進めた結果、平均一次粒径が1μm以下の架橋有機フィラーを含む所定の樹脂組成物を用いてプライマー層を形成し、かつプライマー層の厚みやプライマー層のBステージ状態における最低溶融粘度を調整することで、Raが0.2μm以下の微細な粗化形状樹脂面であっても、無電解銅めっきと良好な接着性、高信頼性(絶縁信頼性)を確保できる配線板用積層板が得られることを見出した。
特に、平均一次粒径が1μm以下の架橋有機フィラーを20〜40質量%含む樹脂組成物とすることで、耐熱性を低下させることなく、樹脂の強靭化並びに高伸び率化が可能であり、さらに、Raが0.2μm以下となり、めっき銅との接着性を著しく向上させることができる。また、Bステージ状態のプリプレグと上記プライマー層とを反応させることによりプリプレグとプライマーの接着力が向上するため、プライマー層のBステージ状態(硬化度)を制御することが重要であることが見出された。
以上から、本発明は下記の通りである。
[1] 多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物の硬化物からなるプライマー層を少なくとも一方の表面に有し、前記プライマー層は前記架橋有機フィラーを20〜40質量%含有し、前記プライマー層の厚みが1〜10μmであるめっきプロセス用の配線板用積層板。
[2] 多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物の硬化物からなるプライマー層を少なくとも一方の表面に有し、前記プライマー層は前記架橋有機フィラーを20〜40質量%含有し、前記プライマー層は最低溶融粘度が1,000〜100,000pa・sであるBステージの樹脂フィルムを積層し硬化して形成されたものであるめっきプロセス用の配線板用積層板。
[3] 多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態にした樹脂フィルムであって、前記樹脂フィルムは前記架橋有機フィラーを20〜40質量%含有し、前記樹脂フィルムの最低溶融粘度が1000〜100,000pa・sであるめっきプロセス用のプライマー層用樹脂フィルム。
[4] 前記架橋有機フィラーが、コアシェル構造の架橋ゴム粒子である[1]又は[2]に記載のめっきプロセス用の配線板用積層板。
[5] 前記架橋有機フィラーが、架橋アクリル樹脂を前記シェル層とし、架橋ポリブタジエン又は架橋シリコンゴムをコア層とした架橋ゴム粒子である[4]に記載のめっきプロセス用の配線板用積層板。
[6] 前記多官能型エポキシ樹脂が、ビフェニル構造を有するアラルキル型エポキシ樹脂である[1]、[2]、[4]、[5]のいずれかに記載のめっきプロセス用の配線板用積層板。
[7] 前記エポキシ樹脂硬化剤が、トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂である[1]、[2]、[4]〜[6]のいずれかに記載の配線板用積層板。
[8] 前記プライマー層に粗化処理が施されてなり、当該粗化処理後の前記プライマー層の表面粗さ(Ra)が0.2μm以下である[1]、[2]、[4]〜[7]のいずれかに記載のめっきプロセス用の配線板用積層板。
[9] 両表面に前記プライマー層が形成されてなる[1]、[2]、[4]〜[8]のいずれかに記載のめっきプロセス用の配線板用積層板。
[10] 離型処理された支持体フィルム上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、該プライマー層用樹脂フィルムを前記支持体フィルムが外側になるようにプリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に前記支持体フィルムをはく離するめっきプロセス用の配線板用積層板の製造方法。
(1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
(2)厚みが1〜10μm、
(3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
[11] 離型処理された支持体フィルム上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、該プライマー層用樹脂フィルムを前記支持体フィルムが外側になるようにプリプレグの両面に重ね、耐熱性ゴムシートを用いたラミネーターで加熱・加圧して積層し、積層後に加熱して硬化させ、前記支持体フィルムをはく離するめっきプロセス用の配線板用積層板の製造方法。
(1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
(2)厚みが1〜10μm、
(3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
[12] 銅箔上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、該プライマー層用樹脂フィルムを前記銅箔が外側になるようにプリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に前記銅箔をエッチングで全て除去するめっきプロセス用の配線板用積層板の製造方法。
(1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
(2)厚みが1〜10μm、
(3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
[13] 回路加工されてなる配線板の両面に絶縁層と下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層とが順次形成されてなる多層配線板。
(1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物の硬化物であり、前記硬化物中における前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
(2)厚みが1〜10μm、
(3)前記樹脂組成物を最低溶融粘度が1,000〜100,000pa・sであるBステージの樹脂フィルムを積層し硬化して形成されたもの。
[14] 離型処理された支持体フィルム上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、回路加工された配線板の両面にプリプレグを重ね、前記プライマー層用樹脂フィルムを前記支持体フィルムが外側になるように前記プリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に前記支持体フィルムをはく離する多層配線板の製造方法。
(1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
(2)厚みが1〜10μm、
(3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
[15] 離型処理された支持体フィルム上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、
回路加工された配線板の両面にプリプレグを重ね、前記プライマー層用樹脂フィルムを前記支持体フィルムが外側になるように前記プリプレグの両面に重ね、耐熱性ゴムシートを用いたラミネーターで加熱・加圧して積層し、積層後に加熱して硬化させ、前記支持体フィルムをはく離する多層配線板の製造方法。
(1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
(2)厚みが1〜10μm、
(3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
[16] 銅箔上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、回路加工された配線板の両面にプリプレグを重ね、前記プライマー層用樹脂フィルムを前記銅箔が外側になるように前記プリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に前記銅箔をエッチングで全て除去する多層配線板の製造方法。
(1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
(2)厚みが1〜10μm、
(3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
本発明によれば、表面粗さ(Ra)が例えば0.2μm以下と小さくても無電解銅めっきとの接着力が高く、半導体パッケージの高密度化に対応可能な配線板用積層板及びその製造方法並びに多層配線板及びその製造方法を提供することができる。また、これらに用いられるプライマー層用樹脂フィルムを提供することができる。
[1.めっきプロセス用の配線板用積層板(以下、単に「配線板用積層板」ともいう)及びプライマー層用樹脂フィルム]
本発明において「めっきプロセス用」とは、プライマー層を形成した表面に、めっき層、好ましくは無電解銅めっき層、を設けるための用途であることを意味する。
本発明の第1の配線板用積層板は、多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物の硬化物からなるプライマー層を少なくとも一方の表面に有し、プライマー層における架橋有機フィラーの含有量は20〜40質量%であって、プライマー層の厚みが1〜10μmである構成を有する。
プライマー層の厚みが1〜10μmであることで、近年の薄型化の要求に十分に対応することができる。なお、配線板用積層板におけるプライマー層の厚みは、例えば、配線板用積層板の切断面をマイクロメーターや電子顕微鏡で観察すること等で測定することができる。
また、本発明の第2の配線板用積層板は、プライマー層に使用する樹脂組成物が本発明の第1の配線板用積層板と同一の組成であって、その硬化物からなるプライマー層を少なくとも一方の表面に有し、プライマー層における架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%であり、当該プライマー層は、樹脂組成物の最低溶融粘度が1000〜100,000pa・sであるBステージ状態の樹脂フィルムを積層し硬化して形成された構成を有する。
なお、上記プライマー層としては、下記プライマー層用樹脂フィルムを適用してもよい。すなわち、当該プライマー層用樹脂フィルムは、多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態にした樹脂フィルムであって、樹脂フィルムは架橋有機フィラーを20〜40質量%含有し、樹脂フィルムの最低溶融粘度が1000〜100,000pa・sであるめっきプロセス用のプライマー層用樹脂フィルムである。
配線板用積層板の基材とするプリプレグに積層する前の、Bステージ状態の樹脂フィルムは、Bステージ状態のプリプレグ等と反応させる必要があるため、硬化度を制御することが重要である。硬化度は示差走査熱量計等でも測定できるが樹脂組成物によっても異なるため規定が困難である。このため、樹脂の溶融粘度で規定することが好ましい。
具体的には、Bステージ状態の樹脂フィルムの最低溶融粘度は1,000〜100,000Pa・sであることが好ましい。1,000Pa・s未満では積層形成及び硬化中にプリプレグと混ざりやすく、プライマー層が形成されにくい。また、100,000Pa・sを超えると、プリプレグとの界面の接着力が低下し、また、めっき銅との接着力が低下する傾向がある。最低溶融粘度は、5,000〜50,000Pa・sであることが好ましく、10,000〜30,000Pa・sであることがより好ましい。
なお、ここでいう「Bステージ状態」とは、溶剤を揮発させ、乾燥加熱を行った、半硬化の状態をいう。
Bステージ状態の樹脂フィルムの最低溶融粘度を上記範囲とするには、乾燥条件を、例えば、100〜200℃で1〜10分程度乾燥することが好ましい。また、適正な硬化促進剤の選択、並びに硬化促進剤量を調節することで可能である。
また、前記Bステージ状態の樹脂フィルムの厚みは、最終的なプライマー層の厚みと同様に、厚みが1〜10μmであることが好ましい。最終的なプライマー層を形成するための硬化反応において、多少の収縮やプリプレグとの混合が生じうるが、それを考慮しても厚みが1〜10μmであることが好ましい。
以下、本発明の第1及び第2の配線板用積層板についてさらに詳細に説明する。
(多官能型エポキシ樹脂)
多官能型エポキシ樹脂とは、分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられる。特に、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂単独又はアラルキルノボラック型エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
上記アラルキルノボラック型エポキシ樹脂としては、ビフェニル構造を有するアラルキルノボラック型エポキシ樹脂であることが好ましい。ビフェニル構造を有するアラルキルノボラック型エポキシ樹脂とは、分子中にビフェニル誘導体の芳香族環を含有したアラルキルノボラック型のエポキシ樹脂をいい、例えば、下記式(1)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独でも、2種以上を組み合せて用いてもよい。
Figure 2011086729
(上記式中、pは1〜5を示し2〜3が好ましい。)
市販品としては、日本化薬株式会社製のNC−3000(式(1)中のpが1.7のエポキシ樹脂)、NC−3000−H(式(1)中のpが2.8のエポキシ樹脂)が挙げられる。
多官能型エポキシ樹脂の配合量は、溶剤を除いた樹脂組成物の全固形分中の割合で20〜50質量%であることが好ましい。配合量が20〜50質量%であることで、回路導体との接着強度やはんだ耐熱性の低下を抑制することができる。
(エポキシ樹脂硬化剤)
エポキシ樹脂硬化剤としては、各種フェノール樹脂類、酸無水物類、アミン類等が使用できる。
フェノール樹脂類としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等が使用できる。酸無水物類としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等が使用できる。アミン類としては、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素、ヒドラジン類等が使用できる。
信頼性を向上させるためには、ノボラック型フェノール樹脂であることが好ましく、トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂であることがより好ましい。トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂によれば、金属箔の引き剥がし強さや化学粗化後の無電解めっきの引き剥がし強さを向上させることができる。
上記トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂とは、ノボラック型フェノール樹脂の主鎖にトリアジン環を含むノボラック型フェノール樹脂を示し、トリアジン環を含むクレゾールノボラック型フェノール樹脂でも構わない。
窒素含有量は、トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂中、10〜25質量%であることが好ましく、12〜19質量%であることがより好ましい。分子中の窒素含有量が10〜25質量%の範囲であると、低い誘電損失となり、応力緩和層を形成するワニスを調製する場合に、溶剤への溶解度が適切であり、未溶解物の残存量が抑えられる。
トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂は、数平均分子量が300〜2000であるものを用いることが好ましい。これらは単独でも、2種以上を組み合せて用いてもよい。
なお、トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂は、フェノールとアルデヒドとトリアジン環含有化合物とを、pH5〜9の条件下で反応させて得ることができる。フェノールに換えクレゾールを用いるとトリアジン環含有クレゾールノボラック型フェノール樹脂となる。クレゾールは、o−、m−、p−クレゾールのいずれも使用することができ、トリアジン環含有化合物としてはメラミン、グアナミン及びその誘導体、シアヌル酸及びその誘導体を使用することができる。
市販品としては、大日本インキ化学工業(株)製のトリアジン環含有クレゾールノボラック型フェノール樹脂フェノライトEXB−9829(窒素含有量18質量%)が挙げられる。
エポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ基に対して0.5〜1.5当量であることが好ましい。エポキシ樹脂硬化剤がエポキシ基に対して0.5〜1.5当量であることで、外層銅との接着性の低下を防ぎ、かつTg(ガラス転移温度)や絶縁性の低下をも防ぐことができる。
また、上記硬化剤の他に、必要に応じて反応促進剤を使用することができる。
反応促進剤としては潜在性の熱硬化剤である各種イミダゾール類やBF3アミン錯体が使用できる。樹脂組成物の保存安定性やBステージ状(半硬化状)の樹脂組成物の取り扱い性及びはんだ耐熱性の点から、2−フェニルイミダゾールや2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましく、その配合量はエポキシ樹脂の配合量に対して0.2〜1.0質量%が最適である。0.2〜1.0質量%であることで、十分なはんだ耐熱性と、樹脂組成物の保存安定性やBステージ状の樹脂組成物の取り扱い性が良好なものとすることができる。
(架橋有機フィラー)
架橋有機フィラーは、架橋構造を有する高分子等の有機物から形成された粒子状のものであればどのようなものでもよいが、例えばアクリロニトリルブタジエンの共重合物として、アクリロニトリルとブタジエンとを共重合した架橋NBR粒子;アクリロニトリルとブタジエンとアクリル酸等のカルボン酸とを共重合したもの;架橋ポリブタジエン、架橋シリコンゴム、又はNBRをコア層とし、架橋アクリル樹脂をシェル層とした、いわゆるコアシェル構造の架橋ゴム粒子(「コア−シェルゴム粒子」ともいう);が挙げられる。
なかでも、分散性の制御、粒子サイズの安定性の点から、コアシェル構造の架橋ゴム粒子が好ましく、架橋アクリル樹脂をシェル層とし、架橋ポリブタジエン又は架橋シリコンゴムをコア層としたコアシェル構造の架橋ゴム粒子がより好ましい。
架橋NBR粒子とは、アクリロニトリル、ブタジエンを共重合させ、かつ共重合する段階で、部分的に架橋させ、粒子状にしたものである。またアクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸を併せて共重合することにより、カルボン酸変性架橋NBR粒子を得ることも可能である。
架橋ブタジエンゴム−架橋アクリル樹脂のコア−シェルゴム粒子は、乳化重合でブタジエン粒子を重合させ、引き続きアクリル酸エステル、アクリル酸等のモノマーを添加して重合を続ける二段階の重合方法で得ることができる。
架橋シリコンゴム−架橋アクリル樹脂のコア−シェルゴム粒子は、乳化重合でシリコン粒子を重合させ、引き続きアクリル酸エステル、アクリル酸等のモノマーを添加して重合を続ける二段階の重合方法で得ることができる。
架橋有機フィラーの大きさは、一次平均粒子径で1μm以下であり、50nm〜1μmにすることが好ましい。一次平均粒子径で1μmを超えると、接着力の低下や、微細配線での絶縁信頼性を損なってしてしまう。ここでいう「一次平均粒子径」とは、凝集した粒子径、つまり二次粒子径ではなく、凝集していない単体での粒子径をいう。
また、当該一次平均粒子径は、例えば、レーザ回折式粒度分布計により測定して求めることができる。
上記のような架橋有機フィラーは、単独でも、2種以上を組み合せて用いてもよい。
架橋有機フィラーの含有量は、樹脂組成物中20〜40質量%とし、20〜35質量%であることがより好ましい。架橋有機フィラーの配合量が20質量%より少ない場合、樹脂の強靭性や伸び率が低く、さらに緻密な粗化形状が得られないため、めっき銅との接着力が低下する。また、架橋有機フィラーの配合量が40質量%より大きい場合、耐熱性が低下してしまう。
例えば、カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子の市販品としては日本合成ゴム株式会社製のXER−91が挙げられる。ブタジエンゴム−アクリル樹脂のコアシェル粒子はロームアンドハース株式会社製のパラロイドEXL2655やガンツ化成工業株式会社のAC−3832が挙げられる。架橋シリコンゴム−アクリル樹脂のコア−シェルゴム粒子は、旭化成ワッカーシリコーン(株)製GENIOPERL P52が挙げられる。
本発明におけるプライマー層用の樹脂組成物は、既述のような必須成分を配合して得られる他、通常の樹脂組成物に使用されるチキソ性付与剤、界面活性剤、カップリング剤等の各種添加剤を適宜配合できる。一般に、これらを溶剤に加えて充分に撹拌した後、泡がなくなるまで静置して本発明に使用する樹脂組成物を得ることができる。一般には得られた樹脂組成物のBステージ状態のフィルム状物を配線板用積層板の表面に積層し、硬化してプライマー層が形成される。
また、本発明の配線板用積層板は、プライマー層に粗化処理が施されてなり、その粗化処理後のプライマー層の表面粗さ(Ra)が0.2μm以下であることが好ましい。表面粗さ(Ra)が0.2μm以下であることで、半導体パッケージの高密度化に十分に対応させることができる。なお、粗化処理の条件は、後に説明する粗化処理条件を適用できる。
なお、本発明の配線板用積層板の構成は特に限定されないが、例えば、プリプレグから形成された積層板の両面に既述のようなプライマー層が形成されてなる構成が挙げられる。プリプレグの詳細については後述する。
[2.配線板用積層板の製造方法]
本発明の配線板用積層板のうち、両面に既述のプライマー層が設けられてなる配線板用積層板は、例えば、下記第1〜第3の製造方法により製造することができる。
第1の製造方法は、離型処理された支持体フィルム上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、その支持体フィルム付プライマー層用樹脂フィルムを支持体フィルムが外側になるようにプリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に支持体フィルムをはく離する配線板用積層板の製造方法である。
(1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
(2)厚みが1〜10μm、
(3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
また、本発明の配線板用積層板の第2の製造方法は、離型処理された支持体フィルム上に、上記(1)及び(2)の条件又は上記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層形成用樹脂フィルムを作製し、その支持体フィルム付プライマー層用樹脂フィルムを支持体フィルムが外側になるようにプリプレグの両面に重ね、耐熱性ゴムシートを用いたラミネーターで加熱・加圧して積層し、積層後に加熱して硬化させ、支持体フィルムをはく離する配線板用積層板の製造方法である。
さらに、本発明の配線板用積層板の第3の製造方法は、銅箔上に、上記(1)及び(2)の条件又は上記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層形成用樹脂フィルムを作製し、その支持体フィルム付プライマー層用樹脂フィルムを銅箔が外側になるようにプリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に前記銅箔をエッチングで全て除去する配線板用積層板の製造方法である。
本発明に係るプライマー層形成に用いられる樹脂組成物は、溶剤中で混合して希釈または分散させてワニスの形態とするのが作業性の点で好ましい。
この溶剤には、メチルエチルケトン、キシレン、トルエン、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチルエトキシプロピオネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を使用できる。これらの溶剤は、単独あるいは混合系でも良い。この溶剤の樹脂組成物に対する割合は、従来適用されている割合でよく、樹脂組成物の塗膜形成の設備にあわせてその使用量を調整することが好ましい。
架橋有機フィラーは、分散性を高める目的でマスターバッチを作製し、これをニーダー、ボールミル、ビーズミル、3本ロール、ナノマイザー等既知の混練・分散方法により樹脂組成物中に分散させてもよい。
また、プライマー層形成に用いられる樹脂組成物をコンマコータでキャリアフィルムに塗工する場合は、溶剤を除く樹脂組成物の固形分がワニス中10〜40質量%となるように溶剤の使用量を調節することが好ましい。
ここで使用するキャリアフィルムは、離型処理されているポリエチレンテレフタレートフィルムや離型処理されているアルミ箔、銅箔等が好ましい。
本発明で使用される配線板用プリプレグについては特に限定されない。一般には、多官能エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤、溶剤と必要に応じて無機フィラーを混合し、積層板用ガラスクロスに含浸・乾燥させて得られる。
市販品としては、日立化成工業(株)製GEA−67N、GEA−679F、GEA−679GT等があるが、特に限定されるものではない。
プレス成型における加熱温度は、150〜230℃とすることが好ましい。加圧時の圧力は1.0〜4.0MPaとすることが好ましい。
耐熱性ゴムシートを用いたラミネーターにおける加熱温度は、80〜150℃とすることが好ましい。加圧時の圧力は0.5〜20MPaとすることが好ましい。
[3.多層配線板及びその製造方法]
本発明の多層配線板は、回路加工されてなる配線板の両面にプリプレグから形成された絶縁層と下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層とが順次形成されてなる。
(1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物の硬化物であり、前記硬化物中における前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
(2)厚みが1〜10μm、
(3)前記樹脂組成物を最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・sであるBステージ状態とした樹脂フィルムを積層し硬化して形成されたもの。
このような多層配線板は、例えば、下記本発明の多層配線板の第1〜第3の製造方法により作製することができる。
すなわち、多層配線板の第1の製造方法は、離型処理された支持体フィルム上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、回路加工された配線板の両面にプリプレグを重ね、前記プライマー層用樹脂フィルムを前記支持体フィルムが外側になるように前記プリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に前記支持体フィルムをはく離するものである。
(1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
(2)厚みが1〜10μm、
(3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
また、多層配線板の第2の製造方法は、離型処理された支持体フィルム上に、上記(1)及び(2)の条件又は上記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、回路加工された配線板の両面にプリプレグを重ね、前記プライマー層用樹脂フィルムを前記支持体フィルムが外側になるように前記プリプレグの両面に重ね、耐熱性ゴムシートを用いたラミネーターで加熱・加圧して積層し、積層後に加熱して硬化させ、前記支持体フィルムをはく離するものである。
さらに、多層配線板の第3の製造方法は、銅箔上に、上記(1)及び(2)の条件又は上記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、回路加工された配線板の両面にプリプレグを重ね、前記プライマー層用樹脂フィルムを前記銅箔が外側になるように前記プリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に前記銅箔をエッチングで全て除去するものである。
なお、加熱・加圧の条件は既述の本発明の配線板用積層板の第1〜3の製造方法と同様である。
前記の回路加工された配線板(内層回路板)は、例えば、第一の回路層(内層配線)が表面に形成された内層基板であり、内層基板として、通常の配線板において用いられている公知の積層板、例えば、ガラス布−エポキシ樹脂、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス紙−エポキシ樹脂等が使用でき特に制限はない。また、ビスマレイミド−トリアジン樹脂を含浸させたBT基板、さらにはポリイミドフィルムを基材として用いたポリイミドフィルム基板等も用いることができる。
回路を形成するための方法についても特に制限はなく、銅箔と絶縁基板とを張り合わせた銅張り積層板を用い、銅箔の不要な部分をエッチング除去するサブトラクティブ法や、絶縁基板の必要な個所に無電解めっきによって回路を形成するアディティブ法等、公知の配線板の製造方法を用いることができる。
次に、必要に応じて回路層の表面を接着性に適した状態になるように表面処理する。この手法も、特に制限はなく、例えば、次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ水溶液により回路層の表面に酸化銅の針状結晶を形成し、形成した酸化銅の針状結晶をジメチルアミンボラン水溶液に浸漬して還元する等公知の方法を用いることができる。
以上のような本発明の配線板用積層板や多層配線板において、外層回路をプライマー層上にめっき法で形成する方法においては、予め粗化処理を施しておくことが好ましい。粗化液としては、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液、ホウフッ酸粗化液等の酸化性粗化液を用いることができる。
粗化処理としては、例えば、先ず膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテルとNaOHとの水溶液を70℃に加温して積層板または多層配線板を5分間浸漬処理する。次に、粗化液として、KMnOとNaOHとの水溶液を80℃に加温して10分間浸漬処理する。引き続き、中和液、例えば塩化第一錫(SnCl2)の塩酸水溶液に室温で5分間浸漬処理して中和する。
粗化処理後、パラジウムを付着させるめっき触媒付与処理を行うことが好ましい。めっき触媒処理は、塩化パラジウム系のめっき触媒液に浸漬して行われる。
次に、無電解めっき液に浸漬してプライマー層の表面全面に厚さが好ましくは0.3〜1.5μmの無電解めっき層(導体層)を析出させる。必要により、更に電気めっきを行って必要な厚さとする。無電解めっきに使用する無電解めっき液は、公知の無電解めっき液を使用することができ、特に制限はない。また、電気めっきについても公知の方法によることができ特に制限はない。これらのめっきは銅めっきであることが好ましい。
さらに、不要な箇所をエッチング除去して回路層を形成することができる。
上記のような同様の工程を繰り返すことで、層数の多い多層配線板を製造することができる。
なお、本発明の配線板用積層板や多層配線板において、プライマー層の厚みを1〜10μmに調整するには、組成物中に含まれる樹脂の種類などによっては硬化反応による収縮を考慮してプライマー層用樹脂フィルム(Bステージ状態)の厚みを多少厚めに調整することもできるが、通常は大きな硬化収縮は生じないので、厚さが同様に1〜10μmのプライマー層用樹脂フィルムを用いることで調整することができる。また、プライマー層中やプライマー層用樹脂フィルムの架橋有機フィラーの含有量を20〜40質量%とするには、一般に前記樹脂組成物を配合する際に、その固形分中の架橋有機フィラーの含有量を20〜40質量%とすることで調整することができる。
実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[プライマー層用樹脂フィルムの形成]
多官能エポキシ樹脂(NC−3000H:商品名、日本化薬(株)製)100質量部、エポキシ樹脂硬化剤(LA−3018:商品名、DIC(株)製、固形分50%)50質量部、架橋有機フィラー(パラロイドEXL2655、商品名、ロームアンドハースジャパン(株)製)55質量部、硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業(株)製)0.5質量部、溶剤(2−ブタノン)300質量部を攪拌棒で混ぜ、分散機(ナノマイザー、商品名、吉田機械興業株式会社製)を用いて、均一なワニスを得た。このワニスを、離型処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(PET−38X、商品名、リンテック(株)製)の離型処理面に、乾燥後の厚さが5μmになるように塗布し、140℃で10分間乾燥させて、厚さが5μmのBステージ状態のプライマー層用樹脂フィルム(離型PETフィルム付)を得た。
得られたBステージ状態のプライマー層用樹脂フィルムの最低溶融粘度は、23,000Pa・sであった。なお、最低溶融粘度は下記のようにして測定した。
[最低溶融粘度の測定方法]
試験片を下記のようにして作製した。まず、上記離型PETフィルム付プライマー層用樹脂フィルム2枚を、離型PETフィルムが外側になるように重ねて、70℃でラミネートし、その後片側の離型PETフィルムをはく離した。この操作を繰り返して、20枚積層して厚さ0.1mmの樹脂板を作製し、20mmのポンチで打ち抜いて試験片とした。
当該試験片について、レオメトリック社製レオメータARES−2K STD−FCO−STD型を用い、昇温速度5℃/min、ストレイン5%、加重10g、測定温度範囲70〜200℃で最低溶融粘度を測定した。
[配線板用積層板の作製]
プリプレグ(日立化成工業(株)製 GEA−679F 厚さ0.15mm)2枚を重ね、その上下に2枚の上記離型PETフィルム付プライマー層用樹脂フィルムを離型PETフィルムが外側になるように重ねて、さらに鏡板と、クッション紙を重ねて、プレス機を用いて、2.0MPa、180℃で1時間加熱硬化させた。冷却後、キャリアフィルムをはく離して、両表面にプライマー層が形成された本発明の配線板用積層板を得た。得られた配線板用積層板の上下に形成されたプライマー層の厚さをマイクロメーターにより測定したところ、殆ど硬化収縮はなく5μmであった。
[配線板の作製]
この配線板用積層板を化学粗化するために、膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル:200ml/L、NaOH:5g/Lの水溶液を作製し、60℃に加温して配線板用積層板を2分間浸漬処理した。
次に、粗化液として、KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液を作製し、60℃に加温して配線板用積層板を3分間浸漬処理した。引き続き、中和液(SnCl2:30g/L、HCl:300ml/L)の水溶液に室温で5分間浸漬処理して中和した。
配線板用積層板に回路層を形成するために、まず、PdCl2を含む無電解めっき用触媒であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に、配線板用積層板を室温で10分間浸漬処理し、水洗し、無電解銅めっき用であるめっき液CUST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)に室温で15分間浸漬し、さらに硫酸銅電解めっきを行った。その後、アニールを180℃で30分間行い、厚さ20μmの導体層を形成した。
次に、めっき導体の不要な箇所をエッチング除去するために、まず銅表面の酸化皮膜を#600のバフロール研磨で除去した後、エッチングレジストを形成し、次いでエッチングし、その後エッチングレジストを除去して、回路形成を行い、多層配線板を作製した。
(実施例2)
[多層配線板の内層回路板の作製]
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、基板の厚さ0.4mm、両面粗化箔を両面に有する日立化成工業株式会社製MCL−E−679(商品名)]の両面にエッチングを施して回路層(以下、第一の回路層とする。)を有する回路板を作製した。
[プライマー層用樹脂フィルムの作製]
プライマー層用樹脂フィルムは実施例1と同様にして作製した。
[多層配線板の作製]
上記内層回路板の上下にプリプレグ(日立化成工業(株)製 GEA−679N 厚さ0.06mm)2枚を重ね、その上下に上記プライマー層用樹脂フィルム(離型PETフィルム付)2枚を離型PETフィルムが外側になるように重ねて、さらに鏡板と、クッション紙を重ねて、プレス機を用いて、2.0MPa、180℃で1時間加熱硬化させた。冷却後、離型PETフィルムをはく離して、本発明の配線板用積層板を得た。その後、実施例1と同様にして、第二の回路層を有する多層配線板を作製した。
(実施例3)
実施例2において、鏡板とプレス成型により配線板用積層板を作製する代わりに、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(名機株式会社製、商品名)を用いて積層した。次に、離型PETフィルムを剥がした後、180℃で60分の硬化条件で樹脂組成物層を硬化して本発明の配線板用積層板を得た。
(実施例4)
実施例1のプライマー層用樹脂フィルムにおいて、架橋有機フィラーとして、パラロイドEXL2655を35質量部とし、プライマー層用樹脂フィルムの厚みを9μmとした以外、実施例1と同様にして本発明の配線板用積層板を得た。
得られたBステージ状態のプライマー層用樹脂フィルムの最低溶融粘度は、6,000Pa・sであった。また、配線板用積層板に形成されたプライマー層の膜厚は、9μmであった。
(実施例5)
実施例1のプライマー層用樹脂フィルムにおいて、架橋有機フィラーとして、スタフィロイドAC−3832 商品名、ガンツ化成(株)製)80質量部とし、その厚みを3μmとした以外、実施例1と同様にして本発明の配線板用積層板を得た。
得られたBステージ状態のプライマー層用樹脂フィルムの最低溶融粘度は、75,000Pa・sであった。また、配線板用積層板に形成されたプライマー層の膜厚は、3μmであった。
(実施例6)
実施例1のプライマー層用樹脂フィルムにおいて、架橋有機フィラーとして旭化成ワッカーシリコーン(株)製GENIOPERL P52を60質量部とし、リン系難燃剤として三光株式会社製HCA−HQ20質量部を追加し、銅箔の光沢面に塗布し、硬化後に銅箔をエッチングで除去した以外、実施例1と同様にして本発明の配線板用積層板を得た。
得られたBステージ状態のプライマー層用樹脂フィルムの最低溶融粘度は、43,000Pa・sであった。また、配線板用積層板に形成されたプライマー層の膜厚は、5μmであった。
(比較例1)
プライマー層を形成していない単独の離型PETフィルムを用いた以外、実施例1と同様にして配線板用積層板を得た。
(比較例2)
実施例1のプライマー層用樹脂フィルムにおいて架橋有機フィラーを配合しない以外、実施例1と同様にして配線板用積層板を得た。
得られたBステージ状態のプライマー層の最低溶融粘度は、800Pa・sであった。
(比較例3)
実施例1のプライマー層用樹脂フィルムにおいて、架橋有機フィラーの代わりに、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(分子量300,000、JSR株式会社製、PNR−1H(商品名)を配合した以外、実施例1と同様にして配線板用積層板を得た。
得られたBステージ状態のプライマー層用樹脂フィルムの最低溶融粘度は、11,000Pa・sであった。
なお、各実施例及び各比較例の樹脂組成物の組成とプライマー層の態様については下記表1及び表2に示す。
(比較例4)
実施例1のプライマー層用樹脂フィルムにおいて架橋有機フィラーを100質量部(44質量%)とした以外、実施例1と同様にして配線板用積層板を得た。
得られたBステージ状態のプライマー層の最低溶融粘度は、98000Pa・sであった。
(比較例5)
実施例1のプライマー層用樹脂フィルムにおいて、乾燥温度及び時間を150℃で30分とした以外、実施例1と同様にして配線板用積層板を得た。
得られたBステージ状態のプライマー層の最低溶融粘度は、200,000Pa・sであった。
Figure 2011086729
Figure 2011086729
以上のようにして作製した多層配線板について、外層回路との接着強度、絶縁樹脂の表面粗さ、288℃はんだ耐熱性試験を実施した。これらの詳細については以下に示し、これらの結果を下記表3及び表4に示す。
[外層回路との接着強度]
各実施例及び比較例で得た多層配線板のL1回路層(第三の回路層)の一部に銅のエッチング処理によって、幅10mm、長さ100mmの部分を形成し、この一端を回路層/樹脂界面で剥がしてつかみ具でつかみ、垂直方向に引張り速度約50mm/分で室温中で引き剥がした時の荷重を測定した。
[絶縁樹脂の表面粗さ]
各実施例及び比較例で得た多層配線板のL1回路層(第三の回路層)の一部に銅をエッチング処理によって得た絶縁樹脂表面を、菱化システム社製マイクロマップMN5000型を用いて表面粗さRaの測定を行なった。
[288℃はんだ耐熱性]
各実施例及び比較例で作製した多層配線板を25mm角に切断し、288±2℃に調整したはんだ浴に浮かべ、ふくれが発生するまでの時間を調べた。
Figure 2011086729
Figure 2011086729
表3及び4から、本発明の配線板用積層板並びに多層配線板の特性は、実施例1〜4に示したように、平滑な樹脂表面上において、無電解銅めっきと高接着力を示し、またハロゲンを含まずに難燃性が優れる良好な結果を示す。さらに、288℃はんだ耐熱性にも優れており環境に配慮した多層配線板を製造することが可能である。
一方、本発明におけるプライマー層を含んでいない比較例1〜5に示す多層配線板は、表面粗さが0.2よりも大きいか、もしくは無電解銅めっきの接着力が低いことが確認できた。

Claims (16)

  1. 多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物の硬化物からなるプライマー層を少なくとも一方の表面に有し、
    前記プライマー層は前記架橋有機フィラーを20〜40質量%含有し、
    前記プライマー層の厚みが1〜10μmであるめっきプロセス用の配線板用積層板。
  2. 多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物の硬化物からなるプライマー層を少なくとも一方の表面に有し、
    前記プライマー層は前記架橋有機フィラーを20〜40質量%含有し、
    前記プライマー層は最低溶融粘度が1,000〜100,000pa・sであるBステージの樹脂フィルムを積層し硬化して形成されたものであるめっきプロセス用の配線板用積層板。
  3. 多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態にした樹脂フィルムであって、
    前記樹脂フィルムは前記架橋有機フィラーを20〜40質量%含有し、
    前記樹脂フィルムの最低溶融粘度が1000〜100,000pa・sであるめっきプロセス用のプライマー層用樹脂フィルム。
  4. 前記架橋有機フィラーが、コアシェル構造の架橋ゴム粒子である請求項1又は2に記載のめっきプロセス用の配線板用積層板。
  5. 前記架橋有機フィラーが、架橋アクリル樹脂を前記シェル層とし、架橋ポリブタジエン又は架橋シリコンゴムをコア層とした架橋ゴム粒子である請求項4に記載のめっきプロセス用の配線板用積層板。
  6. 前記多官能型エポキシ樹脂が、ビフェニル構造を有するアラルキル型エポキシ樹脂である請求項1、2、4及び5のいずれか1項に記載のめっきプロセス用の配線板用積層板。
  7. 前記エポキシ樹脂硬化剤が、トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂である請求項1、2、4〜6のいずれか1項に記載の配線板用積層板。
  8. 前記プライマー層に粗化処理が施されてなり、
    当該粗化処理後の前記プライマー層の表面粗さ(Ra)が0.2μm以下である請求項1、2、4〜7のいずれか1項に記載のめっきプロセス用の配線板用積層板。
  9. 両表面に前記プライマー層が形成されてなる請求項1、2、4〜8のいずれか1項に記載のめっきプロセス用の配線板用積層板。
  10. 離型処理された支持体フィルム上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、該プライマー層用樹脂フィルムを前記支持体フィルムが外側になるようにプリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に前記支持体フィルムをはく離するめっきプロセス用の配線板用積層板の製造方法。
    (1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
    (2)厚みが1〜10μm、
    (3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
  11. 離型処理された支持体フィルム上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、該プライマー層用樹脂フィルムを前記支持体フィルムが外側になるようにプリプレグの両面に重ね、耐熱性ゴムシートを用いたラミネーターで加熱・加圧して積層し、積層後に加熱して硬化させ、前記支持体フィルムをはく離するめっきプロセス用の配線板用積層板の製造方法。
    (1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
    (2)厚みが1〜10μm、
    (3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
  12. 銅箔上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、該プライマー層用樹脂フィルムを前記銅箔が外側になるようにプリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に前記銅箔をエッチングで全て除去するめっきプロセス用の配線板用積層板の製造方法。
    (1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
    (2)厚みが1〜10μm、
    (3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
  13. 回路加工されてなる配線板の両面に絶縁層と下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層とが順次形成されてなる多層配線板。
    (1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物の硬化物であり、前記硬化物中における前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
    (2)厚みが1〜10μm、
    (3)前記樹脂組成物を最低溶融粘度が1,000〜100,000pa・sであるBステージの樹脂フィルムを積層し硬化して形成されたもの。
  14. 離型処理された支持体フィルム上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、
    回路加工された配線板の両面にプリプレグを重ね、前記プライマー層用樹脂フィルムを前記支持体フィルムが外側になるように前記プリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に前記支持体フィルムをはく離する多層配線板の製造方法。
    (1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
    (2)厚みが1〜10μm、
    (3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
  15. 離型処理された支持体フィルム上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、
    回路加工された配線板の両面にプリプレグを重ね、前記プライマー層用樹脂フィルムを前記支持体フィルムが外側になるように前記プリプレグの両面に重ね、耐熱性ゴムシートを用いたラミネーターで加熱・加圧して積層し、積層後に加熱して硬化させ、前記支持体フィルムをはく離する多層配線板の製造方法。
    (1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
    (2)厚みが1〜10μm、
    (3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
  16. 銅箔上に、下記(1)及び(2)の条件又は下記(1)及び(3)の条件を満足するプライマー層用樹脂フィルムを作製し、
    回路加工された配線板の両面にプリプレグを重ね、前記プライマー層用樹脂フィルムを前記銅箔が外側になるように前記プリプレグの両面に重ね、さらに鏡板を重ねて加熱・加圧するプレス成型を行ない、成型後に前記銅箔をエッチングで全て除去する多層配線板の製造方法。
    (1)多官能型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び平均一次粒径1μm以下の架橋有機フィラーを含有する樹脂組成物をBステージ状態としたものであり、前記架橋有機フィラーの含有量が20〜40質量%、
    (2)厚みが1〜10μm、
    (3)最低溶融粘度が1000〜100,000Pa・s。
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