JP2005003296A - 液散布装置及びそれを用いる液膜式熱交換器と吸収冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な液散布ができ、精密な加工精度が要求されず、ゴミ詰まりの可能性も小さくできる液散布装置と液膜式熱交換器と吸収冷凍機を提供する。
【解決手段】液を滴下させて散布する液散布装置において、滴下する液を保有する液保有部と、液保有部からの液を流出する液流出部と、流出した液を分配し滴下する滴下部とを有すると共に、少なくとも前記液流出部の液と接触する部分には、濡れ性を向上させる表面処理が行われているものであり、前記液保有部は、樋型のトレー11であり、液流出部が、該11に設けた流出孔13と該13に接した開口部14を有するガイド板12とからなるか、又は、該樋型のトレー側壁にクリップ状に装着されたドリッパであるか、又は前記液保有部が、上部に噴出孔を有する散布管で、液流出部が、該散布管の上部を覆い側面に散布溝を有するカバーとすることができ、前記表面処理は、溶射で行うのがよい。
【選択図】 図1
【解決手段】液を滴下させて散布する液散布装置において、滴下する液を保有する液保有部と、液保有部からの液を流出する液流出部と、流出した液を分配し滴下する滴下部とを有すると共に、少なくとも前記液流出部の液と接触する部分には、濡れ性を向上させる表面処理が行われているものであり、前記液保有部は、樋型のトレー11であり、液流出部が、該11に設けた流出孔13と該13に接した開口部14を有するガイド板12とからなるか、又は、該樋型のトレー側壁にクリップ状に装着されたドリッパであるか、又は前記液保有部が、上部に噴出孔を有する散布管で、液流出部が、該散布管の上部を覆い側面に散布溝を有するカバーとすることができ、前記表面処理は、溶射で行うのがよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液散布装置に係り、特に空気調和装置などに用いられる吸収冷凍機の蒸発器や吸収器、再生器などに用いる伝熱チューブ又は伝熱プレートの伝熱面に、冷媒又は溶液を滴下させる液散布装置及びそれを用いる液膜式熱交換器と吸収冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2000−55508号公報
一般に、吸収冷凍機の蒸発器や吸収器、再生器の熱交換器は、伝熱チューブもしくは伝熱プレートにて構成されており、伝熱面上に冷媒又は溶液が散布される。伝熱面上に形成される冷媒又は溶液の液膜厚さが、熱交換器の性能を決定する重要な要素であり、液を全伝熱面へ均一に分配することが要求される。
液の散布方法としては、従来より、ポンプなどで加圧した液を散布ノズルから円錐状に噴霧し、下方に配置されている伝熱チューブに散布する方式が広く用いられている。
また、伝熱管上部に樋を設置し、その樋に設けた小孔からガイドを伝わせて液を滴下する方式や、樋にドリッパを取付け、サイフォン効果によって液を導出、滴下させる方式などが一般に知られている。
【0003】
特開2000−55508号公報では、ドリッパを曲げ板で形成し、樋にクリップ状に取り付ける方法について述べられている。
上述した散布ノズルを用いる方式では、散布管に降りかからずに無効に飛散する液が多いため、液の循環量を多くしてやる必要があり、そのためポンプ動力が大きくなってしまう問題があった。また、、散布管液の飛散が激しく、液滴が隣の熱交換器に流入しないようにエリミネータの設置が不可欠であり、機器の大型化及びコストアップにつながるという問題もある。
さらに、散布特性のよいノズルを得るためにはノズルの穴径を小さくする必要があるため、液中に存在する鉄スケール、溶接スラグなどのゴミが詰まりやすいという問題もあった。
【0004】
一方、伝熱管上部に樋を設置し、その樋に設けた小孔からガイドを伝わせて液を滴下する方式や、樋にドリッパを取付け、サイフォン効果によって液を導出し、滴下させる方式では、ガイド、エプロン又はドリッパの各表面の状態、例えば油分など不純物の付着によって、液の濡れ性、ひいては散布状態にムラができやすいという問題があった。また、流出孔部分が濡れにくくなっていると、液が流出孔から流出しなかったり、液出量が不安定になることがあった。
特に、サイフォン効果によって樋から液を持ち上げる場合は、毛細管現象の次式(a)
【式】
から分かるように、樋とドリッパとの間のクリアランスrを小さくする必要があり、精密な加工精度が要求され、また、液中のゴミによって流路が詰まってしまう恐れがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、樋から滴下させて散布する方式の液散布装置において、簡単かつ低コストの処理で、均一な液散布を実現し、かつ、精密な加工精度が要求されず、ゴミ詰まりの可能性も小さくできる液散布装置とそれを用いる液膜式熱交換器と吸収冷凍機を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、液を滴下させて散布する液散布装置において、滴下する液を保有する液保有部と、液保有部からの液を流出する液流出部と、流出した液を分配し滴下する滴下部とを有すると共に、少なくとも前記液流出部の、液と接触する部分には、濡れ性を向上させるための表面処理が行われていることを特徴とする液散布装置としたものである。
前記液散布装置において、液保有部は、樋型のトレーであり、液流出部が該樋型のトレーに設けた流出孔と、該流出孔に接した開口部を有するガイド板とからなるか、又は、液流出部が、該樋のトレー側壁にクリップ状に装着されたドリッパとすることができ、また、前記液保有部が、上部に噴出孔を有する散布管であり、液流出部が、該散布管の上部を覆い側面に散布溝を有するカバーとすることができ、前記濡れ性を向上させるための表面処理は、溶射で行うことができる。
また、本発明では、前記の液散布装置を、熱交換器の伝熱面の上部に配備した液膜式熱交換器、及び、該液膜式熱交換器を、蒸発器、吸収器、凝縮器及び再生器を有する吸収冷凍機の蒸発器、吸収器又は再生器の少なくとも1つに用いたことを特徴とする吸収冷凍機としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では、伝熱管上部に樋を設置し、その樋に設けた小孔からガイドを伝わせて液を滴下する方式において、一般に金属製である前記ガイドの表面に、例えば溶射などの表面処理を施すことにより、ガイド表面に対する液の濡れ性を向上させ、液の散布状態の偏りやムラを解消し、液を均一に分配できるようにしている。
また、伝熱管上部に設置した樋にドリッパを取付け、サイフォン効果によって液を導出、滴下させる方式においては、一般に金属製である前記ドリッパの表面に、例えば溶射などの表面処理を施すことにより、上述したガイドと同様の効果が得られると共に、サイフォン効果の前記式(a)から分かる通り、濡れ性が向上して接触角θが小さくなることで、サイフォン効果による液面の上昇効果が大きくなるため、同じ上昇高さZを実現するためのクリアランスrが大きくできる。すなわち、ドリッパの加工に要求される精度が低くなり、コスト低下及び液中のゴミによって流路が詰まってしまう恐れが少なくできる。
上述した例えば溶射などの表面処理は、液が触れる面だけでよく、多くの場合、ガイドやドリッパの片面の一部に処理を施すだけでその目的を達することができる。
【0008】
次に、本発明を図面により、詳細に説明する。
図1に、本発明の液散布装置の一例の構成図を示し、(a)は正面図、(b)は部分側面図である。
図1の本発明の一例を示す液散布装置は、散布する液体10を保有する長尺な樋型のトレー11を備えると共に、このトレーの側面に複数のガイド12を設置し、トレー11及びガイド12に開口する流出孔13から流出する液体をスリット14に導いた後、突起部15から滴下させ、折り返し部16で液体を一旦受けとめて分配し、端部17より下方の伝熱管18に滴下することによって、伝熱管の長手方向に液体を分散して散布するような構造である。このように樋とガイドを組合せた散布装置の構造は広く知られているが、現実には流出孔13及びその周辺の濡れ性が均一ではないために、流出孔13から液体が出なかったり、流出した液体の流れが偏ってしまい、均一な散布ができない場合がある。
【0009】
本発明では、この散布装置の流出孔13及びスリット14、突起部15に溶射処理を施すことによって、処理部位の濡れ性を向上させ、流出孔13から液体を安定して吸い出せるようになっている。
また、溶射処理は、折り返し部16や端部17のほか、液体の流下経路の1部又は全部に施してもよい。これによって、表面の濡れ性を均一にし、液体の分配を安定かつ均等にすることができる。
【0010】
図2に、本発明の散布装置の他の例の構成図を示し、(a)は正面図、(b)は部分側面図、(c)部分平面図である。
図2の本発明の液散布装置は、散布する液体20を保有する長尺な樋型のトレー21を備えると共に、このトレーの側面に複数のガイド22を設置し、トレー21に開口する流出孔24から流出する液体を折り返し部23に導き、スリット25を設けた液溜り部26より、下方の伝熱管27に滴下することによって、伝熱管の長手方向に液体を分散して散布するような構造である。
流出孔24は液体の流出を妨げることがないよう大径とし、折り返し部に溶射処理を施すことによって濡れ性を向上させ、以って液体の吸い出しが安定かつ均等に行われるように配慮した。
【0011】
樋とガイドの生産性を考慮して、図3に示すガイド部分の構成図のような構造にしてもよい。すなわちガイド32を1枚の薄板から成形し、樋31に数箇所溶接するなどして取り付ければ、工数の削減及びコスト低下が可能である。
さらに、図4に示すガイド部分の構成図のような構造にしてもよい。図4(a)は側面図、図4(b)は平面図である。この場合、図3と同様にガイド42を1枚の薄板から成形して樋41に取り付けているが、スリット43の折り返し加工を片側だけとし、加工の単純化を図っている。
図5の液散布装置は、散布する液体を保有する長尺な樋型のトレー41を備えると共に、このトレーの側面に1枚の薄板から成形したガイド42を設置し、トレーに設けた流出孔45に、前記ガイドの折り返し部44を差し込むことによって、折り返し部エッジがトレー内の液の表面張力を破って液が流出しやすくなっている。流出した液は、スリット25を設けた液溜り部26より滴下する。
【0012】
散布装置の生産性を考慮して、図6に示すような構造にしてもよい。すなわち、ガイド47を一体にしてトレー41の下部に取り付け、一方、折り返し部46の形成は、トレー側面の流出孔45の加工と兼ねることで、部品点数及び工数の削減が可能である。
また、折り返し部の曲げ加工が困難な場合は、図7に示すようなガイド部分としても良い。すなわち、折り返し部44をガイド48の上端に設けることで、この部分の曲げ加工を容易にしている。
さらに、材料を削減できる方法として、図8に示すような構造にしてもよい。すなわち、トレー41の側壁の一部を外側に折り返してガイド49とし、同時にガイドの一部をトレー内部に向かって折り返して、液の導出部46を形成する。ガイドの形成によってできた穴は、流出孔45となる。これにより、散布装置を製作するための材料を大幅に削減することができる。
【0013】
図9に、本発明の液散布装置の別の例の構成図を示す。図9(a)は正面図、図9(b)は側面図である。
図9の本発明の液散布装置は、散布管51の上部の噴出孔52から液体が噴出し、カバー53の天井に当たって分散する。カバー53の側面に設けた散布溝54に沿って散布管51の外表面を流下してエプロン55に導かれ、その先端から各伝熱管56の表面に滴下することによって、伝熱管の長手方向に液体を分散して散布するような構造である。このように、散布管とエプロンを組合せた散布装置の構造は広く知られているが、現実には、散布溝54及びその周辺の濡れ性が均一ではないために、散布溝54からの液体の流出量にバラツキがあったり、流出した液体がエプロンに偏って流れてしまい、均一な散布ができない場合がある。
本発明では、この散布装置の散布溝54に溶射処理を施すことによって、処理部位の濡れ性を向上させ、液体を安定して吸い出せるようになっている。
また、溶射処理はエプロン55ほか、液体の流下経路の1部又は全部に施してもよい。これによって、表面の濡れ性を均一にし、液体の分配を安定かつ均等にすることができる。
【0014】
図10に、本発明の液散布装置の別の例の構成図を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図10の本発明の散布装置は、散布する液体60を保有する長尺な樋型のトレー61を備えると共に、このトレーの側壁にクリップ状のドリッパ62を複数個設置してある。ドリッパ62は、薄板を曲げ加工して、トレーに設置した時にトレーの側壁との間にくさび状の空間63ができるように成形されている。トレー内の液体は、サイフォン効果によってくさび状の空間に吸い上げられた後、スリット64を設けた液溜り部65に導かれ、伝熱管66に滴下するような構造である。このように、樋とクリップ状のドリッパを組合せた散布装置の構造は、特開2000−55508号公報に述べられている。
【0015】
本発明では、この散布装置ドリッパ62ののくさび状の部分に溶射処理を施すことによって、処理部位の濡れ性を向上させ、サイフォン効果を向上させ、液体を安定して吸い出せるようになっている。また、サイフォン効果が大きいと、くさび部分のクリアランスが大きくできるため、加工精度が低くてもよく、また、液中のゴミによる詰まりが発生する恐れも小さい。
図10のドリッパ62は、複雑な曲げ加工が必要であるが、図11のようにドリッパを2枚の薄板で構成すると、加工が簡略化でき、かつ、流路の寸法が内側の薄板68の板厚そのものになるため、クリアランスの寸法管理が容易になる。外側の薄板67と内側の薄板68は、溶接等で接合してもよいし、薄板どうしのバネカにて固定してもよい。
以上で述べた溶射は、プラズマ溶射やアーク溶射など広く用いられているものであり、本発明者らの実験結果によると、1層だけ溶射して仕上げ面を荒くした方が、表面の濡れ性が良好であることが分かっている。
これは、荒い溶射の場合、図12の正面図(a)及び側面図(b)に示すように、表面1に堆積した溶射粒子2の間に微少な隙間3が形成され、この隙間に液が入り込むことによって、表面の濡れ性が向上するものと考えられる。
【0016】
本発明の液散布装置を用いた吸収冷凍機の一例の概略構成図を図13に示す。
図13に示した吸収冷凍機は、単効用の吸収冷凍機であり、蒸発器E、吸収器A、凝縮器C、再生器G、溶液熱交換器70、などから構成されている。
蒸発器Eで冷媒散布装置71から冷水伝熱管72に散布された冷媒は、伝熱管72を流れる冷水から熱を奪い蒸発し、冷媒蒸気は、吸収器Aにて、溶液散布装置73から冷却水伝熱管74に散布され冷却水で冷却されている溶液に吸収される。冷媒を吸収して吸収剤の濃度が低下した希溶液は、溶液ポンプ75によって溶液熱交換器70に送られ、そこで再生器Gから戻る高温の濃溶液と熱交換し、昇温して再生器Gに入る。再生器Gで溶液散布装置76から温水伝熱管77に散布された溶液は、熱源から供給される温水によって加熱され、溶液は冷媒蒸気を放出して濃縮され、濃溶液になる。この濃溶液は溶液熱交換器70にて熱回収され温度が低下して吸収器Aに戻る。一方、再生器Gで発生した冷媒蒸気は、凝縮器Cで冷却水伝熱管78を流れる冷却水に冷却され凝縮する。この凝縮した冷媒液は蒸発器Eに戻り、サイクルを一巡する。
【0017】
本発明の液散布装置は、蒸発器Eの冷媒散布装置71や、吸収器A及び再生器Gの溶液散布装置73、76に使用される。
本発明の液散布装置を用いて液を散布する熱交換器の形式は、チューブ型でもプレート型でもよい。
また、本発明が適用できる吸収冷凍機は、その作動媒体による限定はない。
図13は、単効用の吸収冷凍機で説明したが、単効用の他、2重効用、1−2重効用、2段吸収など適用できる吸収冷凍機に、特に指定はない。
また、各機器は1台に限らず複数であってもよい。
本発明の濡れ性を向上させるための表面処理は、溶射に限らず、めっき、蒸着、ショットピニング、クロスハッチ加工、酸化皮膜処理などでもよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、伝熱管上部に樋を設置し、その樋に設けた小孔からガイドを伝わせて液を滴下する方式において、一般に金属製である前記ガイドの表面に、例えば溶射などの表面処理を施すことにより、ガイド表面に対する液の濡れ性を向上させ、液の散布状態の偏りやムラを解消し、液を均一に分配することが可能になる。
また、伝熱管上部に設置した樋にドリッパを取付け、サイフォン効果によって液を導出、滴下させる方式においては、一般に金属製である前記ドリッパの表面に、例えば溶射などの表面処理を施すことにより、上述したガイドと同様の効果が得られると共に、濡れ性が向上することで、サイフォン効果による液面の上昇効果が大きくなるため、クリアランスが大きくできる。すなわち、ドリッパの加工に要求される精度が低くなり、コスト低下及び液中のゴミによって流路が詰まってしまう恐れが少なくできる。
上述した例えば溶射などの表面処理は、液が触れる面だけでよく、多くの場合、ガイドやドリッパの片面の部に処理を施すだけでその目的を達することができるため、従来技術に比較してコストアップも少なく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液散布装置の一例を示す構成図で、(a)正面図、(b)部分側面図。
【図2】本発明の液散布装置の他の例を示す構成図で、(a)正面図、(b)部分側面図。
【図3】本発明の液散布装置の別の例を示す部分側面構成図。
【図4】本発明の液散布装置の別の例を示す構成図で、(a)部分側面図、(b)部分平面図。
【図5】本発明の液散布装置の別の例を示す構成図で、(a)部分側面図、(b)(a)のA−A断面図。
【図6】本発明の液散布装置の別の例を示す構成図で、(a)部分側面図、(b)(a)のB−B断面図。
【図7】本発明の液散布装置の別の例を示す構成図で、(a)部分側面図、(b)(a)のC−C断面図。
【図8】本発明の液散布装置の別の例を示す構成図で、(a)部分側面図、(b)(a)のD−D断面図。
【図9】本発明の液散布装置の他の例を示す構成図で、(a)正面図、(b)部分側面図。
【図10】本発明の液散布装置の他の例を示す構成図で、(a)正面図、(b)部分側面図。
【図11】図6のドリッパの別の例を示す説明図で、(a)正面図、(b)部分側面図。
【図12】荒い溶射の場合の溶射粒子の模式図を示し、、(a)正面図、(b)側面図。
【図13】本発明の液散布装置を用いた吸収冷凍機の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
10、20、60:液体、11、21、31、41、61:樋型のトレー、12、22、32、42、47、48、49:ガイド、13、24、45:流出孔、14、25、64:スリット、15:突起部、16、23、43、44、46:折り返し部、17:端部、18、27、56、66:伝熱管、26、65:液溜り部、51:散布管、52:噴出孔、53:カバー、54:散布溝、55:エプロン、62:ドリッパ、63:空間、67、68:薄板、70:溶液熱交換器、71:冷媒散布装置、72:冷水伝熱管、73、76:溶液散布装置、74、78:冷却水伝熱管、75:溶液ポンプ、77:温水伝熱管、E:蒸発器、A:吸収器、C:凝縮器、G:再生器
【発明の属する技術分野】
本発明は、液散布装置に係り、特に空気調和装置などに用いられる吸収冷凍機の蒸発器や吸収器、再生器などに用いる伝熱チューブ又は伝熱プレートの伝熱面に、冷媒又は溶液を滴下させる液散布装置及びそれを用いる液膜式熱交換器と吸収冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2000−55508号公報
一般に、吸収冷凍機の蒸発器や吸収器、再生器の熱交換器は、伝熱チューブもしくは伝熱プレートにて構成されており、伝熱面上に冷媒又は溶液が散布される。伝熱面上に形成される冷媒又は溶液の液膜厚さが、熱交換器の性能を決定する重要な要素であり、液を全伝熱面へ均一に分配することが要求される。
液の散布方法としては、従来より、ポンプなどで加圧した液を散布ノズルから円錐状に噴霧し、下方に配置されている伝熱チューブに散布する方式が広く用いられている。
また、伝熱管上部に樋を設置し、その樋に設けた小孔からガイドを伝わせて液を滴下する方式や、樋にドリッパを取付け、サイフォン効果によって液を導出、滴下させる方式などが一般に知られている。
【0003】
特開2000−55508号公報では、ドリッパを曲げ板で形成し、樋にクリップ状に取り付ける方法について述べられている。
上述した散布ノズルを用いる方式では、散布管に降りかからずに無効に飛散する液が多いため、液の循環量を多くしてやる必要があり、そのためポンプ動力が大きくなってしまう問題があった。また、、散布管液の飛散が激しく、液滴が隣の熱交換器に流入しないようにエリミネータの設置が不可欠であり、機器の大型化及びコストアップにつながるという問題もある。
さらに、散布特性のよいノズルを得るためにはノズルの穴径を小さくする必要があるため、液中に存在する鉄スケール、溶接スラグなどのゴミが詰まりやすいという問題もあった。
【0004】
一方、伝熱管上部に樋を設置し、その樋に設けた小孔からガイドを伝わせて液を滴下する方式や、樋にドリッパを取付け、サイフォン効果によって液を導出し、滴下させる方式では、ガイド、エプロン又はドリッパの各表面の状態、例えば油分など不純物の付着によって、液の濡れ性、ひいては散布状態にムラができやすいという問題があった。また、流出孔部分が濡れにくくなっていると、液が流出孔から流出しなかったり、液出量が不安定になることがあった。
特に、サイフォン効果によって樋から液を持ち上げる場合は、毛細管現象の次式(a)
【式】
から分かるように、樋とドリッパとの間のクリアランスrを小さくする必要があり、精密な加工精度が要求され、また、液中のゴミによって流路が詰まってしまう恐れがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、樋から滴下させて散布する方式の液散布装置において、簡単かつ低コストの処理で、均一な液散布を実現し、かつ、精密な加工精度が要求されず、ゴミ詰まりの可能性も小さくできる液散布装置とそれを用いる液膜式熱交換器と吸収冷凍機を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、液を滴下させて散布する液散布装置において、滴下する液を保有する液保有部と、液保有部からの液を流出する液流出部と、流出した液を分配し滴下する滴下部とを有すると共に、少なくとも前記液流出部の、液と接触する部分には、濡れ性を向上させるための表面処理が行われていることを特徴とする液散布装置としたものである。
前記液散布装置において、液保有部は、樋型のトレーであり、液流出部が該樋型のトレーに設けた流出孔と、該流出孔に接した開口部を有するガイド板とからなるか、又は、液流出部が、該樋のトレー側壁にクリップ状に装着されたドリッパとすることができ、また、前記液保有部が、上部に噴出孔を有する散布管であり、液流出部が、該散布管の上部を覆い側面に散布溝を有するカバーとすることができ、前記濡れ性を向上させるための表面処理は、溶射で行うことができる。
また、本発明では、前記の液散布装置を、熱交換器の伝熱面の上部に配備した液膜式熱交換器、及び、該液膜式熱交換器を、蒸発器、吸収器、凝縮器及び再生器を有する吸収冷凍機の蒸発器、吸収器又は再生器の少なくとも1つに用いたことを特徴とする吸収冷凍機としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では、伝熱管上部に樋を設置し、その樋に設けた小孔からガイドを伝わせて液を滴下する方式において、一般に金属製である前記ガイドの表面に、例えば溶射などの表面処理を施すことにより、ガイド表面に対する液の濡れ性を向上させ、液の散布状態の偏りやムラを解消し、液を均一に分配できるようにしている。
また、伝熱管上部に設置した樋にドリッパを取付け、サイフォン効果によって液を導出、滴下させる方式においては、一般に金属製である前記ドリッパの表面に、例えば溶射などの表面処理を施すことにより、上述したガイドと同様の効果が得られると共に、サイフォン効果の前記式(a)から分かる通り、濡れ性が向上して接触角θが小さくなることで、サイフォン効果による液面の上昇効果が大きくなるため、同じ上昇高さZを実現するためのクリアランスrが大きくできる。すなわち、ドリッパの加工に要求される精度が低くなり、コスト低下及び液中のゴミによって流路が詰まってしまう恐れが少なくできる。
上述した例えば溶射などの表面処理は、液が触れる面だけでよく、多くの場合、ガイドやドリッパの片面の一部に処理を施すだけでその目的を達することができる。
【0008】
次に、本発明を図面により、詳細に説明する。
図1に、本発明の液散布装置の一例の構成図を示し、(a)は正面図、(b)は部分側面図である。
図1の本発明の一例を示す液散布装置は、散布する液体10を保有する長尺な樋型のトレー11を備えると共に、このトレーの側面に複数のガイド12を設置し、トレー11及びガイド12に開口する流出孔13から流出する液体をスリット14に導いた後、突起部15から滴下させ、折り返し部16で液体を一旦受けとめて分配し、端部17より下方の伝熱管18に滴下することによって、伝熱管の長手方向に液体を分散して散布するような構造である。このように樋とガイドを組合せた散布装置の構造は広く知られているが、現実には流出孔13及びその周辺の濡れ性が均一ではないために、流出孔13から液体が出なかったり、流出した液体の流れが偏ってしまい、均一な散布ができない場合がある。
【0009】
本発明では、この散布装置の流出孔13及びスリット14、突起部15に溶射処理を施すことによって、処理部位の濡れ性を向上させ、流出孔13から液体を安定して吸い出せるようになっている。
また、溶射処理は、折り返し部16や端部17のほか、液体の流下経路の1部又は全部に施してもよい。これによって、表面の濡れ性を均一にし、液体の分配を安定かつ均等にすることができる。
【0010】
図2に、本発明の散布装置の他の例の構成図を示し、(a)は正面図、(b)は部分側面図、(c)部分平面図である。
図2の本発明の液散布装置は、散布する液体20を保有する長尺な樋型のトレー21を備えると共に、このトレーの側面に複数のガイド22を設置し、トレー21に開口する流出孔24から流出する液体を折り返し部23に導き、スリット25を設けた液溜り部26より、下方の伝熱管27に滴下することによって、伝熱管の長手方向に液体を分散して散布するような構造である。
流出孔24は液体の流出を妨げることがないよう大径とし、折り返し部に溶射処理を施すことによって濡れ性を向上させ、以って液体の吸い出しが安定かつ均等に行われるように配慮した。
【0011】
樋とガイドの生産性を考慮して、図3に示すガイド部分の構成図のような構造にしてもよい。すなわちガイド32を1枚の薄板から成形し、樋31に数箇所溶接するなどして取り付ければ、工数の削減及びコスト低下が可能である。
さらに、図4に示すガイド部分の構成図のような構造にしてもよい。図4(a)は側面図、図4(b)は平面図である。この場合、図3と同様にガイド42を1枚の薄板から成形して樋41に取り付けているが、スリット43の折り返し加工を片側だけとし、加工の単純化を図っている。
図5の液散布装置は、散布する液体を保有する長尺な樋型のトレー41を備えると共に、このトレーの側面に1枚の薄板から成形したガイド42を設置し、トレーに設けた流出孔45に、前記ガイドの折り返し部44を差し込むことによって、折り返し部エッジがトレー内の液の表面張力を破って液が流出しやすくなっている。流出した液は、スリット25を設けた液溜り部26より滴下する。
【0012】
散布装置の生産性を考慮して、図6に示すような構造にしてもよい。すなわち、ガイド47を一体にしてトレー41の下部に取り付け、一方、折り返し部46の形成は、トレー側面の流出孔45の加工と兼ねることで、部品点数及び工数の削減が可能である。
また、折り返し部の曲げ加工が困難な場合は、図7に示すようなガイド部分としても良い。すなわち、折り返し部44をガイド48の上端に設けることで、この部分の曲げ加工を容易にしている。
さらに、材料を削減できる方法として、図8に示すような構造にしてもよい。すなわち、トレー41の側壁の一部を外側に折り返してガイド49とし、同時にガイドの一部をトレー内部に向かって折り返して、液の導出部46を形成する。ガイドの形成によってできた穴は、流出孔45となる。これにより、散布装置を製作するための材料を大幅に削減することができる。
【0013】
図9に、本発明の液散布装置の別の例の構成図を示す。図9(a)は正面図、図9(b)は側面図である。
図9の本発明の液散布装置は、散布管51の上部の噴出孔52から液体が噴出し、カバー53の天井に当たって分散する。カバー53の側面に設けた散布溝54に沿って散布管51の外表面を流下してエプロン55に導かれ、その先端から各伝熱管56の表面に滴下することによって、伝熱管の長手方向に液体を分散して散布するような構造である。このように、散布管とエプロンを組合せた散布装置の構造は広く知られているが、現実には、散布溝54及びその周辺の濡れ性が均一ではないために、散布溝54からの液体の流出量にバラツキがあったり、流出した液体がエプロンに偏って流れてしまい、均一な散布ができない場合がある。
本発明では、この散布装置の散布溝54に溶射処理を施すことによって、処理部位の濡れ性を向上させ、液体を安定して吸い出せるようになっている。
また、溶射処理はエプロン55ほか、液体の流下経路の1部又は全部に施してもよい。これによって、表面の濡れ性を均一にし、液体の分配を安定かつ均等にすることができる。
【0014】
図10に、本発明の液散布装置の別の例の構成図を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図10の本発明の散布装置は、散布する液体60を保有する長尺な樋型のトレー61を備えると共に、このトレーの側壁にクリップ状のドリッパ62を複数個設置してある。ドリッパ62は、薄板を曲げ加工して、トレーに設置した時にトレーの側壁との間にくさび状の空間63ができるように成形されている。トレー内の液体は、サイフォン効果によってくさび状の空間に吸い上げられた後、スリット64を設けた液溜り部65に導かれ、伝熱管66に滴下するような構造である。このように、樋とクリップ状のドリッパを組合せた散布装置の構造は、特開2000−55508号公報に述べられている。
【0015】
本発明では、この散布装置ドリッパ62ののくさび状の部分に溶射処理を施すことによって、処理部位の濡れ性を向上させ、サイフォン効果を向上させ、液体を安定して吸い出せるようになっている。また、サイフォン効果が大きいと、くさび部分のクリアランスが大きくできるため、加工精度が低くてもよく、また、液中のゴミによる詰まりが発生する恐れも小さい。
図10のドリッパ62は、複雑な曲げ加工が必要であるが、図11のようにドリッパを2枚の薄板で構成すると、加工が簡略化でき、かつ、流路の寸法が内側の薄板68の板厚そのものになるため、クリアランスの寸法管理が容易になる。外側の薄板67と内側の薄板68は、溶接等で接合してもよいし、薄板どうしのバネカにて固定してもよい。
以上で述べた溶射は、プラズマ溶射やアーク溶射など広く用いられているものであり、本発明者らの実験結果によると、1層だけ溶射して仕上げ面を荒くした方が、表面の濡れ性が良好であることが分かっている。
これは、荒い溶射の場合、図12の正面図(a)及び側面図(b)に示すように、表面1に堆積した溶射粒子2の間に微少な隙間3が形成され、この隙間に液が入り込むことによって、表面の濡れ性が向上するものと考えられる。
【0016】
本発明の液散布装置を用いた吸収冷凍機の一例の概略構成図を図13に示す。
図13に示した吸収冷凍機は、単効用の吸収冷凍機であり、蒸発器E、吸収器A、凝縮器C、再生器G、溶液熱交換器70、などから構成されている。
蒸発器Eで冷媒散布装置71から冷水伝熱管72に散布された冷媒は、伝熱管72を流れる冷水から熱を奪い蒸発し、冷媒蒸気は、吸収器Aにて、溶液散布装置73から冷却水伝熱管74に散布され冷却水で冷却されている溶液に吸収される。冷媒を吸収して吸収剤の濃度が低下した希溶液は、溶液ポンプ75によって溶液熱交換器70に送られ、そこで再生器Gから戻る高温の濃溶液と熱交換し、昇温して再生器Gに入る。再生器Gで溶液散布装置76から温水伝熱管77に散布された溶液は、熱源から供給される温水によって加熱され、溶液は冷媒蒸気を放出して濃縮され、濃溶液になる。この濃溶液は溶液熱交換器70にて熱回収され温度が低下して吸収器Aに戻る。一方、再生器Gで発生した冷媒蒸気は、凝縮器Cで冷却水伝熱管78を流れる冷却水に冷却され凝縮する。この凝縮した冷媒液は蒸発器Eに戻り、サイクルを一巡する。
【0017】
本発明の液散布装置は、蒸発器Eの冷媒散布装置71や、吸収器A及び再生器Gの溶液散布装置73、76に使用される。
本発明の液散布装置を用いて液を散布する熱交換器の形式は、チューブ型でもプレート型でもよい。
また、本発明が適用できる吸収冷凍機は、その作動媒体による限定はない。
図13は、単効用の吸収冷凍機で説明したが、単効用の他、2重効用、1−2重効用、2段吸収など適用できる吸収冷凍機に、特に指定はない。
また、各機器は1台に限らず複数であってもよい。
本発明の濡れ性を向上させるための表面処理は、溶射に限らず、めっき、蒸着、ショットピニング、クロスハッチ加工、酸化皮膜処理などでもよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、伝熱管上部に樋を設置し、その樋に設けた小孔からガイドを伝わせて液を滴下する方式において、一般に金属製である前記ガイドの表面に、例えば溶射などの表面処理を施すことにより、ガイド表面に対する液の濡れ性を向上させ、液の散布状態の偏りやムラを解消し、液を均一に分配することが可能になる。
また、伝熱管上部に設置した樋にドリッパを取付け、サイフォン効果によって液を導出、滴下させる方式においては、一般に金属製である前記ドリッパの表面に、例えば溶射などの表面処理を施すことにより、上述したガイドと同様の効果が得られると共に、濡れ性が向上することで、サイフォン効果による液面の上昇効果が大きくなるため、クリアランスが大きくできる。すなわち、ドリッパの加工に要求される精度が低くなり、コスト低下及び液中のゴミによって流路が詰まってしまう恐れが少なくできる。
上述した例えば溶射などの表面処理は、液が触れる面だけでよく、多くの場合、ガイドやドリッパの片面の部に処理を施すだけでその目的を達することができるため、従来技術に比較してコストアップも少なく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液散布装置の一例を示す構成図で、(a)正面図、(b)部分側面図。
【図2】本発明の液散布装置の他の例を示す構成図で、(a)正面図、(b)部分側面図。
【図3】本発明の液散布装置の別の例を示す部分側面構成図。
【図4】本発明の液散布装置の別の例を示す構成図で、(a)部分側面図、(b)部分平面図。
【図5】本発明の液散布装置の別の例を示す構成図で、(a)部分側面図、(b)(a)のA−A断面図。
【図6】本発明の液散布装置の別の例を示す構成図で、(a)部分側面図、(b)(a)のB−B断面図。
【図7】本発明の液散布装置の別の例を示す構成図で、(a)部分側面図、(b)(a)のC−C断面図。
【図8】本発明の液散布装置の別の例を示す構成図で、(a)部分側面図、(b)(a)のD−D断面図。
【図9】本発明の液散布装置の他の例を示す構成図で、(a)正面図、(b)部分側面図。
【図10】本発明の液散布装置の他の例を示す構成図で、(a)正面図、(b)部分側面図。
【図11】図6のドリッパの別の例を示す説明図で、(a)正面図、(b)部分側面図。
【図12】荒い溶射の場合の溶射粒子の模式図を示し、、(a)正面図、(b)側面図。
【図13】本発明の液散布装置を用いた吸収冷凍機の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
10、20、60:液体、11、21、31、41、61:樋型のトレー、12、22、32、42、47、48、49:ガイド、13、24、45:流出孔、14、25、64:スリット、15:突起部、16、23、43、44、46:折り返し部、17:端部、18、27、56、66:伝熱管、26、65:液溜り部、51:散布管、52:噴出孔、53:カバー、54:散布溝、55:エプロン、62:ドリッパ、63:空間、67、68:薄板、70:溶液熱交換器、71:冷媒散布装置、72:冷水伝熱管、73、76:溶液散布装置、74、78:冷却水伝熱管、75:溶液ポンプ、77:温水伝熱管、E:蒸発器、A:吸収器、C:凝縮器、G:再生器
Claims (7)
- 液を滴下させて散布する液散布装置において、滴下する液を保有する液保有部と、液保有部からの液を流出する液流出部と、流出した液を分配し滴下する滴下部とを有すると共に、少なくとも前記液流出部の、液と接触する部分には、濡れ性を向上させるための表面処理が行われていることを特徴とする液散布装置。
- 前記液保有部が、樋型のトレーであり、液流出部が、該樋型のトレーに設けた流出孔と、該流出孔に接した開口部を有するガイド板とからなるか、又は、該樋のトレー側壁にクリップ状に装着されたドリッパであることを特徴とする請求項1記載の液散布装置。
- 前記液保有部が、上部に噴出孔を有する散布管であり、液流出部が、該散布管の上部を覆い側面に散布溝を有するカバーであることを特徴とする請求項1記載の液散布装置。
- 前記滴下部が、液流出部の下部に設けられたスリットを備えた液溜り部からなるか、エプロンからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液散布装置。
- 前記濡れ性を向上させるための表面処理が、溶射であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の液散布装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の液散布装置を、熱交換器の伝熱面の上部に配備したことを特徴とする液膜式熱交換器。
- 請求項6記載の液膜式熱交換器を、蒸発器、吸収器、凝縮器及び再生器を有する吸収冷凍機の蒸発器、吸収器又は再生器の少なくとも1つに用いたことを特徴とする吸収冷凍機。
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