JP2011079893A - ウレタン樹脂組成物、硬化体及び硬化体を用いた光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオール成分を含むA液と、ポリイソシアネート成分を含むB液とからなる2液型ウレタン樹脂組成物であって、上記A液又はB液にチオール基を有するシランカップリング剤を含む2液型ウレタン樹脂組成物。
【選択図】図1
Description
また、封止部材には、光透過性及び機械強度の点で、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等が使用されるが、これらの樹脂は一般的に、材料との密着性に優れていると考えられているものの、銀や金に対しては、他の金属に比べて密着性が劣る傾向がある。
このような2液型ウレタン樹脂組成物から得られる硬化体は、銀メッキとの密着性が高い。
一般に、チオール基は、金、銀、銅等の1B族の金属と配位又は共有結合を形成すると考えられている。また、本発明者らは、本発明のウレタン樹脂組成物において、チオール基を有するシランカップリング剤のチオール基又は加水分解後のシラノール基は、ポリイソシアネート成分中の、イソシアネート基とも反応し、チオウレタン結合を形成すると考えている。こうして硬化体と銀との間に結合を形成することにより、密着性向上の効果を得ることができるものと考えられる。
このような構造を有するポリイソシアネート、及びイソシアネート基残存プレポリマーを所定量含むことにより、得られる硬化体のガラス転移温度を向上させることができる。
チオール基を有するシランカップリング剤を上記範囲で含むことにより、銀メッキとの密着性及び得られる硬化体の耐熱性の両方をバランスよく向上させることができる。
(式中、R1は炭素数7〜28の直鎖状又は分岐状の炭化水素基を表す。)
(式中、m及びnは、m/nの比が0.5〜1.0を満たす正の整数である。R2,R3は、それぞれ独立に、2価の炭化水素基、又はポリエーテル鎖を示す。)
上記脂肪酸及びシリコーン−カプロラクトンブロック共重合体は、いずれも離型剤として機能する。上記B液が、これらの化合物をさらに含むことにより、ウレタン樹脂組成物を成型して硬化体を得る際に、銀メッキとの密着性を損なわずに、成型用の金型との離型性を向上させることができる。
このようにして得られる硬化体は、銀メッキとの高い密着性を有する。
無機充填材をさらに含むことにより、硬化体の熱膨張係数をリードフレームの熱膨張係数に近づけ、耐熱試験や温度サイクル試験において、リードフレームとの剥離が生じにくくすることができる。
このような光半導体装置は、硬化体の光透過性が高く、耐光着色等の光学特性及び機械特性に優れる。
本発明のウレタン樹脂組成物は、ポリオール成分を含むA液と、ポリイソシアネート成分を含むB液とからなり、A液又はB液にチオール基を有するシランカップリング剤を含む2液型ウレタン樹脂組成物である。
チオール基を有するシランカップリング剤としては、チオール基を1つ有するシランカップリング剤であることが好ましい。その具体例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物中のチオール基を有するシランカップリング剤の含有量は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分全量に対して、0.1〜2.0重量%であることが好ましく、0.1〜1.0重量%であることがより好ましく、0.1〜0.5重量%であることがさらに好ましい。チオール基を有するシランカップリング剤の含有量が、0.1重量%以上であるとき、ウレタン樹脂組成物を硬化して得られる硬化体と銀との密着性が向上する傾向にあり、2.0重量%以下であるとき、硬化体のガラス転移温度等の耐熱性の低下を抑制することができる。また、ウレタン樹脂組成物が後述する離型剤を含む場合であっても、成型金型との離型性を損なうことなく、硬化体と銀との密着性を向上させることができる。
ポリオール成分は、2つ以上のアルコール性水酸基を有する化合物(ポリオール)からなる成分である。ポリオールは、脂肪族炭化水素基の構造を有するポリオール(脂肪族ポリオール)が好ましく、3つ以上の水酸基を有する脂肪族ポリオール(多官能脂肪族ポリオール)がより好ましい。特に、官能基数が多いポリオールは、得られる硬化体の架橋密度が向上するので好ましい。
脂肪族ポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール等が挙げられ、多官能脂肪族ポリオールとしては、トリメチロールプロパン、プロパン−1,2,3−トリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。その他ポリオールには、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカーボネートジオール、ポリカーボネートトリオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリイソシアネート成分は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物(ポリイソシアネート)からなる成分である。ポリイソシアネートは、第2級の炭素原子と結合したイソシアネート基を有する2官能又は3官能の脂環式構造を有していることが好ましい。上記ポリイソシアネートは、一分子中にイソシアネート基を2つ又は3つ有するものである。その具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス−(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス−(イソシアネトメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート(2,5−(2,6)ビス−(イソシアネトメチル)[2,2,1]ヘプタン)、イソプロプリデンビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキシルジイソシアネート、又はこれらの混合物等が挙げられる。
また、上記脂環式ポリイソシアネートを原料としたイソシアヌレート型やビゥレット型のポリイソシアネートを用いてもよく、特にイソホロンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート型ポリイソシアネートが好ましい。これらのようなポリイソシアネートを用いることで、得られる硬化体のガラス転移温度を向上させることができる。
ウレタン樹脂組成物は、離型剤として下記一般式(1)で表される脂肪酸及び下記一般式(2)で表されるシリコーン−カプロラクトンブロック共重合体をさらに含んでいてもよい。
(式中、R1は炭素数7〜28の直鎖状又は分岐状の炭化水素基を示す。)
(式中、m及びnは、m/nの比が0.5〜1.0を満たす正の整数である。R2,R3は、それぞれ独立に、2価の炭化水素基、又はポリエーテル鎖を示す。)
ウレタン樹脂組成物に、上記一般式(1)及び(2)で表される化合物を含むことにより、ウレタン樹脂組成物を成型して硬化体を得る際に、銀メッキとの密着性を損なわずに、成型金型との離型性を向上させることができる。
ウレタン樹脂組成物は、無機充填材をさらに含んでもよい。無機充填材としては、硬化体の光透過性を維持するためにシリカであることが好ましく、ウレタン樹脂組成物中に高密充填するために粒子径の異なるシリカ粉末を混合して用いることが好ましい。ウレタン樹脂組成物に無機充填材を含むことにより、硬化体の熱膨張係数を光半導体装置のリードフレームの熱膨張係数に近づけることができ、耐熱試験や温度サイクル試験において、リードフレームとの剥離が生じにくくなる。また、ウレタン樹脂組成物が、無機充填材として蛍光体を含むことにより、青色発光ダイオード(LED)との組み合わせで、白色を得ることができる。
ウレタン樹脂組成物には、触媒を加えることができる。触媒としては、亜鉛、ジルコニウム又はアルミニウム等の有機金属系触媒;ジブチルスズラウレート等のスズ系触媒;DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカン−7−エン)のフェノール塩、オクチル酸塩、アミン、イミダゾール等の触媒を使用することができる。これらの中でも、ステアリン酸亜鉛が耐熱着色性及びウレタン樹脂組成物の室温での粘度安定性に優れるため好ましい。ステアリン酸亜鉛の含有量は、0.002〜0.1重量%であることが好ましい。含有量が、0.002重量%より大きいとき、硬化促進の効果が見られる傾向にあり、0.1重量%より小さいとき、硬化体が白濁する問題がなく好適である。
硬化体は、ポリオール成分を含むA液とポリイソシアネート成分を含むB液とを混合し、これを加熱して反応させることにより製造することができる。
ウレタン樹脂組成物を構成する上記のポリオール成分及びポリイソシアネート成分以外の各成分は、A液又はB液のどちらに含まれてもよいが、チオール基を有するシランカップリング剤は、A液とB液との混合前にA液に含まれていることが好ましい。また離型剤は、A液とB液との混合前にB液と合わせて溶融混合して用いると、混合時の相溶性についての優れた効果、並びに離型性及び光透過性についてのさらに優れた効果を得ることができる。無機充填材は、A液とB液とを混合した後に、ウレタン樹脂組成物に加えられてもよい。
以上のように得られるウレタン樹脂組成物を、液状トランスファー成型又はコンプレッション成型することにより光半導体素子の封止を行い、光半導体装置を製造することができる。このとき、ウレタン樹脂組成物は165℃におけるゲル化時間が25秒〜200秒であることが好ましい。ゲル化時間をこの範囲とすることで、従来の固形トランスファー成型とほぼ同じ成型条件での製造が可能となる。ゲル化時間が25秒より短いと、溶融したウレタン樹脂組成物が成型金型(以下、単に「金型」という。)内の流路を十分に満たす前に硬化し、硬化体の成型物に未充填部位やボイドが発生しやすくなる傾向にある。一方、ゲル化時間が200秒より長いと、硬化不十分な成型物となる傾向がある。
ポリオール成分として、分子量が300、水酸価が540(mg/gKOH)のポリカプロラクトントリオール(A1:ダイセル化学工業社製 プラクセル303)19.7重量部、及びトリメチロールプロパン(A2:Perstorp社製)10.6重量部を混合し、加熱撹拌して、均一なポリオール成分を得た。その後に、チオール基を有するシランカップリング剤として、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(F1:信越化学工業株式社製 KBM−803)0.5重量部を加えて撹拌し、これをA液とした。
一方、トリメチロールプロパン(A2)1.0重量部、及び4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(B1:住化バイエルウレタン株式会社製 デスモジュールW)14.4重量部を混合し、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーを調製した。
また、ポリイソシアネート成分として、上記プレポリマー15.4重量部、ノルボルネンジイソシアネート(B2:三井武田ケミカル株式会社製 コスモネートNBDI)15.1重量部、イソホロンジイソシアネートの3量化体であるイソシアヌレート型イソシアネート70重量%の酢酸ブチル溶液(B3:Degussa社製 VESTANAT(R)T1890)39.2重量部、ヒンダード型フェノール系酸化防止剤として、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(C:住友化学製 スミライザーGA−80)0.10重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で留去し、これをPB液とした。
上記PB液、離型剤として、イソステアリン酸(D1:高級アルコール工業株式会社製 イソステアリン酸EX(一般式(1)において、R1が炭素数18の分岐鎖アルキル基である化合物))2.0重量部、及びポリエーテル変性シリコーン(E1:旭化成ワッカー株式会社製 SLJ02(一般式(2)において、m/n=0.7、重量平均分子量Mw=9,000である化合物))2.0重量部を混合し、150℃で10分間加熱溶融させて室温にて透明均一になるまで撹拌した。その後に、硬化促進剤として、ステアリン酸亜鉛(日油株式会社製 ニッサンエレクトールMZ−2)0.05重量部を加えて撹拌し、これをB液とした。上記A液14.3重量部及びB液37.8重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡してウレタン樹脂組成物を得た。
ポリオール成分として、ポリカプロラクトントリオール(A1)19.7重量部、及びトリメチロールプロパン(A2)10.6重量部を混合し、加熱撹拌して、均一なポリオール成分を得た。その後に、チオール基を有するシランカップリング剤として、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(F2:信越化学工業株式社製 KBM−802)0.5重量部を加えて撹拌し、これをA液とした。
一方、トリメチロールプロパン(A2)1.0重量部、及び4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(B1)14.4重量部を混合し、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーを調製した。
また、ポリイソシアネート成分として、上記プレポリマー15.4重量部、ノルボルネンジイソシアネート(B2)15.1重量部、イソホロンジイソシアネートの3量化体であるイソシアヌレート型イソシアネート70重量%の酢酸ブチル溶液(B3)39.2重量部、ヒンダード型フェノール系酸化防止剤として、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(C)0.10重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で留去し、これをPB液とした。
上記PB液、離型剤として、ラウリン酸(D2:花王株式会社製 ルナックL−98(一般式(1)において、R1が炭素数11の直鎖状アルキル基である化合物))2.0重量部、及びポリエーテル変性シリコーン(E2:旭化成ワッカー株式会社製 SLJ01(一般式(2)において、m/n=0.8、Mw=6,000である化合物))2.0重量部を溶融混合し、150℃で10分間加熱溶融させて室温にて透明均一になるまで撹拌した。その後に、硬化促進剤として、ステアリン酸亜鉛0.05重量部を加えて撹拌し、これをB液とした。上記A液30.3重量部及びB液74.3重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡してウレタン樹脂組成物を得た。
ポリオール成分として、ポリカプロラクトントリオール(A1)19.7重量部、及びトリメチロールプロパン(A2)10.6重量部を混合し、加熱攪拌して、均一なポリオール成分を得た。その後に、チオール基を有するシランカップリング剤として、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(F1)0.5重量部を加えて撹拌し、これをA液とした。
一方、トリメチロールプロパン(A2)1.0重量部、及び4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(B1)14.4重量部を混合し、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーを調製した。
また、ポリイソシアネート成分として、上記プレポリマー15.4重量部、ノルボルネンジイソシアネート(B2)15.1重量部、イソホロンジイソシアネートの3量化体であるイソシアヌレート型イソシアネート70重量%の酢酸ブチル溶液(B3)39.2重量部、ヒンダード型フェノール系酸化防止剤として、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(C)0.10重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で留去し、これをPB液とした。
上記PB液、硬化促進剤として、ステアリン酸亜鉛0.05重量部を加えて撹拌し、これをB液とした。上記A液30.3重量部及びB液74.3重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡してウレタン樹脂組成物を得た。
ポリオール成分として、ポリカプロラクトントリオール(A1)50.2重量部に、チオール基を有するシランカップリング剤として、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(F1)0.5重量部を加えて撹拌し、これをA液とした。
ノルボルネンジイソシアネート(B2)49.8重量部、離型剤として、イソステアリン酸(D1)2.0重量部、及びポリエーテル変性シリコーン(E1)2.0重量部を溶融混合し、150℃で10分間加熱溶融させて室温にて透明均一になるまで撹拌した。その後に、硬化促進剤として、ステアリン酸亜鉛を0.05重量部、及びチオール基を有するシランカップリング剤として、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(F1)0.5重量部を加えて撹拌し、これをB液とした。上記A液50.2重量部及びB液53.8重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡し、ウレタン樹脂組成物を得た。
ポリカプロラクトントリオール(A1)51.7重量部をポリオール成分とした。その後に、チオール基を有するシランカップリング剤として、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(F1)0.5重量部を加えて撹拌し、これをA液とした。
脂肪族一級ジイソシアネート(B4:三井化学ポリウレタン株式会社製 タケネート600)48.2重量部、離型剤として、イソステアリン酸(D1)2.0重量部、及びポリエーテル変性シリコーン(E1)2.0重量部を溶融混合し、150℃で10分間加熱溶融させて室温にて透明均一になるまで撹拌した。その後に、硬化促進剤として、ステアリン酸亜鉛0.05重量部を加えて撹拌し、これをB液とした。上記A液51.7重量部及びB液52.2重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡し、ウレタン樹脂組成物を得た。
ポリオール成分として、ポリカプロラクトントリオール(A1)19.7重量部、及びトリメチロールプロパン(A2)10.6重量部を混合し、加熱撹拌して、均一なポリオール成分を得た。
一方、トリメチロールプロパン(A2)1.0重量部、及び4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(B1)14.4重量部を混合し、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーを調製した。
また、ポリイソシアネート成分として、上記プレポリマー15.4重量部、ノルボルネンジイソシアネート(B2)15.1重量部、イソホロンジイソシアネートの3量化体であるイソシアヌレート型イソシアネート70重量%の酢酸ブチル溶液(B3)39.2重量部、ヒンダード型フェノール系酸化防止剤として、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(C)0.10重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で留去し、これをPB液とした。
上記PB液、離型剤として、イソステアリン酸(D1)2.0重量部、及びポリエーテル変性シリコーン(E1)2.0重量部を混合し、150℃で10分間加熱溶融させて室温にて透明均一になるまで撹拌した。その後に、硬化促進剤として、ステアリン酸亜鉛0.05重量部を加えて撹拌し、これをB液とした。上記A液30.3重量部及びB液74.3重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡してウレタン樹脂組成物を得た。
ポリオール成分として、ポリカプロラクトントリオール(A1)19.7重量部、及びトリメチロールプロパン(A2)10.6重量部を混合し、加熱撹拌して、均一なポリオール成分を得た。その後に、チオール基を有するシランカップリング剤として、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(F3:信越化学工業株式会社製 KBE−9007)0.5重量部を加えて撹拌し、これをA液とした。
一方、トリメチロールプロパン(A2)1.0重量部、及び4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(B1)14.4重量部を混合し、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーを調製した。
また、ポリイソシアネート成分として、上記プレポリマー15.4重量部、ノルボルネンジイソシアネート(B2)15.1重量部、イソホロンジイソシアネートの3量化体であるイソシアヌレート型イソシアネート70重量%の酢酸ブチル溶液(B3)39.2重量部、ヒンダード型フェノール系酸化防止剤として、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(C)0.10重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で留去し、これをPB液とした。
上記PB液、離型剤として、イソステアリン酸(D1)2.0重量部、及びポリエーテル変性シリコーン(E1)2.0重量部を混合し、150℃で10分間加熱溶融させて室温にて透明均一になるまで撹拌した。その後に、硬化促進剤として、ステアリン酸亜鉛0.05重量部を加えて撹拌し、これをB液とした。上記A液30.3重量部及びB液74.3重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡してウレタン樹脂組成物を得た。
ポリオール成分として、ポリカプロラクトントリオール(A1)19.7重量部、及びトリメチロールプロパン(A2)10.6重量部を混合し、加熱撹拌して、均一なポリオール成分を得た。その後に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(F4:信越化学工業株式会社製 KBM−403)0.5重量部を加えて撹拌し、これをA液とした。
一方、トリメチロールプロパン(A2)1.0重量部、及び4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(B1)14.4重量部を混合し、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーを調製した。
また、ポリイソシアネート成分として、上記プレポリマー15.4重量部、ノルボルネンジイソシアネート(B2)15.1重量部、イソホロンジイソシアネートの3量化体であるイソシアヌレート型イソシアネート70重量%の酢酸ブチル溶液(B3)39.2重量部、ヒンダード型フェノール系酸化防止剤として、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(C)0.10重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で留去し、これをPB液とした。
上記PB液、離型剤として、イソステアリン酸(D1)2.0重量部、及びポリエーテル変性シリコーン(E1)2.0重量部を混合し、150℃で10分間加熱溶融させて室温にて透明均一になるまで撹拌した。その後に、硬化促進剤として、ステアリン酸亜鉛0.05重量部を加えて撹拌し、これをB液とした。上記A液30.3重量部及びB液74.3重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡してウレタン樹脂組成物を得た。
<ゲル化時間>
ゲル化時間は、ゲル化試験機(SYSTEM SEIKO製)を用いて測定した。ウレタン樹脂組成物を165℃のホットプレート上にのせ、ウレタン樹脂組成物がゲル化する時間(秒)を測定し、その結果を表1,2に示した。
液状トランスファー成型機を用い、金型温度165℃、時間20秒で40×40mm、厚さ1mmの試験片を成型し、その後150℃3時間加熱硬化した。得られた試験片を分光光度計(U−3310:日立製作所社製)を用いて波長460nmの光透過率を測定した。70%以上で透過したものを(○)、70%未満で透過したものを(×)として評価し、その結果を表1,2に示した。
銀メッキを施した銅板上にウレタン樹脂組成物の液滴を滴下して、165℃、3時間で加熱し、半径が1.5mmとなる円柱状の硬化体を形成した。前記硬化体のせん断接着強度(MPa)をボンドテスター(dageシリーズ4000:株式会社アークテック製)を用いて測定した。測定温度は165℃、ツール移動速度は100μm/sで、シェアツール3を図2に示すX方向に移動して測定し、その結果を表1,2に示した。
液状トランスファー成型機液状トランスファー成型機を用いて、金型温度165℃、射圧9.8MPa、注入時間30秒、硬化時間120秒として成型し、外形寸法が5.1mm×3.9mmのLEDパッケージを作製した。作製したLEDパッケージを、85℃、85%RHの条件下に9時間おいて吸湿させた後、保持温度150℃で120秒、最高到達温度260℃で5秒のプロファイルのリフロー処理を行った。
成型後及びリフロー後のLEDパッケージにおいての硬化体とリードフレームとの剥離を顕微鏡で観察し、その結果を表1,2に示した。表中の分子は剥離したパッケージ数、分母は同じ条件で評価したパッケージの全体数を表す。
Claims (9)
- ポリオール成分を含むA液と、ポリイソシアネート成分を含むB液とからなる2液型ウレタン樹脂組成物であって、前記A液又はB液にチオール基を有するシランカップリング剤を含む2液型ウレタン樹脂組成物。
- 前記ポリイソシアネート成分は、少なくとも1つのイソシアネート基が2級の炭素に結合し、2官能又は3官能の脂環構造を有するポリイソシアネート、及びイソシアネート基残存プレポリマーを合計で30重量%以上含む、請求項1記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
- 前記チオール基を有するシランカップリング剤が、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン又はγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランである、請求項1又は2記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
- 前記チオール基を有するシランカップリング剤の含有量が、前記ポリオール成分及び前記ポリイソシアネート成分の全量に対して、0.1〜2.0重量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
- ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及びチオール基を有するシランカップリング剤を含むウレタン樹脂組成物を硬化して得られる硬化体。
- 前記ウレタン樹脂組成物が無機充填材をさらに含む、請求項6又は7記載の硬化体。
- 請求項6〜8のいずれか一項に記載の硬化体からなる封止部材を備える光半導体装置。
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