JP2011080636A - 空調室内機 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタを周回させるローラーの表面に塵埃が滞留することを抑制するフィルタ清掃機構付きの空調室内機を提供する。
【解決手段】空調室内機2では、ブラシ61がフィルタ21を挟んでローラー41と対峙する位置に配備されている。ローラー41の表面からは、パイル糸411aから成る細線部材が径に対して所定方向に傾いて突出している。フィルタ21から脱離した塵埃の一部はパイル糸411aの根元とローラー41表面との鋭角側隙間に入り込もうとするが、ブラシ61がパイル糸411aを起こす方向と逆の方向に回転するので、ブラシ61がパイル糸411aの根元から先端に向かって塵埃を掻き出す。その結果、パイル糸411aの根元に塵埃が溜まり込むことが抑制される。
【選択図】図5

Description

本発明は、空調室内機に関し、特に、フィルタに付着した塵埃を自動的に除去するフィルタ清掃機構付きの空調室内機に関する。
近年、フィルタ清掃機構付きの空調室内機が広く普及しており、例えば、特許文献1(特開2009−85504公報の実施例3)に開示されているフィルタ清掃機構では、環形状に成形されたフィルタが室内熱交換器の風上側に配置され、そのフィルタは回転するローラーとの摩擦力によって周回し、ブラシのような掻き取り部材がそのフィルタに接触して塵埃を掻き落している。
しかしながら、特許文献1に記載の空調室内機では、フィルタに付着している塵埃がローラー表面に集まり易く、ローラー表面に滞留した塵埃によってフィルタとローラーとの摩擦力が低下し、フィルタが周回できなくなる可能性がある。
本発明の課題は、フィルタを周回させるローラーの表面に塵埃が滞留することを抑制するフィルタ清掃機構付きの空調室内機を提供することにある。
第1発明に係る空調室内機は、フィルタを搬送させながらフィルタに付着した塵埃を除去するフィルタ清掃機構付きの空調室内機であって、ローラーと、ブラシとを備えている。ローラーは、フィルタの網目に入り込む複数の細線部材を有し、回転時に網目と細線部材との噛み合いによってフィルタを搬送する。ブラシは、フィルタを挟んでローラーと対峙する位置に配備される。細線部材は、ローラーから径に対して所定方向に傾いて突出している。ブラシは、細線部材を起こす方向と逆の方向に回転する。
この空調室内機では、フィルタから脱離した塵埃の一部は細線部材の根元とローラー表面との鋭角側隙間に入り込もうとするが、ブラシが細線部材の根元から先端に向かって塵埃を掻き出すので、細線部材の根元に塵埃が溜まり込むことは抑制される。
第2発明に係る空調室内機は、第1発明に係る空調室内機であって、フィルタが、環形状に成形されており、ローラーの回転によって所定軌道を周回する。
ローラーがフィルタを往復搬送させる場合、細線部材がローラーから径に対して所定方向に傾いて突出しているので、フィルタの網目と細線部材との噛み合い力がフィルタの搬送方向によって異なるという難点がある。しかし、この空調室内機では、フィルタが環形状になることによって、ローラーが同一方向に一定量回転したときに元の位置に戻るので、フィルタを往復搬送させる必要がない。その結果、安定した噛み合い力でフィルタが搬送される。また、フィルタの位置検出手段が不要になる。
第3発明に係る空調室内機は、第2発明に係る空調室内機であって、ローラーは、環形状のフィルタの内側に位置し、フィルタの進行方向を反転させる湾曲面の支持部を兼用する。
この空調室内機では、ローラーはフィルタの進行方向を反転させる湾曲面でフィルタと接触するので、ローラーとフィルタとの接触領域が増える。その結果、細線部材がフィルタの網目に噛み合い易くなり、搬送力が十分に確保され、ローラーとフィルタとの間の滑りが減少する。
第1発明に係る空調室内機では、フィルタから脱離した塵埃の一部は細線部材の根元とローラー表面との鋭角側隙間に入り込もうとするが、ブラシが細線部材の根元から先端に向かって塵埃を掻き出すので、細線部材の根元に塵埃が溜まり込むことは抑制される。
第2発明に係る空調室内機では、安定した噛み合い力でフィルタが搬送される。また、フィルタの位置検出手段が不要になる。
第3発明に係る空調室内機では、細線部材がフィルタの網目に噛み合い易くなり、搬送力が十分に確保され、ローラーとフィルタとの間の滑りが減少する。
本発明の一実施形態に係る空調室内機の断面図。 フィルタ清掃装置の斜視図。 フィルタ清掃装置の分解斜視図。 図2のA−A曲線を通る平面によって切断されたフィルタ清掃装置の断面図。 フィルタとローターとブラシとが接触する部分の拡大断面図。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<空調室内機2>
図1は、本発明の一実施形態に係る空調室内機の断面図である。図1において、本体10の外郭は、グリル10aと前面パネル10bと背面板10cとで構成されている。本体10の内部には、フレーム11、室内熱交換器12、ファン13、及びフィルタ21が配置されている。
室内熱交換器12は、通過する空気との間で熱交換を行う。ファン13は、室内から取り込んだ空気を、室内熱交換器12に当てて通過させた後、室内に吹き出す。室内熱交換器12及びファン13は、フレーム11に取り付けられている。
フレーム11の前面下部には、吹出口15が設けられており、吹出口15から吹き出される空気を案内する水平フラップ17が、吹出口15に設けられている。水平フラップ17は、空気の吹出方向を変更したり、吹出口15を開閉したりすることができる。
グリル10aと室内熱交換器12との間にはフィルタ21が配置されており、室内熱交換器12に向って流入してくる空気に含まれる塵埃を除去する。また、空調室内機2は、塵埃が付着したフィルタ21を自動清掃するフィルタ清掃装置70を備えている。以下、フィルタ清掃装置70に関連する部材について図面を用いて説明する。
図2は、フィルタ清掃装置の斜視図である。また、図3は、図2のフィルタ清掃装置の分解斜視図である。図1、図2及び図3において、フィルタ清掃装置70は、フィルタ21を支持する支持枠40と、支持枠40を支持する第2支持枠50とを有している。
(フィルタ21)
フィルタ21は、例えば、樹脂製の糸で平織りされた網であり、環形状に成形されている。なお、フィルタ21の織り方は平織りに限定されるのではなく、綾織りなど他の織り方でもよい。図3に示すように、フィルタ21には、一般のフィルタに見られるような補強用の縁やリブが設けられていない。このため、フィルタ21は自身で安定した形状を維持することができないので、支持枠40がフィルタ21を支持し、フィルタ21に所定の環形状を形成させている。なお、説明の便宜上、フィルタ21のうち、折り返し部分を除いて、フィルタ21の風上側に位置する部分を正面側フィルタ部分211とよび、フィルタ21の風下側に位置する部分を背面側フィルタ部分212とよぶ。
(支持枠40)
図3において、支持枠40は、第1支持板43、第2支持板44、複数の横桟45a及び縦桟45bを含んでいる。第1支持板43と第2支持板44とは、横桟45aによって互いの端面が向かい合うように平行に離れて連結されている。第1支持板43は、長手方向の一端に、ローラー41の回転軸を支持する第1軸受43aを有している。第1軸受43aは、円環状であるが、環の一部が切り欠かれている。
第1支持板43と同様に、第2支持板44も、長手方向の一端にローラー41の回転軸を支持する第2軸受44aを有している。但し、第2軸受44aは円環状であるが、第1軸受43aのような切り欠きはない。
ローラー41の回転軸の一端はローラーギア32が固定されており、ローラーギア32の歯先円径がローラー41の径より大きく、軸方向からの挿入が不可能であるが、ローラー41の回転軸の他端はローラーギア32がないので、軸方向からの挿入が可能である。その結果、ローラー41の回転軸のうちローラーギア32のない側の軸が第2軸受44aに挿入されたのち、ローラーギア32のある側の軸が第1軸受43aの切り欠きから挿入される。
第1支持板43のもう一方の端、つまり、第1軸受43aと反対側にある終端43bは、環形状のフィルタ21が進行方向を反転させる方向転換部であるので、端面は滑らかな曲面に仕上げられている。同様に、第2支持板44のもう一方の端、つまり、第2軸受44aと反対側にある終端44bも、環形状のフィルタ21が進行方向を反転させる方向転換部であるので、端面は滑らかな曲面に仕上げられている。
第1支持板43は、板幅のほぼ中央に、長手方向に沿って並ぶ複数の第1突起43cを有している。同様に、第2支持板44は、板幅のほぼ中央に、長手方向に沿って並ぶ複数の第2突起44cを有している。第1突起43cから第2突起44cまでの最短距離は、フィルタ21の幅より少し大きく設定されている。したがって、環形状のフィルタ21が支持枠40に掛け渡されたとき、フィルタ21の端面は、第1突起43c、第2突起44cと対峙する。
第1支持板43のうち、フィルタ21の端面近傍が載る部分を第1フィルタ受け部43dとよび、第1突起43cを挟んで第1フィルタ受け部43dと反対側の部分を第1案内部43eとよぶ。同様に、第2支持板44のうち、フィルタ21の端面近傍が載る部分を第2フィルタ受け部44dとよび、第2突起44cを挟んで第2フィルタ受け部44dと反対側の部分を第2案内部44eとよぶ。
複数の第1突起43cは、終端43bから第1軸受43aの方向に一定間隔で並んでいるが、第1軸受43aの一定距離手前で途切れている。また、第1突起43cと並んで延びる第1案内部43eも、第1突起43cの並びが途切れた位置で終端面となっている。その結果、第1案内部43eの終端面から第1軸受43aまでの間に第1切り欠き部43fが形成される。
同様に、複数の第2突起44cは、終端44bから第2軸受44aの方向に一定間隔で並んでいるが、第2軸受44aの一定距離手前で途切れている。また、第2突起44cと並んで延びる第2案内部44eも、第2突起44cの並びが途切れた位置で終端面となっている。その結果、第2案内部44eの終端面から第2軸受44aまでの間に第2切り欠き部44fが形成される。
ローラー41の周面には、パイル織りされた織物基布が貼り付けられている。パイル織りとは、表面に短い繊維(パイル糸411a)が立つように織る方法であり、具体的には、衣類等に付着した糸屑や綿埃などを取り除く洋服ブラシの布部分がそれに相当する。
ローラー41の外周面に立つパイル糸411aはフィルタ21の網目に入り込むので、ローラー41とフィルタ21の間には滑りが生じ難くなっている。その結果、ローラー41を回転させることによって、フィルタ21が支持枠40に沿って周回することができる。
(曲面支持部材42)
曲面支持部材42は、第1支持板43の終端43bと第2支持板44の終端44bとを結ぶ。曲面支持部材42は、フィルタ21の進行方向を反転させる部材であり、フィルタ21が接触する部分は滑らかに仕上げられている。
図4は、図2のA−A曲線を通る平面によって切断されたフィルタ清掃装置の断面図である。図4において、ローラー41は回転曲面410によってフィルタ21を支持し、曲面支持部材42は滑らかな円周面に成形された固定曲面420によってフィルタ21を支持している。もちろん、曲面支持部材42をローラーで構成してフィルタ21を回転曲面で支持することは可能であるが、その場合、ローラーおよび軸受け等によって構造が大型化する。
それゆえ、支持枠40がフィルタ21を固定曲面420で支持することによって小型化を実現している。また、曲面支持部材42は、第1支持板43、第2支持板44、横桟45a及び縦桟45bと共に一体成形されるので構成が簡単で部品点数が減る。横桟45aと縦桟45bとは格子を形成しており、一定の強度を確保している。
(外側桟46)
図4に示すように、外側桟46は、フィルタ21を挟んでローラー41と反対側からフィルタ21の湾曲面に近接して対峙している。フィルタ21のローラー41と接触している部分は、進行方向に引っ張られる領域と進行方向に繰り出される領域とが隣接しており、繰り出される領域ではフィルタ21に作用する張力が低下してフィルタ21が波打つ可能性が高い。
しかし、外側桟46が設けられることによって、波打ったフィルタ21が他の部材と接触する前に外側桟46に接触するので、仮にローラー41の近傍に別の可動部材(例えば、図1に示すブラシ61)が存在している場合でも、フィルタ21が噛み込まれることがない。
(取っ手48)
図3において、取っ手48は、第1切り欠き部43fおよび第2切り欠き部44fに嵌め込まれて固定される。取っ手48は、ハンドル48aと、固定部48bと、保持部48cとを有している。
固定部48bは、ハンドル48aの根元部分を形成し、第1切り欠き部43fおよび第2切り欠き部44fに嵌まり込む。保持部48cは、フィルタ21を押して弛みを防止するテンションバー47を保持する。
取っ手48はテンションバー47の両端を保持し、フィルタ21が掛け渡された支持枠40の後方側から、取っ手48が第1切り欠き部43f及び第2切り欠き部44fを通って前方側へ出る。取っ手48の固定部48bが第1切り欠き部43f及び第2切り欠き部44fに位置決めされととき、テンションバー47は、フィルタ21を支持枠40側へ押した位置で停止する。その結果、フィルタ21は、テンションバー47によって弛みが解消され、支持枠40に周回可能に支持された状態となる。
ハンドル48aの側面はフィルタ21の両端面に近接して対向するので、フィルタ21が支持枠40を周回する際、フィルタ21の両端が複数の第1突起43c、複数の第2突起44c、および取っ手48のハンドル48aによって案内されるので、フィルタ21の蛇行が防止される。
(第2支持枠50)
図2および図3において、第2支持枠50は、第1側板51、第2側板52、第3側板53、補強枠54、および端部取付板55を有している。第1側板51、第2側板52および第3側板53は平行にほぼ等間隔で並んでいる。補強枠54は、第1側板51と第2側板52との間、第2側板52と第3側板53との間に取り付けられる。端部取付板55は、第1側板51、第2側板52及び第3側板53の終端に各終端を覆うよう取り付けられる。
第1側板51には、支持枠40の第1案内部43eを支持する案内溝51aが設けられている。また、第1側板51の案内溝51aがない側には3つのモータが取り付けられ、案内溝51aがある側にギア列が取り付けられ、各モータの回転軸は第1側板51を貫通してギア列に連結されている。
第2側板52には、支持枠40の第2案内部44eを支持する案内溝52aと、支持枠40の第1案内部43eを支持する案内溝52bとが設けられている。案内溝52aは第1側板51に対峙する側に設けられ、案内溝52bは案内溝52aと反対側に設けられている。第3側板53には、支持枠40の第2案内部44eを支持する案内溝53aが設けられている。案内溝53aは、第2側板の案内溝52bに対峙している。
案内溝51a、52a、52b、53aは2次曲線状に湾曲しており、その深さは第1案内部43e及び第2案内部44eが完全に収まる程度の深さであり、長さは支持枠40の第1支持板43及び第2支持板44の長さより短く、第1突起43c及び第2突起44cの配列長さにほぼ等しい。
図3に示すように、第1側板51に固定される3つのモータのうち、2つのモータがローラー41を回転させるローラー駆動モータ31であり、もう1つのモータがブラシ61(図1参照)を回転させるブラシ駆動モータ63である。ブラシ駆動モータ63は、2つのローラー駆動モータ31の下方に配置されている。
説明の便宜上、第1側板51と第2側板52とに支持されるローラー41を右ローラー41aとよび、第2側板52と第3側板53とに支持されるローラー41を左ローラー41bとよぶ。下側のローラー駆動モータ31は、右ローラー41aを回転させるため、ギア列31aを介して右ローラー41aのローラーギア32を回転させる。上側のローラー駆動モータ31は、左ローラー41bを回転させるため、ギア列31bおよび延長軸31cを介して左ローラー41bのローラーギア32を回転させる。このように、ローラー41、ローラーギア32およびローラー駆動モータ31が駆動機構30を構成している。
ブラシ駆動モータ63は、延長軸63a及びギア列63bを介してブラシ61(図1参照)を回転させる。
補強枠54は、フィルタ21の進行方向に沿う複数の連結棒54aと、フィルタ21の進行方向と直交する複数の補強棒54bとによって格子が形成されており、一定の強度が確保されている。そして、フィルタ21が接触する可能性のある部分は、滑らかな曲面に仕上げられている。
(支持枠40の脱着)
支持枠40は風上側に向かって凸となるように湾曲しているので、フィルタ21も支持枠40に追従して湾曲している。フィルタ21が掛け渡された支持枠40の湾曲は、まだ第2支持枠50に比べて小さいので、作業者は、支持枠40を湾曲させながら、第1案内部43eを案内溝51a,52bに収め、第2案内部44eを案内溝52a,53aに収める。
支持枠40の複数の第1突起43c及び複数の第2突起44cは、間隔をあけて並んでいるので、第1支持板43および第2支持板44が湾曲し易くなっており、支持枠40は湾曲し易く、容易に第2支持枠50へ装着される。第2支持枠50から支持枠40を取り出す場合、使用者は取っ手48のハンドル48aを持って手前へ引くことによって、支持枠40が引き出される。したがって、メンテナンス性が良い。
(ブラシ61及びその回転方向)
図5は、フィルタとローターとブラシとが接触する部分の拡大断面図である。図5において、ブラシ61は、フィルタ清掃用のブラシであり、フィルタ21に付着した塵埃を掻き落すため、フィルタ21を挟んでローラー41と対向している。ブラシ61は、樹脂製の毛材611aが円柱状の芯611に貼り付けられた形状である。なお、ブラシ61の製造方法は、円柱状の芯611に毛材611aを直に植毛する方法でもよい。
ローラー41のパイル糸411aは途中までフィルタ21の網目に喰い込み、フィルタ21と織物基布411との間に微小な隙間を形成している。ローラー41が、図5のCCW方向(反時計方向)に回転しフィルタ21は周回するとき、フィルタ21の網目に付着していた塵埃は、パイル糸411aの先端によってブラシ61側に押し出されるが、塵埃に一部はパイル糸411aの先端を伝って根元側に集まる。また、既にフィルタ21の網目をすり抜けていた塵埃もパイル糸411aを伝って根元に集まる。このような状態のときに、ブラシ61がフィルタ21の周回方向に逆らう様に回転した場合、フィルタ21の網目に入り込んだブラシ61の毛材611aが、掻き出すことができず、逆に塵埃をパイル糸411aの根元に集めるように作用する。
そこで、本実施形態では、ブラシ61は、フィルタ21の周回方向に逆らわない方向に回転する。パイル糸411aは、ローラー41の径に対してフィルタ21の周回方向に傾いており、ブラシ61はパイル糸411aを起こす方向とは逆の方向に回転する。ブラシ61の毛材611aは、パイル糸411aの根元とローラー41の表面との鋭角側隙間に入り込んだ塵埃および入り込もうとする塵埃を、パイル糸411aの根元から先端に向かって掻き出すので、パイル糸411aの根元に塵埃が溜まり込むことが防止される。
ブラシ61によってフィルタ21から掻き落された塵埃は、ブラシ61の下方に位置するダストボックス60(図1参照)内に溜まる。ダストボックス60は本体10から取り外すことができるので、ダストボックス60内に塵埃が十分溜まったとき、使用者はダストボックス60を本体10から取り外して塵埃を捨てる。
ブラシ61は、図1に示すようにダストボックス60の開口部に回転自在に取り付けられており、使用者が、ダストボックス60を本体10から取り出したとき、ブラシ61も一緒に取り出されるので、使用者はダストボックス60の清掃のときにブラシ61のメンテナンスを行なうことができる。
(フィルタ清掃運転)
空調室内機2は、本体10にフィルタ清掃装置70を制御する制御部(図示せず)を内蔵している。制御部は、空調室内機2の運転時間をカウントしており、前回のフィルタ清掃運転からの累積運転時間が所定時間(例えば、18時間)に到達したとき、ブラシ61を回転させながら、フィルタ21を所定回数(例えば、1回)だけ周回させる。
その間、ブラシ61の毛材がフィルタ21の網目に入り込んで、その網目につまった塵埃を掻き出す。その塵埃は、ブラシ61の下方に位置するダストボックス60内に溜まる。なお、本実施形態に係る空調室内機2は、リモコン(図示せず)を使って強制的にフィルタ清掃運転を実行することもできる。
フィルタ21の周回速度は低速(例えば、1回の周回動作に要する時間は約3分)であるので、フィルタ21が左右いずれかの端に極端に偏ることはないが、仮に、フィルタ21が偏りそうになっても、フィルタ21の端面が第1突起43c及び第2突起44cに対峙しているので、偏りが防止される。
<特徴>
(1)
空調室内機2では、ブラシ61がフィルタ21を挟んでローラー41と対峙する位置に配備されている。ローラー41の表面からは、パイル糸411aから成る細線部材が径に対して所定方向に傾いて突出している。フィルタ21から脱離した塵埃の一部はパイル糸411aの根元とローラー41表面との鋭角側隙間に入り込もうとするが、ブラシ61がパイル糸411aを起こす方向と逆の方向に回転するので、ブラシ61がパイル糸411aの根元から先端に向かって塵埃を掻き出す。その結果、パイル糸411aの根元に塵埃が溜まり込むことが抑制される。
(2)
また、この空調室内機では、フィルタ21が環形状になっているので、ローラー41が同一方向に一定量回転したときに元の位置に戻る。したがって、フィルタ21は往復搬送する必要がなく、安定した噛み合い力でフィルタ21が搬送される。また、フィルタ21の位置検出手段が不要になる。
(3)
また、この空調室内機では、ローラー41が、環形状のフィルタ21の内側に位置しフィルタ21の進行方向を反転させる湾曲面の支持部を兼用しているので、ローラー41とフィルタ21との接触領域が増える。その結果、パイル糸411aがフィルタ21の網目に噛み合い易くなり、搬送力が十分に確保され、ローラー41とフィルタ21との間の滑りが減少する。
以上のように、本発明によれば、フィルタ21が滑らかに動作するようになるので、フィルタ自動清掃機能付きの空調室内機に有用である。
2 空調室内機
21 フィルタ
41 ローラー
61 ブラシ
411a パイル糸(細線部材)
特開2009−85504公報の実施例3

Claims (3)

  1. フィルタ(21)を搬送させながら前記フィルタ(21)に付着した塵埃を除去するフィルタ清掃機構付きの空調室内機であって、
    前記フィルタ(21)の網目に入り込む複数の細線部材(411a)を有し、回転時に前記網目と前記細線部材(411a)との噛み合いによって前記フィルタ(21)を搬送するローラー(41)と、
    前記フィルタ(21)を挟んで前記ローラー(41)と対峙する位置に配備されるブラシ(61)と、
    を備え、
    前記細線部材(411a)は、前記ローラー(41)から径に対して所定方向に傾いて突出しており、
    前記ブラシ(61)は、前記細線部材(411a)を起こす方向と逆の方向に回転する、
    空調室内機(2)。
  2. 前記フィルタ(21)は、環形状に成形されており、前記ローラー(41)の回転によって所定軌道を周回する、
    請求項1に記載の空調室内機(2)。
  3. 前記ローラー(41)は、環形状の前記フィルタ(21)の内側に位置し、前記フィルタ(21)の進行方向を反転させる湾曲面の支持部を兼用する、
    請求項2に記載の空調室内機(2)。
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