JP3572869B2 - 吸収式冷凍機の散布装置 - Google Patents

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    • Y02B30/62Absorption based systems

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、散布液を散布するための散布装置に関し、吸収式冷凍機の蒸発器および収器に備えられ、伝熱管に冷媒液または吸収液を散布するための散布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水などである冷媒と、臭化リチウム(LiBr)水溶液などである吸収液とを利用し、冷温水(被冷却液)を冷却する吸収式冷凍機が知られている。この吸収式冷凍機は、基本的に、蒸発器、吸収器、凝縮器および発生器を備え、以下に説明するような冷凍サイクルで動作される。蒸発器は、胴体内に蒸発器伝熱管が設けられており、さらに蒸発器伝熱管の上方には蒸発器散布装置が設けられている。蒸発器伝熱管内には冷温水が流れており、蒸発器散布装置は蒸発器伝熱管に冷媒液を散布する。蒸発器は、蒸発器伝熱管の周囲で冷媒を蒸発させ、このときに冷温水から蒸発熱を奪い冷温水を冷却する。蒸発器で蒸発した冷媒蒸気は吸収器に移行する。
【0003】
吸収器は、胴体内に吸収器伝熱管が設けられており、さらに吸収器伝熱管の上方には吸収器散布装置が設けられている。吸収器伝熱管内には冷却水が流れており、吸収器散布装置は吸収器伝熱管に濃溶液(濃度の高い吸収液)を散布する。吸収器は、吸収器伝熱管の周囲で、濃溶液に蒸発器からから移行してくる冷媒蒸気を吸収させる。このときに発生する熱は、吸収器伝熱管内を流れる冷却水に吸収される。また吸収器内で冷媒蒸気を吸収することによって、濃溶液は希釈されて希溶液(濃度の低い吸収液)となり、この希溶液は発生器に送られる。
【0004】
発生器は、熱源によって希溶液を加熱し、吸収液に吸収されている冷媒を蒸発させて吸収液の濃度を高める。この冷媒の蒸発によって高濃度となった吸収液、すなわち濃溶液は、吸収器散布装置に供給されて、吸収器内で散布される。また発生器で発生された冷媒蒸気は、凝縮器に送られる。凝縮器は、胴体内に凝縮器伝熱管が設けられている。凝縮器伝熱管内には、冷却水が流れており、凝縮器は、発生器から送られてくる冷媒蒸気を凝縮器伝熱管内の冷却水で冷却し、冷媒蒸気を凝縮させる。凝縮器で凝縮された冷媒液は、蒸発器散布装置に供給されて、蒸発器内で散布される。
【0005】
このように動作される吸収式冷凍機には、冷媒液を散布する蒸発器散布装置と、濃溶液を散布する吸収器散布装置が設けられている。この蒸発器散布装置および吸収器散布装置には、たとえば図14に示すような散布装置(1)が採用されている。蒸発器散布装置および吸収器散布装置は、ほぼ同様の構成を有しており、以下、蒸発器散布装置として採用される場合だけを例にとり、散布装置(1)を説明する。
【0006】
散布装置(1)は、上方が開放される断面形状が略C字状の散布トレイ(2)と、散布トレイ(2)の両側方にそれぞれ設けられるサイフォン(3)とを備える。散布トレイ(2)は、蒸発器伝熱管(5)に沿って延び、隣接する2本の蒸発器伝熱管(5)の上方に延在方向(図14に垂直な方向)と垂直な幅方向の両側部が位置するように設けられ、この散布トレイ(2)には、冷媒液(4)が貯留されている。各サイフォン(3)は、一端部が散布トレイ(2)内の冷媒液(4)に浸漬され、他端部が各蒸発器伝熱管(5)の上方に配置されている。このような構成を有する散布装置(1)では、散布トレイ(2)内の冷媒液(4)は、各サイフォン(3)によって散布トレイ(2)の両側部を越えて導かれて滴下され、各蒸発器伝熱管(5)に散布される。
【0007】
また他の従来技術では、散布装置(1)に代えて図15に示すような散布装置(11)が採用される。散布トレイ(11)は、散布トレイ(1)と類似の構成を有しており、対応する部分には同一の参照符号を付し、異なる構成についてだけ説明する。散布装置(11)は、散布トレイ(2)と、散布トレイ(2)の両側方にそれぞれ設けられるガイド(13)とを備える。散布トレイ(2)は、幅方向両側部に、透孔(17)が形成されている。各ガイド(13)は、針金などによって実現される棒状体であり、一端部が散布トレイ(2)の各透孔(17)に臨んで配置され、他端部が各蒸発器伝熱管(5)の上方に配置されている。このような構成を有する散布装置(11)では、散布トレイ(2)内の冷媒液(4)は、各透孔(17)から散布トレイ(2)外へ導かれ、さらに各ガイド(13)に導かれて滴下され、各蒸発器伝熱管(5)に散布される。
【0008】
さらに他の従来技術として、実開平4−39654号には、上述したような散布トレイの両側部に、毛細管現象を利用して散布トレイの両側部を越えて冷媒液を導いて滴下させるドリッパを設ける散布装置が開示されるとともに、散布トレイの底部に散布トレイ内に突出し、冷媒液を導いて滴下させる滴下パイプを設ける散布装置が開示されている。
【0009】
さらに他の従来技術として、特開平8−261588号には、蒸発器と吸収器とを共通仕切りを介して1つの容器に収容するとともに、該共通仕切より複数の凸部を前記容器の底面を貫通して突出させ、各凸部の底辺に水平基準面を形成する吸収式冷凍機が開示されている。この吸収式冷凍機では、容器内に収容した蒸発器と吸収器との共通仕切に形成した水平基準面で容器の水平を保持した状態で水平基準板を取付け、この水平基準板と同一レベルに散布トレイとしての蒸発器トレイおよび吸収器トレイを配設することによって、蒸発器トレイと吸収器トレイの水平精度を向上させている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術では、冷媒液(4)を貯留する散布トレイ(2)を用いており、散布トレイ(2)がその延在方向と平行な軸線まわりに傾斜したときに、冷媒液(4)が散布されない蒸発器伝熱管(5)が生じてしまう場合がある。図14に示す散布装置(1)を例にとり、詳しく述べると、図16に示すように、散布トレイ(2)が傾斜していると、一端部が冷媒液(4)から上方に引き上げられて冷媒液(4)に浸漬されていないサイフォン(図16では左側のサイフォン)(3)が、存在してしまうおそれがある。このようなサイフォン(3)は、冷媒液(4)を導くことができないので、このサイフォン(3)の下方に位置する蒸発器伝熱管(図16の左側の蒸発器伝熱管)(5)には、冷媒液(4)を散布することができない。また散布が可能であるにしても、散布量が低下してしまう。特に各蒸発器伝熱管(5)の配置間隔Dが20mm以上となるような、滴下領域間の距離が大きくなり、これに伴って冷媒液(4)を取出口となるサイフォン(3)が設けられる散布トレイ(2)の幅方向両側部間の距離も大きくなるような構成では、散布トレイ(2)の傾斜に対する幅方向両側部の上下の変位量が大きくなり、前述のような不具合が生じやすくなる。
【0011】
また図15に示す散布装置(11)も、図14に示す散布装置(1)と同様に、傾斜して配置されると、冷媒液(4)を散布することができなくなる、あるいは散布量が低下してしまう。さらに実開平4−39654号に開示される散布も、各滴下パイプおよび各ドリッパに被膜を形成して濡れ性を向上し、各滴下パイプおよび各ドリッパの冷媒液の滴下量を均一化しているけれども、散布トレイが傾斜して配置されても、滴下量の低下を防止することができるように構成されていない。また特開平8−261588号に開示される吸収式冷凍機では、散布トレイである蒸発器トレイおよび吸収器トレイの水平精度を向上する構成は示されているけれども、吸収式冷凍機の設置条件などのよって蒸発器トレイおよび吸収器トレイが傾斜して配置されてしまった場合に、散布量が変化することを防止する構成は開示されていない。
【0012】
このように従来技術の散布装置(1,11)は、傾斜して配置されると冷媒液(4)の滴下量が低下、あるいは冷媒液(4)が滴下されない蒸発器伝熱管(5)が存在してしまう場合があり、このような場合には、この蒸発器伝熱管(5)の冷媒液(4)による濡れ性が低下し、冷媒液(4)の蒸発量が減少してしまう。この冷媒液(4)の蒸発量の低下は、吸収式冷凍機の冷凍能力の低下につながる。また散布装置(1,11)を、吸収器散布装置として採用している場合においても、散布装置(1,11)が傾斜して設けられると、濃溶液の滴下量が低下し、あるいは濃溶液が滴下されない吸収器伝熱管が存在してしまう場合があり、この場合には、この吸収器伝熱管の濃溶液による濡れ性が低下し、濃溶液による冷媒蒸気の吸収量が減少してしまう。この冷媒蒸気の吸収量の低下は、吸収式冷凍機の冷凍能力の低下につながる。
【0013】
したがって本発明の目的は、傾斜して配置されても、吸収式冷凍機の冷凍能力が低下してしまうことがない散布装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、吸収式冷凍機(40)に備えられ、伝熱管(59,60)に散布液(22)を散布するための散布装置(20,20a,53)であって、
上方に開放され、仕切り板(28)によって仕切られて、散布液(22)が供給される第1室(26a)と、底部付近の通路(26c)を介して第1室(26a)に連通する第2室(26b)とが形成される樋(26)と、
透孔(21)が形成され、第2室(26b)で開口するように樋(26)に接続されて散布液(22)が充満される散布管(23)と、
透孔(21)から吐出される散布液(22)を、散布管(23)の外表面(24)から半径方向外方に引き離して伝熱管(59,60)の上方に導くガイド(25)とを含むことを特徴とする吸収式冷凍機の散布装置である。
【0015】
本発明に従えば、樋(26)に溜められた散布液(22)が散布管(23)内に充満されており、散布液(22)は、樋(26)に溜められた液ヘッドにより散布管(23)に形成される透孔(21)から散布管(23)外へ吐出される。透孔(21)から吐出される散布液(22)は、表面張力によりガイド(25)にそって散布管(23)の外表面(24)から半径方向外方に引き離して伝熱管(59,60)の上方に導かれ、伝熱管(59,60)に滴下されて散布される。このように散布管(23)内は、散布液(22)によって充満されており、透孔(21)が散布管(23)の周方向のいずれの位置に存在しても、透孔(21)は散布管(23)内の散布液(22)に必ず臨んだ状態にある。これによって透孔(21)が散布管(23)の軸線まわりのいずれの位置に存在しても、散布管(23)内の散布液(22)は透孔(21)を介して吐出される。したがって散布装置(20,20a,53)が、設計された好適な状態から散布管(23)の軸線に平行な軸線まわりに傾斜して配置されても、伝熱管(59,60)への滴下量が変化せず、所要の滴下量で伝熱管(59,60)に散布液(22)を散布することができる。
さらに樋(26)は、仕切り板(28)によって、第1室(26a)と第2室(26b)とに仕切られている。散布液(22)は、樋(26)の第1室(26a)に供給され、底部付近の通路(26c)を介して第2室(26b)に導かれ、この第2室(26b)から散布管(23)に供給される。このように樋(26)を相互に連通する第1および第2室(26a,26b)に仕切り、冷媒液(22)が供給される第1室(26a)と、散布管(23)に冷媒液(22)を供給する第2室(26b)とを異ならせることによって、第2室(26b)の冷媒液(22)の圧力変動を小さく抑え、これによって散布管(23)内の冷媒液(22)の圧力変動を抑制することができる。したがって各透孔(21)から吐出される冷媒液(22)の吐出量の変動を抑制し、伝熱管(59)に冷媒液(22)を好適に滴下させて散布することができる。
【0016】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明の構成において、前記散布管(23)は略水平な平面に沿って湾曲して形成され、前記透孔(21)は散布管(23)の上部または下部に形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、前記散布管(23)は略水平な平面に沿って湾曲して形成される。これによってたとえばコイル状に巻回される伝熱管(59,60)など湾曲している伝熱管(59,60)に好適に散布液(22)を散布することができる。前記透孔(21)は散布管(23)の上部または下部に形成される。これによって直線状の管に透孔(21)を形成した後に、その管を曲成して散布管(23)を形成しても、透孔(21)の開口面積が曲成する前後で大きく変化することがない。したがって異なる曲率で湾曲する複数種類の散布管(23)を形成するときにも、透孔(21)を直線状の管に同一の径で形成した後に、その管をそれぞれの曲率に合わせて曲成すればよく、透孔(21)を形成するための作業が容易である。詳しく述べると、直線状の管に透孔(21)を形成した後に曲成する場合において、開口面積の変化を考慮して透孔(21)の径を算出して形成したり、管を曲成した後に透孔(21)を形成する場合において、たとえば曲率に対応してドリルなどの穿孔装置を制御する必要がなく、容易に散布管(23)を製造することができる。特に透孔(21)を散布管(23)の上部に形成した場合には、散布管(23)内の空気を抜くことができる。
【0018】
請求項3記載の本発明は、請求項1まはた2記載の発明の構成において、前記透孔(21)は散布管(23)の軸線に沿って複数形成され、前記ガイド(25)は1つの透孔(21)に対して1つそれぞれ設けられることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、前記ガイド(25)は1つの透孔(21)に対して1つそれぞれ設けられる。たとえば1つの透孔(21)に対して2つのガイド(25)を設けた場合には、散布管(23)と各ガイド(25)との設置条件などによって、透孔(21)から各ガイド(25)に導かれて滴下される散布液(22)の滴下量が各ガイド(25)毎に異なってしまうおそれがある。また2つの透孔(21)に対して1つのガイド(25)を設けた場合には、透孔(21)を形成するための手間が多くなるとともに、散布液(22)の適度な滴下量を得るために、1つの透孔(21)を形成する場合に比べて各透孔(21)の径を小さくしなければならず、各透孔(21)がたとえば不純物などが詰まってしまうおそれがある。これに対して透孔(21)とガイド(25)とを1対1で設けることによって、1つの透孔(21)から吐出される散布液(22)は1つのガイド(25)によって導かれるので、各透孔(21)を同一径に形成して各透孔(21)から吐出される散布液(22)の量を均一にすることによって、各ガイド(25)から滴下される散布液(22)の滴下量を均一にすることができる。また形成する透孔(21)の数も少なく、製造の手間も少なくなるとともに、各透孔(21)の径は可及的に大きくすることができるので、たとえば不純物などによって詰まりにくくなる。
【0020】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成において、前記ガイド(25)は、散布管(23)の両側方に交互に設けられ、前記散布管(23)に沿う複数の伝熱管(59,60)に散布液(22)を輪番に導くことを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、前記ガイド(25)は散布管(23)の両側方に交互に設けられ、散布液(22)は散布管(23)の両側方の下方の伝熱管(59,60)に輪番に導かれる。これによって1つの散布管(23)によって、散布管(23)の両側方の下方に設けられる伝熱管(59,60)に散布液(22)を散布することができるとともに、各伝熱管(59,60)に散布液(22)を輪番に滴下するので、特定の伝熱管(59,60)への滴下量が多くなるなどの偏りをなくし、各伝熱管(59,60)に均一に散布することができる。
【0022】
請求項5記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明の構成において、前記ガイド(25)は、散布液(22)を導く方向に沿って延びる凹溝(31)が形成されることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、前記ガイド(25)は凹溝(31)を有しており、散布液(22)は、表面張力が曲率の大きい部分へ集まる特性を利用し、この凹溝(31)に沿って、不所望な方向に流れることなく所望の位置まで導かれる。また散布液(22)は、棒状および平坦状のガイドによって導かれる場合と比較して、ガイド(25)の広い接触面積で接触した状態で導かれる。これによってガイド(25)が前記凹溝(31)を下方に臨ませるように配置されても、散布液(22)のガイド(25)への吸着力が大きく、散布液(22)がガイド(25)の中途部で落下してしまわないように導くことが可能になる。さらにガイド(25)を設けるにあたって、凹溝(31)を散布管(23)の透孔(21)に臨ませればよく、凹溝(31)によって散布管(23)の外表面(24)との間に凹溝(31)による散布液の流路が形成されるとともに、凹溝(31)の延びる方向へのずれは許容されるので、散布管(23)に対する位置決め作業が容易である。
【0024】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明の構成において、前記ガイド(25)は、散布管(23)の一方側の側方で隣接する複数のガイド(25)が一体的に形成されることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、前記ガイド(25)は、隣接する複数のガイド(25)が一体的に形成される。これによって各ガイド(25)の散布管(23)に対する位置決め作業は、複数のガイド(25)の位置決めを一度にすることができ、各ガイド(25)を個別に位置決めする場合と比較して手間が少ない。
【0026】
請求項7記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明の構成において、前記ガイド(25)は、前記散布管(23)の両側方にそれぞれ設けられて一体的に形成されることを特徴とする。
【0027】
本発明に従えば、前記ガイド(25)は、前記散布管(23)の両側方にそれぞれ設けられ、散布管(23)の両側方に設けられる各ガイド(25)が一体的に形成される。これによって各ガイド(25)は、散布管(23)の両側方から散布管(23)を挟持するようにして散布管(23)に取付けて散布管(23)に対する位置決めをすることができる。したがって各ガイド(25)の散布管(23)への取付作業が容易になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態の蒸発器散布装置(20)の特徴的な構成を示す断面図であり、図2は図1の左側から見た正面図であり、図3は蒸発器散布装置(20)の主要な部分の構成を示す断面図である。ここで図1は図2の切断面線I−Iから見た断面を示している。蒸発器散布装置(20)は、後で詳述する吸収式冷凍機(40)の蒸発器(42)に備えられ、蒸発器(42)に備えられる蒸発器伝熱管(59)に冷媒液(22)を散布するための装置である。蒸発器散布装置(20)は、透孔(21)が形成され、散布液である冷媒液(22)が充満される散布管(23)と、透孔(21)から吐出される冷媒液(22)を、散布管(23)の外表面(24)から半径方向外方に引き離して散布領域に配置される伝熱管(59)の上方に導くガイド(25)とを含む。
【0029】
蒸発器散布装置(20)は、散布管(23)およびガイド(25)に加えて、樋(26)と、後述するヘッダ(27)とを備える。樋(26)は、上方が開放される長尺状に形成され、長手方向に垂直な断面形状は略C状である。樋(26)には、散布管(23)が側壁を液密に挿通して接続されており、散布管(23)は、樋(26)内で開口している。この樋(26)には、ヘッダ(27)から冷媒液(22)が供給されて、樋(26)内の冷媒液(22)の液面が散布管(23)よりも上方に存在する状態で貯留されている。これによって散布管(23)が冷媒液(22)によって充満され、散布管(23)内の冷媒液(22)が水頭(ヘッド)によって透孔(21)から吐出される。ガイド(25)は、長尺の板状であり、長手方向の一端部が透孔(21)に臨み、他端部が散布管(23)の下方で蒸発器伝熱管(59)の上方まで延びている。この散布装置(20)は、散布管(23)内に充満されている冷媒液(22)を、ガイド(25)によってその一端部から他端部まで導き、伝熱管(59)の上方でガイド(25)の他端部から滴下させて伝熱管(59)に散布する。
【0030】
また樋(26)は、長手方向(図3の紙面に垂直な方向)に延びる仕切り板(28)を有し、第1室(26a)および第2室(26b)に仕切られており、第1および第2室は、底部付近の通路(26c)を介して連通している。散布管(23)は第2室(26b)で開口しており、ヘッダ(27)からの冷媒液(22)は、第1室(26a)に供給され、通路(26c)を介して第2室(26b)に導かれ、散布管(23)に供給される。このように樋(26)を連通させた状態で仕切り、ヘッダ(27)から冷媒液(22)を供給する室(26a)と、散布管(23)に冷媒液(22)を供給する室(26b)とを異ならせることによって、第2室(26b)の冷媒液(22)の圧力変動を小さく抑え、これによって散布管(23)内の冷媒液(22)の圧力変動を抑制することができる。したがって各透孔(21)から吐出される冷媒液(22)の吐出量の変動を抑制し、伝熱管(59)に冷媒液(22)を好適に滴下させて散布することができる。
【0031】
散布管(23)は、伝熱管(59)に沿って延びる円筒状の管である。透孔(21)は散布管(23)の軸線に沿って複数形成され、ガイド(25)は1つの透孔(21)に対して1つそれぞれ設けられ、散布管(23)に固定されている。このように1つの散布管(23)に複数のガイド(25)が設けられ、複数の位置で冷媒液(22)を滴下させることができる。本形態では、1つの散布管(23)によって複数(本形態では4つ)の散布領域に配置される各伝熱管(59)に冷媒液(22)をそれぞれ散布するために、ガイド(25)は複数設けられ、散布管(23)に沿う各伝熱管(59)に冷媒液(22)を輪番に導く。
【0032】
詳しく述べると、4つの伝熱管(59)は水平な仮想平面に沿って等間隔に配置され、散布管(23)は4つの伝熱管(59)のうち内側に配置される2つの伝熱管(59)間の中央上方に配置されている。各透孔(21)は散布管(23)の上部に形成され、各ガイド(25)は散布管(23)の軸線に沿って交互に、散布管(23)の両側方に設けられ、さらに散布管(23)の一方側の側方に設けられる各ガイド(25)は、散布管(23)の一方側の側方側の下方に配置される2つの伝熱管(59)の上方に、交互に他端部が延びるように設けられている。これによって各伝熱管(59)に輪番に冷媒液(22)を散布される。
【0033】
図4は複数のガイド(25)を一体的形成したガイド体(30)を示す正面図であり、図5は図4の上方から見た平面図であり、図6は図5の切断面線VI−VIから見た断面図である。図1〜図3をも併せて参照して、各ガイド(25)は、前述のように長尺の板状であり、長手方向に垂直な幅方向の中間部が両側部から厚み方向一方側に凸となるように湾曲している。このように幅方向中間部が湾曲することによって、各ガイド(25)は、冷媒液(22)を導く方向に沿って、すなわち長手方向の一端部から他端部に延びる凹溝(31)を有する。各ガイド(25)は、長手方向の一端部において凹溝(31)を透孔(21)に臨ませ、長手方向の一端部付近の幅方向の両側部を散布管(23)の外表面(24)に当接させて設けられ、これによって各ガイド(25)毎に均一な断面形状の流路を散布管(23)との間に形成することができる。ガイド(25)は、散布管(23)の側部からほぼ鉛直下方に延び、中途部から屈曲して、各蒸発器伝熱管(59)の上方まで延びている。各ガイド(25)の長手方向の他端部は、各蒸発器伝熱管(59)からほぼ均一な距離だけ上方の位置まで延びている。これによって各ガイド(25)から滴下される冷媒液(22)は、各伝熱管(59)に同一の条件、たとえば滴下速度で滴下され、各伝熱管(59)を同一の状態に保持することができる。
【0034】
このようなガイド(25)は、散布管(23)の同一側の側方で隣接する複数(本形態では6つ)のガイド(25)が一体形成されて、ガイド体(30)を構成している。ガイド体(30)は、板状の素材を打抜き加工し、さらに曲げ加工して形成され、容易に製造される。このガイド体(30)は、たとえばスポット溶接によって散布管(23)に固定され、曲率の異なる散布管(23)であっても容易に固定することができる。他の形態として複数のガイド(25)をたとえば相互に溶接してガイド体(30)を形成してもよい。
【0035】
図7は、蒸発器散布装置(20)を備える吸収式冷凍機(40)の概略的構成を示す断面図である。吸収式冷凍機(40)は、基本的に、蒸発器(42)と、吸収器(43)と、凝縮器(44)と、低温発生器(45)と、高温発生器(46)とを含んでいる。低圧部の略リング状の胴体(41)内には、蒸発器(42)および吸収器(43)が、蒸発器(42)が上部で吸収器(43)が下部となるように、上下に配置される。胴体(41)の上方には、凝縮器(44)および低温発生器(45)が配置される。高温発生器(46)は、胴体(41)をフレーム(47)によって床面(48)から持上げて形成する空間に配置される。胴体(41)はリング状であり、中央部は空洞(49)となっている。蒸発器(42)には、蒸発器伝熱管(50)および蒸発器散布装置(20)が含まれる。吸収器(43)には、吸収器伝熱管(52)および吸収器散布装置(53)が含まれる。
【0036】
蒸発器伝熱管(50)および吸収器伝熱管(52)は、胴体(41)の軸線と同一の軸線まわりに巻回されるコイル巻構造を有し、両端は胴体(41)外に直接取出される。胴体(41)の周壁面には、図示しない、蒸発器入口ヘッダ、蒸発器出口ヘッダ、吸収器入口ヘッダおよび吸収器出口ヘッダがそれぞれ設けられる。蒸発器伝熱管(50)では、複数の伝熱管(59)が同心円状に卷回されて蒸発器上層伝熱管(61)および蒸発器下層伝熱管(62)をそれぞれ形成する。吸収器伝熱管(52)では、複数の伝熱管(60)が同心円状に卷回されて吸収器上層伝熱管(63)および吸収器下層伝熱管(64)をそれぞれ形成する。本実施形態では、各伝熱管(59,60)は、各ヘッダで全体が並列となるように接続される。蒸発器伝熱管(50)を流れる被冷却液である冷温水の流量や、吸収器伝熱管(52)を流れる冷却液である冷却水の流量が少ないような場合は、たとえば上層と下層とを直列になるように接続するヘッダを用いて、伝熱管の管路長を長くすることもできる。
【0037】
図8は蒸発器散布装置(20)を示す平面図であり、図9は図8の切断面線IX−IXから見た断面図である。蒸発器散布装置(20)は、蒸発器伝熱管(50)を構成する各伝熱管(59)に冷媒液(22)を散布するための装置であり、各伝熱管(59)の上方に設けられる。樋(26)は、複数(本形態では4つ)設けられ、胴体(41)の周方向に等間隔に配置され、半径方向に延びている。散布管(23)は、1つの樋(26)に対して複数(本形態では4つ)設けられ、胴体(41)の半径方向に等間隔に配置され、弧状に湾曲して周方向に延びている。詳しく述べると、各散布管(23)は、一端部が各樋(26)に接続され、この樋(26)から周方向の一方側(本形態では上側から見たときに時計まわり)に隣接する樋(26)まで延びて、他端部が支持されている。各散布管(23)の他端部は塞がれている。このように各散布管(23)は、蒸発器伝熱管(50)に沿って弧状に湾曲している。すなわち散布管(23)は略水平(図8の紙面に平行)な平面に沿って湾曲して形成されている。
【0038】
ヘッダ(27)は、略リング状であり、胴体(41)の半径方向内方側に設けられ、各樋(26)に対応する位置に吐出管部(27a)を有する。ヘッダ(27)は、供給管(32)から冷媒液(22)が供給され、各吐出管(27a)から各樋(26)の第1室(26a)に冷媒液(22)を吐出する。このように冷媒液(22)を各樋(26)に供給するヘッダ(27)は、胴体(41)の半径方向内方側に配置されるので、蒸発器(41)の設計変更のときに、ヘッダ(27)は設計変更なしに用いることができる場合が多くなり、利便性を有する。一例を挙げると、吸収式冷凍機(40)の能力の変更をするにあって、蒸発器(41)の伝熱管(59)の本数を変更するときには、半径方向外方側において、伝熱管(59)を増設まはた削減するので、半径方向内方側の寸法などの変更はないので、ヘッダ(27)は変更なしに用いることができる。
【0039】
図10は本発明の実施の他の形態としての吸収器散布装置(53)を示す平面図であり、図11は図10の切断面線XI−XIから見た断面図である。吸収器散布装置(53)は蒸発器散布装置(20)と類似の構成を有しており、対応する部分に同一の参照符号を付し、異なる構成にかかわる点についてだけ説明する。ただし、以下において混同を防ぐために、散布液である濃溶液は、符号を付さない。吸収器散布装置(53)は、吸収器伝熱管(52)を構成する各伝熱管(60)に散布液である濃溶液(濃度の高い吸収液)を散布するための装置であり、各伝熱管(60)の上方に設けられる。樋(26)は、複数(本形態では4つ)設けられ、胴体(41)の周方向に等間隔に配置され、半径方向に延びている。散布管(23)は、1つの樋(26)に対して複数(本形態では6つ)設けられ、胴体(41)の半径方向に等間隔に配置され、弧状に湾曲して周方向に延びている。詳しく述べると、各散布管(23)は、一端部が各樋(26)に接続され、この樋(26)から周方向の一方側(本形態では上側から見たときに時計まわり)に隣接する樋(26)まで延びて、他端部が支持されている。各散布管(23)の他端部は塞がれている。このように各散布管(23)は、吸収器伝熱管(52)に沿って弧状に湾曲している。すなわち散布管(23)は略水平(図8の紙面に平行)な平面に沿って湾曲して形成されている。
【0040】
図12は、吸収式冷凍機(40)の配管を示す系統図である。凝縮器(44)には、コイル状に卷回された凝縮器伝熱管(65)が収容される。凝縮器伝熱管(65)の下方には、冷媒溜めトレー(66)および遮蔽板(67)がが配置される。凝縮器(44)の下方の低温発生器(45)には、低温発生器伝熱管(68)が、同様にコイル状に卷回されて収容される。
【0041】
本実施形態の吸収式冷凍機(40)は、臭化リチウム水溶液を吸収液とし、水を冷媒として、低温熱交換器(71)および高温熱交換器(72)を用いる二重効用型吸収冷凍サイクルを構成する。低温熱交換器(71)には、溶液循環ポンプ(73)によって、吸収器(43)内で冷媒を吸収して臭化リチウムの濃度が薄くなっている吸収液である希溶液が、希溶液導管(74)を介して供給される。希溶液は、さらに高温熱交換器(72)から希溶液導管(75)を介して、高温発生器(46)に送込まれる。高温発生器(46)からは、中間濃溶液導管(76)を介して、高温熱交換器(72)に中間濃度の吸収液が供給される。中間濃度の吸収液は、高温熱交換器(72)から中間濃溶液導管(77)を介して低温発生器(45)に送込まれる。低温発生器(45)からは、濃溶液導管(78)を介して、低温熱交換器(71)に高濃度の吸収液が供給され、希溶液と熱交換して冷却され、吸収器散布装置(53)によって吸収器伝熱管(52)に向けて散布される。
【0042】
高温発生器(46)では、熱源(80)による加熱で、希溶液から冷媒である水蒸気が蒸発し、中間濃溶液となる。蒸発した水蒸気は、冷媒蒸気導管(81)を介して低温発生器伝熱管(68)内に供給される。低温発生器(45)内では、中間濃溶液が低温発生器伝熱管(68)によって加熱され、冷媒蒸気を発生して濃溶液が得られ、濃溶液導管(78)に送られる。加熱に使用した冷媒蒸気は、低温発生器(45)で凝縮し、冷媒蒸気導管およびオリフィス(82a)を介して減圧、再蒸発して凝縮機(44)内に送込まれ、凝縮機(44)内で凝縮する。低温発生器(45)内で発生した冷媒蒸気は、前述のように低温発生器(45)で加熱源として使用された冷媒とともに、凝縮器(44)内で凝縮し、冷媒液として冷媒溜めトレー(66)に貯留され、冷媒液導管(83)を介して蒸発器散布装置(51)に供給される。
【0043】
蒸発器散布装置(20)からは、冷媒液が蒸発器伝熱管(50)を構成する個々の伝熱管(59)の周囲に散布される。蒸発器伝熱管(50)には、冷温水供給管(91)から被冷却液である冷温水が供給され、冷温水排出管(92)から排出される。個々の伝熱管(59)の周囲に散布された冷媒液は、胴体(41)内の圧力が数mmHg程度の低圧力であるので、数℃程度の低温で蒸発し、蒸発熱を伝熱管(59)内の冷温水から奪い、冷温水を冷却する。
【0044】
吸収器伝熱管(52)には、冷却水供給管(93)から冷却液である冷却水が供給され、冷却水導管(94)から凝縮器伝熱管(65)に向けて送込まれる。凝縮器伝熱管(65)からは、冷却水排出管(95)に冷却水が排出される。
【0045】
液体流通用伝熱管である蒸発器伝熱管(50)および吸収器伝熱管(52)は、低圧力の胴体(41)内に収容されているので、胴体(41)内で相互に接続したり、ヘッダに接続したりする際には、気密性を厳重に保つ必要がある。そのような接続の後で、最終的に胴体(41)外部に引出す部分でも、気密性は必要である。本実施形態では、各伝熱管(59,60)の先端を直線的に胴体(41)外部に引出すので、容易に気密性を確保する封止を行うことができる。
【0046】
吸収式冷凍機(40)では、臭化リチウム水溶液を吸収液として用いているけれども、他の吸収液と冷媒との組合せでも同様に設置面積低減の効果を得ることができる。
【0047】
このように本発明に従う蒸発器散布装置(20)および吸収器散布装置(53)を、吸収冷凍機(40)に備えることによって、たとえば吸収式冷凍機(40)の傾きに起因して、各散布装置(20,53)が傾斜してしまっても、冷媒液(22)を蒸発器伝熱管(50)に設計通りの滴下量で滴下させて散布することが可能になり、蒸発器伝熱管(50)の冷媒液(22)による濡れ性を設計通りに達成することができ、また濃溶液を吸収器伝熱管(52)に設計通りの滴下量で滴下させて散布することが可能になり、吸収器伝熱管(52)の濃溶液による濡れ性を設計通りに達成することができる。したがって設置条件などによる吸収式冷凍機(40)の能力低下を防止することができる。また傾斜して配置されても、各散布装置(20,53)は、冷媒液(22)または濃溶液を、設計通りに滴下散布することができるので、各散布装置(20,53)は、高い水平精度を必要とせず、吸収式冷凍機(40)への組立作業が容易になるとともに、吸収式冷凍機(40)の設置作業も容易になる。
【0048】
図13は、本発明の実施の他の形態の蒸発器散布装置(20a)の特徴的な構成を示す断面図である。蒸発器散布装置(20a)は、上述の形態の蒸発器散布装置(20)と類似の構成を有しており、対応する部分に同一の参照符号を付し、異なる構成についてだけ説明する。本形態の蒸発器散布装置(20a)では、各透孔(21)は、散布管(23)の下部に形成され、各ガイド(25)は、散布管(23)の下部に形成される透孔(21)から各伝熱管(59)の上方に冷媒液(22)を導いて滴下させる。このように各透孔(21)を、散布管(23)の下部に形成する構成としても、上述の形態と同様の効果を達成することができる。また本形態では、各ガイド(25)の凹溝(31)は、上方側に臨んでおり、冷媒液(22)は中途部で落下することなく、ガイド(25)の長手方向の他端部まで確実に導かれる。
【0049】
本発明の実施の他の形態として、吸収器散布装置(53)を図13に示すように構成してもよく、蒸発器散布装置(20a)と同様の効果を達成することができる。
【0050】
また本発明の実施の他の形態として、散布管(23)の両側方にそれぞれ設けられるガイド(25)を一体的に形成するようにしてもよい。たとえば図5に、実線で示すガイド体(30)と仮想線で示すガイド体(30)とを一体的に形成するようにしてもよい。
【0051】
また、散布管(23)、樋(26)、1つの散布管(23)によって滴下散布される伝熱管(59,60)の数、ガイド(30)を構成するガイド(25)の数などは、上述の数に限られることなく、吸収式冷凍機(40)の能力などによって適宜選択することができる。また、透孔(21)は散布管(23)の上部または下部以外の位置、たとえば側部に形成するようにしてもよく、散布装置(26,53)の傾斜に対する同様の効果を達成することができる。
【0052】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、散布装置(20,20a,52)が、設計された好適な状態から傾斜した状態で配置されても、散布液(22)を設計された所要の滴下量で伝熱管(59,60)に散布することができるので、伝熱管(59,60)を好適な状態に保持することができる。したがって伝熱管(59,60)の散布液(22)による濡れ性を設計通りに達成することができ、散布装置(20,20a,52)が傾斜して配置されても、吸収式冷凍機(40)の冷凍能力が低下することがない。また傾斜して配置されても、各散布装置(20,20a,52)は、散布液(22)を、設計通りに滴下散布することができるので、各散布装置(20,20a,52)は、高い水平精度を必要とせず、吸収式冷凍機(40)への組立作業が容易になるとともに、吸収式冷凍機(40)の設置作業も容易になる。さらに樋(26)を仕切り、冷媒液(22)が供給される第1室(26a)と、散布管(23)に冷媒液(22)を供給する第2室(26b)とを異ならせることによって、散布管(23)内の冷媒液(22)の圧力変動を抑制することができる。したがって各透孔(21)から吐出される冷媒液(22)の吐出量の変動を抑制し、伝熱管(59)に冷媒液(22)を好適に滴下させて散布することができる。
【0053】
請求項2記載の本発明によれば、散布管(23)は湾曲しており、吸収式冷凍機(40)の伝熱管(59,60)がコイル状に巻回される構成を有する場合に、散布管(23)を伝熱管(59,60)に沿って配置させ、伝熱管(59,60)に散布液(22)を好適に散布することができる。また透孔(21)は散布管(23)の上部に形成されており、多重のコイル状に巻回される伝熱管(59,60)に散布液(22)を散布するために設けられる散布管(23)は、半径方向の内方側と外方側とでに曲率が異なるけれども、散布管(23)は直線状の管に透孔(21)を形成した後に、伝熱管(59,60)の曲率に対応させて曲成して散布管(23)を形成すればよく、散布管(23)の形成が容易になり、ひいては吸収式冷凍機(40)を容易に製造することができる。特に透孔(21)を散布管(23)の上部に形成した場合には、散布管(23)内の空気を抜くことができるので、散布管(23)内を散布液(22)で充満させて状態を確実に維持して、散布液(22)を安定して散布することができ、吸収式冷凍機(40)を安定して運転することができる。
【0054】
請求項3記載の本発明によれば、1つの透孔(21)から吐出される散布液(22)は1つのガイド(25)によって導かれるので、各透孔(21)を同一径に形成して各透孔(21)から吐出される散布液(22)の量を均一にすることによって、各ガイド(25)から滴下される散布液(22)の滴下量を均一にすることができる。したがって伝熱管(59,60)に均一に散布液(22)を散布して、吸収式冷凍機(40)を好適な状態で安定して運転することができる。また散布管(23)に形成する透孔(21)の数も少なく、製造の手間も少なくなるとともに、各透孔(21)の径は可及的に大きくすることができるので、たとえば不純物なとによって詰まりにくくなり、メンテナンスが容易になる。
【0055】
請求項4記載の本発明によれば、散布液(22)は複数の散布領域に輪番に導かれ、1つの散布管(23)によって、複数の伝熱管(59,60)に散布液(22)を散布することができるとともに、各伝熱管(59,60)に散布液(22)を輪番に滴下するので、特定の伝熱管(59,60)への滴下量が多くなるなどの偏りをなくし、各伝熱管(59,60)に均一に散布することができる。したがって吸収式冷凍機(40)を好適な状態で安定して運転することができる。
【0056】
請求項5記載の本発明によれば、散布液(22)は表面張力が曲率の大きい部分へ集まる特性を利用しこの凹溝(31)に沿って、不所望な方向に流れることなく所望の位置まで導かれる。また散布液(22)は、平坦状のガイドによって導かれる場合と比較して、ガイド(25)の広い接触面積で接触した状態で導かれ、ガイド(25)が前記凹溝(31)を下方に臨ませるように配置されても、散布液(22)のガイド(25)への吸着力が大きく、散布液(22)がガイド(25)の中途部で落下してしまわないように導くことが可能になる。このように散布液(22)を確実に伝熱管(59,60)に導いて滴下させることができ、吸収式冷凍機(40)を好適な状態で安定して運転することができる。さらにガイド(25)を設けるにあたって、凹溝(31)を散布管(23)の透孔(21)に臨ませればよく、凹溝(31)によって散布管(23)の表面(24)との間に凹溝(31)による散布液(22)の流路が形成されるとともに、凹溝(31)の延びる方向へのずれは許容されるので、散布管(23)に対する位置決め作業が容易である。
【0057】
請求項6記載の本発明によれば、複数のガイド(25)が一体的に形成されており、複数のガイド(25)の位置決めを一度にすることができ、各ガイド(25)を個別に位置決めする場合と比較して手間が少ない。
【0058】
請求項7記載の本発明によれば、散布管(23)の両側方に設けられる各ガイド(25)が一体的に形成され、各ガイド(25)は、散布管(23)の両側方から散布管(23)を挟持するようにして散布管(23)に取付けて散布管(23)に対する位置決めをすることができる。したがって各ガイド(25)の散布管(23)への取付作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の蒸発器散布装置(20)の特徴的な構成を示す断面図である。
【図2】図1の左側から見た蒸発器散布装置(20)の一部の正面図である。
【図3】蒸発器散布装置(20)の主要な構成を示す断面図である。
【図4】複数のガイド(26)を一体的に形成したガイド体(30)を示す正面図である。
【図5】図4の上側から見たガイド体(30)の平面図である。
【図6】図5の切断面線VI−VIから見た断面図である。
【図7】吸収式冷凍機(40)の概略的構成を示す断面図である。
【図8】蒸発器散布装置(20)を示す平面図である。
【図9】図8の切断面線IX−IXから見た断面図である。
【図10】本発明の実施の他の形態の吸収器散布装置(53)を示す平面図である。
【図11】図10の切断面線XI−XIから見た断面図である。
【図12】吸収式冷凍機(40)の配管を示す系統図である。
【図13】本発明の実施のさらに他の形態の蒸発器散布装置(20a)の特徴的な構成を示す断面図である。
【図14】従来技術の散布装置(1)を示す断面図である。
【図15】他の従来技術の散布装置(11)を示す断面図である。
【図16】傾斜した状態の散布装置(1)を示す断面図である。
【符号の説明】
20,20a 蒸発器散布装置
21 透孔
23 散布管
24 散布管の外表面
25 ガイド
26 樋
27 ヘッダ
30 ガイド体
31 凹溝
40 吸収式冷凍機
41 胴体
42 蒸発器
43 吸収器
44 凝縮器
45 低温発生器
46 高温発生器
50 蒸発器伝熱管
52 吸収器伝熱管
53 吸収器散布装置
59,60 伝熱管
71 低温熱交換器
72 高温熱交換器
73 溶液循環ポンプ

Claims (7)

  1. 吸収式冷凍機(40)に備えられ、伝熱管(59,60)に散布液(22)を散布するための散布装置(20,20a,53)であって、
    上方に開放され、仕切り板(28)によって仕切られて、散布液(22)が供給される第1室(26a)と、底部付近の通路(26c)を介して第1室(26a)に連通する第2室(26b)とが形成される樋(26)と、
    透孔(21)が形成され、第2室(26b)で開口するように樋(26)に接続されて散布液(22)が充満される散布管(23)と、
    透孔(21)から吐出される散布液(22)を、散布管(23)の外表面(24)から半径方向外方に引き離して伝熱管(59,60)の上方に導くガイド(25)とを含むことを特徴とする吸収式冷凍機の散布装置。
  2. 前記散布管(23)は略水平な平面に沿って湾曲して形成され、前記透孔(21)は散布管(23)の上部または下部に形成されることを特徴とする請求項1記載の吸収式冷凍機の散布装置。
  3. 前記透孔(21)は散布管(23)の軸線に沿って複数形成され、前記ガイド(25)は1つの透孔(21)に対して1つそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1または2記載の吸収式冷凍機の散布装置。
  4. 前記ガイド(25)は、散布管(23)の両側方に交互に設けられ、前記散布管(23)に沿う複数の伝熱管(59,60)に散布液(22)を輪番に導くことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸収式冷凍機の散布装置。
  5. 前記ガイド(25)は、散布液(22)を導く方向に沿って延びる凹溝(31)が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸収式冷凍機の散布装置。
  6. 前記ガイド(25)は、散布管(23)の一方側の側方で隣接する複数のガイド(25)が一体的に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸収式冷凍機の散布装置。
  7. 前記ガイド(25)は、前記散布管(23)の両側方にそれぞれ設けられて一体的に形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吸収式冷凍機の散布装置。
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