JP4278228B2 - 自動製氷機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動製氷機に関し、更に詳しくは、下向きに開口する多数の製氷小室内に下方から製氷水を噴射供給して、各製氷小室内で氷塊を製造するよう構成した自動製氷機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下向きに開口させた多数の製氷小室内で製氷水の氷結を行なって、多数の氷塊(角氷)を連続的に製造する噴射式の自動製氷機が、喫茶店やレストラン等の施設その他の厨房で好適に使用されている。この自動製氷機の概略構成を説明すれば、製氷機本体をなす筐体の所定位置に、下方に開口する多数の製氷小室が画成された製氷部が水平に配設されると共に、該製氷部の下方には、所定間隔離間して製氷水タンクが設置される。製氷水タンクには、製氷運転時に製氷水を循環させるための製氷水循環パイプの一端部が接続されると共に、該パイプの他端部は製氷水循環ポンプに接続されている。また循環ポンプからは、製氷部に向けて製氷水を噴射供給するための散水パイプが延出し、この散水パイプが製氷水タンクの上面に配設された氷塊案内板の下面に蛇行配置されている。更に、前記製氷部の上面には、筐体の所要位置に配設された冷凍装置から導出する蒸発管が、製氷部における各製氷小室の上部に位置するよう蛇行配置され、その延在端部が冷凍装置に帰還するよう構成される。
【0003】
前記自動製氷機の製氷運転を開始すると、製氷水タンクに所定量だけ貯留されている製氷水が、前記製氷水循環ポンプによって散水パイプに供給され、更に該散水パイプの上面に穿設された小径の噴射孔を介して製氷部の各製氷小室内に所定圧で噴射供給される。また前記冷凍装置は、この散水パイプへの製氷水の供給開始と同時に運転を開始して前記蒸発管に冷媒を供給する。これにより、該蒸発管および製氷小室が冷媒を介して熱交換されることで経時的に冷却される。従って散水パイプから噴射された製氷水は、この製氷小室に接触して冷却された後に順次氷結することで該小室内で氷塊となる。なお、製氷小室で氷結しない未氷結水は、前記氷塊案内板に穿設した通孔を介して製氷水タンクに戻されて再循環に供される。
【0004】
氷塊の生成完了を適宜の検知手段で検知すると、散水パイプからの製氷水の噴射が停止し、これと適宜タイミングで連動して前記冷凍装置に配設されたホットガス弁が切換えられて除氷運転に移行する。すなわち、蒸発管にホットガスが循環供給され、該蒸発管が昇温されると共に蒸発管を介して製氷小室との間で熱交換がなされるため、製氷小室内に氷結した氷塊は、小室壁面と接触している部分が融解して下方への移動を開始する。このとき氷塊と製氷小室との間の空間には、該製氷小室の上面に開設された空気孔を介して空気が流入するようになっている。従って氷塊自体は、この外部空気が導入されることによって速やかに自重落下すると共に、氷塊案内板の上面を滑落して貯氷部に順次貯留される。そしてこの除氷運転が終了した後に、次の製氷運転が開始される。なお、製氷運転−除氷運転のサイクルは、貯氷部に氷塊が充満するまで繰り返し行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した自動製氷機では、除氷運転に際して製氷小室から氷塊の速やかな自重落下を行なわせるために、前記製氷部に空気孔を穿設しているから、製氷運転の初期においては、前記散水パイプから噴射供給された製氷水の一部が空気孔を介して製氷部の上面に飛散することは避けられない。この場合において、前記製氷部が水平に配置されていたため、製氷部の上面に飛散した製氷水は速やかに排出されずに残留する。また製氷部に配設される蒸発管は、そのU字状に折曲されたベンド部も製氷部上面に臨むよう配置されているため、該ベンド部の内側に製氷水が残留していた。そして、この状態のまま製氷運転が継続されると、製氷小室内で製氷水が氷結すると共に、製氷部の上面に残留する製氷水も氷結するに至る。このため製氷小室内での氷結に有効利用されるべき熱エネルギーの一部が、製氷部の上面に飛散残留した製氷水を氷結させる熱エネルギーとして無駄に利用され、製氷能力が低下する原因となっている。また除氷運転においても、前記ホットガスからの熱エネルギーが、製氷部の上面で氷結した氷を融解する熱エネルギーとして使用されてしまうため、何れの場合においてもエネルギーのロスが発生する難点が指摘される。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、製氷部の上面に飛散した製氷水を速やかに排出して、製氷運転および除氷運転において利用される熱エネルギーのロスを抑制し得るようにした自動製氷機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る自動製氷機は、下方に開口する多数の製氷小室を有する製氷部と、該製氷部における各製氷小室と対応する上部に穿設される空気孔と、冷凍装置に接続し前記製氷部の上面に前記空気孔を塞ぐことなく蛇行配置される蒸発管と、前記製氷部の下方に配置された散水手段とからなり、この散水手段から各製氷小室に対応的に噴射した製氷水を氷結させて、各製氷小室内に氷塊を形成する自動製氷機において、
前記製氷部を傾斜配置すると共に、前記蒸発管における製氷部の傾斜下端側で折曲形成されたベンド部を、該製氷部の傾斜下端部から外方に延出するよう配置したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る自動製氷機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0009】
【第1実施例】
図1は、第1実施例に係る自動製氷機の全体構造を示すものであって、該自動製氷機10では、下方に開放した多数の製氷小室11を画成した製氷部12が、水平姿勢から所定角度だけ傾斜する傾斜姿勢で配置されている。この製氷部12の下方には、所定量の製氷水が貯留される製氷水タンク13が所定間隔離間して設置される。また製氷水タンク13には、製氷運転時に製氷水を循環させるための製氷水循環パイプ14の一端部が接続されると共に、該パイプ14の他端部は製氷水循環ポンプ15に接続されている。この循環ポンプ15からは、製氷部12に向けて製氷水を噴射供給するための散水手段としての散水パイプ16が延出し、この散水パイプ16が製氷水タンク13の上面に配設された氷塊案内板17の下面に蛇行配置されている。この氷塊案内板17は、図に示す如く、前記製氷部12と略平行になる傾斜姿勢で配設され、前記製氷部12における各製氷小室11と散水パイプ16との離間距離を略同一にするよう構成される。そして、後述する製氷運転に際して、前記製氷水循環ポンプ15によって散水パイプ16に供給された製氷水を、該散水パイプ16の上面に穿設した小径の噴射孔16aを介して各製氷小室11内に同一圧力で噴射供給して、各製氷小室11内に均一な氷塊18を生成するようになっている。なお符号17aは、散水パイプ16の各噴射孔16aと対応して氷塊案内板17に穿設した通孔を示す。
【0010】
前記製氷水タンク13の側方で、氷塊案内板17の傾斜下端側に臨む位置に、前記製氷部12で製造された氷塊18を貯留する貯氷部19が配置されている。すなわち、後述する除氷運転に際して製氷部12から落下した氷塊18は、氷塊案内板17を滑落して貯氷部19に放出貯留される。なお、氷塊案内板17には、製氷運転に際して製氷小室11内で氷結しない未氷結水を、製氷水タンク13に回収する通孔(図示せず)が多数穿設されている。
【0011】
前記製氷部12は、図2に示す如く、冷凍装置20から導出する蒸発管21が上面に蛇行配置される製氷板22と、製氷板22の下面に当接配置される製氷枠体23とから構成される。前記蒸発管21は、冷凍装置20から供給される冷媒の入口側が製氷板22(製氷部12)の傾斜上端部22aに配置され、この蒸発管21は、製氷板22の傾斜下方に向けて延在した後、製氷板22の外周縁部である傾斜下端部22bから外方に延出した部分でU字状に折曲形成されて進路を反転して製氷板22の傾斜上方に向けて延在し、そして傾斜上端部22aより内側でU字状に折曲形成されて進路を反転して、再び傾斜下方に向けて延在するパターンを反復する。そして、製氷板22の傾斜上端部22aに至った蒸発管21の冷媒の出口が、前記冷凍装置20に接続されるようになっている。すなわち、蒸発管21における製氷板22の傾斜下端部22b側で進路を反転するようU字状に折曲形成されたべンド部21aが、該傾斜下端部22bから外方に延出して傾斜下端部22bとの間に隙間を設けることで、該ベンド部21aの内側に製氷水が残留しないよう構成される。また、蒸発管21における製氷板22の傾斜上端部22a側に臨むベンド部21aと傾斜下端部22b側に臨むベンド部21aとを連結する各直線部分は、製氷板22上に平行に配置されている。
【0012】
なお、前記製氷板22の所定位置には、前記製氷枠体23を配設するためのスリット24が、所定間隔毎に複数穿設されると共に、除氷運転における氷塊18の離脱を促進するための空気孔25が、製氷枠体23で画成される各製氷小室11と対応する位置(製氷小室11の上部)に夫々穿設されている。そして、前記蒸発管21は、スリット24および空気孔25を塞ぐことのない位置に配置される。また、前記製氷板22および蒸発管21を成形する材料としては、熱伝導率が良好な銅が好適に採用される。
【0013】
前記製氷板22の下面に配設される製氷枠体23は、図2に示すように、ステンレスを材料として成形された複数の薄板を碁盤目状に組合わせて構成される。すなわち、この製氷枠体23では、前記製氷板22の傾斜側端部22c,22cと対応する位置に配置される一対の第1外枠材26,26に、図3に示す如く、その上端縁部から所定深さに設定された第1係合溝26aが長手方向に所定間隔で複数(実施例では4つ)形成されている。この第1係合溝26aは、その切欠幅が後述する第2外枠材27や第2仕切板29の厚み寸法と略同一に設定されると共に、その切欠深さが、第2外枠材27および第2仕切板29における第2鍔27bおよび第5鍔29bの高さ寸法と略同一に設定される。また隣接する第1係合溝26a,26aの中間部には、第1外枠材26,26の上端部から第1鍔26bが一体的に凸設されている。この第1鍔26bは、製氷板22に穿設された前記スリット24に挿通された後、直角に折曲されることで、第1外枠材26を製氷板22に配設固定するべく機能する(図4参照)。
【0014】
前記製氷枠体23における製氷板22の傾斜上端部22aおよび傾斜下端部22bと対応する位置には、前記第1外枠材26と略同一の高さ寸法に設定された一対の第2外枠材27,27が当接配置される。この第2外枠材27の上端縁部には、第1外枠材26に形成された第1係合溝26aと同一の切欠幅および切欠深さに設定された第2係合溝27aが、長手方向に所定間隔離間して複数(実施例では3つ)形成されている。また第2外枠材27の長手方向両端の上部には、外方に延出するよう第2鍔27b,27bが凸設されている。この第2鍔27bは、前記第1外枠材26の第1係合溝26aに係合する寸法で形成されており、これを第1外枠材26,26の長手方向両端部近傍に形成された対向する第1係合溝26a,26aに係合することにより、一対の第1外枠材26,26と一対の第2外枠材27,27とが相互に組合わされて矩形枠状となるよう構成される(図2参照)。
【0015】
前記第1外枠材26,26および第2外枠材27,27で形成された枠体の内側には、第1仕切板28と第2仕切板29が所定数(実施例では第1仕切板28が3枚で第2仕切板29が2枚)だけ配設される。第1外枠材26と平行に配設される第1仕切板28には、図3に示すように、その長手方向両端の上部に、外方に延出するよう第3鍔28a,28aが凸設され、両第3鍔28a,28aを、前記第2外枠材27,27の対向する第2係合溝27a,27aに係合することで、該第1仕切板28は第1外枠材26と平行に組付けられる。また第1仕切板28には、第1外枠材26の第1係合溝26aと同一幅の第3係合溝28bが、その上端部から所定深さで複数形成される。各第3係合溝28bは、第1外枠材26における第2外枠材27の第2鍔27bが係合されていない第1係合溝26aと整列する位置に形成されたものであって、該第1係合溝26aよりも若干深く形成してある。更に、第1仕切板28には、隣接する第3係合溝28b,28bの中間部に、その上端部から第4鍔28cが一体的に凸設されている。なお、各第4鍔28cは、第1外枠材26の第1鍔26bと整列する位置に形成される。
【0016】
前記第2外枠材27と平行に配設される第2仕切板29には、図3に示すように、第1仕切板28の各第3係合溝28bと係合する第4係合溝29aが、その下端部から所要深さで形成される。また第2仕切板29の長手方向両端の上部に、外方に延出するよう第5鍔29b,29bが凸設され、両第5鍔29b,29bを、第1外枠材26,26の対向する第1係合溝26a,26aに係合することで、該第2仕切板29は第2外枠材27と平行に組付けられる。すなわち、これら第1外枠材26、第2外枠材27、第1仕切板28および第2仕切板29を相互に組合わせることにより、図2に示す如く、製氷小室11を碁盤目状に画成する前記製氷枠体32が構成される。
【0017】
この製氷枠体32を構成する第1外枠材26の第1鍔26aと第1仕切板28の第4鍔28cとは、図4に示すように、前記製氷板22の下面から前記スリット24を介して挿通されると共に、該製氷板22の上面から突出する部分が挿通方向と直交方向に折曲される。しかる後、この折曲部分をろう付け溶接することにより、製氷枠体32と製氷板22とが相互に固定され、下方に開放した製氷小室11が画成される。なお前述したように、製氷板22の成形材料として銅を採用し、また製氷枠体23の成形材料としてステンレスを採用して製氷板22と製氷枠体23の熱伝導率を異ならせることで、後述する如く、氷塊18の生成および製氷部12からの離脱において、良好な結果が得られるようになっている。
【0018】
【第1実施例の作用】
次に、第1実施例に係る自動製氷機の作用につき説明する。自動製氷機10の製氷運転を開始すると、前記製氷水タンク13に貯留されている製氷水が、前記製氷水循環ポンプ15によって散水パイプ16に供給され、更に散水パイプ16の各噴射孔16aを介して製氷部12の各製氷小室11内に所定圧で噴射供給される。このとき、各製氷小室11に噴射供給された製氷水の一部は、前記空気孔25を介して製氷板22(製氷部12)の上面に飛散する。霧状に飛散するこれらの製氷水は経時的に水滴となるが、該製氷板22(製氷部12)が所定角度で傾斜しているから、図5および図6に示すように、該水滴は製氷板22の上面を流下して傾斜下端部22bから速やかに滴下排出される。また、この傾斜下端部22b側に位置する前記蒸発管21のベンド部21aは、製氷板22(製氷部12)の外方に延出して傾斜下端部22bとの間に隙間を設けているため、図の矢印で示すように、流下する水滴の一部は蒸発管21を伝わってベンド部21aと製氷板22の傾斜下端部22aとの間から滴下排出され、該ベンド部21aの内側に水が残留することはない。
【0019】
すなわち、製氷小室11内での製氷水の氷結に有効利用されるべき熱エネルギーの一部が、製氷板22(製氷部12)の上面に飛散残留した製氷水を氷結させる熱エネルギーとして無駄に利用されるのを防止でき、製氷能力の低下を防ぐことができる。また除氷運転においても、前記蒸発管21に供給されるホットガスからの熱エネルギーが、製氷板22(製氷部12)の上面で氷結した氷を融解する熱エネルギーとして使用されないから、エネルギーのロスを抑制して除氷時間を短縮することが可能となる。
【0020】
第1実施例の製氷部12では、前述したように、前記製氷板22の成形材料に銅が使用され、前記製氷枠体23の成形材料にステンレスが使用されている。このため製氷運転の初期段階では、熱伝導率の高い銅で成形された製氷板22が、ステンレスで成形された製氷枠体23よりも短時間で冷却される。すなわち製氷運転が開始されると、図7(a)に示す如く、製氷板22の下面全体から製氷水が氷結し始めるが、製氷小室11を画成する製氷枠体23の各内側面では殆ど氷結に至らない。これと対比する比較例として、製氷板および製氷枠体を共に銅で成形した場合には、両者共に略同じ速度で冷却が進行するため、製氷板の下面と製氷枠体の内側面とにおいて殆ど時間差なく氷結に至ることになる。従ってこの段階においては、比較例での製氷小室内の氷塊は、第1実施例と同様に隣接する他の製氷小室で成長する氷塊と繋がっていない。
【0021】
製氷運転の中期では、図7(b)に示す如く、製氷枠体23の内側面にも氷結が進むが、製氷板22の下面で成長した氷塊18と比較して氷結までに至る時間に差がある。このため氷塊18としては、製氷小室11内で凹状に成長する。この時点においても氷塊18自体は、隣接する製氷小室11との間で連結することがない。なお比較例に係る製氷部では、製氷枠体での氷結が製氷初期の段階から始まっているために、この時点で氷塊の下端部が、内部の仕切板の下端部を越えて相互に連結し始める。
【0022】
更に、製氷運転の最終段階においては、図7(c)に示す如く、氷塊18が製氷小室11内の略全体に成長する。製氷小室11で成長した氷塊18は、第1仕切板28および第2仕切板29の下端部を越えて相互に連結し始めるが、この段階においても、製氷枠体23での氷結速度がその熱伝導率の関係で遅いために、僅かの厚みでしか氷結しない。従って除氷運転に移行した際には、この連結部分が融解するか、あるいは製氷水タンク13に配設した氷塊案内板17上に落下した際の衝撃で割れることにより、各氷塊18が容易に個々に分離される。これと対照的に、比較例に係る製氷部の場合、氷塊の下端部で連結した部分が製氷運転の中期から更に成長するため、除氷運転においても充分に融解せず、また製氷小室から落下した際にも、連結部分が厚いことで、各氷塊が分離しないこともある。従って、前述したように、製氷板22を熱伝導率の高い銅で成形し、製氷枠体23を熱伝導率の低いステンレスで成形することにより、氷塊18を最終的に分離された状態で貯留することができる。なお、銅製の製氷板22とステンレス製の製氷枠体23とをろう付け溶接したことで、除氷運転時の熱伝導が良好となり、除氷時間の短縮を図ることが可能となる。
【0023】
図8は、製氷板22の上面に蛇行配置される蒸発管21の別配置例であって、製氷板22の傾斜上端部22a側のベンド部21aと、傾斜下端部22b側のベンド部21aとを連結する部分を、同一平面内で傾斜することで、幅方向(図の左右方向)に隣り合うベンド部21a,21aを近接配置している。すなわち、図8の配置例では、製氷板22と蒸発管21との接触面積を増やすことができ、熱交換効率を向上し得る。なお、隣り合うベンド部21a,21aの間には隙間が設けられ、その間に水が残留しないよう構成されている。
【0024】
【第2実施例】
図9〜図11は、前記自動製氷機の第2実施例を示すものであって、基本的な構成は第1実施例と同じであるので、異なる部分についてのみ説明すると共に、同一部材には同じ符号を付して示す。第2実施例の自動製氷機34では、下方に開口する1つの製氷小室30を画成した独立した箱体31を、複数組合わせることで製氷部32を構成している。すなわち、下方が開放した複数の箱体31が、図10に示すように、相互に若干の隙間を存して3行4列で配置され、これら各箱体31の上面に、前記蒸発管21が蛇行配置される。この製氷部32は、第1実施例と同様に、水平姿勢から所定角度だけ傾斜する傾斜姿勢で配置されると共に、蒸発管21の製氷部32における傾斜下端側のベンド部21aが、製氷部32を構成する傾斜下端側の箱体31から外方に延出している。また各箱体31の上面には、蒸発管21の配設位置から離間する位置に空気孔33が穿設してある。なお、各箱体31を成形する材料としては、熱伝導率が良好な銅が好適に採用される。
【0025】
【第2実施例の作用】
次に、第2実施例に係る自動製氷機の作用につき説明する。第1実施例と同様に、製氷運転においては、前記散水パイプ16から各製氷小室30に噴射供給された製氷水の一部が、前記空気孔33を介して箱体31(製氷部32)の上面に飛散する。霧状に飛散した製氷水は経時的に水滴となるが、夫々独立した各箱体31が同一方向に沿って傾斜しているために、水滴は各箱体31の傾斜上面を流下する。また隣り合う箱体同士の間には隙間が形成してあるから、水滴は各箱体31の側面部分を伝わって下方に速やかに滴下排出される。また製氷部32の傾斜下端側に位置する蒸発管21のベンド部21aが、製氷部32の外方に延出しているから、傾斜下端側の各箱体31の上面に水が残留することはない。
【0026】
従って、第2実施例に係る自動製氷機34においても、製氷小室30内での氷結または融解に有効利用されるべき熱エネルギーの一部が、箱体31(製氷部32)の上面に飛散残留した製氷水を氷結または氷を融解させる熱エネルギーとして無駄に利用されるのを防止でき、製氷能力の低下を防ぐことができる。
【0027】
第2実施例のように全体が同一の材料で成形された箱体31を用いた製氷部32では、製氷運転の初期段階において、製氷小室30全体が一様に冷却され、図11(a)に示す如く、製氷小室30の内側上面および内側面から製氷水が略同時に氷結するに至る。なお、銅製の製氷板の下面に複数の銅製の仕切板を配設して多数の製氷小室を画成した製氷部と比較した場合、該比較例の製氷部における製氷小室では、第2実施例の製氷小室30と同様に氷結が進行する。すなわち、この段階における各製氷小室内の氷塊は、隣接する他の製氷小室で成長する氷塊と繋がっていない。
【0028】
製氷運転の中期では、図11(b)に示すように、前記製氷小室30内で凹状に成長した氷塊18の一部が、箱体31の下端部を越えた位置まで氷結するに至る。しかしながら各箱体31は、夫々独立しているために、この氷塊18の下端部が相互に連接することがない。これに対して、比較例の製氷部では、第2実施例の製氷部32と同様に、製氷運転の初期段階から製氷小室内全体の氷結が始まっており、なおかつ該製氷小室が仕切板を挟んで隣接しているために、氷塊が該仕切板の下端部を越えて相互に連結状態となる。
【0029】
更に、製氷運転の最終段階においては、図11(c)に示す如く、氷塊18が製氷小室30内の略全体に成長すると共に、箱体31の下端部を中心とした断面円弧状に氷塊18が成長する。然るに各箱体31は、該箱体31の下端部に氷結した氷が製氷運転の最終段階まで成長した際にも相互に連結しないか、あるいは僅かに連結するような離間幅で(隙間を存して)整列配置されている。従って氷塊18の下端部は、除氷運転あるいは氷塊案内板17への落下によって個々に分離し、複数の氷塊18が連結されていない氷塊18が常に得られる。またこれと対照的に、比較例の製氷部では、仕切板の下端部で連結した氷塊の一部が更に厚みを増し、各氷塊相互の連結力が強固となってしまう。このため除氷運転や自重落下等による衝撃では容易に分離せず、2個以上連結した氷塊が得られてしまう。すなわち同一の材料を使用して製氷部を成形する場合、第2実施例のように独立した箱体31を用いて製氷部32を構成することにより、連結していない状態の氷塊18を容易に得ることができる。また、氷塊同士が強固に氷結するのを防止し得るもとで、熱伝導率の高い銅を材料として箱体31を成形し得るから、製氷能力を向上することができる。また箱体31同士の連結は蒸発管21を用いて行ない得るから、構成を簡略化し得る利点も有する。
【0030】
なお、第1実施例や第2実施例では、熱伝導率の高い材料として銅を挙げたが、該材料としては熱伝導率の高い、例えばアルミニウム等であってもよい。また製氷部に蛇行配置される蒸発管のターン数(ベンド部の数)は、各実施例の数に限定されるものでなく、製氷部の大きさに応じて設定し得るものである。また製氷小室の数も任意に設定し得る。
【0031】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る自動製氷機によれば、製氷小室を有する製氷部を傾姿配置すると共に、製氷部の傾斜下端側に臨む蒸発管のベンド部を製氷部から外方に延出するよう構成したので、製氷運転において該製氷部の上面に飛散する製氷水を速やかに排出することができる。すなわち、製氷部の上面に残留する製氷水の氷結に奪われる熱エネルギーのロスを解消し得ると共に、除氷運転においての熱エネルギーのロスも合わせて解消でき、製氷能力を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る自動製氷機を示す概略構成図である。
【図2】 第1実施例に係る製氷部を一部分解して示す斜視図である。
【図3】 第1実施例に係る製氷部の製氷枠体を示す分解斜視図である。
【図4】 第1実施例に係る製氷部を示す縦断面図である。
【図5】 第1実施例に係る製氷部において、水滴の流下する状態を示す平面図である。
【図6】 第1実施例に係る製氷部において、水滴の流下する状態を示す縦断側面図である。
【図7】 第1実施例に係る製氷部の製氷小室内での氷塊の成長過程を経時的に示す縦断面図である。
【図8】 第1実施例に係る製氷部に配設される蒸発管の別配置例を示す平面図である。
【図9】 本発明の第2実施例に係る自動製氷機を示す概略構成図である。
【図10】 第2実施例に係る製氷部を示す斜視図である。
【図11】 第2実施例に係る製氷部の製氷小室内での氷塊の成長過程を経時的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
11 製氷小室,12 製氷部,16 散水パイプ(散水手段),18 氷塊
20 冷凍装置,21 蒸発管,21a ベンド部,22b 傾斜下端部
25 空気孔,30 製氷小室,32 製氷部,33 空気孔

Claims (1)

  1. 下方に開口する多数の製氷小室(11,30)を有する製氷部(12,32)と、該製氷部(12,32)における各製氷小室(11,30)と対応する上部に穿設される空気孔(25,33)と、冷凍装置(20)に接続し前記製氷部(12,32)の上面に前記空気孔(25,33)を塞ぐことなく蛇行配置される蒸発管(21)と、前記製氷部(12,32)の下方に配置された散水手段(16)とからなり、この散水手段(16)から各製氷小室(11,30)に対応的に噴射した製氷水を氷結させて、各製氷小室(11,30)内に氷塊(18)を形成する自動製氷機において、
    前記製氷部(12,32)を傾斜配置すると共に、前記蒸発管(21)における製氷部(12,32)の傾斜下端側で折曲形成されたベンド部(21a)を、該製氷部(12,32)の傾斜下端部(22b)から外方に延出するよう配置した
    ことを特徴とする自動製氷機。
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