JP2011074173A - 熱硬化性樹脂成形材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)レゾール型フェノール樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び、(C)メラミン樹脂を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂成形材料。好ましくは、(A)レゾール型フェノール樹脂の含有量は、成形材料全体に対して1〜30重量%であり、(B)エポキシ樹脂の含有量は、成形材料全体に対して10〜60重量%であり、(C)メラミン樹脂の含有量は、成形材料全体に対して1〜10重量%である。
【選択図】 なし
Description
電気・電子分野に適用される樹脂成形材料には、電気的特性と併せて難燃性が求められる。しかし、上述したフェノール樹脂やエポキシ樹脂を用いた成形材料は、製品の用途や要求特性に応じて適用されているものの、特性上、その適用範囲が限定されることがあった。
また、熱可塑性樹脂やスーパーエンプラなどの低コスト化による樹脂製品の競争激化により、熱硬化性樹脂を用いた製品にさらなる高機能化が求められている。
しかし、近年環境対応製品の需要拡大や法規制の改訂等により、リン系難燃剤を配合した成形材料の置き換え需要がある。
[1](A)レゾール型フェノール樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び、(C)メラミン樹脂を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂成形材料。
[2]上記(A)レゾール型フェノール樹脂の含有量は、上記成形材料全体に対して1〜30重量%である上記[1]に記載の熱硬化性樹脂成形材料。
[3]上記(B)エポキシ樹脂の含有量は、上記成形材料全体に対して10〜60重量%である上記[1]又は[2]に記載の熱硬化性樹脂成形材料。
[4]上記(C)メラミン樹脂の含有量は、上記成形材料全体に対して1〜10重量%である上記[1]ないし[3]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂成形材料。
本発明の成形材料は、(A)レゾール型フェノール樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び、(C)メラミン樹脂を含有することを特徴とする。
本発明の成形材料で用いられるレゾール型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、アルカリ金属の水酸化物、第3級アミン、アルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、アルカリ性物質などのアルカリ性触媒の存在下で、フェノール類(P)に対するアルデヒド類(F)の反応モル比(F/P)を通常0.7〜3.0、好ましくは0.9〜1.8として反応させることにより得られるものである。
また、同様にアルデヒド類としても特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン等のアルデヒド類、あるいはこれらの混合物であり、これらのアルデヒド類の発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド類の溶液を使用することもできるが、通常はホルムアルデヒドが多く用いられる。
(A)レゾール型フェノール樹脂の含有量を上記下限値以上とすることにより、成形材料製造時の生産性や成形品の耐熱性、機械的強度を良好なものとすることができる。また、上記上限値以下とすることにより、成形材料製造時の生産性や成形品の機械的強度を良好なものとすることができる。
また、同様にアルデヒド類としても特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン等のアルデヒド類、あるいはこれらの混合物であり、これらのアルデヒド類の発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド類の溶液を使用することもできるが、通常はホルムアルデヒドが多く用いられる。
エポキシ樹脂の硬化剤としては特に限定されないが、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ジシアミンジアミドなどのアミン化合物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物などの酸無水物、ノボラック型フェノール樹脂などのポリフェノール化合物のほか、イミダゾール化合物などが挙げられる。
なお、硬化剤の添加量は特に制限されないが、エポキシ樹脂に対して理論当量からの許容幅を10重量%以内にして配合することが好ましい。
硬化促進剤の配合量は、特に制限されるものではないが、エポキシ樹脂全体に対して0.1〜5重量%が好ましく、更に好ましくは1〜3重量%である。上記下限値未満では硬化促進効果が小さい場合があり、上記上限値を超えると反応性が高くなりすぎることがあり、成形材料化が困難になる場合がある。
(B)エポキシ樹脂の含有量を上記下限値以上とすることにより、成形品に良好な電気的特性を付与することができる。また、上記上限値以下とすることにより、成形品の難燃性や機械的特性を良好なものとすることができる。
(C)メラミン樹脂の含有量を上記下限値以上とすることにより、成形品に充分な難燃性を付与することができる。また、上記上限値以下とすることにより、成形品の機械的特性を良好なものとすることができる。
本発明の成形材料は、リン系難燃剤を用いることなく、優れた電気的特性と難燃性を有した成形品を得られるものである。具体的には、レゾール型フェノール樹脂が有する耐熱性、機械的特性、エポキシ樹脂が有する電気的特性、及び、メラミン樹脂が有する難燃性を発現させることにより、特に電気、電子部品用途に好適に用いることができるものである。
また、本発明の成形材料は、材料の製造段階においても作業性に優れたものである。通常、メラミン樹脂を含有する組成物の製造に際しては、メラミン樹脂の官能基数がトリアジン核1個につき6個と多く反応性も高いため、メラミン樹脂の架橋密度が高くなるとともに反応速度も速くなりやすい。本発明の成形材料では、メラミン樹脂とともにエポキシ樹脂を用いることで、エポキシ樹脂の結合鎖が長いこと、メラミン樹脂に比べ分子量あたりの官能基数が少ないことなどにより、メラミン樹脂含有組成物の剛直性を緩和でき、成形材料を製造する際の作業性を良好なものとし、成形材料の流動性を調整しやすいという効果を有するものである。
また、こうして得られた成形材料は射出成形、移送成形および圧縮成形等のいずれにも適用することができる。
れるものではない。
表1に、実施例及び比較例の成形材料組成について示した。あわせて、各実施例、及び比較例の特性評価結果を示した。
本実施例及び比較例に用いた各配合物は以下の通りである。
(1)レゾール型フェノール樹脂:住友ベークライト社製「スミライトレジンPR−55353」
(2)ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製「スミライトレジンPR−51714」
(3)ビスフェノールA型エポキシ樹脂:東都化成社製「エポトートYD−014」、エポキシ当量900〜1000g/eq
(4)メラミン樹脂:住友ベークライト社製「スミライトレジンPR−53235」、数平均分子量465
(5)炭酸カルシウム:日東粉化工業社製「SS#80」、粒径約5μm
(6)硬化触媒:水酸化カルシウム
(7)硬化剤:イミダゾール
(8)離型剤:ステアリン酸カルシウム、カルナバワックス
(9)着色剤:カーボンブラック
下記の(1)〜(2)の特性を測定するための試験片は、得られた成形材料を用いて移送成形により作成した。成形条件は金型温度175℃、硬化時間3分間とした。
(1)機械的特性
機械的特性として、JIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して曲げ試験を実施した。
(2)電気的特性
電気的特性として、JIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して絶縁抵抗を測定した。
(3)難燃性
実施例及び比較例で得られた成形材料を、圧縮成形(金型温度175℃、硬化時間3分間)して厚み0.4mm、幅12mmの短冊状の試験片を成形した。燃焼性試験はUL94垂直燃焼試験により、試験片に10秒間接炎させた後の残炎時間を測定した。
比較例1は、エポキシ樹脂、メラミン樹脂を用いなかった成形材料であるが、電気的特性、難燃性のいずれもが低下した。
比較例2は、エポキシ樹脂を用いなかった成形材料であるが、機械的特性、電気的特性が低下した。
比較例3は、レゾール型フェノール樹脂、メラミン樹脂を用いなかった成形材料であるが、機械的特性、難燃性が低下したものとなった。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料は、電気、電子部品等に好適に使用できる。
Claims (4)
- (A)レゾール型フェノール樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び、(C)メラミン樹脂を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂成形材料。
- 前記(A)レゾール型フェノール樹脂の含有量は、前記成形材料全体に対して1〜30重量%である請求項1に記載の熱硬化性樹脂成形材料。
- 前記(B)エポキシ樹脂の含有量は、前記成形材料全体に対して10〜60重量%である請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂成形材料。
- 前記(C)メラミン樹脂の含有量は、前記成形材料全体に対して1〜10重量%である請求項1ないし3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂成形材料。
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