JP2017187244A - 熱交換装置 - Google Patents

熱交換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017187244A
JP2017187244A JP2016077400A JP2016077400A JP2017187244A JP 2017187244 A JP2017187244 A JP 2017187244A JP 2016077400 A JP2016077400 A JP 2016077400A JP 2016077400 A JP2016077400 A JP 2016077400A JP 2017187244 A JP2017187244 A JP 2017187244A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
longitudinal direction
portions
mountain
heat exchanger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016077400A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6637821B2 (ja
Inventor
正喜 中尾
Masaki Nakao
正喜 中尾
晋平 高瀬
Shimpei Takase
晋平 高瀬
真稔 西岡
Masatoshi Nishioka
真稔 西岡
昌記 野間
Masaki Noma
昌記 野間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
METAL TECHNO KK
Osaka University NUC
Osaka City University
Original Assignee
METAL TECHNO KK
Osaka University NUC
Osaka City University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by METAL TECHNO KK, Osaka University NUC, Osaka City University filed Critical METAL TECHNO KK
Priority to JP2016077400A priority Critical patent/JP6637821B2/ja
Publication of JP2017187244A publication Critical patent/JP2017187244A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6637821B2 publication Critical patent/JP6637821B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

【課題】夾雑物を含む流体であっても伝熱管の長手方向に亘って流体を略均一に滴下させることができる熱交換装置を提供する。【解決手段】流下機構2は、流入口4aから流入する流体を長手方向に拡散させる拡散手段8と、長手方向に沿って延び拡散手段8により拡散された流体を下方に流下させる少なくとも1つの傾斜面60aと、を備え、傾斜面60aの下端部には、流体を誘導する誘導部61a,61a,…が長手方向に亘って所定間隔ごとに複数設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、熱交換器に対して流体を接触させることにより冷媒との熱交換を行う熱交換装置に関する。
下水処理の際に生じる熱や温泉の熱等の排熱を有効に利用するために、冷媒が流れる熱交換器の表面に下水や温泉水等の熱を有する流体を連続的に流すことにより、熱交換器において冷媒と流体との間で熱交換が行われるようにした熱交換装置が用いられている。このような熱交換装置には、例えば、特許文献1に開示されているような技術が採用されている。
特許文献1によれば、流下液膜式熱交換装置(熱交換装置)は、上方が開放された金属製の函体の上部に貯留槽が設けられ、該貯留槽の底部中央には長手方向に滴下孔が複数穿設され、貯留槽の下方には、滴下孔と平行して冷媒が循環する伝熱管を有する平面パネル状の熱交換部(熱交換器)が立設されている。貯留槽に投入された流体は、滴下孔から下方の熱交換部に略均一に滴下され、伝熱管の表面に沿って全体的に液膜を作りながら分布流下することにより、冷媒と流体との間で熱交換が効率よく行われるようになっている。
特開2011−158239号公報(第4頁、第4図)
しかしながら、特許文献1にあっては、貯留槽に投入された流体が貯留槽の底部中央に穿設された滴下孔から下方の熱交換部の伝熱管に滴下される構造となっており、流体に夾雑物が含まれている場合(流体として夾雑物を含む下水や温泉等を使用する場合)には、夾雑物によって滴下孔が詰まり、流体の滴下が十分に行えなくなるという問題がある。また、滴下孔を流体の夾雑物が詰まらない程度に大きく形成すると滴下孔を介して流体が一気に滴下してしまい、熱交換部に上方から均一に流体を滴下することができず、冷媒と流体との間で熱交換の効率が悪くなる虞がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、夾雑物を含む流体であっても伝熱管の長手方向に亘って流体を略均一に滴下させることができる熱交換装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の熱交換装置は、
冷媒が流れる伝熱管を有する熱交換器と、流入口から流入する流体を前記伝熱管の長手方向に亘って流下させる流下機構と、を備える熱交換装置であって、
前記流下機構は、前記流入口から流入する流体を前記長手方向に拡散させる拡散手段と、前記長手方向に沿って延び前記拡散手段により拡散された流体を下方に流下させる少なくとも1つの傾斜面と、を備え、
前記傾斜面の下端部には、流体を誘導する誘導部が前記長手方向に亘って所定間隔ごとに複数設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、流入口から流入する流体が拡散手段により傾斜面上で長手方向に亘って拡散され、傾斜面に沿って流下した流体が傾斜面の下端部に亘って形成される各誘導部により誘導され、各誘導部の先端から流体が表面張力により凝集することなく滴下される構造であるため、夾雑物を含む流体であっても伝熱管の長手方向に亘って略均一に滴下できる。
前記流下機構は、1つの前記熱交換器に対して対向する2つの前記傾斜面により流体を滴下することを特徴としている。
この特徴によれば、伝熱管の長手方向の両側方に流体を滴下することができるため、熱交換器における温度効率を高めることができる。
前記誘導部は、前記傾斜面の下端部から鉛直方向に突出する凸部であることを特徴としている。
この特徴によれば、誘導部により流体を略垂直に滴下できるため、流下機構を短手方向にコンパクトに構成できる。
前記拡散手段は、前記長手方向に延びる断面視山型形状を成し、その頂部で前記流入口からの流体を分散させる山型部材を備え、
前記山型部材における側部には、それぞれ対向するように前記傾斜面が配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、山型部材により流体を2方向に分散できるため、各傾斜面に流体を拡散することができる。
前記拡散手段は、前記山型部材の長手方向に沿って前記流入口からの流体を複数箇所に分岐させるガイド部材を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、ガイド部材により山型部材の長手方向に沿って複数箇所に流体が分岐されるため、各傾斜面に対して流体を効率よく拡散させることができる。
前記山型部材の下端部には、該下端部から鉛直方向に突出する凸部が長手方向に亘って所定間隔ごとに複数設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、山型部材に沿って流下した流体をその下端部に亘って形成された凸部により傾斜面の長手方向に亘って略均一に滴下できる。
前記傾斜面は、平面であることを特徴としている。
この特徴によれば、流体が傾斜面上で凝集することなく拡散された状態のままで傾斜面に沿って下端部まで流下させることができる。
熱交換装置の構造を示す分解斜視図である。 流下機構及び熱交換器を示す斜視図である。 (a)は、流下機構及び熱交換器を示す正面断面図であり、(b)は、流下機構を示す上面図である。 (a)は、流下機構における流体の流れを示す正面断面図であり、(b)は、流下機構における流体の流れを示す側断面図である。 (a)は、拡散手段の変形例を示す側断面図であり、(b)は、誘導部の変形例を示す斜視図である。 実験1において、下端に亘って凸部を設けない傾斜面を用いた実験結果を示す説明図である。 実験1において、下端に亘って凸部を設けた傾斜面を用いた実験結果を示す説明図である。 実験2における実験結果を示す説明図である。 実験3において、底部孔滴下式の流下機構を用いた実験結果を示す説明図である。 実験3において、切欠き部滴下式の流下機構を用いた実験結果を示す説明図である。
本発明に係る熱交換装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係る熱交換装置につき、図1から図10を参照して説明する。以下、図1の紙面左下側を熱交換装置の正面側(前方側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
本実施例の熱交換装置1は、下水や温泉水等の流体から熱回収するための装置であり、本実施例では、夾雑物を有し粘性の比較的高い下水処理後の流体(下水)から熱回収する形態を例に挙げて説明する。
図1に示すように、熱交換装置1は、熱交換器3aと、熱交換器3aの上方に設置され該熱交換器3aに対して流体を滴下させる流下機構2と、熱交換器3a及び流下機構2を囲繞する筐体400と、から主に構成されている。
図1に示すように、熱交換器3a及び流下機構2は、筐体400の内部に配置されている。筐体400は、略直方体のフレームを構成する枠体40と、該枠体40の前後左右のそれぞれに被装される側面板材41,41’,42,43と、枠体40の上面に被装される上面板材44と、前記枠体40の底面に被装される底面板材45と、により構成されている。ここでは、側面板材41,41’は、枠体40の前後面に取り付けられ、側面板材42は、枠体40の右側面、側面板材43は、枠体40の左側面に取り付けられる態様として説明する。
側面板材41,41’,42,43及び上面板材44、底面板材45は、枠体40に対して図示しないボルト・ナット等により着脱可能に固定されており、例えば、側面板材41,41’,42,43を取り外すことにより、熱交換器3a及び流下機構2の清掃等のメンテナンスを行うことができる。尚、側面板材41,41’,42,43は、枠体40に対してボルト・ナット等の固定具を用いて取り付けられることに限られず、例えば、枠体40に鉤状の係止部を設け、且つ側面板材にフック等を設け、該フックを枠体40の係止部に係止させることで側面板材が枠体40に取り付けられるようになっていてもよい。また、側面板材41,41’,42,43は枠体40に対して着脱可能に取り付けられることに限られず、側面板材に開閉扉等を設けて該開閉扉から熱交換器3a及び流下機構2にアクセスできるようになっていてもよい。
また、側面板材43には、複数の孔部43a,43a,…が設けられており、この孔部43a,43a,…には、熱交換器3aの一端側から筐体400の外部に延びる接続管3bや、熱交換器3aの他端側から筐体400の外部に延びる接続管3cや、後述する流体投入管4、及び流体排出管5が挿通されるようになっている。
尚、流体投入管4は、側面板材43を貫通して一端が流体を処理する処理タンクに連結され、他端が流下機構2の上方に配置されており、前記処理タンクにて処理が完了した流体を流下機構2へ投入するためのものである。尚、流体投入管4の他端は、左右方向の2箇所(後述するガイド部材14,14の上方)に流体の投入口4a,4a(流入口)が配置されるように分岐している。また、流体排出管5は、筐体400内に溜まった流体を筐体400の外部へ排出させるためのものである。
また、上面板材44は、後述する排気管44aと、筐体400の内部を上方から目視確認可能な覗き窓44bを有する。また、枠体40は、図面中に記載のない土台等にボルト等により固定可能な一対の固定部材46,46を有し、転倒等しないように立設されている。
上面板材44には、中空の排気管44aが挿嵌されており、排気管44aから筐体400内の空気が自然換気されることで、筐体400の内部で発生したガス等が滞留することを防ぐことができる。尚、この排気管44aは、上方から塵埃等が混入しないように、屈曲して形成されている。
また、上面板材44は、覗き窓44bを備えており、覗き窓44bは、上面板材44が矩形状に切り欠かれた切欠孔部44cと、切欠孔部44cに取り付けられる透過性を有するポリカーボネート等からなる透明板44dと、からなり、この覗き窓44bより側面板材41,41’,42,43を開放せずとも、筐体400の内部を目視確認することができる。
尚、覗き窓44bを構成する部材は、ポリカーボネートに限らずとも、透過性を備えていればよく、例えばアクリル等でもよいが、例えば、筐体400の組み立て設置時等において不慮の割れ等を防止するために耐衝撃性の高い透過性部材であることが好ましい。
次に、熱交換器3aについて説明する。図2に示すように、熱交換器3aは、左右方向に延び垂直方向に重なるように配置される複数の直管部31a,31a,…(伝熱管)と、各直管部31a,31a,…が連続するように各直管部31a,31a,…の左右端部を連結する連結管部32a,32a,…と、上下に隣接する各直管部31a,31a,…同士の間を閉塞するように接続される閉塞板3d,3d,…と、を備えている。すなわち、熱交換器3aは、立設する平面パネル状を成しており、流下機構2から流下する流体を熱交換器3aの外表面に這わせるように流下させる流下液膜式熱交換器である。また、熱交換器3aの上端には、直管部31a,31a,…よりも太い外径を有する誘導管3eが熱交換器3aの長手方向に沿って延びて配置されており、該誘導管3eの上部中央部には、その長手方向に亘って上方に突出する突出板3fが立設されている。
熱交換器には、複数のプレートを並列させた周知のプレート型熱交換器や、胴体の中に伝熱管を内蔵するシェルアンドチューブ型熱交換器等があるが、密閉された流路内に流体を流して熱交換を行う構造であるため、本実施例のように汚泥等の夾雑物を含む比較的粘性の高い流体との間で熱交換を行うと、夾雑物により流路の閉塞が発生しやすく、夾雑物を含有する流体を利用する熱交換器への利用には不向きである。
一方、本実施例の熱交換器3aのように、平面パネル状の流下液膜式熱交換器は、上方より流下された流体を熱交換器3aの外表面に這わせるように流下させることで少ない流量で効率的に熱交換を行う方式であり(図4(b)参照)、夾雑物を含有する流体であっても熱交換器3aの閉塞が発生しにくいことから、夾雑物を含有する流体を利用する熱交換器として好適である。
しかしながら、熱交換器3aのような平面パネル状の流下液膜式熱交換器は、熱交換器3aの外表面に流体を流下させる際に、流体の流下にむらができると温度効率が低下してしまう。言い換えれば、熱交換器3aの温度効率を向上させるためには、熱交換器3aの左右方向(長手方向)に亘って流体を略均一に滴下させることが求められる。
このように、流体の流下にむらができると熱交換器3aの温度効率が低下してしまうため、本実施例では、以下に説明するように、流下機構2を利用して、熱交換器3aの左右方向に亘って流体を略均一に滴下させるようにしている。
次いで、流下機構2について説明する。図2ないし図4に示されるように、流下機構2は、流下機構2のベースとなる筐体6と、流体投入管4からの流体を長手方向に拡散させる拡散手段としての拡散部8と、から主に構成されている。
筐体6は、ステンレス等の金属から成る板材から形成されており、熱交換器3aの前面側と後面側とに離間して上向きに拡開するように配置される傾斜部6a,6aと、傾斜部6a,6aからそれぞれ立ち上がる立上部6b,6bと、傾斜部6a,6a及び立上部6b,6bの左右側方に設けられる側板部6c,6cと、を備えている。つまり、筐体6の上方は、開口しているとともに、筐体6の下方は、該筐体6の上方よりも小さい前後幅で開口している。また、この傾斜部6a,6aの上面は、後述するように拡散部8により拡散された流体を下方へ流下させる傾斜面60a,60aを構成しており、傾斜面60a,60aは、凹凸のない平坦な面となっている。また、傾斜部6a,6a(傾斜面60a,60a)は、水平方向に対し下方へ略45度傾くように形成されている(図4(b)参照)。
また、特に図2の拡大部に示されるように、傾斜部6a,6aの下端部には、鉛直方向に突出する誘導部としての凸部61a,61a,…と、凸部61a,61a,…間に切欠き形成される切欠部62a,62a,…と、が長手方向に沿って所定間隔ごとに交互に設けられている。この凸部61a,61a,…は、正面視において下向き略三角形状を成している。詳しくは、本実施例の凸部61a,61a,…及び切欠部62a,62a,…は、傾斜部6a,6a及び立上部6b,6bを構成する板材の下端縁を抜き加工により鋸刃状に形成し、その鋸刃状の凹部分の一部が折曲部を跨いで傾斜部6a,6a側に存在するように折り曲げ加工することで形成されるため、凸部61a,61a,…及び切欠部62a,62a,…の製造が簡便である。
また、図3及び図4に示されるように、筐体6の立上部6b,6bの間には、前後方向に延びる断面L字形状の支持材12,12,…が該立上部6b,6b同士を架設するように固定されている。また、筐体6の立上部6b,6b及び側板部6c,6cの上端は、それぞれ内側に折り曲げ形成されており、これにより、筐体6の構造強度が向上している。また、この筐体6は、筐体400の枠体40や側面板材41,41’,42,43等にボルト・ナット等により一部固定されている。
図2ないし図4に示されるように、拡散部8は、筐体6の内部において傾斜部6a,6aよりも上方位置に配置された断面視山型形状に折り曲げ形成された山型部材10と、山型部材10の上方の長手方向に配置されるガイド部材14,14と、から主に構成されている。
山型部材10は、ステンレス等の金属板を断面視山型形状に折り曲げ形成されており、山型部材10の頂部10dから下方に向けて拡開するように傾斜する傾斜部10a,10aを前後に備える。尚、この傾斜部10a,10aの傾斜面10e,10eは、凹凸のない平坦な面となっている。
この山型部材10は、左右方向に延びており、山型部材10の左右両端部は、筐体6の側板部6c,6cに固定されている。すなわち、山型部材10の傾斜部10a,10aと筐体6の傾斜部6a,6aとは、上下に互い違いに重畳するように配置されている。
また、図4(b)に示されるように、傾斜部10a,10aは、水平方向に対し下方へ略45度傾くように形成されている。すなわち、山型部材10の傾斜部10a,10aで成す内角は、略90度となっている。
また、図2及び図3(a)に示すように、傾斜部10a,10aの下端部には、凸部10b,10b,…及び切欠部10c,10c,…がその長手方向に沿って所定間隔ごとに交互に設けられている。尚、凸部10b,10b,…及び切欠部10c,10c,…は、筐体6の凸部61a,61a,…及び切欠部62a,62a,…と同一構成であるため、その説明を省略する。
図3(a)に示すように、ガイド部材14は、下方向に拡開するように傾斜する傾斜部14b,14bを左右に備える山型形状の分岐板部14aと、分岐板部14aの左右両端から略垂直に下方に向かって延出するガイド部14c,14cと、分岐板部14aの前後両端から上方に延出する壁板部14f,14fと、傾斜部14b,14bを左右に備える山型形状の分岐板部14aの上端から前後に延出する取付フランジ部14d,14d(図3(b)参照)と、を備えている。すなわち、ガイド部材14と山型部材10とは、分岐板部14aの頂部と山型部材10の頂部10dとが直交するように延びるように配置されている(図2参照)。尚、分岐板部14aの上面は、凹凸のない平坦面となっている。
図4(b)に示されるように、ガイド部14c,14cは、側面視略下向き台形を成し、その下端部が山型部材10の頂部10dに配置されるようになっており、流体投入管4から投入された流体を山型部材10の頂部10dにガイドするようになっている。
次いで、このガイド部材14の取付け態様について説明する。図3(b)に示されるように、ガイド部材14は、筐体6における隣接する支持材12,12間に渡って設置される取付枠体13に対して取り付けられる。具体的には、取付枠体13の左右には、支持材12,12に取り付けるための鍔部13a,13aが設けられており、この鍔部13a,13aには、前後方向に延びる長孔13b,13bがそれぞれ形成されている。また、支持材12,12は、ボルト15,15を挿通可能な図示しない貫通孔をそれぞれ有しており、支持材12,12に対する取付枠体13の前後の位置を位置決めし、その後貫通孔にボルト15,15を挿入し緊締することにより取付枠体13が支持材12,12間に固定される。また、ガイド部材14の取付フランジ部14d,14dには、左右方向に延びる長孔14e,14eがそれぞれ形成されている。また、取付枠体13の前後のフレーム13c,13cには、ボルト15,15を挿通可能な図示しない貫通孔が設けられており、フレーム13c,13cに対するガイド部材14の左右の位置を位置決めし、その後貫通孔にボルト15,15を挿入し緊締することによりガイド部材14がフレーム13c,13c間に固定される。また、各ボルト15,15,…を緩めることで、取付枠体13の前後位置及びガイド部材14の左右位置を容易に調整できる。
また、図3(a)に示されるように、流体投入管4は、筐体6の上端部に固定される固定具19,19により固定されている。この固定具19,19は左右方向に離間して立設されている。
固定具19は、略下向きコ字状に形成された支持部材19aと、流体投入管4を吊下げ状に固定するための略U字の金具19bと、により構成されている。金具19bに流体投入管4を嵌合させた状態で、金具19bの両端を支持部材19aの上フレーム19cにそれぞれ固定することにより流体投入管4を吊下げ状に固定できる。
次いで、図1及び図4(a),(b)を用いて、流下機構2内を流体が流下する態様について説明する。尚、流体投入管4の投入口4a,4aから投入される流体の流れは、同一であるため、流体投入管4の一方(右側)の投入口4aから投入される流体の流れについてのみ説明し、流体投入管4の他方(右側)の投入口4aから投入される流体の流れの説明は省略する。さらに尚、図4(a),(b)では、理解を助けるために、流体投入管4の一方(右側)の投入口4aから投入される流体の流れのみを図示している。
先ず、図1を用いて、熱交換装置1が行う熱交換における流体の流下態様を概略的に説明すると、流体投入管4から流下機構2に投入された流体は、流下機構2内部を流下することで拡散された後、熱交換器3aの上方へと滴下され、熱交換器3aの表面に液膜を形成するように流下した後、流体排出管5を介して筐体400の外部へと排出される。
詳しくは、流体投入管4の投入口4aから流下機構2内に投入された流体は、図4(a)(b)に示されるように、先ず流下機構2のガイド部材14に向けて投入される。
ガイド部材14に投入された流体は、ガイド部材14を形成する分岐板部14aの頂部から傾斜部14b,14bに沿って分岐(左右方向に分岐)されながら下方へ流れる。このとき、分岐板部14aの前後に配置される壁板部14f,14fにより分岐板部14aの前後から流体が落下することが防止される。
また、傾斜部14b,14bに沿って流下した流体は、分岐板部14aの左右両端のガイド部14c,14cの下端から山型部材10の頂部10dに滴下される。前述のように、ガイド部14c,14cは、側面視略下向き台形を成し、言い換えれば、ガイド部14c,14cは、下方に向けて先細りする形状であり、流体は表面張力によりガイド部14c,14cの先細りする先端(下端)へ収束するように誘導されるため、山型部材10の頂部10dに向けて効率よく滴下できる。
また、山型部材10の頂部10dに滴下された流体は、その滴下された衝撃(自由落下による衝撃)により山型部材10の頂部10d上に沿って長手方向へ押し付けられるように広げられる。つまり、山型部材10の頂部10dに滴下された流体は、山型部材10の長手方向に拡散されるようになる。
また、山型部材10の頂部10dに沿ってその長手方向に拡散された流体は、山型部材10を構成する前後の傾斜部10a,10aの傾斜面10e,10eに沿って面状に下方へと流下する。すなわち、山型部材10の頂部10dに流下された流体は、頂部10dにより前後2方向に分散される。このとき流体は、長手方向に拡散された状態で傾斜面10e,10eを流下する。そして、傾斜部10a,10aの下端側まで流下した流体は、傾斜部10a,10aの下端部に形成された凸部10b,10b,…及び切欠部10c,10c,…の大部分に亘って到達するとともに、切欠部10c,10c,…に沿うように流下され、凸部10b,10b,…の先端に収束されることで、凸部10b,10b,…の先端から傾斜面60a,60aに滴下される。
傾斜部10a,10aから滴下された流体は、傾斜面60a,60aに押し付けられるように広げられるため、長手方向にさらに面状に拡散される。尚、傾斜面60a,60aに滴下された際には、その衝撃により飛散した流体の一部が、筐体6の立上部6b,6bに接触し、該立上部6b,6bを伝って傾斜面60a,60aに再度合流するため、傾斜面60a,60aに滴下時に生じる流体の飛散により傾斜面60a,60aを流下する流体の流量の減少を効果的に抑制できる。
傾斜面60a,60aに滴下された流体は、長手方向に拡散された状態で傾斜面60a,60aの傾斜に沿って下方へと流下していく。そして、傾斜面60a,60aの下端側まで流下した流体は、傾斜部6a,6aの下端部に形成された凸部61a,61a,…及び切欠部62a,62a,…の長手方向全体に亘って到達するとともに、凸部61a,61a,…の先端から下方の熱交換器3aの長手方向に亘って略均一に滴下される。
このように、本実施例の熱交換装置1にあっては、投入口4aから流入する流体がガイド部材14,14及び山型部材10により、傾斜部6a,6aの傾斜面60a,60a上の長手方向に亘って拡散されるとともに、傾斜面60a,60a上を流下した流体が傾斜部6a,6aの下端部に亘って形成される各凸部61a,61a,…により誘導され、各凸部61a,61a,…の先端から熱交換器3aの長手方向に亘って略均一に滴下される構造であるため、夾雑物を含む流体であっても熱交換器3aの長手方向に亘って略均一に滴下できる。
詳しくは、従来のように、投入口から流入する流体を一旦貯留槽に貯留し、貯留槽に設けられた複数の滴下孔から熱交換器の長手方向に亘って滴下させる構造にあっては、夾雑物を含む流体を滴下させる際に滴下孔等が詰まり、流体を滴下できない虞があったが、本実施例の熱交換装置1では、上記のような構造であるため、夾雑物を含む流体であっても熱交換器3aの長手方向に亘って略均一に滴下できる。尚、熱交換装置1は、夾雑物を含まない流体であっても熱交換器3aの長手方向に亘って略均一に滴下できることは言うまでもない。
また、下方に向けて近接するように傾斜する対向する2つの傾斜面60a,60aにより1つの熱交換器3aに対して流体を滴下する構造であり、熱交換器3aの長手方向の両側方(前後面側)に流体を滴下することができるため、流体を熱交換器3aの外表面全体に纏わせて、熱交換器3aにおける温度効率を高めることができる。
また、熱交換器3aの上端には、直管部31a,31a,…に比べて大径の誘導管3eが設置されており、この誘導管3eに流体を滴下させることで、流体を誘導管3eの表面を経由させて熱交換器3aの外表面に流下させることができるので、小径の直管部31aに対して直接流体を滴下させた場合に比べて流体を滴下させやすい。言い換えれば、2つの傾斜面60a,60aの下端にそれぞれ設けられる凸部61a,61a,…と熱交換器3aとの位置調整を行いやすい。
また、誘導管3eには、突出板3fが設けられており、この突出板3fにより誘導管3eの前後両側上方から滴下された流体が誘導管3eの上方中央部で合流することが防止されるため、熱交換器3aに対して前後両側に略均等に流体を流下させることができる。
また、2つの傾斜部10a,10aにより断面視山型形状を成す山型部材10の頂部10dにより、流体を前後2方向に分散できるとともに、傾斜部10a,10aの延長方向には、それぞれ対向するように筐体6の傾斜面60a,60aが設けられるため、各傾斜面60a,60aに流体を拡散することができる。具体的には、山型部材10の傾斜面10e,10eと筐体6の傾斜面60a,60aとは、それぞれ上下に互い違いに重畳するようになっているため、傾斜面10e,10eから滴下された流体をその滴下の衝撃により傾斜面60a,60a上で効率よく拡散できる。
また、傾斜面60a,60a及び傾斜面10e,10eは、水平方向に対し下方へある程度傾斜(45度傾斜)して形成されているため、流体に含まれる夾雑物が傾斜面60a,60a及び傾斜面10e,10e上に堆積することを抑制できる。
尚、傾斜面60a,60a及び傾斜面10e,10eの傾斜角度は、流体の状況(例えば、夾雑物の有無や流体の粘度等)に応じて、自由に変更してもよい。例えば、傾斜面60a,60a及び傾斜面10e,10eの傾斜角度は、水平方向に対し下方へ10度〜50度傾斜するように設定されればよい。
さらに、傾斜面60a,60a及び傾斜面10e,10eは、水平方向に対し下方へ略45度傾くように形成されており、且つ山型部材10の傾斜面10e,10eと筐体6の傾斜面60a,60aとは、それぞれ上下に互い違いに重畳する構造であるため、流下機構2の前後方向の幅をコンパクトにできる。
また、1つのガイド部材14は、ガイド部14c,14cを有し、このガイド部14c,14cにより投入口4aからの流体が山型部材10の頂部10dの長手方向の2箇所に分岐されるため、山型部材10の長手方向に流体を拡散させることができる。また、ガイド部材14は、山型部材10の長手方向に複数配置されているため、流体を山型部材10の長手方向に分岐させる機能が向上する。
また、筐体6の傾斜面60a,60aには、傾斜面60a,60aの下端部から鉛直方向に突出する凸部61a,61a,…が設けられていることで、流体を略垂直に滴下できるため、傾斜面と同一面上に延出する凸部を用いて流体を滴下させる場合に比べて、傾斜面60a,60a同士の離間幅を小さくでき、流下機構2を短手方向(前後方向)にコンパクトに構成できる。
また、凸部61a,61a,…は、鉛直方向に突出するため、流体の夾雑物(例えば、髪の毛や繊維質の塵埃)が凸部61a,61a,…を跨ぐように係止され堆積することを防止できる。さらに、流体は、凸部61a,61a,…から略垂直に滴下されるため、熱交換器3aに対して凸部61a,61a,…の位置調整をしやすい。
また、傾斜面60a,60a及び傾斜面10e,10eは、凹凸のない平坦な平面であるため、流体が傾斜面60a,60a及び傾斜面10e,10e上で凝集することなく拡散された状態のままで流下される。また、傾斜面60a,60a及び傾斜面10e,10e上に夾雑物が堆積しにくい。
また、山型部材10の傾斜部10a,10aに沿って流下した流体を、傾斜部10a,10aの下端部から鉛直方向に突出する凸部10b,10b,…により傾斜面60a,60aの長手方向に亘って略均一に滴下できるため、傾斜面60a,60aに対して流体を効率よく滴下させて拡散させることができる。
また、隣接する凸部61a,61aの間及び隣接する凸部10b,10bの間には、切欠部62a,62a,…及び切欠部10c,10c,…がそれぞれ形成されており、切欠部62a,62a,…及び切欠部10c,10c,…は、傾斜面60a,60a及び傾斜部10a,10a側に食い込んで形成されているため、これにより流下してきた流体が凸部61a,61a,…及び凸部10b,10b,…の先端に誘導される際には、先ず、切欠部62a,62a,…及び切欠部10c,10c,…により誘導されることで、より流体の凝集を抑制できる。
尚、本実施例では、凸部61a,61a,…及び凸部10b,10b,…が鉛直方向に突出する形態を例示して説明したが、これに限られず、例えば、水平方向に対し下方へ略10度〜50度傾斜する傾斜面60a,60a及び傾斜部10a,10aに対して略70〜30度、さらに下方へ屈折させていればよい。言い換えれば、凸部61a,61a,…及び凸部10b,10b,…は、水平方向に対し下方へ略80度程度傾斜していればよい。
また、本実施例の傾斜面60a,60aは、筐体6の下端部に設けられる平板状の傾斜部6a,6aにより平坦に構成されていたが、傾斜面は、平板状の板材により形成されることに限られず、種々の形状の部材により構成されていてもよい。また、傾斜面60a,60aは、平坦な面に形成されることに限られず、例えば、曲面形状や凹凸形状等に形成されていても構わない。また、傾斜面60a,60aは、拡散部8と一体となった筐体6の下端部に形成されることに限られず、拡散部8とは別体に設けられていてもよい。
また、前記実施例では、2つの傾斜面60a,60aにより熱交換器3aの前後から流体を滴下させる形態について説明したが、これに限られず、例えば1つの熱交換器3aに対して1つの傾斜面60aにより流体を滴下するようになっていてもよい。さらに尚、長手方向に一列となるように複数の熱交換器3a,3a,…を並列させ、これら複数の熱交換器3a,3a,…に対して長手方向に長く形成した1つの傾斜面により流体を滴下するようになっていてもよい。
また、本実施例のガイド部材14は、ガイド部14c,14cを有し、このガイド部14c,14cにより、流体を山型部材10の頂部10dの長手方向の2箇所に分岐させるようになっていたが、これに限られず、流体を山型部材10の長手方向に複数分岐させることができるものであればよい。例えば、投入口4aの直下から山型部材10の長手方向の複数箇所に放射状に延びる樋等であってもよい。
次いで、熱交換装置の拡散手段の変形例について図5(a)を用いて説明する。尚、前述した熱交換装置1の構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する構成の説明を省略する。
図5(a)に示されるように、流下機構102は拡散部108が、筐体106の短手方向(前後方向)において互い違いに内壁へ固定される傾斜板110,110にて構成されており、筐体600の下端部には、傾斜面600aが形成されている。また、流体は、筐体600の上部に長手方向に複数設けられた投入口104a,104a,…(図5(a)では1つの図示)より投入されるようになっている。投入口104a,104a,…から投入された流体は、滴下された衝撃で上段の傾斜板110の長手方向に拡散されながら流下し、下端の凸部10b,10b,…から下段の傾斜板110に滴下され、さらに傾斜板110の長手方向に拡散されながら流下し、下端の凸部10b,10b,…から傾斜面600aに滴下される。そして、傾斜面600aの凸部61a,61a,…から誘導管3eに滴下される。このように、拡散部108を上下に多段的に複数の傾斜板110を互い違いに配置して構成することで、流体を長手方向に拡散させ、1つの傾斜面600aから熱交換器3aに流体を滴下させるようにしてもよい。すなわち、前記実施例のように、必ずしも流体を前後(多方向)に分散させ、熱交換器3aの前後から流体を滴下させなくともよい。このような構成によれば、流体の流路が1つとなり、筐体106の短手方向(前後方向)の厚みを抑えることができるため、よりコンパクトな設計を可能とする。
次いで、誘導部の変形例について、図5(b)を用いて説明する。図5(b)に示されるように、傾斜部610の下端には、複数の凹部611a,611a,…及び凸部611b,611b,…が左右方向に交互に並列された波板材611が裏面側に結着されている。これによれば、傾斜部610の上面である傾斜面610a上を流下する流体は、波板材611に到達すると、凹部611a,611a,…内にそれぞれ収束し、凹部611a,611a,…の先端から下方に滴下される。これによれば、既存の平板である傾斜部610の下端に既存の波板材611を固定するだけで容易に誘導部を形成することができる。
次に、本実施例の熱交換装置1を用いて行った実験結果について説明する。
「実験1」
傾斜面と凸部の有効性
先ず、熱交換装置1において、傾斜面60aと傾斜面60aにおける凸部61a,61a,…の有効性を確認する試験を行った。
本試験では、同形状の傾斜面(傾斜面60a)を2つ作成し、一方は下端に亘って凸部(凸部61a,61a,…)を設けない平滑な形状の傾斜面とし、もう一方は下端に亘って凸部(凸部61a,61a,…)を設けた傾斜面とし、それぞれの傾斜面上に、水道水を8L/minの流量で滴下させ、流れの状態を確認した。
各傾斜面に水道水を滴下させると、滴下位置より幅広く広がり、その後傾斜面上を流下していくことが確認された。したがって、傾斜面の有用性が確認された。
次に、下端に亘って凸部を設けない平滑な形状の傾斜面と、下端に亘って凸部を設けた傾斜面にて水道水の流れる状態を観察すると、下端に亘って凸部のない傾斜面では、幅広く広がり流下してきた水道水が、傾斜板から滴下する際にランダムに集まり、不均一に滴下する現象がみられた。また水道水が滴下する位置は、変化し(一定ではなく)、左右に変動しながら集まって滴下する状態も観察された(図6参照)。
一方、下端に亘って凸部を設けた傾斜面では、幅広く広がり流下してきた水道水が、各凸部の形状に誘導されることで各頂点部分に収束し、滴下することが確認され、凸部設置の有効性が確認された(図7参照)。
「実験2」
本実施例の流下機構2による夾雑物を多く含有する消化汚泥水での流下試験
熱交換器3aに、流下機構2を被嵌させるように固定し、夾雑物を多く含有する消化汚泥水(以下、単に「汚泥水」と表記することもある)8L/minを流体として流下させる熱交換試験を行った。この消化汚泥の中には、人毛、繊維、泥、40mmの小枝等からなる多くの夾雑物を含有しており、通常の下水や温泉水より悪条件の流体モデルである。
流体投入管4から汚泥水を流すと、汚泥水は各ガイド部材14,14で略均一に分配され、各ガイド部14c,14c,…から、他方傾斜(傾斜部10a,10aの一方)に偏る等することなく、山型部材10の頂部10dへと良好な状態で滴下した。
汚泥水は、山型部材10を形成するそれぞれの傾斜部10a,10a上端から幅広く広がり、傾斜に誘導され流下した後、山型部材10を形成するそれぞれの傾斜部10a,10aの下端に亘って備え付けられている各凸部10b,10b,…の各先端部分から傾斜面60a,60aの上方側に滴下し、各滴下地点にて再び広がり、それぞれの傾斜面60a,60a上を流れて、凸部61a,61a,…から、誘導管3eを経由して熱交換器3aへと略均一に拡散された状態で滴下した(図8参照)。
本試験では、熱交換装置1設計時の条件として低温水側温度効率の数値は0.6としたが、本発明の流下機構2を使用し、熱交換器3aへ流体を略均一に滴下させることで、低温水側温度効率0.7付近で安定することが確認できた。
尚、温度効率は、
φc=Tco−Tci/Thi−Tci
φc:低温水側温度効率
Thi:汚泥入口温度(高温)
Tci:低温水入口温度
Tco:低温水出口温度
にて、算出される。
「実験3」
従来の貯留槽による試験
流下機構2を使用せず、汚泥水を貯水可能な貯水槽の底部に小さな口径の孔を略均一に長手方向に亘って設けた構造(以下、「底部孔滴下式」と記載)の流下機構を有する熱交換装置と、汚泥水を貯水可能な貯水槽の長手方向を形成する一対の側壁の上端に略V字状の切欠き部分を略均一に形成した構造(以下、「切欠き部滴下式」と記載)の流下機構を有する熱交換装置をそれぞれ製作し、それぞれの貯水槽に汚泥水を8L/minの流量で流下し、温度効率を測定した。
双方の熱交換装置において、測定開始当初は熱交換装置1の設計条件である温度効率0.6を達成したが、時間経過と共に汚泥水中の夾雑物による閉塞が生じるにつれ温度効率が0.4〜0.6の間で不安定となり、終には孔や切欠き部をすべて閉塞されてしまい、装置を運転できない状況となった(図9及び図10参照)。
以上、実験1〜3の結果より、本件の熱交換装置1における、温度効率を高めることの有用性と、底部孔滴下式と切欠き部滴下式に対する優位性が確認できた。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、拡散手段が山型部材とガイド部材14とから構成されている態様として説明してきたが、これに限らず、流体を傾斜面60aの長手方向に拡散させる構造であればよい。具体的には、上下に延びる回動軸を中心として水平方向に回動する回動体に対して流体を当てることで流体を傾斜面60aの長手方向に拡散させてもよい。また、傾斜面60aの長手方向を向く流体の投入口が傾斜面60aの長手方向両端から流体を流下させることで、傾斜面60aの長手方向に流体が拡散されながら流下するようにしてもよい。
また、傾斜面は、傾斜角度が可変調整可能であってもよい。この態様によれば、流体の流下量や含有する夾雑物等に応じて、最適な傾斜角度に調整して流体の流下速度等を適宜設定することができる。また、山型部材やガイド部材の高さ位置を調整できるようにしてもよく、これにより流体が滴下により拡散する具合を適宜調整できる。
1 熱交換装置
2 流下機構
3a 熱交換器
4a 投入口(流入口)
6 筐体
8 拡散部(拡散手段)
10 山型部材
10b 凸部
10d 頂部
10e 傾斜面
14 ガイド部材
60a 傾斜面
61a 凸部(誘導部)
102 流下機構
104a 投入口(流入口)
106 筐体
108 拡散部(拡散手段)
600a 傾斜面
610a 傾斜面
611 波板材(誘導部)

Claims (7)

  1. 冷媒が流れる伝熱管を有する熱交換器と、流入口から流入する流体を前記伝熱管の長手方向に亘って流下させる流下機構と、を備える熱交換装置であって、
    前記流下機構は、前記流入口から流入する流体を前記長手方向に拡散させる拡散手段と、前記長手方向に沿って延び前記拡散手段により拡散された流体を下方に流下させる少なくとも1つの傾斜面と、を備え、
    前記傾斜面の下端部には、流体を誘導する誘導部が前記長手方向に亘って所定間隔ごとに複数設けられていることを特徴とする熱交換装置。
  2. 前記流下機構は、1つの前記熱交換器に対して対向する2つの前記傾斜面により流体を滴下することを特徴とする請求項1に記載の熱交換装置。
  3. 前記誘導部は、前記傾斜面の下端部から鉛直方向に突出する凸部であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換装置。
  4. 前記拡散手段は、前記長手方向に延びる断面視山型形状を成し、その頂部で前記流入口からの流体を分散させる山型部材を備え、
    前記山型部材における側部には、それぞれ対向するように前記傾斜面が配置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の熱交換装置。
  5. 前記拡散手段は、前記山型部材の長手方向に沿って前記流入口からの流体を複数箇所に分岐させるガイド部材を備えることを特徴とする請求項4に記載の熱交換装置。
  6. 前記山型部材の下端部には、該下端部から鉛直方向に突出する凸部が長手方向に亘って所定間隔ごとに複数設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の熱交換装置。
  7. 前記傾斜面は、平面であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の熱交換装置。
JP2016077400A 2016-04-07 2016-04-07 熱交換装置 Active JP6637821B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016077400A JP6637821B2 (ja) 2016-04-07 2016-04-07 熱交換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016077400A JP6637821B2 (ja) 2016-04-07 2016-04-07 熱交換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017187244A true JP2017187244A (ja) 2017-10-12
JP6637821B2 JP6637821B2 (ja) 2020-01-29

Family

ID=60044797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016077400A Active JP6637821B2 (ja) 2016-04-07 2016-04-07 熱交換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6637821B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021044738A1 (ja) * 2019-09-06 2021-03-11 浩 畑元 熱交換装置

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS487849U (ja) * 1971-06-08 1973-01-29
JPS62125867U (ja) * 1986-01-29 1987-08-10
JPH0275894A (ja) * 1988-09-09 1990-03-15 Hitachi Ltd 流下液膜式蒸発器
JPH0518637A (ja) * 1991-07-08 1993-01-26 Tokyo Gas Co Ltd 吸収式冷凍機
JP2000179989A (ja) * 1998-12-11 2000-06-30 Hitachi Ltd 吸収式冷温水機の液散布装置
JP2005003296A (ja) * 2003-06-13 2005-01-06 Ebara Corp 液散布装置及びそれを用いる液膜式熱交換器と吸収冷凍機
JP2005207621A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Yazaki Corp 滴下装置
CN101126609A (zh) * 2006-08-14 2008-02-20 张吉礼 冷凝管导液器
JP2011158239A (ja) * 2010-01-06 2011-08-18 Kazuo Nakano 流下液膜式熱交換装置
WO2012035571A1 (ja) * 2010-09-13 2012-03-22 川崎重工業株式会社 散布管装置とこれを用いた熱交換器
JP2014088918A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Sumitomo Precision Prod Co Ltd オープンラック式気化装置

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS487849U (ja) * 1971-06-08 1973-01-29
JPS62125867U (ja) * 1986-01-29 1987-08-10
JPH0275894A (ja) * 1988-09-09 1990-03-15 Hitachi Ltd 流下液膜式蒸発器
JPH0518637A (ja) * 1991-07-08 1993-01-26 Tokyo Gas Co Ltd 吸収式冷凍機
JP2000179989A (ja) * 1998-12-11 2000-06-30 Hitachi Ltd 吸収式冷温水機の液散布装置
JP2005003296A (ja) * 2003-06-13 2005-01-06 Ebara Corp 液散布装置及びそれを用いる液膜式熱交換器と吸収冷凍機
JP2005207621A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Yazaki Corp 滴下装置
CN101126609A (zh) * 2006-08-14 2008-02-20 张吉礼 冷凝管导液器
JP2011158239A (ja) * 2010-01-06 2011-08-18 Kazuo Nakano 流下液膜式熱交換装置
WO2012035571A1 (ja) * 2010-09-13 2012-03-22 川崎重工業株式会社 散布管装置とこれを用いた熱交換器
JP2014088918A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Sumitomo Precision Prod Co Ltd オープンラック式気化装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021044738A1 (ja) * 2019-09-06 2021-03-11 浩 畑元 熱交換装置
KR20220054421A (ko) * 2019-09-06 2022-05-02 가부시키가이샤 로노베지 열교환 장치
CN114651160A (zh) * 2019-09-06 2022-06-21 罗诺紴吉株式会社 热交换装置
US20220341672A1 (en) * 2019-09-06 2022-10-27 Hiroshi Hatamoto Heat exchanging apparatus
KR102654477B1 (ko) * 2019-09-06 2024-04-04 가부시키가이샤 로노베지 열교환 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP6637821B2 (ja) 2020-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2603508C1 (ru) Теплообменник с оребренными трубами
US20090000775A1 (en) Shell and tube heat exchanger
JP2020532702A (ja) 集水配置
US11029060B2 (en) Air-conditioning apparatus
JP2011137606A (ja) 気液接触用充填材、及び冷却塔
US8728189B2 (en) Systems and methods for heat recovery
US2915302A (en) Cooling tower
JP2017187244A (ja) 熱交換装置
CN104833139B (zh) 一种换热设备及其内置油分离系统的冷凝器
EP0249400B1 (en) Gas-liquid contacting apparatus
TW201335040A (zh) 集裝箱
JP5541877B2 (ja) 散布管装置とこれを用いた熱交換器
CN110822517B (zh) 用于油烟分离的波纹挂钩板、油烟分离模块以及分离方法
JP4228053B2 (ja) 生理液体を加熱する装置に適用する使い捨て器具
WO2012035571A1 (ja) 散布管装置とこれを用いた熱交換器
JP2018179317A (ja) 散布トレイ、三流体熱交換器、及び湿式調湿装置
CN110882555A (zh) 一种油烟净化滤网装置
JP2018109266A (ja) 建材
JP3244480B2 (ja) 油回収装置
FR3072306B1 (fr) Dispositif de melange et de distribution avec ouverture longitudinale
JP2004063654A (ja) 電子機器冷却装置
WO2007104294A1 (de) Grill
DE102006039275A1 (de) Vorrichtung zur Nasswäsche von Aerosolen mit Wärmenutzung oder Temperaturbeeinflussung
DE112019006979T5 (de) Inneneinheit einer Klimatisierungsvorrichtung
KR100594386B1 (ko) 가습장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181102

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20190724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191223

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6637821

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250