JP2009176889A - 多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、支持体付き絶縁フィルム、多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、支持体付き絶縁フィルム、多層プリント配線板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高流動性と硬化物の高絶縁信頼性、高接続信頼性及び低熱膨張係数を実現させた多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、支持体付き絶縁フィルム、多層プリント配線板を提供する。
【解決手段】(A)多官能型エポキシ樹脂、(B)リン含有エポキシ樹脂、(C)リン含有フェノール樹脂、(D)フェノール性水酸基含有ポリアミドイミド及び(E)無機フィラーを特定の組成で含有する多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、前記絶縁樹脂組成物が半硬化状態で支持体上に形成されている多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルム及び片面または両面に内層回路を有する基板の内層回路上に絶縁樹脂層及び回路が逐次積層されてなり、該絶縁樹脂層が前記絶縁樹脂組成物の硬化物で、熱膨張係数が40ppm /K以下である多層プリント配線板である。
【選択図】なし

Description

本発明は、多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、支持体付き絶縁フィルム、多層プリント配線板及びその製造方法に関し、高流動性と硬化物の高絶縁信頼性、高接続信頼性及び低熱膨張係数を実現させた多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、支持体付き絶縁フィルム、多層プリント配線板及びその製造方法に関する。
多層プリント配線板を製造するには、片面または両面に内層回路を形成した絶縁基板上に、プリプレグと呼ばれるガラス布にエポキシ樹脂を含浸し半硬化状態にした材料と銅箔とを順次重ねて熱プレスにより積層一体化した後、ドリルで層間接続用のスルーホールと呼ばれる穴をあけ、スルーホール内壁と銅箔表面上に無電解めっきを行って、必要ならば更に電解めっきを行って回路導体として必要な厚さとした後、不要な銅をエッチングにより除去して多層プリント配線板を製造するのが一般的であった。
ところが、近年、電子機器の小型化、軽量化、多機能化が一段と進み、これに伴い、LSIやチップ部品等の高集積化が進みその形態も多ピン化、小型化へと急速に変化している。この為、多層プリント配線板については、電子部品の実装密度を向上するために、微細配線化の開発が進められている。これらの要求に合致する多層プリント配線板の製造手法として、ガラスクロスを含まない絶縁樹脂をプリプレグの代わりに絶縁層として用い、必要な部分のみビアホールで接続しながら配線層を形成するビルドアップ方式があり、軽量化や小型化、微細化に適した手法として主流になりつつある。
また、環境意識の高まりから燃焼時に有害な物質を発生する可能性がある材料は電子部品も含めて規制する動きが活発になっている。従来の多層プリント配線板には、燃焼時に有害な物質を発生する可能性があるブロム化合物が難燃化のために使用されてきたが、近い将来にブロム化合物の使用が困難になると予想される。
さらに、電子部品を多層プリント配線板に接続するために一般的に用いられるはんだについても、鉛を有さない鉛フリーはんだが実用化されつつある。この鉛フリーはんだは、従来の共晶はんだよりも使用温度が約20〜30℃高くなることから、従来にも増して材料には高いはんだ耐熱性が必要になっている。
さらに、前記ビルドアップ構造の多層プリント配線板において、高密度化をするために層数の増加と共に、ビア部分のフィルド化、スタック化が進んでいる。しかしながら、多層プリント配線板の薄型化のためにガラスクロスを含まない絶縁樹脂層は、熱膨張係数が大きい傾向を示すため、フィルド化、スタック化したビアの銅との熱膨張係数の差が、接続信頼性に大きく影響し,接続信頼性の懸念材料になっている。このようなことから、絶縁樹脂層には熱膨張係数の小さい材料が要求されるようになってきた。
一般に熱膨張係数を小さくするには、熱膨張係数の小さい無機フィラーを充填し、絶縁樹脂層全体の熱膨張係数を低下させる手法が用いられてきた。(例えば特許文献1参照)
しかしながら、多量の無機フィラーを充填することにより、流動性の低下や、絶縁信頼性の低下など、多くの問題が発生する。
一方で、熱膨張係数が小さいとされている樹脂として、液晶ポリマーなどを適用された例があるが(例えば特許文献2参照)、同様に流動性が低く、多層化が困難であったり、銅との接着力(特に、無電解めっき銅との接着力)が低いなどの課題がある。
また、半導体パッケージの小型化・高密度化に伴って、ラインの微細化と共に、高多層化やビアのフィルド化、スタック化が要求されている。このようなビアにおいては、その接続信頼性の観点から、銅の熱膨張係数17ppm/Kに対する層間絶縁層の熱膨張係数の差が非常に影響する。
従って、多層プリント配線板用の絶縁樹脂を、銅の熱膨張係数に近い低熱膨張係数ものとし、熱サイクル試験などで接続信頼性を確保し、高密度化に対応可能な多層プリント配線板が期待されている。
特開2005−154727号公報 特開2005−150424号公報
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、高流動性と硬化物の高絶縁信頼性、高接続信頼性及び低熱膨張係数を実現させた多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、支持体付き絶縁フィルム、多層プリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記のような課題を解決するために検討を進めた結果、多層プリント配線板における絶縁樹脂層として、多官能型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、リン含有フェノール樹脂、フェノール性水酸基含有ポリアミドイミド及び無機フィラーを必須成分として含んだ特定組成の絶縁樹脂を用いれば、流動性を低下させることなく、硬化物が高絶縁信頼性、高接続信頼性及び低熱膨張係数を有する絶縁樹脂組成物が得られることを見出した。
すなわち本発明は、以下の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、支持体付き絶縁フィルム、多層プリント配線板及びその製造方法を提供するものである。
1.(A)多官能型エポキシ樹脂、(B)リン含有エポキシ樹脂、(C)リン含有フェノール樹脂、(D)フェノール性水酸基含有ポリアミドイミド及び(E)無機フィラーを含有し、全固形分中の含有量として、(A)多官能型エポキシ樹脂が3〜30質量%、(B)リン含有エポキシ樹脂が3〜30質量%、(C)リン含有フェノール樹脂が1〜5質量%、(D)フェノール性水酸基含有ポリアミドイミドが20〜40質量%、(E)無機フィラーが15〜45質量%であることを特徴とする多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物。
2.さらに(F)化学粗化可能な物質を、全固形分中の含有量として、5質量%以下含有する上記1の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物。
3.(F)化学粗化可能な物質が架橋ゴム粒子である上記2の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物。
4.さらに(G)アミノ基含有トリアジン変性ノボラック樹脂を、全固形分中の含有量として、7質量%以下含有する上記3の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物。
5.上記1〜4のいずれかの多層プリント配線板用絶縁層用樹脂組成物の層が、半硬化の状態で支持体上に形成されていることを特徴とする多層プリント配線板用支持体付絶縁フィルム。
6.80質量%以上がアミド系溶剤である溶剤に、請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板用絶縁層用樹脂組成物を、固形分として30〜60質量%で溶解させたワニスを、支持体に塗工して乾燥し半硬化させることを特徴とする多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルムの製造方法。
7.片面または両面に内層回路を有する基板の内層回路上に絶縁樹脂層及び回路が逐次積層されている多層プリント配線板であって、該絶縁樹脂層が上記1〜4のいずれかの多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする多層プリント配線板。
8.絶縁樹脂層の熱膨張係数が40ppm /K以下である上記7の多層プリント配線板。
9.片面または両面に内層回路を有する基板の内層回路上に、上記1〜4のいずれかの多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物の層を形成する工程(イ)、該絶縁樹脂組成物を硬化して絶縁樹脂層を得る工程(ロ)及び該絶縁樹脂層の表面に回路を形成する工程(ハ)を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
10.工程(イ)が、片面または両面に内層回路を有する基板の内層回路上に、上記5の多層プリント配線板用支持体付絶縁フィルムを、半硬化状態の絶縁樹脂組成物の層を内層回路に接して重ねることからなり、工程(ロ)が、支持体を剥離除去した後に加熱することにより半硬化状態の絶縁樹脂組成物の層を硬化して絶縁樹脂層を得ることからなる上記9の多層プリント配線板の製造方法。
11.工程(イ)が、片面または両面に内層回路を有する基板の内層回路上に、上記5の多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルムであって、支持体が金属箔である絶縁フィルムを、半硬化状態の絶縁樹脂組成物の層を内層回路に接して重ねることからなり、工程(ロ)が、加熱することにより半硬化状態の絶縁樹脂組成物の層を硬化して絶縁樹脂層を得ることからなり、工程(ハ)が金属箔をエッチングして回路を形成することからなる上記9の多層プリント配線板の製造方法。
本発明の支持体付き絶縁フィルムを用いた多層プリント配線板は、絶縁樹脂層の熱膨張係数が低く,難燃性に優れ、良好な絶縁信頼性及び接続信頼性を有し、半導体パッケージの高密度化・ラインの微細化に対応可能な特性に優れたものである。
また、本発明によれば、はんだ耐熱性にも優れており環境に配慮した鉛フリーはんだの使用が可能な多層プリント配線板を製造することが可能である。また、環境に悪影響を与える可能性があるハロゲン化合物を一切使用しないで難燃性を実現させることができる。
(絶縁樹脂組成物)
まず、本発明の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物について説明する。なお、絶縁樹脂組成物における含有量は、特に断らない限り、溶剤を除いた絶縁樹脂組成物の全固形分中の量である。
(A)多官能型エポキシ樹脂は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独あるいは2種以上併用して用いることができる。
本発明の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物における(A)多官能型エポキシ樹脂の含有量は、3〜30質量%であり、5〜20質量%であることが好ましい。3質量%以上とすることにより、絶縁樹脂層がもろくなることや、温度サイクル試験などにおいてクラックが入ることがない。また、多官能エポキシ樹脂の含有量を30質量%以下とすることにより、エポキシと硬化剤の配合比の制約上、他のエポキシ樹脂である後述の(B)リン含有エポキシ樹脂の含有量が減ることがなく、絶縁樹脂層の難燃化を達成できる。
(B)リン含有エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂にリン原子を化学結合で取り込んだ樹脂である。リン原子を化学結合で取り込むためのエポキシ樹脂は、一分子中にエポキシ基を2個以上有するものであればよく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグルシジルエステル系エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジリジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポキサイド系樹脂を骨格としているものが挙げられる。
なお、これらのリン含有エポキシ樹脂の具体的な合成方法については、特公平6−53785号公報、特開2000−336145号公報等でビスフェノールF型エポキシ樹脂のベンゼン環にジフェニルリン酸を付加する例が示されている。また市販の商品として使用可能なものとしては大日本インキ化学工業(株)製のEXA−9710(エポキシ当量496、リン含有量3重量%)、EXA−9709(エポキシ当量370、リン含有量2.4重量%)、東都化成工業(株)製のZX−1548(エポキシ当量230〜290、リン含有量2〜3重量%)等が挙げられる。これらのリン含有エポキシ樹脂は単独あるいは2種以上併用して用いることができる。
上記のリン原子含有エポキシ樹脂に含まれるリン原子は燃焼の際に難燃性を発現し、且つ、エポキシ樹脂中に化学結合で固定されているため、添加型のリン系添加剤のように加水分解され、イオン化したリンイオンが導体間をマイグレートして電気絶縁性を低下させたり、導体間にデンドライトを発生させることがない。
本発明の絶縁樹脂組成物における(B)リン含有エポキシ樹脂の含有量は、3〜30質量%であり、好ましくは、5〜18質量%である。リン含有エポキシ樹脂の含有量を3質量%以下になると、難燃性が不十分になるため好ましくない。また、30質量%を越えると、エポキシ樹脂と硬化剤の量比の制約上他のエポキシ樹脂である前述の(A)多官能エポキシ樹脂の配合量が減るために、絶縁樹脂層がもろくなり、温度サイクル試験などにおいてクラックが入るため好ましくない。
(C)リン含有フェノール樹脂は、リン原子を含み、エポキシ樹脂である(A)成分や(B)成分と反応するフェノール性水酸基を有する樹脂である。また、(B)リン含有エポキシ樹脂と同様に、難燃性を付与することができる。市販されているエポキシ樹脂と反応するリン含有フェノール性樹脂としては、例えば、HCA−HQ〔三光化学(株)製、リン含有率9質量%〕などを挙げることができる。
本発明の絶縁樹脂組成物における(C)リン含有フェノール樹脂の含有量は、1〜5質量%であり、好ましくは2〜4質量%であり、より好ましくは3〜4質量%である。
(C)リン含有フェノール樹脂を投入する目的は、(B)リン含有エポキシ樹脂単独では、難燃性が不十分であり、絶縁樹脂組成物中のリン含有量を更に増加させるためである。HCA−HQなどのリン含有フェノール樹脂は溶剤に溶けにくく、比較的溶けやすい溶剤である後述の製造方法で述べるアミド系溶剤をワニス中の全溶剤中80質量%以上使用した場合においても、室温で5質量%以上溶解することが難しい。(C)リン含有フェノール樹脂が5質量%を超えると、HCA−HQなどの結晶が析出し、絶縁樹脂組成物を硬化し、絶縁樹脂層として用いた場合、HCA−HQなどの結晶と思われる部分がデスミア工程で除去され、大きな凹凸が形成されるため、後述するシード層をエッチングによって除去する工程後にエッチング残りが発生し、絶縁不良の原因となることがある。
また、(C)リン含有フェノール樹脂(HCA−HQなど)の含有量が1質量%以上とすることにより必要な難燃性が得られる。
(D)フェノール性水酸基含有ポリアミドイミドは、分子構造中にアミド基及びイミド基の他にエポキシ基と反応性のあるフェノール性水酸基を有するものである。
ポリアミドイミド樹脂は、イミド環に起因した高ガラス転移温度(Tg)化が容易なこと、アミド基に起因した金属類との高接着性を示すこと、溶剤に可溶なこと等から、多くの研究が行われている。
ポリアミドイミド樹脂の製造方法としては、例えば、無水トリメリット酸と、芳香族ジイソシアネートとを反応させる工程を備える、いわゆるイソシアネート法が知られている。このイソシアネート法の応用例としては、特許第2897186号公報及び特開平4−182466号公報に記載のように、芳香族トリカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとをジアミン過剰条件で反応させ、次いでジイソシアネートを反応させる方法がある。
(D)フェノール性水酸基含有ポリアミドイミドは、上記の如き方法で製造される一般のポリアミドイミドの特性を損なうことなく、さらにエポキシ基と反応可能なフェノール性水酸基を導入したものである。フェノール性水酸基の導入方法として、例えば上記公報記載の方法において芳香族トリカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとをジアミン過剰条件で反応させ、次いでジイソシアネートを反応させる際に、同時にフェノール性水酸基を有する芳香族ジカルボン酸、例えば、ヒドロキシイソフタル酸等を共重合させる方法などがある。
(D)フェノール性水酸基含有ポリアミドイミドは、樹脂組成物を硬化した絶縁樹脂層の低熱膨張係数化に効果がある。絶縁樹脂層の低熱膨張係数化を図るためには、フェノール性水酸基含有ポリアミドを多量に投入すれば良いが、該ポリアミドのみを硬化剤として用いた場合、難燃性が不十分になる。
本発明の絶縁樹脂組成物における(D)フェノール性水酸基含有ポリアミドイミドの含有量は20〜40質量%であり、より好ましくは、25〜35質量%である。(D)フェノール性水酸基含有ポリアミドイミドの含有量が20質量%未満の場合、得られる絶縁樹脂層の熱膨張係数を40ppm/Kを越えてしまい、温度サイクル試験などにおいて、接続信頼性が乏しくなる。一方、フェノール性水酸基含有ポリアミドイミドの含有量が40質量%を越える場合、エポキシ樹脂と硬化剤の配合比の制約上、他の硬化剤である成分(C)リン含有フェノール樹脂の含有量が少なくなるため、難燃性が不十分になってしまう恐れがある。
(E)無機フィラーとしては、例えば、シリカ、溶融シリカ、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、エーロジル、炭酸カルシウムなどが挙げられる。これらは単独でもあるいは混合して用いても良い。
なお、難燃性や低熱膨張の点から水酸化アルミニウム又はシリカを単独あるいはそれらを併用して用いることが好ましい。
また、下層配線層を埋めこむために、多層プリント配線板用の接着フィルムには、高い流動性が求められる。よって、無機充填材は球状であることが、流動性の観点から望ましい。これらの無機フィラーは、分散性を高める目的にカップリング剤で処理しても良く、ニーダー、ボールミル、ビーズミル、3本ロール等既知の混練方法により分散しても良い。
本発明の絶縁樹脂組成物における(E)無機フィラーの含有量は、10〜45質量%であり、好ましくは25〜40質量%である。無機フィラーの含有量を10質量%未満の場合、硬化後の絶縁樹脂層の低熱膨張率化を達成することが困難となり、また、無機フィラーの含有量を45質量%を越える場合は、絶縁樹脂層がもろくなり、温度サイクル試験などでクラックが発生するため好ましくない。
無機フィラーの平均粒径は、回路の微細化が進むことを考慮すると、1μm以下が望ましく、0.5μm以下がより好ましい。大きな無機フィラーは、後述するデスミア工程後の表面凹凸を大きくするために、エッチング残りが発生し、絶縁信頼性を不十分にする恐れがある。
任意成分である(F)化学粗化可能な物質は、後述するデスミア処理によって、硬化後の絶縁樹脂層表面に微細な凹凸を形成し、めっきによって形成した配線との接着強度を向上させるために用いる。(F)化学粗化可能な物質は、デスミア処理によって絶縁樹脂層表面に微細な粗化形状が形成される化合物であれば特に問わないが、架橋ゴム粒子、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、最も好ましくは、架橋ゴム粒子である。
(F)化学粗化可能な物質として、架橋ゴム粒子を用いた場合、この成分が多層プリント配線板用の接着フィルムの耐折り曲げ性の向上に寄与するため、その取扱い性が向上する利点もある。
架橋ゴム粒子としては、アクリロニトリルとブタジエンの共重合物、具体的には、アクリロニトリルとブタジエンとを共重合したアクリロニトリルブタジエンゴム粒子(NBR)や、アクリロニトリルとブタジエンとアクリル酸などのカルボン酸とを共重合したカルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、ポリブタジエンやNBRをコアとしアクリル酸誘導体をシェルとしたブタジエンゴム−アクリル樹脂のコア−シェル粒子が好適に使用される。
アクリロニトリルブタジエンゴム粒子(NBR)とは、アクリロニトリルとブタジエンを共重合させ、かつ共重合する段階で、部分的に架橋させ、粒子状にしたものである。またアクリル酸,メタクリル酸等のカルボン酸を併せて共重合することにより、カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子を得ることも可能である。ブタジエンゴム−アクリル樹脂のコアシェル粒子は、乳化重合でブタジエン粒子を重合させ,引き続きアクリル酸エステル、アクリル酸等のモノマーを添加して重合を続ける二段階の重合方法で得ることができる。粒子の大きさは、一次平均粒子径で、50nm〜1μmにすることができる。これらは、単独でも、2種以上を組み合せて用いてもよい。
カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子の市販品としてはJSR(株)製の商品名、XER−91が挙げられ、ブタジエンゴム−アクリル樹脂のコアシェル粒子はローム・アンド・ハース(株)製の商品名、EXL−2655や武田薬品工業(株)製の商品名、AC−3832が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、その種類、水酸基量、アセチル基量は特に限定されないが、数平均重合度が1000〜2500のものが好ましい。数平均重合度がこの範囲にあると、はんだ耐熱性が確保でき、また、ワニスの粘度、取り扱い性も良好である。ここでポリビニルアセタール樹脂の数平均重合度は、たとえば、その原料であるポリ酢酸ビニルの数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによる標準ポリスチレンの検量線を用いて測定する)から求めることができる。また、ポリビニルアセタール樹脂としては、カルボン酸変性品などを用いることもできる。
ポリビニルアセタール樹脂の市販品としては、たとえば、積水化学工業(株)製の商品名、エスレックBX−1、BX−2、BX−5、BX−55、BX−7、BH−3、BH−S、KS−3Z、KS−5、KS−5Z、KS−8、KS−23Z、電気化学工業(株)製の商品名、電化ブチラール4000−2、5000A、6000C、6000EP等を使用することができる。これらの樹脂は単独で、または2種類以上混合して用いることもできる。
本発明の絶縁樹脂組成物における化学粗化可能な物質の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることが最も好ましい。化学粗化可能な物質の含有量を5質量%を超えた場合、配線間の絶縁信頼性が不十分となる恐れがある。
任意成分である成分(G)アミノ基含有トリアジン変性ノボラック樹脂(以下、ATN樹脂とも云う)は、フェノール類とアミノ基含有トリアジン類とアルデヒト類とを反応して得られるアミノ基含有トリアジン変性ノボラック樹脂であり、本発明の絶縁樹脂組成物を硬化して得られる絶縁樹脂層と導体層との密着力を向上させるために用いることができる。
ATN樹脂は、フェノール類及びアミノ基含有トリアジン類とアルデヒト類との縮合物との他に、アミノ基含有トリアジン類とアルデヒト類との縮合物、フェノール類とアルデヒト類との縮合物、未反応のフェノール類及びアミノ基含有トリアジン類を含んでいても構わない。また、ATN樹脂の数平均分子量は300〜1000の範囲にあり、その分子中に平均0.5〜4個のアミノ基を有するものが最も好ましい。
上記のATN樹脂を製造するためのフェノール類としては、フェノール、ナフトール、ビスフェノールAなどの一価のフェノール性化合物、レゾルシン、キシレノールなどの二価のフェノール性化合物、ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノンなどの三価のフェノール性化合物及びこれらフェノール性化合物のアルキル、カルボキシル、ハロゲン、アミンなどの誘導体などが挙げられる。また、これらのフェノール類は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
また、ATN樹脂を製造するためのアミノ基含有トリアジン類としては、特に限定されるものではなく、アミノ基含有トリアジン環を有すれば構造の如何を問わないが、メラミン、アセトグアナミン又はベンゾグアナミンが好ましい。これらのアミノ基含有トリアジン類は単独又は二種以上の併用も可能である。
本発明の絶縁樹脂組成物における(G)アミノ基含有トリアジン変性ノボラック樹脂の含有量は、7質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、5質量%以下である。7質量%を超えると、絶縁樹脂層の熱膨張係数が低下して、耐温度サイクル試験性が不十分となることがある。
本発明の絶縁樹脂組成物には、必要に応じ、硬化剤を添加することができる。硬化剤には、各種フェノール樹脂類、酸無水物類、アミン類、ヒドラジット類などが使用できる。フェノール樹脂類としては、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾール型フェノール樹脂などが使用でき、酸無水物類としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等が使用でき、アミン類として、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素等が使用できる。アミン類としては、回路導体との接着性からジシアンジアミドが好ましく、耐熱性や絶縁性も考慮するとジシアンジアミドとノボラックフェノールを併用することがさらに好ましい。
硬化剤の使用量は、これらの硬化剤と、硬化剤として作用する(C)成分と(D)成分及び、必要に応じて加える(G)成分との総当量として、エポキシ基に対して0.5〜2.0当量となる量であることが好ましい。エポキシ基に対して0.5当量以上とすることにより外層金属との必要な接着性が得られ、2.0当量以下とすることによりガラス転移温度(Tg)や絶縁信頼性が低下することがない。
また、本発明の絶縁樹脂組成物には、硬化剤の他に、必要に応じて反応促進剤を含有させることができる。反応促進剤としては潜在性の熱硬化剤である各種イミダゾール類や三弗化ホウ素アミン錯体が使用できる。反応促進剤としては、絶縁樹脂組成物の保存安定性やBステージ状(半硬化状)の絶縁樹脂組成物の取り扱い性及びはんだ耐熱性の点から2−フェニルイミダゾールや2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましく、反応促進剤の含有量は(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して0.2〜0.6質量部が最適である。0.2質量部以上とすることにより、粗化量が増加しないので微細配線形成に好適で、且つ、はんだ耐熱性が十分となる。0.6質量部以下とすることにより、絶縁樹脂組成物の保存安定性やBステージ状の絶縁樹脂組成物の取り扱い性が良好となる。
本発明の絶縁樹脂組成物には、前記の必須成分及び任意成分の他に、通常のプリント配線板用樹脂組成物に使用されるチキソ性付与剤、界面活性剤、カップリング剤等の各種添加剤を適宜配合できる。添加剤を用いる際は充分に撹拌した後、泡がなくなるまで静置して多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物を得ることができる。
絶縁樹脂組成物の使用に際しては、溶剤中で混合して希釈または分散させてワニスの形態とするのが作業性の点で好ましい。本発明の絶縁樹脂組成物には、溶剤に溶けにくい樹脂や、無機フィラーなど溶剤に不溶なものが添加されているので、均一に分散できる溶剤が好ましい。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブなどのカルビトール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、プロピレングリコール類、ガンマブチルラクトン、その他にはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどをあげることができる。溶剤は二種類以上を組み合わせて用いても良い。
これらの溶剤の中でアミド系溶剤が、前述の(C)成分として用いられるHCA−HQなどを溶解するため、好適に使用される。アミド系溶剤としては、前述のジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを挙げることができ、ジメチルアセトアミド(以下、DMAcとも云う。)が特に好適である。
使用する全溶剤中のアミド系溶剤の含有量は、 (C)成分として用いられるHCA−HQなどを溶解するために、80質量%以上であることが好ましく、より好ましくは85質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上である。
ワニス中の絶縁樹脂組成物の固形分含有量は、使用する塗工機に依存するが、ワニス中で30〜60質量%となるように、溶剤の使用量を調整することが好ましい。固形分含有量を上記範囲とすることにより塗工に必要な粘度が得られる。
(支持体付き絶縁フィルム)
本発明の多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルムは、上述の絶縁樹脂組成物の半硬化状態(Bステージ)のフィルム(以下、「半硬化フィルム」と云う。)が支持体表面に形成されてなるものである。支持体は、プリント配線板を製造する際に、通常、最終的に剥離または部分的に除去されるものであるが、除去せずに導体として使用する場合もある。
半硬化フィルムが表面に形成される支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフテレート(以下、「PET」とも云う)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔などの金属箔を用いることができる。支持体には、コロナ処理や離型処理を施してあってもよい。半硬化フィルムを硬化した後に支持体を剥離除去する場合は離型性のプラスチックフィルムが好ましい。支持体の厚さは、通常、10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmである。
支持体は、前記の金属箔を導体として用いる場合を除いて、剥離または除去される。剥離または除去される工程は、回路基板にラミネートした後、あるいは加熱硬化することにより絶縁樹脂層を形成した後、あるいは更に穴あけ工程を経た後のいずれかであり、熱プレスを行う場合は、硬化後、あるいは穴あけ工程を経た後に除去される。
なお、支持体の上に形成される半硬化フィルムは、絶縁樹脂組成物の層の面積が支持体の面積よりも小さくするように形成することが好ましい。また、多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルムは、ロール状に巻き取って、保存、貯蔵することができる。
多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルムの半硬化フィルムの表面には、異物の付着やキズを防止する目的で保護フィルムが貼布される。保護フィルムはラミネートや熱プレスの前に剥離される。保護フィルムとしては、支持体フィルムと同様の材料を用いることができる。保護フィルムの厚さは特に限定されるものではないが、好ましくは1〜40μmの範囲である。
支持体フィルムに金属箔を用いた場合は、半硬化フィルムの熱硬化後にその金属箔をそのまま導体層として、回路形成するものである。金属箔としては、銅箔が好適であり、圧延銅箔、電解銅箔などがあり、厚さが2〜70μmのものが一般的に用いられる。厚さの薄い銅箔を用いる場合は,作業性を向上させるためにキャリア付き銅箔を使用しても良い。また、樹脂ワニスが塗布される金属箔の表面状態は特に問わないが、樹脂と金属箔の接着力を高くする観点からマット面であることが好ましく、必要に応じて事前に処理しておいてもかまわない。なお、銅箔は、塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液でエッチングすることにより除去することができる。支持体に金属箔を用いる場合は、半硬化フィルムの熱硬化に熱プレスを用いることも可能である。
本発明のプリント配線板用支持体付き絶縁フィルムにおける半硬化フィルムは、絶縁樹脂組成物を半硬化させたものである。この半硬化の状態は、絶縁樹脂組成物を硬化する際に、絶縁樹脂層とそれを形成する回路パターン基板の接着力が確保される範囲で、回路パターン基板の埋めこみ性(流動性)が確保される範囲であることが望ましい。また、本発明の多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルムにおいて、半硬化フィルムには、溶剤が含まれている場合が多い。
半硬化フィルムの厚さは、硬化後の絶縁樹脂層の厚さを考慮して決めることが望ましい。本発明の多層プリント配線板の用途としては、半硬化フィルムの膜厚は5〜100μmであることが好ましく、プリント配線板の軽薄短小化のために、5〜50μmであることがより好ましく、特に好ましくは、5〜30μmである。
(支持体付き絶縁フィルムの製造方法)
本発明の多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルムの製造方法は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がアミド系溶剤である溶剤に、多層プリント配線板用絶縁層用樹脂組成物を固形分として30〜60質量%で含有させたワニスを、支持体上に塗工し、乾燥することにより得られるものである。
支持体付き絶縁フィルムを得るには、例えば、絶縁樹脂組成物のワニスを前記のように作製し、このワニスを支持体上に塗布し、乾燥する方法が挙げられる。また、ワニスを支持体上に塗布する場合はコンマコータ、バーコータ、キスコータ、ロールコーター等が利用でき、塗布厚によって適宜使用される。塗布厚、塗布後の乾燥条件等は使用目的に合わせて適宜選択される。乾燥方法としては、加熱、あるいは熱風吹きつけなどを用いることができる。
本発明の多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルムを作製する際の乾燥条件は特に限定されるものではないが、乾燥によって溶剤を揮発させた後に、半硬化フィルム中に残存している溶剤(以下,残溶剤という)が、20質量%以下、好ましくは15質量%以下になるように、乾燥の条件を決めることが望ましい。例えば、乾燥の温度は50〜150℃の範囲で行うことができる。乾燥の条件は、そのため,予め実験によって適切な乾燥の温度と時間を決めておくことが望ましい。
(プリント配線板用支持体付き絶縁フィルムを用いた回路形成方法)
本発明のプリント配線板用支持体付き絶縁フィルムの半硬化フィルムは、前述のように硬化後に絶縁樹脂層として用いられる。回路形成方法は、支持体として金属箔を用い、その金属箔を導体として用いた場合と、支持体として金属箔を用いない場合とでは工程が異なる。
支持体として金属箔を用いた場合、その金属箔を導体として用いることができる。そのため、エッチング液によって導体パターンを形成する。パターンニングを行う前に、必要に応じて絶縁樹脂層及び回路基板にドリル、レーザー、プラズマ、又はこれらの組み合わせやエッチングを組み合わせた方法によって、穴あけを行い、バホール(IVH)やスルーホールを形成してもよい。レーザーとしては、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー等が一般的に用いられている。
穴あけを行った後、穴中のスミアを除去するために、デスミア処理を行う。デスミア処理剤としては、アルカリ性の過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムなど)、重クロム酸塩などの酸化剤による処理やプラズマ処理などがある。
次に、無電解めっきと電解めっきを組み合わせた方法で層間接続を行い、パターンエッチングによって導体層を形成する。導体層をパターン加工し回路形成する方法としては、公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを用いることができる。
一方、支持体が金属箔ではなく、支持体を導体として用いない場合は、むき出しになった絶縁樹脂層の表面にシード層を形成し、電解めっきを組み合わせた方法で導体パターンを形成する必要がある。
前述のようにして乾燥機中で熱硬化し、絶縁樹脂層を形成した後、必要に応じて、絶縁樹脂層及び基板にドリルやレーザー、プラズマ、又はこれらを組み合わせた方法によって、穴あけを行い、バホール(IVH)やスルーホールを形成してもよい。レーザーとしては同様に、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー等が一般的に用いられている。支持体は熱硬化処理の前又は後に除去する。
次いで、絶縁樹脂層表面に酸化剤(デスミア処理剤)によるデスミア処理を施す。この処理によって、穴あけ後の穴中のスミアを除去すると同時に、絶縁樹脂層表面に微細な凹凸(粗化)を形成することによって、めっきによって形成する導体と絶縁樹脂層の接着強度を向上させることができる(以後、デスミア処理を「粗化処理」ということがある)。デスミア処理剤としては、アルカリ性の過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムなど)、重クロム酸塩などの酸化剤やプラズマ処理などがある。
次に、粗化処理によって凹凸が形成された絶縁層表面に、シード層を形成し、電解めっきを組み合わせた方法で導体パターンを形成する。
なお、導体層形成後に150〜230℃で20〜90分間加熱処理(アニール処理)を施すことにより、絶縁層と導体層の密着力を更に向上、安定化させることができる。また、導体層をパターン加工し回路形成する方法としては、公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを用いることができる。
(多層プリント配線板)
本発明の多層プリント配線板は、片面または両面に内層回路を有する基板の内層回路上に絶縁樹脂層及び回路が逐次積層されている多層プリント配線板であって、絶縁樹脂層が前記の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物の硬化物であることを特徴とするものである。
本発明の多層プリント配線板における絶縁樹脂層の熱膨張係数は40ppm/K以下であることが好ましい。なお、下限は他の特性に支障が生じない限り、特に制限されない。40ppm/K以下とすることにより、熱サイクル試験などの温度変化で金属箔との熱膨張係数の差により絶縁樹脂内部にクラックやビア内のめっき金属にクラックが発生することがなく、接続信頼性が大きくなる。
図1及び図2は本発明の多層プリント配線板を説明するための断面図であり、図1は基板の両面に多層回路を形成した場合の断面図、図2は基板の片面のみに多層回路を形成した場合の断面図である。以下、図2に示したように片面にのみ多層回路を形成した実施形態で説明するが、必要に応じて図1に示すように両面に形成しても良い。
本発明の多層プリント配線板における絶縁樹脂組成物の層は、例えば図2に示すように、内層回路101が形成された基板100上に形成、硬化し、絶縁樹脂層102となる。基板100には、裏面と電気的接続を確保するために、ビアホール(IVH)やスルーホールが形成されていてもかまわない。絶縁樹脂層102には、内層回路(第一の回路)101と第二の回路104の電気的接続を確保するために、ビアホールが形成されており、導体によって、接続されている。ビアホール103は導体によって全て充填されていることが好ましい。(導体によって充填されたビアホールは、一般的にフィルドビアと呼ばれており、本発明においても「フィルドビア」ということがある。図2ではフィルドビアを103aとして示している。)
図2には、絶縁樹脂層を3層(102,105,108)形成しているが、必要に応じて、1層や2層であってもよく、3層を超える場合でもかまわない。
また、図1及び図2では、基板を除く、全絶縁樹脂層に、本発明の絶縁樹脂組成物を適用しているが、場合によっては、一部分の絶縁樹脂層のみが本発明の絶縁樹脂組成物であってもかまわない。
図1及び図2では、ビアホールが他のビアホール上に重畳させて形成されているが、ビアホールが他のビアホールに重畳させなくても良い。
支持体付き絶縁フィルムは、回路パターンが形成された基板上にラミネートによって張り合わせた後に、乾燥機中で加熱することによって半硬化フィルムを硬化させる。
ラミネートとしては、真空ラミネートを用いることができる。真空ラミネートとしては,市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。
ラミネートにおいて、支持体付き絶縁フィルムが保護フィルムを有している場合には、その保護フィルムを除去した後、半硬化フィルムを回路パターンが形成された基板に対向させた状態で、加圧及び加熱しながら圧着する。ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を70〜140℃、圧着圧力を好ましくは0.01〜1MPaとし、真空度を2.7kPa(20mmHg)以下で行うことが好ましい。また、ラミネートの方式はバッチ式であってもロールでの連続式であっても良い。
支持体付き絶縁フィルムをラミネートした後、ラミネートした試料を室温付近に冷却する。支持体を剥離する場合は剥離し、乾燥機中に投入して半硬化フィルムを熱硬化させる。熱硬化の条件は、加熱温度は120〜230℃、加熱時間は30〜120分が好ましい。支持体は硬化後に取り除いてもかまわない。
(多層プリント配線板の製造方法)
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、片面または両面に内層回路を有する基板の内層回路上に、前記の絶縁樹脂組成物の層を形成する工程(イ)、絶縁樹脂組成物を硬化して絶縁樹脂層を得る工程(ロ)及び絶縁樹脂層表面に回路を形成する工程(ハ)を有することを特徴とするものである。
本発明の多層プリント配線板の製造方法について図面を用いて説明する。図3は絶縁樹脂層が基板の片面のみにある場合の多層プリント配線板の製造におけるステップ(a)〜(f)を説明するための断面図である。
ステップ(a)
ステップ(a)は、基板100上に内層回路101を形成するステップである[図1(a)参照]。
はじめに、両面に金属箔層又は内層回路が形成された金属張積層板に、必要に応じてドリルやレーザー法を用いてスルーホールを形成する。その後、デスミア処理によって、スミアを除去し、形成されたビアホールは両面の金属箔同士を電気的に接続する。接続の方法としては、導電性のペーストやめっきなどで充填して層間接続のための導電層を形成することができる。次に、内層回路の形状にエッチングレジストを形成し、塩化銅や塩化鉄などのエッチング液を用いて内層回路101(配線パターン)を形成することができる。内層回路の表面は、次に形成する絶縁樹脂層102との接着力を向上させるために、黒化処理や化学粗化処理などの粗化処理を施すことが望ましい。
ステップ(b)
ステップ(b)では、先ず、上記により片面または両面に内層回路を有する基板を製造した後、工程(イ)により内層回路上に絶縁樹脂組成物の層102を形成する[図3(b)参照]。
図3(b)では、内層回路101は基板100の片面に形成されているが、前述のように、両面に形成されていても良く、この場合は絶縁樹脂組成物の層102を両方の内層回路上に形成できる。
また、絶縁樹脂組成物の層の形成方法に特に制限はない。例えば、前記した本発明の支持体付き絶縁フィルムを内層回路101に積層して形成する方法が挙げられる。
前述のように、ワニスが塗布される支持体としてはPET等のプラスチックフィルムや金属箔等が挙げられるが、絶縁樹脂組成物の硬化前に支持体を剥離除去する場合は離型性のプラスチックフィルム等が好ましい。また、支持体が銅箔等の金属箔の場合は、剥離せずに後述する第二の回路を形成するための金属箔として引き続き用いることができる。支持体付き絶縁フィルムは、半硬化フィルムを内層回路と接して重ね、ラミネート法やプレス装置を用いて積層される。
その後、半硬化フィルムを加熱硬化させて絶縁樹脂層102とする工程(ロ)を行う[図3(b)参照]。その硬化温度は後のめっき処理や金属箔のアニール処理などを考慮した温度や時間で行う。すなわち、あまり硬化を進めると後のめっき処理時に金属箔との接着性が低下したり、反面硬化が足りないとめっき処理時のアルカリ処理液に浸食されめっき液に溶解するような現象が生じたりする。従って、150〜190℃で30〜90分間の熱処理を与えて硬化するのが望ましい。
なお、工程(イ)の加圧積層工程と工程(ロ)の加熱硬化工程とは同時でも別に行ってもよい。加圧積層条件は、半硬化フィルムに内層回路101の凹凸が埋め込まれれば良く、通常0.5〜20MPaが好ましい。
上記工程において、さらに、内層回路(第一の回路101)と第二の回路104を層間接続するために絶縁樹脂層102にビアホールを形成することもできる[図3(b)参照]。
保護フィルムがある場合は、除去又は剥離した後、支持体付き絶縁フィルムの半硬化フィルムの面を、内層回路101を形成した面に対向させて配置し、張り合わせる。張り合わせの方法としては、ラミネート法が用いられる。
室温付近までに冷却した後、乾燥機中で加熱し、絶縁樹脂層102を形成する。支持体の除去又は剥離は、ラミネート後(硬化前)、あるいは硬化後、あるいは後述の第一のビアホール(IVH)103を穴あけした後でも良い。
次に、絶縁樹脂層102に、第一のビアホール103を形成する。ビアホールの形成の種類は一般的なレーザー穴あけ装置を使用することができる。レーザー穴あけ機で用いられるレーザーの種類はCO2レーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等を用いることができる。
更に、必要に応じてビアホール(IVH)形成の際にできたスミアを除去するために、デスミア処理を施す。同時に、絶縁層表面に微細な凹凸を形成する。デスミア処理の方法としては、アルカリ性の過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムなど)、重クロム酸塩、プラズマ処理などがある。
ステップ(c)
次に、以下のような回路加工を施すことにより第二の回路104を形成し、さらに内層回路101と第二の回路104との層間接続を形成する工程(ハ)を行う[図3(c)参照]。
ステップ(c)は、ビアホール(IVH)103が形成された絶縁樹脂層102上に、第二の回路104(配線パターン)を形成する工程である。
L/S=35μm/35μm以下の微細な配線を形成するプロセスとしては、前記したセミアディティブ法が好ましい。(Lは回路配線幅、Sは回路配線間隔を示す。)
その際の工程は、蒸着法、めっき法などにより、シード層を形成する。その後、前述の方法で形成されたシード層上に、めっきレジストを必要なパターンに形成し、シード層を介して電解銅めっきすることにより回路を形成する。その後、めっきレジストを剥離し、最後にシード層をエッチング等により除去し、微細な回路が形成できる。
なお、第一のビアホール(IVH)103中に導体を充填し、フィルドピアを形成し、内層回路101と第二の回路104を電気的に接続する。電解銅めっきによって第一のビアホール(IVH)103中を金属(回路導体)で充填するために、フィルドビア用の電解めっき法を使用してもかまわない。
ステップ(d)
ステップ(d)は、図3(d)に示したように、第二の回路104が形成された表面に、第二の絶縁樹脂層105を形成し、第二のビアホール106を形成する工程である。[図3(d)参照]
まず、第二の回路104の表面に、第二の絶縁樹脂層105との接着力を向上させるために、黒化処理や化学粗化処理などの粗化処理を施す。次に、第一の絶縁樹脂層102の形成方法と同様にして、第二の絶縁樹脂層105を形成する。第二のビアホール106の形成方法は前述の第一のビアホール103の形成方法と同様の方法でかまわない。ステップ(b)と同様に、必要に応じて、デスミア処理を施す。
ステップ(e)
ステップ(e)は、ステップ(c)と同様に、第三の回路107を形成するステップである[図3(e)参照]。形成の方法は、ステップ(c)と同じで良い。
ステップ(f)
ステップ(f)では、ステップ(d)〜ステップ(e)と同様のステップを繰り返して、第三の絶縁樹脂層108を形成し、ビアホール109を形成し、第四の回路110を形成する。むろん、このステップにおいても、前記の支持体付き絶縁フィルムを使用することもできる。
以下、更に同様のステップを繰り返すことにより、更に層数の多い多層プリント配線板を製造することができる。
本発明における基板としては、通常のプリント配線板において用いられている公知の積層板、例えば、ガラス布−エポキシ樹脂、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス紙−エポキシ樹脂、金属基板、ポリエステル基板等が使用でき特に制限はない。また、ビスマレイミド−トリアジン樹脂を含浸させたBTレジン基板、さらにはポリイミドフィルムを基材として用いたポリイミドフィルム基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等も用いることができる。
回路を形成する方法として、基板表面又は絶縁樹脂層に金属箔を形成し、金属箔の不要な部分をエッチング除去するサブトラクティブ法や、前記絶縁基板の必要な個所にのみ、めっきによって回路を形成するアディティブ法、コア基板表面または絶縁層上に無電解めっきによってシード層を形成し、その後、電解めっきで必要な配線を形成した後、無電解めっき層をエッチングで除去する方法(セミアディティブ法)がある。セミアディティブ法においてシード層は、蒸着を用いる方法や金属箔を張り合わせる方法で形成してもかまわない。
回路の形成方法を更に説明すると、上記のエッチングによる回路形成では、金属箔の回路となる箇所にエッチングレジストを形成し、エッチングレジストから露出した箇所に、化学エッチング液をスプレー噴霧して、不要な金属箔をエッチング除去し、回路を形成することができる。
エッチングレジストは、通常のプリント配線板に用いることのできるエッチングレジスト材料及び方法を用いて形成することができる。例えば、レジストインクをシルクスクリーン印刷してエッチングレジストを形成したり、またエッチングレジスト用ネガ型感光性ドライフィルムを金属箔の上にラミネートして、その上に配線形状に光を透過するフォトマスクを重ね、紫外線で露光し、露光しなかった箇所を現像液で除去してエッチングレジストを形成する。
また、めっきによる回路形成では、回路は、コア基板または絶縁層上の必要な箇所にのみ、めっきを行うことで形成することも可能であり、通常のめっきによる回路形成技術を用いることができる。
セミアディティブ法による回路形成では、予め形成されたシード層上に、めっきレジストを必要なパターンに形成し、シード層を介して電解銅めっきにより回路を形成する。その後、めっきレジストを剥離し、最後にシード層をエッチング等により除去し、回路が形成できる。
基板表面または絶縁樹脂層上に、シード層を形成する方法は、蒸着または無電解めっきによる方法と、金属箔を貼り合わせる方法がある。また同様の方法で、サブトラクト法の金属箔を形成することもできる。
無電解めっきによるシード層の形成方法は、基板または絶縁樹脂層表面にめっき触媒を付与した後、めっき銅を、0.5〜3μm無電解銅めっきし、形成することができる。
蒸着によるシード層の形成方法は、基板または絶縁樹脂層上に、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、クラスターイオンビーム、または化学的気相成長(CVD)、あるいはそれらを組み合わせた方法を用いて0.1〜3μm形成することができる。
金属箔を貼り合わせる方法では、基板または絶縁樹脂層に接着機能がある場合は、金属箔をプレスやラミネートによって貼り合わせることによりシード層を形成することもできる。しかし、薄い金属層を直接貼り合わせるのは非常に困難であるため、厚い金属箔を張り合わせた後にエッチング等により薄くする方法や、キャリア付金属箔を貼り合わせた後にキャリア層を剥離する方法などがある。
例えば前者としてはキャリア銅/ニッケル/薄膜銅の三層銅箔があり、キャリア銅をアルカリエッチング液で、ニッケルをニッケルエッチング液で除去し、後者としてはアルミ、銅、絶縁樹脂などをキャリアとしたピーラブル銅箔などが使用でき、5μm以下のシード層を形成できる。また、厚み9〜18μmの銅箔を貼り付け、5μm以下になるように、エッチングにより均一に薄くし、シード層を形成してもかまわない。
半導体チップ搭載用基板は、複数の回路を有するので、各層の回路を電気的に接続するためのバホールを設けることができる。バホールは、コア基板または絶縁樹脂層に接続用の穴を設け、この穴を導電性ペーストやめっき等で充填し形成できる。穴の加工方法としては、パンチやドリルなどの機械加工、レーザー加工、薬液による化学エッチング加工、プラズマを用いたドライエッチング加工などがある。また、絶縁樹脂層のバホール形成方法としては、予め絶縁樹脂層に導電性ペーストやめっきなどで導電層を形成し、これをコア基板にプレス等で積層する方法などもある。
次に、必要に応じて回路の表面を接着に適した状態に表面処理する。この手法も、特に制限はなく、例えば、次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ水溶液により内層回路101の表面に酸化銅の針状結晶を形成し、形成した酸化銅の針状結晶をジメチルアミンボラン水溶液に浸漬して還元するなど公知の製造方法を用いることができる。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限されるものではない。
実施例及び比較例で作製した支持体付き絶縁フィルム及び多層プリント配線板について、下記の方法により熱膨張係数、回路との接着強度(ピール強度)、288℃はんだ耐熱性試験,接続信頼性試験(温度サイクル試験)、絶縁信頼性試験及び難燃性試験を実施した。
(1)熱膨張係数
各実施例及び比較例で得た支持体付き絶縁フィルムを、半硬化フィルムを銅箔(古河サーキットフォイル(株)社製、商品名:F3−WS−18)に向かい合わせてラミネートし、支持体フィルムを取り除いて180℃で60分間硬化した。ラミネート及び硬化の条件はステップ(b)と同様にした。その後、銅箔を全面エッチングして、硬化後の絶縁樹脂層の熱膨張係数を評価する試料を作製し、熱膨張係数を測定した。
熱膨張係数の測定は、サーモメカニカルアナライザー(株式会社TAインスツルメンツ社製、商品名:TMA2940)を用い、試料を長さ20mm、幅3mmに切断し、昇温速度10℃/分、測定長15mm、加重5g、引張り法で測定し、30〜120℃での熱膨張を測定し、熱膨張係数を求めた。
(2)回路との接着強度(ピール強度)
各実施例及び比較例で作製した多層プリント配線板の第四の回路110に形成したピール強度測定用の短冊状の回路を、一端を回路/絶縁樹脂層界面で剥がし、つかみ具でつかみ、室温中で垂直方向に引張り速度約50mm/分で引き剥がして得た値をピール強度とした。
(3)288℃はんだ耐熱性
各実施例及び比較例において、第四の回路中に作製した25mm□(一辺25mmの正方形を意味する。以下同様。)のパターンに沿って、多層プリント配線板を切断し、はんだ耐熱試験用試料とした。各種試料でそれぞれ2個の試験試料を作製した。
作製した試料を288±2℃に調整したはんだ浴に浮かべ、ふくれが発生するまでの時間を調べた。試験時間は最大で300秒行い、300秒を超える試料についてはOKとした。
(4)接続信頼性(温度サイクル試験)
各種信頼性試験用の多層プリント配線板を用いて、各種のサンプルを50mm□に切断し、得られた22個のサンプルについて、−55℃〜125℃の温度サイクル試験条件で1000サイクルの温度サイクル試験を行った。1000サイクル後に、それぞれの試験試料を、顕微鏡で回路の2mm角コーナー部に発生しやすい絶縁樹脂中にクラックが発生しているかを観察した。また、断面を観察し、3層スタックドビア部にクラックが発生しているかどうか観察した。それぞれの観察で、いずれかの部分にクラックが発生しているものをNGとした。表中にNG数/22個の結果を示した。
(5)絶縁信頼性
各実施例及び比較例で作製した多層プリント配線板において、(工程e)と(工程f)で作製した10mm□の層間の絶縁信頼性試験用のパターンを使用して、絶縁樹脂の層間方向に電圧印加できるように端子部にリード線をはんだ付けで固定した。それぞれの試料について、5個(N=5個)作製した。そして、絶縁樹脂の層間方向の絶縁抵抗を室温中で6V、1分印加して測定した。さらに、これを試料とし、130℃、85%RHの不飽和雰囲気下で直流電圧6Vを印加しながら所定時間で試料を取り出し、室温中で6V、1分印加した。絶縁抵抗値が108Ω以下をNGとし、それまでに要する時間を絶縁信頼性の時間を調べた。試験は最大で220時間行った。
(6)難燃性試験
各実施例及び比較例において、内層回路を有する基板の製造に用いた前記ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板にエッチングを施して銅箔を完全に剥離した基板を作製し、この基板の両面に、支持体付き絶縁フィルムを半硬化フィルムと基板とを向かい合わせてラミネートし、支持体を取り除いて、180℃で60分間の加熱を行うことにより硬化させた。ラミネート及び硬化の条件は、実施例1のステップ(b)と同様にした。
続いて、IVHを形成することなく、硬化させた絶縁樹脂層の表面にデスミア処理を実施例1のステップ(b)と同様に処理を施した後、回路を形成することなく、再度同じ支持体付き絶縁フィルムを両面にラミネートした。このようにして、合計で片面3層(両面で6層)基板上に絶縁樹脂層を形成し、回路及びIVHのない、難燃性の評価用試料を作製した。難燃性は、UL−94法に従い試験した。
(7)流動性試験
各実施例及び比較例で作製した多層プリント配線板を用いて、L/S=100μm/100μmの回路上に形成した絶縁樹脂層の凹凸を回路に垂直に測定し、回路の段差と、樹脂の流動性に起因する配線埋めこみ性の試験を行った。
測定には、表面粗さ計〔ミツトヨ(株)社製、商品名:サーフテストS−4700〕を用い、5回の測定結果の平均値を算出した。最大高低差が3μm以下の試験結果をOKとし、3μm以上のものをNGとした。
製造例1(フェノール性水酸基含有ポリアミドイミド樹脂の製造)
ディーンスターク還流冷却器、温度計及び撹拌器を備えた2Lのセパラブルフラスコに、芳香族ジアミン化合物である2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン〕〔和歌山精化工業(株)社製、商品名:BAPP〕30.8g、無水トリメリット酸(TMA)28.9g及び非プロトン性極性溶媒であるジメチルアセトアミド(DMAc)230g を投入して80℃で30分間撹拌した。
得られた反応溶液に水と共沸可能な芳香族炭化水素であるトルエン200mLを加え、160℃ で2時間還流した。水分定量受器に理論量の水が得られ、水の流出が見られなくなっていることを確認後、水分定量受器中の水とトルエンを除去し、反応溶液の温度をさらに165℃ まで上昇させて、反応溶液中のトルエンを除去した。
その後、反応溶液を室温まで冷却してから、5−ヒドロキシイソフタル酸 9.1g、2,4−ジヒドロキシ安息香酸7.1g及び、ジイソシアネートである、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)37.6gを加え、反応溶液を160℃ に加熱して2時間反応させ、フェノール性水酸基含有ポリアミドイミド樹脂のDMAc溶液を得た。得られたフェノール性水酸基含有ポリアミドイミド樹脂のゲルパーミッションクロマトグラム(GPC)での分子量(Mw)は20,000であり、理論上のフェノール当量は654であった。
実施例1
(支持体付き絶縁フィルムの作製)
下記組成の絶縁樹脂組成物のワニスを作製した(質量部は固形分の質量部を示す)。このワニスを厚さ38μmのPETフィルム(支持体)上にバーコートにて塗布し、130℃で5分乾燥して膜厚約30μmの半硬化フィルムを有する支持体付き絶縁フィルムを作製した。
[組成]
(A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名:NC3000S−H) 13.0質量部
(B)リン含有エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:エポトートZX−1548−3、リン含有量:3.0重量%、固形分濃度100%) 13.0質量部
(C)リン含有フェノール樹脂(三光株式会社製、商品名:HCA−HQ、リン含有量:約9質量%、固形分濃度100%) 3.6質量部
(D)フェノール性水酸基含有ポリアミドイミド樹脂A(固形分濃度30質量%のDMAc溶液使用) 34.3質量部
(E)無機フィラー:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名:アドマファインSO−25R:固形分濃度50質量%のDMAc溶液使用) 39.4質量部
・反応促進剤:2−フェニルイミダゾール
(四国化成工業株式会社製、商品名:2PZ−CNS) 0.1質量部
・追加溶剤:DMAc 21.5質量部
(多層プリント配線板の作製)
上記により作製した支持体付き絶縁フィルムを用いて下記のステップ(a)〜ステップ(f)により多層プリント配線板を製造した。
ステップ(a)
図3の基板100として厚さ0.6mmのガラスエポキシの両面銅張積層板〔日立化成工業(株)製、商品名:MCL−E−679F、銅箔厚さ:12μm〕を用い、内層回路101となる部分にエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄エッチング液を用いてエッチングして、内層回路101を形成した。
次に、回路表面に化学粗化処理〔化学粗化剤として、日立化成工業(株)製、商品名:HIST7300を使用〕を施した。
ステップ(b)
(1)支持体付き絶縁フィルムを用い、半硬化フィルムを前記の化学粗化処理を施した内層回路101が形成されている面と向かい合わせて、真空加圧式ラミネーター〔(株)名機製作所社製、商品名:MVLP−500〕を使用し、下記条件でラミネートを行った。
真空度:100Pa(0.75mmHg)
圧着温度:110℃
圧着圧力:0.5MPa
圧着時間:40秒
(2)支持体付き絶縁フィルムの支持体を剥離し、180℃で60分間加熱して半硬化フィルムを熱硬化させた。この工程によって、絶縁樹脂層102を形成した。
(3)絶縁樹脂層102に、レーザー法を用いて、第一のビアホール(IVH)103を形成した。レーザーには、炭酸ガスレーザー装置(三菱電機株式会社製、商品名:ML605GTX)を使用し、周波数100Hz、ショット数3で、直径100μmのIVHを形成した。IVH103は、内層回路101のランド部の上にも形成した。
(4)試料全体にデスミア処理液に浸漬することによって、レーザー穴あけによって生じたスミアを除去すると同時に、絶縁樹脂層表面に微細な凹凸を形成した。
デスミア処理は、まず、コンディショナー〔ローム・アンド・ハース電子材料(株)製、商品名、MLBコンディショナー211〕を用いた膨潤液に80℃で5分間浸漬し、続いてプロモータ〔ローム・アンド・ハース電子材料(株)製:商品名:MLBプロモータ213〕を用いたデスミア液に80℃で15分間浸漬し、最後に、表面に残ったマンガンを除去するために、中和液〔ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製、商品名:MLBニュートライザ216−2〕に50℃で5分間浸漬し、還元、除去した。
ステップ(c)
セミアディティブ法を用いて回路を形成するために、試料を無電解めっき触媒液、無電解めっき液に浸漬することにより、第二の回路104の表面に厚さ0.5μmのシード層を形成した。なお、この際にIVH103の底面、側壁にも、シード層を形成した。次に、シード層の表面にめっきレジストをパターンニングした後、電解めっきを行った。その後、エッチングレジスト層及びシード層を除去することにより、第二の回路104ならびにIVH103中を導体で満たすフィルドビアを形成した。
ステップ(d)
ステップ(b)を繰り返し、第二の絶縁樹脂層105を形成し、IVH106をビアホール103上に形成した。続いて、ステップ(b)と同様の条件で、デスミア処理を施した。
ステップ(e)
ステップ(c)を繰り返し、第三の回路107ならびにIVH106中を導体で満たしフィルドビアを形成した。第三の回路107では、絶縁信頼性試験用の10mm□のパターンを形成し、配線を引き出して、ランドを作製した。
ステップ(f)
ステップ(d)〜ステップ(f)を繰り返し、第三の層間絶縁層108を形成し、IVH109中を導体で満たしフィールドビアを形成し、第四の回路110を形成した。
この工程で、内層回路101中のランドから、IVH103にフィルドビア処理を施し、IVH106にもフィルドビア処理を施した上にIVHを形成し、フィルドビア処理を施し、温度サイクル試験用の3段スタックドビアを形成した。
また、ステップ(f)では第四の回路110中に、ピール強度測定用に、10mm幅、100mm長さの短冊状の回路を作製し、多層プリント配線板を製造した。
更に、第四の回路110では、第三の回路層107で作製した絶縁信頼性試験用の10mm□のパターン上に、同じく10mm□のパターンを作製し、絶縁樹脂層の絶縁信頼性試験を行うことができるようにした。
ステップ(e)で絶縁信頼性試験用に10mm□のパターンから配線を引き出して、形成したランド上の絶縁樹脂層108にIVH109を形成し、第四の回路110に引き出して、絶縁信頼性試験を行えるようにした。
第四の回路110には、はんだ耐熱試験用に、25mm□のパターンを形成した。また、第四の回路110には、流動性を測定することができるように、L/S=100μm/100μmで長さが5mmの短冊状の配線パターンを作製した。
熱膨張係数、回路との接着強度(ピール強度)、288℃はんだ耐熱性,接続信頼性(温度サイクル試験)、絶縁信頼性及び難燃性試験の測定結果を第1表に示す。
実施例2〜8、比較例1〜7
絶縁樹脂組成物のワニスを第1表に示す組成として実施例1と同様に支持体付き絶縁フィルム及び多層プリント配線板を作製した。各物性試験の測定結果を第1表及び第2表に示す。
Figure 2009176889
Figure 2009176889
第1表から明らかなように、本発明の絶縁樹脂組成物を用いた絶縁樹脂層を含む多層プリント配線板は、実施例1〜8で得られた結果で示すように、難燃性に優れ、低熱膨張であり、耐温度サイクル試験において良好な接続信頼性を示し、更に、絶縁信頼性において良好な結果を示し、288℃はんだ耐熱性や流動性にも優れている。
一方、第2表から明らかなように、本発明の絶縁樹脂組成物を用いない絶縁樹脂層を含む多層プリント配線板は、比較例1〜7で得られた結果で示すように、難燃性が不十分であったり、耐温度サイクル試験でのクラックが発生したり、絶縁信頼性が不十分であったり、流動性が不十分であったりしている。
本発明によれば、環境に悪影響を与える可能性があるハロゲン化合物を一切使用しないで難燃性を有し、鉛フリー化に対応可能な高いはんだ耐熱性と機械的や熱的な応力集中に耐えられるような絶縁樹脂層を有し、さらに高い絶縁信頼性を有する多層プリント配線板を提供できる。
本発明の多層プリント配線板を説明するための断面図(基板の両面に多層回路を形成した場合)である。 本発明の多層プリント配線板を説明するための断面図(基板の片面のみ多層回路を形成した場合)である。 本発明の多層プリント配線板の製造方法を説明するための(a)〜(f)工程の断面図である。
符号の説明
100・・・・・・・・・・・・・・・基板
101、101a、101b・・・・・内層回路(第一の回路)
102、102a、102b・・・・・第一の絶縁樹脂層
103・・・・・・・・・・・・・・・第一のビアホール(IVH)
103a、103b・・・・・・・・・第一のフィールドビア
104、104a、104b・・・・・第二の回路
105、105a、105b・・・・・第二の絶縁樹脂層
106・・・・・・・・・・・・・・・第二のビアホール(IVH)
106a、106b・・・・・・・・・第二のフィールドビア
107、107a、107b・・・・・第三の回路
108、108a、108b・・・・・第三の絶縁樹脂層
109・・・・・・・・・・・・・・・第三のビアホール(IVH)
109a、109b・・・・・・・・・第三のフィールドビア
110、110a、110b・・・・・第四の回路

Claims (11)

  1. (A)多官能型エポキシ樹脂、(B)リン含有エポキシ樹脂、(C)リン含有フェノール樹脂、(D)フェノール性水酸基含有ポリアミドイミド及び(E)無機フィラーを含有し、全固形分中の含有量として、(A)多官能型エポキシ樹脂が3〜30質量%、(B)リン含有エポキシ樹脂が3〜30質量%、(C)リン含有フェノール樹脂が1〜5質量%、(D)フェノール性水酸基含有ポリアミドイミドが20〜40質量%、(E)無機フィラーが15〜45質量%であることを特徴とする多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物。
  2. さらに、(F)化学粗化可能な物質を、全固形分中の含有量として、5質量%以下含有する請求項1に記載の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物。
  3. (F)化学粗化可能な物質が架橋ゴム粒子である請求項2に記載の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物。
  4. さらに(G)アミノ基含有トリアジン変性ノボラック樹脂を、全固形分中の含有量として、7質量%以下含有する請求項3に記載の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板用絶縁層用樹脂組成物の層が、半硬化の状態で支持体上に形成されていることを特徴とする多層プリント配線板用支持体付絶縁フィルム。
  6. 80質量%以上がアミド系溶剤である溶剤に、請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板用絶縁層用樹脂組成物を、固形分として30〜60質量%で溶解させたワニスを、支持体に塗工して乾燥し半硬化させることを特徴とする多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルムの製造方法。
  7. 片面または両面に内層回路を有する基板の内層回路上に絶縁樹脂層及び回路が逐次積層されている多層プリント配線板であって、該絶縁樹脂層が請求項1〜4のいずれかの多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする多層プリント配線板。
  8. 絶縁樹脂層の熱膨張係数が40ppm /K以下である請求項7に記載の多層プリント配線板。
  9. 片面または両面に内層回路を有する基板の内層回路上に、請求項1〜4のいずれか記載の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物の層を形成する工程(イ)、該絶縁樹脂組成物を硬化して絶縁樹脂層を得る工程(ロ)及び該絶縁樹脂層の表面に回路を形成する工程(ハ)を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  10. 工程(イ)が、片面または両面に内層回路を有する基板の内層回路上に、請求項5に記載の多層プリント配線板用支持体付絶縁フィルムを、半硬化状態の絶縁樹脂組成物の層を内層回路に接して重ねることからなり、工程(ロ)が、支持体を剥離除去した後に加熱することにより半硬化状態の絶縁樹脂組成物の層を硬化して絶縁樹脂層を得ることからなる請求項9に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  11. 工程(イ)が、片面または両面に内層回路を有する基板の内層回路上に、請求項5に記載の多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルムであって、支持体が金属箔である絶縁フィルムを、半硬化状態の絶縁樹脂組成物の層を内層回路に接して重ねることからなり、工程(ロ)が、加熱することにより半硬化状態の絶縁樹脂組成物の層を硬化して絶縁樹脂層を得ることからなり、工程(ハ)が金属箔をエッチングして回路を形成することからなる請求項9に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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