JP2011078370A - ヒト多能性幹細胞用培養基材およびその利用 - Google Patents

ヒト多能性幹細胞用培養基材およびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】フィーダーフリーの培養環境で、分化多能性を保持したままヒト多能性幹細胞を維持培養可能な培養基材および当該培養基材を用いたヒト多能性幹細胞の培養方法を提供する。
【解決手段】ヒトラミニンα5β1γ1のE8フラグメントまたはヒトラミニンα3β3γ2のE8フラグメントが、好ましくは0.5μg/cm〜25μg/cmの濃度でコーティングされているヒト多能性幹細胞培養用培養基材、および当該培養基材を用いて使用するヒト多能性幹細胞培養の培養方法である。単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を4×10cell/cm〜10×10cell/cmの密度で当該培養基材に播種することにより、ヒト多能性幹細胞を分化多能性を保持したまま急速拡大させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒト多能性幹細胞用培養基材およびその利用に関するものであり、詳細には、ヒト多能性幹細胞用培養基材、ならびに当該培養基材を用いるヒト多能性幹細胞の培養方法、ヒト多能性幹細胞の急速拡大方法およびヒト多能性幹細胞の単一細胞由来クローン分離方法に関するものである。
ヒトES細胞やヒトiPS細胞などのヒト多能性幹細胞は、その再生医療への応用が世界的に注目されている。しかし、分化多能性(pluripotency)を保持したままヒト多能性幹細胞を培養、維持するためには、通常、マウスやヒト由来の線維芽細胞をフィーダー細胞として用いて共培養する方法が一般的であり、フィーダー細胞の使用がヒト多能性幹細胞を臨床応用する上での大きな制約となっている。この問題を解決するために、これまでにフィーダー細胞に代えて様々な接着タンパク質がヒトES細胞の細胞外基質として試みられており、中でも基底膜を過剰産生するマウスEHS肉腫から抽出、精製した基底膜成分であるマトリゲル(商品名)が、最も分化多能性維持の活性が高いと報告されている。しかし、マトリゲルはマウス由来であり、異種のタンパク質や多糖類が混在した複雑な混合物であることから、再生医療に用いるためのヒト多能性幹細胞の培養に適したものではない。
ヒト多能性幹細胞を再生医療に応用するためには、培養系から異種由来の成分を排除するゼノフリー(Xeno−Free)条件と、フィーダー細胞を使用しないフィーダーフリー条件を満たす培養環境が求められる。そこで、同種由来の細胞外基質として、ヒトビトロネクチンやヒトフィブロネクチンの使用が試みられているが、これらはマトリゲルに比べてヒトES細胞の未分化維持効果や接着効率が劣り、品質、材料源確保、安全性等の面で問題が生じる。このように、ヒト多能性幹細胞の維持培養に適した細胞外基質の開発は進んでいないのが現状であり、化学的組成が均一なヒト由来の細胞外基質を用いる新たなヒト多能性幹細胞培養技術の開発が強く求められている。
ラミニンは基底膜の主要な細胞接着タンパク質であり、α、β、γ鎖の3本のサブユニット鎖からなるヘテロ3量体で、分子量80万Daの巨大な糖タンパク質である。3本のサブユニット鎖がC末端側で結合してコイルドコイル構造を作りジスルフィド結合によって安定化したヘテロ3量体分子を形成している。本発明者らは、ヒトES細胞が発現するインテグリンのタイプを解析した結果、α6β1インテグリンがヒトES細胞の主要な接着受容体であること、および、ヒトラミニン(特に、α3β3γ2からなるラミニン332およびα5β1γ1からなるラミニン511)の組換えタンパク質が、ヒトES細胞の分化多能性維持に有効であることを報告している(非特許文献1参照)。また、本発明者らは、ラミニン511はα6β1インテグリンに対して非常に高い親和性を持つこと、および、ラミニン511のE8フラグメントは、全長のラミニン511と同等のα6β1インテグリン結合活性を有することを報告している(非特許文献2参照)。
しかし、ラミニンは様々な細胞表面分子や細胞外マトリックス分子と結合するため、不純物を含まない均一な精製ラミニンを取得するためには、多くの技術的問題を克服する必要がある。また、ラミニンを構成する3本のサブユニット鎖は、分子量がいずれも20万〜40万Daと巨大で、これらが会合したヘテロ3量体分子をそのまま組換えタンパク質として発現させること自体が容易でなく、収量も少ないという問題がある。
Miyazaki T, Futaki S, Hasegawa K, Kawasaki M, Sanzen N, Hayashi M, Kawase E, Sekiguchi K, Nakatsuji N, Suemori H. Recombinant human laminin isoforms can support the undifferentiated growth of human embryonic stem cells. Biochem. Biophys. Res. Commun. 375:27-35, 2008. Taniguchi Y, Ido H, Sanzen N, Hayashi M, Sato-Nishiuchi R, Futaki S, Sekiguchi K. The C-terminal region of laminin beta chains modulates the integrin binding affinities of laminins. J Biol Chem. 284:7820-7831, 2009.
本発明は、フィーダーフリーの培養環境で、分化多能性を保持したままヒト多能性幹細胞を維持培養可能な培養基材および当該培養基材を用いたヒト多能性幹細胞の培養方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の発明を包含する。
[1]ヒトラミニンα5β1γ1のE8フラグメントまたはヒトラミニンα3β3γ2のE8フラグメントがコーティングされていることを特徴とするヒト多能性幹細胞培養用培養基材。
[2]ヒトラミニンα5β1γ1のE8フラグメントまたはヒトラミニンα3β3γ2のE8フラグメントが0.5μg/cm〜25μg/cmの濃度でコーティングされていることを特徴とする前記[1]に記載の培養基材。
[3]ヒト多能性幹細胞が、ヒトES細胞またはヒトiPS細胞である前記[1]または[2]に記載の培養基材。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の培養基材を使用することを特徴とするヒト多能性幹細胞の培養方法。
[5]単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を培養する方法であって、ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程と、単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の培養基材を用いて培養する工程とを含むことを特徴とするヒト多能性幹細胞の培養方法。
[6]ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程と、単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の培養基材を用いて培養する工程とを含み、単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を2×10cell/cm〜20×10cell/cmの密度で播種することを特徴とするヒト多能性幹細胞の急速拡大方法。
[7]ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程と、単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の培養基材を用いて培養する工程とを含み、単一細胞由来のコロニーを形成させることを特徴とするヒト多能性幹細胞の単一細胞由来クローン分離方法。
[8]ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程と、単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を、請求項1〜3のいずれかに記載の培養基材を用いて培養する工程とを含み、単一細胞の状態で維持することを特徴とするヒト多能性幹細胞の単一細胞培養方法。
本発明によれば、フィーダーフリーの培養環境で、分化多能性を保持したままヒト多能性幹細胞を維持培養可能な培養基材および当該培養基材を用いたヒト多能性幹細胞の培養方法を提供することができる。さらに、ゼノフリーの培地を併用すれば、ゼノフリーかつフィーダーフリー条件下でヒト多能性幹細胞を培養でき、安全性の高いヒト多能性幹細胞を提供することができる。また、本発明の培養基材を用いれば、単一細胞に分散したヒト多能性幹細胞を急速拡大増殖させることができるとともに、単一細胞由来のクローンを分離することや単一細胞の状態で維持することが可能となる。さらに、本発明の培養基材にコーティングするヒトラミニンα5β1γ1E8フラグメントまたはヒトラミニンα3β3γ2のE8フラグメントは、組換えタンパク質として高収量で製造できるので、高純度かつ均一なヒト由来タンパク質をコーティングした高品質の培養基材を低コストで製造することができる。
ヒトES細胞の各種細胞外基質への濃度依存的接着効率を比較した結果を示す図である。 ヒトラミニンα5β1γ1のE8フラグメントまたはマトリゲルをコーティングした培養器における播種密度依存的な単一ヒトES細胞の接着効率を検討した結果を示す図である。 ヒトラミニンα3β3γ2のE8フラグメントをコーティングした培養器におけるヒトES細胞の形態を示す図である。 ヒトラミニンα5β1γ1のE8フラグメントをコーティングした培養器におけるヒトES細胞の形態を示す図である。 ヒトラミニンα3β3γ2のE8フラグメント、ヒトラミニンα5β1γ1のE8フラグメントまたはマトリゲルをコーティングした培養器を用いて培養したヒトES細胞の表面抗原解析の結果を示す図である。
〔ヒト多能性幹細胞用培養基材〕
本発明は、ヒトラミニンα5β1γ1のE8フラグメントまたはヒトラミニンα3β3γ2のE8フラグメントがコーティングされているヒト多能性幹細胞培養用培養基材を提供する。多能性幹細胞としては、ES細胞(胚性幹細胞)、iPS細胞(人工多能性幹細胞)、mGS細胞(多能性生殖幹細胞)、ヒトES細胞と体細胞との融合細胞などが挙げられる。
ヒトラミニンα5β1γ1のE8フラグメント(以下、「ヒトラミニン511E8」と記す。)は、マウスラミニンα1β1γ1のE8フラグメント(以下、「マウスラミニン111E8」と記す。)に相当するヒトラミニンα5β1γ1(以下、「ヒトラミニン511」と記す。)のフラグメントを意味し、ヒトラミニンα3β3γ2のE8フラグメント(以下、「ヒトラミニン332E8」と記す。)は、マウスラミニン111E8に相当するヒトラミニンα3β3γ2(以下、「ヒトラミニン332」と記す。)のフラグメントを意味する。
ラミニンのE8フラグメントは、マウスラミニンα1β1γ1(以下、「マウスラミニン111」と記す。)をエラスターゼで消化して得られたフラグメントの中で、強い細胞接着活性をもつフラグメントとして同定されたものである(Edgar D., Timpl R., Thoenen H.The heparin-binding domain of laminin is responsible for its effects on neurite outgrowth and neuronal survival. EMBO J., 3:1463-1468, 1984.、Goodman SL., Deutzmann R., von der Mark K.Two distinct cell-binding domains in laminin can independently promote nonneuronal cell adhesion and spreading. J. Cell Biol., 105:589-598, 1987.)。ヒトラミニン511およびヒトラミニン332についてもエラスターゼで消化した際にマウスラミニン111E8に相当するフラグメントの存在が推定されるが、これらを分離・同定したことは報告されていない。したがって、本発明に用いられるヒトラミニン511E8またはヒトラミニン332E8は、ヒトラミニン511またはヒトラミニン332のエラスターゼ消化産物であることを要するものではなく、マウスラミニン111E8と同様の細胞接着活性を有し、同様の構造を有し、同程度の分子量を有するヒトラミニン511またはヒトラミニン332のフラグメントであればよい。
ヒトラミニン511E8またはヒトラミニン332E8の製造方法は特に限定されず、例えば、全長のヒトラミニン511またはヒトラミニン332をエラスターゼ等のタンパク質分解酵素で消化し、目的のフラグメントを分取、精製する方法や、組換えタンパク質として製造する方法などが挙げられる。製造量、品質の均一性、製造コスト等の観点から、組換えタンパク質として製造することが好ましい。
組換えヒトラミニン511E8または組換えヒトラミニン332E8は、公知の遺伝子組換え技術を適宜用いることにより製造することができる。組換えヒトラミニン511E8の製造方法としては、例えば、ヒトラミニン511E8のα鎖、β鎖およびγ鎖の各タンパク質をコードするDNAをそれぞれ取得し、これをそれぞれ発現ベクターに挿入し、得られた3種類の発現ベクターを適切な宿主細胞に共導入して発現させ、3量体を形成しているタンパク質を公知の方法で精製することにより製造できる。本願発明者らは、Idoら(Hiroyuki Ido, Aya Nakamura, Reiko Kobayashi, Shunsuke Ito, Shaoliang Li, Sugiko Futaki, and Kiyotoshi Sekiguchi, “The requirement of the glutamic acid residue at the third position from the carboxyl termini of the laminin γ chains in integrin binding by laminins” The Journal of Biological Chemistry, 282, 11144-11154, 2007.)に記載の方法に従って作製しているが(実施例参照)、これに限定されるものではない。組換えヒトラミニン332E8についても同様の方法で製造することができる(実施例参照)。なお、ヒトラミニン511を構成するα5鎖、β1鎖、γ1鎖、ならびにヒトラミニン332を構成するα3鎖、β3鎖、γ2鎖をそれぞれコードする遺伝子(cDNA)の塩基配列情報および各鎖のアミノ酸配列情報は、表1に記載したアクセッション番号で公知のデータベース(GenBank等)から取得することができる。
得られたヒトラミニン511E8またはヒトラミニン332E8を適当な溶媒、例えばPBS、生理食塩水、トリスヒドロキシメチルアミノメタンあるいは4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルフォン酸で中性pHとした生理的食塩水などで希釈し、この溶液を適当な培養器に添加して、室温〜37℃程度で約1〜約12時間程度静置することにより、ヒトラミニン511E8またはヒトラミニン332E8が培養器表面にコーティングされ、本発明の培養基材が製造できる。培養器としては、ヒト多能性幹細胞の培養に使用できるものであれば限定されず、例えば、ガラス製またはプラスチック製のシャーレ、フラスコ、マルチウェルプレート、カルチャースライド、マイクロキャリア、ポリビニリデンフルオリド膜等のポリマー膜などが挙げられる。
ヒトラミニン511E8またはヒトラミニン332E8のコーティング濃度は、約0.5μg/cm〜約25μg/cmが好ましく、約1.5μg/cm〜約10μg/cmがより好ましい。従来用いられているマトリゲルや、ヒトラミニン511またはヒトラミニン332をコーティングする場合と比較して、低いコーティング濃度でも多数のヒト多能性幹細胞が接着し、増殖することができる。
本発明の培養基材は、ヒトラミニン511E8のみ、またはヒトラミニン332E8のみがそれぞれ単独でコーティングされていてもよく、両者がコーティングされていてもよい。また、ヒトラミニン511E8またはヒトラミニン332E8以外のヒト由来成分がコーティングされていてもよい。例えば血清成分、細胞外マトリックス分子、成長因子、分化誘導因子、形態形成因子(モルフォゲン)などが挙げられる。また、合成高分子ゲル(合成ポリマー)などの非生物成分がコーティングされていてもよい。
本発明の培養基材は、ヒトラミニン511E8またはヒトラミニン332E8がコーティングされていることにより、幹細胞の培養に通常用いられるフィーダー細胞を使用しない培養環境(フィーダーフリー)で、分化多能性を保持したままヒト多能性幹細胞を維持培養することが可能となる。通常、多能性幹細胞の培養には、クローナルな増殖と未分化性を維持させるために、X線照射やマイトマイシンC処理により増殖を停止させたマウス胎児線維芽細胞(MEF)等のフィーダー細胞上で多能性幹細胞を共培養する培養系が用いられるが、このようなフィーダー細胞を使用しない培養系がフィーダーフリーである。
さらに、異種由来の成分が排除されている培地を使用すれば、完全に異種由来の成分を含まない培養条件(ゼノフリー:Xeno−Free)でヒト多能性幹細胞を培養することができ、ヒトに対して免疫原性を発現する可能性が非常に低い、高安全性のヒト多能性幹細胞を提供することができる。
また、本発明の培養基材を用いれば、従来の培養系では不可能であった単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を培養することができる。したがって、従来の培養系と比較して、ヒト多能性幹細胞を顕著に急速拡大増殖させることができる。また、ヒト多能性幹細胞を単一細胞由来クローンを容易に分離することができ、単一細胞の状態で維持することができる。
〔ヒト多能性幹細胞の培養方法〕
本発明は、上記本発明の培養基材を用いてヒト多能性幹細胞を培養する方法を提供する。本発明の培養方法は、フィーダーフリーの培養条件でヒト多能性幹細胞を培養する場合に使用することが好ましく、フィーダーフリーかつゼノフリーの培養条件でヒト多能性幹細胞を培養する場合に使用することが特に好ましい。
本発明の培養方法で使用する培地は、特に限定されないが、合成培地が好ましく、異種成分を含まない(ゼノフリー)合成培地が特に好ましい。市販または市販予定の合成培地としては、mTeSR1(商品名、StemCell Technologies)、TeSR2(商品名、StemCell Technologies)、StemPro hESC SFM(商品名、Invitrogen)、hESF−GRO(商品名、株式会社細胞科学研究所)等が挙げられる。このうちTeSR2が異種成分を含まない培地である。また、以下の文献(1)〜(5)に記載された培地も好適に用いることができる。
(1) Liu, Y. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 346:131-139, 2006.
(2) Vallier, L. et al., J. Cell Sci. 118:4495-4509, 2005.
(3) Li, Y. et al., Biotechnol. Bioeng., 91:688-698, 2005.
(4) Yao, S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 103:6907-6912, 2006.
(5) Lu, J. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 103:5688-5693, 2006.
本発明の培養方法を用いてヒトES細胞を培養する場合の一実施形態を以下に示す。なお、本発明の培養方法は上記本発明の培養基材を用いるヒト多能性幹細胞の培養方法であればよく、これに限定されるものではない。
(1)フィーダー細胞との共培養系からヒトES細胞を回収
以下の方法1または方法2のいずれかの方法で、フィーダー細胞との共培養系からヒトES細胞を回収する。
方法1:
フィーダー細胞(例えばMEF)と共培養しているヒトES細胞の培養ディッシュ(3〜5日目)に0.25%トリプシン/DMEM−F12を添加して(例えば1ml/60mmディッシュ)、37℃で2〜3分間恒温処理し、培養ディッシュをDMEM−F12で洗浄してフィーダー細胞を除去する。培養液を加えて全体細胞を物理的に剥離した細胞懸濁液をBD Falconセルストレーナー100μm(BD Falcon #352460)に通した後、ストレーナーを洗浄することでヒトES細胞のコロニーのみを分離し、回収する。
方法2:
フィーダー細胞(例えばMEF)と共培養しているヒトES細胞の培養ディッシュ(3〜5日目)にヒトES細胞剥離液(例えば、霊長類ES細胞用細胞剥離液(リプロセル RCHETP002、1mg/ml dispase/DMEM−F12、10mg/ml collagenaseIV/DMEM−F12など)を添加して(例えば1ml/60mmディッシュ)、37℃で5分間恒温処理し、ヒトES細胞とMEFを剥離する。細胞を15ml遠心チューブに移し、培養液を約10ml入れて細胞を懸濁した後、5分間チューブを静置してコロニーのみを沈降させる。上清を除去し、同様の操作を2回以上繰り返して、ヒトES細胞のコロニーのみを沈降させ、回収する。
(2)ヒトES細胞を本発明の培養基材への移行
回収したヒトES細胞のコロニーを単一細胞に分散させる。単一細胞に分散させる方法は特に限定されないが、例えばP−1000ピペットマン等を用いて培養液を数回フラッシングすることによりコロニーを砕く方法等が挙げられる。単一細胞に分散させた後、適切な培養液(例えばTeSR2など)に懸濁し、本発明の培養基材(例えばヒトラミニン511E8をコーティング(1.5μg/cm)した培養ディッシュ)に播種する。培養は、用いた培養液に適合するCO濃度条件で行い、培養液の交換は毎日行う。
(3)継代培養
拡大エリアの不足あるいはコロニー内に死細胞の出現が目立つようになるのを目安に、継代操作を行う。本発明の培養方法では、従来の方法と同様にヒトES細胞を適度な大きさのコロニー形態を維持した状態で播種する方法で継代培養を行ってもよく、ヒトES細胞を単一細胞に分散させて播種する方法で継代培養を行ってもよい。ここで、単一細胞に分散された状態は、細胞懸濁液中の全細胞が単一細胞に分散されていることを要するものではなく、単一細胞に分散された細胞以外に数個〜十数個程度が接着した状態の細胞が細胞懸濁液中に含まれている状態も単一細胞に分散された状態に包含される。
単一細胞に分散する場合:
ヒトES細胞を培養している本発明の培養基材(培養ディッシュ)に、TrypLE Select(商品名、Invitrogen #12563011)を添加して(例えば1ml/60mmディッシュ)、37℃で5分間恒温処理する。例えばP−1000ピペットマン等を用いて培養液を数回フラッシングすることによりヒトES細胞のコロニーを砕き、単一細胞に分散させる。培養液を加えて細胞を懸濁し、遠心チューブに回収する。遠心(200×g、3分)と同培養液による洗浄操作を2度繰り返した後、新鮮な培養液に細胞を懸濁し、本発明の培養基材(例えばヒトラミニン511E8をコーティング(1.5μg/cm)した培養ディッシュ)に、例えば約40000細胞/cmの播種密度で単一細胞に分散したヒトES細胞を播種する。培養は、用いた培養液に適合するCO濃度条件で行い、培養液の交換は毎日行う。
単一細胞に分散しない場合:
ヒトES細胞を単一細胞に分散しない場合は、細胞の剥離にCollagenaseIV、Dispase、Accutase等の酵素を用いる。ヒトES細胞を培養している本発明の培養基材に、10mg/ml collagenase/DMEM−F12、または2mg/ml dispase/DMEM−F12、またはAccutase(Millipore #SCR005)を添加して(例えば1ml/60mmディッシュ)、37℃で5分間恒温処理する。酵素液を除いて培養液を加え、例えばP−1000のピペットマン等を用いて培養液を数回フラッシングすることによりヒトES細胞が約50〜約100個のコロニー状を維持する程度に小さく砕く。細胞懸濁液を遠心チューブに回収し、遠心(200×g、3分)と同培養液による洗浄操作を2度繰り返した後、新鮮な培養液に細胞を懸濁し、本発明の培養基材(例えばヒトラミニン511E8をコーティング(1.5μg/cm)した培養ディッシュ)に2分の1〜4分の1希釈量を播種する。培養は、用いた培養液に適合するCO濃度条件で行い、培養液の交換は毎日行う。
〔ヒト多能性幹細胞の急速拡大方法〕
本発明は、ヒト多能性幹細胞の急速拡大方法を提供する。本発明の急速拡大方法は、ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程と、単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を、上記本発明の培養基材を用いて培養する工程とを含み、単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を約2×10cell/cm〜約20×10cell/cmの密度で播種するものであればよい。播種密度は、約3×10cell/cm〜約10×10cell/cmがより好ましく、約4×10cell/cm〜約5×10cell/cmがさらに好ましい。従来の培養系では、単一に分散されたヒトES細胞を上記細胞密度で播種したときの接着効率が10%未満であるところ、本発明の急速拡大方法によれば、顕著に高い接着効率が得られ、その後旺盛に増殖するので、従来法と比較して格段の速度でヒト多能性幹細胞を増殖させることができる。
ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程では、上述の「単一細胞に分散する場合」と同様に、培養ディッシュから剥離、回収したヒト多能性幹細胞のコロニーを例えばP−1000ピペットマン等を用いて培養液を数回フラッシングすることにより単一細胞に分散する。続いて、公知の細胞計数方法で細胞数をカウントし、上記播種密度となるように、適宜細胞懸濁液の細胞濃度を調整する。培養方法については、上記本発明の培養方法に記載に準じて行うことができる。
〔ヒト多能性幹細胞の単一細胞由来クローン分離方法〕
本発明は、ヒト多能性幹細胞の単一細胞由来クローン分離方法を提供する。本発明の単一細胞由来クローン分離方法は、ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程と、単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を、上記本発明の培養基材を用いて培養する工程とを含み、単一細胞由来のコロニーを形成させるものであればよい。本発明の単一細胞由来クローン分離方法によれば、従来の培養系では困難であったヒト多能性幹細胞の単一細胞由来クローンを形成させ、分離することができ、均一なヒト多能性幹細胞を容易に取得することが可能となる。
単一細胞由来のコロニーを形成させ単一細胞由来クローンを分離する方法は特に限定されない。例えば公知の限界希釈法等を好適に用いることができる。用いる方法に応じて適宜細胞密度および使用する本発明の培養基材を選択して、単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を播種し、培養すればよい。培養方法については、上記本発明の培養方法に記載に準じて行うことができる。
〔ヒト多能性幹細胞の単一細胞培養方法〕
本発明は、ヒト多能性幹細胞の単一細胞培養方法を提供する。本発明の単一細胞培養方
法は、ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程と、単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を、上記本発明の培養基材を用いて培養する工程とを含み、細胞を増殖させることなく単一細胞の状態で維持するものであればよい。コロニーを形成したヒト多能性幹細胞は、コロニー周辺部とコロニー内部とで細胞の状態が異なる場合があるが、本発明の単一細胞培養方法によれば、細胞はコロニーを形成しないので、状態の均一なヒト多能性幹細胞を得ることができ、分化誘導効率の向上が期待できる。
細胞を増殖させることなく単一細胞の状態で維持する方法としては、使用する本発明の培養基材に応じて適宜細胞密度を選択して単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を播種し、細胞が増殖する前に細胞を他の用途に使用することが好ましい。また、例えば、増殖因子を含まない培養液、または増殖因子を減量した培養液を用いることにより、単一細胞の状態で維持できる時間を延長してもよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実験材料〕
(1)細胞外基質
組換えヒトラミニン511E8(以下「rhLM511E8」と記す。)、組換えヒトラミニン332E8(以下「rhLM332E8」と記す。)、組換えヒトラミニン511(以下「rhLM511」と記す。)、組換えヒトラミニン332(以下「rhLM332」と記す。)、組換えヒトラミニン111(以下「rhLM111」と記す。)、マトリゲル(BD Bioscience #354230)、ヒトフィブロネクチン(Sekiguchiらの方法(Sekiguchi K. and Hakomori S: Domain structure of human plasma fibronectin. Differences and similarities between human and hamster fibronectins. The Journal of Biological Chemistry, 258, 3967-3973, 2003.)に従い、ゼラチン不溶化アフィニティーカラムを用いて精製したもの)、およびビトロネクチン(Yatohgoらの方法(Yatohgo T., Izumi, M., Kashiwagi, H., and Hayashi, M. Novel purification of vitronectin from human plasma by heparin affinity chromatograhy. Cell Structure and Function, 13, 281-292, 1988 )に従いヘパリン不溶化アフィニティーカラムを用いて精製したもの)を使用した。
(2)使用細胞
ヒトES細胞は、京都大学再生医科学研究所樹立株(KhES−1、KhES−2、KhES−3)およびNational Stem Cell Bankより購入した株(H1、H9)を使用した。ヒトiPS細胞はNational Stem Cell Bankより購入した株(クローン名:iPS(IMR90)−1−DL−1、iPS(IMR90)−4−MCB−1、iPS(foreskin)−1−DL−1)を使用した。
各細胞は、各機関が推奨する培養方法に従って、維持培養した。例えば、ヒトES細胞H9は、National Stem Cell Bankが推奨する方法に従い、マウスフィーダー細胞との共培養で維持した。共培養ディッシュに、0.25%トリプシン/DMEM−F12を添加し、マウスフィーダー細胞を除去した後、BD Falconセルストレーナー100μm(BD Falcon #352460)を通し、ストレーナーを洗浄することでヒトES細胞H9のコロニーを分離した。残留したコロニーをヒトES細胞培養液で回収し、P−1000ピペットマンで細かく砕いた後、mTeSR1(StemCell Technologies)に懸濁し、マトリゲルコーティング培養器に播種した。播種直後を継代数(P1)とし、5%CO/95%Air条件下、マウスフィーダー細胞の混入がないことを確認しながら毎日培養液交換を行い、4日まで拡大培養を行った。マウスフィーダー細胞の混入がないことが確認できた細胞を実験に供した。他の細胞についても同様の方法で維持培養および拡大培養を行い、実験に供した。なお、以下の実施例においてヒトES細胞H9の結果のみを示したが、他の細胞についても同様の結果が得られた。
(3)rhLM511E8の作製方法
rhLM511E8は、Idoら(Hiroyuki Ido, Aya Nakamura, Reiko Kobayashi, Shunsuke Ito, Shaoliang Li, Sugiko Futaki, and Kiyotoshi Sekiguchi, “The requirement of the glutamic acid residue at the third position from the carboxyl termini of the laminin γ chains in integrin binding by laminins” The Journal of Biological Chemistry, 282, 11144-11154, 2007.)に記載の方法に従い、以下のように作製した。
最初に、クローニング用プラスミドpBluescript KS(+)(Stratagene社)を鋳型として、以下の3種類のプライマーセットを用いてPCRを行い、プラスミドのマルチクローニング部位内のEcoRVの5’側に6×Hisタグ(HHHHHH)をコードするDNA、HA(ヘマグルチニン)タグ(YPYDVPDYA)をコードするDNA、またはFLAGタグ(DYKDDDDK)をコードするDNAが挿入された3種類のpBluescript KS(+)をそれぞれ作製した。
(i) 6×Hisタグ導入用プライマー
5’-ATGATGATGAAGCTTATCGATACCGT-3’(forward、配列番号1)
5’-CATCATCATGATATCGAATTCCTGCA-3’(reverse、配列番号2)
(ii) HAタグ導入用プライマー
5’-ATCATATGGATAAAGCTTATCGATACCGT-3’(forward、配列番号3)
5’-GTGCCAGATTATGCAGATATCGAATTCCT-3’(reverse、配列番号4)
(iii) FLAGタグ導入用プライマー
5’-ATCCTTGTAATCAAGCTTATCGATACCGT-3’(forward、配列番号5)
5’-GTGCCAGATTATGCAGATATCGAATTCCT-3’(reverse、配列番号4)
次に、α5鎖、β1鎖、γ1鎖の全長塩基配列を含むプラスミド(Ido et al., J. Biol. Chem., 279, 10946-10954, 2004.)を鋳型として、以下のプライマーを用いたPCRを行い、各鎖のα5(Ala2534−Ala3327)、β1(Leu1561−Leu1786)、γ1(Asn1362−Pro1608)に相当する領域を増幅した。
(iv) α5鎖E8フラグメント増幅用プライマー
5’-GCTGCCGAGGATGCTGCTGGCCAGG-3’(forward、配列番号6)
5’-CTAGGCAGGATGCCGGGCGGGCTGA-3’(reverse、配列番号7)
(v) β1鎖E8フラグメント増幅用プライマー
5’-CTTCAGCATAGTGCTGCTGACATTG-3’(forward、配列番号8)
5’-TTACAAGCATGTGCTATACACAGCAAC-3’(reverse、配列番号9)
(vi) γ1鎖E8フラグメント増幅用プライマー
5’-AATGACATTCTCAACAACCTGAAAG-3’(forward、配列番号10)
5’-CTAGGGCTTTTCAATGGACGGGGTG-3’(reverse、配列番号11)
増幅したcDNAを、タグ配列を付加したpBluescript KS(+)のマルチクローニング部位のEcoRV部位に挿入した後、5’側のタグをコードする配列を含めて増幅したcDNAを制限酵素EcoRIとHindIIIで切り出し、哺乳細胞用発現ベクターpSecTag2B(インビトロジェン)の当該部位に挿入し、ヒトα5鎖E8フラグメント(N末端側に6XHisタグを含む)、ヒトβ1鎖E8フラグメント(N末端側にHAタグを含む)、ヒトγ1鎖E8フラグメント(N末端側にFLAGタグを含む)の発現ベクターをそれぞれ作製した。
rhLM511E8の発現は、作製した各鎖の発現ベクターをヒト腎臓由来293F細胞(インビトロジェン社より購入)に導入して行った。300mlの293F細胞(1.0×106個/ml)にトランスフェクション試薬293fectin(商品名、インビトロジェン)およびOpti−MEM(商品名、インビトロジェン)を用いて各鎖発現ベクターを180μgずつ同時にトランスフェクトし、72時間培養を行ったのち、培養液を回収した。培養液は1000×gで10分間遠心し、その上清をさらに15,000×gで30分間遠心し、細胞や不溶物を除去した。培養上清に5mlのNi−NTA agarose(キアゲン)を添加し一晩インキュベートして目的タンパク質を吸着させた。Ni−NTA agaroseを回収し、TBS(−)(Ca、Mgを含まないトリス緩衝生理的食塩水)および10mMイミダゾ−ル/TBS(−)で洗浄したのち200mMイミダゾール/TBS(−)で溶出した。溶出画分はSDS−PAGEおよび銀染色により確認し、rhLM511E8が溶出された画分に2mlのANTI−FLAG M2 affinity Gel(シグマ)を添加し、4℃で一晩旋回させた。ゲルをエコノカラムに移し1mM PMSFを含むTBS(−)で洗浄後、100μg/ml FLAG peptide(シグマ)を含むTBS(−)で溶出した。溶出フラクションを銀染色で確認し、rhLM511E8の溶出された画分を合わせてTBS(−)に対して透析を行った。
(4)rhLM332E8の作製方法
(4-1)ヒトラミニンα3鎖E8フラグメント発現ベクターの作製
クローニング用プラスミドpBluescript KS(+)(Stratagene社)を鋳型として、以下のプライマーセットを用いてPCRを行い、プラスミドのマルチクローニング部位内のEcoRVの5’側に制限酵素AscI認識配列(GGCGCGCC)と6×Hisタグ(HHHHHH)をコードするDNAが挿入されたpBluescript KS(+)を作製した。
(vii) 6×Hisタグ導入用プライマー
5’-ATGATGATGGGCGCGCCAAGCTTATCGATACCGT-3’(forward、配列番号12)
5’-CATCATCATGATATCGAATTCCTGC-3’(reverse、配列番号13)
次に、ヒトラミニンα3鎖(ラミニン球状ドメインの4番目と5番目を除く)のcDNA配列を含むプラスミド(Ido et al., J. Biol. Chem., 282, 11144-11154, 2007)を鋳型として、以下のプライマーを用いてPCRを行い、α3鎖(Ala579−Ala1364)に相当する領域を増幅した。なお、リバース(reverse)プライマーの5’側にはXbaI認識配列(TCTAGA)が付加されている。
(viii) α3鎖E8フラグメント増幅用プライマー
5’-GCGGCCGAGGACGCAGCCAACAGG-3’(forward、配列番号14)
5’-GGTCTAGACTAAGCATCTTGCCACACC-3’(reverse、配列番号15)
増幅したcDNAを、AscI認識配列と6×Hisタグ配列を付加したpBluescript KS(+)のマルチクローニング部位のEcoRVとXbaI部位に挿入した。この後、5’側の6×Hisタグとα3鎖E8フラグメントをコードする配列を含むcDNAを制限酵素AscIとNotIとで切り出し、哺乳細胞用発現ベクターpSecTag2A(インビトロジェン)の当該部位に挿入し、ヒトα3鎖E8フラグメント(N末端側に6XHisタグを含む)の発現ベクターを作製した。
(4-2)ヒトラミニンβ3鎖E8フラグメント発現ベクターの作製
5’側から、マウスIg−κ鎖V−J2−Cシグナルペプチド・HAタグ・β3鎖E8フラグメントを順にコードするcDNA断片を獲得するために、マウスIg−κ鎖V−J2−Cシグナルペプチド・HAタグをコードするcDNA断片とβ3鎖E8をコードするcDNA断片をそれぞれ取得し、エクステンションPCRによってそれら2種類の断片を連結・増幅した。
まず、ヒトラミニンβ1鎖E8発現ベクター(Ido et al., J. Biol. Chem., 282, 11144-11154, 2007)を鋳型として、以下のプライマーを用いてPCRを行い、マウスIg−κ鎖V−J2−Cシグナルペプチド・HAタグに相当する領域を増幅した。なお、リバース(reverse)プライマーの5’側にはエクステンションPCRに使用する配列が付加されている。
(ix) シグナルペプチド配列・HAタグ配列増幅用プライマー
5’-TGGGCGTGGATAGCGGTTTG-3’(forward、配列番号16)
5’-TCTGGGACAGATCTGCATAATCTGGCAC-3’(reverse、配列番号17)
次に、ヒトラミニンβ3鎖のcDNA配列を含むプラスミド(Ido et al., J. Biol. Chem., 282, 11144-11154, 2007)を鋳型として、以下のプライマーを用いてPCRを行い、β3鎖(Leu949−Lys1172)に相当する領域を増幅した。なお、フォワード(forward)プライマーの5’側にはエクステンションPCRに使用する配列が、リバース(reverse)プライマーの5’側にはEcoRI認識配列(GAATTC)がそれぞれ付加されている。
(x) β3鎖E8フラグメント増幅用プライマー
5’-AGATTATGCAGATCTGTCCCAGACCAAG-3’(forward、配列番号18)
5’-GCGAATTCTCACTTGCAGGTGGCATA-3’(reverse、配列番号19)
得られた2種類のcDNA断片を、以下のプライマーを用いたエクステンションPCRにより連結・増幅させ、マウスIg−κ鎖V−J2−Cシグナルペプチド・HAタグ・β3鎖E8をコードするcDNA断片を得た。増幅したcDNAを、制限酵素NheIとEcoRIで消化し、哺乳細胞用発現ベクターpSecTag2B(インビトロジェン)の当該部位に挿入し、ヒトβ3鎖E8フラグメント(N末端側にHAタグを含む)の発現ベクターを作製した。なお、NheI認識配列(GCTAGC)は、開始コドンから5’側直前に存在している。
(xi) マウスIg−κ鎖V−J2−Cシグナルペプチド・HAタグ・β3鎖E8増幅用プライマー
5’-TGGGCGTGGATAGCGGTTTG-3’(forward、配列番号16)
5’-GCGAATTCTCACTTGCAGGTGGCATA-3’(reverse、配列番号19)
(4-3)ヒトラミニンγ2鎖E8フラグメント発現ベクターの作製
5’側から、マウスIg−κ鎖V−J2−Cシグナルペプチド・FLAGタグ・γ2鎖E8フラグメントを順にコードするcDNA断片を獲得するために、マウスIg−κ鎖V−J2−Cシグナルペプチド・FLAGタグをコードするcDNA断片とγ2鎖E8をコードするcDNA断片をそれぞれ取得し、エクステンションPCRによってそれら2種類の断片を連結・増幅した。
まず、ヒトラミニンγ1鎖E8発現ベクター(Ido et al., J. Biol. Chem., 282, 11144-11154, 2007)を鋳型として、以下のプライマーを用いてPCRを行い、マウスIg−κ鎖V−J2−Cシグナルペプチド・HAタグに相当する領域を増幅した。なお、リバース(reverse)プライマーの5’側にはエクステンションPCRに使用する配列が付加されている。
(xii) シグナルペプチド配列・FLAGタグ配列増幅用プライマー
5’-TGGGCGTGGATAGCGGTTTG-3’(forward、配列番号16)
5’-GGATGCTCTCATCCTTATCATCATCATCC-3’(reverse、配列番号20)
次に、ヒトラミニンγ2鎖のcDNA配列を含むプラスミド(Ido et al., J. Biol. Chem., 282, 11144-11154, 2007)を鋳型として、以下のプライマーを用いてPCRを行い、γ2鎖(Glu949−Gln1172)に相当する領域を増幅した。なお、フォワード(forward)プライマーの5’側にはエクステンションPCRに使用する配列が、リバース(reverse)プライマーの5’側にはEcoRI認識配列(GAATTC)がそれぞれ付加されている。
(xiii) γ2鎖E8フラグメント増幅用プライマー
5’-GATGATGATAAGGATGAGAGCATCCTTAAAAAC-3’(forward、配列番号21)
5’-GCGAATTCTCACTGTTGCTCAAGAGCCTG-3’(reverse、配列番号22)
得られた2種類のcDNA断片を、以下のプライマーを用いたエクステンションPCRにより連結・増幅させ、マウスIg−κ鎖V−J2−Cシグナルペプチド・FLAGタグ・γ2鎖E8をコードするcDNA断片を得た。増幅したcDNAを、制限酵素NheIとEcoRIで消化し、哺乳細胞用発現ベクターpSecTag2B(インビトロジェン)の当該部位に挿入し、ヒトγ2鎖E8フラグメント(N末端側にFLAGタグを含む)の発現ベクターを作製した。
(xiv) マウスIg−κ鎖V−J2−Cシグナルペプチド・FLAGタグ・γ2鎖E8増幅用プライマー
5’-TGGGCGTGGATAGCGGTTTG-3’(forward、配列番号16)
5’-GCGAATTCTCACTGTTGCTCAAGAGCCTG-3’(reverse、配列番号22)
(4-4)rhLM332E8の発現と精製
rhLM332E8の発現は、作製した各鎖の発現ベクターをヒト腎臓由来293F細胞(インビトロジェン)に導入して行った。300mlの293F細胞(1.0×106個/ml)にトランスフェクション試薬293fectin(商品名、インビトロジェン)およびOpti−MEM(商品名、インビトロジェン)を用いて各鎖発現ベクターを70μgずつ同時にトランスフェクトし、72時間培養を行ったのち、培養液を回収した。培養液は1000×gで10分間遠心し、その上清をさらに15,000×gで30分間遠心し、細胞や不溶物を除去した。培養上清にイミダゾールを終濃度10mMとなるよう加え、よく撹拌した。その後、50%(v/v)Ni−NTA agarose(キアゲン社)を40ml添加し、4℃、一晩のバッチ法で目的タンパク質を吸着させた。Ni−NTA agaroseを回収し、TBS(−)で洗浄したのち200mMイミダゾール/TBS(−)で溶出した。280nmの吸光度を指標にしてrhLM332E8溶出画分を確認した。溶出された画分に2mlのANTI−FLAG M2 affinity Gel(シグマ)を添加し、4℃、一晩のバッチ法で目的タンパク質を吸着させた。ゲルをエコノカラム(バイオラッド社製)に移し、TBS(−)で洗浄後、100μg/ml FLAG peptide(シグマ)を含むTBS(−)で溶出した。溶出フラクションを銀染色で確認し、rhLM332E8の溶出された画分をTBS(−)に対して透析(20kDa cut)を行った。
(5)組換えヒトラミニン(rhLM511、rhLM332、rhLM111)の作製方法
rhLM511は、Idoら(Hiroyuki Ido, Kenji Harada, Sugiko Futaki, Yoshitaka Hayashi, Ryoko Nishiuchi, Yuko Natsuka, Shaoliang Li, Yoshinao Wada, Ariana C. Combs, James M. Ervasti, and Kiyotoshi Sekiguchi, “Molecular dissection of the α-dystroglycan- and integrin-binding sites within the globular domain of human laminin-10” Jhe Journal of Biological Chemistry, 279, 10946-10954, 2004.)に記載の方法に従って作製した。
rhLM332は、Idoら(Hiroyuki Ido, Aya Nakamura, Reiko Kobayashi, Shunsuke Ito, Shaoliang Li, Sugiko Futaki, and Kiyotoshi Sekiguchi, “The requirement of the glutamic acid residue at the third position from the carboxyl termini of the laminin γ chains in integrin binding by laminins” The Journal of Biological Chemistry, 282, 11144-11154, 2007.)に記載の方法に従って作製した。
rhLM111は、Idoら(Hiroyuki Ido, Kenji Harada, Yoshiki Yagi, and Kiyotoshi Sekiguchi, “Probing the integrin-binding site within the globular domain of laminin-511 with the function-blocking monoclonal antibody 4C7” Matrix Biology, 25, 112-117, 2006.)およびTaniguchiら(Yukimasa Taniguchi, Hiroyuki Ido, Noriko Sanzen, Maria Hayashi, Ryoko Sato-Nishiuchi, Sugiko Futaki, and Kiyotoshi Sekiguchi, “The C-terminal region of laminin β chains modulates the integrin binding affinities of laminins” The Journal of Biological Chemistry, 284, 7820-7831, 2009.)に記載の方法に従って作製した。
〔実施例1:ヒトES細胞の各種細胞外基質への濃度依存的接着効率の比較〕
96ウェルマイクロプレート(BD Bioscience #351172)に、rhLM511E8、rhLM332E8、rhLM511、rhLM332、rhLM111、マトリゲル、フィブロネクチン、ビトロネクチンをDulbecco’s PBS(和光純薬 #045-29795)またはDMEM−F12(シグマ #D6241)で希釈し、各細胞外基質溶液を最終濃度が0〜25μg/cmの範囲になるように加え、室温で2時間静置してコーティングを行った。
mTeSR1培養細胞(P1)にTrypLE Select(インビトロジェン #12563011)を加えて3分間37℃で恒温処理し、細胞を単一細胞に分散させた。細胞数をカウントした後、プレートに5×10cell/wellの密度で細胞を播種した。細胞播種から6時間経過後、上清を除いてDMEM−F12で1度ウェルを洗浄し、10%中性ホルマリン緩衝液を加えて10分間細胞を固定した。100%エタノールに置換して5分経過した後、4%クリスタルバイオレット/100%メタノール溶液を加え、細胞を5分間染色した。プレートを大量の蒸留水に浸して過剰な染色液を除去した後、風乾させた。1%SDSを加えて細胞を可溶化し、マルチプレートリーダーを用いて波長570nmの吸光度を測定した。
結果を図1に示した。図1から明らかなように、rhLM511E8およびrhLM332E8は低濃度のコーティングでも顕著に高い接着細胞数を示した。既知の細胞外基質のうち、ヒトES細胞の接着が最も高いとされるマトリゲルの接着細胞数の最大値より、rhLM511E8の接着細胞数はいずれの濃度においても高いことが明らかとなった。また、全長のrhLM511またはrhLM332のコーティング量より少ないコーティング量で、多数の細胞が接着することが明らかとなった。この結果から、rhLM511E8およびrhLM332E8の至適コーティング濃度は約1.0μg/cm〜約20μg/cmと考えられた。
〔実施例2:rhLM511E8をコーティングした培養器における播種密度依存的な単一ヒトES細胞の接着効率の検討〕
ヒトES細胞の継代は、トリプシン/EDTA等を用いて単一細胞に分散すると細胞の生存率が極端に低下するため、コロニー形状を維持しながら植え継ぐのが一般的である。そこで、rhLM511E8をコーティングした場合の単一ヒトES細胞の接着効率を、マトリゲルをコーティングした場合と比較した。
rhLM511E8を最終濃度が1.5μg/cmになるようにDulbecco’s PBSで希釈した。マトリゲルを最終濃度が25μg/cmになるようにDMEM−F12で希釈した。各希釈液を48ウェルマルチウェルプレート(BD Bioscience #351178)に添加し、室温で2時間静置してコーティングを行った。
mTeSR1培養細胞(P1)にTrypLE Selectを加えて3分間37℃で恒温処理し、細胞を単一細胞に分散させた。rhLM511E8またはマトリゲルをコーティングした48ウェルマルチウェルプレートに、細胞密度1×10cell/cm〜5×10cell/cmの範囲で3ウェルずつ播種した。細胞播種から6時間後、上清を除いてPBSで洗浄し、0.25%トリプシン/EDTAで細胞を剥離した。細胞数をカウントし、各細胞密度における播種細胞数に対する接着細胞数の比を求めた。
結果を図2に示した。図2から明らかのように、マトリゲルをコーティングした場合の単一ヒトES細胞の接着効率は従来通り極端に低いが、rhLM511E8をコーティングした場合は、5×10cell/cmの播種密度で約50%が接着、生存することが明らかとなった。この結果から、rhLM511E8をコーティングした培養器における細胞播種密度の適正値は約5×10cell/cm〜約10×10cell/cmと考えられた。
〔実施例3:rhLM511E8またはrhLM332E8をコーティングした培養器におけるヒトES細胞の形態観察および表面抗原解析〕
rhLM511E8またはrhLM332E8を最終濃度が1.5μg/cmになるようにDulbecco’s PBSで希釈した。マトリゲルを最終濃度が25μg/cmになるようにDMEM−F12で希釈した。各希釈液を35mmイージーグリップセルカルチャーディッシュ(BD Falcon #353001)に添加し、室温で2時間静置してコーティングを行った。
mTeSR1培養細胞(P1)にTrypLE Selectを加えて3分間37℃で恒温処理し、細胞を単一細胞に分散させた。rhLM511E8、rhLM332E8またはマトリゲルをコーティングした35mmイージーグリップセルカルチャーディッシュに、細胞密度5×10cell/cmで播種した。細胞播種から毎日観察を行い、形態変化を撮影記録した。
細胞播種から5日後、表面抗原解析を行うために細胞をTrypLE Selectで3分間処理して細胞を単一細胞に分散し、Working Solution(0.1%BSA/PBS)で洗浄処理した。一次抗体として抗SSEA−1抗体、抗SSEA−4抗体、抗Tra−1−60抗体、抗Tra−1−81抗体、抗Tra−2−54抗体(以上、Developmental Studies Hybridoma Bank、アイオワ大学)または抗GCTM−2抗体(インビトロジェン)を添加して4℃で30分間染色した後、Working Solutionで洗浄した。次に二次抗体(Beckman Coulter #731735)を添加して4℃で30分間染色した。細胞をWorking Solutionで2度洗浄し、BD FACSCalibur HGを用いて蛍光強度を測定した。
rhLM332E8をコーティングしたディッシュで培養したヒトES細胞の形態観察の結果を図3に示した。また、rhLM511E8をコーティングしたディッシュで培養したヒトES細胞の形態観察の結果を図4に示した。図3および図4から明らかなように、単一細胞に分散したヒトES細胞は、rhLM332E8またはrhLM511E8をコーティングしたディッシュに単独で接着、あるいは近接した細胞とコロニー形状を再構築して接着し(図3、図4の各上段のday1参照)、その後、旺盛な増殖を示した(図3、図4の各下段のday3参照)。この結果から、rhLM332E8またはrhLM511E8をコーティングした培養基材を用いれば、従来不可能であった単一分散によるヒトES細胞の培養方法を提供できることが示された。
表面抗原解析の結果を図5に示した。図5において、左列がマトリゲルをコーティングしたディッシュで培養した細胞の結果であり、中央列がrhLM332E8をコーティングしたディッシュで培養した細胞の結果であり、右列がrhLM511E8をコーティングしたディッシュで培養した細胞の結果である。図5から明らかなように、表面抗原解析の結果は三者に違いがなく、いずれも未分化マーカー(SSEA−4、Tra−1−60、Tra−1−81、Tra−2−54、GCTM2)は高い陽性率を示し、分化マーカー(SSEA−1)は陽性を示さなかった。この結果から、rhLM332E8またはrhLM511E8をコーティングした培養基材を用いても、従来法と比べて遜色なく、ヒトES細胞の未分化状態を維持ができることが示された。
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。

Claims (8)

  1. ヒトラミニンα5β1γ1のE8フラグメントまたはヒトラミニンα3β3γ2のE8フラグメントがコーティングされていることを特徴とするヒト多能性幹細胞培養用培養基材。
  2. ヒトラミニンα5β1γ1のE8フラグメントまたはヒトラミニンα3β3γ2のE8フラグメントが0.5μg/cm〜25μg/cmの濃度でコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載の培養基材。
  3. ヒト多能性幹細胞が、ヒトES細胞またはヒトiPS細胞である請求項1または2に記載の培養基材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の培養基材を使用することを特徴とするヒト多能性幹細胞の培養方法。
  5. 単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を培養する方法であって、
    ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程と、
    単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を、請求項1〜3のいずれかに記載の培養基材を用いて培養する工程とを含むことを特徴とするヒト多能性幹細胞の培養方法。
  6. ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程と、
    単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を、請求項1〜3のいずれかに記載の培養基材を用いて培養する工程とを含み、
    単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を2×10cell/cm〜20×10cell/cmの密度で播種することを特徴とするヒト多能性幹細胞の急速拡大方法。
  7. ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程と、
    単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を、請求項1〜3のいずれかに記載の培養基材を用いて培養する工程とを含み、
    単一細胞由来のコロニーを形成させることを特徴とするヒト多能性幹細胞の単一細胞由来クローン分離方法。
  8. ヒト多能性幹細胞を単一細胞に分散する工程と、
    単一細胞に分散されたヒト多能性幹細胞を、請求項1〜3のいずれかに記載の培養基材を用いて培養する工程とを含み、
    単一細胞の状態で維持することを特徴とするヒト多能性幹細胞の単一細胞培養方法。
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