JP2011075232A - 流下式製氷機の散水装置 - Google Patents

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毅 植田
Hiroki Yamaguchi
弘城 山口
Yuji Wakatsuki
勇二 若槻
Hideo Ishigure
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Abstract

【課題】製氷板の裏面側へ製氷水が流出しないようにして、製氷効率の低下を防止すると共に製氷板の変形や破損を防止する。
【解決手段】散水装置70の散水案内器76は、製氷板20の上端部20Aに隣接して除氷水散水器78に沿って延在する本体杆部88と、製氷水散水器72から散布した製氷水を受け止めて製氷面26へ流出させる案内部92と、縦壁部102および案内部92により形成された排出部104を備える。また、本体杆部88と製氷板20との間に第1の開口部T1が画成されると共に、縦壁部102と製氷板20との間に第2の開口部T2が画成されている。第1の開口部T1および第2の開口部T2は、毛管現象が発現されない間隔に形成され、案内部92に散布された製氷水が製氷板20の上端部20Aへ上昇することが防止される。
【選択図】図2

Description

この発明は、製氷水を製氷板の製氷面に案内する流下式製氷機の散水装置に関するものである。
氷塊を自動的に製造する製氷機としては、安価に大量の氷塊を生成し得る流下式製氷機が知られている(例えば、特許文献1参照)。図6に示すように、流下式製氷機IMは、断熱箱体12に内部画成した貯氷室14の上方に、氷塊Mを生成する製氷ユニットIU1を備えている。
前記製氷ユニットIU1は、図7〜図9に示すように、垂直な姿勢で対向配置される一対の製氷板20,20と、両製氷板20,20の裏面間に配設した蒸発管22とを備え、製氷運転に際して蒸発管22に冷媒を流通することで、各製氷板20が強制冷却されるよう構成されている。各製氷板20,20には、上下方向へ延在する複数の突条部24が横方向に所定間隔毎に設けられ、隣り合う突条部24,24によって製氷板20の表面に上下方向に延在する製氷部25が画成される。また製氷ユニットIU1は、一対の製氷板20,20の下方に配設されて、製氷水を貯留する製氷水タンク28と、一対の製氷板20,20の上方に配設された散水装置30とを備えている。
前記散水装置30は、製氷水タンク28から圧送された製氷水を下面に複数設けた散水孔33から散水する製氷水散水器32と、この製氷水散水器32と製氷板20の上部との間に設置され、製氷水散水器32から散水された製氷水を各製氷面26の上部に案内する散水案内器34と、製氷水散水器32の下方に位置して一対の製氷板20,20の間に設置され、除氷水を製氷板20の裏面に供給する除氷水散水器36とを備えている。前記散水装置30を備えた製氷ユニットIU1は、製氷運転において、製氷水が冷却された製氷部25の製氷面26を流下する過程で氷結すると共に、製氷面26の下端縁から流下する未氷結の製氷水は、製氷水タンク28に回収された後、製氷水散水器32および散水案内器34を介して再び製氷面26に供給される。また製氷ユニットIU1は、除氷運転において、除氷水散水器36から供給された除氷水によって製氷板20を温めて離氷を補助すると共に、製氷板20から流下した除氷水が製氷水タンク28に回収されて次回の製氷運転の製氷水として用いられる。
前記散水案内器34は、図7、図8および図10に示すように、製氷板20の横方向全体に亘って延在するように形成された長尺な部材であって、横方向へ平行に延在する1対の案内列35,35から構成されている。各案内列35,35は、各製氷板20,20に対応して横方向の長手辺に沿って対称な関係で夫々形成されており、長手方向に所要間隔毎に形成された連結部37により連結されている。このような散水案内器34は、突条部24の上部を覆って該突条部24の上端に載置される被覆部38と、この被覆部38に接続して製氷面26に対応して設けられ、突条部24の突出端側から製氷面26へ向かうにつれて下方傾斜する案内部40とから構成される。そして散水案内器34は、案内部40の傾斜下端が対応の製氷面26から僅かな隙間をあけて位置するように設定されており、製氷水散水器32の散水孔33から散水された製氷水を案内部40で案内して、案内部40の傾斜下端と製氷面26との隙間を介して製氷面26に対して製氷水を供給するようになっている。また前記散水案内器34では、図8および図9に示すように、案内部40の上端に凹状の切欠部42を設け、該案内部40と製氷板20との間で発生した綿氷を、該切欠部42を介して散水案内器34の外部へ排出するよう構成されている。
前記製氷水散水器32は、図7〜図9に示すように、製氷板20の横方向全体に亘って延在するよう形成された長尺な中空筒状体である本体部31と、この本体部31の長手方向に離間配置された複数の散水孔33とを備えている。また前記除氷水散水器36は、一対の製氷板20,20の間に配置されて、下面に複数の供給孔46が開設された筒状の本体部44と、この本体部44の側面に突出形成されたフランジ部48,48とから構成されている。従って散水装置30は、被覆部38を突条部24の上端に載置して散水案内器34を一対の製氷板20,20の上部に設置した後、フランジ部48,48を対応の被覆部38に整合させて除氷水散水器36を製氷板20の上部に設置した後に、製氷水散水器32を散水案内器34の上部に設置することで構成されている。
特開2008−292021号公報
ところで、前記散水装置30の散水案内器34は、図8および図10に示すように、案内部40が急傾斜となっていると共に、この案内部40の上端部に形成された切欠部42の開口サイズは、当該散水案内器34の剛性低下を防止するために小さくしてある。このため、案内部40と製氷板20との間で生成された綿氷が、切欠部42を介して散水案内器34の外方へ効率的に排出され難く、切欠部42からの綿氷の排出量より綿氷の生成量が多い場合には、案内部40と製氷板20との間に該綿氷が溜まり、これにより製氷水も溜まってしまう問題を内在していた。特に、従来の散水装置30では、図8に示すように、散水案内器34における切欠部42の下端と、製氷板20の上端部20Aの高さとが略同一となっており、案内部40と製氷板20との間に該綿氷が溜まって製氷板20への製氷水の流出が規制されると、該製氷水が製氷板20の上端部20Aに到達するまで溜まってしまう。このため、製氷板20の上端部20Aと除氷水散水器36との密着度が低かったり、製氷板20の上端部20Aと除氷水散水器36との間に隙間が形成されていた場合には、案内部40と製氷板20との間に溜まった製氷水が、製氷板20と除氷水散水器36との間から該製氷板20の裏面側へ流出して製氷板20の裏面で氷結し、製氷ユニットIU1に変形や破損等が発生する原因となっていた。また、製氷水が製氷板20の裏面側へ流出したり、案内部40と製氷板20との間に綿氷が溜まって製氷板20への製氷水の流出が規制されると、製氷面26を流下する製氷水の量が減少して製氷効率が低下する問題も発生していた。
また、従来の散水装置30は、図8に示すように、散水案内器34における被覆部38の製氷板20に対向する端部38Aが、該製氷板20の製氷面26と上下方向に延在して当接しているため、毛管現象により製氷水が製氷板20の上端部20Aまで上昇し易い構造となっていた。従って、案内部40と製氷板20との間に製氷水が溜まっていない状態でも、前記毛管現象によって製氷水が製氷板20の上端部20Aまで上昇して、該製氷水が製氷板20と除氷水散水器36との間から該製氷板20の裏面側へ流出するおそれがあった。
更に、従来の散水装置30における散水案内器34は、横方向において隣り合う被覆部38の基部側が横方向に連結されていないので充分な強度が得られず、該散水案内器34の捻れ変形や撓み変形が起こり易い問題もあった。
すなわち本発明は、従来の技術に係る流下式製氷機の散水装置に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、製氷板の裏面側へ製氷水が流出しないようにして、製氷効率の低下を防止すると共に製氷板の変形や破損を防止し得るようにした流下式製氷機の散水装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の流下式製氷機の散水装置は、
上下方向に延在して横方向に間隔をあけて形成された各突条部間に氷塊を生成する製氷面が形成された製氷板の上方に設けられ、該製氷板の製氷面に対して製氷水散水器から受けた製氷水を案内する散水案内器と、前記製氷板における製氷面と反対側の裏面に対して除氷水を供給する除氷水散水器とを備えた流下式製氷機の散水装置において、
前記散水案内器は、
前記製氷板の上端部において前記除氷水散水器に沿って延在する本体杆部と、
隣り合う前記突条部間において横方向に間隔をあけて前記本体杆部から延出して形成された縦壁部の下端間に設けられ、該突条部の突出端側から前記製氷面側へ向かうにつれて下方傾斜する姿勢で該製氷面に臨み、傾斜下端と製氷面との間に該製氷面へ製氷水を流出する流出口を画成する案内部と、
前記縦壁部および案内部の前記製氷面と反対側の端縁部により前記製氷板の上端部より低く形成され、綿氷の排出を許容する排出部とを備え、
前記本体杆部と前記製氷板との間に第1の開口部を画成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、製氷板の上端部に沿って延在する本体杆部と該製氷板との間に画成した第1の開口部により、毛管現象により製氷水が製氷板の上端部まで上昇することを防止でき、製氷水が製氷板の裏面側へ流出するのを防止し得る。そして、案内部の上面で生成された綿氷および該綿氷により案内部の上面に溜まった製氷水を、前記第1の開口部から散水案内器の外方へ排出させ得る。また、排出部を製氷板の上端部より低く形成したので、綿氷により案内部の上面に溜まった製氷水が排水部から流出して製氷板の上端部まで到達することがなく、製氷水が製氷板の裏面側へ流出するのを防止し得る。従って、製氷運転中に製氷水が製氷板の裏面側へ流出しないので、製氷効率が低下することを防止し得ると共に、製氷板の変形や破損を防止し得る。また、散水案内器は、本体杆部により強度が高まっており、撓み変形や捻れ変形が起こり難い。
請求項2に係る発明では、前記縦壁部と該製氷板との間に第2の開口部を画成したことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、縦壁部と製氷板との間に第2の開口部を画成したので、毛管現象により製氷水が製氷板の上端部まで上昇することを防止でき、毛管現象により製氷水が製氷板の裏面側へ流出することを防止し得る。
請求項3に係る発明では、前記本体杆部に、横方向へ延在すると共に前記除氷水散水器に向け延出して、該除氷水散水器の外面部および前記製氷板の上端部に夫々当接する当接部を設けたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、当接部が除氷水散水器の外面部および製氷板の上端部に密着するようになり、除氷水散水器と製氷板との間から製氷水が該製氷板の裏面側へ流出することを防止し得る。
請求項4に係る発明では、前記本体杆部に、前記製氷板に向け延出して、該製氷板を前記除氷水散水器に押付ける押付部を設けたことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、押付部により除氷水散水器に製氷板が押付けられるので除氷水散水器と製氷板とが密着し、除氷水散水器と製氷板との間に製氷水が流入することを防止し得る。
本発明に係る流下式製氷機の散水装置によれば、製氷板の裏面側へ製氷水が流出しないようにしたので、製氷効率が低下しないと共に製氷板の変形や破損を防止し得る。
本発明の好適な実施例に係る散水装置を備えた製氷ユニットの要部斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 実施例の散水装置を備えた製氷ユニットの側面図である。 散水案内器の部分斜視図である。 変更例に係る散水案内器の部分斜視図である。 一般的な流下式製氷機の側断面図である。 従来の散水装置を備えた製氷ユニットの要部斜視図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 従来の散水装置を備えた製氷ユニットの側面図である。 従来の散水案内器の部分斜視図である。
次に、本発明に係る流下式製氷機の散水装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、図6に示した流下式製氷機および製氷ユニットの構成要素と同一の要素については、同一の符号を使用して詳細な説明は省略する。また、製氷板の表面とは、氷塊を生成する側をいい、裏面とは製氷板を冷却する蒸発管が配設される側をいう。
流下式製氷機IMには、氷塊Mを生成する製氷ユニットIUが断熱箱体12の内部に画成された貯氷室14の上方に配設され、製氷ユニットIUから放出された氷塊Mが貯氷室14に貯蔵されるようになっている。製氷ユニットIUは、図1〜図3に示すように、図7〜図9に示した従来の製氷ユニットIU1と比較して、製氷板20および製氷水タンク28の構成は基本的に同一であり、散水装置の構成が変更されたものである。すなわち、実施例の製氷ユニットIUは、略垂直な姿勢で間隔をあけて対向配置した一対の製氷板20,20と、両製氷板20,20の対向面間に配設した蒸発管22と、両製氷板20,20の直下に設けられ、製氷水を貯留すると共に両製氷板20,20から流下する製氷水を回収する製氷水タンク28とを備えている。また製氷ユニットIUには、一対の製氷板20,20の上方に配置して、製氷水および除氷水を両製氷板20,20に供給する散水装置70が設けられている。
前記製氷板20は、図1〜図3に示すように、該製氷板20の横方向に間隔をあけて設けられ、上下方向に延在する複数の突条部24と、隣り合う突条部24,24の間に画成される製氷部25とから構成される。すなわち製氷板20は、平面視において山形の突条部24と製氷部25とが連なるジグザグ状に形成される。実施例の製氷ユニットIUでは、各々の製氷板20に横方向へ並んだ6列の製氷部25を備えている。各突条部24は、他方の製氷板20から離間する側に突出するように形成され、製氷板20の表面側が凸となっている。なお、製氷板20の両側部にも突条部24が夫々配置される。ここで、一対の製氷板20,20は、同一の構成であって、蒸発管22を挟んで対称な関係で設置されている。
前記製氷部25は、製氷板20の表面側が氷塊Mが生成される製氷面26となっている。上下方向に延在する製氷面26は、上方から下方に向かうにつれて裏側から表側に傾斜する傾斜部26Aを、上下方向に多段(実施例では5段)に設けて構成されている。そして、各傾斜部26Aの傾斜下端には、下側に位置する傾斜部26Aの傾斜上端に連設される連設部26Bが設けられ、該連設部26Bは下方に向けて裏側へ傾斜している。すなわち、連設部26Bを介して連結されている上下の傾斜部26A,26Aは、上側の傾斜部26Aにおける傾斜下端が下側の傾斜部26Aにおける傾斜上端より表側に位置する関係となるよう構成してある。そして、各傾斜部26Aの裏面における上下方向の略中間位置に、前記蒸発管22の直線部22Aが接触するように配置されている。
また、図2に示すように、一対の製氷板20,20の両上端部20A間には、上方に開口した空間50が形成されている。この空間50には、前記除氷水散水器78が収容されるようになっている。
前記蒸発管22は、図3に示すように、反復する蛇行状に形成されており、直線部22Aを横方向に延在すると共に曲線部22Bを製氷板20の側部に位置させた状態で、両製氷板20,20の対向面間に設置される。また、蒸発管22において、製氷板20の上下方向に離間して延在する前記直線部22Aは、各製氷板20における製氷部25の裏面に当接し、この直線部22Aの当接部位に対応する製氷面26の傾斜部26Aが、氷塊Mが生成される製氷位置となる。蒸発管22は、図示しない冷凍装置の一部を構成し、製氷運転に際して、蒸発管22に流通する冷媒との熱交換により、各製氷板20の製氷部25を強制冷却するようになっている。また蒸発管22には、除氷運転に際してホットガスが流通し、各製氷板20の製氷部25を加温するようになっている。
前記製氷水タンク28は、図3に示すように、上部が開口する箱状に形成されている。また製氷水タンク28は、横寸法が製氷板20の横方向の寸法と略同一で、前後寸法が一方の製氷板20における突条部24の突出端から他方の製氷板20における突条部24の突出端までの寸法と略同一に設定される。製氷水タンク28の上部開口は、両製氷板20,20における製氷部25および突条部24の直下に配置され、両製氷板20,20から流下する未氷結の製氷水および除氷水を受容して、製氷運転で使用する製氷水として貯留するようになっている。また、製氷水タンク28の上端部には、除氷運転に際して両製氷板20,20から離脱した氷塊Mを貯氷室14に案内する氷案内部材52が装着されている。この氷案内部材52は、両製氷板20,20の対向方向の断面が山形に形成された複数の板状体54を並設して簀子状に構成され、この山形の頂部が、両製氷板20,20の裏面間の中間位置に臨むように配置され、対応の製氷板20の下方に位置する傾斜面で氷塊Mを夫々案内すると共に、各板状体54間の隙間から製氷水が製氷水タンク28に回収される。
実施例の散水装置70は、製氷水タンク28から圧送された製氷水を下面に複数設けた散水孔74から散水する製氷水散水器72と、この製氷水散水器72と製氷板20の上部との間に設置され、製氷水散水器72の散水孔74から散水された製氷水を各製氷面26の上部に案内する散水案内器76と、製氷水散水器72の下方に位置して一対の製氷板20,20の間に設置され、除氷水を製氷板20の裏面に供給する除氷水散水器78とを備えている。
前記製氷水散水器72は、図2および図3に示すように、製氷板20の横方向全体に亘って延在するよう形成された長尺な中空筒状(実施例では角筒状)の部材であり、その長手方向を製氷板20の横方向に沿わせて両製氷板20,20の上方に設置されている。すなわち製氷水散水器72は、長尺な中空筒状体である本体部73と、この本体部73の長手方向に離間配置された複数の散水孔74とを備えている。また製氷水散水器72は、製氷水タンク28に連通する製氷水パイプ80が一側部に接続されると共に、下面における各製氷板20の製氷面26に対応する位置に前記散水孔74が開設されている。すなわち製氷水散水器72には、散水孔74が2列に並べて設けられる。従って製氷水散水器72は、製氷運転において、製氷水パイプ80に介挿された製氷水ポンプ82により、製氷水タンク28から圧送される製氷水を各散水孔74から下方へ散布する。
前記散水案内器76は、図1〜図4に示すように、製氷板20の横方向全体に亘って延在するように形成された長尺な部材であって、製氷水散水器72の下面に相対した状態で一対の製氷板20,20の上部に取り付けられる1対の案内列84,84から構成されている。各案内列84,84は、各製氷板20,20に対応して横方向の長手辺に沿って対称な関係で夫々形成されており、長手方向に所要間隔毎に形成された連結部86により連結されている。各連結部86は、横方向と交差する方向に延在すると共に垂直下方へ延出する板状部であって、一対の製氷板20,20における前記突条部24,24の形成間隔と同じ間隔で長手方向へ形成されており、両製氷板20,20における各突条部24,24に上方から挿入される。このような各案内列84,84は、対応する製氷板20の上端部20Aに沿って横方向へ水平に延在する本体杆部88と、本体杆部88において各突条部24の上部に位置する被覆部90と、本体杆部88において各製氷板20における各製氷部25に対応して位置する案内部92とを備え、被覆部90と案内部92とが横方向へ交互に配列されている。そして散水案内器76は、各本体杆部88の間に収容部94を備え、この収容部94に除氷水散水器78が整合するようになっている(図1または図2参照)。
各本体杆部88,88は、図2および図4に示すように、製氷板20の横方向全体に亘って延在するよう形成された長尺な角棒状をなし、その長手方向が製氷板20の上端部20Aに沿うようになっている。各々の本体杆部88,88は、前記連結部86で相互に連結されている(図4参照)。各本体杆部88,88の除氷水散水器78および製氷板20と対向する側面には、該除氷水散水器78の外面に当接する当接リブ(当接部)96と、製氷板20に当接する押付突起(押付部)98とが形成されている。このような各本体杆部88,88は、案内列84,84の横方向における撓み変形および捻れ変形を防止する所謂補強部材としても機能するようになっている。
当接リブ96は、図2および図4に示すように、各本体杆部88における除氷水散水器78の外面と対向する側面上縁に沿って横方向へ延在すると共に、除氷水散水器78側へ突出している。この当接リブ96は、実施例の散水案内器76および除氷水散水器78を一対の製氷板20,20の上部に配設すると、該除氷水散水器78の側面上縁に当接するようになっている。すなわち、一方の案内列84の本体杆部88に形成した当接リブ96と他方の案内列84の本体杆部88に形成した当接リブ96の先端間の間隔H1は、除氷水散水器78の幅寸法と同一となっている(図2参照)。また、各当接リブ96の下面は、図2に示すように、対向する製氷板20の上端部20Aが当接するようになっている。従って、当接リブ96と除氷水散水器78とが当接することで該除氷水散水器78はがたつくことなく保持され、該当接リブ96と製氷板20の上端部20Aとが当接することで、製氷水が製氷板20と除氷水散水器78との間に流れ込み難くなっている。なお当接リブ96は、図1および図4に示すように、横方向において、前記連結部86の配設部位において分離している。
前記押付突起98は、図2および図4に示すように、各本体杆部88における除氷水散水器78の外面と対向する側面下縁に横方向へ所要長に延在すると共に、製氷板20側へ突出している。この押付突起98は、実施例の散水案内器76および除氷水散水器78を一対の製氷板20,20の上部に配設すると、製氷板20の側面上縁に当接して該製氷板20を除氷水散水器78の側面に押付けるようになっている。すなわち、一方の案内列84の本体杆部88に形成した押付突起98と他方の案内列84の本体杆部88に形成した押付突起98との先端間の間隔H2は、除氷水散水器78および一対の製氷板20,20の厚みとを合わせた幅寸法と同一となっている(図2参照)。なお、各押付突起98の下部は、基端から先端に向けて上り勾配の傾斜面100が形成されており、該押付突起98は基端から先端に向けて厚みが漸次小さくなる形状に形成されている。前記傾斜面100は、一対の製氷板20,20の上部に散水案内器76を上方から装着する際に、各製氷板20,20の上端部20A,20Aに当接して該上端部20A,20Aを互いに近接する方向へ適宜に変形させ、製氷板20,20に対する該散水案内器76の装着を可能とする。
前記各被覆部90は、図2および図4に示すように、本体杆部88から側方へ水平方向に延在した庇状に形成されている。そして各被覆部90は、散水案内器76を製氷板20に組付けた際に、突条部24の上端に載置されて該突条部24の上端部を覆蓋し、製氷水が突条部24の上端開口部から製氷板20,20の裏面側へ流入するのを防止する。各被覆部90の下面には前記連結部86が形成され(図4参照)、前述したように、連結部86が一対の製氷板20,20の間において対向する突条部24,24に上方から挿入されるようになっている。
前記各案内部92は、図2〜図4に示すように、横方向に隣り合う被覆部90,90の間において、本体杆部88に一体的に形成されている。すなわち各案内部92は、製氷板20の横方向に隣り合う突条部24,24間に向けて本体杆部88から下方へ延出し、各製氷部25の製氷面26に臨むように形成されている。各案内部92は、横方向に隣り合う突条部24,24に沿って下方へ延出して横方向に離間した一対の縦壁部102,102の下端間に設けられ、突条部24の突出端側から製氷面26側へ向かうにつれて下方傾斜する姿勢で該製氷面26に臨むように形成されている。そして、案内部92の傾斜下端92Aと製氷面26との間には、案内部92から製氷面26への製氷水の流出を許容する流出口Sが形成されている(図2参照)。従って各案内部92は、該案内部92に対応して夫々設けられた製氷水散水器72の前記散水孔74から散水された製氷水を受けて、対応の製氷部25の製氷面26に製氷水を案内する。なお、案内部92の傾斜下端92Aは、図2および図4に示すように、横方向の中央部分が製氷板20側へ最も突出し、この中央部分から縦壁部102,102に近づくに従って製氷板20から徐々に離間するよう平面「く」字形に延在している。これにより、案内部92を流下した製氷水は、傾斜下端92Aにおいて横方向へ広がるように流れて、該製氷水は製氷面26の全体に広がりながら該製氷面26を流下する。
実施例の散水案内器76では、図2〜図4に示すように、横方向に離間した前記一対の縦壁部102,102および案内部92により、これら縦壁部102,102および案内部92の端縁部に囲まれて製氷板20と反対側に開口する排出部104が画成されている。この排出部104は、略矩形状をなす開口であり、案内部92の上面に形成された綿氷の排出を許容する。特に、実施例の散水案内器76は、図8に示した従来の散水案内器34と比べて、製氷面26に向けた案内部92の傾斜角度が緩やかに形成されていると共に排出部104の開口面積が大きいので、案内部92の上面に綿氷が僅かに生成されただけで該綿氷を排出部104を介して排出可能となり、綿氷が製氷板20の上端部20Aまで到達するのを防止し得るよう構成されている。更に、前記排出部104における開口下縁は、製氷板20の上端部20Aよりかなり低い位置となっており(図2参照)、案内部92の上面において、該製氷水が製氷板20の上端部20Aに到達するまで溜まらないよう構成されている。
そして、実施例の散水案内器76は、図2に示すように、該散水案内器76を一対の製氷板20,20の上部に配設した際に、各本体杆部88と製氷板20との間に、第1の開口部T1が画成されるように形成されている。第1の開口部T1における本体杆部88と製氷板20とが対向する方向での間隔は、該第1の開口部T1に製氷水が移動しても毛管現象が発現しない大きさとなっている。従って、製氷水が第1の開口部T1に移動しても、製氷水が毛管現象により製氷板20の上端部20Aまで上昇しないようになっている。
また、実施例の散水案内器76は、図2に示すように、該散水案内器76を一対の製氷板20,20の上部に配設した際に、各縦壁部102,102と製氷板20との間に、第2の開口部T2が画成される形状に形成されている。第2の開口部T2における縦壁部102と製氷板20とが対向する方向の間隔は、該第2の開口部T2に製氷水が移動しても毛管現象が発現しない大きさとなっている。従って、製氷水が第2の開口部T2に移動しても、製氷水が毛管現象により製氷板20の上端部20Aまで上昇しないようになっている。
前記除氷水散水器78は、製氷水散水器72の下方に位置して製氷板20の上部裏面側に配置される(図2参照)。除氷水散水器78は、長尺な中空筒状体である本体部106と、この本体部106の長手方向に離間配置された複数の供給孔108とを備えている。そして、本体部106の一側部には、図3に示すように、水道等の外部水道源に給水弁110を介して接続する除氷水パイプ112が接続され、給水弁110の開閉により、各供給孔108から除氷水を製氷板20の裏面に供給または供給停止し得るようになっている。なお、本体部106の上面には、長手方向へ延在する膨出部114が形成されており、前記製氷水散水器72の下面に凹設した陥凹部116に該膨出部114が嵌合して、該製氷水散水器72の位置決めおよび保持を図るようになっている。
(実施例の作用)
次に、実施例に係る流下式製氷機IMの散水装置70の作用について説明する。実施例の散水装置70は、一対の製氷板20,20の上部に、先ず散水案内器76を上方から装着し、次いで除氷水散水器78を装着し、散水案内器76および除氷水散水器78が配設された状態で製氷水散水器72を装着する。これにより、当接リブ96が除氷水散水器78と横方向に沿って密着し、各製氷板20の上端部20Aが当接リブ96と横方向に沿って当接すると共に、各製氷板20の上部が除氷水散水器78の側面と横方向に沿って密着するので、製氷板20と除氷水散水器78との間には製氷水が進入する隙間が形成されていない。また、各案内列84,84における本体杆部88および各縦壁部102,102が、対向する製氷板20,20の製氷面26と接触していない。
実施例の散水装置70は、製氷運転では、製氷水ポンプ82を駆動することで、製氷水タンク28に貯留されている製氷水が、製氷水パイプ80を介して製氷水散水器72に供給される。製氷水散水器72内に供給された製氷水は、各散水孔74から該散水孔74に対向する散水案内器76の各案内部92に夫々散水される。そして製氷水は、案内部92の傾斜に案内されて製氷板20側へ流下し、案内部92の傾斜下端92Aに画成された流出口Sを介して製氷板20における対応の製氷面26に供給される。散水案内器76から流出した製氷水は、製氷板20の製氷面26を膜状に流下し、蒸発管22を流通する冷媒との熱交換により冷却された各傾斜部26Aに、製氷位置を中心として徐々に氷結を始める。なお、氷結することなく両製氷板20,20から流下する製氷水は、氷案内部材52の各隙間を介して製氷水タンク28に回収され、製氷水ポンプ82により両製氷板20,20に再び供給される。
そして、製氷運転が継続されることで、散水案内器76の各案内部92の上面に綿氷が生成されることがある。しかし、案内部92の傾斜角度が緩やかで排出部104の開口面積が大きいので、案内部92の上面に生成された綿氷は、製氷板20から離間するように移動して排出部104から外方へ排出される。これにより、案内部92の上面に多くの綿氷が溜まることがなく、綿氷が溜まることによって製氷水が製氷板20の上端部20Aまで飛散することを防止し得る。
そして、本体杆部88と製氷板20との間に第1の開口部T1が画成されていると共に、各縦壁部102,102と製氷板20との間に第2の開口部T2が画成されているので、案内部92上に散布された製氷水が、毛管現象により製氷板20の上端部20Aまで上昇しない。従って、製氷水散水器72から散水案内器76へ散布された製氷水の全てが、製氷板20の製氷面26へ流出するようになる。なお、案内部92に生成された綿氷の一部が、前記第2の開口部T2を介して外方へ排出されることもあり得る。
従って、実施例の流下式製氷機の散水装置によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)散水案内器76において、本体杆部88と製氷板20との間に第1の開口部T1を画成すると共に、各縦壁部102,102と製氷板20との間に第2の開口部T2を画成したことにより、毛管現象により製氷水が製氷板20の上端部20Aまで上昇することが防止され、この毛管現象により製氷水が製氷板20の裏面側へ流出することを防止し得る。
(2)案内部92の上面で生成された綿氷を、排出部104を介して散水案内器76の外部へ排出させ得るので、案内部92の上面に綿氷が溜まり難い。しかも、案内部92の傾斜角度が小さいので、案内部92の上面に生成された綿氷が排出部104側へ移動し易くなり、該綿氷を散水案内器76の外方へ効率的に排出し得る。
(3)案内部92の上面で生成された綿氷を、第2の開口部T2を介して散水案内器76の外方へ排出させることも可能であり、該綿氷を散水案内器76の外方へ効率的に排出し得る。
(4)当接リブ96が除氷水散水器78の外面部および製氷板20の上端部20Aに密着するようになり、除氷水散水器78と製氷板20との間から製氷水が該製氷板20の裏面側へ流出することが防止される。
(5)押付突起98により除氷水散水器78に製氷板20の上部が押付けられるので、除氷水散水器78と製氷板20とが密着し、除氷水散水器78と製氷板20との間に製氷水が流入することを好適に防止し得る。
(6)従って、綿氷が案内部92の上面に溜まり難いので、綿氷の生成を原因とした製氷面26への製氷水の流出が阻害されず、綿氷の生成を原因とした製氷効率の低下を防止し得る。また、製氷水が製氷板20の裏面側へ流出しないので、製氷水散水器72から散布された製氷水の全てが製氷面26へ流出するようになり、製氷水が製氷板20の裏面側へ流出することを原因とした製氷効率の低下も防止し得る。
(7)また、製氷水が製氷板20の裏面側へ流出しないので、製氷板20の裏面で製氷水が氷結することが回避され、製氷板20の破損または変形や、製氷ユニットIUの故障等を防止し得る。
(8)本体杆部88を設けたことにより、散水案内器76の撓み変形や捻れ変形が起こり難くなり、該散水案内器76の強度を高めることができる。
(変更例)
本発明は、前述の実施例の構成に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1)実施例では、製氷部として、一対の製氷板を蒸発管を挟んで対向配置した構成で説明したが、例えば1枚の製氷板の裏面に蒸発管を蛇行配置したものであってもよい。
(2)押付突起98は、図5(a)および図5(b)に示すように、横方向における長さを様々に変更してもよい。そして、押付突起98の長さが短い場合には、該押付突起98を横方向へ所要間隔毎に複数設けるようにしてもよい。
(3)実施例では、本体杆部88と製氷板20との間に第1の開口部T1を画成すると共に、各縦壁部102,102と製氷板20との間に第2の開口部T2を画成した形態を例示したが、毛管現象により製氷水が製氷板20の上端部20Aまで上昇しないようにすることを目的とした場合には、第2の開口部T2だけを設けるようにしてもよい。
20 製氷板,20A 上端部,24 突条部,26 製氷面,72 製氷水散水器
76 散水案内器,78 除氷水散水器,88 本体杆部,92 案内部
96 当接リブ(当接部),98 押付突起(押付部),102 縦壁部,104 開口部
M 氷塊,S 流出口,T1 第1の開口部,T2 第2の開口部,

Claims (4)

  1. 上下方向に延在して横方向に間隔をあけて形成された各突条部(24)間に氷塊(M)を生成する製氷面(26)が形成された製氷板(20)の上方に設けられ、該製氷板(20)の製氷面(26)に対して製氷水散水器(72)から受けた製氷水を案内する散水案内器(76)と、前記製氷板(20)における製氷面(26)と反対側の裏面に対して除氷水を供給する除氷水散水器(78)とを備えた流下式製氷機の散水装置において、
    前記散水案内器(76)は、
    前記製氷板(20)の上端部(20A)において前記除氷水散水器(78)に沿って延在する本体杆部(88)と、
    隣り合う前記突条部(24,24)間において横方向に間隔をあけて前記本体杆部(88)から延出して形成された縦壁部(102,102)の下端間に設けられ、該突条部(24)の突出端側から前記製氷面(26)側へ向かうにつれて下方傾斜する姿勢で該製氷面(26)に臨み、傾斜下端と製氷面(26)との間に該製氷面(26)へ製氷水を流出する流出口(S)を画成する案内部(92)と、
    前記縦壁部(102,102)および案内部(92)の前記製氷面(26)と反対側の端縁部により前記製氷板(20)の上端部(20A)より低く形成され、綿氷の排出を許容する排出部(104)とを備え、
    前記本体杆部(88)と前記製氷板(20)との間に第1の開口部(T1)を画成した
    ことを特徴とする流下式製氷機の散水装置。
  2. 前記縦壁部(102,102)と該製氷板(20)との間に第2の開口部(T2)を画成した請求項1記載の流下式製氷機の散水装置。
  3. 前記本体杆部(88)に、横方向へ延在すると共に前記除氷水散水器(78)に向け延出して、該除氷水散水器(78)の外面部および前記製氷板(20)の上端部(20A)に夫々当接する当接部(96)を設けた請求項1または2記載の流下式製氷機の散水装置。
  4. 前記本体杆部(88)に、前記製氷板(20)に向け延出して、該製氷板(20)を前記除氷水散水器(78)に押付ける押付部(98)を設けた請求項1〜3の何れか一項に記載の流下式製氷機の散水装置。
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